JP3830167B2 - 試料媒体にある標的粒子の所定の特性を決定するための方法および装置 - Google Patents

試料媒体にある標的粒子の所定の特性を決定するための方法および装置 Download PDF

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Description

本発明は、請求項1の前文に記載の方法,請求項15の前文に記載の方法および請求項18の前文に記載の装置に関する。
時間相関された単一光子計数は、多目的に使用可能な分光分析技術であり、これを用いると調査中の多数の粒子のパラメータを決定することができる。これらの特性は、中でも、蛍光寿命または指数関数に従う減衰の種々の蛍光寿命,回転拡散定数および運動変換率を含むものである。パルスを励起させ、時間相関された単一光子計数に対して高度な時間分析を行うと、遅延した蛍光から遅延していない散乱した励起光を分離する有効な手段となる。この手段を用いて、望ましい信号(蛍光)を望ましくない雑音(遅延していない散乱光)から分離することができ、多くの応用において信号雑音比(S/N比)を大きくすることができる。
他の特性,特に、標的粒子の拡散定数は、蛍光相関分光分析(FCS)法を用いることで得ることができる。拡散定数が分かると、標的粒子の大きさやその粒子の他の大きい分子への結合に関する様々な情報が得られる。
しかしながら、従来のFCS測定法(国際公開第WO94/16313号パンフレットを比較されたい)では、遅延していない散乱励起光と遅延した蛍光とを区別することができないため、S/N比は非常に小さいものとなる。
例えば、時間相関された単一光子計数と蛍光相関分光分析の両方の技術は、蛍光粒子の極めて希釈な溶液、好ましくはサブナノモル範囲のものでの高感度の測定に適している。これらの技術を用いると、試料媒体にある個々の分子も検出可能である(ツェー.ツァンデル等(C. Zander et al.)の「応用物理学B(Applied Physics B)」,第63巻,1996年,第516〜523頁を比較されたい)。しかしながら、依然として個々の粒子から信号の自己相関関数を決定することは不可能である。
前文に述べられている種類の方法および装置は、リチャード.エー.ケラー等(Richerd A. Keller et al.)の「応用分光分析学(Applied Spectroscopy)」,第50巻,第7号,1996年,第12A〜32A頁に記載されている。そこに記載されている装置によるデータ分析の可能性は、時間相関された単一光子計数またはFCSのいずれかの判定の可能性を個別に使用することに制限されてしまう。つまり、これら両方の技術の利点が組み合わせて使用されないことになる。さらに、引用文献から公知の装置における判定装置は、複雑でかつ高価なCAMACフレームを用い、多経路スケーラ(MCS)を必要とする。
本発明の目的は、蛍光相関分光分析の使用可能性を広げることである。
本発明によれば、この課題は、請求項1の特徴を有する方法,請求項15の特徴を有する方法および請求項18の特徴を有する装置により解決される。
試料媒体にある標的粒子の所定の特性を決定するための本発明による方法の第1の実施形態において、最初に試料媒体を所定の周期を有する周期的に変調された光で照射する。試料媒体は、規則的に連続した一定間隔の光パルスで照射することが好ましい。2つの光パルス間の距離(周期)は、例えば、12nsである。試料媒体内に散乱した個々の光子の状態の光を検出装置で検出する。これに対して、各光子の検出時間と照射光の関連する周期内の基準時間との時間間隔を決定し、かつ遅延時間として規定する。これに対して、各光子の検出時間を決定する。これは通常、特定の測定要求に応じて2つの異なる測定装置を用いて行われる。ナノ秒範囲内にある遅延時間は、極端に短い時間の処理を測定するためのアナログ測定装置を必要とする。これに対して、検出時間は通常、マイクロ秒範囲内の対応する時間を測定するのに適したデジタル測定装置で決定される。
本発明による方法は、最初に、連続して検出された光子のそれぞれの数に対する遅延時間を用いて、少なくとも1つの散乱光のパラメータが決定されることを特徴とする。
連続して検出された光子の数は、例えば、固定数に設定され、かつ予め決定されるか、或いは試料空間内の標的粒子の存在に適応させることもできる。第1のパラメータ値は、連続して検出された光子の数に対して決定される。次に、第2のパラメータ値は、さらに連続して検出された光子の数の遅延時間から決定される。連続して検出された光子の第2の数は検出された光子のその前の数の後に続くか、或いは代わりに光子の第2の数が光子の第1の数の一部を含む(重複する)。前者の場合、連続して検出された光子を連続した群に分け、それぞれの群で1つのパラメータ値を決定する。後者の場合、実質的に、選択された時間の窓を連続して検出された光子上にスライドし、時間窓内にある光子の遅延時間を用いてパラメータ値を出す。
遅延時間からパラメータ値を決定するために、粒子のいくつかの特性の予め判定して得られた追加情報を一般的に用いる。これらの特性は、例えば、予め分かる蛍光寿命のような分光分析データの形式である。次いで、記録された分光分析データを用いて、連続して検出された光子の所定の数に対する遅延時間を判定する。例えば、遅延していない散乱光と遅延した蛍光の比例振幅を量的に分析する。
次いで、パラメータや関連する連続して検出された光子の検出時間を用いて、1組のパラメータと時間値を得、かつ多数組のパラメータおよび時間値を用いて少なくとも1つのパラメータ−時間関数を決定する。次いで、この少なくとも1つのパラメータ−時間関数の相関関数を算出する。算出されたパラメータ−時間関数を相関することにより、粒子の特性に関する広範囲でかつ新規な情報が得られる。
時間相関された単一光子計数により得られたパラメータ値へ相関技術の本発明による応用は、標的粒子の新規な特性を決定し、公知の技術の可能性を広げる。例えば、蛍光からの散乱光の成分のうちの独立した振幅成分の自己相関関数を算出することができる。これにより、効果的に背景信号を抑える。算出された相関関数を用いて、例えば、標的粒子の拡散定数を決定することができる。従来のFCSと比較すると、本発明による方法は、S/N比を明らかに改善する。また、本発明による方法は、この種の測定を超希釈溶液においても最初に行うことができる。
本発明による方法のさらなる有利な特徴において、試料媒体で散乱された光を2つ以上の検出器により検出する。次いで、各検出器で検出された光子に対して少なくとも1つのパラメータ−時間関数が別々に算出される。
次いで、相関関数を種々の検出器からのパラメータ−時間関数を用いる交差相関関数の形式で算出することが好ましい。これにより、例えば個々の検出分岐点に異なるスペクトルフィルタを用いることで、粒子間の結合反応を正確に観察することができる。
試料媒体にある標的粒子の所定の特性を決定するための方法の代替の実施形態において、試料媒体を最初に光で照射し、その後試料媒体に散乱した個々の光子の状態の光を検出装置で検出し、散乱された光子の各々の検出時間を検出する。標的粒子の密度分布を選択して、平均して1未満の標的粒子が試料媒体(試料空間)の観察されるべき容積要素内に存在するようにする。標的粒子が試料空間に個々に存在する間の時間間隔を見い出すために、検出の測定時間を判定する。これは、例えば、連続した検出時間の間の時間間隔を測定することにより行い、標的粒子が試料空間に入ると、例えば、所定数の時間間隔が最大間隔よりも短い時に認識される。代わりに、例えば、所定の時間間隔の測定された検出時間の数を判定することもでき、その場合には試料空間に標的分子が存在すると、ユニット時間当たりに測定される検出時間数が最小値よりも下がるものとされる。
本発明による方法は、相関関数をこのように決定される時間間隔中(標的粒子が試料空間内に存在する間)に生じるこれら検出時間のみにより算出すること、および標的粒子の所定の特性を相関関数により決定することを特徴とする。
