JP3828440B2 - 画像表示装置の製造方法および製造装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、対向配置された基板と複数の画素とを有した画像表示装置の製造方法および製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、高品位放送用あるいはこれに伴う高解像度の画像表示装置が望まれており、そのスクリーン表示性能については一段と厳しい性能が要望されている。これら要望を達成するためにはスクリーン面の平坦化、高解像度化が必須であり、同時に軽量、薄型化も図らねばならない。
【0003】
上記のような要望を満たす画像表示装置として、液晶の配向を利用して光の強弱を制御する液晶ディスプレイ(以下、LCDと称する)、プラズマ放電の紫外線により蛍光体を発光させるプラズマディスプレイパネル(以下、PDPと称する)、電界放出型電子放出素子の電子ビームにより蛍光体を発光させるフィールドエミッションディスプレイ(以下、FEDと称する)、表面伝導型電子放出素子の電子ビームにより蛍光体を発光させる表面伝導電子放出ディスプレイ(以下、SEDと称する)などが注目されている。
【0004】
例えばFEDやSEDは、所定の間隔を置いて対向配置された前面基板および背面基板を有し、これらの基板は、矩形枠状の側壁を介して周縁部同士を互いに接合することにより真空外囲器を構成している。前面基板の内面には蛍光体スクリーンが形成され、背面基板の内面には、蛍光体を励起して発光させる電子放出源として多数の電子放出素子が設けられている。
【0005】
また、背面基板と前面基板に加わる大気圧荷重を支えるため、これら基板の間には複数の支持部材が配設されている。そして、このFEDでは、電子放出素子から放出された電子ビームを蛍光体スクリーンに照射して蛍光体を励起することにより、蛍光体が発光し画像を表示する。
【0006】
このようなFEDでは、電子放出素子の大きさがマイクロメートルオーダーであり、前面基板と背面基板との間隔をミリメートルオーダーにすることができる。このため、現在のテレビやコンピューターディスプレイとして使用されている陰極線管(CRT)などと比較して、高解像度化、軽量化、薄型化を達成することができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上述したような画像表示装置の製造方法として、特開2001−210258号公報には、インジウムのような低融点金属材料を用いて前面基板および背面基板の周縁部同士を接合する方法が開示されている。また、特願2001−124685号公報には、インジウムのような低融点金属材料を通電加熱して溶融することにより、前面基板および背面基板の周縁部同士を接合する方法が開示されている。
【0008】
しかしながら、低融点金属材料を用いて接合する方法では、基板全体を融点まで加熱する必要があり、ゲッターの吸着能力が低下し、あるいは、工程時間が増加する等の問題が生じる。また、低融点金属材料を通電加熱して溶融する方法は、外囲器内部を高真空度に維持し、かつ熱的劣化などに起因する画像劣化を防止する効果があり、理論的には有用な方法であるが、適正な通電条件を見出すことが難しい。
【0009】
これらに対して、従来のように大気中で基板の周縁部をフリットガラスにより接合する方法では、接合後、排気管を介して外囲器内部を排気する必要がある。そして、排気速度は極めて遅く、到達できる真空度も悪いため、量産性および特性面に問題があった。
【0010】
この発明は以上の点に鑑みなされたもので、その目的は、基板全体を低温に維持しながら短時間で容易にかつ確実に基板を接合可能な画像表示装置の製造方法および製造装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、この発明の態様に係る画像表示装置の製造方法は、対向配置されているとともに周辺部同士が接合された前面基板および背面基板を有した外囲器と、上記外囲器内に形成された複数の画素とを備えた画像表示装置の製造方法において、上記前面基板および背面基板の少なくとも一方に、導電性を有した封着材を配置し、上記封着材に通電して加熱溶融させ、上記前面基板および背面基板の周辺部同士を接合し、上記封着材を通電加熱する際、上記封着材の電気抵抗の温度依存性に基づいて、上記封着材への通電を制御することを特徴としている。
【0012】
また、この発明の他の態様に係る画像表示装置の製造装置は、対向配置されているとともに周辺部同士が接合された前面基板および背面基板を有する外囲器と、上記外囲器内に形成された複数の画素とを備えた画像表示装置の製造装置において、上記前面基板および背面基板の少なくとも一方における周辺部に配置され導電性を有した封着材に通電して加熱溶融させる電源と、上記封着材を通電加熱する際、上記電源からフィードバックされた電流値および電圧値の少なくとも一方を取り込み、上記封着材の電気抵抗の温度依存性に基づいて、上記電源による上記封着材への通電を制御する制御部と、を備えたことを特徴としている。
【0013】
上記構成の画像表示装置の製造方法および製造装置によれば、封着材の電気抵抗の温度依存性に基づいて、封着材の溶融完了を電気的に容易に検出することができる。そのため、前面基板および背面基板全体を低温に維持した状態で周辺部の接合を行い、ゲッターの吸着能力を低下させることが無く、また熱応力によって各基板が破壊してしまう問題を排除することができる。また、数分のオーダーで容易に接合を行うことが可能であり、工程時間を従来と比して短時間化することが可能になる。これにより安価に製造ができ、安定かつ良好な画像を得ることが可能な画像表示装置を提供することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照ながら、この発明を画像表示装置としてFEDの製造方法に適用した実施の形態について詳細に説明する。
まず、FEDの構成について説明する。図1ないし図4に示すように、FEDは、それぞれ矩形状のガラスからなる前面基板11、および背面基板12を備え、これらの基板は1〜2mmの隙間を置いて対向配置されている。対角寸法は10インチであり、背面基板12の大きさは前面基板11よりも大きく、その外周部には後述の映像信号を入力するための配線15が引出されている。
【0015】
前面基板11および背面基板12は、矩形枠状の側壁18を介して周縁部同士が接合され、内部が真空状態に維持された扁平な矩形状の真空外囲器10を構成している。背面基板12と側壁18とはフリットガラス19により接合され、前面基板11と側壁18とは導電性を有する封着材としてのインジウム21により接合されている。
【0016】
真空外囲器10の内部には、前面基板11および背面基板12に加わる大気圧荷重を支えるため、複数の板状の支持部材14が設けられている。これらの支持部材14は、真空外囲器10の短辺と平行な方向に延在しているとともに、長辺と平行な方向に沿って所定の間隔を置いて配置されている。なお、支持部材14は板状に限らず、柱状のものを用いてもよい。
【0017】
前面基板11の内面には、画像表示面として機能する蛍光体スクリーン16が形成されている。この蛍光体スクリーン16は、赤、緑、青の蛍光体層R、G、B、およびこれらの蛍光体層間に位置した黒色光吸収層20を並べて構成されている。蛍光体層R、G、Bは、真空外囲器10の短辺と平行な方向に延在しているとともに、長辺と平行な方向に沿って所定の間隔を置いて配置されている。なお、蛍光体スクリーン16上には、たとえばアルミニウムからなるメタルバック層17が蒸着されている。
