JP2006296808A - 血圧測定装置 - Google Patents

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Kenichi Yamakoshi
憲一 山越
Mikinobu Hoshino
干野  幹信
Masato Tsuchida
眞人 土田
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Abstract

【課題】血圧測定において、測定精度を向上させつつ小型化を図り、不快感を伴わせずに正確な測定結果を得ること。
【解決手段】被験者の生体と内接する内接部111を有し、当該内接部111を介して生体を固定する固定台110と、固定台110に対して移動可能に取り付けられ、生体の測定部位を押圧して被験者の容積脈波情報および押圧力に関する圧力情報を検出する回転板120と、回転板120を駆動して、当該回転板120を測定部位に対して押圧させる駆動モータ130と、回転板120によって検出された容積脈波情報および圧力情報に基づいて、被験者の血圧値を決定する全体制御部140と、を備える
【選択図】 図1

Description

本発明は、被験者の血圧を測定する血圧測定装置に関し、特に小型化が可能で血圧の測定精度を向上させつつ容易に使用することができる血圧測定装置に関する。
従来より、いわゆる血圧測定装置においては、オシロメトリック法や容積振動法などの測定技術を用いて血圧値の測定がおこなわれている。オシロメトリック法は、たとえば被験者の生体上腕部もしくは手首部に巻いたカフ(全周圧迫帯)で測定部位の血管を圧迫し、動脈圧に依存する血管壁の振動を反映したカフ圧変動の挙動(圧振動波)から、最高血圧(収縮期血圧:SBP)および最低血圧(拡張期血圧:DBP)を求めるものである。
一方、光電センサを用いる容積振動法は、たとえば被験者の生体指部に巻いたカフの圧を昇圧もしくは減圧していったときに、血圧によって起こる微少な血管の容積変化を、発光素子から照射された透過光を受光する受光素子で透過率の変化として検出し、この受光素子から出力される受光信号の交流成分である容積脈波信号の振幅変化のカフ圧に対する挙動から血圧値を測定するものである。
このようなオシロメトリック法や容積振動法を用いる従来の血圧測定装置のうち、カフを使用するとともに容積振動法を用いて血圧値を測定する従来の血圧測定装置は、たとえばつぎのように構成されている。すなわち、血圧測定装置は、カフ圧迫下の動脈運動に関する生体情報に基づいて血圧を測定し出力するものであり、現時点から少なくとも4周期前までの光電容積脈波信号波形である生体信号波形を保持する保持手段と、計測開始から計測終了までの間、保持手段に保持された現時点からほぼ4周期前までの生体信号波形と現時点のカフ圧のディジタル値とを同一表示画面上に逐次表示する表示手段とを備え、たとえば血圧値の計測中に生体信号波形とカフ圧とを表示して計測状態の良否を容易に判断することができる構成とされている(たとえば、特許文献1参照。)。
また、血圧測定装置は、カフと、カフ圧を検出する圧検出器と、カフを加圧するカフ圧コントロール用ポンプと、カフによる身体の加圧部分に異なる2波長の光を照射する発光部と、この発光部から身体に入射された光の透過光量または反射光量を検出する受光部と、この受光部から得られる受光信号中の各波長の直流成分と脈波成分とを分離する復調回路と、この復調回路からの検出出力が取り込まれ、カフ加圧前に測定した酸素飽和度から許容ばらつき範囲を算出するとともに、カフ圧を上昇させていった過程で測定した酸素飽和度がこの許容ばらつき範囲内にあるか否かを判定して、許容ばらつき範囲内にあれば、脈波成分(光電容積脈波信号)の振幅値とカフ圧とから、被験者の血圧値を算出し、許容ばらつき範囲内になければ、その時点で取り込まれた脈波成分を無効とする処理をおこなうCPUとを有し、通常の容積振動法では測定が困難であった振動や体動などが伴う測定環境下でも、被験者の血圧値を信頼よく測定することができる構成とされている(たとえば、特許文献2参照。)。
また、血圧測定装置は、カフと、カフ圧を検出する圧検出器と、カフを直線的に加圧するか、カフ圧を直線的に降下させるカフ圧コントロール用ポンプと、カフによる身体の加圧部分に光を照射する発光部と、この発光部から身体に入射された光の透過光量または反射光量を検出する受光部と、この受光部から得られる受光信号中の脈波成分を分離する復調回路と、この復調回路からの検出出力に基づき、カフ加圧前に脈波成分が検出されないと判定された場合に、カフ圧コントロール用ポンプに制御信号を送り、カフ圧を上昇させるか、一度上昇したカフ圧を降下させる制御をおこない、カフ圧が昇圧されていく過程、または減圧されていく過程での受光信号中の変曲点を検出して、この変曲点におけるカフ圧を微弱血圧状態における被験者の平均血圧値として出力するCPUとを有し、通常の容積振動法では測定が困難であったショック状態や極端な低血圧状態に置かれた被験者に対しても、微弱血圧状態であるか否かの判定、および微弱血圧状態にあればその被験者の血圧値を測定することができる構成とされている(たとえば、特許文献3参照。)。
また、このような従来の血圧測定装置のうち、カフを使用せずに容積振動法を用いて血圧値を測定する血圧測定装置は、たとえばつぎのように構成されている。すなわち、血圧測定装置は、光電容積脈波センサおよび加圧バッグを先端部に取り付けた加圧体と、加圧バッグ内の圧力を検出する圧力センサと、光電容積脈波センサから出力される脈波信号と、圧力センサから出力される圧力信号とを入力して血圧を計測する制御部とを備え、生体の任意の部位を押圧して血圧値を測定でき、測定作業が極めて容易になるとともに、カフによる測定のように測定部位に対する制限を受けることなく測定することができる構成とされている(たとえば、特許文献4参照。)。
また、血圧測定装置は、変化する圧力が動脈に付与されることを可能にし、その間に圧力脈波が検知され、圧力波形データを生成するとともに、検知された圧力波形データから波形パラメータを得る。ついで、得られた波形パラメータを用いて血圧を決定する。被験者は、可聴または視覚フィードバックを介して可変圧力を付与するように誘導されたり促されたりする。このため、小型で多くの異なる環境において使いやすく、圧力の読取値を非常に短時間で得ることができ、血圧値を得るための力の付与の状況を認識可能な状態で、被験者が自身の血圧値を測定することができる構成とされている(たとえば、特許文献5参照。)。
特公平7−41028号公報 特許第2958503号公報 特許第2958471号公報 特開平6−311972号公報 特表2001−514916号公報