本発明による方法において、従来技術と対比すると、検出時間により算出された検出関数を相関させる前に測定された検出時間を選択する。検出関数は、例えば、走査時間間隔中に光子を全く検出しなければ値は0であり、また走査間隔中に検出されれば値は1であると想定される走査関数である。選択された時間関数がより大きいものであれば、検出関数はそれぞれの一定の時間間隔で測定された検出時間の数も表示する。
本発明による装置において、全ての光子が検出された場合、光子のそれぞれの検出時間と照射光のそれぞれの周期に対する基準時間との間の時間間隔,すなわち、遅延時間を決定し、かつ光子の連続した検出時間の時間間隔をカウンタ装置を用いることにより決定する。これら2つの時間は、1組のものとして記憶される。
本発明によれば、光子の連続した検出時間の時間間隔を、少なくとも第1および第2のカウンタからなる交互カウンタ装置で決定する。検出装置から電気パルスにより制御し、カウンタが交互に計数するように接続する。すなわち、光子を検出すれば、結果として生じるパルスが第1のカウンタを始動する。第2の光子を検出すれば、検出装置からの関連する電気パルスは第1のカウンタを停止し、第2のカウンタを始動する。第2のカウンタが計数している間、第1のカウンタのカウントを下流のコンピュータユニットに伝送する。第3の光子が到着する時、第2のカウンタは停止し、第1のカウンタが再始動する。その後すぐに、第1のカウンタが再度計数を始める間に、第2のカウンタのカウントを読み出し、下流のコンピュータユニットに伝送する。
本発明による装置の一つの利点として、例えば、カウンタや公知の回路要素などの非常に単純な手段から構成することができることが挙げられる。
別の利点として、この装置が無駄な時間や損失なしに動作することが挙げられる。1つのカウンタを再設定する時、他のカウンタは計数を行う準備ができている状態にある。
最後に、本発明による装置のさらなる利点として、光子の検出時間を決定するための本発明によって時間分解が非常に高度になり、柔軟性をもって予め決定することができることが挙げられる。
本発明により、単一分子または数個の分子に対して、手頃な価格の装置で高性能であり、かつ種々の分析能力を備えた分光分析調査を行うことが可能となる。本発明を用いることにより、標的粒子により散乱された光を妨害する背景信号から効果的に分離し、結果的に標的粒子の望ましい特性をこれまでにない精度で測定することができる。
本発明のさらなる有利な特徴は、従属する請求項に記載されている。
本発明を図面に概要を示す例示的な実施形態を参照しながら、さらに詳細に以下に説明する。各図面にある同じ参照番号は、同じ要素を示すものとする。さらに詳しく言えば、
図1は、本発明の第1の例示的な実施形態のブロック図である。
図2は、本発明の第2の例示的な実施形態のブロック図である。
図3は、光子シーケンスでの光子の連続した検出時間の間の時間間隔Δtを示す曲線である。
図4は、ユニット時間当たりに検出された光子の数を図3の光子シーケンスの場合をプロットしたヒストグラムである。
図5は、図3および図4に印を付した第1の間隔の場合における励起パルスと光子の検出時間との間の時間間隔から得られたヒストグラムである。
図6は、図3および図4に印を付した第2の間隔の場合における励起パルスと光子の検出時間との間の時間間隔から得られたヒストグラムである。
図7は、記録データの判定の例を示す曲線群である。
本発明による方法および本発明による装置には多くの使用方法がある。
決定すべき標的粒子の特性は、例えば、別の分子への結合能力または所与の試料媒体にある拡散定数の値等がありうる。また、「特性」とは、標的粒子の状態または標的粒子の状態の変化も含む。よって、標的粒子の状態を挙げるとすれば、例えば、結合状態またはは自由状態の場合がありうる。状態変化は、「結合」や「自由」間の遷移や標的粒子の種々の電子状態間での遷移でありうる。最も単純な場合では、状態変化が第1の励起した一重光と基本的な電子状態,すなわち蛍光との間の遷移でありうる。関連する速度定数の逆数が蛍光寿命である。
標的粒子は、分光分析して測定または検出される対象の粒子である。それらは試料媒体内または試料媒体上に存在する。標的粒子は、分子もしくは分子集合体または複合体でありうる。また、原子,ウィルス等の微生物体,オルガネラまたは細胞および膜もしくはラテックス小環等の他の小物体に本技術を用いることもできる。
試料媒体は通常液体媒体であり、特に標的粒子の溶剤である。試料媒体は通常、有機溶媒,水または生物調査に適する緩衝液もしくは血液或いは菌培養媒体またはバクテリア培養媒体である。試料媒体は、液体,固体または気体,均質または不均質,すなわち、異なる段階からなりうるものである。例えば、固体表面上の液体または気体等である2つの段階からなりうる。
試料空間は、前文による装置により観察されるべき試料の容積要素である。
試料空間にある試料媒体の標的粒子を照射する光は、可視光もしくは紫外線または赤外線光でありうる。最も一般的な場合では、光は、標的粒子により散乱されうる電磁放射である。
光の周期が固定されたものであれば、要求通りに光を変調することができる。さらに詳しく言えば、光をパルスにしたり、或いは適切なオフセットで正弦曲線に変調することができる。
光は様々な方法で散乱させることができる。さらに詳しく言えば、光を弾性的または非弾性的に散乱することができ、言い換えれば、光の波長を保持または変化させることができる。また、光を遅延しない、或いは遅延することもある。遅延させた弾性的な散乱は、ルミネッセンス,特に蛍光を含み、その通常の遅延時間は数ナノ秒である。
前文による装置にある検出装置は通常、適切な光学構造体,2つ以上の検出器および検出信号を処理し、アナログ・デジタル変換器を通常含む下流の電子ユニットからなる。
前文による装置の判定装置は、検出装置やコンピュータである場合が多い計算ユニットからのデータを受信するインターフェースからなる。
光子の検出時間は、測定当初からの絶対測定により得られるか、或いは連続して検出された光子の検出時間の間の時間間隔を決定することにより得られる。これら2つの場合、減算または時間間隔を加算することにより互いに変換することができるものである。
決定されたパラメータは、時間相関された単一光子計数により決定することができるものであれば、数多くのどのパラメータでもよい。そのようなパラメータの例として、蛍光寿命,必要であれば指数関数に従う減衰の種々の蛍光寿命,回転拡散定数,運動変換率,光子数や全振幅もしくは散乱光の個々の要素の振幅成分または測定された信号および望ましい信号間の距離のあらゆる統計的な測定形式,例えば、エム.コルネ(M. Kollner)の「応用光学(Applied Optics)」,第32(6)巻,1993年,第806〜820頁に記載されている最小二乗法を用いた距離または情報測定等の測定形式が挙げられる。
相関関数は、所定の振幅成分の自己相関関数等の所定のパラメータの自己相関関数または交差相関関数であるか、或いは所定の蛍光寿命の交差相関関数でもある。
本発明による装置のいくつかの例示的な実施形態を詳細に以下説明し、標的粒子の特性を本発明による装置で獲得したデータからどのように得ることができるかを詳細に示す。
まず初めに、光学構造体について考慮する。光学構造体は通常、共焦または近視野光学構造体の形態である。最大の局部分解能をもつ近視野光学構造体の場合、標的粒子を照射または誘導する光源からの光を開口を介して試料媒体に送る。開口は、試料空間から約100nmだけ離れた距離にある。また、開口の直径は励起光の波長よりも小さいものである。その結果、開口の周りにある励起光の強度分布は極めて局部的に制限されたものとなる。この種の近視野光学構造体は、表面に存在する個々の標的粒子への接近を制御する場合に特に適している。
最大感度を有する共焦構造体を適応すると、例えば、試料空間などの試料媒体にある小さい容量成分を照射し、それを観察する。このため、標的粒子は通常、観察中に容積内に拡散され、また容積から拡散される。代わりに、標的粒子をフローシステムまたは他のものにある試料空間内に搬送または移動することもできる。