【0018】
図3に示すように、背面基板12の内面上には、蛍光体スクリーン16の蛍光体層を励起する電子放出源として、それぞれ電子ビームを放出する多数の電子放出素子22が設けられている。これらの電子放出素子22は、画素毎に対応して複数列および複数行に配列されている。詳細に述べると、背面基板12の内面上には、導電性カソード層24が形成され、この導電性カソード層上には多数のキャビティ25を有した二酸化シリコン膜26が形成されている。二酸化シリコン膜26上には、モリブデンやニオブ等からなるゲート電極28が形成されている。そして、背面基板12の内面上において各キャビティ25内にはモリブデンなどからなるコーン状の電子放出素子22が設けられている。
【0019】
上記のように構成されたFEDにおいて、映像信号は、単純マトリックス方式に形成された電子放出素子22とゲート電極28に入力される。電子放出素子を基準とした場合、最も輝度の高い状態の時、+100Vのゲート電圧が印加される。また、蛍光体スクリーン16には+10kVが印加される。これにより、電子放出素子22から電子ビームが放出される。そして、電子放出素子から放出される電子ビームの大きさは、ゲート電極28の電圧によって変調され、この電子ビームが蛍光体スクリーン16の蛍光体層を励起して発光させることにより画像を表示する。
【0020】
次に、上記構成を有するFEDの製造方法について詳細に説明する。
まず、前面基板11となる板ガラスに蛍光体スクリーン16を形成する。これは、前面基板11と同じ大きさの板ガラスを準備し、この板ガラスにプロッターマシンで蛍光体ストライプパターンを形成しておき、この蛍光体ストライプパターンを形成した板ガラスと前面基板用の板ガラスを位置決め治具に載せて露光台にセットする。この状態で、露光、現像することにより、前面基板11となるガラス板上に蛍光体スクリーンを生成する。その後、蛍光体スクリーン16に重ねてメタルバック層17を形成する。
【0021】
続いて、背面基板12用の板ガラスに電子放出素子22を形成する。これは、マトリックス状の導電性カソード層24を板ガラス上に形成し、このカソード層上に例えば熱酸化法やCVD法あるいはスパッタリング法により2酸化シリコン膜の絶縁膜を形成する。この後、この絶縁膜上に、例えばスパッタリング法や電子ビーム蒸着法によりモリブデンやニオブなどのゲート電極形成用の金属膜を形成する。次に、この金属膜上に、形成すべきゲート電極に対応した形状のレジストパターンをリソグラフィーにより形成する。このレジストパターンをマスクとして金属膜をウェットエッチング法またはドライエッチング法によりエッチングし、ゲート電極28を形成する。
【0022】
この後、レジストパターン及びゲート電極28をマスクとして絶縁膜をウェットエッチングまたはドライエッチング法によりエッチングして、キャビティ25を形成する。そして、レジストパターンを除去した後、背面基板表面に対して所定角度傾斜した方向から電子ビーム蒸着を行うことにより、ゲート電極28上に例えばアルミニウムやニッケルからなる剥離層を形成する。その後、背面基板表面に対して垂直な方向からカソード形成用の材料として例えばモリブデンを電子ビーム蒸着法により蒸着する。これによって、キャビティ25の内部に電子放出素子22が形成される。次に、剥離層をその上に形成された金属膜とともにリフトオフ法により除去する。続いて、大気中で側壁18および支持部材14を背面基板12の内面上にフリットガラス19により封着する。
【0023】
その後、図5(a)、5(b)に示すように、側壁18の接合面の全周に渡ってインジウム21を所定の幅および厚さに塗布するとともに、前面基板11の側壁と対向する位置にインジウム21を所定の幅および厚さで矩形枠状に塗布する。そして、図6に示すように、これら背面基板12、前面基板11を所定間隔離して対向配置した状態で、真空装置内に投入する。
【0024】
なお、側壁18および前面基板11の封着部に対するインジウム21の配置は、上述したように、溶融したインジウムを封着部に塗布する方法、固体状態のインジウムを封着部に載置する方法等によって行う。
【0025】
この一連の工程には、例えば図7に示すような真空処理装置100を用いる。真空処理装置100は、並んで配設されたロード室101、ベーキング、電子線洗浄室102、冷却室103、ゲッター膜の蒸着室104、組立室105、冷却室106、およびアンロード室107を備えている。組立室105には、通電用の直流の電源120と、この電源を制御するコンピュータ122とが接続されている。コンピュータ122は、この発明における制御部および判定部として機能する。また、真空処理装置100の各室は、真空処理が可能な処理室として構成され、FEDの製造時には全室が真空排気されている。これら各処理室間は図示しないゲートバルブ等により接続されている。
【0026】
所定間隔離して配置された上述の前面基板11および背面基板12は、まず、ロード室101に投入される。そして、ロード室101内の雰囲気を真空雰囲気とした後、ベーキング、電子線洗浄室102へ送られる。
【0027】
ベーキング、電子線洗浄室102では、各種部材を300℃の温度に加熱し、各基板の表面吸着ガスを放出させる。同時にベーキング、電子線洗浄室102に取り付けられた図示しない電子線発生装置から電子線を、前面基板11の蛍光体スクリーン面、および背面基板12の電子放出素子面に照射する。その際、電子線発生装置外部に装着された偏向装置によって電子線を偏向走査することにより、蛍光体スクリーン面および電子放出素子面の全面をそれぞれ電子線洗浄することが可能となる。
【0028】
そして、この加熱、電子線洗浄を行った前面基板11および背面基板12は冷却室103に送られ、約120℃の温度まで冷却された後、ゲッター膜の蒸着室104へと送られる。この蒸着室104では、蛍光体層の外側にゲッター膜としてBa膜が蒸着形成される。Ba膜は表面が酸素や炭素などで汚染されることを防止することができ、活性状態を維持することができる。
【0029】
続いて、前面基板11および背面基板12は組立室105に送られる。この組立室105では、前面基板11および背面基板12の温度を約120℃に維持したまま、それぞれの基板のインジウム21に通電用の電極を接触させる。この場合、図8に示すように、前面基板11に形成されたインジウム21の内、対角方向に向い合う2つの角部に電極30a、30bを接触させる。また、背面基板12側の側壁18上に形成されたインジウム21の内、対角方向に向い合う2つの角部に電極32a、32bを接触させる。電極30a、30bおよび電極32a、32bは、互い重なることなく、ずれた角部に配置することが望ましい。
【0030】
電極30a、30b、32a、32bを設置し電源120に接続した後、前面基板11側のインジウム21および背面基板12側のインジウム21のそれぞれに通電しインジウムを溶融させる。この場合、まず、電源120から70Aの直流電流を定電流モードでインジウム21に1秒間負荷する。ここで定電流モードとは、予め決めた一定の電流値で通電する方式である。この1秒間の通電の間、電源120から電圧値がフィードバックされてコンピュータ122に取りこまれる。つまり、この1秒間の定電流モードは接触抵抗やインジウム21の配置のばらつきなどを踏まえた総電気抵抗を検出するためのプロセスである。これにより、接触抵抗やインジウム配置ばらつきなどを瞬時に検出し、次の定電圧モードでの電圧値を個別に最適設定することができる。
