JP3830881B2 - 車両用計器 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、車両用計器の表示板の表面を照明する車両用計器に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、図5に示すような表示板2を有する車両用計器1が提案されている(例えば特許文献1参照)。
【0003】
まず、構成から説明すると、このような車両用計器1では、光透過性を有する前記表示板2に、裏面側に設けられた光源4からの照明光を透過する目盛り部3が形成されている。
【0004】
この目盛り部3に周囲は、黒色不透明インキ層5が形成されていて、前記光源4からの照明光を透過させないように構成されている。
【0005】
次に、この従来の車両用計器1の作用について説明する。
【0006】
このように構成された従来の車両用計器1では、前記光源4を点灯すると、前記目盛り部4では、照明光が、この表示板2を通過して図示省略の運転席側方向に導かれる。
【0007】
また、前記黒色不透明インキ層5では、前記光源4からの照明光が透過しない。このため、目盛り部3外側縁のコントラストが向上して、視認性を良好なものとすることが出来る。
【0008】
【特許文献1】
実開平5−64727号公報(第1図)
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来の車両用計器1では、図5に示すように、前記表示板2の表面を照明しようとすると、別途、この表示板2の前方から、直接、或いは間接的に照明光を照射する表示板照明装置を設けなければならない。
【0010】
このような表示板照明装置を設けると、部品点数が増大して、組み立て工程数も増大するため、製造コストの上昇を抑制することが困難であるといった問題があった。
そこで、本発明の目的は、部品点数の増大を抑制して、表示板表面側を照明できる車両用計器を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、かかる問題点に着目してなされたもので、請求項1に係る発明では、表示板に開口形成された透光スリットに設けられ、該表示板の裏面側に設けられた光源からの照明光を、該表示板表面側に導光する透光性部材からなる目盛り本体を有する車両用計器において、前記表示板には、前記表示板に回動可能に設けられた指針の回動領域の径方向外方へ立ち上がる略円環状の傾斜縁部が形成され、前記傾斜縁部には、前記回動領域の外周縁に隣接して水平に形成される水平面部と前記水平面部の外周縁に隣接して前記指針の回動領域の径方向外方に向けて高くなるように傾斜する傾斜面部とが形成され、前記目盛り本体は、前記傾斜縁部の水平面部及び傾斜面部に跨って形成される前記透光スリットを貫通して前記表示板表面側に所定高さ膨出形成される略半円柱形状の膨出部を有し、前記目盛り本体の少なくとも一側面は、前記照明光を散乱させて前記表示板表面側を照光する車両用計器を特徴としている。
【0012】
このように構成された請求項1記載のものでは、前記目盛り本体に設けられた前記膨出部が、前記光源からの照明光を、該表示板表面側に導光して、少なくとも一側面から、前記照明光を散乱させて前記表示板表面側を照光する。
【0013】
このため、別途照明装置を設ける必要がなくなり、部品点数の増大が抑制されて、表示板表面側が照明できる。
また、傾斜縁部の傾斜によって、前記目盛り本体の回動領域側側面を、前記表示板表面方向に向けることが出来る。
このため、前記回動領域周縁に形成された目盛り本体から照明される照明光を該回動領域方向に集光しやすい。
【0014】
また、請求項2に記載されたものでは、前記透光スリットを形成する位置を前記回動領域周縁で、しかも、該回動領域よりも所定高さ高くなるように設定する請求項1記載の車両用計器を特徴としている。
【0015】
このように構成された請求項2記載のものでは、前記指針の回動領域が、表示板面内、外方向で所定高さ高くなるように、該回動領域周囲に形成された透光スリットを通過する照明光で、照明される。
【0016】
このため、前記指針の回動領域の視認性を向上させることができる。
【0020】
また、請求項に記載されたものでは、前記目盛り本体の前記回動領域側側面には、梨地表面加工が施されている請求項又は記載の車両用計器を特徴としている。
【0021】
このように構成された請求項に記載されたものでは、前記目盛り本体の前記回動領域側側面に施された梨地表面加工によって、前記透光性部材内を通過した光源からの照明光が、拡散されて、前記回動領域方向への照光量を増大させることができる。
【0024】
このため、更に、前記回動領域方向への照光量を増大させることができる。
【0025】
【発明の実施の形態】
図1乃至図4は、この発明の実施の形態の車両用計器を示すものである。
【0026】
なお、前記従来例と同一乃至均等な部分については、同一符号を付して説明する。
【0027】
