JP3828637B2 - クッション材 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、安価で適度の反発力を有する紙製のクッション材に関する。
【0002】
【従来の技術】
安価で、リサイクルにも適したクッション材30として、従来、図7に示すように、ハニカム構造体31を目32の方向Zに押しつぶし、その目32の方向を厚みt方向とした紙製のクッション材30が考えられている。このクッション材30は、マットとして用いたときには、ハニカム構造体31の中空部分(目)32では人体を支えないので、人体に圧力のかかる部分がハニカム構造体31の上端縁近傍のみとなって、点在した形で分散し、床擦れを防ぐことができる利点もある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、クッション材30の厚みt方向の全域にわたって、ハニカム構造体31が押しつぶされているので、クッション材30としての反発力が不十分で、いわゆる腰の弱い状態となりがちである。
【0004】
本発明は前記問題に鑑みてなされたもので、安価で適度の反発力を有する紙製のクッション材を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、本発明の一構成に係るのクッション材では、ハニカム構造体は、その目を上下方向に向けた状態で、上端縁近傍と下端縁近傍の一方においてのみ、隣接してハニカム構造体を形成する紙材の相対向する凹部と凸部が接合され、前記ハニカム構造体の上端縁近傍と下端縁近傍の他方が、水平方向へ折り曲げられ、かつ多数の切り目が入れられている。
【0006】
請求項1のクッション材によれば、クッション材の厚み方向(上下方向)に圧力がかかると、隣接する紙材が接合されているハニカム構造体の上端縁近傍と下端縁近傍の一方が、押しつぶされず上下方向の剛性を維持し、隣接する紙材が接合されていない他方が押しつぶされることにより柔軟性が生じるので、それぞれの剛性と柔軟性が相まって、クッション材全体として適度の反発力を有する。
【0008】
また、隣接する紙材が接合されていない他方はあらかじめ水平方向へ折り曲げられ柔軟性を有しているので、それぞれの剛性と柔軟性が相まって、やはり、クッション材全体として適度の反発力を有する。
【0010】
さらに、隣接する紙材が接合されていないハニカム構造体の上端縁近傍と下端縁近傍の他方に、多数の切り目が入れられているので、この他方の柔軟性がいっそう増す。
【0011】
本発明の好ましい実施形態では、クッション材のハニカム構造体の上端縁近傍と下端縁近傍の一方においてのみ、補強用の紙材が前記紙材に接合されている。
【0012】
このクッション材によれば、隣接する紙材が接合されているハニカム構造体の上端縁近傍と下端縁近傍の一方においてのみ、補強用の紙材が前記紙材に接合されているので、この一方の上下方向の剛性がいっそう増す。
【0013】
本発明の他の構成に係るクッション材では、ハニカム構造体は、その目を上下方向に向けた状態で、上端縁と下端縁の間の中央部においてのみ、隣接してハニカム構造体を形成する紙材の相対向する凹部と凸部が接合され、隣接する紙材が接合されていないハニカム構造体の上端縁近傍と下端縁近傍の少なくとも一方が、水平方向へ折り曲げられ、かつ多数の切り目を入れられている。さらに、隣接する紙材が接合されているハニカム構造体の上端縁と下端縁の間の中央部においてのみ、補強用の紙材が前記紙材に接合されていてもよい。
【0014】
このクッション材によれば、クッション材の厚み方向(上下方向)に圧力がかかると、隣接する紙材が接合されているハニカム構造体の上端縁と下端縁の間の中央部が、押しつぶされず上下方向の剛性を維持し、隣接する紙材が接合されていない上端縁近傍と下端縁近傍が折り曲げられ、かつ切り目が入れられていることにより柔軟性が生じるので、それぞれの剛性と柔軟性が相まって、クッション材全体として適度の反発力を有する