しかしながら、上記特許文献1〜3に記載された血圧測定装置では、カフを使用して被験者の生体の測定部位を圧迫し血圧測定をおこなうため、測定部位に鬱血が発生したり、測定中に痛みを伴ったり、さらには不快感を増長させてしまうおそれがある。また、カフを測定部位に装着する必要があるため、測定作業が煩わしいものとなる場合がある。さらに、カフが必須の構成となるため、小型化を図るには限界があるとともに、部品点数の削減を図りにくいという問題がある。
また、上記特許文献4および5に記載された血圧測定装置では、カフは使用しないが、手動により被験者の生体の測定部位を押圧して血圧測定をおこなうため、血圧の測定精度にばらつきが生じやすく、測定結果の信頼性がカフを使用する場合と比べて劣ってしまう場合がある。
この発明は、上述した従来技術による問題点を解消するため、血圧の測定精度を向上させつつ小型化を図ることができるとともに、不快感を伴わせずに容易に血圧を測定することができる血圧測定装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するため、本発明にかかる血圧測定装置は、被験者の生体と内接する内接部を有し、当該内接部を介して前記生体を固定する固定手段と、前記固定手段に対して移動可能に取り付けられ、前記生体の測定部位を押圧して前記被験者の容積脈波に関する容積脈波情報および前記押圧力に関する圧力情報を検出する検出手段と、前記検出手段を駆動して、当該検出手段を前記測定部位に対して押圧させる駆動手段と、前記検出手段によって検出された前記容積脈波情報および圧力情報に基づいて、前記被験者の血圧値を決定する血圧値決定手段と、を備えることを特徴とする。
また、本発明にかかる血圧測定装置においては、前記検出手段を駆動する前記駆動手段の動作を制御する制御手段を備え、前記制御手段は、前記検出手段によって最適な押圧動作をおこない前記容積脈波情報および前記圧力情報を検出するように、所定の動作パラメータに基づいて前記駆動手段を制御することを特徴とする。また、前記制御手段は、前記駆動手段を制御して、前記検出手段によって前記測定部位に対する押圧動作を複数回おこない、それぞれ得られる前記容積脈波情報および圧力情報に基づいて前記所定の動作パラメータを算出することを特徴とする。
また、本発明にかかる血圧測定装置においては、前記固定手段に配設され当該固定手段に固定された前記生体の傾きに関する傾斜情報を検出する傾斜検出手段と、前記被験者の体格に関する体格情報を取得する体格情報取得手段と、を備え、前記血圧値決定手段は、前記傾斜検出手段によって検出された前記傾斜情報と、前記体格情報取得手段によって取得された前記体格情報とに基づいて、前記被験者の心臓部に対する前記測定部位の高度情報を算出し、前記容積脈波情報、前記圧力情報および前記高度情報に基づいて、前記被験者の血圧値を決定することを特徴とする。
また、本発明にかかる血圧測定装置は、前記血圧値決定手段は、前記検出手段による前記測定部位への押圧過程および減圧過程によってそれぞれ得られる前記容積脈波情報に基づいて、前記押圧過程および前記減圧過程における前記血圧値をそれぞれ算出して平均化し、前記被験者の前記血圧値を決定することを特徴とする。
また、前記検出手段は、前記検出手段は、前記測定部位と接触する接触部を有し、当該接触部は、前記測定部位に対する押圧力を検出する圧力検出手段、および前記測定部位の動脈の脈波を検出する脈波検出手段を備えることを特徴とする。また、前記圧力検出手段は、前記測定部位を押圧する空洞状のチャンバと、当該チャンバの内部空間と連通する内孔が設けられた導圧管とを有する圧力測定用チャンバ部からなることを特徴とする。また、前記脈波検出手段は、前記測定部位に光を照射する発光部と、当該発光部によって照射され前記生体に入射された前記光を受光する受光部とを有する光電センサ部を有し、該光電センサ部は複数個の発光ダイオードと1個のフォトダイオードとを有することを特徴とする。
また、本発明にかかる血圧測定装置においては、前記固定手段または前記検出手段に配設され前記圧力測定用チャンバ部と接続されて圧力を測定する圧力測定手段を備え、前記チャンバおよび前記導圧管は、前記内部空間および前記内孔に空気が充填されていることを特徴とする。また、前記固定手段または前記検出手段に配設され前記圧力測定用チャンバ部と接続されて圧力を測定する圧力測定手段を備え、前記チャンバおよび前記導圧管は、前記内部空間および前記内孔にゲル状導圧媒体が充填されていることを特徴とする。
また、本発明にかかる血圧測定装置においては、前記検出手段によって検出された前記容積脈波情報から前記被験者の脈拍数および脈波振幅値を抽出する抽出手段と、前記抽出手段によって抽出された前記脈拍数および前記脈波振幅値があらかじめ設定された所定範囲内にあるか否かを判定する判定手段と、前記判定手段によって判定された判定結果に基づいて、前記脈拍数および前記脈波振幅値が前記所定範囲内にあるか否かを警報音、音声、振動および表示の少なくともいずれか一つによって報知する報知手段と、を備えることを特徴とする。
また、前記検出手段は、前記動脈の押圧部を通り、前記固定手段に固定された前記生体の骨部の中心軸への垂線に対して略10°〜20°偏った角度で当該動脈を押圧するように前記固定手段に取り付けられていることを特徴とする。また、前記検出手段は、長手方向両端間距離が略5cm〜8cmの範囲で形成された板状部材からなることを特徴とする。
また、前記接触部は、前記検出手段の前記測定部位との当接側に設けられた円柱状の基体部を有する前記光電センサ部と、当該光電センサ部の先端側に配設された前記圧力測定用チャンバ部とを備え、前記光電センサ部の前記基体部は、直径が略2.5cm〜4cmの範囲で形成された円柱状部材からなることを特徴とする。
本発明にかかる血圧測定装置によれば、カフを用いずに生体の測定部位を機械的に押圧して血圧の測定をおこない、高い精度の測定結果を容易に得ることができるとともに装置の小型化および測定時の不快感の軽減を図ることができるという効果を奏する。
