JP3831369B2 - リーケージトランスおよびリーケージトランスの製造方法 - Google Patents

リーケージトランスおよびリーケージトランスの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、例えば、TVモニターやパーソナルコンピュータの表示装置におけるバックライト用放電灯の点灯回路等に用いられる、DC/ACインバータ回路等に使用されるリーケージトランスおよびリーケージトランスの製造方法に関する。
パーソナルコンピュータ等の表示装置は、バックライト用放電灯の点灯回路を具備している。この点灯回路においては、高電圧化によって表示装置を駆動させるためのリーケージトランスが、一般に用いられている。
この種のリーケージトランスとしては、例えば特許文献1記載の構成がある。この構成では、コアの底面に立設された軸に、巻き崩れが生じないように、ボンディングによって固められた一次側巻線をボビンレスで配置する。この後に、二次側巻線が巻回されたボビンを、軸に挿入している。
また、一次側巻線をボンディングによって固めない場合には、図10に示すように、別途のボビン1に対して一次側巻線2を巻回させる。その後に、上下方向(高さ方向)に、一次側巻線2が巻回されたボビン1と、二次側巻線3が巻回されたボビン4とを重ねるように配置する構成も存在する。
特開2002−299134号公報(段落番号0015、図6参照)
上述したように、特許文献1記載のリーケージトランスでは、巻崩れ防止のために、一次側巻線をボンディングによって固める必要がある。そのため、当該リーケージトランスは、ボンディングを行わない場合と比較して、工数がかさみ、製造コストが高くなる、という問題を有している。
また、図10に示す構成では、一次側巻線2のボンディングを行う必要はない。しかしながら、この構成では、一次側巻線2を巻回しているボビン1の上鍔部1aと、二次側巻線3を巻回しているボビン4の下鍔部4aとが重ねられるため、上下方向(高さ方向)の寸法が大きくなる。さらに、図10に示す構成では、ボビン1,4が4つ存在している。このため、部品点数が多くなり、コストがかさむ、という問題も生じる。
本発明は上記の事情にもとづきなされたもので、その目的とするところは、低背化を実現できると共に、製造コストの低減を図ることが可能なリーケージトランスおよびリーケージトランスの製造方法を提供しよう、とするものである。
上記課題を解決するために、本発明は、一次側巻線に対して二次側巻線が上下方向に重ねられて配置されるリーケージトランスにおいて、第1の巻枠部と、第2の巻枠部とを具備し、第1の巻枠部には一次側巻線が巻回されると共に、第2の巻枠部には二次側巻線が巻回される複数の二段コイルボビンと、複数の二段コイルボビンの間に配置され、一次側巻線のうち磁気結合の調整をする調整部分が巻回されると共に、上方に向かう位置決め突起が上面に設けられているセンターボビンと、二段コイルボビンおよびセンターボビンを夫々保持する柱脚部と、その柱脚部の外側を囲む側壁とを有し、この側壁で囲まれる凹陥部に二段コイルボビンおよびセンターボビンが嵌め込まれるコアと、を具備し、さらに、コアは、底面から上方に向かって立設されている柱脚部と、この底面の外周縁部において上方に向かって立設されている側壁とを具備するケースコアと、ケースコアに取り付けられ、このケースコアとの間の部位に二段コイルボビンおよびセンターボビンが収納されると共に、位置決め突起を嵌め込んで該蓋コアを位置決めするための切欠部が設けられている蓋コアと、を具備するものである。
このように構成した場合には、二段コイルボビンには、第1の巻枠部と第2の巻枠部とが設けられていて、夫々に一次側巻線と二次側巻線とが巻回される。この場合、二段コイルボビンには、第1の巻枠部と、第2の巻枠部とが設けられるので、コイルボビンを2つ高さ方向に重ねた場合と比較して、1つのコイルボビンを設けるだけで済む。そのため、部品点数を少なくすることができ、コイルボビンの組み付けの際の工数を削減可能となる。また、1つのコイルボビンが設けられ、上下方向に重ねられないため、リーケージトランスの低背化を図ることが可能となる。また、センターボビンが設けられ、このセンターボビンに一次側巻線のうち調整部分が巻回される。それにより、調整部分を、このセンターボビンにて、確実に保持することができる。
また、二段コイルボビンの第1の巻枠部に対して、一次側巻線が巻回される。そのため、一次側巻線の取り付けに際して、該一次側巻線のボンディングが不要となり、コストを削減することが可能となる。
また、二段コイルボビンとセンターボビンは、側壁によって形成されるケースコアと蓋コアとの間の部位に収納される。そして、柱脚部と側壁とを有するケースコア、および蓋コアとの間で、磁路を形成することができ、二次側巻線を良好に励磁することができる。
また、蓋コアをケースコアに取り付ける際に、センターボビンの位置決め突起が蓋コアの切欠部に嵌め込まれる。それによって、蓋コアを取り付ける際の位置決めを行うことができる。