【0015】
本発明のクッション材では、ハニカム構造体における上端縁と下端縁の少なくとも一方に、水平方向に延びる紙製のシート接合してもよい
【0016】
このクッション材によれば、クッション材全体として適度の反発力を有する上に、ハニカム構造体の中空部分がシートによって塞がれるので、クッション材の置かれた床等がシートによって被われ、床等が汚れるのを防止することができる。
【0017】
好ましくは、クッション材における前記紙製のシートが、波形板を一層または複数層重ねてなる波形層の裏にライナを固着した片面段ボールであり、ライナ側を前記ハニカム構造体に接合されている。
【0018】
このクッション材によれば、クッション材の表面を片面段ボールの波形層とすることができるので、触感を向上させることができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の第1実施形態のクッション材1について、図面にしたがって説明する。図1(A)の斜視図の破断部に示すように、このクッション材1は、まず、長手方向Yに沿って凹凸が交互に形成された帯状の紙材3がその紙面と直交方向Xに多数3A,3B…配置され、破断部をZ方向上から見た図2(A)に示すように、隣接する紙材3A,3B…の相対向する凸部3Aa…と凹部3Bb…が接合されて、ハニカム構造体2が形成されている。ここで、X1方向(クッション材1の長手奥方向)に見て突出する部分を凸部3Aa、凹入する部分を凹部3Bbとしている。また、ハニカム構造体2は、図2(A)に示すような六角形からなるものに限らず、図2(B)に示すような四角形からなるもの等でもよい。
【0020】
そして、III −III 断面において図1(A)の破断部で除去した部分も含めて表した図3(A)に示すように、ハニカム構造体2は、その目4を上下方向Zに向けた状態で、下端縁近傍(図1(A)の破断部に表れている部分)2bにおいてのみ、隣接する紙材3A,3B…の相対向する凸部3Aa…と凹部3Bb…が糊付け等で接合され、上端縁近傍(図1(A)の破断部で除去した部分)2aが水平方向(図1(A)のXY平面に平行な方向)へ折り曲げられ、押しつぶされている。
【0021】
このようなハニカム構造体2は、例えば、以下のようにして作製することができる。図8(A)の平面図に示すように、紙面右方から送られてきた板状の紙材12を、軸中心に回転する糊付けローラ13と送りローラ14(図8(B)の正面図参照)の間に挟んで左方へ送る。糊付けローラ13の表面には、回転方向および軸方向のそれぞれに一定間隔で、糊の付着した多数の周方向に延びる糊付け溝13aが形成されており、板状の紙材12の上面において、左方へ送られるときにこの糊付け溝13aに当接した部分には、破線状に糊15が付着する。図8(B)の正面図に示すように、糊付けローラ13から送りだされ上面に糊15が付着した板状の紙材12は、次々に重ね台16の上に重ねられ、糊15の付着した部分で接合されていく。
【0022】
こうして多数枚が重ねられ接合された板状の紙材12は、図8(A)に一点鎖線で示すような、付着した糊15の中心を糊付けローラ13の軸方向(Y方向)につないだ線17A、およびそれらの中間の線17Bである切断線17に沿って、図8(B)に一点鎖線で示すように、上下方向(X方向)に切断する。このように切断された素材18のそれぞれが、図1(A)における、帯状の紙材3を紙面と直交する方向Xに多数配置、接合したものとなる。X方向に長さが不足である場合には、例えば、図8(B)に示す最も左の素材18Aの糊15の付着した上面に、左から2番目の素材18Bの下面を、素材18Bを上下方向(X方向)を軸として180度回転させてから、すなわち帯状の紙材3が接合された側を揃えてから接合すれば、X方向に2倍の長さの素材となり、なお不足するのであれば、さらに素材18C,18D…を接合してより長い素材とすることもできる。
【0023】
