JP3830603B2 - 運動療法装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、血圧センサが被験者の心臓の高さ位置にセットされているか否かの判断を行うことができる運動療法装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図10は従来の運動療法装置の使用方法を示す説明図、図11はトノメトリ方式のセンサの計測原理を説明する説明図、図12は各センサエレメントが計測した波形を示す波形図である。図において、1は被験者、2はペダル3を回転させる被験者1が座るサドル、4はこのサドル2を支持する固定部、5はこの固定部4に対して伸縮自在に支持される支柱6を有するハンドル部、7は被験者1の手首に取付けられるバンド7a内に設けられ、橈骨動脈の1拍毎の脈動を検出するトノメトリ型血圧センサ、8は空気が送り込まれたときに被験者1の上腕部を加圧するカフ8a内に設けられ、減圧過程での上腕動脈の脈動を検知するトノメトリ型血圧計の血圧校正用のカフ型血圧センサである。
【0003】
9はトノメトリ型血圧計7の空気圧室およびカフ8aに空気を送り込む小型加圧ポンプを駆動するとともに、トノメトリ型血圧センサ7およびカフ型血圧センサ8からの脈動信号に基づいて脈動分の振幅波形情報を解析し最高血圧値・最低血圧値を決定する処理部、10は最高血圧値・最低血圧値や種々の情報が設定されるとともに、トノメトリ型血圧センサ7およびカフ型血圧センサ8からの最高血圧値・最低血圧値や種々の情報を表示する設定表示部、11はトノメトリ型血圧センサ7およびカフ型血圧センサ8から入力された最高血圧値および最低血圧値と、設定表示部10から入力された設定血圧値および設定心拍値とに基づいて被験者1に与える上記ペダル3の回転負荷の大きさを変更する回転負荷調整器である。また、hは被験者1の心臓の高さ位置、sはトノメトリ型血圧センサ7の高さ位置、Dは被験者1の心臓の高さ位置hとトノメトリ型血圧センサ7の高さ位置sとの高低差である。
【0004】
次に動作について説明する。
まず、カフ型血圧計の動作について説明する。被験者1はハンドル部5を自分の運動しやすい高さに設定し、カフ8aを上腕部に巻くと共にバンド7aを手首に巻いた後に、運動療法装置の電源スイッチを入れると、圧力0mmHgの設定や各部の初期設定が行われる。次に、スタートスイッチが押下されると小型加圧ポンプが作動し、カフ8aに空気が送り込まれ上腕部を加圧する。そして、カフ8aが所定の圧力に達した後、徐々に排気弁により2〜4mmHg/秒の一定の排気速度で減圧が行われる。この減圧過程でカフ型血圧センサ8がカフ8a内の脈動現象(脈圧と血流の変化)を検出し、A/D変換されたディジタル信号として処理部9に出力される。
【0005】
次に、この処理部9ではカフ型血圧センサ8から送られてきた信号に対して必要な演算処理を行い、最高血圧値と最低血圧値を決定し設定表示部10に表示する。そして、最高血圧値と最低血圧値とを表示した後、電磁式の急速排気弁を作動させカフ8a内の空気を排気し血圧測定を終了する。なお、このトノメトリ型血圧計は、心拍一拍毎に血圧を測定できる特徴を有するものの基準となる他の血圧計での初期および数分に1回程度の校正が必要である。この校正にカフ型血圧計を使用するものである。その後、処理部9では演算処理された最高血圧値と最低血圧値、および被験者1により予め設定された設定最高血圧値と設定最低血圧値を回転負荷調整器11に出力する。回転負荷調整器11では、演算処理された最高血圧値と最低血圧値、および被験者1により予め設定された設定最高血圧値と設定最低血圧値に基づいて被験者1に与える上記ペダル3の回転負荷の大きさを変更する。
【0006】