まず、構成から説明すると、この実施の形態の車両用計器11では、図2に示すように、車速計13、エンジン回転数計14、燃料計15及び水温計16の各計器が一つのケース内に設けられた表示板12に配置されている。
【0028】
このうち、前記エンジン回転数計14は、前記車速計13と構成を略同一とするので、以下前記車速計13の構成を中心に説明する。
【0029】
この車速計13は、前記表示板2に回動可能に設けられた指針17の回動領域Sが、平板円盤状を呈する平盤面部12aの上面側に、指針7の軌跡として正面視略扇形状を呈するように設けられている。
【0030】
この回動領域Sの周囲には、径方向外方へ立ち上がる略円環状の傾斜縁部18が形成されている。
【0031】
この傾斜縁部18には、前記回動領域Sの外周縁に隣接して、外側に向けて高くなるように円環状を呈して傾斜する第1傾斜面部19が形成されている。
【0032】
この第1傾斜面部19には、80,100キロ等、車速キロ数を表示する数値スリット25が、前記光源4からの光を透過可能に開口形成されている。
【0033】
また、この傾斜縁部18には、この第1傾斜面部19の外周縁に隣接して、前記平板面部12aと略同様に水平に、所定の幅を有して円環状を呈する水平棚部20が形成されている。
【0034】
更に、この傾斜縁部18には、水平棚部20の外周縁に隣接して、外側に向けて高くなるように円環状を呈して傾斜する第2傾斜面部21が形成されている。
【0035】
そして、この水平棚部20及び第2傾斜面部21に跨って、目盛り本体としての大,中目盛り本体22,23が、所定間隔を置いて複数個、配置されている。
【0036】
また、前記第2傾斜面部21には、大,中目盛り本体22,23間には、所定間隔を置いて、目盛り本体としての小目盛り本体24,24が複数個、配置されている。
【0037】
これらの大〜小目盛り本体22〜24は、各々表示板12に開口形成された透光スリット26,27…に設けられ、この表示板1の裏面側に設けられた光源4からの照明光を、この表示板12表面12b側に導光する透光性部材によって構成されている。
【0038】
そして、この実施の形態1では、前記透光スリット26,27…が形成される位置を、前記水平棚部20及び第2傾斜面部21に跨って、或いは第2傾斜面部21とすることにより、図4に示すように、前記透光スリット26,27…の形成位置が、回動領域S周縁で、しかも、この回動領域Sよりも所定高さ高くなるように設定されている。
【0039】
次に、前記大目盛り本体22の構成について詳述する。
なお、前記中,小目盛り本体23,24は、前記大目盛り本体22と大きさ及び一部形状が異なるのみで、略同一構成であるので説明を省略する。
【0040】
この大目盛り本体22は、前記表示板12の表面12b側から所定高さ膨出形成される略半円柱形状の膨出部22aを有している。
【0041】
この膨出部22aの少なくとも一側面である回動領域側側面22bには、前記照明光を散乱させて、前記表示板12の表面12b側を照光するように構成されている。
【0042】
更に、この実施の形態1では、前記大目盛り本体22の前記回動領域側側面22bには、梨地表面加工が施されている。
【0043】
また、この実施の形態1では、図1又は図4に示すように、前記大目盛り本体22の前記回動領域側側面22bと反対側の側面22cには、この側面22cに沿わせて、前記表示板12の起立部分12cの裏面側12dを、内側に湾曲させながら傾斜させることにより、前記光源4からの照明光を前記表示板12表面12b側に向けて、反射させる反射面部28が形成されている。
【0044】
次に、この実施の形態1の作用について説明する。
【0045】
この実施の形態1では、前記大〜小目盛り本体22〜24に設けられた前記膨出部22a〜24aが、前記光源4からの照明光を、前記表示板12の表面12b側に導光して、前記回動領域側側面22b等から、前記照明光を散乱させて前記表示板12の表面12b側に向けて照光を行う。
【0046】
このため、別途照明装置を設ける必要がなくなり、部品点数の増大が抑制されて、表示板12の表面12b側が照明される。
【0047】
また、前記指針17の回動領域Sが、表示板12の面内、外方向で所定高さ高くなるように、この回動領域S周囲に形成された透光スリット26等を通過して、前記大〜小目盛り本体22〜24から照光される照明光で、照明される。
【0048】
このため、前記指針17の回動領域Sの視認性を向上させることができる。
【0049】
更に、この傾斜縁部18の第2傾斜面部21によって、前記目盛り本体22の回動領域側側面22bが、膨出による違和感なく前記表示板12の表面12b方向に向けられて膨出するので、外観品質を損なう虞を減少することが出来る。
【0050】
また、前記第2傾斜面部21等によって、前記回動領域S周縁に形成された複数の大〜小目盛り本体22〜24から照明される照明光を回動領域S方向に集光させやすい。
【0051】
