JP3830430B2 - 高周波回路用パッケージ蓋体及びその製造方法並びにこれを用いた高周波回路用パッケージ - Google Patents
高周波回路用パッケージ蓋体及びその製造方法並びにこれを用いた高周波回路用パッケージ Download PDFInfo
- Publication number
- JP3830430B2 JP3830430B2 JP2002200393A JP2002200393A JP3830430B2 JP 3830430 B2 JP3830430 B2 JP 3830430B2 JP 2002200393 A JP2002200393 A JP 2002200393A JP 2002200393 A JP2002200393 A JP 2002200393A JP 3830430 B2 JP3830430 B2 JP 3830430B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- lid
- frequency circuit
- alloy
- circuit package
- electromagnetic wave
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Classifications
-
- H—ELECTRICITY
- H01—ELECTRIC ELEMENTS
- H01L—SEMICONDUCTOR DEVICES NOT COVERED BY CLASS H10
- H01L2224/00—Indexing scheme for arrangements for connecting or disconnecting semiconductor or solid-state bodies and methods related thereto as covered by H01L24/00
- H01L2224/01—Means for bonding being attached to, or being formed on, the surface to be connected, e.g. chip-to-package, die-attach, "first-level" interconnects; Manufacturing methods related thereto
- H01L2224/42—Wire connectors; Manufacturing methods related thereto
- H01L2224/47—Structure, shape, material or disposition of the wire connectors after the connecting process
- H01L2224/48—Structure, shape, material or disposition of the wire connectors after the connecting process of an individual wire connector
- H01L2224/4805—Shape
- H01L2224/4809—Loop shape
- H01L2224/48091—Arched
-
- H—ELECTRICITY
- H01—ELECTRIC ELEMENTS
- H01L—SEMICONDUCTOR DEVICES NOT COVERED BY CLASS H10
- H01L2224/00—Indexing scheme for arrangements for connecting or disconnecting semiconductor or solid-state bodies and methods related thereto as covered by H01L24/00
- H01L2224/01—Means for bonding being attached to, or being formed on, the surface to be connected, e.g. chip-to-package, die-attach, "first-level" interconnects; Manufacturing methods related thereto
- H01L2224/42—Wire connectors; Manufacturing methods related thereto
- H01L2224/47—Structure, shape, material or disposition of the wire connectors after the connecting process
- H01L2224/48—Structure, shape, material or disposition of the wire connectors after the connecting process of an individual wire connector