また、他の発明は、一次側巻線に対して二次側巻線が上下方向に重ねられて配置されるリーケージトランスにおいて、第1の巻枠部と、第2の巻枠部とを具備し、第1の巻枠部には一次側巻線が巻回され、第2の巻枠部には二次側巻線が巻回されると共に、上方に向かう位置決め突起が上面に設けられている複数の二段コイルボビンと、複数の二段コイルボビンの間に配置されると共に、一次側巻線のうち磁気結合の調整をする調整部分が巻回されるセンターボビンと、二段コイルボビンおよびセンターボビンを夫々保持する柱脚部と、その柱脚部の外側を囲む側壁とを有し、この側壁で囲まれる凹陥部に二段コイルボビンおよびセンターボビンが嵌め込まれるコアと、を具備し、さらに、コアは、底面から上方に向かって立設されている柱脚部と、この底面の外周縁部において上方に向かって立設されている側壁とを具備するケースコアと、ケースコアに取り付けられ、このケースコアとの間の部位に二段コイルボビンおよびセンターボビンが収納されると共に、位置決め突起を嵌め込んで該蓋コアを位置決めするための切欠部が設けられている蓋コアと、を具備するものである。
このように構成した場合には、二段コイルボビンには、第1の巻枠部と第2の巻枠部とが設けられていて、夫々に一次側巻線と二次側巻線とが巻回される。この場合、二段コイルボビンには、第1の巻枠部と、第2の巻枠部とが設けられるので、コイルボビンを2つ高さ方向に重ねた場合と比較して、1つのコイルボビンを設けるだけで済む。そのため、部品点数を少なくすることができ、コイルボビンの組み付けの際の工数を削減可能となる。また、1つのコイルボビンが設けられ、上下方向に重ねられないため、リーケージトランスの低背化を図ることが可能となる。また、センターボビンが設けられ、このセンターボビンに一次側巻線のうち調整部分が巻回される。それにより、調整部分を、このセンターボビンにて、確実に保持することができる。
また、二段コイルボビンの第1の巻枠部に対して、一次側巻線が巻回される。そのため、一次側巻線の取り付けに際して、該一次側巻線のボンディングが不要となり、コストを削減することが可能となる。
また、二段コイルボビンとセンターボビンは、側壁によって形成されるケースコアと蓋コアとの間の部位に収納される。そして、柱脚部と側壁とを有するケースコア、および蓋コアとの間で、磁路を形成することができ、二次側巻線を良好に励磁することができる。
また、蓋コアをケースコアに取り付ける際に、二段コイルボビンの位置決め突起が蓋コアの切欠部に嵌め込まれる。それによって、蓋コアを取り付ける際の位置決めを行うことができる。
さらに、他の発明は、上述の各発明に加えて更に、二段コイルボビンは2つ設けられ、該2つの二段コイルボビンが対向する間の部位に、センターボビンが配置されると共に、柱脚部は棒状の突出部材であり、この柱脚部は、センターボビンの差込孔に差し込まれる第1の柱脚部と、二段コイルボビンの中心孔に差し込まれる一対の第2の柱脚部と、を有するものである。
このように構成した場合には、二段コイルボビンの間の部位にセンターボビンが配置され、このセンターボビンに調整部分が巻回される。そのため、一次側巻線のうち調整部分を、二段側コイルボビンへの巻回に先立って巻回させ、その後に二段コイルボビンをセンターボビンの両隣に配置すれば、一次側巻線の全体が、センターボビンおよび二段コイルボビンによって良好に保持される。そのため、一次側巻線のボンディングが不要となる。
また、他の発明は、上述の各発明に加えて更に、二段コイルボビンは、上鍔部、中鍔部および下鍔部を有すると共に、これら上鍔部と中鍔部の間に第1の巻枠部が設けられると共に、中鍔部と下鍔部の間に第2の巻枠部が設けられるものである。
このように構成した場合には、二段コイルボビンの中鍔部が、第1の巻枠部の下鍔部と、第2の巻枠部の上鍔部とを兼ねるので、コイルボビンを2つ高さ方向に重ねた場合と比較して、鍔部が1つ分省かれる。そのため、鍔部1つ分だけ高さを低くすることができ、リーケージトランスの低背化を図ることが可能となる。
さらに、他の発明は、上述の各発明に加えて更に、センターボビンは、上鍔部および下鍔部を有すると共に、これら上鍔部と下鍔部の間に調整部分を巻回する調整用巻枠部が設けられるものである。
このように構成した場合には、上鍔部と下鍔部との存在によって、センターボビンにも調整用巻枠部が形成される。そのため、この調整用巻枠部は、一次側巻線の調整部分を巻回するに際して、該巻回のガイドの役割を果たすことができる。
また、他の発明は、ケースコアに側壁で囲まれた凹陥部が設けられていて、この凹陥部の内部に、一次側巻線と二次側巻線が上下方向に重ねられて配置されるリーケージトランスを製造するリーケージトランスの製造方法において、一次側巻線の磁気結合の調整をする調整部分を巻回するためのセンターボビンに、該調整部分を巻回させると共に、一次側巻線のうち巻回されない部分は引き出しておく第1の工程と、第1の工程の前又は第1の工程の後に、センターボビンを冶具に保持させる第2の工程と、一次側巻線を巻回するための第1の巻枠部と二次側巻線を巻回するための第2の巻枠部を有する複数の二段コイルボビンのうち、第2の巻枠部に二次側巻線を巻回させる第3の工程と、第2の工程および第3の工程が終了した後に、複数の二段コイルボビンを冶具に保持させる第4の工程と、複数の二段コイルボビンの全ての第1の巻枠部に掛け渡される状態で、一次側巻線のうち調整部分にて巻回されなかった部分を巻回させる第5の工程と、冶具によるセンターボビンおよび二段コイルボビンの保持状態を解除し、凹陥部に対し、該センターボビンおよび該二段コイルボビンを嵌め込む第6の工程と、第6の工程の後に、ケースコアに対して蓋コアを取り付けて、凹陥部の上方側を閉塞する第7の工程と、を有するものである。
