JP3831128B2 - 圧入装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、バルブガイド等の圧入物を孔に圧入する圧入装置に関し、特に、異種の圧入物を1台の圧入装置で圧入可能にする技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来では、製品の製造工程において、異種の圧入物を圧入する場合には、各圧入物毎に専用の圧入装置を導入し、各圧入装置毎に1つの圧入物のみを圧入していた。シリンダヘッドにバルブガイドとバルブシートとを圧入する工程を例にとって説明すると、シリンダヘッドの上面からバルブガイドを圧入する工程と、シリンダヘッドの下面からバルブシートを圧入する工程と、の2工程が必要である。従って、この場合には、バルブガイドを圧入する圧入装置と、バルブシートを圧入する装置と、の2台の圧入装置が必要であった。
【0003】
バルブガイドとバルブシートとを1台の圧入装置で圧入する技術として、特開平7−136865号公報に開示されるように、シリンダヘッドの上下からバルブガイドとバルブシートとを同時に圧入する技術が提案されている。しかし、同一方向から圧入物を圧入する場合には、かかる技術を適用することが極めて困難であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、近年では、需要者の嗜好の多様化により、多品種少量生産の要請が高まっているが、従来のように、各圧入物毎に専用の圧入装置を導入しなければならないのでは、製品のコスト上昇を招くという問題があった。特に、多品種少量生産の場合には、この問題は無視できないものである。また、限られた生産ラインスペースに、複数の圧入装置を設置しなければならない場合には、ラインレイアウトが困難であるという問題もあった。
【0005】
そこで、本発明は以上のような従来の問題点に鑑み、簡単な構成で圧入具を交換可能とすることで、異種の圧入物を圧入可能にした圧入装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
このため、請求項1記載の発明は、プレス本体から突出するプレスラムにより圧入力を印加するプレスと、該プレスラムの突出方向に略直角に配設される板状部材と、該板状部材の一面であってプレスラムと反対側の面に固定され、前記プレスラムによる圧入力を受けて被加工物たる圧入物を圧入する圧入具と、を含んで構成される圧入装置であって、前記板状部材の一面には、異種の圧入物に応じた複数の圧入具が固定されると共に、前記プレスラムの突出方向に任意の圧入具が位置するように板状部材を移動させる第1の移動機構と、前記プレス本体に対して板状部材をプレスラムの突出方向に沿って移動させる第2の移動機構と、を備えたことを特徴とする。
【0007】
ここで、「圧入物」とは、溝や貫通穴等の孔に圧入される、例えば、バルブガイドやバルブシートのような物体をいう。
かかる構成によれば、被加工物たる圧入物を圧入する場合、第1の移動機構により圧入物に応じた圧入具をプレスラムの突出方向に位置させる。そして、かかる状態でプレスを起動すると、プレスラムがプレス本体から突出し、プレスラムの先端部と圧入具とが当接して圧入物に圧入力が印加される。圧入が完了すると、プレスラムが元の状態に戻り、次の圧入物の印加の準備が完了する。また、引き続いて異種の圧入物を圧入する場合には、第1の移動機構により他の圧入具をプレスラムの突出方向に位置させた後、前記と同様にして圧入物の圧入を行えばよい。従って、第1の移動機構により圧入具を切り換えることで、1台の圧入装置で異種の圧入物が圧入される。
このとき、第2の移動機構により、プレス本体に対して板状部材をプレスラムの突出方向に沿って移動させておけば、圧入具がプレスラムの突出方向に沿って移動するので、圧入物を圧入するに際して、圧入具が被加工物たるワークの直近まで移動し、圧入装置の動きが必要最小限となる。
【0008】
請求項2記載の発明は、前記第1の移動機構は、前記板状部材を一方向に摺動させると共に、前記圧入具は、該板状部材の摺動方向に沿って固定される構成とした。
かかる構成によれば、第1の移動機構は板状部材を一方向のみに摺動させる構成であるので、第1の移動機構が簡単な構成で実現される。即ち、第1の移動機構は、例えば、板状部材を摺動自由に固定するレールと、板状部材を摺動させる油圧シリンダ等の汎用機器と、により簡単に構成される。
