JP3830558B2 - オンラインシステムおよびその通信制御方法 - Google Patents
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、オンラインシステムおよびその通信制御方法に関し、特に2重化された通信制御装置(CCL)を用いたオンラインシステムおよびそのオンラインシステムにおける通信制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
オンラインシステムにおいては、ホストコンピュータと多くの端末との間に通信制御装置を介在させることにより、ホストコンピュータと各端末との間のデータのやりとりを混乱なく行うようにしている。この通信制御装置として、同じ系を2系統設けることによって2重化し、一方の系が障害などを起こしたときに、他方の系に運用系を切り換えて対処するようにしたものがある。この2重化された通信制御装置では、従来、ホストコンピュータ側に2重化されていることを意識させないために、特にインターフェイスを持たず、独自に運用系の切り替え制御を行っていた。
【0003】
図6は、従来例を示す概念図であり、本例ではA系63が運用系と仮定する。その運用中に、A系63にソフトウェア障害やハードウェア障害など、何らかの障害が発生した場合、B系64に運用系が切り替わる。この運用系の切り替え時に、ホストコンピュータ61と通信制御装置62との間の通信回線65が、その切り替え動作に起因して一度切断される。このため、ホストコンピュータ61側は、通信制御装置62側が何らかの障害を起こしても、回線障害と同等で復旧できる。2重化された通信制御装置62は、A系63,B系64の正常動作を確認するため、当日A系63で立ち上がったならば、その翌日はB系64で立ち上がり、さらにその翌日には再びA系63で立ち上がるという具合に、A系63,B系64が交互運用になるように設計されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来のオンラインシステムでは、通信制御装置62が何らかの障害を起こしても、ホストコンピュータ61側では回線障害としか認識できないため、ハードウェア障害の場合に、保守員の出動の要否を判断できないという問題があった。具体的には、
▲1▼ソフトウェア/ハードウェア障害により、系切り替えが発生したことをホストコンピュータ61側で検出できない。
▲2▼当日運用中に、通信制御装置62がどの系で運用しているかホストコンピュータ61側からは分からない。
▲3▼朝立ち上げ時、片方の系が障害を起こしていて毎日片方の系のみの運用になっていても分からない。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1記載のオンラインシステムは、2つの系を有することによって2重化された通信制御装置を用いて当該2つの系を日次で交互に運用するオンラインシステムであって、2重化された通信制御装置の運用系情報をホストコンピュータに通知するアプリケーションレベルの通信インターフェイスを具備する一方、ホストコンピュータは、業務終了時に通信制御装置の運用系情報を記憶保持する不揮発性の記憶装置と、システムの立ち上げ時に通信制御装置より送信される運用系情報と前記記憶装置の記憶内容との比較結果に基づいて通信制御装置の異常を検出する制御装置とを有する構成となっている。
【0006】
また、請求項2記載の通信制御方法は、請求項1記載のオンラインシステムにおいて、通信制御装置の運用系情報をアプリケーションレベルの通信インターフェイスでホストコンピュータに通知し、業務終了時に通信制御装置の運用系情報を不揮発性の記憶装置に記憶してこれを保持し、システムの立ち上げ時には通信制御装置より送信される運用系情報と前記不揮発性の記憶装置の記憶内容との比較結果に基づいて通信制御装置の異常を検出する。
【0007】
【作用】
上記構成のオンラインシステムおよびその通信制御方法において、通信制御装置は、運用中にソフトウェア/ハードウェア障害などによって系が切り替わったときに、その新たな運用系の情報をアプリケーションレベルの通信インターフェイスでホストコンピュータに通知する。ホストコンピュータ側では、業務終了時に通信制御装置の運用系情報を不揮発性の記憶装置に記憶する。この不揮発性記憶装置は、その記憶内容(通信制御装置の運用系情報)を少なくとも翌日のシステムの立ち上げ時まで保持する。