- H01L2224/481—Disposition
- H01L2224/48151—Connecting between a semiconductor or solid-state body and an item not being a semiconductor or solid-state body, e.g. chip-to-substrate, chip-to-passive
- H01L2224/48221—Connecting between a semiconductor or solid-state body and an item not being a semiconductor or solid-state body, e.g. chip-to-substrate, chip-to-passive the body and the item being stacked
- H01L2224/48225—Connecting between a semiconductor or solid-state body and an item not being a semiconductor or solid-state body, e.g. chip-to-substrate, chip-to-passive the body and the item being stacked the item being non-metallic, e.g. insulating substrate with or without metallisation
- H01L2224/48227—Connecting between a semiconductor or solid-state body and an item not being a semiconductor or solid-state body, e.g. chip-to-substrate, chip-to-passive the body and the item being stacked the item being non-metallic, e.g. insulating substrate with or without metallisation connecting the wire to a bond pad of the item
Landscapes
- Shielding Devices Or Components To Electric Or Magnetic Fields (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、特に光通信、無線通信用に好適な高周波回路用パッケージとその蓋体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
高周波回路用パッケージでは、金属、合成樹脂、又はセラミックス等からなる高周波回路用パッケージ蓋体をパッケージベースに取り付けることにより気密封止を行う。従って、前記高周波回路用パッケージ内には直方体状の空洞が形成されることから、高周波回路用パッケージは方形空洞共振器と同様の性質を有する。そのため前記空洞の寸法によって定まる遮断周波数より高い周波数帯域で、空洞共振を生じるので、前記周波数帯域で動作する高周波半導体素子あるいはその他の回路素子を高周波回路用パッケージに実装する場合には、前記空洞の寸法を小さくすることによって、遮断周波数を前記素子が動作する周波数帯域よりも十分に高くしている。しかしながら前記方法では、素子の動作周波数が高周波化するに伴い、前記素子が動作する周波数帯域より空洞共振が生じる周波数の方が低くなるという問題がある。この問題点を解決するために、電磁波吸収体を高周波回路用パッケージ内部に配設して、空洞共振時の電界又は磁界エネルギーを吸収することにより、空洞共振を抑制する方法が採られている。
【0003】
例えば、金属製キャップの裏面に板状の電磁波吸収体を取り付けて構成するメタルパッケージにおいて、金属製キャップと電磁波吸収体とを金ゲルマニウム、もしくは耐熱性接着剤等で接合している(特開平6−338696号公報)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、金属製キャップと電磁波吸収体とを金ゲルマニウム、もしくは耐熱性接着剤等で接合する場合、金ゲルマニウムもしくは耐熱性接着剤の融点、軟化点以上の温度を負荷しなければ、金属製キャップと電磁波吸収体とを接合することができないため、金属の拡散や、金属製キャップ表面の酸素濃度が高くなり、金属製キャップと気密封止材との濡れ性が低下する問題があった。そのため、気密封止部材を介して、金属製キャップとパッケージベースを接合するとき接合が不完全となり、十分に気密を保つことができないという課題があった。
【0005】