【0031】
通電開始から1秒後には、計測された電圧値がコンピュータ122から電源120に出力され、定電圧モードに移行する。定電圧モードとは、予め決められた一定の電圧値で通電する方式である。そして、通電によりインジウム21の温度が上昇するため、インジウムの電流値は70Aから徐々に低下していく。
【0032】
ここで、インジウム21の電気抵抗は図9に示す特性を持っている。インジウム21において、融点よりも温度の低い固体の領域では、温度上昇につれて1次関数的に穏やかに抵抗値が上がっていき、融点に達すると抵抗値が一気に上昇する。融点よりも高い温度の液体の領域では1次関数的に穏やかに抵抗値が徐々に上がっていく。よって、電源120からコンピュータ122に取りこまれる電流値は、ほぼ図10に示すように変化する。
【0033】
図11は実際に計測した電流値のグラフを示している。最初徐々に低下している電流値は、インジウム21が溶融するにつれて大きく低下し、溶融後は低下があまり起こらなくなっている。従って、コンピュータ122に取りこまれた電流値変化の傾きをモニタすることにより、あるいは電流値の低下量をモニタすることにより、インジウム21全体が溶融したかどうかを判定することができる。
【0034】
図12は、図11に示した電流値変化の傾きをグラフ化したものである。傾き変化が収まった領域Bでインジウム21は完全に溶融している。そのため、コンピュータ122によって電流値変化の傾き変化をモニタすることにより、インジウム21の溶融完了を判定し、電源120からインジウム21への通電を停止する。例えば、電流値変化の傾きが0.5以下となる状態が3秒間連続した後、通電を停止する。
【0035】
その後、インジウム21に接触させている電極30a、30b、32a、32bを取り除き、前面基板11および背面基板12を互いに接近する方向へ加圧することにより、インジウムによって前面基板11の周縁部と側壁18とを封着し接合する。なお、電極30a、30b、32a、32bを外すことなくインジウム21と共に一旦封着し、その後、電極の突出部分を切除する方式を取ることもできる。
【0036】
上述した方法で前面基板11および背面基板12の周縁部同士を封着し接合することにより、封着時間を著しく短縮することが可能になる。本実施の形態では、インジウム21が溶融するまでにかかった時間が約15秒、加圧後インジウムが固化し130℃以下に達するまでにかかった時間は約2分であった。
上記工程により形成された真空外囲器10は、冷却室106で常温まで冷却され、アンロード室107から取り出される。これにより、FEDが完成する。
【0037】
以上のようなFEDの製造方法によれば、真空雰囲気中で前面基板11および背面基板12の封着、接合を行うことから、ベーキングと電子線洗浄の併用によって表面吸着ガスを十分に放出させることができ、吸着能力が優れたゲッター膜を得ることができる。また、インジウムを通電加熱することによって封着、接合することにより、前面基板および背面基板全体を加熱する必要がなく、ゲッター膜の劣化、封着工程中に基板が割れるなどの不具合をなくすことができ、同時に、封着時間の短縮を図ることができる。
【0038】
更に、本実施の形態では、インジウムの通電加熱の際、電流値の傾き変化をモニタしてインジウムの溶融完了を電気的に検出することが可能となる。そのため、通電条件、通電停止等を適切に設定し、数分のオーダーで容易に接合を完了することができる。従って、量産性に優れた製造方法とすることができ、同時に、安定かつ良好な画像を得ることが可能なFEDを安価に製造することができる。
【0039】
なお、本実施の形態のように、基板の大きさが比較的小さい場合、インジウム21の配置ばらつきによる影響が小さく、電流値そのものを計測することによりインジウムの溶融完了を判定することができる。そこで、第2の実施の形態として、上述と同じ大きさのFEDを電流値そのものの変化を計測して封着する方法について説明する。
【0040】
第2の実施の形態では、インジウム21の塗布幅が4mm、塗布厚さがそれぞれ0.2mmとなるように、側壁18および前面基板11の側壁に対向する位置にインジウム21を塗布する。これらの寸法は、形成する真空外囲器の真空気密性および強度特性を十分得るために必要な寸法である。このような配置状態において、120℃におけるインジウム21の抵抗値は約27mΩとなる。また、溶融時におけるインジウム21の抵抗値は約60mΩである。
【0041】
第2の実施の形態では、前述した第1実施の形態と同様に、まず、電極30a、30b、32a、32bをインジウム21にそれぞれ接触させた後、それぞれのインジウム21に70Aの直流電流を定電流モードで1秒間負荷する。続いて、コンピュータ122により計測された電圧値で定電圧モードに切り替えて通電を行う。すると、電流値は約35A低下する。ばらつきを考慮して理論値よりも上側の値に、インジウム溶融完了の判定値を設定する。そして、電源120からコンピュータ122に取りこまれる電流値をモニタし、電流値が判定値に到達後2〜5秒経過してから通電を切断すると、インジウム全体を溶融することができる。
【0042】
上記実施の形態では、前面基板および背面基板の寸法が比較的小さい場合について記述した。このように基板の寸法が小さい場合、インジウムのばらつきの影響が小さく、通電加熱時、インジウム全体がほぼ同時に溶融する。しかしながら、基板の寸法が大きい場合、インジウムのばらつきの影響が大きくなり、通電加熱時、インジウムのある部分が溶融し別の部分はまだ固体のままという現象が起こりうる。
【0043】
定電圧モードではインジウムに印加する電流値が低下するため、インジウムに固体の部分が残ると、その部分は溶融するほど十分に発熱が起こらず、インジウム全体が溶融するまでに相当の時間が掛かる。そのため、基板の寸法が大きい場合には、定電流モードでインジウムの溶融完了判定をする方式が望ましい。
【0044】
次に、第3の実施の形態として、対角寸法が32インチ、前面基板11と背面基板12との間隔が1.6mmのFEDの製造方法において、電圧値の傾きを計測して封着、接合する方法について説明する。
まず、前述した第1の実施の形態と同様に、前面基板11および背面基板12に所望の処理を施した後、これら基板を隙間を置いて対向配置した状態で真空処理装置100内に投入する。そして、組立室105では前面基板11および背面基板12の温度を約120℃に維持したまま、側壁18上に配置されたインジウム21の対向する角部、および前面基板11に配置されたインジウムの対向する角部に、通電用の電極30a、30b、32a、32bをそれぞれ接触させる。
【0045】
続いて、電源120から電極30a、30b、32a、32bを通してそれぞれのインジウム21に通電する。この通電によりインジウム21の温度が上昇するため、コンピュータ122に取りこまれた電圧値は徐々に上昇する。実際に計測したインジウム21の電圧値変化は、図13に示すようになり、また、対応する電圧値の傾きは図14に示すようになる。図13より、最初徐々に上昇している電圧値がインジウム21の溶融時には大きく上昇し、溶融後は上昇の仕方が小さくなっていることがわかる。この電圧値変化の傾きをモニタすることにより、あるいは、電圧値の上昇量をモニタすることにより、インジウム全体が溶融したかどうかを判定することができる。本実施例では、傾き変化が収まった部分Cでインジウムは完全に溶融している。そこで、電圧値変化の傾きをモニタし、傾きが0.1以下となっている状態が5秒間連続した後インジウム溶融完了と判定して通電を切断する。