次に、トノメトリ方式のセンサの計測原理を簡単に説明すると、皮膚に密着したトノメトリ型血圧センサ7は、図11に示すように、バンド7a内の空気圧室の圧力を高めることにより、皮膚内の血管(橈骨動脈)を圧迫する。そして、血管を圧迫すると、ダイヤフラム7cを介してバンド7aに固定されたセンサ固定部7bの内に設けられた複数のセンサエレメント7dが互いに独立して血管内の圧力を連続的に計測する(図12参照)。そして、各センサエレメント7dが計測した計測データは処理部9に伝送され、処理部9が各計測データを互いに比較し、最も計測状態が良好と思われるセンサエレメント7dを選定する。そして、それ以降は、その選定したセンサエレメント7dが計測したデータに基づいて1拍毎の最高血圧,最低血圧,脈拍数等を決定する。
【0007】
ここで、上記最高血圧値と最低血圧値の測定時には、被験者1の心臓の高さ位置hとトノメトリ型血圧センサ7の高さ位置sとに大きな高低差Dが生じている場合には、この高低差Dにより水頭圧による誤差が発生し、最高血圧値および最低血圧値を精度よく測定できないものであった。したがって、このような運動療法装置においては、被験者1が心臓の高さ位置hとトノメトリ型血圧センサ7の高さ位置sとを合わせるように注意しなければならなかった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
従来の運動療法装置は以上のように構成されているので、被験者1が不注意によりトノメトリ型血圧センサ7の高さ位置sを心臓の高さ位置hに合わせることなく最高血圧値と最低血圧値の測定を行うことがあった。このため、心臓の高さ位置hとトノメトリ型血圧センサ7の高さ位置sとに高低差Dが生じ、この高低差Dが大きい場合には、水頭圧による誤差が発生し、最高血圧値および最低血圧値を精度よく測定できないなどの課題があった。
【0009】
この発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、被験者がトノメトリ型血圧センサの高さ位置を心臓の高さ位置に合わせたか否かの判断を行うことができ、最高血圧値および最低血圧値の測定を精度よく行うことができる運動療法装置を得ることを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る運動療法装置は、ハンドル部に設けられた発光部から照射された光線を受光部が被験者の心臓位置に装着された反射部を介して受光したときに受光検知信号を出力し、この受光部からの受光検知信号を入力した処理部により血圧値の測定を開始するようにしたものである。
【0013】
この発明に係る運動療法装置は、受光部により受光した光線の強さを検出しこの光線の強さが最大となったときに受光検知信号を出力するようにしたものである。
【0015】
この発明に係る運動療法装置は、処理部により、ハンドル部の高さ調整時に受光部からの受光検知信号を入力できたときにハンドル部の高さ調整が終了したものとして終了アラームを発生させるようにしたものである。
【0016】
この発明に係る運動療法装置は、処理部により、受光部からの受光検知信号を入力できなくなったときに警告アラームを発生させるか、または血圧値の測定を中断させるようにしたものである。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の一形態を説明する。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1による運動療法装置を示す構成図、図2はこの発明の実施の形態1による運動療法装置の使用状態を示す説明図であり、図において、1は被験者、2はペダル3を回転させる被験者1が座るサドル、4はこのサドル2を支持する固定部、5はこの固定部4に対して伸縮自在に支持される支柱6を有するハンドル部、7は被験者1の手首に取付けられるバンド7a内に設けられ、橈骨動脈の1拍毎の脈動を検出するトノメトリ型血圧センサ、8は空気が送り込まれたときに被験者1の上腕部を加圧するカフ8a内に設けられ、減圧過程での上腕動脈の脈動を検知する血圧校正用のカフ型血圧センサ(血圧センサ)である。9はトノメトリ型血圧センサ7の空気圧室およびカフ8aに空気を送り込む小型加圧ポンプ14を駆動するとともに、トノメトリ型血圧センサ7およびカフ型血圧センサ8からの脈動信号に基づいて脈動分の振幅波形情報を解析し最高血圧値・最低血圧値を決定する処理部である。
