JP3829623B2 - リポ蛋白中のコレステロールの定量方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、分画操作をしないで各リポ蛋白、例えば、高密度リポ蛋白、低密度リポ蛋白、および超低密度リポ蛋白の各々の中のコレステロールを個別に定量する方法に関する。特に、臨床診断の分野において脂質代謝の面で重要なリポ蛋白中のコレステロールの定量方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
高密度リポ蛋白(HDL)は抗動脈硬化作用をもつリポ蛋白として注目されるようになり、低密度リポ蛋白(LDL)は末梢細胞にコレステロールを供給する役割を有するとされ、冠動脈硬化症をはじめとする各種動脈硬化症の直接的因子であり、その血中レベルは動脈硬化性疾患の指標となることが知られている。また超低密度リポ蛋白(VLDL)も動脈硬化との関連性が注目されている。
従来のHDLコレステロールの定量方法としては、超遠心法、電気泳動法、換算法などがあり、VLDLコレステロールの定量方法としては、超遠心法、電気泳動法がある。超遠心法は基本的定量法として知られており、分離用超遠心器で比重の差によってHDL、LDL、あるいはVLDLを分離し、そのコレステロール量を測定する(アドバンスト リピッド リサーチ、第6巻、1頁、1968年)。
しかしながら、定量法、簡便性、経済性等の面で欠点がある。電気泳動法を用いる場合には、セルロースアセテート膜やアガロースゲルなどを支持体として分離しコレステロールを定量する。しかし、これらの定量法は、多数検体処理、迅速定量および臨床検査の分野で多く使用されている自動分析装置には不向きである。
【0003】
HDL-コレステロール測定法は超遠心法が源法であり、福祉・医療技術振興会SRセンター等での測定が標準法となっている。しかし、一般には標準方法として、アメリカNCEPと関連して、CDC法(超遠心と沈殿法を併用した方法で、HDLおよびLDL-コレステロール測定のリファレンス法)が臨床診断検査の該測定項目での基準となっている。しかしながら、このCDC法も超遠心法と沈殿法を併用した方法であることから、自動分析装置を用いるような実用的な方法ではない。前記したような簡便さとCDC法との相関性を兼ね備えたような各種方法が検討されている。NCEPからは±5%以内のバイアスに収まることが要望されているように、CDC法と高い相関性を有することと、実用上、自動分析装置での測定で容易に測定値を得ることが求められている。(CDC法については「臨床検査法提要(改訂第31版)567頁、金井編、金原出版(1998年)」参照。)
【0004】
最近、リポ蛋白のコレステロールを直接測定する方法として、デキストラン硫酸等のポリカチオン単独や、2価のカチオンとの組合せによる凝集剤を用いる方法(特開平6−242110号公報、特開平8−131197号公報)、界面活性剤を用いる方法(特開昭62−6999号公報、特開昭58−165800号公報)、蛋白質可溶化剤と硫酸化多糖類を組み合わせる方法(国際公開WO96/29599号、特開平7−301636号公報)等が開示されている。前記のいずれの方法も、リポ蛋白中の特定のリポ蛋白、実質的には主としてHDL以外のリポ蛋白のみを反応系より除き、HDL中のコレステロールを選択的に定量するための方法が考案されている。
しかし、前記のいずれの系もトリグリセライド(TG)、M蛋白の高い試料中のリポ蛋白中のコレステロール量測定を正確に行うことはできないなど問題があった。
そこでリン化合物を用いる方法(特開2000−116400号公報)により、リン酸無機塩を上記従来の測定系などに添加することによってM蛋白質を可溶化し、溶液の濁りを抑制するなどによってより精度良く、測定感度を増すことが行われている。また、前記の開示された技術では、前記の多糖類の硫酸無機塩の改良法として、多糖類など有機物のリン酸無機塩を蛋白可溶化剤である界面活性剤との組合せる方法が開示されているが、特にCDC法などのリファレンス法との相関性について十分ではなく、例えば、前記の技術では、再現試験を行ったところ相関性は0.98以下であり必ずしも十分でない。さらに、系がより多数成分の混合系になっており、簡便さの点でも再現性の面でも問題となりつつあり、成分の単純化が求められてきているのが現状である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、試料中の各リポ蛋白中のコレステロールを分画操作することなく、上記従来の技術よりも、簡便に直接定量測定する方法において、相関性に優れ、添加剤の配合系が簡単であるコレステロールの測定方法を提供することにある。特に基準であるCDC法と相関性に優れ、信頼性に優れた測定値を得られるコレステロールの測定方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、前記の問題点に鑑み、鋭意検討した結果、HDL、LDL、VLDLおよびカイロミクロン(CM)を含有する試料のコレステロールの測定において、特定のリン脂質類似基を有する化合物を測定試薬と共存させて超遠心で分画したHDL、LDL、VLDLおよびCMである各リポ蛋白を用いて測定したところ、HDL、LDL、VLDLおよびCM中に含まれる各コレステロールの反応性が異なることを見いだし、本発明を完成した。すなわち本発明は、次の[1]〜[8]である。