【0046】
本実施の形態では、インジウム21が溶融するまでにかかった時間が約25秒、前面基板11および背面基板12同士を加圧後インジウムが固化し130℃以下に達するまでにかかった時間は約3.5分であった。
【0047】
なお、上述した実施の形態では電流値または電圧値の変化によりインジウムの溶融完了を判定したが、インジウムの抵抗値そのもので溶融完了を判定することはいうまでもなく可能である。そこで、第4の実施の形態として、FEDの製造方法において、抵抗値をモニタしてインジウムの溶融完了を判定する方法について説明する。本実施の形態では、前述した第1の実施の形態と同様の工程により、側壁18上に配置されたインジウム21および前面基板11上に配置されたインジウム21を組立室105内で通電加熱し、前面基板および背面基板12を接合する。
【0048】
インジウム21を通電加熱する際、電源120からコンピュータ122に取りこまれたインジウムの抵抗値をモニタする。図15は、その抵抗値の変化および抵抗値変化の傾きを示している。そして、抵抗値の上昇量あるいは抵抗値変化の傾きに基づいてインジウムの溶融完了を判定する。例えば、抵抗値変化の傾きが0.5以下となっている状態が5秒間連続した後インジウムの溶融完了を判断し、インジウムの通電加熱を停止する。
従って、第4の実施の形態においても、前述した第1の実施の形態と同様の作用効果を得ることができる。
【0049】
次に、この発明の第5の実施の形態について説明する。
本実施の形態では、前述した第1の実施の形態と同様の工程により、側壁18上に配置されたインジウム21および前面基板11上に配置されたインジウム21を組立室105内で通電加熱し、前面基板および背面基板12を接合する。
【0050】
その際、電源120からインジウム21にそれぞれ直流電流を定電流モードで1秒間負荷する。この1秒間の通電の間に、電圧値がフィードバックされてコンピュータ122に取りこまれる。図16に示すように、1秒後(t1)には、計測された電圧値がコンピュータ122から電源120に出力され、定電圧モード(t1−t2)に移行する。
【0051】
その後、測定された電流値が、インジウム21の寸法から定められる理論的な電流値X、すなわち、インジウムが溶融する理論的な電流値、に達した時点で、もう一度定電流モード(t2−t3)に移行する。そして、この定電流モードでインジウム21に一定時間通電した後、通電を停止する。この3ステップ目の定電流モードは、インジウム21の配置のばらつきを吸収するもので、インジウム全体を確実に溶融する上で有効なステップとなっている。
【0052】
上記のように構成された第5の実施の形態においても、インジウムの通電加熱の際、通電条件、通電停止等を適切に設定し、数分のオーダーで容易に接合を完了することができる。そのため、量産性に優れた製造方法とすることができ、同時に、FEDを安価に製造ができ、安定かつ良好な画像を得ることが可能なFEDを提供することができる。
【0053】
なお、上述した第2ないし第5の実施の形態において、第1の実施の形態と同一の部分は同一の参照符号を用いて説明し、その詳細な説明を省略した。
また、この発明は上述した実施の形態に限定されることなく、この発明の範囲内で種々変形可能である。例えば、インジウムへの通電条件や温度条件は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の値をとることができる。ただし、ゲッターの吸着能力を低下させないために、基板温度の加熱温度は140℃を上回らないことが望ましい。上述した実施の形態では、電源からのフィードバックをコンピュータで測定する構成としたが、これに限らず、電流計、電圧計等の他の測定器を用いてもよい。
【0054】
真空外囲器の外形状や支持部材の構成は上記実施の形態に限られるものでないことはいうまでもなく、さらに、マトリックス型の黒色光吸収層と蛍光体層を形成し、断面が十字型の柱状支持部材を黒色光吸収層に対して位置決めして封着する構成としてもよい。また、電子放出素子は、pn型の冷陰極素子あるいは表面伝導型の電子放出素子等を用いてもよい。上記実施の形態では、真空雰囲気中で基板を接合する工程について述べたが、その他の雰囲気環境において本発明を適用することも可能である。
【0055】
また、封着材料はインジウムに限るものではなく、導電性があれば他の材料でもよい。一般的に金属であれば相変化する際に急激な抵抗値変化が生じるため、上述した実施の形態と同様の方法を実施することができる。例えば、封着材として、少なくともIn、Sn、Pb、Ga、Biのいずれかを含む金属を用いることができる。
【0056】
更に、この発明は、FEDに限定されることなく、SEDやPDP等の他の画像表示装置、あるいは、外囲器内部が高真空とならない画像表示装置にも適用することができる。
【0057】
【発明の効果】
以上詳述したように、この本発明によれば、基板全体を低温に維持しながら短時間で容易にかつ確実に基板を接合可能な画像表示装置の製造方法を提供することができる。これにより、安定かつ良好な画像を得ることが可能な画像表示装置を画像表示装置を安価に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態に係るFEDの全体構成を示す斜視図。
【図2】上記FEDの内部構成を示す斜視図。
【図3】図1の線A−Aに沿った断面図。
【図4】上記FEDの蛍光体スクリーンの一部を拡大して示す平面図。
【図5】上記FEDの製造に用いられる前面基板および背面基板を示す平面図。
【図6】上記封着部にインジウムが配置された背面基板と前面基板とを対向配置した状態を示す断面図。
【図7】上記FEDの製造に用いる真空処理装置を概略的に示す図。
【図8】上記FEDの製造工程において、インジウムに電極を接触させた状態を模式的に示す平面図。
【図9】上記インジウムの温度変化に伴う抵抗の特性を示すグラフ。
【図10】上記インジウムの通電加熱時における電流変化を示すグラフ。
【図11】上記インジウムの通電加熱時における電流の実測値を示すグラフ。
【図12】上記インジウムの通電加熱時における電流変化の傾きを示すグラフ。
【図13】上記インジウムの通電加熱時における電圧の変化を示すグラフ。
【図14】上記インジウムの通電加熱時における電流変化の傾きを示すグラフ。
【図15】上記インジウムの通電加熱時における抵抗値の変化および抵抗値変化の傾きを示すグラフ。
【図16】上記インジウムの通電加熱時における電流および電圧の変化を示すグラフ。
【符号の説明】
10…真空外囲器
11…前面基板
12…背面基板
14…支持部材
16…蛍光体スクリーン
18…側壁
21…インジウム
22…電子放出素子
30a、30b、30c…電極
100…真空処理装置
120…電源
122…コンピュータ
【発明の属する技術分野】
この発明は、対向配置された基板と複数の画素とを有した画像表示装置の製造方法および製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、高品位放送用あるいはこれに伴う高解像度の画像表示装置が望まれており、そのスクリーン表示性能については一段と厳しい性能が要望されている。これら要望を達成するためにはスクリーン面の平坦化、高解像度化が必須であり、同時に軽量、薄型化も図らねばならない。
【0003】