【0019】
10は最高血圧値・最低血圧値や種々の情報が設定されるとともに、トノメトリ型血圧センサ7およびカフ型血圧センサ8からの最高血圧値・最低血圧値や種々の情報を表示する設定表示部、11はトノメトリ型血圧センサ7から入力された最高血圧値および最低血圧値と、設定表示部10から入力された設定血圧値および設定心拍値とに基づいて被験者1に与える上記ペダルの回転負荷の大きさを変更する回転負荷調整器(回転負荷調整手段)である。12はハンドル部5に設けられ被験者1に対してビーム状の光線12a(例えば、可視光線)を照射する発光部、13は測定開始スイッチであり、この測定開始スイッチ13が押下されると小型加圧ポンプ14が作動し、バンド7a内の空気圧室とカフ8aとに空気が送り込まれ上腕を加圧し、血圧測定を開始する。また、hは被験者1の心臓の高さ位置、sはトノメトリ型血圧センサ7の高さ位置であり、このトノメトリ型血圧センサ7は被験者1の手首に位置するため、ハンドル部5の高さ位置とほぼ等しいものである。
【0020】
次に動作について説明する。
まず、被験者1は設定表示部10を介して予め設定最高血圧値と設定最低血圧値とを設定した後、被験者1はハンドル部5を自分の運動しやすい高さに設定するために、固定部4に対して支柱6を引き出したり、押し込んだりする。次に、バンド7aを手首に巻くと共に、カフ8aを上腕部に巻いた後に、運動療法装置の電源スイッチを入れると圧力0mmHgの設定や各部の初期設定が行われる。そして、初期設定等が終了すると、ハンドル部5に設けられた発光部12から光線12aが照射される。ここで、被験者1は発光部12から照射された光線12aが被験者1の心臓の高さ位置hと合っていない場合には、再度ハンドル部5の高さを設定し直した後に、測定開始スイッチ13を押下する。そして、処理部9が測定開始スイッチ13の押下を検知すると、小型加圧ポンプ14が作動し、最初にカフ8aに空気を送り込み上腕部を加圧する。
【0021】
その後、カフ8aに空気を送り込み上腕部を加圧し、所定の圧力に達した後、徐々に排気弁により2〜4mmHg/秒の一定の排気速度で減圧が行われる。この減圧過程でカフ型血圧センサ8はカフ8a内の脈動現象を検出し、A/D変換されたディジタル信号として処理部9に出力する。次に、この処理部9ではカフ型血圧センサ8から送られてきた信号に対して必要な演算処理を行い最高血圧値と最低血圧値を決定し、電磁式の急速排気弁を作動させカフ8a内の空気を排気し血圧測定を終了する。
【0022】
その後、トノメトリ型血圧センサ7がカフ7a内の脈動現象(脈圧と血流の変化)を検出し、A/D変換されたディジタル信号として処理部9に出力する。次に、この処理部9ではトノメトリ型血圧センサ7およびカフ型血圧センサ8から送られてきた信号に対して必要な演算処理を行い最高血圧値と最低血圧値を決定し、電磁式の急速排気弁を作動させカフ7a内の空気を排気し血圧測定を終了する。
【0023】
次に、処理部9はカフ型血圧センサ8からの最高血圧値および最低血圧値とに応じてトノメトリ型血圧センサ7からの最高血圧値および最低血圧値とを校正し、この後、設定表示部10に表示する。そして、処理部9では演算処理されたトノメトリ型血圧計での最高血圧値と最低血圧値、および被験者1により予め設定された設定最高血圧値と設定最低血圧値とを回転負荷調整器11に出力する。回転負荷調整器11では、演算処理された最高血圧値と最低血圧値、および被験者1により予め設定された設定最高血圧値と設定最低血圧値とに基づいて被験者1に与える上記ペダル3の回転負荷の大きさを変更する。
【0024】
以上のように、この実施の形態1によれば、発光部12からの光線12aが照射された後に、処理部9が最高血圧値および最低血圧値の測定を開始するため、被験者1はトノメトリ型血圧センサ7の高さ位置sを心臓の高さ位置hに合わせるように誘導される。したがって、トノメトリ型血圧センサ7の高さ位置sと心臓の高さ位置hとの高低差がなくなり、最高血圧値および最低血圧値を精度よく測定できるなどの効果が得られる。
【0025】
実施の形態2.