この素材18を帯状の紙材の紙面と直交する方向Xに伸長させると、図1(A)に示すハニカム構造体の目4が現れ、それに直交する方向Zに適切な圧力をかければ、隣接する紙材3A,3B…が、糊15(図8)で接合されていない上端縁近傍2aにおいてのみ水平方向へ折り曲げられ、押しつぶされるので、ハニカム構造体2を容易に作製することができる。この折り曲げは、紙材3A,3B…の厚みや剛性によっては、あらかじめしておく必要はなく、クッション材1の使用時に、自然に折り曲げられるものであってもよい。
【0024】
第1実施形態のクッション材1によれば、ハニカム構造体2の下端縁近傍2bが、押しつぶされておらず上下方向Zの剛性を維持しているので、押しつぶされた上端縁近傍2aの柔軟性と相まって、クッション材1全体として適度の反発力を有する。また、紙製であり、上下方向Zで見ると、全域にわたってハニカム構造31を押しつぶしていた従来のクッション材30(図7)よりも、用いる紙材3A,3B…の量が少なくても十分な反発力が得られるので、いっそう安価に製造でき、リサイクルにも適している。さらに、マットとして用いたときには、ハニカム構造体2の中空部分(目)4では人体を支えないので、人体に圧力のかかる部分が上端縁近傍2aのみとなって、点在した形で分散し、しかもその上端縁近傍2aにおいても、下方で隣接する紙材3A,3B…が接合されている部分では反発力が強く、接合されていない部分では反発力が弱いというふうに、部分によって反発力に強弱があるので、よりいっそう寝ごごちがよく、床擦れを防ぐこともできる。
【0025】
次に、本発明の第2実施形態のクッション材5について、図面にしたがって説明する。図4の斜視図に示すように、このクッション材5は、前記第1実施形態のクッション材1のハニカム構造体2の下端縁に、水平方向に延びる紙製のシート6を接合したものである。なお、紙製のシート6は、上端縁と下端縁の両方に接合してもよい。このように、ハニカム構造体2に紙製のシート6を接合する場合には、ハニカム構造体2の上端縁または下端縁にそのまま紙製のシート6を糊等で接合しても、接合する面積が小さく良好な接合が得がたい。そこで、前述したハニカム構造体2の作製工程において、素材18(図8)を伸長させる前に、上端縁または下端縁となる部分を水で濡らし、金属ブラシで擦ることにより、その部分の繊維をほぐすように毛羽立たせておけば、紙製のシート6と接合する面積が実質上増し、また、糊がよく含浸し、少ない糊で良好な接合が得られ、糊の乾燥も早くなる。水で濡らし、金属ブラシで擦る代わりに、素材18(図8)を伸長させながら、上端縁または下端縁となる部分を、ローレットで圧力をかけつつ擦ってもよいし、刃でたたいてもよい。
【0026】
第2実施形態のクッション材5によれば、前記第1実施形態のクッション材1の作用効果に加え、ハニカム構造体2の中空部分4がシート6によって塞がれるので、クッション材5の置かれた床等がシート6によって被われる。したがって、クッション材5をマットとして用いたとき等に、クッション材5に汚物等をこぼしても、床等が汚れるのを防止することができ、また、クッション材5自体が汚れても、安価であるから使い捨てることができる。このような用い方をする場合には、クッション材5に、防水加工や防臭加工を施すことが望ましい。さらに、クッション材5の少なくとも片面がシート6からなるので、箱等の容器の内側に、緩衝材として糊付け等で貼りつけるのが容易である。また、クッション材として厚みを要するときには、このクッション材5のシート面どうしを糊付け等で接合して、1枚の厚いクッション材とすることもできる。
【0027】
次に、本発明の第3実施形態のクッション材7について、図面にしたがって説明する。図5の斜視図に示すように、このクッション材7は、まず、第1実施形態のクッション材1と同様に、長手方向Yに沿って凹凸が交互に形成された帯状の紙材3がその紙面と直交方向Xに多数配置され、隣接する紙材3の相対向する凹部と凸部が接合されて、ハニカム構造体8が形成されている。但し、このハニカム構造体8は、第1実施形態におけるハニカム構造体2と異なり、その目4を上下方向Zに向けた状態で、上端縁と下端縁の間の中央部8bにおいてのみ、隣接する紙材3の相対向する凹部と凸部が糊付け等で接合され、上端縁近傍8aと下端縁近傍8cが水平方向へ折り曲げられ、押しつぶされている。