このような方法を採用した場合には、第1の工程によって、センターボビンに対して一次側巻線のうち磁気結合の調整部分が巻回され、第2の工程によって当該センターボビンが冶具に保持される。また、第3の工程によって、二段コイルボビンのうち第2の巻枠部に二次側巻線が巻回され、第4の工程によって、二段コイルボビンが冶具に保持される。そして、第5の工程により、一次側巻線のうち調整部分に巻回されなかった部分が巻回される。なお、この第5の工程においては、複数の二段コイルボビンの全てに掛け渡される状態で、一次側巻線が巻回される。また、第6の工程によって、センターボビンおよび二段コイルボビンの冶具による保持が解除され、ケースコアの凹陥部の内部にセンターボビンおよび二段コイルボビンが嵌め込まれる。さらに、第7の工程によって、ケースコアに対して蓋コアが取り付けられ、凹陥部の上方側が蓋コアによって閉塞される。
このようにすると、二段コイルボビンには、第1の巻枠部と、第2の巻枠部とが設けられるので、コイルボビンを2つ高さ方向に重ねた場合と比較して、1つのコイルボビンを設けるだけで済む。そのため、部品点数を少なくすることができ、コイルボビンの組み付けの際の工数を削減可能となる。また、1つのコイルボビンが設けられ、上下方向に重ねられないため、リーケージトランスの低背化を図ることが可能となる。さらに、センターボビンが設けられ、このセンターボビンに一次側巻線のうち調整部分が巻回される。それにより、調整部分を、このセンターボビンにて、確実に保持することができる。また、二段コイルボビンの第1の巻枠部に対して、一次側巻線が巻回される。そのため、一次側巻線の取り付けに際して、該一次側巻線のボンディングが不要となり、コストを削減することが可能となる。
さらに、他の発明は、上述の発明に加えて更に、冶具には、センターボビンに設けられている差込孔に差し込まれる第1の突出部と、二段コイルボビンに設けられている中心孔に差し込まれる第2の突出部とが設けられていて、これら第1の突出部および第2の突出部にて夫々センターボビンおよび二段コイルボビンが保持されるものである。
このような方法を採用した場合には、第1の突出部および第2の突出部によって、センターボビンおよび二段コイルボビンが夫々保持される。それにより、冶具によってセンターボビンおよび二段コイルボビンが位置決めされるので、複数の二段コイルボビンの全てに一次側巻線を巻回させても、位置ずれを来たさず、良好に一次側巻線を巻回させることができる。
本発明によると、リーケージトランスの低背化を実現することができる。また、リーケージトランスの製造コストの低減を図ることが可能となる。
以下、本発明の一実施の形態に係るリーケージトランスについて、図1から図9に基づいて説明する。図1は、リーケージトランス10の構成を示す分解斜視図であり、図2は、リーケージトランス10の全体構成を示す斜視図である。
リーケージトランス10は、図1に示すように、ケースコア20と、二段コイルボビン30と、センターボビン40と、蓋コア50と、を主要な構成要素としている。このうち、ケースコア20と蓋コア50は、絶縁性を備えた磁性材から構成されている。当該磁性材の一例として、ニッケル系のフェライトコアが挙げられる。しかしながら、ケースコア20と蓋コア50の材質はこれには限られず、パーマロイ等、他の磁性材を用いても良い。また、二段コイルボビン30およびセンターボビン40は、例えば樹脂等の絶縁かつ励磁されない材質から構成されている。
図1に示すように、ケースコア20は、コアの一部を構成する要素であり、平面形状が略矩形となる直方体形状に形成されている。また、ケースコア20は、長手方向(図1において略左右の方向)の両端側に側壁21を有していて、この側壁21で囲まれる部分が、二段コイルボビン30等が設置される凹陥部22となっている。そのため、凹陥部22は、ケースコア20の長手方向の両端側においては側壁21で閉塞されているものの、該ケースコア20の短手方向(図1において略上下の方向)の縁部は開放されている。
また、ケースコア20には、4本の柱脚部23,24が設けられている。柱脚部23,24は、底面20aから離間するように上方に向かって突出している。これらの柱脚部23,24は、凹陥部22の短手方向および長手方向に沿う、直交する2つの対角線上に存在している。このうち、短手方向の対角線に沿う柱脚部23は、後述するセンターボビン40の差込孔40aに差し込まれる。また、長手方向の対角線に沿う柱脚部24は、後述する二段コイルボビン30の中心孔30aに差し込まれる。また、柱脚部23の直径は、柱脚部24の直径よりも小さい。しかしながら、柱脚部23の直径を、柱脚部24の直径よりも大きくなるように形成しても良い。
なお、以下の説明では、直径の小さな柱脚部23を第1の柱脚部23とする。また、第1の柱脚部23よりも直径の大きな柱脚部24を第2の柱脚部24とする。また、上方側とは、ケースコア20の底面20aから見て、蓋コア50が取り付けられる側を指す。また、下方側とは、蓋コア50の取り付け側から見て、ケースコア20の底面20a側を指す。さらに、第1の柱脚部23のうち、図1において手前側に存在するものを第1の柱脚部23aとし、図1において奥側に存在するものを第1の柱脚部23bとする。また、第2の柱脚部24のうち、図1において左側に存在するものを柱脚部24aとし、図1において右側に存在するものを柱脚部24bとする。
また、二段コイルボビン30は、図1に示すように、一次側巻線70および二次側巻線71を巻回する巻線部31と、この巻線部31と一体的に設けられている端子台32,33と、を有している。