【0009】
請求項3記載の発明は、前記第1の移動機構は、前記板状部材を所定の中心点の回りに回転させると共に、前記圧入具は、該板状部材の中心点から所定半径を有する円上に沿って固定される構成とした。
かかる構成によれば、第1の移動機構は板状部材を所定の中心点の回りに回転させる構成であるので、第1の移動機構が簡単な構成で実現される。即ち、第1の移動機構は、例えば、円形の板状部材を回転自由に固定するピンと、板状部材を回転させる電動モータ等の汎用機器と、により簡単に構成される。また、板状部材として少ないスペースで多数の圧入具を固定することができ、多数の圧入物を圧入する圧入装置への対応が容易になる。
【0010】
請求項4記載の発明は、前記板状部材の配設面の一方向に沿って摺動自由に固定される摺動部材と、該摺動部材を摺動させる摺動機構と、を備え、前記圧入具は、前記摺動部材を介して固定される構成とした。
かかる構成によれば、圧入具の移動方向が1つ増えるので、例えば、同一の圧入物であって、その圧入位置が一直線上にないものであっても、1台の圧入装置によって圧入可能となる。
【0012】
請求項5記載の発明は、前記圧入物がシリンダヘッドの孔に圧入されるバルブガイド及びバルブシートであり、かつ、該シリンダヘッドの反対側に夫々圧入されるものにあっては、前記板状部材には、少なくとも、バルブガイドを圧入するガイド圧入具と、バルブシートを圧入するシート圧入具と、が固定される構成とした。
【0013】
かかる構成によれば、1台の圧入装置によって、シリンダヘッドの反対側から夫々圧入されるバルブガイド及びバルブシートを圧入することが可能となる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、添付された図面を参照して本発明を詳述する。
図1〜図3は、本発明に係る圧入装置を、シリンダヘッドにバルブガイドとバルブシートとを圧入する圧入装置に適用した一実施形態を示す。
圧入装置10は、プレス12と、アッパプレート14と、スライドブシュ16と、スライドシャフト18と、スライドベース20と、上下動用油圧シリンダ22と、スライドプレート24と、スライドテーブル26(板状部材)と、左右動用油圧シリンダ28と、ガイド圧入具30と、シート圧入具40と、を含んで構成される。
【0015】
プレス12は、一般的な汎用プレスであり、プレス本体から突出するプレスラム12aを介して圧入力が伝達される。プレス本体の下面には、略矩形形状の板状部材からなるアッパプレート14が、図示しないボルト等により固定される。アッパプレート14の四隅には、鉛直方向に沿って、円柱形状のスライドシャフト18が、略円筒形状のスライドブシュ16により摺動自由に固定される。そして、スライドシャフト18の下端には、中央部に開口部が形成された略矩形形状のスライドベース20が、図示しないボルト等により固定される。また、アッパプレート14とスライドベース20との間には、プレス本体に対してスライドベース20が鉛直方向に沿って上・下動するように、上下動用油圧シリンダ22が介装連結される。なお、スライドブシュ16,スライドシャフト18及び上下動用油圧シリンダ22により、第2の移動機構が構成される。
【0016】
スライドベース20の上面には、水平面の一方向(図1の左右方向)に沿って、断面形状が逆L字形の2本のスライドプレート24が略平行に固定される。2本のスライドプレート24の間には、略矩形形状の板状部材からなるスライドテーブル26が、スライドプレート24の設置方向に摺動自由に固定される。また、スライドベース20とスライドテーブル26との間には、スライドベース20に対してスライドテーブル26が図1で左・右動するように、左右動用油圧シリンダ28が介装連結される。なお、スライドプレート24及び左右動用油圧シリンダ28により、第1の移動機構が構成される。
【0017】
スライドテーブル26の下面には、スライドベース20の中央に形成された開口部を貫通して、各種圧入具として、バルブガイド圧入用のガイド圧入具30と、バルブシート圧入及びかしめ用のシート圧入具40と、が固定される。従って、左右動用油圧シリンダ28を作動させることにより、スライドベース20に対してスライドテーブル26が左・右動し、その下面に固定されたガイド圧入具30及びシート圧入具40も左・右動する。
【0018】
ガイド圧入具30は、スライド式ホルダ31(摺動部材)と、前後動用油圧シリンダ32と、ガイドパッド33と、ロードセル34と、圧入用プッシャ35と、を含んで構成される。