ここで、図1を参照する。図1に示されている光源は、パルス状のレーザ20である。通常、モード結合されたレーザまたはパルス状のダイオードレーザを使用し、このレーザは、レーザの性質によって長さが約100fs(フェムト秒)と約500ps(ピコ秒)との間にあり、約10〜30ns(ナノ秒)の間隔をもつパルスを放出する。パルスまたはパルス間隔がより長い光源であると不都合があることが分かっている。
本発明によれば、パルス状の光源を周期的に変調された光源で置き換えることができる。次いで、振幅の変化と励起光に対する散乱光の位相の変化の両方を判定することにより測定された信号を分析する。この測定方法は、ジェイ.アール.ラコヴィック(J. R. Lakowicz)の「蛍光分光分析学の原理(Principles of Florescence Spectroscopy)」,プレナム出版,ニューヨーク,1983年に詳細に記載されている。
図1に示されている共焦構造体の場合、レンズ1でレーザ光の焦点を1点に合わせる。ビームの次の経路として、レーザ光をダイクロイックミラー2で顕微鏡の対物レンズに偏向させる。レーザ光は反射するが標的粒子からの波長がより長い散乱光または蛍光を伝送するようにダイクロイック偏向ミラーを組み立てる。偏向ミラー2や顕微鏡の対物レンズを用いることで、レーザの焦点の像を試料媒体の内側にある1点に映し出す。試料媒体は、例えば、顕微鏡スライドの形態の試料ホルダ5上に置くこともできる。試料媒体内にあるレーザ20で照射する点は、顕微鏡の対物レンズを用いて、ピンホール6または絞り上に像を映す。色により望ましい散乱光の成分と望ましくない散乱光の成分を分離する分光フィルタ7をピンホールの前に配置する。ピンホールのすぐ後ろは、個々の光子を検出するのに十分な感度をもつ検出器8である。この目的を達成するために、光電子倍増管,マイクロチャネルプレート光電子倍増管,アバランシュフォトダイオードもしくは上流の像増幅器を有するCCDまたは有さないCCDを用いることもできる。ゲー,カルチェ等(G. Kalusche et al.)の「物理学の実験的技術(Experimental Technique of Physics)」,第41(2)巻,1995年,第265〜273頁またはエム.アイゲ(M. Eigen),アール.リグレ(R. Rigler)の「米国国立科学アカデミー会報(Proceedings of the National Academy of Sciences of the U.S.A.)」,第91巻,1994年,第5740〜5747頁に共焦構造体について詳細に記載されている。
光検出器8からの信号とは別に、レーザ20からの同期信号が必要である。これは、レーザを制御する電子ユニットによる直接的な電気信号出力でありうるか、或いはレーザ光自体から誘導されうるかのいずれかである。このため、レーザ20からのビーム経路に配置したビームスプリッタ9を用いて、レーザ光の一部を検出器10のほうに偏向する。検出器10は、例えば、フォトダイオード等である。
試料媒体に散乱した光子の検出時間を決定するために、励起時間またはレーザパルス時間と光子の放出時間との間の時間間隔を決定する必要がある。散乱光が蛍光であれば、時間間隔は「蛍光遅延時間」とも呼ばれる。それは、検出器10により放出されるトリガパルスと検出器8にある光子の検出時間との間の時間間隔を決定することで決定することができる。
電気構造体や光学構造体により、検出器10からのトリガパルスと遅延していない散乱光子が検出器8により検出される時間との間の遅延は通常一定である。他の全ての検出された光子に対して常に一定であるこの遅延は、適切な較正や適切な遅延成分により補償することができる。
あらゆる可能性のあるジッタを避けるために、検出器8と10からの電気パルスを通常、「定数−分数」弁別器(CFD)21を介して搬送する。適切な検出器を選択すれば、このCFD21は必要ない。
次いで、パルスを「時間・振幅」変換器(TAC)22に送る。TACは、始動パルスとそれにかける遅延停止パルスとの間の時間差を電圧振幅に変換する。始動パルスは、実質的に線形の電圧勾配で始動するが、その次にくる上昇は停止パルスが到達することで中断される。これまでの電圧を出力部で出力する。レーザ励起パルスと光子の検出時間との間の時間間隔を決定するために、レーザパルスのトリガ信号を最初にTACの始動入力部に供給し、光子を検出した検出器8からの電気パルスを停止パルスに供給する(いわゆる、通常モード)。これにより、一定の遅延とは別に、標的粒子の励起と光子の放出との間の時間間隔を決定することができる。
試料空間から放出されるすべての光子が顕微鏡の対物レンズ3と検出器8で検出されるわけではない。僅か1%の光子が検出されない可能性がある。その結果、レーザ20の励起パルスの数は検出される光子よりもかなり多いものとなる。そのような状況下においても特性の決定を信頼性のあるものにするために、検出される光子の最大数が必要となる。検出される光子の数は、例えば、約50〜5千万個の間でありうる。励起パルスの数はそれに応じてより多いものでなければならない。
決定された遅延時間から対応するヒストグラムを用意すれば、蛍光の時間の遅延がヒストグラムの曲線のように再現されるのが分かる。
TAC22への不必要な負荷や結果として生じる無駄な時間を避けるために、検出された光子を示す検出器8からのパルスをTAC22の始動入力部にかけ、レーザ20からのトリガパルスをTAC22の停止入力部にかける(いわゆる、逆モード)。これは事実上時間方向の逆に相当するものである。元の信号は時間方向を再度逆にし、下流のコンピュータユニットの時間軸を選択的に一定に置き換えることで難なく再現することができる。
TAC22からの出力電圧をアナログ・デジタル変換器(ADC)23に供給する。次いで、デジタル化された振幅値をライン12を介してデジタル入出力カード28に供給し、さらにコシピュータ27に搬送し、ここでヒストグラムを作るために多経路分析を通常行う。このようにして、ヒストグラムを検出された光子の遅延時間をそれぞれが表す個々のデジタル化された振幅値から作る。
これまでに説明してきた既知の装置は、検出された光子の遅延時間を決定することしかできない。この装置では、光子を検出した時の絶対時間,すなわち測定開始時からのもので、固定基準点に対してまたは最後の光子を検出した時の時間に対しての絶対時間を決定することはできない。これを達成するには、種々の部品を前述した装置に追加し、以下詳細に説明する。
第1の例示的な実施形態において、変換後にそれぞれADC23により出力された問合せパルスを、ライン11を介して最初に切換装置24に供給し、次いでデジタル入出力カード28に供給してデータ記録を開始する。問合せパルスは切換装置24の出力を切り換えるものであり、この装置の構造は、問合せパルスの上昇フランクで切り換わり、次いでその周波数を効果的に半分にするものである。したがって、これは周波数分割器となる。周波数分割器回路24は、フリップフロップを基にしたものであり、従来の方法では互いに否定しあう2つの出力をもつものである。この回路はDまたはJKフリップフロップからの公知の方法で構成されてもよい。
周波数分割器24の第1の出力部15を、例えば、第1のカウンタ17の停止入力部と第2のカウンタ18の始動入力部に接続する。同じように、周波数分割器24の第2の出力部16を第1のカウンタ17の始動入力部と第2のカウンタ18の停止入力部に接続する。またこれとは逆に接続しても同様に適切な接続となる。
ADC23からの問合せパルスを受信した後、周波数分割器回路24は、例えば、第1のカウンタ17を始動し、第2のカウンタ18を停止することができる。それに応じて、第1のカウンタは図1に示されているクロック発生器25のサイクルを計数する。
クロック発生器25を、例えば、周波数がいくつかのジャンパを挿入することで可変のものである従来の水晶時計としてもよい。クロック発生器25の通常の周波数は、100MHz〜20kHzの間である。検出器10からレーザ20自体により誘導されたトリガ信号も、クロックとしても使用することができる。