【0008】
ホストコンピュータ側では、システムの立ち上げ時に、不揮発性記憶装置に記憶保持されている運用系情報に基づいて、通信制御装置の2つの系のうちのいずれの系を運用系として当日立ち上げるかを予測する。そして、その予測した系と通信制御装置から受信した運用系情報とを比較することにより、通信制御装置に異常が発生していないか否かを判断する。また、通信制御装置から受信する運用系情報を別の記憶装置に記憶し、必要に応じて出力する。
【0009】
一方、通信制御装置側では、片方の系の運用中に、何らかの異常が発生した場合には運用系をもう片方の系に切り替えるとともに、新たな運用系の系情報をアプリケーションレベルの通信インターフェイスによってホストコンピュータに通知する。すると、ホストコンピュータ側では、通信制御装置から受信した新たな運用系情報がそれまで前記別の記憶装置に保持されていた運用系情報と異なることから、通信制御装置側でソフトウェア/ハードウェア障害などによって系の切り替えが発生したと判断する。一方、通信制御装置から受信した新たな運用系情報がそれまで前記別の記憶装置に保持されていた運用系情報と一致する場合は、通信制御装置側でソフトウェア/ハードウェア障害などによって系の切り替えが発生したのではなく、回線障害が発生したと判断する。
【0010】
【実施例】
以下、本発明の実施例について図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施例に係るシステム構成図である。図1において、ホストコンピュータ1と通信制御装置(CCL)2とは、モデム3,4を介して専用の通信回線5で接続されている。ホストコンピュータ1は、演算装置11、制御装置12および主記憶装置(第1の記憶装置)13からなり、命令を解読し、実行する機能をもつCPU(中央処理装置)14と、磁気テープ装置や磁気ディスク装置などの補助記憶装置(第2の記憶装置)15と、CRTおよびキーボードが一体化されてなるコンソール16とを有する一般的な構成となっている。
【0011】
通信制御装置2は、A系21およびB系22の2つの系を有することによって2重化されている。A系21およびB系22はそれぞれ独立した系であり、片方の系のみで通信制御装置2の機能を保有するハードウェア構成となっている。このA系21とB系22の運用系の切り替えは、図1に模式的に示した運用系切り替え装置23によって行われる。この通信制御装置2には、ループ回線6を介して端末7が接続されている。
【0012】
本システム構成は、一般的なオンラインシステムであるが、通信制御装置2がハードウェアレベルで2重化されており、その特徴とするところは、この2重化された通信制御装置2を用いたオンラインシステムにおいて、ホストコンピュータ1と通信制御装置2のアプリケーションレベルの通信インターフェイスに通信制御装置2の運用系情報を通知することにある。図2に、ホストコンピュータ1と通信制御装置2の通信インターフェイスの構成を示す。
【0013】
通信制御装置2からホストコンピュータ1に通知された通信制御装置2の運用系情報は、ホストコンピュータ1に内蔵された補助記憶装置15に記憶される。この補助記憶装置15は、図3に示すように、ホストコンピュータ1に接続される複数の通信制御装置2の装置番号に対応する前日の終了時の運用系情報である系番号(例えば、A系21ならば“1”、B系22ならば“2”)を記録しておくためのテーブル31を持っている。
【0014】
次に、本オンラインシステムの具体的な動作について説明する。
<1>システムの立ち上げ時(朝一番の業務開始時)
システムの立ち上げ時、ホストコンピュータ1に内蔵された補助記憶装置15には、ホストコンピュータ1に接続される複数の通信制御装置2の装置番号に対応する前日の終了時の系番号(A系21ならば“1”、B系22ならば“2”)が運用系情報としてあらかじめ記録されているものとする。その運用系情報の記録タイミングは、運用(業務)の終了時とする。
【0015】
ホストコンピュータ1において、CPU14は、立ち上がり時に補助記憶装置15から運用系情報を取得し、この運用系情報に基づいて当日立ち上げる通信制御装置2の運用系を予測する。その予測方法としては、例えば、前日運用系がA系21で終了したのであれば、終了時の系番号は“1”であり、交互運用する訳であるから、本日の通信制御装置2の運用系はB系22であり、系番号は“2”と予測する。また、前日にB系22で運用系が終了したのであれば、終了時の系番号は“2”であるから、本日の運用系はA系21であり、系番号は“1”と予測する。