【0007】
[1] カイロミクロン、高密度リポ蛋白、低密度リポ蛋白、超低密度リポ蛋白のいずれか1種以上を含む試料中のコレステロール量を直接、選択的に測定する方法において、式(2)で示される単量体を構成成分とする重合体を用いることを特徴とするコレステロールの定量方法。
【化3】
{式中、Xは2価の有機残基、Yは炭素数1〜6のアルキレンオキシド基、Zは水素原子もしくは、R 5 −O−(C=O)−、(ただし、R 5 は炭素数1〜10のアルキル基または炭素数1〜10のヒドロキシアルキル基を示す)を示す。またR 4 は水素原子もしくはメチル基を示す。また、R 1 、R 2 、R 3 は同一または異なる基で、水素原子または炭素数1〜6のアルキル基またはヒドロキシアルキル基を示し、mは0または1、nは1〜4の整数を示す。}
【0008】
[2] カイロミクロン、高密度リポ蛋白、低密度リポ蛋白、超低密度リポ蛋白のいずれか1種以上を含む試料中のコレステロール量を直接、選択的に測定する方法において、
式(2)で示される単量体を構成成分とする重合体と蛋白可溶化剤を用いることを特徴とするコレステロールの定量方法。
【化4】
{式中、Xは2価の有機残基、Yは炭素数1〜6のアルキレンオキシド基、Zは水素原子もしくは、R 5 −O−(C=O)−、(ただし、R 5 は炭素数1〜10のアルキル基または炭素数1〜10のヒドロキシアルキル基を示す)を示す。またR 4 は水素原子もしくはメチル基を示す。また、R 1 、R 2 、R 3 は同一または異なる基で、水素原子または炭素数1〜6のアルキル基またはヒドロキシアルキル基を示し、mは0または1、nは1〜4の整数を示す。}
【0016】
[3] 蛋白可溶化剤がアニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤またはノニオン系界面活性剤である前記の[2]に記載のコレステロールの定量方法。
【0017】
[4] 試料にコレステロールエステル加水分解酵素とコレステロール酸化酵素またはコレステロール脱水素酵素を作用させ、生成する過酸化水素または還元型補酵素を定量することからなるコレステロール量を測定する方法において、使用する各々の酵素が化学修飾されていないことを特徴とする前記の[1]〜[3]に記載のコレステロールの定量方法。
【0018】
[5] 試料にコレステロールエステル加水分解酵素とコレステロール酸化酵素またはコレステロール脱水素酵素を作用させ、生成する過酸化水素または還元型補酵素を定量することからなるコレステロール量を測定する方法において、使用する各々の酵素が化学修飾されていることを特徴とする前記の[1]〜[3]に記載のコレステロールの定量方法。
【0019】
[6] コレステロール量を測定する際に1〜3価の金属塩を存在させることを特徴とする前記の[1]〜[5]に記載のコレステロールの定量方法。
【0020】
[7] コレステロール量を測定する際に糖化合物を存在させることを特徴とする前記の[1]〜[6]に記載のコレステロールの定量方法。
【0021】
[8] ノニオン系界面活性剤が、ポリエチレンオキシド誘導体、ポリプロピレンオキシド誘導体、ポリ(エチレンオキシド−プロピレンオキシド)ブロック誘導体である前記の[3]〜[7]に記載のコレステロールの定量方法。
【0022】
【発明実施の形態】
本発明は、カイロミクロン、高密度リポ蛋白、低密度リポ蛋白、超低密度リポ蛋白のいずれか1種以上を含む試料中のコレステロール量を直接、選択的に測定する方法において、リン脂質またはリン脂質類似基含有化合物を用いることを特徴とするコレステロールの定量方法である。
特に、リン脂質、リン脂質類似基を含有する化合物の存在下、試料中のHDL−コレステロール、LDL−コレステロール、VLDL−コレステロールまたはCM−コレステロールの定量方法である。
本発明で用いるカイロミクロン(CM)、高密度リポ蛋白(HDL)、低密度リポ蛋白(LDL)、超低密度リポ蛋白(VLDL)の少なくとも1種または2種以上を含むコレステロールを含有する試料としては、例えば、血清、尿等が挙げられる。
リポ蛋白を含む試料としては、リポ蛋白が血清中に存在するので、前記の血清や、血液の成分を一部分画して取り出したものが試料として好ましく挙げられる。
【0023】
本発明に用いるリン脂質としては、例えば具体的には、ホスファチジルコリン、ホスファチジルイノシトール、ホスファチジルセリン等が挙げられる。
また、本発明に用いるリン脂質類似基含有化合物としては、前記のリン脂質の極性基を有する化合物が挙げられ、特にホスホリルコリン基、ホスホリルイノシトール基、ホスホリルセリン基等を有する化合物が挙げられる。
またさらに、本発明で用いるリン脂質類似基を含有する化合物(以下PC重合体と略す)としては、下記式(1)
【0024】
【化5】
【0025】
で示される基を含有する化合物が好ましく挙げられる。
ここで、R1、R2、R3は同一または異なる基で、水素原子または炭素数1〜6のアルキル基またはヒドロキシアルキル基を示し、nは1〜4の整数を示す。