以下に添付図面を参照して、本発明にかかる血圧測定装置の好適な実施の形態を詳細に説明する。なお、以下の実施の形態の説明および添付図面において、同様の構成には同一の符号を附し、重複する説明は省略する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1にかかる血圧測定装置の一例を示す正面図である。図2は、図1に示す血圧測定装置の上面図である。図3は、図1に示す血圧測定装置の側面図である。なお、図1〜図3においては、図面上にあらわせない構成部分の符号は省略する。図1〜図3に示すように、実施の形態1の血圧測定装置100は、図示しない被験者の生体と接する内接部111(図1および図2を参照)を有し、この内接部111を介して生体を固定する固定手段としての固定台110と、この固定台110に対して移動可能に取り付けられ、生体の測定部位を押圧して被験者の容積脈波に関する容積脈波情報および押圧力に関する圧力情報を検出する検出手段としての回転板120と、この回転板120を駆動して、回転板120を生体の測定部位に対して押圧させる駆動手段としての駆動モータ130と、回転板120によって検出された容積脈波情報および圧力情報に基づいて、被験者の血圧値を決定する血圧値決定手段としての全体制御部140と、を備えて構成されている。なお、全体制御部140は、たとえば容積振動法によって被験者の血圧値を決定するが、容積振動法については公知技術であるため、ここでは説明を省略する。
また、血圧測定装置100は、全体制御部140によって決定された血圧値を表示する出力手段としてのディスプレイ150(図1および図2を参照)を、たとえば回転板120の生体との当接側と反対側の面121に備えている。また、血圧測定装置100は、たとえば固定台110に内設されこの固定台110に固定された生体の傾きに関する傾き情報を検出する傾斜検出手段としての傾斜センサ119を備えている。この傾斜センサ119は、たとえば公知の振り子式センサなどによって構成される。また、血圧測定装置100は、たとえば固定台110に内設され被験者の脈拍数および脈波振幅値があらかじめ設定された所定範囲内にあるか否かを報知する報知手段としてのスピーカ118(図1を参照)を備えている。
なお、血圧測定装置100の全体制御部140内には、回転板120を駆動する駆動モータ130の動作を制御する制御手段としての駆動制御部と、全体制御部140によって決定された血圧値を記憶する記憶手段としての記憶部と、後述する接触部からの圧力を測定する圧力測定手段としての圧力測定部(圧力センサ)と、被験者の体格に関する体格情報を取得する取得部と、が備えられている。これら駆動制御部、記憶部、圧力測定部および取得部については後述する。なお、取得部は、たとえば図示しない操作部からの入力情報を取得してもよい。
また、全体制御部140内には、回転板120によって検出された容積脈波情報から被験者の脈拍数および脈波振幅値を抽出する抽出手段としての抽出部と、抽出部によって抽出された脈拍数および脈波振幅値があらかじめ設定された所定範囲内にあるか否かを判定する判定手段としての判定部と、が備えられている。なお、これら抽出部および判定部については後述する。また、上述のスピーカ118は、この判定部からの判定結果に基づいて、脈拍数および脈波振幅値が所定範囲内にあるか否かを報知する。
なお、以降においては、固定台110に固定される被験者の生体として上腕部を例にして説明する。固定台110は、たとえば樹脂成形部材からなり、内接部111には生体の上腕部が載置され固定される。内接部111は、載置される上腕部に違和感を与えないように、たとえば上腕部の表面に沿った湾曲形状で形成されているとよい。この固定台110の一端には、上述した傾斜センサ119が内設され、内接部111を介して反対側の他端には、回転板120の一端が駆動モータ130を介して回動可能に取り付けられている。なお、固定台110の内接部111に載置され固定される上腕部は、固定台110の回転板120が取り付けられた側の端部が身体の内側にくる状態で固定されるとよい。
駆動モータ130を介して固定台110に取り付けられた回転板120は、駆動モータ130の回転軸131(図2および図3を参照)の回転動作に伴って、固定台110に固定された上腕部に対して傾動するように駆動される。回転板120は、たとえば長手方向両端間距離L1(図1を参照)が5cm〜8cm程度の大きさで形成された樹脂成形板状部材からなる。この回転板120の上腕部との当接側の面122には、上腕部の測定部位と接触する接触部125が設けられている。回転板120が5cm未満では回転板120のストロークに対応する角度変化が大き過ぎて、上腕動脈と接触部125の位置ずれを起こす。回転板120が8cm以上では血圧測定装置100が大きくなってしまい、扱いにくく好ましくない。すなわち、回転板120が上述した数値によってあらわされる大きさで形成されていることにより、固定台110に乗せられた上腕に対して上腕動脈と接触部125が位置ずれを起こすことなく均一に、安全に、不快感無く上腕動脈を押圧可能となった。
図4は、接触部の一例を示す側方一部断面図である。図5は、接触部に備えられる圧力測定用チャンバ部の一例を示す正面図である。図1〜図4に示すように、接触部125は、測定部位に対する押圧力を検出する圧力検出手段としての圧力測定用チャンバ部126と、測定部位の脈波を検出する脈波検出手段としての光電センサ部127とを備えている。この例では、回転板120によって検出される容積脈波情報は、これら押圧力および脈波を含むものとする。図5に示すように、圧力測定用チャンバ部126は、測定部位を押圧する空洞状のチャンバ126aと、このチャンバ126aの内部空間と連通する内孔が形成された導圧管126bとを備えて構成されている。
この例では、チャンバ126aは、ポリプロピレンを直径が20mm程度の円板空洞状に成形した部材からなる。また、導圧管126bは、ポリプロピレンを被覆間直径が1mm程度のニードル状に成形した部材からなる。この導圧管126bは、たとえば回転板120に内設されて備えられている。なお、圧力測定用チャンバ部126は、上記ポリプロピレンの他に、ポリエチレンなどにより形成されていてもよい。この場合、ポリエチレンテレフタレート(PET)やポリエチレンナフタレート(PEN)により形成されてもよい。また、ポリイミド(PI)やポリオレフィン(PO)などが用いられてもよい。
圧力測定用チャンバ部126のチャンバ126aおよび導圧管126bは、その内部空間および内孔に空気あるいはゲル状導圧媒体が充填されている。これら空気あるいはゲル状導圧媒体によって、接触部125における測定部位に対する接触圧が前述した圧力測定部に正確に伝達される。導圧媒体としては空気でも接触圧は正確に伝達されるため十分であるが、ゲル状導圧媒体を用いた場合には圧力測定用チャンバの耐久性が著しく向上し、より好適である。なお、ゲル状導圧媒体は、たとえばJIS規格によるゴム硬度が0.5以下のものが用いられるとよい。
