JP3830116B2 - 可変容量形ポンプ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、作動油の吐出圧力と吐出流量を電気的に閉ループ制御する制御手段を有する可変容量形ポンプに関するものであり、特に圧力制御を行う制御手段に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
油圧回路において、可変容量形ポンプから吐出させる作動油の圧力や流量は、ポンプ中の斜板の角度を変化させることにより制御される。このような可変容量形ポンプの斜板による圧力制御を電気的に閉ループ制御により行う場合、圧力制御系の安定性を向上させるため、圧力の微分成分をフィードバックさせて制御する方法が一般的に知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来の圧力制御方法には次のような問題がある。可変容量形ポンプのピストンによる圧力信号は脈動成分が多く、微分成分を取り出すことが困難であるという問題がある。ここで、ポンプによる圧力制御では、作動油の吐出流量、即ち斜板の速度信号が圧力の微分成分に相当する。このため、圧力制御の安定性を向上させるべく、斜板の速度信号をフィードバックさせる方法が考えられる。
【0004】
しかしながら、可変容量形ポンプの圧力制御は、通常、一定の流量の作動油を吐出させながら行われるため、作動油の流量が外乱となり、圧力制御系の偏差の増加の安定性が悪化するという問題がある。
【0005】
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであり、圧力制御を外乱の影響なく安定性を向上させることができる可変容量形ポンプを提供することを主な目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するため、請求項1に係る発明は、電気的な圧力操作量に応じて比例電磁弁を用いた電気−油圧制御によりポンプの斜板角度を変化させることによりポンプ吐出口から負荷へ供給される作動油の圧力と流量を電気的に閉ループ制御する制御手段を備えた可変容量形ポンプにおいて、前記制御手段が、圧力制御系の模擬負荷特性を有する模擬回路と、ポンプ吐出口に接続された実負荷部における作動油の圧力を検出する実圧力検出器と、ポンプ吐出口から実負荷部へ供給される作動油の流量を検出する実流量検出器と、前記実圧力検出器の出力信号から高圧ノイズ成分を除去した信号を生じるフィルターと、前記模擬回路の出力とフィルターの出力との差をとって外乱信号を生成する外乱信号生成手段と、外乱信号の負極性成分を一定値に飽和させるリミッタと、前記実流量検出器の出力信号と前記リミッタの出力との差をとって、この出力差信号を前記模擬回路に入力する入力手段と、を備え、前記出力差信号を圧力操作量に減算信号として加えることを特徴とする。
【0007】
本発明は、圧力制御系の模擬負荷特性を有する模擬回路からの出力とフィルターを通して出力される実圧力検出器の出力信号、即ち圧力検出値との差から外乱信号生成手段によって外乱信号を生成し、この外乱信号をリミッタを通して圧力操作量にフィードバックする。即ち、吐出流量の信号に含まれる実際の外乱信号を模擬回路を用いて推定し、この推定した外乱信号を圧力操作量にフィードバックしているため、吐出流量が外乱となって圧力制御系に影響を与えることを回避でき、安定性を向上させることができる。
【0008】
ここで、模擬回路は、圧力制御系の負荷特性を模擬的に有するものであり、実流量検出器の出力、即ち流量検出値から外乱信号生成手段により生成された外乱信号(推定した外乱信号)を減じた信号を入力している。これは、実際の流量検出値には、流量外乱が含まれているため、かかる外乱成分を除去するためである。従って、模擬回路によって圧力制御系の安定性を向上することができる。模擬回路は、圧力制御系の模擬負荷特性を有するものであればその構成は特に限定されるものではない。例えば、模擬回路に積分要素、高次の伝達関数や非線形関数等を含むように構成することができる。
【0009】
また、本発明におけるフィルターは、実圧力検出器からの出力信号から高域ノイズ成分を除去するので、歪みのない安定した出力信号を外乱信号生成手段に入力することができ、圧力制御系の安定性をより向上させることができる。
【0010】
本発明におけるリミッタは、外乱信号の負極性成分を一定値に飽和させるため、外乱信号が負極性になった場合でも、かかる負極性の部分を遮断し、圧力操作量にフィードバックされない。このようなリミッタとしては、ダイオード回路等を用いることができる。
【0011】