別の光子を検出器8で検出した後、別の問合せパルスをADC23によりトリガする。それに応じて、周波数分割器24はその出力部を切り換え、第1のカウンタを停止して第2のカウンタを始動する。その後、停止された第1のカウンタはそのカウントを中間メモリ26に転送する。問合せパルスを第2のライン11を介して周波数分割器24からデジタル入出力カード28に供給する。同様に、中間メモリのコンテンツをライン13を介して入出力カード28に供給する。
問合せパルスの受信後、デジタル入出力カード28はデータの記録待受け状態になる。そこでライン12を介してADC23により出力された変換したTAC値と、さらにライン13を介した中間メモリ26のコンテンツも記録し、それらをコンピュータ27で一緒に記憶する。
変換したTAC値は通常8ビット幅であり、中間メモリ26は24ビット幅であることから、デジタル入出力カード28は32ビット幅の入力をもつことになる。当然、クロック発生器25の周波数と中間メモリ26の幅が実験上の条件に適合する限り、他のビット幅でも適切である。64ビットを受け入れる入出力カードも使用可能である。異なるビット領域を異なる検出器からの信号用に保存しておく。同様に、個々のビットを使用して特定の光子を検出した検出器をコード化することもできる。
データ記録処理の最後に、入出力カード28はライン14を介して確認信号をアナログ・デジタル変換器に送り、次いで新しい変換態勢に入る。
第3の光子を検出器8で検出すれば、ADC23はライン11を介して別の問合せパルスを送り、周波数分割器24はその出力部を再度切り換える。次いで、第1のカウンタを再度始動し、第2のカウンタを停止する。その後、第2のカウンタは中間メモリ26のコンテンツを転送し、このコンテンツをライン13を介して入出力カード28で受け取る。引き続く全ての光子の検出処理において同じことが繰り返される。
このように、次の励起パルスへの時間間隔と前の検出時間からの時間間隔を各光子に対して記憶する。
両方の情報は、共に判定するか(以下、本発明による方法を参照されたい)、或いは別々に判定するかのいずれかに適している。例えば、光子の検出時間のみが対象であれば、デジタル化したTAC値を無視することができ、検出時間を適切な判定のために供給する。これに対して、蛍光減衰の時間シーケンスのみが対象であれば、変換したTAC値をヒストグラムに組み合わせ、個々の光子が検出された時間の時間間隔をさらに考慮せずに判定してもよい。
別の例示的な実施形態において、別の代替カウンタ装置に代わりに、単一カウンタまたはクロックを図2に示すように用い、以下これを参照する。
ライン11を介して出力されたADC23の問合せパルスにより、図2に示されている中間メモリ26は、カウンタ29またはクロックにより示された時間を検出し、一時的に記憶する。その結果生じた中間メモリ26のコンテンツを、ライン13を介して問合せパルスを受信した後、第1の実施形態において説明された方法と同じ方法でデジタル入出力カード28で受け取る。
第3の実施形態において、カウンタ29を第2の実施形態にあるように接続すると、ADC23からの問合せパルスがそれを停止するようになる。実際のカウントを中間メモリ26に書き込み、カウンタ29をリセットして新たに計数を始める。第1の実施形態においてすでに説明したように、デジタル入出力カード28がライン11を介してADC23からの問合せパルスを受信した後、中間メモリ26のコンテンツをライン12を介してデジタル化したTAC値と共にデジタル入出力カード28で記録する。中間メモリ26とADC値のビット幅は、第1の実施形態において説明したものと同じ方法で構成させることができる。
この実施形態においても、カウンタ29は、例えば、図2に示されているクロック発生器25のサイクルを計数し、この発生器を第1の実施形態にあるような可変のクロックレートで構成してもよい。
カウンタ,中間メモリ,クロック発生器およびクロックがコンピュータ27の外部にあり、データがデジタル入出力カード28を介してコンピュータ27で受信するように実施形態において説明された装置を構成する。代わりに、装置の部品をすべてコンピュータ27のプリント回路基盤や集積回路に配置することもできる。
第4の実施形態において、検出器8および10またはCFD21からのパルスをTAC22,ADC23および前述した他の部品によりコンピュータ27用に効果的に処理しない。代わりに、信号のアナログ時間変化を時間精度を最高にした状態で検出する。これは、例えば、二重ビームのオシロスコープを最大記憶深で用いることで行う。次いで、その結果生じるデータを遅延時間および検出時間の間の間隔に変換することができる。
本発明による装置を前述してきたが、標的粒子の特性を獲得したデータからいかに決定するかに関して以下説明する。
ここで、図3を参照する。図3は、光子シーケンスで光子を連続的に検出した時間の間の時間間隔Δtを示す曲線である。光子の検出順に番号を付し、x軸上にイベント番号でプロットする。連続した光子を検出する間の時間間隔をクロック発生器25のクロックレート20MHzに対応する50ナノ秒の精度でここでは検出する。共焦構造体でこの測定を行う。使用する標的粒子は、エチレングリコールで溶解したローダミン−110染料分子である。
標的粒子またはローダミン−110分子が試料空間に全く存在しなければ、検出された光子を計数するレートは、ローダミン−110のような高吸収蛍光染料分子が観察中の容積要素内にあるときよりもかなり低くくなる。その例を図3に示す。イベント第1500番あたりで、個々の光子検出イベントの間の時間間隔は約60,000×50ns,すなわち、約3msであり、約300Hzの背景計数レートに対応する。イベント第1900番あたりで、個々の光子の検出時間の間の時間間隔はかなり狭くなっている。第2の場合における個々の光子イベントの間の平均間隔は、約1,000×50ns,すなわち約50μsの場合である。これは、約20kHzの検出レートに対応する。したがって、背景計数レートよりも約60倍大きなものとなる。
このことは、図4に示す図からも直接見ることができ、以下これを参照する。図4は、図3のデータを示しているが、連続した光子の検出の間の時間間隔を示しているのではなく、Y軸に沿ってプロットされた1ミリ秒当たりに検出される光子の数を示すものである。また、X軸のイベント番号も時間と置き換えられる。図4は、個々の検出時間の間の時間間隔を加算し、光子が検出された時の絶対時間で各光子を関連させることにより図3を基にしたデータから得ることができる。次いで、各ミリ秒間隔で生じる検出時間の数を決定しプロットすることができる。図3において、220個の検出された光子に各々対応する2つの領域に印を付している。同じ領域を図4にプロットする。図3にあるイベント第1500番あたりの領域は、図4では737msかかる。図3にあるイベント第1900番あたりの同じ数である220個の光子は、比較するとかなり高い平均検出レートに対応するものであるが、図4では46msしかかからない。これから分かるように、光子検出レートは、ローダミン−110分子が焦点内または試料空間内にあるという事実により増加する。図4に示されている結果は、背景よりも明らかに上昇する山である。
図4に示されている方法は通常、多経路スケーリング(MCS)または多経路計数と言われるものである。
図4の形態でデータを発生させる測定過程(MCS測定過程)は個々の分子を決定するものであるが、図3の形態でデータを記録する測定方法はさらに正確にデータを判定する方法である。これは、図3において個々の光子のそれぞれが検出された時の正確な時間で個々の光子のそれぞれを割り当てることができるためである。これに反して、MCS測定過程では、光子が検出された時間を1msの精度でしか決定しないことが多い。