【0028】
第3実施形態のクッション材7によれば、ハニカム構造体8の上端縁と下端縁の間の中央部8bが、押しつぶされておらず上下方向Zの剛性を維持しているので、押しつぶされた上端縁近傍8aと下端縁近傍8cの柔軟性と相まって、クッション材7全体として適度の反発力を有する。その他、前記第1実施形態のクッション材1と同様の作用効果がある。
【0029】
次に、本発明の第4実施形態のクッション材9について、図面にしたがって説明する。図6の斜視図に示すように、このクッション材9は、前記第3実施形態のクッション材7のハニカム構造体8の下端縁に、水平方向に延びる紙製のシート6を接合したものである。なお、紙製のシート6は、上端縁に接合してもよく、上端縁と下端縁の両方に接合してもよい。第4実施形態のクッション材9によれば、前記第2実施形態のクッション材5と同様の作用効果がある。
【0030】
次に、本発明の第5実施形態のクッション材40について、図面にしたがって説明する。図10の斜視図に示すように、このクッション材40は、前記第2実施形態のクッション材5(図4)において、前記紙製のシート6を、波形板41aの裏にライナ41bを固着した片面段ボール41としたものであり、ライナ41b側が前記ハニカム構造体2に接合されている。そして、波形板41aを、クッション材40の表面として用いる。クッション材40のもう一方の面には、紙製のシート6や片面段ボール41は、接合されていてもされていなくてもよい。なお、波形板41aを複数層重ねて波形層としてもよい。
【0031】
また、波形板41aの波形は、細かくすることが好ましく、そうすることにより、畳に似た触感が得られる。さらに、クッション材40の寸法形状を畳と同様にすることにより、安価な畳の代用品として用いることもできる。この場合、クッション材40の横方向(Y方向)に、図11に示すように、ハニカム構造体2に切開部42を設けておけば、クッション材40の折り畳みを容易にできる。切開部42は1か所に限らず、適切な間隔で複数設けてもよい。また、第2実施形態の場合と同様に、クッション材40に、防水加工や防臭加工を施すことが望ましい。なお、同様に、前記第4実施形態のクッション材9(図6)において、前記紙製のシート6を、片面段ボール41とすることもできる。また、第5実施形態のクッション材40において、片面段ボール41に乾燥等により反りが生じても、片面段ボール41が接合された側で前記ハニカム構造体2,8(図6)が押しつぶされていれば、その部分で片面段ボール41の反りによる変形を吸収でき、クッション材40全体が反ることはない。
【0032】
なお、前記各実施形態のクッション材1,5,7,9のハニカム構造体2,8において柔軟性を有する部分、例えば、図1(B)に示すように、第1実施形態のクッション材1のハニカム構造体2の上端縁近傍2aに、多数の切り目11をいれることにより、その柔軟性をいっそう増すことができる。
【0033】
また、前記各実施形態のクッション材1,5,7,9のハニカム構造体2,8において上下方向Zの剛性を維持している部分、例えば、図3(B)に示すように、第1実施形態のクッション材1のハニカム構造体2の下端縁近傍2bにのみ補強用の紙材10A,10B…を前記隣接する紙材3A,3B…に接合することにより、その剛性をいっそう増すことができる。この場合、ハニカム構造体2の下端縁近傍2bにおいて、補強用の紙材10A,10B…は、各隣接する紙材3A,3B…のX1方向(クッション材1の長手奥方向)に糊付け等で接合され、隣接する紙材3A,3B…の相対向する凸部3Aa…と凹部3Bb…とは、補強用の紙材10A,10B…の凸部10Aa…を介して糊付け等で接合されている。