また、止着用部材として、室温硬化する高耐熱性接着剤を用いれば、金属製キャップ表面の金属の拡散、酸素濃度の上昇を防ぐことができるが、溶剤が残留し、半導体素子等に悪影響を及ぼす恐れがあった。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明では、上記課題に対して検討を重ねた結果、少なくとも表面がAuからなる蓋体と電磁波吸収体とが、低融点金属、低融点ガラス、無機接着剤、合成樹脂から選ばれる少なくとも1種の止着用部材を介して止着され、さらに蓋体の表面の酸素濃度が10原子%以下であることを特徴とするものである。
【0007】
さらに、前記蓋体の表面から深さ5nmまでの酸素濃度が10原子%以下であることを特徴とするものである。
【0008】
さらに、前記蓋体の表面がAu、その下地がNiからなり、さらに蓋体の表面から深さ5nmまでのNi濃度が5原子%以下であることを特徴とするものである。
【0009】
さらに、金属からなる蓋体と電磁波吸収体とを、金属、ガラス、無機接着剤、合成樹脂から選ばれる少なくとも1種の止着用部材を介し、止着用部材の融点以上の温度を負荷し冷却することによって止着した後、電気メッキでAu、またはNiを形成した後にAuを形成することを特徴とするものである。
【0010】
さらに、少なくとも表面がNiからなる蓋体と電磁波吸収体とを、金属、ガラス、無機接着剤、合成樹脂から選ばれる少なくとも1種の止着用部材を介し、止着用部材の融点以上の温度を負荷し冷却することによって止着した後、電気メッキでAuを形成することを特徴とするものである。
【0011】
さらに、少なくとも表面がAuからなる蓋体と電磁波吸収体とを、金属、ガラス、無機接着剤、合成樹脂から選ばれる少なくとも1種の止着用部材を介し、止着用部材の融点以上の温度を負荷し冷却することによって止着することを特徴とするものである。
【0012】
さらに、前記高周波回路用パッケージ蓋体を、パッケージベース上に形成された伝送線路に対向するように、低融点金属からなる気密封止用部材を介して封着したことを特徴とするものである。
【0013】
さらに、前記伝送線路と前記電磁波吸収体との距離が0.1mm以上であることを特徴とするものである。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態として、高周波回路用パッケージ蓋体とこれを用いた高周波回路用パッケージについて説明する。
【0015】
例えば図1に示すように、本発明の高周波回路用パッケージ10を構成する蓋体11には、止着用部材12を介して電磁波吸収体13が止着されている。さらに、蓋体11の表面にはAu11aが形成されており、Au11a表面の酸素濃度は10原子%以下としてある。
【0016】
蓋体11を半導体素子14が実装されたパッケージベース15の上蓋として使用すると、上記電磁波吸収体13の作用により空洞共振を十分に抑制することが出来るとともに、Au11aの表面の酸素濃度が10原子%以下と小さいことから、蓋体11とパッケージベース15上に形成された伝送線路16の外周を覆うグラウンド層17とを気密封止用部材18を介して接合する際、蓋体11と気密封止用部材18との濡れ性が良好であるため、高周波回路用パッケージ10の信頼性が向上する。
【0017】
ここで、Au11a表面の酸素濃度を10原子%以下としたのは、酸素濃度が10原子%を超えると、蓋体11と気密封止用部材18との濡れ性が悪くなり、高周波回路用パッケージ10の接合信頼性が低下し、また、Au11aが変色して外観が良くないためである。
【0018】
さらに、Au11aの表面から深さ5nmまでの酸素濃度が10原子%以下であることが好ましい。
【0019】
蓋体11を半導体素子14が実装されたパッケージベース15の上蓋として使用すると空洞共振を十分に抑制することが出来るとともに、Au11aの表面から深さ5nmまでの酸素濃度が10原子%以下と小さいことから、蓋体11とパッケージベース15上に形成された伝送線路16の外周を覆うグラウンド層17とを気密封止用部材18を介して接合する際、蓋体11と気密封止用部材18との濡れ性が良好であるため、高周波回路用パッケージ10の信頼性がさらに向上する。
【0020】
また、Au11aの表面または深さ方向の酸素濃度は、X線光電子分光分析法により測定することができる。測定条件を以下に示すと、X線源はモノクロAlKα線(200μm35w15kV)、測定領域は約200μmφ、pass energyは58.7eVである。スパッタリング条件を以下に示すと、イオン種はAr+、イオン加速電圧は3kV、スパッタレートは7.8nm/min(熱酸化Si酸素膜厚換算値)である。
【0021】
ここで、電磁波吸収体13は、例えば、合成樹脂、セラミックス等の絶縁体中に磁性体粒子が分散含有された構造のもの、あるいはフェライト焼結体等の電磁波を吸収するセラミックス等、デバイス形態、用途や電磁波吸収特性等に応じて適宜選定できる。また、上記磁性体粒子としては、例えば、Ni−Zn系フェライト、Ni−Zn−Cu系フェライト、Mn−Zn系フェライト、Baフェライト、カーボニル鉄、パーマロイ、パーメンジュール、フェロシリコン、センダスト、アモルファス合金、電磁ステンレス鋼、窒化鉄、その他のFe、Co、Ni基合金などの軟磁性金属等を利用できる。