【0016】
続いて、ホストコンピュータ1および通信制御装置2がそれぞれ立ち上がり、通信可能な状態になると、図2の通信インターフェイスに従い、アプリケーションレベルの通信を開始する。このとき、CCL開局電文21の詳細フォーマットについては、図4(A)に示す従来の電文内容を変更し、図4(B)に示すように運用系情報nを追加する。図4(B)では、運用系情報nに通信制御装置2がA系21、B系22のどちらで動作しているかをセットする。一例として、CCL開局電文21のメッセージコントロール2において、n=1のときA系が運用(Act)、n=2のときB系が運用とする。
【0017】
ホストコンピュータ1は、CCL開局電文を受信すると、立ち上げ時に通信制御装置2の運用系を予測した系情報と、受信したCCL開局電文の運用系情報とを比較する。図5に、その判断と結果を示す。ホストコンピュータ1が予測した系とCCL開局電文の系が不一致であれば、通信制御装置2に障害が発生し、立ち上げたい系で立ち上げれなかったと想定できる。反対に一致していれば、通信制御装置2は正常に運用されていると判断する。受信したCCL開局電文の運用系情報nは、ホストコンピュータ1内の主記憶装置13に記憶しておく。
【0018】
<2>運用中に通信制御装置2の運用系を知る
ホストコンピュータ1において、通信制御装置2の運用系を知るべくコンソール16のキーボードにて打鍵すると、CPU14は次の処理を行うためのプログラムを作成し、主記憶装置13に記録してあるCCL開局電文の運用系情報nを取り出し、コンソール16に出力して例えばCRTに表示する。これにより、遠隔地の通信制御装置の運用系がA系21であるかB系22であるかを知ることができる。
【0019】
<3>運用中に通信制御装置2が故障したとき
通信制御装置2のA系21が運用中のとき、A系21に何らかの異常が発生したことに伴って障害(ソフトウェア障害やハードウェア障害)を検出した場合、運用系切り替え装置23が作動し、これによって運用系がA系21からB系22に切り替わる。運用系がB系22に切り替わるとき、それまで設定されていたホストコンピュータ1と通信制御装置2との間の通信パスが全て切断される。その後、通信可能な状態になると、図2の通信インターフェイスに従いアプリケーションレベルの通信を行う(朝一番の業務開始の立ち上げ時と同様)。このとき、CCL開局電文の運用系情報nとしては、新運用系のB系22の系番号“2”が設定されている。
【0020】
ホストコンピュータ1は、CCL開局電文を受信したら、それまで主記憶装置13に保持しておいた通信制御装置2の運用系情報と、今回新たに受信したCCL開局電文の運用系情報の比較を行う。そして、この比較で運用系情報が不一致ならば、通信制御装置2に異常があり、系切り替えが発生したと想定する。この例の場合、A系21に異常が発生し、運用系がA系21からB系22に切り替わったことになる。また、運用系情報が一致していたら、回線障害が発生していると想定される。なお、比較結果の情報はコンソール16に出力し、例えばCRTに表示する。
【0021】
<4>運用(業務)終了時
ホストコンピュータ1の主記憶装置13に記憶してある運用系情報nを翌日に引き継ぐため、補助記憶装置15にその内容を記録する。補助記憶装置15は、磁気テープ装置や磁気ディスク装置などからなる不揮発性の記憶装置であり、システムの電源がオフとなってもその記憶内容を保持できるため、運用系情報nを翌日に引き継ぐことができる。通信制御装置2は、当日とは別の系で翌日立ち上がるような設定を行い、通信を終了する。
【0022】
なお、上記実施例では、2重化された通信制御装置を用いた一般的なオンラインシステムにおいて、ホストコンピュータと通信制御装置との間の通信に適用した場合について説明したが、各端末を2重化し、その運用系情報を通信制御装置に通知する通信インターフェイスを設けることにより、通信制御装置と各端末との間の通信にも同様に適用することが可能である。
【0023】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、
(1)遠隔地で発生した通信制御装置の障害をホストコンピュータにより発見でき、保守員を出動させることができる。
(2)当日運用中の通信制御装置の運用系の情報をホストコンピュータ側で把握できる。