スライド式ホルダ31は、スライドテーブル26の下面に図示しないスライドレールを介して、一方向に摺動自由に固定される。そして、スライドテーブル26とスライド式ホルダ31との間には、スライドテーブル26に対してスライド式ホルダ31が図1で前・後動するように、前後動用油圧シリンダ32が介装連結される。なお、スライドレール,スライド式ホルダ31及び前後動用油圧シリンダ32により、摺動機構が構成される。
【0019】
スライド式ホルダ31の下面には、略矩形形状の板状部材からなるガイドパッド33が固着される。ガイドパッド33には、圧入物としてのバルブガイド52の圧入位置に対応する位置に、バルブガイド52が挿通される挿通孔33aが2つ開設される。挿通孔33aは、図に示すように、下部が大径に形成されたテーパ形状に形成され、バルブガイド52の倒れを矯正しつつ、バルブガイド52を所定の圧入位置に案内する機能を有する。また、ガイドパッド33は、バルブガイド52の圧入寸法を決定するように、その厚さが設定される。
【0020】
スライド式ホルダ31には、ガイドパッド33の挿通孔33aと同心上に、略円柱形状をなしたロードセル34が2つ収納される。ロードセル34は、その軸方向に印加された圧入力を検出する機能を有し、具体的には、内蔵された弾性体に生じたひずみをひずみセンサを介して電気信号に変換し、圧入力を検出する。ロードセル34の上面には、スライドプレート26及びスライド式ホルダ31を貫通する圧入用プッシャ35を介して、プレスラム12aより圧入力が伝達される。そして、ロードセル34の下面により、バルブガイド52の一端面に圧入力を印加し、バルブガイド52を所定の圧入寸法まで圧入する。このとき、プレス12の圧入力は、プレスラム12a,圧入用プッシャ35及びロードセル34を介してバルブガイド52に伝達されるので、スライド式ホルダ31及びガイドパッド33には、圧入力が作用しない。
【0021】
なお、バルブガイド52の圧入時の高さ位置のばらつきの微調整を行うために、圧入用プッシャ35にホルダベース31−2を固定する際に、フローティングジョイントを用いるようにしてもよい。
シート圧入具40は、シート圧入工具41と、シート圧入・かしめ工具42と、工具ホルダ43と、圧入・かしめ用プッシャ44と、を含んで構成される。
【0022】
シート圧入工具41は、吸気側のバルブシート56を圧入するもので、図4に示すように、一端にバルブシート56の内径に嵌合しつつバルブシート56を圧入する圧入部41aと、他端にプレス12からの圧入力を受ける受圧部41bと、が形成される。
シート圧入・かしめ工具42は、排気側のバルブシート56を圧入及びかしめるもので、図4に示すように、その一端にバルブシート56の内径に嵌合しつつバルブシート56を圧入及びかしめる圧入・かしめ部42aと、他端にプレス12からの圧入力を受ける受圧部42bと、が形成される。
【0023】
工具ホルダ43は、圧入・かしめ用プッシャ44の下面にボルト等により固定され、図4に示すように、シート圧入工具41及びシート圧入・かしめ工具42を保持する。そして、シート圧入工具41及びシート圧入・かしめ工具42の受圧部41b及び42bには、スライドプレート26及び工具ホルダ43を貫通する圧入・かしめ用プッシャ44を介して、プレスラム12aより圧入力が伝達される。このとき、プレス12の圧入力は、プレスラム12a及び圧入・かしめ用プッシャ44を介して、シート圧入工具41及びシート圧入・かしめ工具42に伝達される。
【0024】
この他には、圧入装置10には、シリンダヘッド50を所定位置に位置させる治具(図示せず)と、治具を所定距離だけ移動させるインテリジェントアクチュエータ(図示せず)と、が備えられる。
図5及び図6は、本実施形態における圧入装置10の加工対象となるシリンダヘッドを示す。
【0025】
シリンダヘッド50は、直列6気筒のエンジンに使用されるもので、各気筒当たり2つの吸気弁及び2つの排気弁が配設される。シリンダヘッド50には、図5に示すように、図示しない給・排気弁の軸部を案内するバルブガイド52が圧入される孔としてのガイド圧入部54と、給・排気弁の傘部と当接するバルブシート56が圧入される孔としてのシート圧入部58と、が形成される。また、給・排気弁は、スワールの生成等を考慮して、シリンダ列方向に対して所定角度θ傾斜した直線に沿って配設される。さらに、シリンダヘッド50の上面(バルブガイド52が圧入される図5の上側)の周囲には、図示しないカムシャフトを支持する軸受部60が端面から突出しないように側壁62が延長形成され、図5に示すように、シリンダヘッド50の下面と上面とが平行でない形状に形成される。