【0034】
このようなハニカム構造体2は、例えば、以下のようにして作製することができる。図9(A)の平面図に示すように、紙面右方から送られてきた板状の紙材19を、軸中心に回転する糊付けローラ20と送りローラ14(図9(B)の正面図参照)の間に挟んで左方へ送る。糊付けローラ20の表面には、回転方向および軸方向のそれぞれに一定間隔で、糊の付着した多数の軸方向に延びる糊付け溝20aが形成されている。板状の紙材19の上面において、左方へ送られるときにこの糊付け溝13aに当接する部分には、あらかじめ送り方向Yに延びる帯状の補強用の紙材10が接合されており、その上に断続的に、糊付けローラ20の軸方向(Z方向)に見れば破線状に、糊15が付着する。
【0035】
すなわち、この場合の糊付けの方向は、図8を用いて説明した場合と比べると、板状の紙材19の送り方向Yについて、90度異なっている。そして、図9(B)の正面図に示すように、糊付けローラ20から送りだされ上面の補強用の紙材10に糊15が付着した板状の紙材19は、次々に重ね台16の上に重ねられ、糊15の付着した部分で補強用の紙材10を介し接合されていく。
【0036】
こうして多数枚が重ねられ接合された板状の紙材19は、図9(A)に一点鎖線で示すような、付着した糊15の中心を糊付けローラ13の軸方向(Y方向)につないだ線21A、およびそれらの中間の線21Bである切断線21に沿って、図9(B)の上下方向(X方向)に切断する。このように切断されたそれぞれが、ハニカム構造体2を形成する素材22となる。X方向に長さが不足である場合には、前述したように、複数の素材18A,18B,18C,18D…を接合してより長い素材とすることもでき、ハニカム構造体2を形成するための手順も前述と同様である。
【0037】
このように、板状の紙材19の送り方向Yに直交する方向(Z方向)に見て破線状に糊15を付着させる場合には、補強用の紙材10の延びる方向Yが、板状の紙材19の送り方向Yに一致するので、補強用の紙材10を板状の紙材19に接合させるための装置の構成が容易であり、また、板状の紙材19の重ね合わせにおいて位置合わせが重要となる方向(切断線21と直交する方向)Zについて、送り方向に平行なガイド23等により容易に位置合わせができる。
【0038】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、ハニカム構造体の上下方向の一部が、押しつぶされずまたは押しつぶされておらず上下方向の剛性を維持しているので、押しつぶされるまたは押しつぶされた他の部分の柔軟性と相まって、クッション材全体として適度の反発力を有する。また、紙製であり、上下方向で見ると、全域にわたってハニカム構造を押しつぶしていた従来のクッション材よりも、用いる紙材の量が少なくても十分な反発力が得られるので、いっそう安価に製造でき、リサイクルにも適している。さらに、マットとして用いたときには、ハニカム構造体の中空部分では人体を支えないので、人体に圧力のかかる部分が上端縁近傍のみとなって、点在した形で分散し、しかもその上端縁近傍においても、下方で隣接する紙材が接合されている部分では反発力が強く、接合されていない部分では反発力が弱いというふうに、部分によって反発力に強弱があるので、よりいっそう寝ごごちがよく、床擦れを防ぐことができる。
【0039】
また、ハニカム構造体の上端縁と下端縁の少なくとも一方に、水平方向に延びる紙製のシートを接合した場合には、ハニカム構造体の中空部分がシートによって塞がれるので、クッション材の置かれた床等がシートによって被われ、クッション材をマットとして用いたとき等に、クッション材に汚物等をこぼしても、床等が汚れるのを防止することができ、また、クッション材自体が汚れても、安価であるから使い捨てることができる。
【0040】