一方、光電センサ部127は、図4に示すように、測定部位に光を照射する発光部としての発光ダイオード(LED)127aと、このLED127aによって照射され上腕部に入射された光を受光する受光部としてのフォトダイオード(PD)127bと、これらLED127aおよびPD127bが配設された樹脂成形部材からなる基体部127cとを備えて構成されている。この例では、図3に示すように、LED127aは基体部127c上に圧力測定用チャンバ126の外周に沿うように複数配設され、PD127bは基体部127cに一つ配設されている。LED127aは、たとえば波長(λ)が940mm程度の赤外線を照射し、PD127bは、その有効受光面積が5.7mm2程度で構成されるとよい。LED127aが複数配設された基体部127cはLED127aを含む円弧が腕動脈に対して概ね直交するように上腕に当接するようになっている。こうすることにより、複数のLED127aと一つのPD127bが用いられることで、上腕部の動脈に対する位置ずれの許容範囲が大きくなるので、高精度に測定部位の脈波を検出することができる。
また、光電センサ部127の基体部127cは、その直径が2.5cm〜4cm程度の範囲で形成された円柱状部材からなり、その先端側には圧力測定用チャンバ部126が配設されている。基体部127cが2.5cm未満では、動脈に実際に加わっている圧力と外部の加圧圧力との差が大きくなってしまうことが分かっている。また、4cmより大きいと接触部で押される力が大きくなり、痛み、不快感が発生する。すなわち、回転板120や光電センサ127の基体部127cが、上述した形状や数値によってあらわされる大きさで形成されていることにより、局所的な押圧であっても圧力分布の均一性を保証でき、動脈に実効的に加わる圧力の測定精度が保証されつつ、位置ずれなどが生じにくい構造と、血圧測定装置100全体の小型化や軽量化とを実現することができ、同時に血圧測定時の押圧による不快感や痛みなどの発生を抑えることが可能となる。なお、基体部127cは、回転板120との接続側端部から先端部までの高さが、たとえば10mm程度となる大きさで形成されているとよい。また、上記LED127aおよびPD127bは、基体部127cの先端側に配設された圧力測定用チャンバ部126の外周に沿った状態で、基体部127cに配設されている。
このように構成された血圧測定装置100では、全体制御部140の駆動制御部からの制御命令によって、駆動モータ130が回転板120を傾動させ、固定台110の内接部111上に載置された被験者の上腕部に対して回転板120の接触部125を当接し測定部位を押圧する。そして、接触部125の圧力測定用チャンバ部126および光電センサ部127によって検出された容積脈波情報および圧力情報に基づいて、全体制御部140が被験者の血圧値を決定する。したがって、従来のカフを用いた血圧測定装置と比べて、簡単かつ確実に不快感を伴いにくい血圧測定作業をおこなうことができるとともに、高精度な測定結果を得ることができ、さらには装置の小型化を実現することができる。
つぎに、この血圧測定装置100の機能的構成について説明する。図6は、本発明の実施の形態1にかかる血圧測定装置の機能的構成の一例を示すブロック図である。図6に示すように、血圧測定装置100は、全体制御部600と、圧力検出部610と、脈波検出部611と、傾斜検出部612と、駆動部613と、アナログ・ディジタル変換部(A/D)614と、ディジタル・アナログ変換部(D/A)615と、報知部616と、インタフェース(I/F)617と、表示部618と、操作部619と、を備えて構成される。また、全体制御部600は、圧力測定部601と、抽出部602と、判定部603と、駆動制御部604と、記憶部605と、取得部606と、血圧値決定部607と、を備える。
全体制御部600は、血圧測定装置100全体を統括的に制御する。この全体制御部600は、たとえばCPUやMPUなどによって構成される。この全体制御部600は、上述した全体制御部140に対応する。全体制御部600内の圧力測定部601は、後述する圧力検出部610によって検出された測定部位に対する押圧力を測定する。抽出部602は、後述する脈波検出部611によって検出された脈波を含む容積脈波情報から被験者の脈拍数および脈波振幅値を抽出する。判定部603は、抽出部602によって抽出された脈拍数および脈波振幅値が全体制御部600にあらかじめ設定された所定範囲内にあるか否かを判定する。
また、全体制御部600内の駆動制御部604は、後述する駆動部613の駆動動作を制御する。この駆動制御部604は、たとえば回転板120(図1〜図3を参照)によって最適な押圧動作をおこない容積脈波情報および圧力情報を検出するように、所定の動作パラメータに基づいて駆動部613を制御する。なお、駆動制御部604は、駆動部613を制御して、たとえば回転板120によって上腕部の測定部位に対する押圧動作を異なる押圧パターンで複数回おこない、それぞれ得られる容積脈波情報および圧力情報に基づいて、上述した所定の動作パラメータを算出するようにしてもよい。これにより、たとえば老若男女を問わず、被験者ごとに異なる測定部位に対する血圧測定作業においても、最適な押圧動作をおこなうことが可能となる。なお、所定の動作パラメータは、たとえば後述するI/F617を介して取得部606によって、外部から取得するようにしてもよい。
記憶部605は、後述する血圧値決定部607によって決定された血圧値を記憶する。また、記憶部605は、全体制御部600に対して入力される各種情報や、全体制御部600において生成される各種情報を一時的または恒久的に記憶する。取得部606は、後述するI/F617を介して操作部619などから全体制御部600に対して入力される被験者の体格情報などを取得する。血圧値決定部607は、後述する圧力検出部610、脈波検出部611および傾斜検出部612などによって検出された検出結果に基づいて、被験者の血圧値を決定する。
この血圧値決定部607は、たとえば傾斜検出部612によって検出された傾斜情報および取得部606によって取得された体格情報に基づいて、被験者の心臓部に対する上腕部の測定部位の高度情報を算出し、容積脈波情報、圧力情報および高度情報に基づいて、被験者の血圧値を決定する。具体的には、たとえば取得した体格情報に含まれる被験者の身長と相関関係にある上腕部の長さ、および検出された傾斜情報によって示される上腕部の傾斜角から心臓部に対する測定部位の高度情報を算出し、血圧値の水柱圧補正をおこなって血圧値を決定する。
また、血圧値決定部607は、たとえば回転板120の接触部125(図1〜図3を参照)によっておこなわれる測定部位への押圧過程および減圧過程によってそれぞれ得られる容積脈波情報および圧力情報に基づいて、これらの過程における血圧値をそれぞれ算出し、算出した血圧値を平均化して被験者の血圧値を決定するようにしてもよい。血圧値の決定に際しては、押圧過程あるいは減圧過程のいずれでも血圧値を決定することができるので、両過程で得られた血圧値を平均化して最終的な血圧値を決定することにより、高精度の血圧測定を実現することができる。