上記のような要望を満たす画像表示装置として、液晶の配向を利用して光の強弱を制御する液晶ディスプレイ(以下、LCDと称する)、プラズマ放電の紫外線により蛍光体を発光させるプラズマディスプレイパネル(以下、PDPと称する)、電界放出型電子放出素子の電子ビームにより蛍光体を発光させるフィールドエミッションディスプレイ(以下、FEDと称する)、表面伝導型電子放出素子の電子ビームにより蛍光体を発光させる表面伝導電子放出ディスプレイ(以下、SEDと称する)などが注目されている。
【0004】
例えばFEDやSEDは、所定の間隔を置いて対向配置された前面基板および背面基板を有し、これらの基板は、矩形枠状の側壁を介して周縁部同士を互いに接合することにより真空外囲器を構成している。前面基板の内面には蛍光体スクリーンが形成され、背面基板の内面には、蛍光体を励起して発光させる電子放出源として多数の電子放出素子が設けられている。
【0005】
また、背面基板と前面基板に加わる大気圧荷重を支えるため、これら基板の間には複数の支持部材が配設されている。そして、このFEDでは、電子放出素子から放出された電子ビームを蛍光体スクリーンに照射して蛍光体を励起することにより、蛍光体が発光し画像を表示する。
【0006】
このようなFEDでは、電子放出素子の大きさがマイクロメートルオーダーであり、前面基板と背面基板との間隔をミリメートルオーダーにすることができる。このため、現在のテレビやコンピューターディスプレイとして使用されている陰極線管(CRT)などと比較して、高解像度化、軽量化、薄型化を達成することができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上述したような画像表示装置の製造方法として、特開2001−210258号公報には、インジウムのような低融点金属材料を用いて前面基板および背面基板の周縁部同士を接合する方法が開示されている。また、特願2001−124685号公報には、インジウムのような低融点金属材料を通電加熱して溶融することにより、前面基板および背面基板の周縁部同士を接合する方法が開示されている。
【0008】
しかしながら、低融点金属材料を用いて接合する方法では、基板全体を融点まで加熱する必要があり、ゲッターの吸着能力が低下し、あるいは、工程時間が増加する等の問題が生じる。また、低融点金属材料を通電加熱して溶融する方法は、外囲器内部を高真空度に維持し、かつ熱的劣化などに起因する画像劣化を防止する効果があり、理論的には有用な方法であるが、適正な通電条件を見出すことが難しい。
【0009】
これらに対して、従来のように大気中で基板の周縁部をフリットガラスにより接合する方法では、接合後、排気管を介して外囲器内部を排気する必要がある。そして、排気速度は極めて遅く、到達できる真空度も悪いため、量産性および特性面に問題があった。
【0010】
この発明は以上の点に鑑みなされたもので、その目的は、基板全体を低温に維持しながら短時間で容易にかつ確実に基板を接合可能な画像表示装置の製造方法および製造装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、この発明の態様に係る画像表示装置の製造方法は、対向配置されているとともに周辺部同士が接合された前面基板および背面基板を有した外囲器と、上記外囲器内に形成された複数の画素とを備えた画像表示装置の製造方法において、上記前面基板および背面基板の少なくとも一方に、導電性を有した封着材を配置し、上記封着材に通電して加熱溶融させ、上記前面基板および背面基板の周辺部同士を接合し、上記封着材を通電加熱する際、上記封着材の電気抵抗の温度依存性に基づいて、上記封着材への通電を制御することを特徴としている。
【0012】
また、この発明の他の態様に係る画像表示装置の製造装置は、対向配置されているとともに周辺部同士が接合された前面基板および背面基板を有する外囲器と、上記外囲器内に形成された複数の画素とを備えた画像表示装置の製造装置において、上記前面基板および背面基板の少なくとも一方における周辺部に配置され導電性を有した封着材に通電して加熱溶融させる電源と、上記封着材を通電加熱する際、上記電源からフィードバックされた電流値および電圧値の少なくとも一方を取り込み、上記封着材の電気抵抗の温度依存性に基づいて、上記電源による上記封着材への通電を制御する制御部と、を備えたことを特徴としている。
【0013】
上記構成の画像表示装置の製造方法および製造装置によれば、封着材の電気抵抗の温度依存性に基づいて、封着材の溶融完了を電気的に容易に検出することができる。そのため、前面基板および背面基板全体を低温に維持した状態で周辺部の接合を行い、ゲッターの吸着能力を低下させることが無く、また熱応力によって各基板が破壊してしまう問題を排除することができる。また、数分のオーダーで容易に接合を行うことが可能であり、工程時間を従来と比して短時間化することが可能になる。これにより安価に製造ができ、安定かつ良好な画像を得ることが可能な画像表示装置を提供することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照ながら、この発明を画像表示装置としてFEDの製造方法に適用した実施の形態について詳細に説明する。
まず、FEDの構成について説明する。図1ないし図4に示すように、FEDは、それぞれ矩形状のガラスからなる前面基板11、および背面基板12を備え、これらの基板は1〜2mmの隙間を置いて対向配置されている。対角寸法は10インチであり、背面基板12の大きさは前面基板11よりも大きく、その外周部には後述の映像信号を入力するための配線15が引出されている。
【0015】
前面基板11および背面基板12は、矩形枠状の側壁18を介して周縁部同士が接合され、内部が真空状態に維持された扁平な矩形状の真空外囲器10を構成している。背面基板12と側壁18とはフリットガラス19により接合され、前面基板11と側壁18とは導電性を有する封着材としてのインジウム21により接合されている。
【0016】
真空外囲器10の内部には、前面基板11および背面基板12に加わる大気圧荷重を支えるため、複数の板状の支持部材14が設けられている。これらの支持部材14は、真空外囲器10の短辺と平行な方向に延在しているとともに、長辺と平行な方向に沿って所定の間隔を置いて配置されている。なお、支持部材14は板状に限らず、柱状のものを用いてもよい。
【0017】
前面基板11の内面には、画像表示面として機能する蛍光体スクリーン16が形成されている。この蛍光体スクリーン16は、赤、緑、青の蛍光体層R、G、B、およびこれらの蛍光体層間に位置した黒色光吸収層20を並べて構成されている。蛍光体層R、G、Bは、真空外囲器10の短辺と平行な方向に延在しているとともに、長辺と平行な方向に沿って所定の間隔を置いて配置されている。なお、蛍光体スクリーン16上には、たとえばアルミニウムからなるメタルバック層17が蒸着されている。
【0018】
図3に示すように、背面基板12の内面上には、蛍光体スクリーン16の蛍光体層を励起する電子放出源として、それぞれ電子ビームを放出する多数の電子放出素子22が設けられている。これらの電子放出素子22は、画素毎に対応して複数列および複数行に配列されている。詳細に述べると、背面基板12の内面上には、導電性カソード層24が形成され、この導電性カソード層上には多数のキャビティ25を有した二酸化シリコン膜26が形成されている。二酸化シリコン膜26上には、モリブデンやニオブ等からなるゲート電極28が形成されている。そして、背面基板12の内面上において各キャビティ25内にはモリブデンなどからなるコーン状の電子放出素子22が設けられている。
