JP3831669B2 - 免震支承用受け皿の施工方法 - Google Patents
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Description
【発明が属する分野】
本発明は、RC造建築物、SRC造建築物の床スラブ、あるいは、S造建築物におけるコンクリート系床版(以下「床スラブ」と総称する)上に免震床を構築する際に使用される免震支承用受け皿の施工方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、免震床として数多くのものが提案されているが、その免震装置に使用される受け皿は、高張力鋼等を用いて製造されているので高価であり、又高さがあるので、床スラブ上面から床仕上げ面までの高さが高くなり、相対的に天井高の低い圧迫感、閉塞感のある執務室、作業室となったり、一方このような圧迫感等を無くすための充分な天井高を確保するためには階高を高くしなければならず、結果的に建築コストの上昇が避けられなかった。また、既存の建物において、床を免震床に改修する場合にも上記同様の問題があった。
【0003】
さらに、床スラブの上面には、不陸と呼ばれる凹凸が存在するため、免震装置の一部を構成する床側部材を水平精度良く設置することに多大な労力を必要としていた。特に、既存の建物において、床の免震化改修を行う場合には、既存の床仕上げ材を撤去した後の床スラブ上面に接着剤などが残存し一層凹凸が多く、上記床側部材を水平精度良く設置することは、さらに困難を伴うものであった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような従来の問題点に鑑みてなされたもので、凹凸のある床スラブであっても水平精度を良くする施工が容易で、かつ、床スラブ面から床仕上げ面までの高さを低く押えることができる免震支承用受け皿の施工方法を提供しようとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明は薄い鋼板等を使用し、プレス加工で成型した免震支承用受け皿により施工したもので、具体的な手段は以下に示すとおりである。
【0006】
具体的手段は、表面を曲面状又は円錐状の凹部にして孔を設けた天板の周縁部から下方に側壁板を一体に形成し、該側壁板にねじ孔を有する水平舌片を取り付けて成る免震支承用受け皿を、該ねじ孔に調整用ボルトを螺合して床スラブ上に載置し、調整用ボルトを回動して免震支承用受け皿の高さを調整した後、側壁板の下縁と床スラブ面との間を塞ぎ板で閉塞して天板に設けた孔から充填硬化材を注入し、充填硬化材が硬化した後高さ調整ボルトと塞ぎ板を撤去することを特徴とする免震支承用受け皿の施工方法である。
【0007】
【実施例】
以下、図面に示す実施例に基づいて本発明を説明する。
図1は、本発明の免震支承用受け皿1(以下、単に「受け皿1」という)と、その受け皿1を使用して免震床を構築した床の概要図を示すものである。
図2は、本発明の受け皿1を使用して構築した免震床の一部を切り欠いた平面図を示すものである。
【0008】
床スラブ7上には、後述する本発明の受け皿1が多数設置されている。この受け皿1は、後述する方法により、その上端縁である周縁部の天端が互いに水平に保たれ、縦横等間隔、実施例においては中心間距離1mで設置されている。
【0009】
この受け皿1の上方に、下地フレーム3が設けられている。この下地フレーム3は、受け皿1の中心部分で交差する各1m間隔の縦横フレーム31と、その各交点を結ぶ斜めフレーム32とで構成された面内剛性の高いフレームであり、外寸4cmの角パイプを使用して組み立てたものである。
【0010】
図9に示すように、縦横フレーム31と斜めフレーム32が交叉する各交点下面に形成した凹部と、曲面状凹部又は円錐状凹部から成る受け皿1の中心点との間に、点接触しているボール9が介在されている。