圧力検出部610は、たとえば被験者の上腕部の測定部位に対する押圧力を検出する。この圧力検出部610は、上述した圧力測定用チャンバ部126によって構成される。脈波検出部611は、測定部位の動脈の脈波を検出する。したがって、測定部位が上腕部にある場合、上腕動脈の脈波を検出する。この脈波検出部611は、上述した光電センサ部127によって構成される。傾斜検出部612は、固定台110(図1〜図3を参照)に固定された上腕部の傾斜情報を検出する。この傾斜検出部612は、上述した傾斜センサ119によって構成される。
これら圧力検出部610、脈波検出部611および傾斜検出部612によって検出された押圧力、脈波および傾斜情報などの情報は、A/D614に入力され、A/D614によってアナログ信号からディジタル信号に変換されて、全体制御部600に入力される。駆動部613は、全体制御部600から出力され、D/A615によってディジタル信号からアナログ信号に変換された駆動制御信号に基づいて回転板120を駆動する。この駆動部613は、上述した駆動モータ130によって構成される。
報知部616は、血圧値決定部607によって決定された血圧値に関する情報や、血圧測定装置100に関する種々の情報を被験者などに対して報知する。この報知部616が報知する情報としては、たとえば判定部603によって判定された被験者の脈拍数および脈波振幅値が所定範囲内にあるか否かの情報が挙げられる。その他、報知部616は、血圧測定装置100による血圧測定が正常におこなわれているか否かなどの情報を報知する。この報知部616は、この例では上述したスピーカ118によって構成されるが、図示しない振動装置や表示装置などによって構成され、振動や表示により種々の情報を報知するようにしてもよい。なお、スピーカ118によって報知部616が構成される場合、種々の情報を警報音や音声によって報知する。
I/F617は、血圧値決定部607によって決定された血圧値に関する情報を、たとえば図示しない印刷装置に対して出力する。また、I/F617は、全体制御部600と後述する表示部618や操作部619との間で各種情報を送受信する。I/F617による各種情報の送受信は、有線あるいは無線によっておこなわれる。表示部618は、I/F617を介して全体制御部600から出力された各種情報に基づいて、文字や図形などの画像を表示する。この表示部618は、上述したディスプレイ150によって構成される。操作部619は、血圧測定装置100に対する各種情報を被験者などによって入力するために操作される。この操作部619は、押しボタン式スイッチやキーボード、その他公知の各種入力装置によって構成される。
つぎに、この血圧測定装置100の血圧測定処理について説明する。図7は、本発明の実施の形態1にかかる血圧測定装置の血圧測定処理の一例を示すフローチャートである。なお、以降において、既に説明した部分と重複する箇所は同一の符号を附して説明を省略する。図7に示すように、まず、血圧測定装置100を使用する被験者などによって、たとえば操作部619からI/F617を介して『装置起動』を指示する入力情報が全体制御部600に入力され、この入力情報を取得部606が取得する。そして、全体制御部600によって、取得した入力情報に基づいて血圧測定装置100の設定などをリセットして初期化する(ステップS701)。
この場合、被験者は、たとえば上腕部の生体表面を露出した状態で、かつ血圧測定装置100の回転板120と固定台110との取り付け側が身体の内側にくるように、上腕部を固定台110の内接部111上に載置して固定するとよい。このとき、血圧測定装置100の回転板120は、固定台110に対して開いた状態となる。つぎに、被験者などによって、たとえば操作部619からI/F617を介して『測定開始』を指示する入力情報が全体制御部600に入力され、この入力情報を取得部606が取得する。そして、駆動制御部604によって、駆動部613(駆動モータ130)を制御して、回転板120を上腕部の測定部位に対して傾動させ、接触部125を測定部位に接触させて測定部位を押圧する(ステップS702)。
測定部位を押圧すると、圧力検出部610(圧力測定用チャンバ部126)によって、押圧力が検出されるとともに、脈波検出部611(光電センサ部127)によって、上腕動脈の脈波が検出され、これらの検出結果(検出信号)は、A/D614を介して全体制御部600に入力される。なお、圧力検出部610で検出される押圧力の圧力波形と、脈波検出部611によって検出される脈波の容積脈波波形とは、つぎのようなものとなる。
図8は、血圧測定装置100によって検出される圧力波形を示す波形図である。また、図9は、血圧測定装置100によって検出される容積脈波波形を示す波形図である。図8に示すように、圧力検出部610によって検出される押圧力の圧力波形800は、横軸にあらわす時間(sec)の経過とともに縦軸にあらわす圧力(mmHg)が変化していくことを示している。ここでは、駆動部613によって駆動される回転板120の接触部125によって、測定部位が20秒程度の時間をかけて徐々に押圧された場合に、圧力検出部610により検出される圧力波形800をあらわしている。また、図9に示すように、脈波検出部611によって検出される脈波の容積脈波波形900は、横軸にあらわす時間(sec)の経過とともに縦軸にあらわす容積脈波強度(A.U.)、すなわち脈波振幅値が変化していくことを示している。ここでは、駆動部613によって駆動される回転板120の接触部125によって、測定部位が20秒程度の時間をかけて徐々に押圧された場合に、脈波検出部611により検出される容積脈波波形900を示している。
図7に戻り、ステップS702における測定部位に対する押圧動作中に、全体制御部600は、脈波検出部611からの検出信号に基づいて、脈波を検出したか否かを判断する(ステップS703)。脈波を検出していないと判断した場合(ステップS703:No)は、駆動制御部604によって、ステップS702における押圧動作を続行する。一方、脈波を検出したと判断した場合(ステップS703:Yes)は、駆動制御部604によって、駆動部613を制御して、回転板120の接触部125により測定部位をさらに押圧する(ステップS704)。