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の可変容量形ポンプにおいて、前記模擬回路が、積分要素を含む回路からなることを特徴とする。
【0012】
本発明は、請求項1に係る発明における模擬回路の好ましい態様である。圧力制御系の負荷は、一般に積分特性を有することから、模擬回路を実際の負荷に合わせて積分要素を含む回路とし、模擬回路による模擬負荷特性をより実際の負荷に近似させて、圧力制御系の安定性をより向上させることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の好ましい実施形態について、以下、図示例とともにに説明する。図1は、本実施形態に係る可変容量形ポンプの制御部のブロック図である。本実施形態の制御部は、圧力操作量Puを入力し、圧力信号Pを出力するものであり、制御対象であるポンプP(s)と、実負荷部PL(s)が直結されている。また、制御部には、模擬回路PLm(s)とリミッタ7が実負荷部PL(s)に並列に接続されている。更に、実負荷部PL(s)の出力側のフィードバック要素には、低域遮断フィルター3が接続されている。
【0014】
低域遮断フィルター3は、圧力信号Pを入力し、圧力信号Pから高域ノイズを除去して出力するものである。
【0015】
模擬回路PLm(s)は、積分要素を含む回路である。即ち、PLm(s)は数1の式で表される。
【0016】
【数1】
PLm(s)=K/s (K:定数)
【0017】
従って、模擬回路の出力が、実圧力検出器の出力である圧力信号と一致する場合には、模擬回路の入力信号は、圧力の微分信号に等しいことになり、擬似的に圧力微分によるフィードバックが可能となる。
【0018】
模擬回路PLm(s)へは、実流量検出器(図示せず)の出力信号Q(流量信号)から流量外乱を擬似的に除去するため、流量信号Qから後述する外乱信号d2を減じた信号が入力される。そして、模擬回路PLm(s)からの出力信号P1と、低域遮断フィルター3を通して出力された実圧力検出器からの圧力信号Pとの差から外乱信号d1が生成される。
【0019】
即ち、本実施形態の制御部では、実際の圧力Pと模擬回路PLm(s)の出力P1の差を圧力制御系の外乱成分と擬似的にみなしている。ここで、図2(a)は、流量外乱が存在する場合の圧力信号Pと模擬回路の出力信号P1の遷移を示した図であり、図2(b)が、圧力信号Pと出力信号P1の差から生成した外乱信号d1の遷移を示した図である。このように生成された外乱信号d1がリミッタ7に入力される。
【0020】
リミッタ7は、ダイオード回路で構成され、外乱信号d1に負極性成分が含まれる場合、この負極性成分を除去して外乱信号d2として出力する。即ち、圧力信号Pに対して模擬回路PLm(s)の出力信号P1の応答が遅延する場合、外乱成分d1は、図2(b)に示すように、負極性から正極性に変化する。リミッタ7は、外乱信号d1が負極性になった場合に、この成分を遮断して、圧力操作量にフィードバックする。これにより、過渡応答特性の前半を流量信号のみにより構成することが可能となる。従って、低域遮断フィルター3による圧力信号Pの位相遅れがあった場合でも、圧力操作量へのフィードバック量である疑似圧力微分信号P2の波形に対する影響を最小限に止めることができる。図3に、外乱信号d1に負極性成分が存在する場合におけて、該成分を除去して生成された疑似圧力微分信号P2の遷移図を一例として示す。
【0021】
実流量検出器(図示せず)からの流量信号Qからリミッタ7から出力された疑似外乱信号d2が減算され、この出力差信号が模擬回路PLm(s)への入力信号、即ち疑似圧力微分信号P2となる。そして、この疑似圧力微分信号P2は、圧力操作量Puに対しフィードバックされる。
【0022】
このように本実施形態の可変容量形ポンプの制御部では、模擬回路PLm(s)を設け、この模擬回路の出力信号P1と実圧力検出器からの圧力信号Pとから擬似的に外乱信号d1、d2を生成し、これを利用して疑似圧力微分信号P2を生成して圧力操作量Puにフィードバックしているので、吐出流量が外乱となって圧力制御系に影響を与えることを回避でき、安定性を向上させることができる。
【0023】
【発明の効果】
以上説明したとおり、本発明は、圧力制御系の模擬負荷特性を有する模擬回路と、前記模擬回路の出力とフィルターの出力との差をとって外乱信号を生成する外乱信号生成手段と、実流量検出器の出力信号と前記リミッタの出力との差をとって、この出力差信号を前記模擬回路に入力する入力手段とを備え、前記出力差信号を圧力操作量に減算信号として加えることにより圧力制御系をフィードバック制御しているため、作動油の吐出流量が外乱となって圧力制御系に影響を与えることを回避でき、安定性を向上させることができるという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態に係る可変容量形ポンプ制御部の制御ブロック図である。