巻線部31は、略円形状の平面形状を有している。また、巻線部31には、上から下に向かって、上鍔部31a、中鍔部31b、および下鍔部31cが順次設けられている。ここで、上鍔部31aと中鍔部31bとで囲まれる間の部位は、第1の巻枠部34となっていて、ここに一次側巻線70を巻回する。また、中鍔部31bと下鍔部31cとで囲まれる部位は、第2の巻枠部35となっていて、ここに二次側巻線71を巻回する。
なお、図1においては、上鍔部31a、中鍔部31bおよび下鍔部31cは、略円形状の平面形状を為す巻線部31に対応して、該円形状の全周に亘るように設けられている。それによって、図1においては、巻線部31は、その外観形状が二段の窪み部を有するプーリ状となっている。しかしながら、上鍔部31aと中鍔部31bとは、必ずしも全周に亘って設けられる必要はない。すなわち、巻線部31のうち、2つの二段コイルボビン30が互いに対向しない側に、一次側巻線70が巻回される。そのため、巻線部31のうち、一次側巻線70が巻回されない部分には、上鍔部31aおよび中鍔部31bを形成しなくても良く、第1の巻枠部34が存在しない構成としても良い。
また、端子台32,33は、図1においては、巻線部31よりも下方側に位置している。このうち、端子台32は、図1において手前側、図3において下方側に突出している部分である。この端子台32のうち、二段コイルボビン30の中心から見て外径側の側面からは、端子36が突出している。本実施の形態では、端子36は、例えば5つ設けられている。なお、以下の説明では、端子36を個別に呼ぶ場合、端子36a〜36eとする。これらの5つの端子36a〜36eは、下方に向かって降下する下方突出部37aを有すると共に、下端側が設置部位に対して略水平となる面実装部37bを有している。そして、各々の端子36a〜36eと設置部位との間で半田付けを行うことにより、端子36a^36eと設置部位の回路基板とは、電気的に接続される。
なお、端子36の個数は、5つに限定されず、例えば4つ等、種々変更可能である。また、本実施の形態では、複数の端子36a〜36eのうち、いずれか2つの端子36には、一次側巻線70の一端側および他端側が絡げられる。
また、端子台33は、図1において奥側、図3において上方側に突出している部分である。また、端子台32と同様に、端子台33のうち、二段コイルボビン30の中心から見て外径側の側面からは、端子38が突出している。本実施の形態では、端子38は、例えば4つ設けられている。なお、以下の説明では、端子38を個別に呼ぶ場合、端子38a〜38dとする。
これらの4つの端子38a〜38dのうち、内側には突出長さの小さな端子38b,38cが設けられていると共に、外側には突出長さの大きな端子38a,38dが設けられている。端子38bおよび38cは、径方向外方に向かって突出していて、これら端子38bおよび端子38cには、二次側巻線71の一端側および他端側が、夫々絡げられる。また、端子38a,38dは、上述した端子36a〜36eと同様に、下方に向かって降下する下方突出部39aを有すると共に、下端側が設置部に対して略水平となる面実装部39bを有している。
なお、端子38aと端子38bは、互いに導通すると共に、端子38cと端子38dは、互いに導通している。そのため、一次側巻線70によって励磁された二次側巻線71は、所定の電位差を、端子38bから端子38a、端子38cから端子38dに夫々出力する。また、端子38aおよび端子38dは、夫々回路基板上に設置されているため、当該励磁によって生じた電位差は、この回路基板に存在する所定の回路に印加される。
また、二段コイルボビン30が対向する間の部位には、センターボビン40が配置される。センターボビン40は、図4〜図9に示すように、一次側巻線70の調整部分70aが巻回される部分である。また、センターボビン40は、リーケージトランス10の短手方向を長手とするように配置される。しかも、センターボビン40は、その中心を通る短手方向に沿う線を境として、対称となるように設けられている。
図1および図4に示すように、センターボビン40には、その長手方向に沿って、一対の筒状部分41が設けられていて、この筒状部分41には、センターボビン40を上下方向に貫くように、差込孔40aが設けられている。差込孔40aには、上述した第1の柱脚部23a,23bが差し込まれる。また、センターボビン40の上方には、略平板状の上面部42が設けられている。この上面部42は長尺体であり、センターボビン40の長手に沿って設けられている。この上面部42のうち、差込孔40aよりも端部側の部分は、筒状部分41よりも長手方向の端部側に向かって突出する上鍔部42aとなっている。
また、上面部42よりも下方側には、該上面部42と対向する状態で、中面部43が設けられている。中面部43は、上述の上面部42と略同一の平板状となるように設けられている。また、中面部43のうち、差込孔40aよりも端部側の部分は、筒状部分41よりもよりも長手方向の端部側に向かって突出する下鍔部43aとなっている。この下鍔部43aと、上鍔部42aと、筒状部分41の外周面とで囲まれた部分は、調整部分70aを巻回する調整用巻枠部44である。