【0019】
上記のように構成されたFEDにおいて、映像信号は、単純マトリックス方式に形成された電子放出素子22とゲート電極28に入力される。電子放出素子を基準とした場合、最も輝度の高い状態の時、+100Vのゲート電圧が印加される。また、蛍光体スクリーン16には+10kVが印加される。これにより、電子放出素子22から電子ビームが放出される。そして、電子放出素子から放出される電子ビームの大きさは、ゲート電極28の電圧によって変調され、この電子ビームが蛍光体スクリーン16の蛍光体層を励起して発光させることにより画像を表示する。
【0020】
次に、上記構成を有するFEDの製造方法について詳細に説明する。
まず、前面基板11となる板ガラスに蛍光体スクリーン16を形成する。これは、前面基板11と同じ大きさの板ガラスを準備し、この板ガラスにプロッターマシンで蛍光体ストライプパターンを形成しておき、この蛍光体ストライプパターンを形成した板ガラスと前面基板用の板ガラスを位置決め治具に載せて露光台にセットする。この状態で、露光、現像することにより、前面基板11となるガラス板上に蛍光体スクリーンを生成する。その後、蛍光体スクリーン16に重ねてメタルバック層17を形成する。
【0021】
続いて、背面基板12用の板ガラスに電子放出素子22を形成する。これは、マトリックス状の導電性カソード層24を板ガラス上に形成し、このカソード層上に例えば熱酸化法やCVD法あるいはスパッタリング法により2酸化シリコン膜の絶縁膜を形成する。この後、この絶縁膜上に、例えばスパッタリング法や電子ビーム蒸着法によりモリブデンやニオブなどのゲート電極形成用の金属膜を形成する。次に、この金属膜上に、形成すべきゲート電極に対応した形状のレジストパターンをリソグラフィーにより形成する。このレジストパターンをマスクとして金属膜をウェットエッチング法またはドライエッチング法によりエッチングし、ゲート電極28を形成する。
【0022】
この後、レジストパターン及びゲート電極28をマスクとして絶縁膜をウェットエッチングまたはドライエッチング法によりエッチングして、キャビティ25を形成する。そして、レジストパターンを除去した後、背面基板表面に対して所定角度傾斜した方向から電子ビーム蒸着を行うことにより、ゲート電極28上に例えばアルミニウムやニッケルからなる剥離層を形成する。その後、背面基板表面に対して垂直な方向からカソード形成用の材料として例えばモリブデンを電子ビーム蒸着法により蒸着する。これによって、キャビティ25の内部に電子放出素子22が形成される。次に、剥離層をその上に形成された金属膜とともにリフトオフ法により除去する。続いて、大気中で側壁18および支持部材14を背面基板12の内面上にフリットガラス19により封着する。
【0023】
その後、図5(a)、5(b)に示すように、側壁18の接合面の全周に渡ってインジウム21を所定の幅および厚さに塗布するとともに、前面基板11の側壁と対向する位置にインジウム21を所定の幅および厚さで矩形枠状に塗布する。そして、図6に示すように、これら背面基板12、前面基板11を所定間隔離して対向配置した状態で、真空装置内に投入する。
【0024】
なお、側壁18および前面基板11の封着部に対するインジウム21の配置は、上述したように、溶融したインジウムを封着部に塗布する方法、固体状態のインジウムを封着部に載置する方法等によって行う。
【0025】
この一連の工程には、例えば図7に示すような真空処理装置100を用いる。真空処理装置100は、並んで配設されたロード室101、ベーキング、電子線洗浄室102、冷却室103、ゲッター膜の蒸着室104、組立室105、冷却室106、およびアンロード室107を備えている。組立室105には、通電用の直流の電源120と、この電源を制御するコンピュータ122とが接続されている。コンピュータ122は、この発明における制御部および判定部として機能する。また、真空処理装置100の各室は、真空処理が可能な処理室として構成され、FEDの製造時には全室が真空排気されている。これら各処理室間は図示しないゲートバルブ等により接続されている。
【0026】
所定間隔離して配置された上述の前面基板11および背面基板12は、まず、ロード室101に投入される。そして、ロード室101内の雰囲気を真空雰囲気とした後、ベーキング、電子線洗浄室102へ送られる。
【0027】
ベーキング、電子線洗浄室102では、各種部材を300℃の温度に加熱し、各基板の表面吸着ガスを放出させる。同時にベーキング、電子線洗浄室102に取り付けられた図示しない電子線発生装置から電子線を、前面基板11の蛍光体スクリーン面、および背面基板12の電子放出素子面に照射する。その際、電子線発生装置外部に装着された偏向装置によって電子線を偏向走査することにより、蛍光体スクリーン面および電子放出素子面の全面をそれぞれ電子線洗浄することが可能となる。
【0028】
そして、この加熱、電子線洗浄を行った前面基板11および背面基板12は冷却室103に送られ、約120℃の温度まで冷却された後、ゲッター膜の蒸着室104へと送られる。この蒸着室104では、蛍光体層の外側にゲッター膜としてBa膜が蒸着形成される。Ba膜は表面が酸素や炭素などで汚染されることを防止することができ、活性状態を維持することができる。
【0029】
続いて、前面基板11および背面基板12は組立室105に送られる。この組立室105では、前面基板11および背面基板12の温度を約120℃に維持したまま、それぞれの基板のインジウム21に通電用の電極を接触させる。この場合、図8に示すように、前面基板11に形成されたインジウム21の内、対角方向に向い合う2つの角部に電極30a、30bを接触させる。また、背面基板12側の側壁18上に形成されたインジウム21の内、対角方向に向い合う2つの角部に電極32a、32bを接触させる。電極30a、30bおよび電極32a、32bは、互い重なることなく、ずれた角部に配置することが望ましい。
【0030】
電極30a、30b、32a、32bを設置し電源120に接続した後、前面基板11側のインジウム21および背面基板12側のインジウム21のそれぞれに通電しインジウムを溶融させる。この場合、まず、電源120から70Aの直流電流を定電流モードでインジウム21に1秒間負荷する。ここで定電流モードとは、予め決めた一定の電流値で通電する方式である。この1秒間の通電の間、電源120から電圧値がフィードバックされてコンピュータ122に取りこまれる。つまり、この1秒間の定電流モードは接触抵抗やインジウム21の配置のばらつきなどを踏まえた総電気抵抗を検出するためのプロセスである。これにより、接触抵抗やインジウム配置ばらつきなどを瞬時に検出し、次の定電圧モードでの電圧値を個別に最適設定することができる。
【0031】
通電開始から1秒後には、計測された電圧値がコンピュータ122から電源120に出力され、定電圧モードに移行する。定電圧モードとは、予め決められた一定の電圧値で通電する方式である。そして、通電によりインジウム21の温度が上昇するため、インジウムの電流値は70Aから徐々に低下していく。
【0032】
ここで、インジウム21の電気抵抗は図9に示す特性を持っている。インジウム21において、融点よりも温度の低い固体の領域では、温度上昇につれて1次関数的に穏やかに抵抗値が上がっていき、融点に達すると抵抗値が一気に上昇する。融点よりも高い温度の液体の領域では1次関数的に穏やかに抵抗値が徐々に上がっていく。よって、電源120からコンピュータ122に取りこまれる電流値は、ほぼ図10に示すように変化する。