図3はこの発明の実施の形態2による運動療法装置を示す構成図、図4はこの発明の実施の形態2による運動療法装置の使用状態を示す説明図であり、図において、実施の形態1と同一の符号については同一または相当部分を示すので説明を省略する。15は受光部22からの受光検知信号を入力したときに血圧測定処理を開始する処理部、22は被験者1の心臓の高さ位置hに装着された反射部31を介して発光部12の反射光31aを受信する受光部である。
【0026】
次に動作について説明する。
最高血圧値および最低血圧値を測定する際の手順について説明するが、実施の形態1と同一の動作については説明を省略する。
初期設定等が終了すると、ハンドル部5に設けられた発光部12から光線12aが照射される。ここで、トノメトリ型血圧センサ7の高さ位置sと被験者1の心臓の高さ位置hとが合っていない場合には、反射部31から反射された反射光31aが受光部22に入射することができないため、処理部15に受光検知信号が出力されない。そのため、被験者1が測定開始スイッチ13を押下しても小型加圧ポンプ14は作動しない。したがって、被験者1は反射部31を介して発光部12の反射光31aを受信できるようにハンドル部5の支柱6を上下させ、トノメトリ型血圧センサ7の高さ位置sと被験者1の心臓の高さ位置hとを合わせた後に、再度、測定開始スイッチ13を押下する。
【0027】
なお、トノメトリ型血圧センサ7の高さ位置sと被験者1の心臓の高さ位置hとが合っていない場合には、被験者1自身が反射光31aを受信できるように手動によりハンドル部5の支柱6を上下させていた。しかし、老人および子供等はハンドル部5の支柱6を簡単に上下させることができないという問題点が生じてくる。したがって、トノメトリ型血圧センサ7の高さ位置sと被験者1の心臓の高さ位置hとを自動的に合わせるハンドル部上下機構(図示なし)を固定部4内に設け、発光部12から光線12aが照射される前に、支柱6を最上位位置にセットし、光線12aの照射後に支柱6を降下させ、処理部15が受光部22からの受光検知信号を受信したときに降下動作をさせ、トノメトリ型血圧センサ7の高さ位置sと被験者1の心臓の高さ位置hとを合わせるものでもよい。また、トノメトリ型血圧センサ7の高さ位置sと被験者1の心臓の高さ位置hとが合った場合には、ハンドル部5の高さ調整が終了したものとして終了アラームを発生させてもよい。
【0028】
また、上記ハンドル部上下機構と処理部15にメモリICカード用のデータ書き込み読み出し機構(図示なし)を設け、メモリICカードに被験者1自身の支柱6の位置、最高血圧値、および最低血圧値等を登録することにより、次回の運動療法時の高さ調節が容易となるとともに、前回の最高血圧値、および最低血圧値との相違を確認することができるなどの効果が得られる。
【0029】
以上のように、この実施の形態2によれば、トノメトリ型血圧センサ7の高さ位置sと被験者1の心臓の高さ位置hとが合っていない場合には、測定開始スイッチ13を押下しても小型加圧ポンプ14が作動しないため、被験者1は確実にトノメトリ型血圧センサ7の高さ位置sを心臓の高さ位置hに合わせるように誘導される。したがって、トノメトリ型血圧センサ7の高さ位置sと心臓の高さ位置hとの高低差がなくなり、最高血圧値および最低血圧値を精度よく測定できるなどの効果が得られる。
【0030】
実施の形態3.