【0022】
また、蓋体11は、例えば、コバール、ステンレス、Al、Au、Ag、Cu、Fe、Ni、CuW、パーマロイ、パーメンジュール、フェロシリコン、センダスト、アモルファス合金、電磁ステンレス鋼、窒化鉄、その他のFe、Co、Ni基合金、Cu、Mo基合金等の金属、あるいは、アルミナ、ムライト、ホウ珪酸ガラス、コージライト、ステアタイト、フォルステライト、あるいは、エポキシ系樹脂、フェノール系樹脂、PTFE樹脂、ポリイミド、ポリアミド、PEEK、塩素化ポリエチレン、ウレタン、ナイロン、ポリエチレン、光硬化樹脂等の表面に金属膜が形成されているものが使用でき、高周波回路用パッケージを構成するパッケージベースの材質、デバイス形態、用途に応じて適宜選定できる。この中でも、化学的安定性が高く、前記高周波回路用パッケージと線膨張係数が近いステンレス、Fe−Co−Ni基合金が好ましく、Fe−Co−Ni基合金の中でも特にコバール(登録商標)が好ましい。
【0023】
また、止着用部材12は、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド、ポリベンズイミダゾール、ビスマレイミド、PEEK、ケイ酸アルカリ系接着剤、リン酸塩系接着剤、ホウ珪酸ガラス、セメント類、金属ソルダー例えばAu/Si系合金、Au/Ge系合金、Au/Sn系合金、Sn/Ag系合金、Sn/Ag/Cu系合金、Sn/Sb系合金、Sn/Pb系合金、Sn/Bi系合金、In/Sn系合金、In/Ag系合金、In/Ag系合金、Pb/Sn/Zn/Sb系合金、Al、Ti/Ni系合金、Ti/Cu系合金、Ti/Cu/Ag系合金、Ti/Ni/Ag系合金、Zr/Ni系合金、Zr/Fe系合金、Be/Cu系合金、Be/Ni系合金、TiH2/Ni系合金、TiH2/Cu系合金、ZrH2/Ni、ZrH2/Fe系合金等、および酸化物ソルダー例えばB2O3/PbO/ZnO、B2O3/PbO/SiO2、B2O3/ZnO/SiO2、Al2O3/SiO2/B2O3、Al2O3/SiO2/B2O3/PbO、Al2O3/BaO/B2O3、Al2O3/MgO/SiO2/B2O3/PbO、Al2O3/SiO2/MnO、Al2O3/SiO2、Al2O3/MgO、Al2O3/CaO/MgO、Al2O3/CaO、ZrO2/CaO、ZrO2/Y2O3、Al2O3/CaO/Y2O3、Al2O3/Y2O3等があり、これらのうち1種類、または2種類以上を使用することができる。この中でも、アウトガスが少なく、蓋体11との濡れ性が良好であるエポキシ樹脂、ポリイミド、PEEK等の合成樹脂、または合金が好ましく、特に、PEEK、Au/Ge系合金、Au/Sn系合金、Sn/Ag系合金、Sn/Ag/Cu系合金が好ましい。
【0024】
また、気密封止用部材18は、例えば、Au/Si系合金、Au/Ge系合金、Au/Sn系合金、Sn/Ag系合金、Sn/Ag/Cu系合金、Sn/Sb系合金、Sn/Pb系合金、Sn/Bi系合金、In/Sn系合金、In/Ag系合金、In/Ag系合金、Pb/Sn/Zn/Sb系合金、Al、Ti/Ni系合金、Ti/Cu系合金、Ti/Cu/Ag系合金、Ti/Ni/Ag系合金、Zr/Ni系合金、Zr/Fe系合金、Be/Cu系合金、Be/Ni系合金、TiH2/Ni系合金、TiH2/Cu系合金、ZrH2/Ni、ZrH2/Fe系合金等の金属ソルダーがあり、これらのうち1種類、または2種類以上を使用することができる。この中でも、化学的安定性が高く、蓋体11との濡れ性が良好であるAu/Ge系合金、Au/Sn系合金、Sn/Ag系合金、Sn/Ag/Cu系合金、特にAu/Sn系合金が好ましい。
【0025】
また、図2に他の実施形態を示すように、本発明の高周波回路用パッケージ20を構成する蓋体11には、止着用部材12を介して電磁波吸収体13が止着されている。さらに、蓋体11の表面にはNi11b、その上にAu11aが形成されており、このAu11aの表面の酸素濃度が10原子%以下である。さらに、蓋体11の表面から深さ5nmまでのNi濃度は5原子%以下であることが好ましい。
【0026】
蓋体11を半導体素子14が実装されたパッケージベース15の上蓋として使用すると空洞共振を十分に抑制することが出来るとともに、蓋体11の表面から深さ5nmまでのNi濃度が5原子%以下と小さいことから、蓋体11の化学的安定性が高いため、蓋体11とパッケージベース15上に形成された伝送線路16の外周を覆うグラウンド層17とを気密封止用部材18を介して接合する際、蓋体11と気密封止用部材18との濡れ性が良好であるため、高周波回路用パッケージ10の信頼性がさらに向上する。
【0027】
なお、図3は図2と同様の実施形態であるが、蓋体11のNi11b上に止着用部材12を介して電磁波吸収体13を取り付けている。また図4は蓋体11のNi11b、Au11aの上に止着用部材12を介して電磁波吸収体13を取り付けたものである。
【0028】