さらに、紙製のシートを、波形板を一層または複数層重ねてなる波形層の裏にライナを固着した片面段ボールとし、ライナ側をハニカム構造体に接合した場合には、クッション材の表面を片面段ボールの波形層とすることができるので、触感を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)は本発明の第1実施形態のクッション材を示す斜視図であり、(B)はハニカム構造体の上端縁近傍に、多数の切り目をいれた場合の拡大図である。
【図2】図1の破断部に表れている部分をZ方向上から見た図であり、(A)はハニカム構造体が六角形からなるもの、(B)はハニカム構造体が四角形からなるものを示す。
【図3】(A)は図2(A)のIII −III 断面において、図1の破断部で除去した部分も含めて表した図であり、(B)は補強用の紙材を用いた場合の図である。
【図4】本発明の第2実施形態のクッション材を示す斜視図である。
【図5】本発明の第3実施形態のクッション材を示す斜視図である。
【図6】本発明の第4実施形態のクッション材を示す斜視図である。
【図7】従来の技術によるクッション材を示す斜視図である。
【図8】本発明のハニカム構造体の製造工程の一例を示す図であり、(A)は平面図、(B)は正面図である。
【図9】本発明のハニカム構造体の製造工程の他の例を示す図であり、(A)は平面図、(B)は正面図である。
【図10】本発明の第5実施形態のクッション材を示す斜視図である。
【図11】同クッション材を折り畳む様子を示す正面図である。
【符号の説明】
1,5,7,9,40…クッション材、2,8…ハニカム構造体、2a,8a…ハニカム構造体の上端縁近傍、8b…ハニカム構造体の上端縁と下端縁の間の中央部、2b,8c…ハニカム構造体の下端縁近傍、3,3A,3B…帯状の紙材、3Aa…帯状の紙材の凸部、3Bb…帯状の紙材の凹部、4…ハニカム構造体の目、6…紙製のシート、10,10A,10B…補強用の紙材、11…切り目、41…片面段ボール、41a…波形板、41b…ライナ、X…帯状の紙材の紙面と直交する方向、Y…帯状の紙材の長手方向、Z…上下方向。

Claims (6)

  1. 長手方向に沿って凹凸が交互に形成された帯状の紙材がその紙面と直交方向に多数配置され、
    隣接する紙材の相対向する凹部と凸部が接合されて、ハニカム構造体が形成され、
    このハニカム構造体は、その目を上下方向に向けた状態で、上端縁近傍と下端縁近傍の一方においてのみ前記隣接する紙材の相対向する凹部と凸部が接合され
    前記ハニカム構造体の上端縁近傍と下端縁近傍の他方が水平方向へ折り曲げられ、かつ多数の切り目が入れられているクッション材。
  2. 請求項1において、前記ハニカム構造体の上端縁近傍と下端縁近傍の一方においてのみ補強用の紙材が前記紙材に接合されているクッション材。
  3. 長手方向に沿って凹凸が交互に形成された帯状の紙材がその紙面と直交方向に多数配置され、
    隣接する紙材の相対向する凹部と凸部が接合されて、ハニカム構造体が形成され、
    このハニカム構造体は、その目を上下方向に向けた状態で、上端縁と下端縁の間の中央部においてのみ前記隣接する紙材の相対向する凹部と凸部が接合され
    前記ハニカム構造体の上端縁近傍と下端縁近傍の少なくとも一方が水平方向へ折り曲げられ、かつ多数の切り目が入れられているクッション材。
  4. 請求項3において、前記ハニカム構造体の上端縁と下端縁の間の中央部においてのみ補強用の紙材が前記紙材に接合されているクッション材。
  5. 請求項1ないし4のいずれかにおいて、前記ハニカム構造体における上端縁と下端縁の少なくとも一方に、水平方向に延びる紙製のシートを接合したクッション材。
  6. 請求項5において、前記紙製のシートが、波形板を一層または複数層重ねてなる波形層の裏にライナを固着した片面段ボールであり、ライナ側を前記ハニカム構造体に接合したクッション材。
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