図5はこの発明の実施の形態3による運動療法装置を示す構成図、図6はこの発明の実施の形態3による運動療法装置の使用状態を示す説明図であり、図において、実施の形態1および2と同一の符号については同一または相当部分を示すので説明を省略する。16は受光部42からの受光検知信号を入力したときに血圧測定処理を開始する処理部、42は被験者1の心臓位置に装着された発光部51からの光線51aの検知を開始し、この発光部51からの光線51aを受光したときに受光検知信号を出力する受光部、51は被験者1の心臓の高さ位置hに装着された発光部であり、発光部11と同一機能のものである。
【0031】
次に動作について説明する。
最高血圧値および最低血圧値を測定する際の手順について説明するが、実施の形態1および2と同一の動作については説明を省略する。
受光部42は初期設定等が終了すると、被験者1の心臓位置に装着された発光部51からの光線51aの検知を開始し、この発光部51からの光線51aを受光したときに受光検知信号を出力する。そして、処理部16では、この受光検知信号を受信した後に測定開始スイッチ13が押下された場合には小型加圧ポンプ14を作動し、血圧の測定を開始する。
【0032】
しかし、トノメトリ型血圧センサ7の高さ位置sと被験者1の心臓の高さ位置hとが合っていない場合には、受光部42では発光部51からの光線51aを受光できないため、測定開始スイッチ13を押下しても小型加圧ポンプ14が作動しない。したがって、被験者1は受光部42が発光部51からの光線51aを受光できるようにハンドル部5の支柱6を上下させ、トノメトリ型血圧センサ7の高さ位置sと被験者1の心臓の高さ位置hとを合わせた後に、再度、測定開始スイッチ13を押下する。なお、実施の形態2で示したように、トノメトリ型血圧センサ7の高さ位置sと被験者1の心臓の高さ位置hとを自動的に合わせるハンドル部上下機構を固定部4内に設けてもよい。
【0033】
以上のように、この実施の形態3によれば、トノメトリ型血圧センサ7の高さ位置sと被験者1の心臓の高さ位置hとが合っていない場合には、受光部42が発光部51からの光線51aを受光できず、測定開始スイッチ13を押下しても小型加圧ポンプ14が作動しないため、被験者1はトノメトリ型血圧センサ7の高さ位置sを心臓の高さ位置hに合わせるように誘導される。したがって、トノメトリ型血圧センサ7の高さ位置sと心臓の高さ位置hとの高低差がなくなり、最高血圧値および最低血圧値を精度よく測定できるなどの効果が得られる。
【0034】
実施の形態4.
上記実施の形態2および3では、受光部22,42は光線31a,51aを受光することにより受光検知信号を出力するものについて示した。しかし、トノメトリ型血圧センサ7の高さ位置sと被験者1の心臓の高さ位置hとを自動的に合わせるハンドル部上下機構を固定部4内に設けた運動療法装置において、受光した光線31a,51aの強さを検出し、この光線31a,51aの強さが最大となったときに受光検知信号を出力するようにしてもよく、上記実施の形態2,3と同様の効果の他に、被験者1がトノメトリ型血圧センサ7の高さ位置sと心臓の高さ位置hとをより正確に合わせることができるという効果を奏する。
【0035】
実施の形態5.
上記実施の形態2および3では、処理部15,16は血圧測定の最中に、受光部22,42は光線31a,51aを受光できなくなった場合でも、すなわち、トノメトリ型血圧センサ7の高さ位置sと被験者1の心臓の高さ位置hとが合っていない場合でも、最高血圧値および最低血圧値の測定を続行するものについて示したが、光線31a,51aを受光できなくなった場合には、被験者1に注意を促すようにアラームを発生させるようにしてもよい。または、最高血圧値および最低血圧値の測定を中断させてもよく、この場合には、上記実施の形態2,3と同様の効果の他に、誤った最高血圧値または最低血圧値を除外することができるという効果を奏する。
【0036】
実施の形態6.