ここで、本発明の高周波回路用パッケージ蓋体の製造方法を以下に示す。例えば、図1に示す蓋体11は、蓋体11の適切な位置にフィルム状もしくはペースト状の止着材12を置き、さらに止着材12上の適切な位置に電磁波吸収体13を置く。その後、He気流中(酸素濃度100ppm以下)で100℃〜600℃程度の炉に入れて蓋体11と電磁波吸収体13を止着材12によって止着させる。このとき、止着材12は融点以上の温度に達し、その後室温まで冷却することによって、蓋体11と電磁波吸収体13は強固に止着される。その後、電気メッキによって厚さ数μm程度のAu11aを形成する。電磁波吸収体13は良導体ではないため、Au11aが電磁波吸収体13表面に形成されることはなく、蓋体11のみに形成される。
【0029】
また、例えば、図2に示す蓋体11は、蓋体11の適切な位置にフィルム状もしくはペースト状の止着材12を置き、さらに止着材12上の適切な位置に電磁波吸収体13を置く。その後、He気流中で100℃〜600℃程度の炉に入れて蓋体11と電磁波吸収体13とを止着材12によって止着させる。その後、電気メッキによって厚さ数μm程度のNi11bを形成し、さらに電気メッキによって厚さ数μm程度のAu11aを形成する。
【0030】
また、例えば、図3に示す蓋体11は、電気メッキもしくは、無電解メッキによって厚さ数μm程度のNi11bを形成する。その後、蓋体11の適切な位置にフィルム状もしくはペースト状の止着材12を置き、さらに止着材12上の適切な位置に電磁波吸収体13を置く。その後、He気流中で100℃〜600℃程度の炉に入れて蓋体11と電磁波吸収体13とを止着材12によって止着させる。その後、電気メッキによって厚さ数μm程度のAu11aを形成する。
【0031】
また、例えば、図4に示す蓋体11は、電気メッキもしくは、無電解メッキによって厚さ数μm程度のNi11b、Au11aを形成する。その後、蓋体11の適切な位置にフィルム状もしくはペースト状の止着材12を置き、さらに止着材12上の適切な位置に電磁波吸収体13を置く。その後、半田鏝、超音波溶着機、レーザー溶接機等により瞬間的に止着用部材を加熱冷却することによって、蓋体11と電磁波吸収体13を止着することができる。このとき、蓋体11の外周、すなわち気密封止用部材18と接する部分の温度は上昇しない。
【0032】
これらの方法で製造することによって、蓋体11のAu11a表面の酸素濃度を10原子%以下とすることができる。
【0033】
この様にして得られた高周波回路用パッケージ蓋体は、蓋体11を半導体素子14が実装されたパッケージベース15の上蓋として使用すると空洞共振を十分に抑制することが出来るとともに、Au11a表面の酸素濃度が10原子%以下となることから、蓋体11とパッケージベース15上に形成された伝送線路16の外周を覆うグラウンド層17とを気密封止用部材18を介して接合する際、蓋体11と気密封止用部材18との濡れ性が良好であるため、高周波回路用パッケージ10の信頼性が向上する。
【0034】
次に本発明の高周波回路用パッケージ蓋体を用いた高周波回路用パッケージを説明する。図1に示すように、本発明の高周波回路用パッケージ10は、蓋体11に止着された電磁波吸収体13をパッケージベース15上に形成した伝送線路16に対向するように気密封止用部材18を介して気密封止する。これによって、水分、腐食性ガス等の進入を防ぐことができ、さらに空洞共振を抑制することができるため、高周波回路用パッケージ10は好適に使用することができる。
【0035】
また、本発明の高周波回路用パッケージ10は、伝送線路16と電磁波吸収体13との距離が0.1mm以上であることが好ましい。特に0.7mm以上であることが好ましい。この高さが0.1mm未満になると信号が減衰するため好ましくない。
【0036】
ここで、気密封止用部材18は、例えば、Au/Si系合金、Au/Ge系合金、Au/Sn系合金、Sn/Ag系合金、Sn/Sb系合金、Sn/Pb系合金、Sn/Bi系合金、Sn/Ag/Cu系合金、In/Sn系合金、In/Ag系合金、In/Ag系合金、Pb/Sn/Zn/Sb系合金、Al、Ti/Ni系合金、Ti/Cu系合金、Ti/Cu/Ag系合金、Ti/Ni/Ag系合金、Zr/Ni系合金、Zr/Fe系合金、Be/Cu系合金、Be/Ni系合金、TiH2/Ni系合金、TiH2/Cu系合金、ZrH2/Ni、ZrH2/Fe系合金等があり、これらのうち1種類、または2種類以上を使用することができる。この中でも、化学的に安定しており、蓋体11の表面に形成されたAu11aとの濡れ性が良好であるAu系合金が好ましく、特に、Au/Sn系合金、Au/Ge系合金が好ましい。
【0037】
このような高周波回路用パッケージ10、20、30、40は、無線通信機器、光受信器、光送信器、光送受信器等に使用でき、空洞共振、アイソレーション、帰還発振、電磁波の漏洩等を抑制することができる。また、電磁波吸収体からなる蓋体13によって伝送線路の信号を減衰させることもない。
【0038】
【実施例】
実施例1