(3)運用中に通信パスが切断されたとき、それが通信制御装置の異常によって系の切り替えが発生したのか、回線障害が発生したのかを判断できるため、保守員を適所に出動させてその障害を迅速に回避することができる。
という効果を得ることができる。
さらに、
(4)システムの立ち上げ時、片方の系が障害を起こして立ち上がらなくなった場合に、片方の系で障害が発生していることをホストコンピュータ側で発見することができるため、片方の系での障害の発生を見過ごすことがなくなる。
という効果を得ることができ、フォールトトランスレート機能を十分に発揮できるオンラインシステムとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係るシステム構成図である。
【図2】通信インターフェイスの構成図である。
【図3】ホストコンピュータ内テーブルの構成図である。
【図4】CCL開局電文の詳細フォーマットを示す図である。
【図5】運用系の判断と結果を示す図である。
【図6】従来例を示す概念図である。
【符号の説明】
1 ホストコンピュータ
2 通信制御装置
3,4 モデム
5 通信回線
7 端末
12 制御装置
13 主記憶装置
15 補助記憶装置
【産業上の利用分野】
本発明は、オンラインシステムおよびその通信制御方法に関し、特に2重化された通信制御装置(CCL)を用いたオンラインシステムおよびそのオンラインシステムにおける通信制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
オンラインシステムにおいては、ホストコンピュータと多くの端末との間に通信制御装置を介在させることにより、ホストコンピュータと各端末との間のデータのやりとりを混乱なく行うようにしている。この通信制御装置として、同じ系を2系統設けることによって2重化し、一方の系が障害などを起こしたときに、他方の系に運用系を切り換えて対処するようにしたものがある。この2重化された通信制御装置では、従来、ホストコンピュータ側に2重化されていることを意識させないために、特にインターフェイスを持たず、独自に運用系の切り替え制御を行っていた。
【0003】
図6は、従来例を示す概念図であり、本例ではA系63が運用系と仮定する。その運用中に、A系63にソフトウェア障害やハードウェア障害など、何らかの障害が発生した場合、B系64に運用系が切り替わる。この運用系の切り替え時に、ホストコンピュータ61と通信制御装置62との間の通信回線65が、その切り替え動作に起因して一度切断される。このため、ホストコンピュータ61側は、通信制御装置62側が何らかの障害を起こしても、回線障害と同等で復旧できる。2重化された通信制御装置62は、A系63,B系64の正常動作を確認するため、当日A系63で立ち上がったならば、その翌日はB系64で立ち上がり、さらにその翌日には再びA系63で立ち上がるという具合に、A系63,B系64が交互運用になるように設計されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来のオンラインシステムでは、通信制御装置62が何らかの障害を起こしても、ホストコンピュータ61側では回線障害としか認識できないため、ハードウェア障害の場合に、保守員の出動の要否を判断できないという問題があった。具体的には、
▲1▼ソフトウェア/ハードウェア障害により、系切り替えが発生したことをホストコンピュータ61側で検出できない。
▲2▼当日運用中に、通信制御装置62がどの系で運用しているかホストコンピュータ61側からは分からない。
▲3▼朝立ち上げ時、片方の系が障害を起こしていて毎日片方の系のみの運用になっていても分からない。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1記載のオンラインシステムは、2つの系を有することによって2重化された通信制御装置を用いて当該2つの系を日次で交互に運用するオンラインシステムであって、2重化された通信制御装置の運用系情報をホストコンピュータに通知するアプリケーションレベルの通信インターフェイスを具備する一方、ホストコンピュータは、業務終了時に通信制御装置の運用系情報を記憶保持する不揮発性の記憶装置と、システムの立ち上げ時に通信制御装置より送信される運用系情報と前記記憶装置の記憶内容との比較結果に基づいて通信制御装置の異常を検出する制御装置とを有する構成となっている。