共焦構造体にある試料室または焦点の典型的な直径は、0.5〜1μmの間である。ローダミン−100分子が0.5μmの距離を通って拡散する,すなわち、焦点を通るのに必要な時間は、約500μsの二乗平均値である。このように、1ミリ秒の積分時間の経路幅は焦点を通る分子の搬送時間に近いものとなる。したがって、MCSデータは、入出時間のより正確な調査のために使用することはできない。しかしながら、記録されたデータ用に相関関係を算出するために、そのようなデータが必要となる。これに関してさらに詳細に以下説明する。
標的粒子が測定間隔中に焦点内にあるか否かを決定するために、図3および図4に示されている光子検出レートまたは個々の測定間隔のnsスケールでの検出された信号のそれぞれの減衰作用のいずれかを考慮することもできる。この場合、時間相関された信号光子計数の通常の方法において、レーザパルスまたは励起時間と光子が検出された時の時間との間の時間間隔,すなわち蛍光遅延時間を測定間隔中の個々の光子に対してヒストグラムの形式で示す。これを図3および図4からのデータの例について図5および図6に示す。
図5および図6のヒストグラムは、1経路につき約50ピコ秒の時間分解で用意されたものである。
各光子に対して、光子の前の検出時間から時間の差を関連する遅延時間と共に記憶する。これらの値は常に、励起光の周期または連続するレーザパルスの間の時間間隔よりも短いものである。図5および図6において、遅延時間は、0〜約12msの間である。
図5は、イベント第1500番あたりの図3に印を付した220個の光子の領域と図4に印を付した737msに対応する220個の光子の領域の時間当たりの減衰作用のヒストグラムを示す。図3および図4に示されているように、この測定間隔中に試料空間には全く標的粒子がない。したがって、図5は、初期の段階に山があるヒストグラムの時間曲線であり、その山の後にほぼ一定に分布した時間曲線が続く。この山は、遅延していない散乱光に対応し、またほぼ一定に分布した次の曲線は他の背景雑音に対応する。
これと対比して、図6は、ローダミン−110または標的粒子の蛍光の時間曲線を示す。図6は、イベント第1900番あたりの図3に印を付した220個の光子の領域と図4に印を付した46msに対応する220個の光子の領域の図5と同種のヒストグラムを示す。図3および図4からすでに明らかなように、標的粒子またはローダミン−110分子はこの測定間隔中に焦点内にある。したがって、図6に示されている蛍光の時間曲線は短時間のレーザパルスによる励起に応じて最初に急勾配に上昇し、次いで実質的に一定に減少していく。ユニット時間当たりの減少速度は図5よりもかなり低速である。図6から推論する蛍光寿命はおよそ3.6msである。
さらに、図6には最初に明白な山があり、これは散乱光の追加の遅延していない散乱成分から生じうるものである。最初の山および比較可能なヒストグラムの比較可能な山が散乱光の追加の遅延していない散乱成分に起因するか否かを決定するために、遅延していない散乱光のみを別の測定,例えば純エチレングリコールで記録する。その結果生じる時間曲線は、図5と比較可能であるが、ヒストグラムの1経路当たりの検出された光子の実質的に多い数とも比較可能である。
標的粒子,この場合はローダミン−110の蛍光の減衰作用を別の測定で同様に検出することができる。
次いで、すでに分かっているこれらのデータを用いて、遅延していない散乱光と、例えば図6にあるデータの振幅との割合を決定する。これを効果的な統計上のアルゴリズムで行うことができ、例えば、最小二乗法の適用または最大見込み値の適用等があり、この適用に関しては、文献(ジェイ.エヌ.デマス(J. N. Demas)の「励起状態の寿命測定(Excited state lifetime measurements)」,アカデミック出版,ニューヨーク,1983年、またはエム.コルネ(M. Kollner)とジェイ.ヴォルフル(J. Wolfrum),化学物理学通信(Chemical Physics Letters),第200巻,1992年,第199〜204頁を参照)に記載されている。
遅延していない散乱光の部分で適用テストを行うことにより高精度の蛍光寿命を決定することができ、例えば、標的粒子の蛍光での減衰に対する指数関数的に下降する曲線や信号での遅延していない散乱光の決定されていない部分等が想定される。したがって、これは、測定された振幅成分,すなわち、この場合は蛍光や遅延していない散乱光を用いて、標的粒子の所定の特性として標的粒子の蛍光寿命を決定するための方法である。例えば、他の粒子または他の散乱源等からの他の成分を同様の別の測定やそこから得られたデータを介して考慮に入れてもよい。
検出効率を上げるために、試料ホルダ5の下部にある第1の顕微鏡の対物レンズ3の光線経路のラインに第2の顕微鏡の対物レンズを配置することにより図1および図2に示す光学構造体を補うことができる。その結果として、集光効率は2倍となる。顕微鏡の対物レンズ3と同様に顕微鏡の対物レンズの後にフィルタ,ピンホールや検出器を配置しなければならない。他の下線のデータ獲得電子ユニットや判定装置を第2の検出経路とは別に設置するか、或いは第2の検出器からの信号をルートユニットを介して既存のTAC22に供給してもよい。前者(別々にデータを獲得する装置)の場合、個々の検出器で検出された光子を説明した方法で個々に判定する。さらに詳しく言えば、個々の散乱光の成分,すなわち遅延した散乱光または蛍光および遅延していない散乱光の成分の振幅を個々の検出器で検出した光子に対して決定することができ、また標的粒子の特性をそれから算出することもできる。データを適切なヒストグラムに組み合わせて、全て一緒に判定することもできる。
試料の下部に直接適切なミラーを用いることにより検出効率をさらに上げることができる。
図5および図6のヒストグラムは、220個の光子が存在した測定間隔に対して用意されたものである。他の適切な光子数も同等にヒストグラムに組み合わせることができる。また、図4から明らかなように、図5および図6にあるヒストグラムを所与の光子数に対して用意するではなく、所定の時間間隔に対して用意することができる。
時間間隔が検出された光子の所定の数で規定される場合、図3にある種々の光子部分のスライド判定は、適切なヒストグラムを作り、かつ分析することにより得ることができる。例えば、次に検出された光子をヒストグラムに組み合わせ、前に検出された光子を取り除くことができる。代わりに、1個の光子ではなく、10個または他のあらゆる数の光子をヒストグラムに含めたり、或いはヒストグラムから除去したりすることができる。また、検出された光子の所定の数を変えることもできる。例えば、単一の標的粒子が存在する場合、光子の数を他の散乱光の場合よりも多くしたり、或いは小さくしたりすることができる。
次いで、個々の散乱光の成分の決定された振幅成分または必要であれば決定された寿命を、検出時間または連続した検出時間の間の時間間隔を介して、時間またはイベント番号に対してプロットする。これを図7の例を用いて示す。
図7は、図3を基にしたデータのスライド判定を示し、ヒストグラムはそれぞれ40個の光子を基に用意し、それぞれの次のヒストグラムを次に検出された光子を加算し、前に検出された光子を取り除くことにより用意する。図7に「◆」の印を付した個々の光子の検出時間の間の間隔Δtは同様に平均40個の光子を超えるものである。
イベント第18850番あたりの領域は、焦点内に標的粒子が存在することを意味する狭い検出された光子の時間間隔が、遅延していない散乱光の同様に小さい振幅成分および長い蛍光寿命と相関することを明白に示している。この場合、蛍光寿命は約4〜5nsである。これと対比して、イベント第19000番あたりの領域は、連続した光子イベント間の長い時間間隔を示し、すなわち標的粒子が焦点内に全くないということであり、その結果遅延していない散乱光の振幅成分を100%近くに上昇し、蛍光寿命を著しく減少させる。