【図2】本実施形態に係る可変容量形ポンプ制御部における流量外乱が存在する場合の圧力信号Pと模擬回路の出力信号P1の状態遷移図である。図2(a)は、圧力信号Pと模擬回路の出力信号P1の状態遷移図であり、図2(b)は、圧力信号Pと出力信号P1の差から生成した外乱信号d1の状態遷移図である。
【図3】本実施形態に係る可変容量形ポンプ制御部における流量信号、疑似外乱信号及び疑似圧力微分信号の状態遷移図である。図3(a)は、流量信号と疑似外乱信号の状態遷移図であい、図3(b)は、疑似圧力微分信号の状態遷移図である。
【符号の説明】
1:斜板制御ループ(流量制御ループ)
3:低域遮断フィルター
5:外乱信号生成部
7:リミッタ
9:出力差信号入力部
Pu:圧力操作量
Q:流量信号
P(s):可変容量形ポンプ
PL(s):実負荷
PLm(s):模擬回路
P:圧力信号
P1:模擬回路の出力信号
P2:疑似圧力微分信号
d1、d2:疑似外乱信号
Claims (2)
- 電気的な圧力操作量に応じて比例電磁弁を用いた電気−油圧制御によりポンプの斜板角度を変化させることによりポンプ吐出口から負荷へ供給される作動油の圧力と流量を電気的に閉ループ制御する制御手段を備えた可変容量形ポンプにおいて、
前記制御手段が、
圧力制御系の模擬負荷特性を有する模擬回路と、
ポンプ吐出口に接続された実負荷部における作動油の圧力を検出する実圧力検出器と、
ポンプ吐出口から実負荷部へ供給される作動油の流量を検出する実流量検出器と、
前記実圧力検出器の出力信号から高圧ノイズ成分を除去した信号を生じるフィルターと、
前記模擬回路の出力とフィルターの出力との差をとって外乱信号を生成する外乱信号生成手段と、
外乱信号の負極性成分を一定値に飽和させるリミッタと、
前記実流量検出器の出力信号と前記リミッタの出力との差をとって、この出力差信号を前記模擬回路に入力する入力手段と、を備え、
前記出力差信号を圧力操作量に減算信号として加えることを特徴とする可変容量形ポンプ。 - 前記模擬回路が、積分要素を含む回路からなることを特徴とする請求項1に記載の可変容量形ポンプ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10777198A JP3830116B2 (ja) | 1998-04-17 | 1998-04-17 | 可変容量形ポンプ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10777198A JP3830116B2 (ja) | 1998-04-17 | 1998-04-17 | 可変容量形ポンプ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH11303760A JPH11303760A (ja) | 1999-11-02 |
JP3830116B2 true JP3830116B2 (ja) | 2006-10-04 |
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ID=14467605
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10777198A Expired - Lifetime JP3830116B2 (ja) | 1998-04-17 | 1998-04-17 | 可変容量形ポンプ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3830116B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
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---|---|---|---|---|
KR101056135B1 (ko) * | 2004-03-26 | 2011-08-10 | 히다치 겡키 가부시키 가이샤 | 경전제어방법, 경전제어장치, 경전제어프로그램을 기록한 컴퓨터로 판독가능한 기록매체 및 건설기계 |
-
1998
- 1998-04-17 JP JP10777198A patent/JP3830116B2/ja not_active Expired - Lifetime
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH11303760A (ja) | 1999-11-02 |
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