また、下鍔部43aのうち、図1において手前側の部分には、先割れ部46が設けられている。先割れ部46は、一次側巻線70を、いずれかの端子36に引き出すためのガイドとして機能する。ここで、図1に示すように、先割れ部46は、複数のスリット状部分を有していて、このスリット状部分に一次側巻線70が挿通される。それによって、一次側巻線70は、下方へガイドされ、いずれかの端子36に絡げられる。なお、この先割れ部46は、省略されても良い。
また、上面部42、中面部43および底面部45は、対向配置される二段コイルボビン30の間の部位に位置する。そのため、これら上面部42、中面部43および底面部45のうち、それらの短手方向に沿う両側縁部には、湾曲凹部47が設けられている。夫々の湾曲凹部47は、二段コイルボビン30の上鍔部31a、中鍔部31bおよび下鍔部31cの外周縁部に倣った形状に形成されている。
本実施の形態では、上鍔部42aのうち、長手方向の端部側には、後述する切欠部53に嵌め込まれる、図1〜図3に示すような位置決め突起48が設けられている。位置決め突起48は、その平面形状が略アーモンド形状の突起となるように設けられている。本実施の形態では、2つの位置決め突起48が、センターボビン40の長手方向に沿って配置されている。
なお、位置決め突起48の形状は、図1〜図3に示す形状には限られない。例えば、外観形状が略台形状の位置決め突起を用いても良い。その他、位置決め突起は、例えば円柱状等、種々の形状に形成することが可能である。
また、ケースコア20の上部には、コアの構成要素となる蓋コア50が位置する。蓋コア50には、例えば図9に示すように、上述の凹陥部22に対応する、凹部51が形成されている。凹部51には、上述の柱脚部23,24と対向するように、突出長さの小さな突出部52が設けられている。この突出部52は、蓋コア50がケースコア20に取り付けられた状態で、柱脚部23,24に対して、僅かな隙間g(図9参照)を有した状態で対向する。
なお、本実施の形態では、突出部52は、二段コイルボビン30の中心孔30aに差し込まれない。しかしながら、突出部52も、柱脚部23,24と共に、二段コイルボビン30の中心孔30aに差し込まれるように構成しても良い。この場合には、柱脚部23,24の上端よりも、二段コイルボビン30の上端面の高さ位置を高くすれば良い。このようにすれば、突出部52が中心孔30aに差し込まれるため、後述する位置決め突起48および切欠部53を設けなくても、蓋コア50がずれるのを防ぐことができる。
また、蓋コア50の凹部51に、突出部52等を設けずにフラットな構成としても良い。この場合、柱脚部23,24が側壁21より若干短く、柱脚部23,24と蓋コア50との間にギャップが形成されるように構成しても良い。
また、蓋コア50は、図1〜図3に示すように、その平面形状が略矩形状であると共に、この略矩形状の長辺から上方に向かって、円弧状に切り欠かれた切欠部53を有している。この切欠部53には、上述の位置決め突起48が嵌め込まれる。なお、長辺は、2つあるため、本実施の形態では、切欠部53は、合計2つ設けられている。また、蓋コア50の形状は、これには限られない。例えば、蓋コア50の外観は、凹陥部22を良好に塞ぐことができるように、凹陥部22と略相似形状であって、凹陥部22を防げる形状としても良い。
以上のような構成を有するリーケージトランス10の製造方法について、以下に説明する。なお、この製造方法の説明に際しては、図4〜図9に基づいて説明する。また、この製造方法の説明においては、製造に際して用いられる冶具60の構成についても説明する。
まず、調整用巻枠部44に対して、一次側巻線70を巻回させ、調整部分70aを形成する(第1の工程に対応)。この場合、一次側巻線70の巻数は、例えば最低限2〜3巻程度の巻数で良い。調整部分70aを形成する場合、一次側巻線70のうち巻回されない他の部分は、巻線機の巻線ノズルによって引き伸ばした状態としておく。
次に、センターボビン40を、冶具60(図4参照)に取り付ける(第2の工程に対応)。冶具60は、その平面形状が、位置決め突起48等と干渉しない形状に形成されている。この冶具60には、第1の突出部61a,61bが設けられている(図4他参照)。第1の突出部61a,61bは、上述した第1の柱脚部23a,23bと同じ直径を有している。このため、差込孔40aに第1の突出部61a,61bを差し込んでも、センターボビン40がガタつかずに済む。ここで、センターボビン40は、冶具60よりも下方に位置する状態で取り付けられる(図4他参照)。
なお、一次側巻線70がセンターボビン40に巻回される工程(第1の工程)よりも、該センターボビン40を冶具60に取り付ける工程(第2の工程)を先に実行するようにしても良い。
また、第2の巻枠部35には、二次側巻線71を巻回させておく(第3の工程に対応)。そして、二次側巻線71の巻回後であって、センターボビン40が冶具60に取り付けられた後に、該冶具60に対して二段コイルボビン30を取り付ける(図5参照;第4の工程に対応)。ここで、図4等に示すように、冶具60には、第2の突出部62a,62bが設けられている。この第2の突出部62a,62bは、上述した第2の柱脚部24a,24bと同じ直径を有している。このため、二段コイルボビン30の中心孔30aに二段コイルボビン30を差し込んでも、該二段コイルボビン30はガタつかない。