【0033】
図11は実際に計測した電流値のグラフを示している。最初徐々に低下している電流値は、インジウム21が溶融するにつれて大きく低下し、溶融後は低下があまり起こらなくなっている。従って、コンピュータ122に取りこまれた電流値変化の傾きをモニタすることにより、あるいは電流値の低下量をモニタすることにより、インジウム21全体が溶融したかどうかを判定することができる。
【0034】
図12は、図11に示した電流値変化の傾きをグラフ化したものである。傾き変化が収まった領域Bでインジウム21は完全に溶融している。そのため、コンピュータ122によって電流値変化の傾き変化をモニタすることにより、インジウム21の溶融完了を判定し、電源120からインジウム21への通電を停止する。例えば、電流値変化の傾きが0.5以下となる状態が3秒間連続した後、通電を停止する。
【0035】
その後、インジウム21に接触させている電極30a、30b、32a、32bを取り除き、前面基板11および背面基板12を互いに接近する方向へ加圧することにより、インジウムによって前面基板11の周縁部と側壁18とを封着し接合する。なお、電極30a、30b、32a、32bを外すことなくインジウム21と共に一旦封着し、その後、電極の突出部分を切除する方式を取ることもできる。
【0036】
上述した方法で前面基板11および背面基板12の周縁部同士を封着し接合することにより、封着時間を著しく短縮することが可能になる。本実施の形態では、インジウム21が溶融するまでにかかった時間が約15秒、加圧後インジウムが固化し130℃以下に達するまでにかかった時間は約2分であった。
上記工程により形成された真空外囲器10は、冷却室106で常温まで冷却され、アンロード室107から取り出される。これにより、FEDが完成する。
【0037】
以上のようなFEDの製造方法によれば、真空雰囲気中で前面基板11および背面基板12の封着、接合を行うことから、ベーキングと電子線洗浄の併用によって表面吸着ガスを十分に放出させることができ、吸着能力が優れたゲッター膜を得ることができる。また、インジウムを通電加熱することによって封着、接合することにより、前面基板および背面基板全体を加熱する必要がなく、ゲッター膜の劣化、封着工程中に基板が割れるなどの不具合をなくすことができ、同時に、封着時間の短縮を図ることができる。
【0038】
更に、本実施の形態では、インジウムの通電加熱の際、電流値の傾き変化をモニタしてインジウムの溶融完了を電気的に検出することが可能となる。そのため、通電条件、通電停止等を適切に設定し、数分のオーダーで容易に接合を完了することができる。従って、量産性に優れた製造方法とすることができ、同時に、安定かつ良好な画像を得ることが可能なFEDを安価に製造することができる。
【0039】
なお、本実施の形態のように、基板の大きさが比較的小さい場合、インジウム21の配置ばらつきによる影響が小さく、電流値そのものを計測することによりインジウムの溶融完了を判定することができる。そこで、第2の実施の形態として、上述と同じ大きさのFEDを電流値そのものの変化を計測して封着する方法について説明する。
【0040】
第2の実施の形態では、インジウム21の塗布幅が4mm、塗布厚さがそれぞれ0.2mmとなるように、側壁18および前面基板11の側壁に対向する位置にインジウム21を塗布する。これらの寸法は、形成する真空外囲器の真空気密性および強度特性を十分得るために必要な寸法である。このような配置状態において、120℃におけるインジウム21の抵抗値は約27mΩとなる。また、溶融時におけるインジウム21の抵抗値は約60mΩである。
【0041】
第2の実施の形態では、前述した第1実施の形態と同様に、まず、電極30a、30b、32a、32bをインジウム21にそれぞれ接触させた後、それぞれのインジウム21に70Aの直流電流を定電流モードで1秒間負荷する。続いて、コンピュータ122により計測された電圧値で定電圧モードに切り替えて通電を行う。すると、電流値は約35A低下する。ばらつきを考慮して理論値よりも上側の値に、インジウム溶融完了の判定値を設定する。そして、電源120からコンピュータ122に取りこまれる電流値をモニタし、電流値が判定値に到達後2〜5秒経過してから通電を切断すると、インジウム全体を溶融することができる。
【0042】
上記実施の形態では、前面基板および背面基板の寸法が比較的小さい場合について記述した。このように基板の寸法が小さい場合、インジウムのばらつきの影響が小さく、通電加熱時、インジウム全体がほぼ同時に溶融する。しかしながら、基板の寸法が大きい場合、インジウムのばらつきの影響が大きくなり、通電加熱時、インジウムのある部分が溶融し別の部分はまだ固体のままという現象が起こりうる。
【0043】
定電圧モードではインジウムに印加する電流値が低下するため、インジウムに固体の部分が残ると、その部分は溶融するほど十分に発熱が起こらず、インジウム全体が溶融するまでに相当の時間が掛かる。そのため、基板の寸法が大きい場合には、定電流モードでインジウムの溶融完了判定をする方式が望ましい。
【0044】
次に、第3の実施の形態として、対角寸法が32インチ、前面基板11と背面基板12との間隔が1.6mmのFEDの製造方法において、電圧値の傾きを計測して封着、接合する方法について説明する。
まず、前述した第1の実施の形態と同様に、前面基板11および背面基板12に所望の処理を施した後、これら基板を隙間を置いて対向配置した状態で真空処理装置100内に投入する。そして、組立室105では前面基板11および背面基板12の温度を約120℃に維持したまま、側壁18上に配置されたインジウム21の対向する角部、および前面基板11に配置されたインジウムの対向する角部に、通電用の電極30a、30b、32a、32bをそれぞれ接触させる。
【0045】
続いて、電源120から電極30a、30b、32a、32bを通してそれぞれのインジウム21に通電する。この通電によりインジウム21の温度が上昇するため、コンピュータ122に取りこまれた電圧値は徐々に上昇する。実際に計測したインジウム21の電圧値変化は、図13に示すようになり、また、対応する電圧値の傾きは図14に示すようになる。図13より、最初徐々に上昇している電圧値がインジウム21の溶融時には大きく上昇し、溶融後は上昇の仕方が小さくなっていることがわかる。この電圧値変化の傾きをモニタすることにより、あるいは、電圧値の上昇量をモニタすることにより、インジウム全体が溶融したかどうかを判定することができる。本実施例では、傾き変化が収まった部分Cでインジウムは完全に溶融している。そこで、電圧値変化の傾きをモニタし、傾きが0.1以下となっている状態が5秒間連続した後インジウム溶融完了と判定して通電を切断する。
【0046】
本実施の形態では、インジウム21が溶融するまでにかかった時間が約25秒、前面基板11および背面基板12同士を加圧後インジウムが固化し130℃以下に達するまでにかかった時間は約3.5分であった。
【0047】
なお、上述した実施の形態では電流値または電圧値の変化によりインジウムの溶融完了を判定したが、インジウムの抵抗値そのもので溶融完了を判定することはいうまでもなく可能である。そこで、第4の実施の形態として、FEDの製造方法において、抵抗値をモニタしてインジウムの溶融完了を判定する方法について説明する。本実施の形態では、前述した第1の実施の形態と同様の工程により、側壁18上に配置されたインジウム21および前面基板11上に配置されたインジウム21を組立室105内で通電加熱し、前面基板および背面基板12を接合する。