【0006】
また、請求項2記載の通信制御方法は、請求項1記載のオンラインシステムにおいて、通信制御装置の運用系情報をアプリケーションレベルの通信インターフェイスでホストコンピュータに通知し、業務終了時に通信制御装置の運用系情報を不揮発性の記憶装置に記憶してこれを保持し、システムの立ち上げ時には通信制御装置より送信される運用系情報と前記不揮発性の記憶装置の記憶内容との比較結果に基づいて通信制御装置の異常を検出する。
【0007】
【作用】
上記構成のオンラインシステムおよびその通信制御方法において、通信制御装置は、運用中にソフトウェア/ハードウェア障害などによって系が切り替わったときに、その新たな運用系の情報をアプリケーションレベルの通信インターフェイスでホストコンピュータに通知する。ホストコンピュータ側では、業務終了時に通信制御装置の運用系情報を不揮発性の記憶装置に記憶する。この不揮発性記憶装置は、その記憶内容(通信制御装置の運用系情報)を少なくとも翌日のシステムの立ち上げ時まで保持する。
【0008】
ホストコンピュータ側では、システムの立ち上げ時に、不揮発性記憶装置に記憶保持されている運用系情報に基づいて、通信制御装置の2つの系のうちのいずれの系を運用系として当日立ち上げるかを予測する。そして、その予測した系と通信制御装置から受信した運用系情報とを比較することにより、通信制御装置に異常が発生していないか否かを判断する。また、通信制御装置から受信する運用系情報を別の記憶装置に記憶し、必要に応じて出力する。
【0009】
一方、通信制御装置側では、片方の系の運用中に、何らかの異常が発生した場合には運用系をもう片方の系に切り替えるとともに、新たな運用系の系情報をアプリケーションレベルの通信インターフェイスによってホストコンピュータに通知する。すると、ホストコンピュータ側では、通信制御装置から受信した新たな運用系情報がそれまで前記別の記憶装置に保持されていた運用系情報と異なることから、通信制御装置側でソフトウェア/ハードウェア障害などによって系の切り替えが発生したと判断する。一方、通信制御装置から受信した新たな運用系情報がそれまで前記別の記憶装置に保持されていた運用系情報と一致する場合は、通信制御装置側でソフトウェア/ハードウェア障害などによって系の切り替えが発生したのではなく、回線障害が発生したと判断する。
【0010】
【実施例】
以下、本発明の実施例について図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施例に係るシステム構成図である。図1において、ホストコンピュータ1と通信制御装置(CCL)2とは、モデム3,4を介して専用の通信回線5で接続されている。ホストコンピュータ1は、演算装置11、制御装置12および主記憶装置(第1の記憶装置)13からなり、命令を解読し、実行する機能をもつCPU(中央処理装置)14と、磁気テープ装置や磁気ディスク装置などの補助記憶装置(第2の記憶装置)15と、CRTおよびキーボードが一体化されてなるコンソール16とを有する一般的な構成となっている。
【0011】
通信制御装置2は、A系21およびB系22の2つの系を有することによって2重化されている。A系21およびB系22はそれぞれ独立した系であり、片方の系のみで通信制御装置2の機能を保有するハードウェア構成となっている。このA系21とB系22の運用系の切り替えは、図1に模式的に示した運用系切り替え装置23によって行われる。この通信制御装置2には、ループ回線6を介して端末7が接続されている。
【0012】
本システム構成は、一般的なオンラインシステムであるが、通信制御装置2がハードウェアレベルで2重化されており、その特徴とするところは、この2重化された通信制御装置2を用いたオンラインシステムにおいて、ホストコンピュータ1と通信制御装置2のアプリケーションレベルの通信インターフェイスに通信制御装置2の運用系情報を通知することにある。図2に、ホストコンピュータ1と通信制御装置2の通信インターフェイスの構成を示す。
【0013】
通信制御装置2からホストコンピュータ1に通知された通信制御装置2の運用系情報は、ホストコンピュータ1に内蔵された補助記憶装置15に記憶される。この補助記憶装置15は、図3に示すように、ホストコンピュータ1に接続される複数の通信制御装置2の装置番号に対応する前日の終了時の運用系情報である系番号(例えば、A系21ならば“1”、B系22ならば“2”)を記録しておくためのテーブル31を持っている。