二段コイルボビン30を冶具60に取り付けた後に、第1の巻枠部34に対して一次側巻線70を巻回させる(図6参照;第5の工程に対応)。この場合、上述した調整部分70aを形成し終えた後の、一次側巻線70を巻回させる。この一次側巻線70は、巻線機の巻線ノズルによって引き伸ばされている。その状態で、第1の巻枠部34を巻回するように、巻線機を作動させる。すると、一次側巻線70の引き伸ばし部分が、順次第1の巻枠部34に巻回される。
一次側巻線70を所定の巻数だけ巻回した後に、凹陥部22にセンターボビン40および二段コイルボビン30を嵌め込む(図7、図8参照;第6の工程に対応)。この場合、第1の柱脚部23a,23bおよび第2の柱脚部24a,24bの先端側が、夫々中心孔30aおよび差込孔40aの下方側から徐々に差し込まれるようにする。すると、差し込みが進行するにつれて、第1の柱脚部23a,23bおよび第2の柱脚部24a,24bの先端側に押されて、冶具60が外される。
次に、凹陥部22を塞ぐように、蓋コア50をケースコア20に対して取付固定する(図9参照;第7の工程に対応)。この場合、切欠部53に位置決め突起48が嵌め込まれる状態で、蓋コア50を取り付ける。また、蓋コア50を取り付けた場合、図9に示すように、突出部52が柱脚部23,24の夫々と、隙間gを有して対向する状態となる。
また、図1および図2において手前側および奥側に、不図示の側壁コアを取り付け、凹陥部22の手前側および奥側を塞ぐようにしても良い。このようにすれば、凹陥部22の開放部分が側壁コアで塞がれて、磁束が外部に漏れるのが低減される。
以上のような工程を実行することにより、リーケージトランス10は、図2および図9に示すような完成状態となる。
このような構成のリーケージトランス10によれば、二段コイルボビン30には、第1の巻枠部34と、第2の巻枠部35とが設けられている。このため、従来のように、コイルボビンを2つ高さ方向に重ねた場合(図10参照)と比較して、1つのコイルボビンを設けるだけで済み、部品点数を少なくすることができる。それによって、コイルボビンの組み付けの際の工数を削減可能となる。
特に、二段コイルボビン30は、上鍔部31a、中鍔部31bおよび下鍔部31cを有し、これら上鍔部31aと中鍔部31bの間に第1の巻枠部34が、中鍔部31bと下鍔部31cの間に第2の巻枠部35が設けられる。このため、中鍔部31bが、第1の巻枠部34の下鍔の役割と、第2の巻枠部35の上鍔の役割とを兼ねる。そのため、コイルボビンを2つ高さ方向に重ねた場合と比較して、鍔部が1つ分だけ省かれる。それによって、1つの鍔部の分だけ高さを低くすることができ、リーケージトランス10の低背化を図ることが可能となる。
また、センターボビン40が設けられるので、該センターボビン40のうち調整用巻枠部44に調整部分70aが巻回される。それにより、調整部分70aを、調整用巻枠部44で確実に保持することができる。
特に、センターボビン40は、上鍔部42aと下鍔部43aとで区切られた調整用巻枠部44を有しているので、この調整用巻枠部44が、調整部分70aの巻回に際して、ガイドの役割を果たす。それにより、調整部分70aの巻回が確実となる。
また、センターボビン40を設ける場合、巻線機を用いて一次側巻線70を容易に巻回させることができる。そのため、該センターボビン40を設けず、直接ケースコア20内に存在する第1の柱脚部23等に一次側巻線70を巻回させる場合と比較して、容易に一次側巻線70を巻回させることができ、もって作業効率を向上させることができる。
また、2つの第1の巻枠部34に対して、一次側巻線70が掛け渡される状態で巻回される。そのため、一次側巻線70の巻回に際して、該一次側巻線70のボンディングが不要となり、コストを削減することが可能となる。
さらに、二段コイルボビン30は2つ設けられ、該2つの二段コイルボビン30が対向する間の部位に、センターボビン40が配置される。このため、二段コイルボビン30への巻回に先立って一次側巻線70を巻回して調整部分70aを形成し、その後に二段コイルボビン30をセンターボビン40に隣接する状態で両隣に配置すれば、一次側巻線70の全体を、センターボビン40および二段コイルボビン30によって良好に保持させることができる。また、かかる保持により、一次側巻線70のボンディングが不要となる。
また、コアは、ケースコア20と蓋コア50とを具備し、このうちケースコア20には、第1の柱脚部23、第2の柱脚部24および側壁21とが設けられている。このため、二段コイルボビン30とセンターボビン40は、側壁21によって形成される凹陥部22に収納される。そして、第1の柱脚部23、第2の柱脚部24および側壁21を有するケースコア20、並びに蓋コア50との間で、磁路を形成することができ、二次側巻線71を良好に励磁することができる。
さらに、センターボビン40の上面部42には、位置決め突起48が設けられていると共に、蓋コア50には、位置決め突起48を嵌め込むための切欠部53が設けられている。このため、蓋コア50をケースコア20に取り付ける際に、位置決め突起48が切欠部53に嵌め込まれ、蓋コア50を取り付ける際の位置決めが為される。それによって、組み付けの際の効率を、一層良好にすることができる。
また、一次側巻線70の巻回に際して、センターボビン40および二段コイルボビン30は、冶具60によって、夫々保持され、位置決めされる。このため、2つの二段コイルボビン30の全てに一次側巻線70を巻回させても、位置ずれを来たさない。それによって、一次側巻線70を良好に巻回させることができる。