図7の例に示す形式のデータは、本発明によりさらなる処理に適するものである。文献(例えば、エム.エイゲ(M. Eigen)とアール.リグレ(R. Rigler),「アメリカ合衆国国立アカデミー会報(Proceedings of the National Academy of Sciences of the U.S.A.)」,第91巻,1994年,第5740〜5747頁)には、検出された光子の自己相関関数によって、測定中に1個のみの標的粒子または平均して2個以上の標的粒子が焦点に存在したか否かを信頼性をもって決定することができる方法を一般的に説明している。また、標的粒子の拡散定数を散乱光の自己相関関数から算出することができる。また、相関関数を用いて散乱光の個々の成分の有意の共通する存在を決定することもできる。このため、個々の決定された振幅成分の交差相関関数は公知の方法で算出される。この関数が時間零付近で明白な山をもっていれば、考慮中の散乱光の成分は信号に有意に同時に生じるか、或いは通常同時に生じる。これにより、有意に示されるべき2つの標的粒子が共に生じることができる。
この種の測定は、2つの分子または分子錯体間の結合を薬理学を目的にして立証する必要があるときに重要なものとなる。これは、「薬剤選別(drug screening)」に関連するものであり、ここで抗原などの標的粒子および抗体などの別の標的粒子間の特に強力な結合を立証するのに重要な場合が多い。結合が観察される標的粒子が共に標識付けされた蛍光であれば、それぞれの各振幅成分は同時に高い値を取るべきである。振幅成分は、例えば、これらの標的粒子の別々に記録されたデータを介して決定することができる。結合力が弱ければ、同時に生じたことが弱くマークを付されるのみである。結合力が強ければ、粒子は通常互いに結びつき、したがって焦点内で同時に観察される。
結合を挟み込みテストにより立証することもできる。挟み込みテストでは、2つの他の分子間の望ましい分子の結合が観察される。これらの分子のうちの少なくとも1つは、蛍光または標識付けされた蛍光である。両方の分子が標識付けされた蛍光であれば、それらが同時に生じたことを相関関数によって決定するこどができ、また結合の量的分析用に用いることもできる。それらのうち1つのみが蛍光であれば、結合を変化させた拡散定数によって自己相関関数から導き出すことができる。
本発明による方法を用いて単一粒子を調査することができるので、これは物理的測定の平均値を検出する手段だけにはならない。それとは逆に、測定された値の分布を個々の標的粒子で多数の個々の測定を決定することにより直接決定することができる。これにより、標的粒子の不均一な量の不均一性も分析することができる。
本発明によれば、例えば、蛍光寿命の自己相関関数を特定のパラメータとして示すことができる。また、標的粒子の蛍光により散乱光の部分の自己相関関数も算出することができる。すでに説明したように、この振幅成分は、標的粒子の既知の蛍光寿命を考慮に入れることにより決定することができる。その結果は、選択的な蛍光寿命の自己相関関数であり、それから例えば関連する拡散定数を算出することができる。
従来のFCS技術と対比すると、本発明による相関関数を散乱光の成分を取り除いて選択的に算出することができる。その結果は、試料空間内にほとんど存在しないか、少しだけ存在する標的粒子から結果として生じた極端に弱い信号の改善されたSN比である。
選択的な蛍光性の自己相関関数を、例えば、蛍光寿命が結合状態と自由状態とで異なる蛍光性の標的粒子の結合を量的に分析するために使用することができる。例えば、DE−OS 38 07 975に記載されている「インテリジェント」ダイは、この目的に合ったダイである。本発明によるこの場合では、自己相関関数を結合状態および自由状態に対して選択的に算出することができる。
異なるパラメータの交差相関関数を算出することもできるので、山または谷での有意の共通する発生または有意の別々の発生を交差相関関数の時間零あたりで読みだすことができる。
2つの検出器の場合も、交差相関関数を個々の検出器からのデータ用に規定された同様または異なるパラメータに対して算出することができる。前述したように、情報は標的粒子が共通または別々に発生したあたりで読みだすことができる。
1以上の標的粒子が焦点内にある場合もある。異なる標的粒子が異なる蛍光寿命をもっていれば、ヒストグラムに変換した測定された信号は指数関数に従う蛍光減衰の時間曲線をもつことができる。個々の標的粒子がすでに指数関数に従う蛍光減衰をもっていれば、蛍光曲線をこのようにすることができる。この場合、前述した統計上の方法を個々の指数関数に従う減衰の各々に対して別々の振幅成分を決定することにより使用する。これを適切に行うために、種々の標的粒子または個々の標的粒子の各々の蛍光減衰に関するデータを前述したように別々の測定で記録する。
数関数に従う蛍光減衰の場合または1以上の標的粒子が焦点内にある場合、異なる標的粒子が異なる蛍光寿命をもつかぎり、個々の標的粒子の蛍光寿命を振幅成分以外に全散乱光に対して決定することができる。また、これらの振幅成分または蛍光寿命を互いに相関させることができたり、或いはそれらの交差相関関数を算出したりすることができる。互いに結合した状態での発生などの標的粒子が共に発生することを振幅成分または蛍光寿命を高くしたものを同時に発生することで立証することができる。ドイツ特許第42 10 970号に記載されている「マルチプレックス」ダイは、この目的に特に適したものである。
分光分析分野では一般に知られているように、分光分析データは、標的粒子の転特性も反映するものである。標的粒子が回転すると、減衰時間中に蛍光を解消するという結果となる。この解消作用を、極性をもたせた励起光や検出器8の前に設置された分析器を用いることにより、図6にあるようなヒストグラムで決定することができる。解消作用を別々の測定で正確に決定すれば、その情報を用いて全散乱光の一部として標的粒子の蛍光振幅成分を決定することもできる。
分光分析学的に個々の蛍光体,例えばこれまでに説明してきた2つの標的粒子の蛍光体以外にも、2つの蛍光体の間で共鳴エネルギー伝送が生じる蛍光体を使用することもできる。例えば、第1の標的粒子をレーザ光でシミュレートし、すなわちレーザ光を吸収することができ、エネルギーを第2の標的粒子に共鳴伝送し、後者の粒子を放出することができる。この種の共鳴エネルギー伝送は、密接に距離に依存し、すなわち標的粒子が互いに結合すれば効果的に発生し、また標的粒子が共に結合しなければ実質的に存在しない。次いで、散乱光にある個々の標的粒子の振幅成分を決定し、かつその交差相関関数を算出すれば、伝送エネルギーを受け取る第2の標的粒子の蛍光のみを両方が焦点内に同時に発生する時に観察することができるという事実により標的粒子間の強力な結合が示される。次いで、交差相関関数の負の相関を観察する。
前述した共焦光学構造体で記録された散乱光の自己相関関数曲線を蛍光粒子の拡散により決定する。その特有の数量は、粒子の拡散定数や焦点の空間の広がりである。これらの拡散定数も、前述した交差相関関数に重大な影響を及ぼす。個々の標的粒子の拡散定数やそれらの自己相関関数の特有の曲線を別々の測定で決定することができる。この情報を用いて、交差相関関数を判定して相関関数で個々の標的粒子の割合を示す。
すでに説明したように、本発明による装置は個々の標的粒子の分光分析調査に特に適している。個々の標的粒子が観察中に試料空間,媒体,容積内に存在するかを決定するために、試料媒体の観察部分または試料空間内に1未満の標的粒子が平均して存在するような希釈溶液に標的粒子が最初に存在しなければならない。この目的に必要な通常の濃度は、10-9〜10-12M溶液(M=モル/リットル)である。例えばエチレングリコールにローダミン−110の10-12M溶液を用い、焦点が0.25μmの短い半軸と2.5μmの長い半軸をもつ楕円であれば、観察された試料空間の容積は約0.65μm3である。濃度が10-12モル/リットルのローダミン−110分子で増倍すると、ローダミン−110分子が観察中に所与の時間で試料空間内に存在する確率が約4×10-4になる。
さらに高濃度の溶液にかなりの希釈形態で存在する標的粒子の蛍光作用がさらに高濃度の粒子により影響を受ければ、さらに高濃度の溶液を調査することもできる。この影響は局部分子の相互作用によるものであり、蛍光寿命や蛍光強度,解消作用等の蛍光作用の他の特性に影響を及ぼすものである。解消作用は、例えば、標的粒子とさらに高濃度の粒子間での結合の結果として変化しうる。