【0014】
次に、本オンラインシステムの具体的な動作について説明する。
<1>システムの立ち上げ時(朝一番の業務開始時)
システムの立ち上げ時、ホストコンピュータ1に内蔵された補助記憶装置15には、ホストコンピュータ1に接続される複数の通信制御装置2の装置番号に対応する前日の終了時の系番号(A系21ならば“1”、B系22ならば“2”)が運用系情報としてあらかじめ記録されているものとする。その運用系情報の記録タイミングは、運用(業務)の終了時とする。
【0015】
ホストコンピュータ1において、CPU14は、立ち上がり時に補助記憶装置15から運用系情報を取得し、この運用系情報に基づいて当日立ち上げる通信制御装置2の運用系を予測する。その予測方法としては、例えば、前日運用系がA系21で終了したのであれば、終了時の系番号は“1”であり、交互運用する訳であるから、本日の通信制御装置2の運用系はB系22であり、系番号は“2”と予測する。また、前日にB系22で運用系が終了したのであれば、終了時の系番号は“2”であるから、本日の運用系はA系21であり、系番号は“1”と予測する。
【0016】
続いて、ホストコンピュータ1および通信制御装置2がそれぞれ立ち上がり、通信可能な状態になると、図2の通信インターフェイスに従い、アプリケーションレベルの通信を開始する。このとき、CCL開局電文21の詳細フォーマットについては、図4(A)に示す従来の電文内容を変更し、図4(B)に示すように運用系情報nを追加する。図4(B)では、運用系情報nに通信制御装置2がA系21、B系22のどちらで動作しているかをセットする。一例として、CCL開局電文21のメッセージコントロール2において、n=1のときA系が運用(Act)、n=2のときB系が運用とする。
【0017】
ホストコンピュータ1は、CCL開局電文を受信すると、立ち上げ時に通信制御装置2の運用系を予測した系情報と、受信したCCL開局電文の運用系情報とを比較する。図5に、その判断と結果を示す。ホストコンピュータ1が予測した系とCCL開局電文の系が不一致であれば、通信制御装置2に障害が発生し、立ち上げたい系で立ち上げれなかったと想定できる。反対に一致していれば、通信制御装置2は正常に運用されていると判断する。受信したCCL開局電文の運用系情報nは、ホストコンピュータ1内の主記憶装置13に記憶しておく。
【0018】
<2>運用中に通信制御装置2の運用系を知る
ホストコンピュータ1において、通信制御装置2の運用系を知るべくコンソール16のキーボードにて打鍵すると、CPU14は次の処理を行うためのプログラムを作成し、主記憶装置13に記録してあるCCL開局電文の運用系情報nを取り出し、コンソール16に出力して例えばCRTに表示する。これにより、遠隔地の通信制御装置の運用系がA系21であるかB系22であるかを知ることができる。
【0019】
<3>運用中に通信制御装置2が故障したとき
通信制御装置2のA系21が運用中のとき、A系21に何らかの異常が発生したことに伴って障害(ソフトウェア障害やハードウェア障害)を検出した場合、運用系切り替え装置23が作動し、これによって運用系がA系21からB系22に切り替わる。運用系がB系22に切り替わるとき、それまで設定されていたホストコンピュータ1と通信制御装置2との間の通信パスが全て切断される。その後、通信可能な状態になると、図2の通信インターフェイスに従いアプリケーションレベルの通信を行う(朝一番の業務開始の立ち上げ時と同様)。このとき、CCL開局電文の運用系情報nとしては、新運用系のB系22の系番号“2”が設定されている。
【0020】
ホストコンピュータ1は、CCL開局電文を受信したら、それまで主記憶装置13に保持しておいた通信制御装置2の運用系情報と、今回新たに受信したCCL開局電文の運用系情報の比較を行う。そして、この比較で運用系情報が不一致ならば、通信制御装置2に異常があり、系切り替えが発生したと想定する。この例の場合、A系21に異常が発生し、運用系がA系21からB系22に切り替わったことになる。また、運用系情報が一致していたら、回線障害が発生していると想定される。なお、比較結果の情報はコンソール16に出力し、例えばCRTに表示する。
【0021】
<4>運用(業務)終了時