例えば、図1〜図4に示すような高周波回路用パッケージ10、20、30、40を用いて、Heリークテストを行った。高周波回路用パッケージ10、20、30、40は、パッケージベース15上に気密封止用部材18を介して、電磁波吸収体13を止着した蓋体11を配置し、その後、窒素雰囲気の炉に投入し、気密封止用部材18の融点以上の温度まで加熱し、その後室温まで冷却することにより得られる。また、蓋体11に形成されたAu11aの酸素濃度、Ni濃度は、蓋体11とパッケージベース15とを接合する前に、気密封止用部材18との接合面の領域を測定した。
【0039】
蓋体11はコバールからなり、電磁波吸収体13は10mol%NiO、90mol%Fe2O3からなる。気密封止用部材18はAu/Sn、Sn/Ag/Cuを用いた。
【0040】
尚、酸素濃度、Ni濃度の測定は、X線光電子分光分析法により、表面から深さ方向へ30nmまで行った。測定条件は前述の通りである。
【0041】
また、Heリークテストは、He雰囲気の容器の中に高周波回路用パッケージを入れた後、加圧し、強制的に高周波回路用パッケージ内にHeガスを送り込む。その後、容器内を真空度10-10(Pa)以下まで減圧し、高周波回路用パッケージの中から漏洩するHeガスをヘリウムディテクターで検出する。このとき、30秒間、Heガスが検出されなければ○、検出されると×とした。
【0042】
表1の結果から明らかなように、本発明の範囲内である試料No.1〜No.10は、蓋体11に形成されたAu11aの表面の酸素濃度が10原子%以下であることから、気密封止用部材18との濡れ性が良好であるため、気密封止することができた。
【0043】
一方、本発明の範囲外であるNo.11は、Au11aの表面の酸素濃度が高いことから、気密封止用部材18との濡れ性が悪く、十分に気密封止することができなかった。
【0044】
【表1】
【0045】
実施例2
例えば、図5に示すような高周波回路用パッケージ50を用いて、電磁波吸収体13と伝送線路16との最短距離Hを0.05mm〜0.5mmに設定したときの共振抑制効果、信号減衰の有無を確認した。
【0046】
また、高周波回路用パッケージ50は、外径8mm高さ1.0mmの空洞を有し、蓋体11に形成されたAu11a表面の酸素濃度を各種設定した。気密封止用部材18には、Au/Sn系合金を使用した。蓋体11にはコバールを使用した。
【0047】
尚、高周波回路用パッケージ60の伝送特性は、電力透過係数(S21)を、ネットワークアナライザーを用いて、周波数100MHz〜40.1GHz、ポイント数201、アベレージング128の条件で測定した。伝送特性は、パッケージベース15単体でのS21を基準にして、蓋体11を配設したときのS21との差の絶対値が0.1dB未満であれば信号減衰無しとした。
【0048】
表2の結果から明らかなように、本発明の範囲内である試料No15〜No24は、共振抑制効果があり、且つ信号の減衰も無いことから好適に使用することができた。
【0049】
一方、試料No25〜試料No29は、電磁波吸収体13と伝送線路16との距離が0.05mmと接近しているため、信号が減衰するといった問題がある。
【0050】
【表2】
【0051】
【発明の効果】
以上詳述した通り、本発明によれば、少なくとも表面がAuからなる蓋体と電磁波吸収体とが、低融点金属、低融点ガラス、無機接着剤、合成樹脂から選ばれる少なくとも1種の止着用部材を介して止着され、さらに蓋体の表面の酸素濃度が10原子%以下である高周波回路用パッケージ蓋体を使用することにより、高周波伝送線路の信号が減衰することなく、空洞共振を抑制できるとともに、気密封止の信頼性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の高周波回路用パッケージの断面図である。
【図2】本発明の高周波回路用パッケージの断面図である。
【図3】本発明の高周波回路用パッケージの断面図である。
【図4】本発明の高周波回路用パッケージの断面図である。
【図5】伝送特性を評価するための高周波回路用パッケージの断面図である。
【符号の説明】
10・・・高周波回路用パッケージ
11・・・高周波回路用パッケージ蓋体
11a・・Au
11b・・Ni
12・・・止着用部材
13・・・電磁波吸収体
14・・・半導体素子
15・・・パッケージベース
16・・・伝送線路
17・・・グラウンド層
18・・・気密封止用部材
20・・・高周波回路用パッケージ
30・・・高周波回路用パッケージ
40・・・高周波回路用パッケージ
50・・・高周波回路用パッケージ
Claims (8)
- 少なくとも表面がAuからなる蓋体と電磁波吸収体とが、低融点金属、低融点ガラス、無機接着剤、合成樹脂から選ばれる少なくとも1種の止着用部材を介して止着され、さらに蓋体の表面の酸素濃度が10原子%以下であることを特徴とする高周波回路用パッケージ蓋体。
- 前記蓋体の表面から深さ5nmまでの酸素濃度が10原子%以下であることを特徴とする請求項1記載の高周波回路用パッケージ蓋体。