また、この実施の形態1では、前記大目盛り本体22の前記回動領域側側面22bに施された梨地表面加工によって、前記透光性部材である大目盛り本体22内を通過した光源からの照明光が、拡散されて、前記回動領域S方向への照光量を増大させることができる。
【0052】
そして、この実施の形態1では、前記反射面部28が、前記光源4からの照明光を前記表示板12の表面12b側に向けて、反射させる。
【0053】
このため、更に、前記回動領域S方向への照光量を増大させることができる。
【0054】
以上、図面を参照して、本発明の実施の形態1の車両用計器を詳述してきたが、具体的な構成は、これらの実施の形態1に限らず、本発明の要旨を逸脱しない程度の設計的変更は、本発明に含まれる。
【0055】
例えば、前記実施の形態1では、光源4を例示して説明してきたが、光源4の種類は、特にこれに限らず、例えば、LED,電球等の発光体を光源として用いるものであれば、前記大目盛り本体22の下面部に位置しなくても、裏面側に向けて、光源に相当する導光部材の端部を臨ませればよく、発光体の位置が限定されるものではない。
【0056】
また、前記実施の形態1では、車速計13、エンジン回転数計14、燃料計15及び水温計16等の各計器が一つのケース内の表示板12に配置されているいわゆるコンビネーションメータの構成を例示して説明してきたが、特にこれに限らず、例えば、車速計、エンジン回転数計、燃料計及び水温計等の各計器が、個別に設けられる独立メータであってもよく、数量、形状及び材質が特に限定されるものではない。
【0057】
【発明の効果】
上述してきたように、請求項1記載のものでは、前記目盛り本体に設けられた前記膨出部が、前記光源からの照明光を、該表示板表面側に導光して、少なくとも一側面から、前記照明光を散乱させて前記表示板表面側を照光する。
【0058】
このため、別途照明装置を設ける必要がなくなり、部品点数の増大が抑制されて、表示板表面側が照明できる。
また、傾斜縁部の傾斜によって、前記目盛り本体の回動領域側側面を、前記表示板表面方向に向けることが出来る。
このため、前記回動領域周縁に形成された目盛り本体から照明される照明光を該回動領域方向に集光しやすい。
【0059】
また、請求項2に記載されたものでは、前記指針の回動領域が、該回動領域周縁で、該回動領域よりも所定高さ高くなるように形成された透光スリットを通過する照明光で、照明される。
【0060】
このため、前記指針の回動領域の視認性を向上させることができる。
【0063】
また、請求項に記載されたものでは、前記目盛り本体の前記回動領域側側面に施された梨地表面加工によって、前記透光性部材内を通過した光源からの照明光が、拡散されて、前記回動領域方向への照光量を増大させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1の車両用計器で、要部の構成を説明する一部断面斜視面図である。
【図2】実施の形態1の車両用計器で、全体の構成を説明する正面図である。
【図3】実施の形態1の車両用計器で、図2中A−A線に沿った位置での断面図である。
【図4】実施の形態1の車両用計器で、図2中B−B線に沿った位置での断面図である。
【図5】従来の車両用計器で、要部の拡大断面図である。
【符号の説明】
4 光源
11 車両用計器
12 表示板
12b 表面
12c 起立部分
18 傾斜縁部
18a 第1傾斜面部
18b 水平棚部
18c 第2傾斜面部
22,23,24 大,中,小目盛り本体
22a,23a 膨出部
22b 回動領域側側面
22c (反対側)側面
26,27 透過スリット
28 反射面部

Claims (3)

  1. 表示板に開口形成された透光スリットに設けられ、該表示板の裏面側に設けられた光源からの照明光を、該表示板表面側に導光する透光性部材からなる目盛り本体を有する車両用計器において、
    前記表示板には、前記表示板に回動可能に設けられた指針の回動領域の径方向外方へ立ち上がる略円環状の傾斜縁部が形成され、
    前記傾斜縁部には、前記回動領域の外周縁に隣接して水平に形成される水平面部と前記水平面部の外周縁に隣接して前記指針の回動領域の径方向外方に向けて高くなるように傾斜する傾斜面部とが形成され、
    前記目盛り本体は、前記傾斜縁部の水平面部及び傾斜面部に跨って形成される前記透光スリットを貫通して前記表示板表面側に所定高さ膨出形成される略半円柱形状の膨出部を有し
    前記目盛り本体の少なくとも一側面は、前記照明光を散乱させて前記表示板表面側を照光することを特徴とする車両用計器。
  2. 前記透光スリットを形成する位置を前記回動領域周縁で、しかも、該回動領域よりも所定高さ高くなるように設定することを特徴とする請求項1記載の車両用計器。
  3. 前記目盛り本体の前記回動領域側側面には、梨地表面加工が施されていることを特徴とする請求項1又は2記載の車両用計器。
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