このステップS704における測定部位に対する押圧動作中に、全体制御部600は、脈波検出部611からの検出信号に基づいて、脈波の脈波振幅値が増大しているか否かを判定する(ステップS705)。脈波振幅値が増大していると判定した場合(ステップS705:Yes)は、駆動制御部604によって、ステップS704における押圧動作を続行する。一方、脈波振幅値が増大していないと判定した場合(ステップS705:No)は、圧力検出部610からの検出信号に基づいて、記憶部605によって、脈波振幅値最大時の圧力を平均血圧値(Pm)として記憶する(ステップS706)。
そして、全体制御部600は、駆動制御部604によって駆動部613を制御して、回転板120の接触部125により測定部位をさらに押圧する(ステップS707)。このステップS707における測定部位に対する押圧動作中に、全体制御部600は、脈波検出部611からの検出信号に基づいて、脈波の脈波振幅値が微少になったか否かを判定する(ステップS708)。
脈波振幅値が微少になっていないと判定した場合(ステップS708:No)は、駆動制御部604によって、ステップS707における押圧動作を続行する。一方、脈波振幅値が微少になったと判定した場合(ステップS708:Yes)は、圧力検出部610からの検出信号に基づいて、記憶部605によって、脈波振幅値微少時の圧力を最高血圧値(Ps)として記憶する(ステップS709)。
そして、全体制御部600は、記憶部605に記憶した平均血圧値(Pm)および最高血圧値(Ps)に基づいて、血圧値決定部607によって、最低血圧値(Pd)を算出する(ステップS710)。最低血圧値(Pd)は、容積脈波波形および圧力波形(圧脈波波形)が相似形となることを利用して、平均血圧値(Pm)と最高血圧値(Ps)とから推定することができる。このステップS710における最低血圧値の算出処理は、たとえば血圧決定部607によって、つぎにあらわす数式(1)を用いておこなわれる。
Pm=Pd+αv(Ps−Pd)・・・(1)
ここで、αvはTを脈波の1周期とした場合、脈波波形Vbの積分値であり、次式(2)によって定義される。
αv=(1/T)∫ΔVbdt/|Vb|・・・(2)
図7に戻り、ステップS710において最低血圧値(Pd)を算出すると、全体制御部600は、駆動制御部604によって、駆動部613を制御して回転板120を押圧方向と反対方向(開放方向)に移動させ、測定部位に対する押圧動作を終了して回転板120を開放する(ステップS711)。このステップS711における開放処理がおこなわれると、被験者は上腕部を固定台110(図1〜図3を参照)から離脱させることができるようになる。そして、全体制御部600は、血圧値決定部607によって決定された血圧値および抽出部602によって抽出された脈拍数に基づいて、これらの測定結果に関する情報をI/F617を介して表示部618に出力し、表示部618によって、測定結果における被験者の最高血圧値(Ps)、最低血圧値(Pd)および脈拍数を表示する(ステップS712)。これにより、本フローチャートによる一連の血圧測定処理を終了する。
なお、上記ステップS712における表示処理とともに、あるいは表示処理に代えて、たとえば測定結果に関する情報を報知部616によって音声出力したり、図示しない印刷装置によって印刷出力したりするようにしてもよい。また、測定部位は、上腕部に限定されるものではない。このように、この血圧測定装置100での血圧測定処理によれば、カフの代わりに回転板120の接触部125によって機械的に被験者の測定部位を確実に押圧して血圧値を決定することができるので、不快感を伴いにくい血圧測定作業を簡単におこなうことができるとともに、高精度な測定結果を得ることが可能となる。
なお、上記ステップS702、ステップS704およびステップS707における測定部位に対する押圧動作は、全体制御部600の駆動制御部604によって、所定の動作パラメータに基づいて駆動部613を制御することによりおこなわれるが、その際に圧力検出部610によって検出される圧力波形は、つぎのようなものとなる。
図10は、所定の動作パラメータに基づいておこなわれる一連の押圧動作により検出される圧力波形の一例を示す波形図である。図10に示すように、まず、駆動制御部604によって、たとえばt0の時点で押圧動作が開始され、t1の時点で接触部125が測定部位と当接して圧力検出部610によって押圧力の増大が検出され、t2の時点まで徐々に検出された押圧力が増大するように駆動部613の動作を制御して、回転板120の接触部125により測定部位をゆっくりと押圧する。このときの押圧力は、たとえば5mmHg/sec程度であり、t1からt2までの時間は、2秒程度であるとよい。
つぎに、駆動制御部604によって、たとえばt2からt3までの間に圧力検出部610によって急激に押圧力の増大が検出されるように駆動部613の動作を制御して、回転板120の接触部125により測定部位を急激に押圧する。このときの押圧力は、たとえば45mmHg/sec程度であり、t2からt3までの時間は、1秒程度であるとよい。そして、駆動制御部604によって、t3の時点から平均血圧値(Pm)検出時点(脈波振幅値最大時点)t4および最高血圧値(Ps)検出時点(脈波振幅値微少時点)t5までの間に、圧力検出部610によって検出された押圧力が徐々に増大するように駆動部613の動作を制御して、回転板120の接触部125により測定部位をゆっくりと押圧する。このときの押圧力は、たとえば5mmHg/sec程度であり、t3からt5までの時間は、20秒程度であるとよい。
そして、駆動制御部604によって、たとえばt5の時点からt6の時点まで徐々に圧力検出部610によって検出された押圧力が増大するように駆動部613の動作を制御して、回転板120の接触部125により測定部位をゆっくりと押圧する。このときの押圧力は、たとえば5mmHg/sec程度であり、t5からt6までの時間は、2秒程度であるとよい。
なお、図8および図9の圧力波形800および容積脈波波形900を参照して説明した例においては、たとえば接触部125による測定部位に対する押圧力が7〜8mmHg/sec程度の場合を示している。一般的に、血圧測定における血圧値決定の精度を保証するためには、脈拍周期での圧力変化を小さくした方が好ましいが、たとえば推測アルゴリズムなどの情報を用いて押圧力を大きくすることは可能である。このため、図8および図9に示す例では、血圧測定装置100によって急激に押圧動作をおこなうことが可能であることを示唆している。