これらの条件下で決定された標的粒子の蛍光作用により、さらに高濃度の粒子に関する情報が得られる。単一粒子が試料空間内に通常存在するように、標的粒子はかなり希釈されている。
ここで、図3を再度考慮する。イベント第1900番あたりの検出された光子間の比較的短い時間間隔やそれに応じた比較的高密度の検出時間,すなわち高い光子の検出レートは、すでに説明したように試料媒体内に単一の標的粒子が存在するということを意味する。さらに量的に処理するために、アール.エイ.ケラー(R. A. Keller)の「応用分光分析学(Applied Spectroscopy)」,第50巻,第7号,1996年,第12A〜32A頁に記載されている平均化し、しきい値を決定する処理を用いることができる。
代わりに、ヒストグラムから決定することができるいかなるパラメータ、例えば所与の蛍光寿命の振幅成分等のパラメータを、例えば個々の標的粒子が試料空間内に存在するか否かを決定するための単純なしきい値設定処理によって使用することができる。
また、観察された信号が純粋な背景雑音から生じることができるか否かという仮定をテストする統計上の処理を用いることもできる。このためには、これらの短い時間間隔で多数の光子を観察する確率を計算して、それら背景雑音からのものかまたは遅延していない散乱光からのものかを想定する。この確率が所定の値よりも下がれば、少なくとも1つの蛍光分子または標的粒子が焦点内に対応する有意性をもって存在する。
図3〜図6にあるように、存在する個々の標的粒子に関連する光子を選択し、ヒストグラムを図6のように構成すれば、個々の標的粒子の蛍光寿命を決定することができる。代わりに、蛍光の観察された減衰を特定の種類の標的粒子の既知のデータと比較することができ、この場合にどの既知の種類の標的粒子が存在するかを決定することができる。エム.コルネ(M. Kollner)の「応用光学(Applied Optics)」,第32(6)巻,1993年,第806〜820頁に記載されているアルゴリズムは、この目的に特に適している。個々の分子または標的粒子をこの方法で認識することができる。
したがって、データ獲得のための装置やそれに関連する判定方法は、レーザ分光分析法による生体分子等の光学的な質的量的決定のためのドイツ特許第42 10 970号に記載されている方法に適している。これは特に、ここで記載されている装置や方法が存在する個々の標的粒子に適用される場合である。
また、前述した判定方法の1つを使用して、単一標的粒子が観察された試料空間内に存在するか否かを見い出すことができる。次いで、対応するアルゴリズムが単一標的粒子が試料空間内に高確率で存在するという決定が結果として生じる場合にのみ、データを判定する。この手順はスライド前判定の形式である。
代わりに、全散乱光に対して遅延していない散乱光の比例振幅を用いて、次の判定のデータを予めフィルタがけすることができる。
さらに詳しく言えば、予めフィルタがけされた信号を、存在する個々の標的粒子に対して検出された光子の自己相関関数を効果的に算出するために用いることができる。このために、単一の標的粒子が所定の確率で試料空間内に存在した時の時間に検出された光子からだけで自己相関関数を構成する。一般的な遅延していない散乱光と関連するそのような光子や背景の残りの光子は計算には含まれない。これにより、効果的な自己相関関数の振幅が自己相関を基にした関数のS/N比に左右されるため、散乱光を抑制し、それに応じて算出された自己相関関数の精度や振幅を改善するという結果となる。S/N比が悪ければ、自己相関関数の振幅も小さくなる(ディー.イー.コッペル(D. E. Koppel)の「物理学論評A(Physical Review A)」,1974年,第10部,第1938頁を比較されたい)。
遅延時間からの情報を用いずに、光子の検出時間で利用可能な情報のみを使用すれば、そこから決定したパラメータ用には算出せずに、個々の標的粒子に関連する光子の検出時間用にそれ自体の相関関数を算出することができる。
すでに説明したように、従来のFCSと対比すると、これはS/N比が著しく改善されているという結果となる。相関関数を個々の標的粒子に対して選択的に算出することができる。
どのような種類の光にもこれを応用する際に使用することができ、特に変調されていない連続光にも使用することができる。
単一標的光子が試料空間内に存在するか否かを決定するために、本発明によれば、ユニット時間当たりの比較的高密度のものか、或いは連続光子を検出する時の時間の間の比較的短い時間間隔を使用することができる。すでに説明したように、これは、図4と組み合わせることで図3のイベント第1900番あたりを見れば明らかに分かるものである。図3にある「谷」は図4では山として現れ、一般的にこれを「突発(burst)」とも言う。
図3のイベント第1100番あたりの連続した光子の検出時間の間の比較的短い時間間隔とイベント第1900番あたりの曲線にある谷との間を比較すると、谷の継続時間がかなり変化があるものか、或いはかなり異なる検出された光子の数からなることが分かる。この種の谷が背景信号の不規則的な変動によるものか、或いは存在する個々の標的粒子によるものかを判断するために、前述した統計的基準を用いることができ、他の散乱光から生じたものとしてイベント第1100番あたりの谷を見分ける。
結果的に、突発期間の評価は、光子の検出時間が比較的高密度のものであれば、標的粒子が存在することを意味するか否かを評価する効果的な方法でもある。
本発明の原理の範囲内において種々の変形を行うことは可能である。特に、パラメータが特定の値(図7を比較)を超えるかそれよりも低い値であるか、或いはユニット時間当たりの検出時間の数(強度)を使用することができれば(図4を比較)、単一の標的粒子の存在を検出することができる。したがって、しきい値の設定には2つの基本的な方法がある。さらに、パラメータの相関関数または強度の相関関数のいずれかを算出することができる。このようにしきい値を設定する2つの可能性と相関関数を算出する2つの可能性があることにより、合計4つの可能な組み合わせが結果として生じる。すなわち、
1.強度のしきい値を予め決定することができ、次いで強度の相関関数を算出することがもできる。
2.強度のしきい値を設定することができ、次いでパラメータの相関関数を算出することができる。
3.パラメータ値のしきい値を予め決定することができ、次いで強度の相関関数を算出することができる。
4.パラメータ値のしきい値を予め決定することができ、次いでその相関関数または別のパラメータの相関関数を算出することができる。
電源,検出装置および判定装置は、前述したように個々の可能性に合わせて選択すべきものである。
このように、本発明による方法および装置を用いることにより、非常に低い濃度においてでさえ、標的粒子を様々に選択可能であり、かつ良好なS/N比の状態でFCSを実行することが初めて可能となる。

Claims (24)

  1. 試料媒体にある標的粒子の所定の特性を決定するための方法であって、
    a)前記試料媒体を所定の周期を有する周期的に変調された光で照射し、
    b)前記試料媒体内散乱させられた個々の光子の状態の光を検出装置で検出し、
    c)各光子の検出時間と照射光の関連する周期内の基準時間との間の時間間隔を決定し、かつ遅延時間として規定し、
    d)各光子の遅延時間を決定するとともに、各光子の検出時間も決定し、
    e)検出された光子の遅延時間を散乱光の少なくとも1つのパラメータを決定するために用いる試料媒体にある標的粒子の所定の特性を決定するための方法において、
    e’)順次連続する光子の各順位にそれぞれ対応する遅延時間を用いて前記少なくとも1つのパラメータ決定され
    f)順次連続して検出された光子のそれぞれの検出時間を用いてある時間値を決定し、
    g)パラメータと時間値の少なくとも一組が、順次連続して検出された光子の前記少なくとも前記パラメータと時間値を用いて決定され、