- 前記蓋体の表面がAu、その下地がNiからなり、蓋体の表面から深さ5nmまでのNi濃度が5原子%以下であることを特徴とする請求項1または2記載の高周波回路用パッケージ蓋体。
- 金属からなる蓋体と電磁波吸収体とを、金属、ガラス、無機接着剤、合成樹脂から選ばれる少なくとも1種の止着用部材を介して、該止着用部材の融点以上の温度を負荷し冷却することによって止着した後、電気メッキでAuまたはNiを形成した後にAuを形成する工程からなる高周波回路用パッケージ蓋体の製造方法。
- 少なくとも表面がNiからなる蓋体と電磁波吸収体とを、金属、ガラス、無機接着剤、合成樹脂から選ばれる少なくとも1種の止着用部材を介して、該止着用部材の融点以上の温度を負荷し冷却することによって止着した後、電気メッキでAuを形成する工程からなる高周波回路用パッケージ蓋体の製造方法。
- 少なくとも表面がAuからなる蓋体と電磁波吸収体とを、金属、ガラス、無機接着剤、合成樹脂から選ばれる少なくとも1種の止着用部材を介して、該止着用部材の融点以上の温度を止着用部材に負荷し冷却することによって止着する工程からなる高周波回路用パッケージ蓋体の製造方法。
- 請求項1乃至3のいずれかに記載の高周波回路用パッケージ蓋体を、パッケージベース上に形成された伝送線路に対向するように、低融点金属からなる気密封止用部材を介して封着したことを特徴とする高周波回路用パッケージ。
- 前記伝送線路と前記電磁波吸収体との距離が0.1mm以上であることを特徴とする請求項7記載の高周波回路用パッケージ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002200393A JP3830430B2 (ja) | 2002-07-09 | 2002-07-09 | 高周波回路用パッケージ蓋体及びその製造方法並びにこれを用いた高周波回路用パッケージ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002200393A JP3830430B2 (ja) | 2002-07-09 | 2002-07-09 | 高周波回路用パッケージ蓋体及びその製造方法並びにこれを用いた高周波回路用パッケージ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004047576A JP2004047576A (ja) | 2004-02-12 |
JP3830430B2 true JP3830430B2 (ja) | 2006-10-04 |
Family
ID=31707278
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002200393A Expired - Fee Related JP3830430B2 (ja) | 2002-07-09 | 2002-07-09 | 高周波回路用パッケージ蓋体及びその製造方法並びにこれを用いた高周波回路用パッケージ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3830430B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4575247B2 (ja) * | 2005-07-11 | 2010-11-04 | 株式会社東芝 | 高周波パッケージ装置 |
CN109616455A (zh) | 2014-08-26 | 2019-04-12 | 三菱电机株式会社 | 高频模块 |
US10196745B2 (en) * | 2014-10-31 | 2019-02-05 | General Electric Company | Lid and method for sealing a non-magnetic package |
Family Cites Families (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6063948U (ja) * | 1983-10-06 | 1985-05-07 | 日本電気株式会社 | マイクロ波集積回路用金属製気密容器 |
JPH06236935A (ja) * | 1993-02-12 | 1994-08-23 | Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> | マイクロ波回路用パッケージ |
JP2002151613A (ja) * | 2000-11-09 | 2002-05-24 | Kyocera Corp | 半導体素子収納用パッケージ |
-
2002
- 2002-07-09 JP JP2002200393A patent/JP3830430B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2004047576A (ja) | 2004-02-12 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US4356047A (en) | Method of making ceramic lid assembly for hermetic sealing of a semiconductor chip | |