ホストコンピュータ1の主記憶装置13に記憶してある運用系情報nを翌日に引き継ぐため、補助記憶装置15にその内容を記録する。補助記憶装置15は、磁気テープ装置や磁気ディスク装置などからなる不揮発性の記憶装置であり、システムの電源がオフとなってもその記憶内容を保持できるため、運用系情報nを翌日に引き継ぐことができる。通信制御装置2は、当日とは別の系で翌日立ち上がるような設定を行い、通信を終了する。
【0022】
なお、上記実施例では、2重化された通信制御装置を用いた一般的なオンラインシステムにおいて、ホストコンピュータと通信制御装置との間の通信に適用した場合について説明したが、各端末を2重化し、その運用系情報を通信制御装置に通知する通信インターフェイスを設けることにより、通信制御装置と各端末との間の通信にも同様に適用することが可能である。
【0023】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、
(1)遠隔地で発生した通信制御装置の障害をホストコンピュータにより発見でき、保守員を出動させることができる。
(2)当日運用中の通信制御装置の運用系の情報をホストコンピュータ側で把握できる。
(3)運用中に通信パスが切断されたとき、それが通信制御装置の異常によって系の切り替えが発生したのか、回線障害が発生したのかを判断できるため、保守員を適所に出動させてその障害を迅速に回避することができる。
という効果を得ることができる。
さらに、
(4)システムの立ち上げ時、片方の系が障害を起こして立ち上がらなくなった場合に、片方の系で障害が発生していることをホストコンピュータ側で発見することができるため、片方の系での障害の発生を見過ごすことがなくなる。
という効果を得ることができ、フォールトトランスレート機能を十分に発揮できるオンラインシステムとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係るシステム構成図である。
【図2】通信インターフェイスの構成図である。
【図3】ホストコンピュータ内テーブルの構成図である。
【図4】CCL開局電文の詳細フォーマットを示す図である。
【図5】運用系の判断と結果を示す図である。
【図6】従来例を示す概念図である。
【符号の説明】
1 ホストコンピュータ
2 通信制御装置
3,4 モデム
5 通信回線
7 端末
12 制御装置
13 主記憶装置
15 補助記憶装置
Claims (2)
- 2つの系を有することによって2重化された通信制御装置を用いて前記2つの系を日次で交互に運用するオンラインシステムであって、
前記通信制御装置の運用系情報をホストコンピュータに通知するアプリケーションレベルの通信インターフェイスを具備し、
前記ホストコンピュータは、業務終了時に前記通信制御装置の運用系情報を記憶保持する不揮発性の記憶装置と、システムの立ち上げ時に前記通信制御装置より送信される運用系情報と前記記憶装置の記憶内容との比較結果に基づいて前記通信制御装置の異常を検出する制御装置とを有する
ことを特徴とするオンラインシステム。 - 請求項1記載のオンラインシステムにおいて、
前記通信制御装置の運用系情報を前記アプリケーションレベルの通信インターフェイスで前記ホストコンピュータに通知し、
前記通信制御装置より送信される運用系情報を前記記憶装置に記憶してこれを保持し、
システムの立ち上げ時には前記通信制御装置より送信される運用系情報と前記記憶装置の記憶内容との比較結果に基づいて前記通信制御装置の異常を検出する
ことを特徴とする通信制御方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13484195A JP3830558B2 (ja) | 1995-06-01 | 1995-06-01 | オンラインシステムおよびその通信制御方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13484195A JP3830558B2 (ja) | 1995-06-01 | 1995-06-01 | オンラインシステムおよびその通信制御方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08328971A JPH08328971A (ja) | 1996-12-13 |
JP3830558B2 true JP3830558B2 (ja) | 2006-10-04 |
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