    h)複数の連続する前記1組のパラメータと時間値から、少なくとも1つのパラメータ−時間関数を決定し、
    i)前記少なくとも1つのパラメータ−時間関数の相関関数を計算し、
    j)前記標的粒子の所定の特性を前記相関関数を用いることにより決定することを特徴とする試料媒体にある標的粒子の所定の特性を決定するための方法。
  2. 前記周期的に変調された光をパルス状に変調することを特徴とする請求項1記載の方法。
  3. 試料媒体内に散乱した光を2つ以上の検出器で検出し、
    それぞれの場合において、各検出器で検出された光子に対して少なくとも1つのパラメータ−時間関数が別々に算出されることを特徴とする請求項1記載の方法。
  4. 前記相関関数は、種々の検出器のパラメータ−時間関数を用いることにより計算された交差相関関数であることを特徴とする請求項3記載の方法。
  5. 前記遅延時間のヒストグラムを散乱光の連続して検出された光子の各所定の数または所定の時間間隔に対して用意し、
    散乱光のパラメータを有効な統計上の方法である前記ヒストグラムから決定することを特徴とする請求項1記載の方法。
  6. 前記標的粒子は、群(蛍光体)からなる蛍光または粒子として可能な分子であることを特徴とする請求項1記載の方法。
  7. 検出された散乱光が少なくとも標的粒子からの蛍光と他の散乱光の部分から構成されるという事実を許容することで散乱光の少なくとも1つのパラメータを決定し、
    前記決定されたパラメータは、全振幅に対する前記散乱光の部分であることを特徴とする請求項6記載の方法。
  8. 前記決定されたパラメータは、蛍光寿命であることを特徴とする請求項7記載の方法。
  9. 散乱光の個々の成分の比例振幅を決定するために、前記標的粒子からの蛍光成分に関する所定の情報は、特定の蛍光寿命で記すことが可能な多くの個々の指数関数に従う減衰の重畳により処理され、
    前記決定されたパラメータは、前記比例振幅および/または前記個々の指数関数に従う減衰の蛍光寿命であることを特徴とする請求項7記載の方法。
  10. 前記標的粒子の典型的な蛍光寿命に関する情報は、前記個々の指数関数に従う減衰の比例振幅を決定する際に用いられることを特徴とする請求項9記載の方法。
  11. それぞれの標的粒子により散乱された光の前記比例振幅は、前記標的粒子の円偏波または蛍光性の直線偏波の振る舞いに関する情報を用いることにより決定されることを特徴とする請求項7記載の方法。
  12. 前記使用された標的粒子は、それぞれの蛍光体の間に共鳴エネルギー伝送が発生する蛍光体からそれぞれなる少なくとも2つの粒子であり、
    前記決定されたパラメータは、前記それぞれの蛍光体により散乱された光の前記比例振幅であり、
    前記決定された相関関数は、前記それぞれの蛍光体により散乱された光の前記比例振幅の自己相関関数であることを特徴とする請求項7記載の方法。
  13. 平均して1未満の標的粒子が試料媒体(試料空間)の観察された容積成分内に存在するように前記標的粒子の密度を選択し、
    前記相関関数は、個々の標的粒子と関連するパラメータ−時間関数の部分から独立して計算されることを特徴とする請求項1記載の方法。
  14. 所定のしきい値が散乱光の所定のパラメータを超える時、前記試料空間内の個々の標的粒子の存在が確認されることを特徴とする請求項13記載の方法。
  15. 試料媒体の標的粒子の所定の特性を決定するための方法であって、
    a)前記試料媒体を光で照射し、
    b)前記試料媒体内散乱させられた個々の光子の状態の光を検出装置で検出し、
    c)散乱した光子の各々の検出時間を決定し、
    d)平均して1未満の標的粒子が試料媒体(試料空間)の観察されるべき容積要素内に存在するように前記標的粒子の密度を選択し、
    e)測定された検出時間を判定して標的粒子が試料空間内に個々に存在した間の時間間隔を決定する試料媒体の標的粒子の所定の特性を決定するための方法において、
    f)前記時間間隔の中から選択された1つの時間間隔で測定された検出時間から、選択された時間間隔に限られた少なくとも1つの時間依存関数で、それは所定のユニット時間当たりに測定された検出回数を示し、前記ユニット時間は前記選択された時間間隔よりもかなり短いものである時間依存関数を作り、
    g)前記少なくとも1つの関数の相関関数を計算し、
    h)前記標的粒子の所定の特性を前記相関関数を用いることにより決定することを特徴とする試料媒体の標的粒子の所定の特性を決定するための方法。
  16. 連続して検出された光子の所定の数の検出時間の間の時間間隔の平均値が所定値より短い時、これを試料空間内の個々の標的粒子の存在に対する決定基準値として用いることを特徴とする請求項15記載の方法。
  17. 所定の時間間隔で連続して検出された光子の検出時間の間の時間間隔の平均値が所定値よりも短い時、これを試料空間内の個々の標的粒子の存在に対する決定基準値として用いることを特徴とする請求項15記載の方法。
  18. 請求項1記載の方法を使用する装置であって、
    a)所定の周期を有する変調された光を伝送する少なくとも1つの光源(20)と、
    b)試料媒体内の粒子を前記光源からの光で照射する試料空間と、
    c)前記試料空間から個々の光子を検出し、かつ前記試料空間からの光子を検出する時、第1の出力部(11)でパルスを伝送し、各光子の検出時間と照射光の関連する周期内の基準時間との間の時間間隔として遅延時間を決定して規定し、第2の出力部(12)でデジタルデータ形式の前記遅延時間を伝送するように構成される装置(18)と、
    d)前記デジタルデータを受信し、判定するための検出装置の前記第1および第2の出力部に接続される判定装置と、からなる請求項1記載の方法を使用する装置において、
    e)前記判定装置は、前記第2の出力部に接続されるコンピュータユニット(27)、始動入力部と停止入力部を各々有する2つのカウンタ(17,18)、および前記カウンタの始動入力部と停止入力部を前記検出装置の第1の出力部(11)に接続する切換装置(24)からなり、
    f)前記切換装置は、前記検出装置により各パルスの出力部で前記2つのカウンタを反対方向にオンとオフに切り換えるので、1つのカウンタが計数している間、別のカウンタは停止し、かつ/またはカウントを伝送し、前記カウンタのサイクル時間はクロック発生器装置(25)で予め決定され、
    g)前記標的粒子の特性を決定するために、前記カウントは、前記コンピュータユニット(27)に伝送可能であることを特徴とする請求項1記載の方法を使用する装置。
  19. 前記カウンタ(17,18)を停止後と再始動前にリセットするようにそれらカウンタを接続することを特徴とする請求項18記載の装置。
  20. 前記判定装置は、前記第1の出力部(11)からの電気パルスを受信すると、前記検出装置(8)によりデジタルデータ出力を記憶することができ、かつそれらをカウンタ(17,18)のカウントと関連付けることができるように構成されることを特徴とする請求項18記載の装置。
  21. 前記コンピュータユニット(27)に伝送する前に1つのカウントまたは複数のカウントを記憶するための少なくとも1つの中間メモリ(26)が前記カウンタ(17,18)の後に続くことを特徴とする請求項18記載の装置。
  22. 前記コンピュータユニット(27)は、前記デジタルデータを受信するためのデジタル入出力カード(28)を有するコンピュータからなり、
    前記データ受信カードは、前記検出装置(8)からのパルス(11)により起動されることを特徴とする請求項18記載の装置。
  23. 前記検出装置(8)は、2つ以上の検出器からなる請求項18記載の装置。
  24. 前記検出装置(8)は、共焦顕微鏡または近視野顕微鏡の形式の光学装置からなることを特徴とする請求項18記載の装置。
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