【0026】
なお、図6は、シリンダヘッド50の下面、即ち、シート圧入部58が形成された面を示すが、シリンダヘッド50の上面も同様である。また、図中のハッチングを施した部分は、排気側を示す。
次に、かかる圧入装置10を用いて、シリンダヘッド50にバルブガイド52及びバルブシート56を圧入する方法(以下「圧入方法」という)について説明する。
【0027】
圧入方法は、シリンダヘッド50を搬入する搬入工程と、バルブガイド52をセットするガイドセット工程と、バルブガイド52を圧入する圧入工程と、シリンダヘッド50を反転させる反転工程と、バルブシート56をセットするシートセット工程と、バルブシート56を圧入及びかしめる圧入・かしめ工程と、シリンダヘッド50を搬出する搬出工程と、を含んで構成される。
【0028】
搬入工程では、例えば、無人台車等の搬送装置を使用して、前工程から圧入装置10までシリンダヘッド50が搬送される。そして、シリンダヘッド50のガイド圧入部54が上方に位置する状態(以下「正立状態」という)で、治具にシリンダヘッド50がセットされる。
ガイドセット工程では、作業者によって、シリンダヘッド50に形成された24箇所のガイド圧入部54にバルブガイド52がセットされる。このとき、バルブガイド52は、その一部がガイド圧入部54に多少嵌合された状態となっている。
【0029】
圧入工程は、ガイドセット工程においてバルブガイド52がセットされた後、作業者によって起動ボタンが押されることで開始される。その詳細を図6を参照しつつ説明すると、次のようになる。なお、圧入工程の開始時には、治具が原位置(搬入位置)、ガイド圧入具30が上昇端、かつ、ガイド圧入具30が排気側のバルブガイド52を圧入する位置(以下「排気側位置」という)にあるものとする。
【0030】
(1)左右動用油圧シリンダ28により、プレスラム12aの直下にガイド圧入具30を位置させる。即ち、バルブガイド52を圧入するための圧入具に切り換えられる。
(2)インテリジェントアクチュエータにより治具を移動し、ガイド圧入具30の直下に#1シリンダの排気側のバルブガイド52を位置させる。
【0031】
(3)上下動用油圧シリンダ22により、ガイド圧入具30をシリンダヘッド50の上面直近まで下降させる。
(4)プレス12を起動し、プレスラム12a,圧入用プッシャ35及びロードセル34を介して圧入力をバルブガイド52に伝達し、バルブガイド52を所定の圧入寸法まで圧入する。このとき、プレスラム12aの下降に伴って、圧入用プッシャ35及びロードセル34が下降し、2つの排気側のバルブガイド52が同時に圧入される。また、ロードセル34により圧入力を検出することで、バルブガイド52に印加された圧入力を介して圧入状態が間接的に把握される。即ち、圧入力が所定値以上になったときには、バルブガイド52に過負荷が印加され、座屈やひび割れが発生したおそれがあると判断できるのである。
【0032】
(5)前後動用油圧シリンダ32により、ガイド圧入具30を吸気側のバルブガイド52を圧入する位置(以下「吸気側位置」という)にシフトさせる。
(6)インテリジェントアクチュエータにより治具を移動し、ガイド圧入具30の直下に#1シリンダの吸気側のバルブガイド52を位置させる。
(7)プレス12を起動し、バルブガイド52を所定の圧入寸法まで圧入する。このとき、2つの吸気側のバルブガイド52が同時に圧入される。
【0033】
(8)インテリジェントアクチュエータにより治具を移動し、ガイド圧入具30の直下に#2シリンダの排気側のバルブガイド52を位置させる。
(9)前後動用油圧シリンダ32により、ガイド圧入具30を排気側位置にシフトさせる。
(10)プレス12を起動し、バルブガイド52を所定の圧入寸法まで圧入する。
【0034】
(11)前後動用油圧シリンダ32により、ガイド圧入具30を吸気側位置にシフトさせる。
(12)インテリジェントアクチュエータにより治具を移動し、ガイド圧入具30の直下に#2シリンダの吸気側のバルブガイド52を位置させる。
(13)プレス12を起動し、バルブガイド52を所定の圧入寸法まで圧入する。
【0035】
(14)(8)〜(13)を繰り返し、#3〜#6シリンダのバルブガイド52を圧入する。