下地フレーム3の下面と、受け皿周縁部の天端10との間には若干、例えば5mm程度の間隙が形成されている。
【0011】
そして、下地フレーム3上に床仕上げパネル4、或いは、下地パネル4が固定される。このパネル4はいずれも50cm角の正方形で、4隅が下地フレーム3上に位置しており、更に4つの側縁の内、2つの隣り合う側縁が縦横のフレーム31上に位置している。
【0012】
一方、壁8に接する部分には、脚により床スラブ7に直接支持された固定床パネル6が設けてある。
そして、下地フレーム3の縁部と固定床パネル6との間に、一側縁が下地フレーム3に固定され他側縁が固定床パネル6上に摺動自在に支持された、仕上げスライドパネル5、或いは、下地スライドパネル5が設けられている。
【0013】
このスライドパネル5は、床仕上げパネル4、或いは、下地パネル4と基本的に同形状、同材質のものが使用される。
なお、パネル4およびスライドパネル5が下地パネルである場合には、その上面にタイルカーペットなどを敷設して床面の仕上げとする。
【0014】
上記のように構成することにより、地震時に建物に水平力が作用したとき、各ボール9が各受け皿1上を転がり、下地フレーム3、パネル4、スライドパネル5等が一体となって床スラブ7、固定床パネル6に対して、水平に相対的な移動を繰り返すことにより免震機能が発揮される。
【0015】
図3〜5は、本発明の受け皿1を示すもので、図3は斜め上方から、図4は上から、図5は下から見た各々斜視図、平面図及び底面図を示すものである。
そして図6は、本発明の受け皿1を、充填硬化材2により床スラブ7上に設置した側面図であり、図7は、本発明の受け皿1を、充填硬化材2により床スラブ7上に設置した断面図を示すものである。
【0016】
この受け皿1は、曲面状凹部又は円錐状凹部に形成した天板11の周縁から、下方に垂下する側壁板12とを一体に成型したもので、例えば、直径40〜50cm、高さ2cm程度で、厚さ2〜3mm程度の鋼板をプレス加工により成型した薄い円盤状のものである。
【0017】
天板11の周縁部近傍に複数の孔13が設けてあり、この孔13は、後述する充填硬化材の充填用の孔13として、或いは空気抜き兼充填確認用の孔13として用いられる。
【0018】
また、側壁板12のほぼ中間部に水平舌片14が、複数個放射状に取り付けられており、後述する受け皿1の設置高さを調整する調整用ボルト16を螺合する孔15がこの水平舌片14に設けられている。
【0019】
次に、本発明の受け皿1を使用した免震支承の施工方法について、図8に基づいて説明する。
【0020】
まず、側壁板11に取り付けた水平舌片14の孔15に、予め設置高さ調整用ボルト16を螺合した受け皿1を、所定の間隔で床スラブ7上面に載置する。
次いで、設置高さ調整用ボルト16を回動することにより、全ての受け皿1の天端10が同一水平面内に位置するように高さが調整される。
【0021】
高さ調整作業が完了した後、受け皿1の側壁板12の下縁と床スラブ7との間の間隙を塞ぐため、塞ぎ板17が取り付けられる。この塞ぎ板17は、弾性を有し、後述する充填硬化材2が付着することがないよう、表面に剥離処理が施されるが、例えば、帯状の合成ゴムなどが好適であるが、材質など特に限定されるものではない。
【0022】
次いで、天板11に設けた複数の孔13の内、1つの孔から充填硬化材2の注入が行われる。充填硬化材2としては、樹脂系モルタルなどが好適であるが、限定されるものではない。
【0023】
充填硬化材2が硬化した後、高さ調整用ボルト16と塞ぎ板17を撤去する。その際、水平舌片14は、切断、溶断等により除去してもよいし、そのままの状態で残しておいても差し支えない。
上記した工程により、受け皿1は、床スラブ7上へ固定される。
【0024】
その後、図10に示すように、ボール9を載置した受け皿1上に、下地フレーム3の交叉部がボール9上に位置するように下地フレーム3が組立、設置され、固定床パネル6の施工を行った後、下地フレーム3上に、下地パネル4と下地スライドパネル5を取付け、その表面にカーペットなどを敷設するか、或いは、床仕上げパネル4と仕上げスライドパネル5とを取付けることにより免震床が完成する。