また、血圧測定装置100の回転板120は、固定台110に対してつぎのように取り付けられていてもよい。図11は、本発明の実施の形態1にかかる血圧測定装置の他の例を示す上面図である。すなわち、血圧測定装置100の回転板120は、たとえば固定台110に固定された上腕部1100の上腕骨(図示せず)の中心軸Cに平行で回転板120の取り付け支点を通る直線Nと回転板120の回転軸である直線Mとがなす角度θが10°〜20°程度となるように、偏った角度で上腕部1100と当接するように固定台110に取り付けられている。これにより、圧力測定用チャンバ部126および光電センサ部127を有する回転板120の接触部125が、上腕部1100の関節に向かってテーパーを持つ上腕骨末端部の表面に対して平行となる状態で当接し、上腕部1100の測定部位を押圧することができるので、動脈に均一に圧力が加わり、より高精度に血圧測定をおこなうことができるようになる。
なお、上記血圧測定装置100においては、固定台110上に上腕部1100を載置して測定をおこなう例について説明したが、測定部位は上腕部に限られるものではない。また、この固定台110の代わりに、たとえばクリップのように生体にはめて取り付ける固定手段を採用してもよい。
このように、本実施の形態の血圧測定装置によれば、検出手段による測定部位に対する押圧位置の正確性や押圧力の安定性を向上させることができ、血圧測定作業における高い測定精度を実現することができる。また、カフを用いずに検出手段で測定部位を機械的に押圧して血圧測定作業をおこなうため、過度な圧迫などに伴う不快感を増長させることなく容易に高精度な血圧測定作業をおこなうことができるとともに、装置全体の小型化を図ることができる。
また、たとえば被験者ごとに検出手段の動作を変化させて最適な押圧動作をおこない血圧測定作業を実施することができる。また、たとえば被験者ごとに動作パラメータを変更して最適な押圧動作をおこなうことができ、容易に快適な血圧測定作業を実施することができる。また、記憶した血圧値の測定結果を種々の用途において有効活用することができる。また、血圧値を表示もしくは印刷することができるので、血圧値の測定結果をたとえば被験者に視認させることができる。
また、傾斜情報および体格情報によって被験者の心臓部に対する測定部位の高度情報を算出することができるので、算出した高度情報および容積脈波情報および圧力情報に基づいて血圧値を決定することができる。したがって、被験者の生体の姿勢などに影響されずに、高精度な血圧測定作業をおこなうことができる。また、測定部位への押圧過程および減圧過程における容積脈波情報および圧力情報から得られる血圧値を平均化して被験者の血圧値を決定することができるため、血圧測定の精度を向上させることができる。
また、測定部位に接触部を押圧して血圧値の測定をおこなうことができるため、たとえば接触部と測定部位との接触面積を小さくし、測定部位における鬱血の発生などを効果的に防止することができる。
また、圧力測定用チャンバ部のチャンバおよび導圧管の内部には、空気あるいはゲル状導圧媒体が充填されているので、接触部と測定部位との接触圧を圧力測定手段に対して正確に伝達することができ、圧力測定を正確におこなうことができる。また、脈拍数および脈波振幅値を抽出してこれらが所定範囲内にあるか否かを判定し、その判定結果を報知することができるので、たとえば血圧測定作業が正常におこなわれているか否かなどの情報を被験者に対して報知することができるとともに、被験者の脈拍数を測定することができる。また、このような情報を警報音、音声、振動および表示などによって報知することができるので、被験者は血圧測定作業が正常におこなわれているか否かなどの情報を容易に確認することができる。
以上説明したように、本実施の形態の血圧測定装置によれば、測定部位に対する押圧位置の正確性や押圧力の安定性を向上させることができ、血圧測定作業における高い測定精度を実現することができる。また、カフを用いずに測定部位を機械的に押圧して血圧測定作業をおこなうため、過度な圧迫などに伴う不快感を増長させることなく容易に高精度な血圧測定作業をおこなうことができる。さらに、カフを用いないことにより血圧測定装置全体の小型化を図ることができる。
(実施の形態2)
つぎに、本発明の実施の形態2にかかる血圧測定装置について説明する。図12は、本発明の実施の形態2にかかる血圧測定装置の一例を示す概略斜視図である。なお、実施の形態2において、既に説明した部分と重複する箇所は同一の符号を附して説明を省略する。図12に示すように、血圧測定装置1200は、検出装置1210と、制御装置1220とから構成されており、実施の形態1において図1〜図3を参照して説明した血圧測定装置100の全体制御部140(図示せず)、ディスプレイ150、スピーカ118(図示せず)、および図6を参照して説明した操作部619が制御装置1220に備えられ、残りの構成が検出装置1210に備えられた点が、実施の形態1の血圧測定装置100とは相違している。その他の部分については血圧測定装置100と同様の構成であるため、ここでは説明を省略する。
なお、血圧測定装置1200の検出装置1210と制御装置1220とは、ケーブル1230によって接続されており、検出装置1210によって検出された被験者の容積脈波情報および圧力情報はケーブル1230を介して制御装置1220に入力されるが、その他、検出装置1210および制御装置1320に通信機能を備え、無線によって各種情報の送受信をおこなうようにしてもよい。このようにすれば、ポータビリティが向上し、測定環境制限の少ない血圧測定を実現することができる。また、実施の形態2においても実施の形態1と同様の効果を得ることができる。
以上において本発明は、上述した本実施の形態に限らず、種々変更可能である。たとえば血圧測定装置100の固定台110や回転板120を、樹脂成形部材ではなく軽量金属部材を用いて構成したり、回転板120の動作を、駆動モータ130による回転動作ではなく測定部位に対する平行移動動作によって実現したりすることも可能である。また、各実施の形態において記載した数値は一例であり、本発明はそれらの値に限定されるものではない。
以上のように、本発明にかかる血圧測定装置は、血圧の測定をおこなう各種の用途に利用できる。
実施の形態1にかかる血圧測定装置の一例を示す正面図である。 図1に示す血圧測定装置の上面図である。 図1に示す血圧測定装置の側面図である。 接触部の一例を示す側方一部断面図である。 接触部に備えられる圧力測定用チャンバ部の一例を示す正面図である。 実施の形態1にかかる血圧測定装置の機能的構成の一例を示すブロック図である。 実施の形態1にかかる血圧測定装置の血圧測定処理の一例を示すフローチャートである。 血圧測定装置によって検出される圧力波形を示す波形図である。 血圧測定装置によって検出される容積脈波波形を示す波形図である。 圧力波形の一例を示す波形図である。 実施の形態1にかかる血圧測定装置の他の例を示す上面図である。 実施の形態2にかかる血圧測定装置の一例を示す概略斜視図である。