(15) 前後動用油圧シリンダ32により、ガイド圧入具30を排気側位置にシフトさせる。
(16)上下動用油圧シリンダ22により、ガイド圧入具30を上昇端まで上昇させる。
【0036】
(17)インテリジェントアクチュエータにより治具を原位置に戻す。
かかる圧入工程によれば、バルブガイド52を圧入するためにバルブ圧入具30が選択される。そして、治具を移動させるインテリジェントアクチュエータ、上下動用油圧シリンダ22及び前後動用油圧シリンダ32により、圧入するバルブガイド52をガイド圧入具30の直下に位置させた後、プレス12を起動して吸気側又は排気側のバルブガイド52が2つずつ同時に圧入される。
【0037】
反転工程では、バルブガイド52の圧入が完了したシリンダヘッド50を、シリンダヘッド50のシート圧入部58が上方に位置する状態(以下「倒立状態」という)に反転させる。シリンダヘッド50を反転させるには、例えば、反転装置を使用すればよい。
シートセット工程では、作業者によって、シリンダヘッド50に形成された24箇所のシート圧入部58にバルブシート56がセットされる。
【0038】
圧入・かしめ工程は、シートセット工程においてバルブシート56がセットされた後、作業者によって再起動ボタンが押されることで開始される。その詳細を説明すると、次のようになる。なお、圧入・かしめ工程の開始時には、治具が原位置(搬入位置)、かつ、シート圧入具40が上昇端、にあるものとする。
(1)左右動用油圧シリンダ28により、プレスラム12aの直下にシート圧入具40を位置させる。即ち、バルブシート56を圧入するための圧入具に切り換えられる。
【0039】
(2)インテリジェントアクチュエータにより治具を移動し、シート圧入具40の直下に#1シリンダのバルブシート56を位置させる。
(3)上下動用油圧シリンダ22により、シート圧入具40をシリンダヘッド50の上面直近まで下降させる。
(4)プレス12を起動し、プレスラム12a,圧入・かしめ用プッシャ44,シート圧入工具41及びシート圧入・かしめ工具42を介して圧入力をバルブシート56に伝達し、バルブシート56を圧入及びかしめる。このとき、プレスラム12aの下降に伴って、圧入・かしめ用プッシャ44,シート圧入工具41及びシート圧入・かしめ工具42が下降し、4つのバルブシート56が同時に圧入及びかしめられる。
【0040】
(5)(2)〜(4)を繰り返し、#2〜#6シリンダのバルブシート56を圧入及びかしめる。
(6)上下動用油圧シリンダ22により、シート圧入具40を上昇端まで上昇させる。
(7)インテリジェントアクチュエータにより治具を原位置に戻す。
【0041】
かかる圧入・かしめ工程によれば、バルブシート56を圧入するためにシート圧入具40が選択される。そして、治具を移動させるインテリジェントアクチュエータ及び上下動用油圧シリンダ22により、圧入するバルブシート56をシート圧入具40の直下に位置させた後、プレス12を起動してバルブシート56が4つ同時に圧入及びかしめられる。
【0042】
搬出工程では、例えば、トランスファバー等の搬送装置を使用して、圧入装置10から後工程までシリンダヘッド50が搬送される。このとき、後工程にシリンダヘッド50を搬送する前に、必要に応じて、反転工程を再び行い、シリンダヘッド50を正立状態に戻すようにしてもよい。
以上説明した圧入装置10によれば、左右動用油圧シリンダ28によりガイド圧入具30及びシート圧入具40が固定されたスライドテーブル26を摺動させるだけで、バルブガイド52とバルブシート56といった異種の圧入物を1台の圧入装置により圧入することができる。従って、従来の技術では、バルブガイド52の圧入装置と、バルブシート56の圧入装置と、の2台の圧入装置が必要であったが、本発明に係る圧入装置を導入することで、2台の圧入装置の機能を1台の圧入装置が有することとなり、コスト上昇及びラインレイアウトの困難性を解決することができる。
【0043】
なお、本実施例では、バルブガイドとバルブシートとをシリンダヘッド圧入する圧入装置に本発明を適用したが、かかる構成に限らず、種々の圧入物を圧入する圧入装置に適用可能なことは言うまでもない。また、直線的な運動により圧入具を交換する構成だけではなく、例えば、円盤形状のプレートに複数の圧入具を固定し、プレートを回転することで圧入具を交換する構成としてもよい。