以上、本発明の一実施の形態について説明したが、本発明はこれ以外にも種々変形可能となっている。以下、それについて述べる。
上述の実施の形態では、二段コイルボビン30の個数を2つとしている。しかしながら、二段コイルボビン30の個数は、2つに限られるものではなく、例えば4つ設ける等、種々変更可能である。なお、二段コイルボビン30の個数を、例えば4つ設ける場合には、第2の柱脚部24を4つ設ける必要があるが、その場合でも、2つの巻枠部34,35を有するため、低背化を達成することができる。また、一次側巻線70のボンディングも不要となる。
また、上述の実施の形態では、位置決め突起48は、センターボビン40の上面に設けられている。しかしながら、位置決め突起48は、センターボビン40の上面に設ける場合には限られない。例えば、二段コイルボビン30の上面に位置決め突起を設けるようにしても良い。この場合、位置決め突起は、夫々の二段コイルボビン30に設けられるように構成することができる。なお、二段コイルボビン30に位置決め突起を設ける場合、1つの二段コイルボビン30に1つだけ設けるようにしても良く、また2つ以上設けるようにしても良い。
また、上述の実施の形態では、センターボビン40は湾曲凹部47を有し、上面部42が二段コイルボビン30の上面と面一となるように配置されている。しかしながら、センターボビン40の構成はこれには限られない。例えば、センターボビン40の上面部を略平板形状とすると共に、該上面部が二段コイルボビン30の上面との間で、互い違いとなるように配置しても良い。
さらに、上述の実施の形態では、端子36a〜36eおよび端子38a,38dは、面実装される面実装部37b,39bを有している。しかしながら、端子36a〜36e、および端子38a,38dは、面実装部37b,39bを有する構成には限られず、例えば、回路基板に差し込まれるように、下方に向かって突出する構成を採用しても良い。
また、上述のリーケージトランス10は、パーソナルコンピュータの表示装置におけるバックライト用放電灯として使用される場合には限られず、種々の電子機器に用いることが可能である。その例としては、携帯電話装置の表示装置、カーナビゲーションの表示装置、蛍光灯、PDP等が挙げられる。
さらに、上述の実施の形態では、コアは、図1において手前側および奥側が開放したケースコア20と、蓋コア50から構成されている。しかしながら、コアはこれに限られない。例えば、側壁21がケースコア20の側縁の全周に亘って設けられるように構成しても良い。
また、上述の実施の形態では、上鍔部31a、中鍔部31b、および下鍔部31cは、巻線部31の円弧のうち、少なくとも2つの巻線部31が対向しない側に連続的に設けられている。しかしながら、これら上鍔部31a、中鍔部31b、および下鍔部31cは、このように設けられる必要はない。例えば、上鍔部31a、中鍔部31b、および下鍔部31cの一部を所定間隔で切り欠いた、間欠形状としても良い。
本発明のリーケージトランスは、例えばノート型パーソナルコンピュータの表示装置のバックライト用放電灯として利用することができる。
本発明の一実施の形態に係るリーケージトランスの構成を示す分解斜視図である。 図1のリーケージトランスの全体を示す斜視図である。 図1のリーケージトランスの全体を示す平面図である。 図1のリーケージトランスの製造方法を説明する図であり、センターボビンを冶具に保持させた状態を説明する端面図である。 図1のリーケージトランスの製造方法を説明する図であり、冶具に二段コイルボビンを保持させた状態を示す端面図である。 図1のリーケージトランスの製造方法を説明する図であり、二段コイルボビンの第1の巻枠部に一次側巻線が巻回された状態を示す端面図である。 図1のリーケージトランスの製造方法を説明する図であり、二段コイルボビンおよびセンターボビンを冶具に保持された状態でケースコアに差し込む直前の状態を示す端面図である。 図1のリーケージトランスの製造方法を説明する図であり、ケースコアに二段コイルボビンおよびセンターボビンが取り付けられた状態を示す端面図である。 図1のリーケージトランスの製造方法を説明する図であり、蓋コアが取り付けられて、リーケージトランスが完成した状態を示す断面図である。 従来のリーケージトランスの構成を示す側断面図である。
符号の説明
10…リーケージトランス
20…ケースコア(コアの一部)
21…側壁部
22…凹陥部
23,23a,23b…第1の柱脚部(柱脚部)
24,24a,24b…第2の柱脚部(柱脚部)
30…二段コイルボビン
31…巻線部
31a…上鍔部
31b…中鍔部
31c…下鍔部
32,33…端子台
34…第1の巻枠部
35…第2の巻枠部
40…センターボビン
42…上面部
42a…上鍔部
43…中面部
43a…下鍔部
44…巻枠部
46…先割れ部
48…位置決め突起
50…蓋コア(コアの一部)
51…凹部
52…突出部
53…切欠部
60…冶具
61a,61b…第1の突出部
61c,61d…第2の突出部
70…一次側巻線
70a…調整部分
71…二次側巻線

Claims (7)

  1. 一次側巻線に対して二次側巻線が上下方向に重ねられて配置されるリーケージトランスにおいて、
    第1の巻枠部と、第2の巻枠部とを具備し、上記第1の巻枠部には上記一次側巻線が巻回されると共に、上記第2の巻枠部には上記二次側巻線が巻回される複数の二段コイルボビンと、