前記のR1、R2、R3が炭素数7以上のアルキル基またはヒドロキシアルキル基の場合およびnが5以上の整数の場合は、合成が困難なので好ましくない。
【0026】
また、さらにリン脂質類似基含有化合物は、式(2)
【0027】
【化6】
【0028】
で示される単量体(PC単量体と略す)を構成成分とする重合体がより好ましく挙げられる。
ここで、Xは2価の有機残基、Yは炭素数1〜6のアルキレンオキシ基、Zは水素原子もしくは、R5−O−(C=O)−、(ただし、R5は炭素数1〜10のアルキル基または炭素数1〜10のヒドロキシアルキル基を示す)を示す。またR4は水素原子もしくはメチル基、R1、R2、R3は同一または異なる基で、水素原子または炭素数1〜6のアルキル基またはヒドロキシアルキル基を示し、mは0または1、nは1〜4の整数を示す、
【0029】
式(1)中のXの2価の有機残基としては、例えば、−C6H4−、−C6H10−、−(C=O)−O−、−O−、−CH2−O−、−(C=O)NH−、−O−(C=O)−、−O−(C=O)−O−、−C6H4−O−、−C6H4−CH2−O−、−C6H4−(C=O)−O−等の基が挙げられる。
【0030】
式(1)のYは、炭素数1〜6のアルキレンオキシ基であり、例えば、メチレンオキシ基、エチレンオキシ基、プロピレンオキシ基、ブチレンオキシ基、ペンチレンオキシ基、ヘキシレンオキシ基等の基が挙げられる。
【0031】
式(1)中のZは、水素原子もしくはR5−O−(C=O)−基を示す。ただし、R5は炭素数1〜10のアルキル基または炭素数1〜10のヒドロキシアルキル基を示す。
ここで、炭素数1〜10のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等が挙げられる。
【0032】
また、炭素数1〜10のヒドロキシアルキル基としては、例えば、ヒドロキシメチル基、2−ヒドロキシエチル基、3−ヒドロキシプロピル基、2−ヒドロキシプロピル基、4−ヒドロキシブチル基、2−ヒドロキシブチル基、5−ヒドロキシペンチル基、2−ヒドロキシペンチル基、6−ヒドロキシヘキシル基、2−ヒドロキシヘキシル基、7−ヒドロキシヘプチル基、2−ヒドロキシヘプチル基、8−ヒドロキシオクチル基、2−ヒドロキシオクチル基、9−ヒドロキシノニル基、2−ヒドロキシノニル基、10−ヒドロキシデシル基、2−ヒドロキシデシル基等が挙げられる。
【0033】
前記の式(2)で示されるPC単量体の具体例としては、例えば、2−((メタ)アクリロイルオキシ)エチル−2’−(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート、3−((メタ)アクリオイルオキシ)プロピル−2’−(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート、4−((メタ)アクリオイルオキシ)ブチル−2’−(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート、5−((メタ)アクリオイルオキシ)ペンチル−2’−(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート、6−((メタ)アクリオイルオキシ)ヘキシル−2’−(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート、
2−((メタ)アクリオイルオキシ)エチル−2’−(トリエチルアンモニオ)エチルホスフェート、2−((メタ)アクリオイルオキシ)エチル−2’−(トリプロピルアンモニオ)エチルホスフェート、2−((メタ)アクリオイルオキシ)エチル−2’−(トリブチルアンモニオ)エチルホスフェート、2−((メタ)アクリオイルオキシ)エチル−2’−(トリシクロヘキシルアンモニオ)エチルホスフェート、2−((メタ)アクリオイルオキシ)エチル−2’−(トリフェニルアンモニオ)エチルホスフェート、
2−((メタ)アクリオイルオキシ)エチル−2’−(トリメタノールアンモニオ)エチルホスフェート、2−((メタ)アクリオイルオキシ)プロピル−2’−(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート、2−((メタ)アクリオイルオキシ)ブチル−2’−(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート、2−((メタ)アクリオイルオキシ)ペンチル−2’(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート、2−((メタ)アクリオイルオキシ)ヘキシル−2’−(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート、
2−(ビニルオキシ)エチル−2’−(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート、2−(アリルオキシ)エチル−2’−(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート、2−(p−ビニルベンジルオキシ)エチル−2’−(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート、2−(p−ビニルベンゾイルオキシ)エチル−2’−(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート、2−(スチリルオキシ)エチル−2’−(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート、2−(p−ビニルベンジル)エチル−2’−(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート、2−(ビニルオキシカルボニル)エチル−2’−(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート、
2−(アリルオキシカルボニル)エチル−2’−(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート、2−(アクリロイルアミノ)エチル−2’−(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート、2−(ビニルカルボニルアミノ)エチル−2’−(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート、エチル−(2’−トリメチルアンモニオエチルホスホリルエチル)フマレート、ブチル−(2’−トリメチルアンモニオエチルホスホリルエチル)フマレート、ヒドロキシエチル−(2’−トリメチルアンモニオエチルホスホリルエチル)フマレート、
エチル−(2’−トリメチルアンモニオエチルホスホリルエチル)マレート、ブチル−(2’−トリメチルアンモニオエチルホスホリルエチル)マレート、
ヒドロキシエチル−(2‘−トリメチルアンモニオエチルホスホリルエチル)マレート等を挙げることができる。
【0034】
この中でも2−((メタ)アクリロイルオキシ)エチル−2’−(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェートが好ましく、さらに2−(メタクリロイルオキシ)エチル−2’−(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート(=2−(メタクリロイルオキシ)エチルホスホリルコリンともいう、以下、MPCと略す)が入手性等の点でより好ましい。
【0035】
前記のPC重合体は、前記の式(2)で示されるPC単量体を含む単量体組成物を重合してなる重合体を主成分とするものが好ましい。PC単量体を含む単量体組成物は、PC単量体のみでもよいし、その他の重合可能な他の重合性単量体を含んでもよい。
さらに、前記のPC重合体は、具体的には、A成分としてPC単量体20〜100mol%と、B成分として疎水性単量体0〜80mol%とからなる単量体組成物を重合してなる重合体を好ましくは挙げることができる。より好ましくは、A成分としてPC単量体40〜80mol%と、B成分として疎水性単量体20〜60mol%とからなる単量体組成物である。
【0036】
B成分の疎水性単量体が80mol%より多いとホスホリルコリン類似基(以下、PC基と略す)の効果を発揮させるのが困難であるので好ましくない。
また更に、前記のPC重合体は、A成分としてPC単量体20〜100mol%と、B成分として疎水性単量体0〜40mol%および、C成分として親水性単量体0〜70mol%の単量体組成物を重合してなる重合体を好ましくは挙げることができる。より好ましくは、A成分としてPC単量体40〜80mol%、B成分として疎水性単量体10〜30mol%およびC成分として親水性単量体10〜60mol%の単量体組成物である。
A成分のPC単量体が20mol%未満では、PC基の効果を発揮させるのが困難であるので好ましくない。
【0037】
PC単量体を重合する際には、前記のPC単量体の1種を単独で、もしくは2種以上の混合物を用いることができる。
PC単量体は、公知の方法で製造できる。例えば、特開昭54−63025号公報、特開昭58−154591号公報等に示された公知の方法等に準じて製造することができる。
PC単量体と共重合するB成分の疎水性単量体は、式(3)
【0038】
【化7】
【0039】
{ただし、式中、L1は、−C6H4−、−C6H10−、−(C=O)−O−、−O−、−(C=O)NH−、−O−(C=O)−および−O−(C=O)−O−からなる群より選ばれる基を示し、L2は、水素原子、−(CH2)g−L3および−((CH2)p−O)h−L3から選ばれる疎水性官能基を示す。(g、hは1〜24、pは3〜5の整数を示し、L3は、水素原子、メチル基、−C6H5および−O−C6H5から選ばれる官能基を示す。)}
で表される単量体である。
【0040】
B成分の疎水性単量体としては、具体的に例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート等の直鎖または分岐アルキル(メタ)アクリレート;シクロヘキシル(メタ)アクリレート等の環状アルキル(メタ)アクリレート;ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート等の芳香環(メタ)アクリレート;ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート等のポリアルキレングリコール(メタ)アクリレート;スチレン、メチルスチレン、クロロメチルスチレン等のスチレン系単量体;メチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル等のビニルエーテル系単量体;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル系単量体等が挙げられる。これらの1種または2種以上が用いられる。
【0041】
C成分の親水性単量体は、例えば、ヒドロキシ基、カルボキシル基、ヒスホン基、スルホン基、アミド基、アミノ基、ジアルキルアミノ基、トリアルキルアミノ基、トリアルキルホスホニウム塩基およびポリオキシエチレン基からなる群より選ばれる親水性基を有する単量体である。
さらに、具体的には例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等の水酸基含有(メタ)アクリレート;アクリル酸、メタクリル酸等のカルボン酸;スチレンスルホン酸、(メタ)アクリロイルオキシホスホン酸、2−ヒドロキシ−3−(メタ)アクリルオキシプロピルトリメチルアンモニウムクロライド等のイオン性基含有単量体;(メタ)アクリルアミド、アミノエチルメタクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート等の含窒素単量体;ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの1種または2種以上が用いられる。
【0042】
PC重合体は、前記A成分のPC単量体とB成分の疎水性単量体との単量体組成物、あるいは、前記A成分のPC単量体とB成分の疎水性単量体およびC成分の親水性単量体との単量体組成物を重合したものであればよく、通常のラジカル共重合により製造することができる。
【0043】
PC重合体の分子量は、重量平均で、500〜5,000,000,000の範囲がよく、より望ましくは1,000〜1,000,000、さらに好ましくは10,000〜500,000の範囲である。
重合体の分子量が500未満では十分に生化学的反応を促進することが困難であり、重合体の分子量が5,000,000,000より大きいとPC重合体の水性溶液の粘性が高くなりすぎて生化学的反応を阻害するおそれがあるため好ましくない。
【0044】
本発明で用いる蛋白可溶化剤としては、アニオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤等を用いることができる。
試料中のHDL、LDL、VLDLまたはCM中の各コレステロールのうちどの量を測定するかによって蛋白可溶化剤の種類と濃度、あるいは蛋白可溶化剤の数種類の組合せと各々の濃度の組合せを選択すればよい。例えば、試料中のHDL中のコレステロールを測定する場合はノニオン系界面活性剤のポリ(エチレンオキシド−プロピレンオキシド)ブロック誘導体系が望ましく、試料中のLDL中のコレステロールを測定する場合はノニオン系界面活性剤のポリエチレンオキシド誘導体とノニオン系界面活性剤のポリ(エチレンオキシド−プロピレンオキシド)誘導体が好ましい。
【0045】
本発明で用いる金属塩としては、例えば、マグネシウム塩、カルシウム塩、マンガン塩、コバルト塩等が挙げられる。それらの塩の使用量としては、例えば0.001〜50モルが挙げられる。
【0046】
本発明のコレステロールの定量方法は、リン脂質またはリン脂質極性基あるいはリン脂質極性類似基を有する化合物、すなわち特にホスホリルコリン基、ホスホリルイノシトール基、ホスホリルセリン基あるいは各々の類似基を1種以上有する1種以上の化合物、および/または蛋白可溶化剤をリポ蛋白中のコレステロールを測定する試薬中に共存させて直接リポ蛋白中のコレステロールを分別定量する方法であり、コレステロール測定系は酵素的測定系であればいずれの方法でも可能である。
本発明において、コレステロールの測定系自体は既に知られている下記式(4)の反応原理に基づく一般法に従うものである。
【0047】
【化8】
【0048】
ここで、色素源としては、例えば、一般に用いられる4−アミノアンチピリンとフェノール類との組合せの他、4−アミノアンチピリンとトリンダー試薬として知られている以下の試薬、N−スルホプロピルアニリン、N-エチル-N-(2-ヒドロキシ-3-スルホプロピル)-m-トルイジン(TOOS)、N-エチル-N-(2-ヒドロキシ-3-スルホプロピル)-3,5-ジメチルアニリン(MAOS)、N-(2-ヒドロキシ-3-スルホプロピル)-3,5-ジメトキシアニリン(HDAOS)、N-エチル-N-スルホプロピル-m-トルイジン(TOPS)などのアニリン類、あるいはN-エチル-N-(3-メチルフェニル)-N’-サクシニルエチレンジアミン(EMSE)などとの組合せが使用できる。
色素源としては、前記の化合物に限定されるものではない。また用いる色素源に最適の測定波長を用いるものとする。
【0049】
ここで、使用する酵素としては、例えば、コレステロールエステル加水分解酵素、コレステロール酸化酵素あるいはコレステロール脱水素酵素として市販されている、微生物または動物由来のコレステロールエステラーゼやリポプロテインリパーゼ、微生物由来のコレステロールオキシダーゼ、微生物または動物由来のコレステロールデヒドロゲナーゼなどが挙げられる。
【0050】
さらに、前記の酵素の特異性、安定性をさらに上げるためにポリエチレングリコールを主成分をする基、水溶性オリゴ糖残基、スルホプロピル基などで上記の酵素を化学的に修飾したものを用いてもよい。
酵素を修飾するための修飾剤としては、ポリエチレングリコールにアミノ基と結合可能な官能基または分子団を結合させた化合物、例えば、ポリエチレングリコールにN-ヒドロキシサクシンイミド基を結合させたサンブライトVFM4101(日本油脂社製)や、ポリアルキレングリコールに酸無水物構造を結合させたサンブライトAKM(日本油脂社製)などのシリーズの各種の化合物が挙げられる。
【0051】
上記測定の際にはさらに特異性を上げるために蛋白可溶化剤、2価の金属塩、多糖リン酸塩、多糖硫酸塩を併用することもできる。
前記の蛋白可溶化剤、2価の金属塩または多糖リン酸塩、多糖硫酸塩を1種または2種以上を用いてもよい。
また本発明により、リン脂質またはリン脂質類似基を有する化合物単独、あるいは蛋白可溶化剤を併用することにより、これらを成分とするHDL、LDL、VLDLまたはCM中の各コレステロールの定量試薬をつくることができる。
【0052】
本発明のコレステロールの定量方法は、血液、尿などの試料中のリポ蛋白中コレステロールを分離することなく直接分別測定することができるので、自動分析が可能であり、試料を1度に多数検査するのに適している。
【0053】
【発明の効果】
本発明のコレステロールの定量方法は、リン化合物、特にリン脂質由来の極性基であるホスホリルコリン基、ホスホリルイノシトール基、ホスホリルセリン基のいずれかを含有する化合物または、リン脂質極性基の類似基を含有する化合物などを用いることにより、血液、尿などの体液試料に含まれるリポ蛋白中のコレステロールを分画しないで直接測定することができる優れたコレステロールの定量方法である。特に従来の超遠心法、分画法、CDC法と比べても遜色のない相関性を有する定量性に優れている。
本発明のコレステロールの定量方法は、同時にこれらリン脂質またはリン脂質極性基もしくはリン脂質極性類似基を有する化合物を加えることにより、測定容器、測定分析計に対して、酵素、蛋白質等の吸着を防止し、さらに酵素、蛋白質の安定化の効果もあることから相乗的な効果がある。
【0054】
【実施例】
次に本発明を具体例に基づいて更に詳細に説明する。
[実施例1]
本発明のPC重合体を用いるHDLコレステロールを直接定量する方法について、標準法として超遠心法、従来法(リンタングステン酸法)として分画法と比較して測定した結果を示す。
<試薬組成>
【0055】
本法では、血清試料6μLを、あらかじめ37℃で加温した第1試薬300μLに加え37℃で5分間加温し、得られた溶液の585nmにおける吸光度を測定した(E1)。次いで、あらかじめ37℃に加温した第2試薬100μLを添加撹拌し、5分後に同波長における吸光度を測定した(E2:濃度補正後の値)。HDLコレステロールの量は、HDLコレステロール 50mg/dLの標準液を用いて同様の操作を行い、(E2−E1)の値を比較することにより算出した。
測定操作は血清試料10検体につき行い、得られたコレステロール値について、本発明の方法と超遠心法の値との直線関係の相関係数を出し、同様に従来の分画法と超遠心法との相関係数との比較を行った。結果を表1に示す。
【0056】
表1に示したように、本発明の方法である実施例1の測定結果は、MPC重合体を加えることのみによって目的とするHDL中のコレステロールのみの測定が可能となったため、従来法である分画法に比べ、分画操作が不要で、簡便で自動分析装置への適用も容易であるため経済性に優れるとともに、源法である超遠心法との相関係数も高くより精密な診断判定が可能となった。
特に超遠心法に対して、分画法での相関係数が0.952に比べ、実施例1では相関係数が0.988とさらに相関性がよいことがわかる。
【0057】
[実施例2]
前記実施例1の第1試薬で使用するリン脂質極性類似基を有する化合物をイノシトールリン酸と蛋白可溶化剤に、および第2試薬で使用する酵素を修飾酵素に変更した下記の第1試薬および第2試薬を用いた以外は実施例1と同様にしてコレステロールの定量測定を行った。
【0058】
<試薬組成>
【0059】
実施例2では、それぞれの測定値は自動分析計で取得した結果を表2に示す。
【0060】
表2に示したように、本発明の方法である実施例2の測定結果は、従来の特許に記載の方法であるリン酸化多糖などの有機化合物のリン酸化無機塩が含まれる測定系中に本発明で規定する化合物を加えることによって目的とするHDL中のコレステロールのみの測定が、従来法である分画法に比べ分画操作が不要で、簡便で自動分析装置への適用も容易であるため経済性に優れるとともに、従来の特許に記載の方法に比べても、源法である超遠心法との相関係数も高くより精密な診断判定が可能であることが分かる。
特に超遠心法に対して、分画法での相関係数が0.972に比べ、実施例2では相関係数が0.983とさらに相関性がよいことがわかる。
【0061】
[実施例3]
リン脂質としてホスファチジルセリンを用いて、直接LDLコレステロールを定量する方法とCDC法とを比較した。
<試薬組成>
【0062】
実施例3では、血清試料6μLを、あらかじめ37℃で加温した第1試薬300μLに加え37℃で5分間加温し、得られた溶液の585nmにおける吸光度を測定した(E1)。次いで、あらかじめ37℃に加温した第2試薬100μLを添加撹拌し、5分後に同波長における吸光度を測定した(E2:濃度補正後の値)。LDL-コレステロールの量は、LDL-コレステロール 200μg/dLの標準液を用いて同様の操作を行い、(E2−E1)の値を比較することにより算出した。
その結果を表3に示す。
【0063】
表3に示したように、本発明の方法である実施例3の測定結果は、従来の特許に記載の方法であるリン酸化多糖などの有機化合物のリン酸化無機塩が含まれる測定系中に本発明で規定する化合物を加えることによって目的とするLDL中のコレステロールのみの測定が、従来法である分画法に比べ分画操作が不要で、簡便で自動分析装置への適用も容易であるため経済性に優れるとともに、従来の特許に記載の方法に比べても、標準法であるCDC法との相関係数も高くより精密な診断判定が可能となった。
特に超遠心法に対して、公知の方法(例えば特開2000−116400号公報)に準じて比較試験を行った。その結果、相関係数が0.979に比べ、実施例3では相関係数が0.989とさらに相関性がよいことがわかる。
【0064】
[実施例4]
実施例1の第1試薬で用いた参考例1のポリマーの代わりに後記参考例3および第2試薬で用いた蛋白可溶化剤のポリオキシエチレンモノラウレートの代わりにポリオキシエチレン誘導体(ポリオキシエチレンアルキルエーテル)を用いた以外は実施例3と同様の操作を行い血清試料5検体につき、測定値の比較を行った。
結果を表4に示す。
<試薬組成>
注1)エマルゲンL−40(花王 商品名、ポリオキシエチレンアルキルエーテル)を用いた。
【0065】
【0066】
表4に示したように、本発明の方法である実施例4の測定結果は、従来の特許に記載の方法であるリン酸化多糖などの有機化合物のリン酸化無機塩が含まれる測定系中に本発明で規定する化合物を加えることによって目的とするLDL中のコレステロールのみの測定が、従来法である分画法に比べ分画操作が不要で、簡便で自動分析装置への適用も容易であるため経済性に優れるとともに、公知の特許に記載の方法に比べても、標準法であるCDC法との相関係数も高くより精密な診断判定が可能となった。
特に超遠心法に対して、公知の方法(例えば特開2000−116400号公報の方法)での相関係数が0.976に比べ、実施例4では相関係数が0.992とさらに相関性がよいことがわかる。
【0067】
[実施例5]
実施例5では、実施例3のPC重合体の代わりに後記の参考例4で製造したポリマーを使用し、蛋白可溶化剤をポリ(エチレンオキシド−プロピレンオキシド)ブロック誘導体(BASF社製、商品名 プルロニックL−122)に変更し、発色剤を4−アミノアンチピリンにした以外は、実施例3と同様の操作を行い血清試料5検体につき、CDC法との測定値の比較を行った。結果を表5に示す。
<試薬組成>
注)用いた化合物は次のものを示す。
プルロニックL−122;(PEO-PPO block polymer、HLB=4.0)、BASF Wyandotte Corp.、
エマルゲンL−40;Emulgen(PEO-alkyl ether)、Kao Corp.、
ナイミンS−220;ジエチレングリコールステアリルアミン、日本油脂社製、商品名。
【0068】
【0069】
表5に示したように、本発明の方法である実施例5の測定結果は、従来の特許に記載の方法であるリン酸化多糖などの有機化合物のリン酸化無機塩が含まれる測定系中に本発明で規定する化合物を加えることによって目的とするLDL中のコレステロールのみの測定が、従来法である分画法に比べ分画操作が不要で、簡便で自動分析装置への適用も容易であるため経済性に優れるとともに、従来の特許に記載の方法に比べても、標準法であるCDC法との相関係数も高くより精密な診断判定が可能となった。
特に超遠心法に対して、前記と同様に従来特許の方法の相関係数が0.974に比べ、実施例5では相関係数が0.991とさらに相関性がよいことがわかる。
【0070】
なお前記の用いた試料は次の方法により得たものである。
参考例1;実施例1に用いたPC重合体の合成;
MPC5.4g、メタクリル酸3.71g、開始剤であるパーロイル−SA(日本油脂社製)0.351g、重合溶媒として42.919gの蒸留水を重合管にとり均一に溶解した。この溶液にアルゴンガスを10分間吹き込み封管した後70℃で6時間重合した。反応終了後室温に冷却し重合管を開封し、次いで溶液を透析膜(スペクトラム・メディカル・インダストリー社製「Spectrum/por membranes Mw CO, 6000〜8000」)に挿入し、重合溶液の10倍量の蒸留水を用いて透析操作を行った。1回/日の間隔で蒸留水の交換を7日間行い、未反応モノマーなどを除去し精製を行った。GPC測定で得られた共重合体の分子量とH-NMR測定よりもとめた共重合体組成比の結果を下記した。
MPC/メタクリル酸=3.8/6.1(モル比)
分子量Mn=133000
Mw=286000
【0071】
参考例2;実施例2で用いた修飾酵素の調製;
なお、実施例2で用いた修飾酵素は、コレステロールエステラーゼおよびコレステロールオキシターゼの酵素の修飾したもので、具体的には、各々酵素を0.1M(pH8.0)のグッド緩衝液で50g/Lになるように溶解し、次いでサンブライトVFM4101(日本油脂社製)を0.15g/酵素1gになるように添加後10〜20℃で12時間放置し、ポリエチレングリコールで修飾した各々酵素を調製した。この反応液をそのまま使用した。
【0072】
参考例3;実施例4に用いたPC重合体の合成
MPC318.6g、メタクリル酸ステアリル41.4g、開始剤であるt−ブチルパーオキシネオデカエート7.81g、重合溶媒として1440gのエタノールを四つ口フラスコにとり均一に溶解した。この溶液に窒素ガスを30分間吹き込んだ後50℃で3時間重合し、つづいて60℃に昇温し更に2時間重合した。反応終了後室温に冷却し、得られた重合液を採取してGPCで重合反応率と分子量を測定した。その結果重合反応率は98.7%、重量平均分子量は140000であった。重合液を8Lのジエチルエーテル中に撹拌しながら滴下し、析出した沈殿を濾過し、さらに48時間室温で真空乾燥してポリマー粉末を調製した。得られたポリマー粉末を1Lの蒸留水に溶解し、分画分子量3500の透析膜(スペクトラポア社製)に仕込み、10Lの蒸留水中に浸漬した。透析液を3回/日の間隔で交換し、計96時間処理を行い、未反応モノマーなどを除去し精製を行った。H-NMR測定から求めた共重合体組成比の結果を下記した。
MPC/メタクリル酸=9.0/1.0(モル比)
【0073】
参考例4;実施例5で用いたPC重合体の合成
MPC600g、重合溶媒として900gの蒸留水を四つ口フラスコにとり均一に溶解した。この溶液に窒素ガスを30分間吹き込んだ後、60℃に保持して開始剤であるサクシニルパーオキシド11.7gを加え6時間重合した。反応終了後室温に冷却し、得られた重合液を採取してGPCで重合反応率と分子量を測定した。その結果重合反応率は95.3%、重量平均分子量は1030000であった。重合液をイオン交換水1500mLで希釈し、分画分子量12000の透析膜(スペクトラポア社製)に仕込み、15Lの蒸留水中に浸漬した。透析液を3回/日の間隔で交換し、計96時間処理を行い、未反応モノマーなどを除去し精製を行った。
Claims (8)
- カイロミクロン、高密度リポ蛋白、低密度リポ蛋白、超低密度リポ蛋白のいずれか1種以上を含む試料中のコレステロール量を直接、選択的に測定する方法において、
式(2)で示される単量体を構成成分とする重合体を用いることを特徴とするコレステロールの定量方法。
- カイロミクロン、高密度リポ蛋白、低密度リポ蛋白、超低密度リポ蛋白のいずれか1種以上を含む試料中のコレステロール量を直接、選択的に測定する方法において、
式(2)で示される単量体を構成成分とする重合体と蛋白可溶化剤を用いることを特徴とするコレステロールの定量方法。
- 蛋白可溶化剤がアニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤またはノニオン系界面活性剤である請求項2に記載のコレステロールの定量方法。
- 試料にコレステロールエステル加水分解酵素とコレステロール酸化酵素またはコレステロール脱水素酵素を作用させ、生成する過酸化水素または還元型補酵素を定量することからなるコレステロール量を測定する方法において、使用する各々の酵素が化学修飾されていないことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のコレステロールの定量方法。
- 試料にコレステロールエステル加水分解酵素とコレステロール酸化酵素またはコレステロール脱水素酵素を作用させ、生成する過酸化水素または還元型補酵素を定量することからなるコレステロール量を測定する方法において、使用する各々の酵素が化学修飾されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のコレステロールの定量方法。
- コレステロール量を測定する際に1〜3価の金属塩を存在させることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のコレステロールの定量方法。
- コレステロール量を測定する際に糖化合物を存在させることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のコレステロールの定量方法。
- ノニオン系界面活性剤が、ポリエチレンオキシド誘導体、ポリプロピレンオキシド誘導体、ポリ(エチレンオキシド−プロピレンオキシド)ブロック誘導体である請求項3〜7のいずれか1項に記載のコレステロールの定量方法。
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