【0044】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1記載の発明によれば、第1の移動機構により圧入具を切り換えることができるので、1台の圧入装置で異種の圧入物を圧入することができる。従って、従来のように、圧入物毎に専用の圧入装置を導入する必要がなくなり、製品のコスト上昇を抑制すると共に、生産ラインレイアウトの自由度を改善することができる。このとき、第2の移動機構により圧入装置の動きが必要最小限となるので、サイクルタイムの短縮も図ることができる。
【0045】
請求項2記載の発明によれば、第1の移動機構を簡単な構成で実現することができる。
請求項3記載の発明によれば、第1の移動機構を簡単な構成で実現することができると共に、多数の圧入物を圧入する圧入装置への対応を容易にすることができる。
【0046】
請求項4記載の発明によれば、例えば、同一の圧入物であって、その圧入位置が一直線上にないものであっても、1台の圧入装置によって圧入できる。
請求項5記載の発明によれば、1台の圧入装置によって、シリンダヘッドの反対側から圧入されるバルブガイド及びバルブシートを圧入することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る圧入装置の一実施形態を示す正面図
【図2】 同上の左側面図
【図3】 同上の右側面図
【図4】 同上のシート圧入具の要部断面図
【図5】 加工対象となるシリンダヘッドの正立状態における断面図
【図6】 加工対象となるシリンダヘッドの倒立状態における上面図
【符号の説明】
10 圧入装置
12 プレス
12a プレスラム
16 スライドブシュ
18 スライドシャフト
20 スライドベース
22 上下動用油圧シリンダ
24 スライドプレート
26 スライドテーブル
28 左右動用油圧シリンダ
30 ガイド圧入具
31 スライド式ホルダ
31−2 ホルダベース
32 前後動用油圧シリンダ
33 ガイドパッド
34 ロードセル
35 圧入用プッシャ
40 シート圧入具
41 シート圧入工具
42 シート圧入・かしめ工具
43 工具ホルダ
44 圧入・かしめ用プッシャ
50 シリンダヘッド
52 バルブガイド
54 ガイド圧入部
56 バルブシート
58 シート圧入部
Claims (5)
- プレス本体から突出するプレスラムにより圧入力を印加するプレスと、
該プレスラムの突出方向に略直角に配設される板状部材と、
該板状部材の一面であってプレスラムと反対側の面に固定され、前記プレスラムによる圧入力を受けて被加工物たる圧入物を圧入する圧入具と、
を含んで構成される圧入装置であって、
前記板状部材の一面には、異種の圧入物に応じた複数の圧入具が固定されると共に、前記プレスラムの突出方向に任意の圧入具が位置するように板状部材を移動させる第1の移動機構と、前記プレス本体に対して板状部材をプレスラムの突出方向に沿って移動させる第2の移動機構と、を備えたことを特徴とする圧入装置。 - 前記第1の移動機構は、前記板状部材を一方向に摺動させると共に、前記圧入具は、該板状部材の摺動方向に沿って固定される構成である請求項1記載の圧入装置。
- 前記第1の移動機構は、前記板状部材を所定の中心点の回りに回転させると共に、前記圧入具は、該板状部材の中心点から所定半径を有する円上に沿って固定される構成である請求項1記載の圧入装置。
- 前記板状部材の配設面の一方向に沿って摺動自由に固定される摺動部材と、
該摺動部材を摺動させる摺動機構と、を備え、
前記圧入具は、前記摺動部材を介して固定される構成である請求項1〜請求項3のいずれか1つに記載の圧入装置。 - 前記圧入物がシリンダヘッドの孔に圧入されるバルブガイド及びバルブシートであり、かつ、該シリンダヘッドの反対側に夫々圧入されるものにあっては、
前記板状部材には、少なくとも、バルブガイドを圧入するガイド圧入具と、バルブシートを圧入するシート圧入具と、が固定される構成である請求項1〜請求項4のいずれか1つに記載の圧入装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP27464598A JP3831128B2 (ja) | 1998-09-29 | 1998-09-29 | 圧入装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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