図7はこの発明の実施の形態6による運動療法装置を示す構成図、図8はこの発明の実施の形態6による運動療法装置の撮像部の撮像状態を示す状態図であり、図において、実施の形態1および2と同一の符号については同一または相当部分を示すので説明を省略する。17はこの撮像部62からの撮像検知信号を入力するとともに、測定開始スイッチ13が押下されたときに血圧測定処理を開始する処理部である。62は撮像部(例えば、小型のCCDカメラ)であり、被験者1の撮像を開始し、画面の特定部位65を被験者1の心臓位置に装着された位置特定部66に一致させることができたときに、処理部17に撮像検知信号を出力する。
【0037】
次に動作について説明する。
最高血圧値および最低血圧値を測定する際の手順について説明するが、実施の形態1および2と同一の動作については説明を省略する。
撮像部62は初期設定後に被験者1の撮像を開始し、画面の特定部位65を被験者1の心臓位置に装着された位置特定部66に一致させることができたときに、処理部17に撮像検知信号を出力する。そして、処理部17では、この撮像検知信号を受信した後に測定開始スイッチ13が押下された場合には小型加圧ポンプ14を作動し、最高血圧値および最低血圧値の測定を開始する。
【0038】
しかし、トノメトリ型血圧センサ7の高さ位置sと被験者1の心臓の高さ位置hとが合っていない場合には、撮像検知信号を受信できないため、測定開始スイッチ13を押下しても小型加圧ポンプ14が作動しない。したがって、被験者1は画面の特定部位65を被験者1の心臓位置に装着された位置特定部66に一致させるようにハンドル部5の支柱6を上下させ、トノメトリ型血圧センサ7の高さ位置sと被験者1の心臓の高さ位置hとを合わせた後に、再度、測定開始スイッチ13を押下する。なお、実施の形態2で示したように、トノメトリ型血圧センサ7の高さ位置sと被験者1の心臓の高さ位置hとを自動的に合わせるハンドル部上下機構を固定部4内に設けてもよい。
【0039】
以上のように、この実施の形態6によれば、トノメトリ型血圧センサ7の高さ位置sと被験者1の心臓の高さ位置hとが合っていない場合には、撮像部62からの撮像検知信号を受信できず、測定開始スイッチ13を押下しても小型加圧ポンプ14が作動しないため、被験者1はトノメトリ型血圧センサ7の高さ位置sを心臓の高さ位置hに合わせるように誘導される。したがって、トノメトリ型血圧センサ7の高さ位置sと心臓の高さ位置hとの高低差がなくなり、最高血圧値および最低血圧値を精度よく測定できるなどの効果が得られる。
【0040】
実施の形態7.