【0025】
以上、本発明の実施の態様について説明したが、本発明は上記実施の態様に限定されるものではない。
【0026】
上記実施の態様では、下地フレーム3の上面に床仕上げパネル4、あるいは下地パネル4を直接載置固定したが、下地フレーム3を構成する各フレーム31,32の交点および縦横フレーム31の交点間の中間部に支持脚を立設し、この支持脚上部に床仕上げパネル4、あるいは下地パネル4の隅部を載置固定することにより、パネル4下面と下地フレーム3上面との間に配線スペースを設けることもでき、いわゆるフリーアクセスフロアとすることもできる。
【0027】
下地フレーム3において、縦横フレーム31の交点間に斜めフレーム32を2本使用してX状に設けたが、1本だけでも差し支えない。
受け皿1は、薄い鋼板をプレス加工したものとしたが、繊維強化プラスチック成型品などでもよく、水平舌片14も同材質として接着等で取り付ける。
【0028】
上記した受け皿1の直径は40〜50cmであるので、受け皿1に対する下地フレーム3などの上部構造の地震時の水平移動幅は受け皿1の中心から20〜25cm弱でなければならない。
想定される水平移動幅がこの値を超える場合には、図11に示すように、周囲の構造物と下地フレーム3との間にストッパー兼用のダンパーAを設けるのが望ましく、ダンパーの設置位置および間隔は、下地フレーム3においてボール9の位置に対応させて水平に設けるのが好ましい。
【0029】
【発明の効果】
以上、説明したように、本発明の免震支承用受け皿、およびそれを使用した免震支承の施工方法によれば、凹凸のある床スラブであっても水平精度を良くする施工が容易で、かつ、床スラブ面から床仕上げ面までの高さを低く押えることができるため、建築コストや施工労力を押さえることができ、特に、免震化改修の際にその効果が大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る免震支承受け皿を使用して免震支承床を構築した床部を示す斜視図である。
【図2】同上の一部を切り欠いた平面図である。
【図3】本発明に係る免震支承用受け皿の斜視図である。
【図4】同上の平面図である。
【図5】同上の底面図である。
【図6】本発明に係る免震支承用受け皿の設置後の側面図である。
【図7】同上の断面図である。
【図8】本発明に係る免震支承用受け皿の施工工程を示す側面図である。
【図9】本発明の免震支承用受け皿と下地フレームとボールを示す側面図である。
【図10】本発明の免震支承用受け皿と床構造を示す側面図である。
【図11】本発明の免震支承用受け皿と下地フレームとストッパー兼用のダンパーを示す側面図である。
【符号の説明】
1 免震支承用受け皿
11 天板
12 側壁板
13 孔
14 水平舌片
15 ねじ孔
16 高さ調整ボルト
17 塞ぎ板
2 充填硬化材
3 下地フレーム
31 縦横フレーム
32 斜めフレーム
4 床仕上げパネル(下地パネル)
5 仕上げスライドパネル(下地スライドパネル)
6 固定床パネル
7 床スラブ
8 壁
9 ボール
10 受け皿周縁部の天端
A ストッパー兼用のダンパー
Claims (1)
- 表面を曲面状又は円錐状の凹部にして孔を設けた天板の周縁部から下方に側壁板を一体に形成し、該側壁板にねじ孔を有する水平舌片を取り付けて成る免震支承用受け皿を、該ねじ孔に調整用ボルトを螺合して床スラブ上に載置し、調整用ボルトを回動して免震支承用受け皿の高さを調整した後、側壁板の下縁と床スラブ面との間を塞ぎ板で閉塞して天板に設けた孔から充填硬化材を注入し、充填硬化材が硬化した後高さ調整ボルトと塞ぎ板を撤去することを特徴とする免震支承用受け皿の施工方法。
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