符号の説明
100、1200 血圧測定装置
110 固定台
118 スピーカ
119 傾斜センサ
120 回転板
125 接触部
126 圧力測定用チャンバ部
126a チャンバ
126b 導圧管
127 光電センサ部
127a LED
127b PD
127c 基体部
130 駆動モータ
140、600 全体制御部
150 ディスプレイ

Claims (14)

  1. 被験者の生体と内接する内接部を有し、当該内接部を介して前記生体を固定する固定手段と、
    前記固定手段に対して移動可能に取り付けられ、前記生体の測定部位を押圧して前記被験者の容積脈波に関する容積脈波情報および押圧力に関する圧力情報を検出する検出手段と、
    前記検出手段を駆動して、当該検出手段を前記測定部位に対して押圧させる駆動手段と、
    前記検出手段によって検出された前記容積脈波情報および前記圧力情報に基づいて、前記被験者の血圧値を決定する血圧値決定手段と、
    を備えることを特徴とする血圧測定装置。
  2. 前記検出手段を駆動する前記駆動手段の動作を制御する制御手段を備え、
    前記制御手段は、
    前記検出手段によって最適な押圧動作をおこない前記容積脈波情報および前記圧力情報を検出するように、所定の動作パラメータに基づいて前記駆動手段を制御することを特徴とする請求項1に記載の血圧測定装置。
  3. 前記制御手段は、
    前記駆動手段を制御して、前記検出手段によって前記測定部位に対する押圧動作を複数回おこない、それぞれ得られる前記容積脈波情報および圧力情報に基づいて前記所定の動作パラメータを算出することを特徴とする請求項2に記載の血圧測定装置。
  4. 前記固定手段に配設され当該固定手段に固定された前記生体の傾きに関する傾斜情報を検出する傾斜検出手段と、前記被験者の体格に関する体格情報を取得する体格情報取得手段と、を備え、
    前記血圧値決定手段は、
    前記傾斜検出手段によって検出された前記傾斜情報と、前記体格情報取得手段によって取得された前記体格情報とに基づいて、前記被験者の心臓部に対する前記測定部位の高度情報を算出し、前記容積脈波情報、前記圧力情報および前記高度情報に基づいて、前記被験者の血圧値を決定することを特徴とする請求項1から3のいずれか一つに記載の血圧測定装置。
  5. 前記血圧値決定手段は、
    前記検出手段による前記測定部位への押圧過程および減圧過程によってそれぞれ得られる前記容積脈波情報に基づいて、前記押圧過程および前記減圧過程における前記血圧値をそれぞれ算出して平均化し、前記被験者の前記血圧値を決定することを特徴とする請求項1から4のいずれか一つに記載の血圧測定装置。
  6. 前記検出手段は、
    前記測定部位と接触する接触部を有し、当該接触部は、前記測定部位に対する押圧力を検出する圧力検出手段、および前記測定部位の動脈の脈波を検出する脈波検出手段を備えることを特徴とする請求項1から5のいずれか一つに記載の血圧測定装置。
  7. 前記圧力検出手段は、
    前記測定部位を押圧する空洞状のチャンバと、当該チャンバの内部空間と連通する内孔が設けられた導圧管とを有する圧力測定用チャンバ部からなることを特徴とする請求項6に記載の血圧測定装置。
  8. 前記脈波検出手段は、
    前記測定部位に光を照射する発光部と、当該発光部によって照射され前記生体に入射された前記光を受光する受光部とを有する光電センサ部を有し、該光電センサ部は複数個の発光ダイオードと1個のフォトダイオードとを有することを特徴とする請求項6または7に記載の血圧測定装置。
  9. 前記固定手段または前記検出手段に配設され前記圧力測定用チャンバ部と接続されて圧力を測定する圧力測定手段を備え、
    前記チャンバおよび前記導圧管は、
    前記内部空間および前記内孔に空気が充填されていることを特徴とする請求項7または8に記載の血圧測定装置。
  10. 前記固定手段または前記検出手段に配設され前記圧力測定用チャンバ部と接続されて圧力を測定する圧力測定手段を備え、
    前記チャンバおよび前記導圧管は、
    前記内部空間および前記内孔にゲル状導圧媒体が充填されていることを特徴とする請求項7または8に記載の血圧測定装置。
  11. 前記検出手段によって検出された前記容積脈波情報から前記被験者の脈拍数および脈波振幅値を抽出する抽出手段と、
    前記抽出手段によって抽出された前記脈拍数および前記脈波振幅値があらかじめ設定された所定範囲内にあるか否かを判定する判定手段と、
    前記判定手段によって判定された判定結果に基づいて、前記脈拍数および前記脈波振幅値が前記所定範囲内にあるか否かを警報音、音声、振動および表示の少なくともいずれか一つによって報知する報知手段と、
    を備えることを特徴とする請求項1から10のいずれか一つに記載の血圧測定装置。
  12. 前記検出手段は、
    前記動脈の押圧部を通り、前記固定手段に固定された前記生体の骨部の中心軸への垂線に対して略10°〜20°偏った角度で当該動脈を押圧するように前記固定手段に取り付けられていることを特徴とする請求項6から11のいずれか一つに記載の血圧測定装置。
  13. 前記検出手段は、
    長手方向両端間距離が略5cm〜8cmの範囲で形成された板状部材からなることを特徴とする請求項1から12のいずれか一つに記載の血圧測定装置。
  14. 前記接触部は、
    前記検出手段の前記測定部位との当接側に設けられた円柱状の基体部を有する前記光電センサ部と、当該光電センサ部の先端側に配設された前記圧力測定用チャンバ部とを備え、
    前記光電センサ部の前記基体部は、
    直径が略2.5cm〜4cmの範囲で形成された円柱状部材からなることを特徴とする請求項8から13のいずれか一つに記載の血圧測定装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101091158B1 (ko) * 2010-08-09 2011-12-09 한국 한의학 연구원 전자석을 이용한 맥진가압장치
KR101299208B1 (ko) 2011-11-02 2013-08-22 (주)휴비딕 개인별로 맥상을 추적하는 맥상검출시스템 및 그 제어방법
CN112040845A (zh) * 2018-05-01 2020-12-04 京瓷株式会社 电子设备

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