US4291815A (en) | Ceramic lid assembly for hermetic sealing of a semiconductor chip | |
US7518205B2 (en) | Semiconductor package and method for manufacturing the same | |
US5786548A (en) | Hermetic package for an electrical device | |
JP3830430B2 (ja) | 高周波回路用パッケージ蓋体及びその製造方法並びにこれを用いた高周波回路用パッケージ | |
CN107004642B (zh) | 非磁性封装以及制造方法 | |
US5541557A (en) | Resin mold type piezoelectric resonator and resin mold type piezoelectric oscillator | |
US5265316A (en) | Method of manufacturing a pressure seal type piezoelectric oscillator | |
US6837075B1 (en) | Glass fiber fixative and fixing process | |
JP2544031B2 (ja) | アルミナ基体の亀裂を無くす方法 | |
JP3670527B2 (ja) | 光半導体素子収納用パッケージ | |
JP3555831B2 (ja) | 半導体装置および電子装置 | |
JP2006196932A (ja) | 音叉型圧電デバイスの製造方法および音叉型圧電デバイス | |
JP2004111570A (ja) | 高周波回路用パッケージ | |
US20210296272A1 (en) | Semiconductor device and method for manufacturing the same | |
JP2002299486A (ja) | 光半導体素子収納用パッケージ | |
US20030201112A1 (en) | Through terminal and X-ray tube | |
JP4105998B2 (ja) | 高周波回路用パッケージ蓋体とその製造方法、およびこれを用いた高周波回路パッケージ | |
JPH1140708A (ja) | 半導体装置 | |
WO2014156093A1 (ja) | セラミックス-金属の接合体およびその製造方法 | |
JP2003249582A (ja) | 高周波回路用パッケージ蓋体及びこれを用いた高周波回路用パッケージ | |
JP2005093675A (ja) | 蓋体およびこれを用いた光半導体素子収納用パッケージ | |
JP2004207539A (ja) | 電子部品収納用容器および電子装置 | |
JP2003100927A (ja) | 半導体素子収納用パッケージ | |
CN216528763U (zh) | 赋形金锡焊料密封盖板装配装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20050216 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20050726 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20060704 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20060711 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090721 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100721 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100721 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110721 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120721 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120721 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130721 Year of fee payment: 7 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |