JP3829108B2 - カードコネクタ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、カードコネクタ、特に、異種サイズの2種又はそれより多い多種のカードを同一の挿入口(スロット)から挿入することができるようになっているカードコネクタに関する。
【0002】
【従来の技術】
ボディのカード挿入空間にカードを挿入すると、前進方向に常時弾発付勢されている可動体がそのカードと押し合いながら押し込まれて後退し、その可動体が所定の押込位置で位置固定(ロック)され、それによってカードのセット位置が適正に規制されるようになっているカードコネクタが従来より知られている。
【0003】
一方、近時では、異種サイズの2種類のカードを同一の電気電子機器に使用することの要求があり、その要求に対処することのために従来より講じられていた対策は、それぞれのカードが個別に使用対象となっている2つのカードコネクタを電気電子機器に実装するという対策であった。また、1つのカードコネクタを電気電子機器に実装しておき、そのカードコネクタにアダプタを装着することによってもう1つのカードを使用できるようにするという対策も行われていた(従来例)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来例のうち、2つのカードコネクタを実装するものでは、カードコネクタのための広い実装スペースが必要になって電気電子機器の小形化薄形化といったコンパクト化が阻害されるという問題があり、また、アダプタを用いるものでは、使用するカードに応じてアダプタをカードコネクタに着脱する手間が必要であり、また、アダプタが余分に必要になってそれだけコスト高になるという問題があった。
【0005】
一方、従来例に対し、カード挿入空間を、横幅や厚さが異なる異種サイズの複数種類のカードを択一的に挿入することのできる大きさに定め、そのようなカード挿入空間に、異種サイズのカードのうちの任意の1枚のカードを挿入するという方法を採用すると、1つの挿入口を有するカードコネクタを異種サイズのカードに共用できるようになることが判っている。以下の説明では、このような異種サイズの複数種類のカードに共用されるカードコネクタを「共用型カードコネクタ」という場合がある。
【0006】
ところが、共用型カードコネクタでは、カード側の電極とカードコネクタ側の電極との位置関係が、複数種類のカードのうちのどのカードについても一定に定まるようにして電気的接続安定性を確保する必要が生じ、そのためには、複数種類のカードのうちのどのカードも、カード側の電極がカードコネクタ側の電極に確実に接触する位置に位置規制されるようになっていることが不可欠である。
【0007】
この要求に対処するには、カード挿入空間に挿入されたカードが、厚さ方向と横幅方向との両方向で位置決めされるようにする必要がある。その対策として、カードの厚さ方向及び横幅方向での適正位置を規定し、カード挿入空間内のカードを、ばね力により厚さ方向及び横幅方向に押圧して基準となる部位に押し当てることのできる構成を採用することが有効であり、そのためには、カード挿入空間を形成しているボディに、カードを厚さ方向に押圧するためのばね材と、カードを横幅方向に押圧するための別のばね材とを取り付け、それらのばね材によってカードを厚さ方向及び横幅方向に押圧してそれぞれの方向の基準となる部位に押し付けるようにすればよい。
【0008】
しかしながら、カードを厚さ方向に押圧するためのばね材と、カードを横幅方向に押圧するための別のばね材との2種類のばね材を用いると、それだけ部品点数が増えるため、コスト高になるだけばかりか、それらのばね材の組付けスペースをばね材ごとに確保することの必要から、この種のカードコネクタに要求されている小形化が阻害される。
【0009】
本発明は上記した従来例についての問題点や、共用型カードコネクタについての上述の状況に鑑みてなされたものである。
【0010】
すなわち、本発明は、異種サイズの複数種類のカードに共用できるものでありながら、カードをカード挿入空間内で厚さ方向及び横幅方向の適正位置に確実に位置決めするために必要となる部品構成を単純化して部品点数を抑え、それによってコスト高になることを可及的に抑制し、併せて、小形化薄形化が阻害されにくくなるカードコネクタを提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るカードコネクタは、ボディのカード挿入空間に挿入されてきたカードに押し込まれて後退する可動体が、上記カードと押し合うように前進方向に常時弾発付勢されてそのボディに取り付けられ、その可動体が所定の押込位置で位置固定されることによってカードのセット位置が規制されるようになっている。
【0012】
本発明において、上記カード挿入空間は、横幅及び厚さの異なる複数種類のカードを択一挿入可能である。また、複数種類の上記カードから選ばれた任意の1枚のカードを上記カード挿入空間で厚さ方向の適正位置に位置決めする厚さ方向位置決め手段と、複数種類の上記カードから選ばれた任意の1枚のカードを上記カード挿入空間で横幅方向の適正位置に位置決めする横幅方向位置決め手段とを備えていると共に、上記可動体に接触片が設けられて、その接触片が、上記各位置決め手段によって適正位置に位置決めされた上記カードの電極に接触するようになっている。
【0013】
この構成によると、カード挿入空間に挿入したカードで可動体を押し込んで後退させることによって可動体を所定の押込位置で位置固定させたときには、カードの厚さや横幅に関係なく、カードの電極が可動体に設けられている接触片と確実に接触して電気的接続安定性が確保される。加えて、接触片が、カードにより押し込まれて後退する可動体に設けられていることにより、長さの異なるカードであっても、そのカードの電極と接触片との電気的接続安定性を容易に確保することが可能である。
【0014】
本発明では、上記厚さ方向位置決め手段が、カードを厚さ方向に弾性で押圧する第1弾性体とその第1弾性体によって押圧されたカードを受け止める第1カード受部とでなり、上記横幅方向位置決め手段が、カードを横幅方向両側から弾性で押圧して挟み付ける第2弾性体でなり、上記第1弾性体と上記第2弾性体とが板ばね材で一体に形成されていると共に、上記第2弾性体が前後2箇所に自由端部を有する板バネ片で形成されている。
【0015】
この構成であると、厚さ方向位置決め手段を形成している第1弾性体と横幅方向位置決め手段を形成している第2弾性体とが、板ばね材という単一部品によって形成されるために部品構成が単純化されて部品点数が少なくて済む。そのため、既述したところの、カードを厚さ方向に押圧するためのばね材と、カードを横幅方向に押圧するための別のばね材との2種類のばね材を用いる場合に比べてコストダウンを図りやすくなり、併せて、カードコネクタ(共用型カードコネクタ)の小形化薄形化が阻害されにくくなる。
【0016】
本発明では、上記第1弾性体が、カード表面の横幅方向の片側縁部と他側縁部とを各別に押圧する片側及び他側の一対の第1板ばね片に分割されていると共に、上記第2弾性体が、カードの横幅方向の片側端面と他側端面とを各別に押圧する片側及び他側の一対の第2板ばね片に分割されていて、第1及び第2の各片側の板ばね片同士が一体に形成されて片側板ばねユニットを形成し、かつ、第1及び第2の各他側の板ばね片同士が一体に形成されて他側板ばねユニットを形成していることが望ましい。
【0017】
この発明によれば、厚さ方向の弾圧力を、カード表面の横幅方向での片側縁部と他側縁部とに均等に加えやすくなる。また、横幅方向の弾圧力を、カードの横幅方向での片側端面と他側端面とに均等に加えやすくなる。そのため、カードに横に並んだ複数の電極が備わっている場合に、それらの電極のそれぞれと可動体に設けられている接触片との接触圧(接点圧)が一様になりやすくなる。
【0018】
本発明では、上記片側板ばねユニット及び上記他側板ばねユニットのそれぞれは、第1板ばね片と第2板ばね片とが直角に屈曲された曲り部を備える連結片部に連設されていると共に、片側板ばねユニットの形状と他側板ばねユニットの形状とが対称であることが望ましく、これによれば、片側板ばねユニットを他側板ばねユニットとを製作しやすくなってそれだけコストダウンを図りやすくなる。しかも、片側板ばねユニットの形状と他側板ばねユニットの形状とが対称であると、上記した接点圧を一様に保ちやすくなるという利点もある。
【0019】
本発明では、片側及び他側の各板ばねユニットが、上記カード挿入空間の横幅方向両側に振り分けて対称位置に配備されていることが望ましい。これによっても、上記した接点圧を一様に保ちやすくなる。
【0020】
本発明では、上記ボディのカード挿入空間がこのボディの上面で開放し、そのカード挿入空間の開放した上面が、ボディに装着された板金製のカバーによって塞がれており、上記第1カード受部が、このカバーの内表面によって形成されている、という構成を採用することができる。これによれば、カードの厚さ方向位置決め手段としての役割を果たす板金製のカバーに、カードに帯電した静電気を逃がす作用や、ノイズ発生の原因を遮蔽する電磁シールド部材としての作用をも担わせることが可能になり、それらの各作用を果たす部材を別々に用いる場合に比べて部品点数が少なくて済み、そのことがコストダウンを図りやすくすることに役立つ。
【0021】
【発明の実施の形態】
この実施形態は、異種サイズの2種類のカードに共用されるカードコネクタについてのものであり、以下の説明ではこれをデュアル型カードコネクタということにする。
【0022】
図1は本発明の実施形態に係るデュアル型カードコネクタの外観斜視図、図2はカバー1を取り外した使用状態でのデュアル型カードコネクタの平面図、図3(A)は図2のIIIA部の拡大図、同(B)は同(A)のIIIB−IIIB線に沿う部分に相応する断面図、図4は板ばねユニット50の斜視図、図5は可動体20や接触片などを示した概略断面図、図6はカムユニット30の平面図、図7はカバー1を取り外した他の使用状態でのデュアル型カードコネクタの平面図である。
【0023】
図1のように、このデュアル型カードコネクタは、前後方向に長い平面視略矩形の合成樹脂一体成形体でなるボディ10の前端部にスロットとなる左右に長いスリット状の挿入口12があり、その後端に後壁部13がある。ボディ10は、ボディ10の上面で開放しているカード挿入空間S(図3(B)参照)を形成していて、そのカード挿入空間Sの開放した上面が、ボディ10に装着した板金製の導電性を有するカバー1によって塞がれている。また、図1、図2又は図7のように、ボディ10の底面14(図3(B)参照)と摺動して前後方向Dに移動可能なスライダとしてのアーム状の可動体20が、カード挿入空間Sを横切る姿勢で配備されている。
【0024】
図2のように、可動体20の横幅方向の一端部にカムユニット30が合成樹脂で一体成形されていて、このカムユニット30とボディ10の後壁部13の一端部に連設された壁部15との間にコイルばねでなるばね体16が介在され、このばね体16の弾発付勢力によって、カムユニット30及び可動体20が前進方向に常時弾発付勢されている。したがって、開口12からカード挿入空間SにカードCが挿入されてくると、そのカードCの先端が可動体20に突き当たってその可動体20と押し合いながらその可動体20を後退させる。また、図1のように、可動体20には多極を形成する所要数の接触片21…が横並び状態で保持されていて、これらの接触片21…が、カード挿入空間Sに挿入されてその先端が可動体20に突き当たったカードC(図2参照)の表面に形成されている複数の電極(不図示)に各別に接触するようになっている。さらに、図1又は図5に示したように、それぞれの接触片21…には、可動体20の後方へ突出された半田付け端子22…が各別に連設されていて、それらの半田付け端子22…が、上記後壁部13の下側に形成された開口(不図示)に前後方向移動自在に挿通された帯状のフレキシブル配線基板(以下「FPC」という)23の半田付け領域24に半田付けされている。上記後壁部13に形成された開口は、ボディ10が配線基板(不図示)に搭載されたときに、その配線基板と後壁部13との共働によってスリット状に形作られる。
【0025】
図6のように、カムユニット30は、前後方向に2つ並べて配備された第1及び第2の無端ループ形状のガイド溝を有するカムパターン31,32を有し、第1カムパターン31が第2カムパターン32の後方(カード挿入方向前方)に配備されている。
【0026】
第1カムパターン31のガイド溝33は前後方向に細長いハート形に形成されていて、往路終点と復路始点との一致点に凹み箇所を有し、その凹み箇所が段付状の立上り面で形成されたピン係止部35とされている。また、往路始点に復路終点が合流している。この第1カムパターン31のガイド溝33は、後述するガイドピン40の逆向き移動を阻止する機能を有し、かつ、上記ピン係止部35がガイドピン40を係止する作用を発揮する。第2カムパターン32のガイド溝34も第1カムパターン31のガイド溝33と同様に前後方向に細長いハート形に形成されていて、往路終点と復路始点との一致点に凹み箇所を有し、その凹み箇所1が段付状の立上り面で形成されたピン係止部36とされている。また、ガイド溝34の往路始点と復路終点とは、第1カムパターン31のガイド溝33の往路始点と復路終点とに一致している。この第2カムパターン32のガイド溝34も、後述するガイドピン40の逆向き移動を阻止する機能を有し、かつ、上記ピン係止部35がガイドピン40を係止する作用を発揮する。なお、カムユニット30の構成自体は本発明の範囲外であるため、その詳細説明は省略する。
【0027】
上記カムユニット30の相手方部材としてのガイドピン40は、図2で類推できるように、その基部にボディ10の前端部17に左右方向回動自在に支持された支軸部41を有し、その先端42が屈曲されてカムユニット30のカム溝33,34に相対摺動可能に係合されている(図2、図6又は図7参照)。
【0028】
ボディ10のカード挿入空間Sの横幅方向両側の対称位置に、左右一対の板ばねユニット50,50が各別に配備されている。図4のように、カード挿入空間Sの片側に配備されている片側板ばねユニット50は、直角に屈曲された曲り部51を備える連結片部52を備えていて、この連結片部52の水平部分に先上がりに傾斜した第1板ばね片53が連設されていると共に、その立上り部分にはその両側に張り出して内向きに傾斜した第2板ばね片54が連設されていて、第1板ばね片53の先端部55や第2板ばね片54の自由端部56,56はそれぞれ湾曲状に形成されている。カード挿入空間Sの他側に配備されている他側板ばねユニット50は、図4で説明した片側板ばねユニット50と対称の形状を有していて、その構造自体は片側板ばねユニット50と同様である。したがって、説明を簡略にするため、図2では、片側及び他側の各板ばねユニット50,50の構成要素に同一符号を付して詳細な構造説明を省略する。
【0029】
図2又は図3(A)によって類推できるように、片側板ばねユニット50は、ボディ10の底面14の片側箇所に立ち上げられた取付片18の溝部19に、その連結片部52を差し込むことによってボディ10側に取り付けられていて、その取付状態では、図3(A)(B)のように、第1板ばね片53の自由端部55に、カード挿入空間Sに挿入されてきたカードCの横幅方向の片側縁部C1が乗り上がるようになっていると共に、カードCの横幅方向の片側端面C2が第2板ばね片54の前後2箇所の各自由端部56,56に乗り上がるようになっている。これに対し、図2に示してある他側板ばねユニット50は、ボディ10の底面14の他側箇所に設けられた取付片18の溝部19に、その連結片部52を差し込むことによってボディ10側に取り付けられていて、その取付状態では、第1板ばね片53の自由端部55に、上記カードCの横幅方向の表面他側縁部が乗り上がるようになっていると共に、カードCの横幅方向の他側端面C3が第2板ばね片54の前後2箇所の自由端部56,56に乗り上がるようになっている。そのため、片側及び他側の各板ばねユニット50,50のそれぞれの第1ばね片53,53が、カード挿入空間Sに挿入されたカードCの横幅方向の片側及び他側の各縁部を均等な力で押し上げてそのカードCを図1又は図(B)に示したカバー1の内表面に押し付ける。また、片側及び他側の各板ばねユニット50,50のそれぞれの第2ばね片54,54がカードCを横幅方向で弾性的に均等に挾圧することによって、カードCの中心線P1を、カード挿入空間Sの中心線Pに対して位置合わせする機能を発揮する。このため、片側及び他側の各板ばねユニット50,50の作用により、カードCがカード挿入空間Sで厚さ方向及び横幅方向の適正位置(基準位置)に位置決めされる。しかも、各板ばねユニット50,50のそれぞれの第1板ばね片53,53や第2板ばね片54,54による弾圧作用がカードCに左右均等に加えられた状態になっているので、可動体20側の接触片21とカードC側の複数の電極との接点圧も各電極について一様になり、そのことが接触片と電極との電気的接続安定性を高めることに役立っている。その上、片側及び他側の板ばねユニット50,50によって適正位置に位置決めされたカードCが、板金製のカバー1の内表面に弾圧されることになるため、そのカバー1がカードCの厚さ方向位置決め手段の第1カード受部としての役割を果たすだけでなく、カードCに帯電した静電気を逃がす作用や、ノイズ発生の原因を遮蔽する電磁シールド部材としての作用をも担わせることが可能になり、それらの各作用を果たす部材を別々に用いる場合に比べて部品点数が少なくて済み、そのことがコストダウンを図りやすくすることに役立つ。
【0030】
この実施形態のカードコネクタはデュアル型カードコネクタであり、長さL1が短くて幅W1が狭い小型カード(図2参照)及びこの小型カードよりも長さL2が長くて幅W2が広い大型カード(図7参照)とのサイズの異なる2種類のメモリカードを使用対象としている。そのため、ボディ10の開口12やカード挿入空間Sは、大型カードのサイズに合わせて形成されている。ここで、図2に示したカードCを小型カードとし、図7に示したカードを大型カードC2とすると、具体的には、開口12やカード挿入空間Sの幅が大型カードC2を挿入することのできる寸法に定められている。したがって、カード挿入空間Sには、2種のカードC1,C2を同一方向に択一挿入可能である。また、大型カードC2のセット位置は小型カードC1のセット位置よりも後位に定められている。さらに、小型カードC1及び大型カードC2のいずれのカードCも、図6などに示したカムユニット30と図2又は図7に示したピン部材40との共働によるロック作用及びロック解除作用を通じ、所謂プッシュ・プッシュ操作によってセット位置への挿入とセット位置からの排出とが行われるようになっている。なお、各セット位置についてはさらに後述する。
【0031】
次に図2又は図6を参照して、小型カードC1を挿入あるいは排出する場合の動作を説明する。
【0032】
この実施形態において、カード未挿入モードでは、カムユニット30がばね体16の付勢によって前進していて、ボディ10の前端部17に当たった初期位置に位置している(不図示)。
【0033】
この状態から、第1回目のプッシュ操作で手の指で小型カードC1を開口12を経てカード挿入空間Sに挿入すると、小型カードC1の先端が、可動体20に突き当たった後、可動体20を押し込んで後退させる。これにより、小型カードC1の電極に接触片21が接触する。また、可動体20が押し込まれるときには、可動体20が小型カードC1と押し合いながらばね体16の付勢に抗してカムユニット30と共に後退する。そして、小型カードC1を押し込んでいる手の指がボディ10の前端面に当たる程度にまで小型カードC1が押し込まれたときには、ガイドピン40の先端42が、第1カムパターン31のガイド溝33の往路を移動してピン係止部35に臨み、その状態から手の指を離して押込力を解放すると、ばね体16の付勢によってカムユニット30と共に可動体20が前進するので、小型カードC1が可動体20により押し返され、併せて、ガイドピン40の先端42が図2のようにピン係止部35に係合する。これにより、小型カードC1がセット位置でロック状況下におかれ、小型カードC1の後端は図2のようにボディ10の開口12から少しだけ突出した状態になる。小型カードC1の電極と接触片21との信号授受は、小型カードC1がそのセット位置に位置している状態で行われる。
【0034】
図2のように小型カードC1がセット位置に位置している状態から手の指で小型カードC1を押し込むという第2回目のプッシュ操作を行うと、小型カードC1が可動体20を少し押し込んで後退させるので、カムユニット30も同一距離だけ後退し、ガイドピン40の先端42が、ピン係止部35から離れてガイド溝33の復路に入る。したがって、第2回目のプッシュ操作を解除することにより、ばね体16の付勢によってカムユニット30が可動体20と共に前進し、ガイドピン40の先端42がガイド溝33の復路を通過して初期位置に戻る。この状態では、小型カードC1が可動体20により押し出されてその後端がボディ10の開口12から長く突き出ているので、その第1カードC1を手で掴んで引き抜くことができる。
【0035】
次に図6及び図7を参照して、大型カードC2を挿入及び排出する場合の動作を説明する。
【0036】
カード未挿入モードでは、既述したようにカムユニット30がばね体16の付勢によって前進していて、ボディ10の前端部17に当たった初期位置に位置している(不図示)。
【0037】
この状態から、第1回目のプッシュ操作で手の指で大型カードC1を開口12を経てカード挿入空間Sに挿入すると、大型カードC2の先端が、可動体20に突き当たった後、可動体20を押し込んで後退させる。これにより、大型カードC2の電極に接触片21が接触する。また、可動体20が押し込まれるときには、可動体20が大型カードC2と押し合いながらばね体16の付勢に抗してカムユニット30と共に後退する。そして、大型カードC2を押し込んでいる手の指がボディ10の前端面に当たる程度にまで大型カードC2が押し込まれたときには、ガイドピン40の先端42が、第2カムパターン32のガイド溝34の往路を移動してピン係止部36に臨み、その状態から手の指を離して押込力を解放すると、ばね体16の付勢によってカムユニット30と共に可動体20が前進するので、大型カードC2が可動体20により押し返され、併せて、ガイドピン40の先端42が図7のようにピン係止部36に係合する。これにより、大型カードC2がセット位置でロック状況下におかれ、大型カードC2の後端は図7のようにボディ10の開口12から少しだけ突出した状態になる。大型カードC2の電極と接触片21との信号授受は、大型カードC2がそのセット位置に位置している状態で行われる。
【0038】
図7のように大型カードC2がセット位置に位置している状態から手の指で大型カードC2を押し込むという第2回目のプッシュ操作を行うと、大型カードC2が可動体20を少し押し込んで後退させるので、カムユニット30も同一距離だけ後退し、ガイドピン40の先端42が、ピン係止部36から離れてガイド溝34の復路に入る。したがって、第2回目のプッシュ操作を解除することにより、ばね体16の付勢によってカムユニット30が可動体20と共に前進し、ガイドピン40の先端42がガイド溝33の復路を通過して初期位置に戻る。この状態では、大型カードC2が可動体20により押し出されてその後端がボディ10の開口12から長く突き出ているので、その第1カードC1を手で掴んで引き抜くことができる。
【0039】
ところで、図2に示した小型カードC1はその長さL1及び幅W1が大型カードC2よりも短い種類のものである。そのような小型カードC1においては、厚さについても第2カードC2より薄くしておくことが望まれることもある。この場合、実施形態のデュアルカードコネクタでは、既述した片側及び他側の板ばねユニット50,50の作用によって、各カードC1,C2の厚さや幅の寸法差が吸収され、しかも、各カードC1,C2がカード挿入空間Sで厚さ方向及び横幅方向の適正位置に位置決めされ、接触片21とカード側の電極との電気的接続安定性が高く保たれる。なお、図7において、P2は大型カードC2の中心線を示している。
【0040】
上記実施形態では、可動体20に固定したFPC23の半田付け領域24に、可動体20に保持されている接触片21の半田付け端子22を半田付けしてあり、しかも、FPC23がボディ10の後壁部13に形成された開口(不図示)に前後方向移動自在に挿通されているので、可動体20の前進後退がFPC23の前後移動ないし撓み性によって無理なく円滑に行われる。
【0041】
上記の実施形態では、異種のサイズに製作された2種のカードC1,C2を使用対象とするデュアル型カードコネクタを説明したけれども、本発明では、2種より多い異種サイズのカードを使用対象にすることも可能である。その場合、ボディのカード挿入空間は、長さ、厚さ及び幅の異なる複数枚のカードを同一方向に択一挿入可能に形成しておく必要がある。また、個々のカードに各別に対応して上記カード挿入空間内でカード挿入方向に並べて複数箇所のセット位置を定め、かつ、それらのセット位置は、長さの長いカードに対するセット位置を長さの短いカードに対するセット位置よりも後方に位置させる必要があり、そのためには、図6などで説明したカムユニット30に準じて、カードの種類分だけのカムパターンを前後方向に並べて配備することが有益である。
【0042】
【発明の効果】
本発明のカードコネクタによれば、異種サイズの複数種類のカードに共用できるものでありながら、カードをカード挿入空間内で厚さ方向及び横幅方向の適正位置に確実に位置決めするために必要となる部品構成が単純化されるため、部品点数を抑えてコスト高になることを可及的抑制し、併せて、小形化薄形化が阻害されにくくなるカードコネクタを提供することが可能になる。
【0043】
また、異種サイズの多種類のカードをそれらに共通の1つの開口(スロット)から同一方向に挿入することができるので、当該カードコネクタが小形化されてその実装スペースが狭くて済むだけでなく、異種サイズのカードに対応した電気電子機器に多くのスロットを設ける必要がなくなるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態に係るデュアル型カードコネクタの外観斜視図である。
【図2】 カバーを取り外した使用状態でのデュアル型カードコネクタの平面図である。
【図3】 (A)は図2のIIIA部の拡大図、(B)は(A)のIIIB−IIIB線に沿う部分に相応する断面図である。
【図4】 板ばねユニットの斜視図である。
【図5】 可動体や接触片などを示した概略断面図である。
【図6】 カムユニットの平面図である。
【図7】 カバーを取り外した他の使用状態でのデュアル型カードコネクタの平面図である。
【符号の説明】
1 カバー
10 ボディ
20 可動体
21 接触片
50 板ばねユニット
51 曲り部
52 連結片部
53 第1板ばね片
54 第2板ばね片
C,C1,C2 カード
S カード挿入空間
W1,W2 カードの横幅
Claims (5)
- ボディのカード挿入空間に挿入されてきたカードに押し込まれて後退する可動体が、上記カードと押し合うように前進方向に常時弾発付勢されてそのボディに取り付けられ、その可動体が所定の押込位置で位置固定されることによってカードのセット位置が規制されるようになっているカードコネクタにおいて、
上記カード挿入空間は、横幅及び厚さの異なる複数種類のカードを択一挿入可能であり、
複数種類の上記カードから選ばれた任意の1枚のカードを上記カード挿入空間で厚さ方向の適正位置に位置決めする厚さ方向位置決め手段と、複数種類の上記カードから選ばれた任意の1枚のカードを上記カード挿入空間で横幅方向の適正位置に位置決めする横幅方向位置決め手段とを備えていると共に、上記可動体に接触片が設けられて、その接触片が、上記各位置決め手段によって適正位置に位置決めされた上記カードの電極に接触するようになっており、
上記厚さ方向位置決め手段が、カードを厚さ方向に弾性で押圧する第1弾性体とその第1弾性体によって押圧されたカードを受け止める第1カード受部とでなり、上記横幅方向位置決め手段が、カードを横幅方向両側から弾性で押圧して挟み付ける第2弾性体でなり、
上記第1弾性体と上記第2弾性体とが板ばね材で一体に形成されていると共に、上記第2弾性体が前後2箇所に自由端部を有する板バネ片で形成されていることを特徴とするカードコネクタ。 - 上記第1弾性体が、カード表面の横幅方向の片側縁部と他側縁部とを各別に押圧する片側及び他側の一対の第1板ばね片に分割されていると共に、上記第2弾性体が、カードの横幅方向の片側端面と他側端面とを各別に押圧する片側及び他側の一対の第2板ばね片に分割されていて、第1及び第2の各片側の板ばね片同士が一体に形成されて片側板ばねユニットを形成し、かつ、第1及び第2の各他側の板ばね片同士が一体に形成されて他側板ばねユニットを形成している請求項1に記載したカードコネクタ。
- 上記片側板ばねユニット及び上記他側板ばねユニットのそれぞれは、第1板ばね片と第2板ばね片とが直角に屈曲された曲り部を備える連結片部に連設されていると共に、片側板ばねユニットの形状と他側板ばねユニットの形状とが対称である請求項2に記載したカードコネクタ。
- 片側及び他側の各板ばねユニットが、上記カード挿入空間の横幅方向両側に振り分けて対称位置に配備されている請求項3に記載したカードコネクタ。
- 上記ボディのカード挿入空間がこのボディの上面で開放し、そのカード挿入空間の開放した上面が、ボディに装着された板金製のカバーによって塞がれており、上記第1カード受部が、このカバーの内表面によって形成されている請求項1ないし請求項4のいずれかに記載したカードコネクタ。
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