    上記複数の二段コイルボビンの間に配置され、上記一次側巻線のうち磁気結合の調整をする調整部分が巻回されると共に、上方に向かう位置決め突起が上面に設けられているセンターボビンと、
    上記二段コイルボビンおよび上記センターボビンを夫々保持する柱脚部と、その柱脚部の外側を囲む側壁とを有し、この側壁で囲まれる凹陥部に上記二段コイルボビンおよび上記センターボビンが嵌め込まれるコアと、
    を具備し、さらに、
    上記コアは、
    底面から上方に向かって立設されている上記柱脚部と、この底面の外周縁部において上方に向かって立設されている上記側壁とを具備するケースコアと、
    上記ケースコアに取り付けられ、このケースコアとの間の部位に上記二段コイルボビンおよび上記センターボビンが収納されると共に、上記位置決め突起を嵌め込んで該蓋コアを位置決めするための切欠部が設けられている蓋コアと、
    を具備することを特徴とするリーケージトランス。
  2. 一次側巻線に対して二次側巻線が上下方向に重ねられて配置されるリーケージトランスにおいて、
    第1の巻枠部と、第2の巻枠部とを具備し、上記第1の巻枠部には上記一次側巻線が巻回され、上記第2の巻枠部には上記二次側巻線が巻回されると共に、上方に向かう位置決め突起が上面に設けられている複数の二段コイルボビンと、
    上記複数の二段コイルボビンの間に配置されると共に、上記一次側巻線のうち磁気結合の調整をする調整部分が巻回されるセンターボビンと、
    上記二段コイルボビンおよび上記センターボビンを夫々保持する柱脚部と、その柱脚部の外側を囲む側壁とを有し、この側壁で囲まれる凹陥部に上記二段コイルボビンおよび上記センターボビンが嵌め込まれるコアと、
    を具備し、さらに、
    上記コアは、
    底面から上方に向かって立設されている上記柱脚部と、この底面の外周縁部において上方に向かって立設されている上記側壁とを具備するケースコアと、
    上記ケースコアに取り付けられ、このケースコアとの間の部位に上記二段コイルボビンおよび上記センターボビンが収納されると共に、上記位置決め突起を嵌め込んで該蓋コアを位置決めするための切欠部が設けられている蓋コアと、
    を具備することを特徴とするリーケージトランス。
  3. 前記二段コイルボビンは2つ設けられ、該2つの前記二段コイルボビンが対向する間の部位に、前記センターボビンが配置されると共に、
    前記柱脚部は棒状の突出部材であり、この柱脚部は、
    前記センターボビンの差込孔に差し込まれる第1の柱脚部と、
    前記二段コイルボビンの中心孔に差し込まれる一対の第2の柱脚部と、
    を有することを特徴とする請求項1又は2記載のリーケージトランス。
  4. 前記二段コイルボビンは、上鍔部、中鍔部および下鍔部を有すると共に、これら上鍔部と中鍔部の間に前記第1の巻枠部が設けられると共に、上記中鍔部と上記下鍔部の間に前記第2の巻枠部が設けられることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のリーケージトランス。
  5. 前記センターボビンは、上鍔部および下鍔部を有すると共に、これら上鍔部と下鍔部の間に前記調整部分を巻回する調整用巻枠部が設けられることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載のリーケージトランス。
  6. ケースコアに側壁で囲まれた凹陥部が設けられていて、この凹陥部の内部に、一次側巻線と二次側巻線が上下方向に重ねられて配置されるリーケージトランスを製造するリーケージトランスの製造方法において、
    上記一次側巻線の磁気結合の調整をする調整部分を巻回するためのセンターボビンに、該調整部分を巻回させると共に、上記一次側巻線のうち巻回されない部分は引き出しておく第1の工程と、
    上記第1の工程の前又は上記第1の工程の後に、上記センターボビンを冶具に保持させる第2の工程と、
    上記一次側巻線を巻回するための第1の巻枠部と上記二次側巻線を巻回するための第2の巻枠部を有する複数の二段コイルボビンのうち、上記第2の巻枠部に上記二次側巻線を巻回させる第3の工程と、
    上記第1の工程、上記第2の工程および上記第3の工程が終了した後に、複数の上記二段コイルボビンを上記冶具に保持させる第4の工程と、
    複数の上記二段コイルボビンの全ての上記第1の巻枠部に掛け渡される状態で、上記一次側巻線のうち上記調整部分にて巻回されなかった部分を巻回させる第5の工程と、
    上記冶具による上記センターボビンおよび上記二段コイルボビンの保持状態を解除し、上記凹陥部に対し、該センターボビンおよび該二段コイルボビンを嵌め込む第6の工程と、
    上記第6の工程の後に、上記ケースコアに対して蓋コアを取り付けて、上記凹陥部の上方側を閉塞する第7の工程と、
    を有することを特徴とするリーケージトランスの製造方法。
  7. 前記冶具には、前記センターボビンに設けられている差込孔に差し込まれる第1の突出部と、前記二段コイルボビンに設けられている中心孔に差し込まれる第2の突出部とが設けられていて、これら第1の突出部および第2の突出部にて夫々前記センターボビンおよび前記二段コイルボビンが保持されることを特徴とする請求項6記載のリーケージトランスの製造方法。
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