図9はこの発明の実施の形態7による運動療法装置を示す構成図、図において、実施の形態1および2と同一の符号については同一または相当部分を示すので説明を省略する。71は小型加圧ポンプ14を作動させることにより被験者1の方向に自動的に引き延ばされ、トノメトリ型血圧センサ7と被験者1の心臓との高さhを一致させる伸縮自在の高さ位置合わせ部材である。本実施の形態においては、高さ位置合わせ部材71が引き延ばされた後でなければ、測定開始スイッチ13を押下しても小型加圧ポンプ14が作動しないため、被験者1はトノメトリ型血圧センサ7の高さ位置sを心臓の高さ位置hに合わせるように誘導される。したがって、トノメトリ型血圧センサ7の高さ位置sと心臓の高さ位置hとの高低差がなくなり、最高血圧値および最低血圧値をより容易に精度よく測定できるなどの効果が得られる。なお、トノメトリ型血圧計以外の手首型血圧計又は指先型血圧計でもよい。さらに、運動機器は自転車以外のベルト回転形でもよい。
【0042】
【発明の効果】
この発明によれば、ハンドル部に設けられた発光部から照射された光線を受光部が被験者の心臓位置に装着された反射部を介して受光したときに受光検知信号を出力し、この受光部からの受光検知信号を入力した処理部により最高血圧値および最低血圧値の測定を開始するように構成したので、被験者が血圧センサの位置を心臓位置に合わせたか否かを判断でき、血圧値を精度よく測定できるという効果がある。
【0044】
この発明によれば、受光部により受光した光線の強さを検出しこの光線の強さが最大となったときに受光検知信号を出力するように構成したので、被験者が血圧センサの位置と心臓位置とをより正確に合わせることができるという効果がある。
【0046】
この発明によれば、処理部により、ハンドル部の高さ調整時に受光部からの受光検知信号を入力できたときにハンドル部の高さ調整が終了したものとして終了アラームを発生させるように構成したので、血圧測定中の心臓位置と血圧センサの位置とのずれを確認することができるという効果がある。
【0047】
この発明によれば、処理部により、受光部からの受光検知信号を入力できなくなったときに警告アラームを発生させるか、または最高血圧値および最低血圧値の測定を中断させる処理部が受光部からの受光検知信号を入力できなくなったときにアラームを発生するように構成したので、誤った血圧値を除外することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1による運動療法装置を示す構成図である。
【図2】 この発明の実施の形態1による運動療法装置の使用状態を示す説明図である。
【図3】 この発明の実施の形態2による運動療法装置を示す構成図である。
【図4】 この発明の実施の形態2による運動療法装置の使用状態を示す説明図である。
【図5】 この発明の実施の形態3による運動療法装置を示す構成図である。
【図6】 この発明の実施の形態3による運動療法装置の使用状態を示す説明図である。
【図7】 この発明の実施の形態6による運動療法装置を示す構成図である。
【図8】 この発明の実施の形態6による運動療法装置の撮像部の撮像状態を示す状態図である。
【図9】 この発明の実施の形態7による運動療法装置を示す構成図であるる。
【図10】 従来の運動療法装置の使用方法を示す説明図である。
【図11】 トノメトリ方式のセンサの計測原理を説明する説明図である。
【図12】 各センサエレメントが計測した波形を示す波形図である。
【符号の説明】
1 被験者、2 サドル、3 ペダル、4 固定部、5 ハンドル部、6 支柱、7 トノメトリ型血圧センサ(血圧センサ)、8 カフ型血圧センサ(血圧センサ)、9,15,16,17 処理部、11 回転負荷調整器(回転負荷調整手段)、12,51 発光部、22,42 受光部、31 反射部、51a 光線、62 撮像部、65 画面の特定部位、66 位置特定部、71 高さ位置合わせ部材。
Claims (4)
- ペダルを回転させる被験者が座る座部と、この座部を支持する固定部と、この固定部に対して高さを調節自在としたハンドル部と、上記被験者の手首または指先部分に装着されて最高血圧値や最低血圧値を計測する血圧センサを備えた運動療法装置において、上記ハンドル部に設けられ上記被験者に対して光線を照射する発光部と、この発光部から照射された光線を上記被験者の心臓位置に装着された反射部を介して受光したときに受光検知信号を出力する受光部と、この受光部からの受光検知信号を入力したときに血圧値の測定を開始する処理部とを備えた運動療法装置。
- 受光部は、受光した光線の強さを検出しこの光線の強さが最大となったときに受光検知信号を出力することを特徴とする請求項1記載の運動療法装置。
- 処理部は、ハンドル部の高さ調整時に受光部からの検知信号を入力できたときに、ハンドル部の高さ調整が終了したものとして終了アラームを発生させることを特徴とする請求項1または請求項2記載の運動療法装置。
- 処理部は、受光部からの検知信号を入力できなくなったときに警告アラームを発生させるか、または血圧値の測定を中断させることを特徴とする請求項1から請求項3記載のうちのいずれか1項記載の運動療法装置。
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