【0048】
インジウム21を通電加熱する際、電源120からコンピュータ122に取りこまれたインジウムの抵抗値をモニタする。図15は、その抵抗値の変化および抵抗値変化の傾きを示している。そして、抵抗値の上昇量あるいは抵抗値変化の傾きに基づいてインジウムの溶融完了を判定する。例えば、抵抗値変化の傾きが0.5以下となっている状態が5秒間連続した後インジウムの溶融完了を判断し、インジウムの通電加熱を停止する。
従って、第4の実施の形態においても、前述した第1の実施の形態と同様の作用効果を得ることができる。
【0049】
次に、この発明の第5の実施の形態について説明する。
本実施の形態では、前述した第1の実施の形態と同様の工程により、側壁18上に配置されたインジウム21および前面基板11上に配置されたインジウム21を組立室105内で通電加熱し、前面基板および背面基板12を接合する。
【0050】
その際、電源120からインジウム21にそれぞれ直流電流を定電流モードで1秒間負荷する。この1秒間の通電の間に、電圧値がフィードバックされてコンピュータ122に取りこまれる。図16に示すように、1秒後(t1)には、計測された電圧値がコンピュータ122から電源120に出力され、定電圧モード(t1−t2)に移行する。
【0051】
その後、測定された電流値が、インジウム21の寸法から定められる理論的な電流値X、すなわち、インジウムが溶融する理論的な電流値、に達した時点で、もう一度定電流モード(t2−t3)に移行する。そして、この定電流モードでインジウム21に一定時間通電した後、通電を停止する。この3ステップ目の定電流モードは、インジウム21の配置のばらつきを吸収するもので、インジウム全体を確実に溶融する上で有効なステップとなっている。
【0052】
上記のように構成された第5の実施の形態においても、インジウムの通電加熱の際、通電条件、通電停止等を適切に設定し、数分のオーダーで容易に接合を完了することができる。そのため、量産性に優れた製造方法とすることができ、同時に、FEDを安価に製造ができ、安定かつ良好な画像を得ることが可能なFEDを提供することができる。
【0053】
なお、上述した第2ないし第5の実施の形態において、第1の実施の形態と同一の部分は同一の参照符号を用いて説明し、その詳細な説明を省略した。
また、この発明は上述した実施の形態に限定されることなく、この発明の範囲内で種々変形可能である。例えば、インジウムへの通電条件や温度条件は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の値をとることができる。ただし、ゲッターの吸着能力を低下させないために、基板温度の加熱温度は140℃を上回らないことが望ましい。上述した実施の形態では、電源からのフィードバックをコンピュータで測定する構成としたが、これに限らず、電流計、電圧計等の他の測定器を用いてもよい。
【0054】
真空外囲器の外形状や支持部材の構成は上記実施の形態に限られるものでないことはいうまでもなく、さらに、マトリックス型の黒色光吸収層と蛍光体層を形成し、断面が十字型の柱状支持部材を黒色光吸収層に対して位置決めして封着する構成としてもよい。また、電子放出素子は、pn型の冷陰極素子あるいは表面伝導型の電子放出素子等を用いてもよい。上記実施の形態では、真空雰囲気中で基板を接合する工程について述べたが、その他の雰囲気環境において本発明を適用することも可能である。
【0055】
また、封着材料はインジウムに限るものではなく、導電性があれば他の材料でもよい。一般的に金属であれば相変化する際に急激な抵抗値変化が生じるため、上述した実施の形態と同様の方法を実施することができる。例えば、封着材として、少なくともIn、Sn、Pb、Ga、Biのいずれかを含む金属を用いることができる。
【0056】
更に、この発明は、FEDに限定されることなく、SEDやPDP等の他の画像表示装置、あるいは、外囲器内部が高真空とならない画像表示装置にも適用することができる。
【0057】
【発明の効果】
以上詳述したように、この本発明によれば、基板全体を低温に維持しながら短時間で容易にかつ確実に基板を接合可能な画像表示装置の製造方法を提供することができる。これにより、安定かつ良好な画像を得ることが可能な画像表示装置を画像表示装置を安価に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態に係るFEDの全体構成を示す斜視図。
【図2】上記FEDの内部構成を示す斜視図。
【図3】図1の線A−Aに沿った断面図。
【図4】上記FEDの蛍光体スクリーンの一部を拡大して示す平面図。
【図5】上記FEDの製造に用いられる前面基板および背面基板を示す平面図。
【図6】上記封着部にインジウムが配置された背面基板と前面基板とを対向配置した状態を示す断面図。
【図7】上記FEDの製造に用いる真空処理装置を概略的に示す図。
【図8】上記FEDの製造工程において、インジウムに電極を接触させた状態を模式的に示す平面図。
【図9】上記インジウムの温度変化に伴う抵抗の特性を示すグラフ。
【図10】上記インジウムの通電加熱時における電流変化を示すグラフ。
【図11】上記インジウムの通電加熱時における電流の実測値を示すグラフ。
【図12】上記インジウムの通電加熱時における電流変化の傾きを示すグラフ。
【図13】上記インジウムの通電加熱時における電圧の変化を示すグラフ。
【図14】上記インジウムの通電加熱時における電流変化の傾きを示すグラフ。
【図15】上記インジウムの通電加熱時における抵抗値の変化および抵抗値変化の傾きを示すグラフ。
【図16】上記インジウムの通電加熱時における電流および電圧の変化を示すグラフ。
【符号の説明】
10…真空外囲器
11…前面基板
12…背面基板
14…支持部材
16…蛍光体スクリーン
18…側壁
21…インジウム
22…電子放出素子
30a、30b、30c…電極
100…真空処理装置
120…電源
122…コンピュータ
Claims (15)
- 対向配置されているとともに周辺部同士が接合された前面基板および背面基板を有した外囲器と、上記外囲器内に形成された複数の画素とを備えた画像表示装置の製造方法において、
上記前面基板および背面基板の少なくとも一方に、導電性を有した封着材を配置し、
上記封着材に通電して加熱溶融させ、上記前面基板および背面基板の周辺部同士を接合し、
上記封着材を通電加熱する際、上記封着材の電気抵抗の温度依存性に基づいて、上記封着材への通電を制御することを特徴とする画像表示装置の製造方法。 - 上記封着材を通電加熱する際、一定電圧で上記封着材に通電し、上記封着材の溶融完了を上記封着材の電流値の変化により検出し、上記溶融完了が検出された際に通電を停止することを特徴とする請求項1記載の画像表示装置の製造方法。
- 上記封着材の溶融完了を上記封着材の電流値変化の傾きの変化により検出することを特徴とする請求項2に記載の画像表示装置の製造方法。
- 上記封着材の溶融完了を上記封着材の電流値の低下量により検出することを特徴とする請求項2に記載の画像表示装置の製造方法。
- 上記封着材を通電加熱する際、一定電流で上記封着材に通電し、上記封着材の溶融完了を上記封着材の電圧値の変化により検出し、上記溶融完了が検出された際に通電を停止することを特徴とする請求項1記載の画像表示装置の製造方法。
- 上記封着材の溶融完了を上記封着材の電圧値変化の傾きの変化により検出することを特徴とする請求項5に記載の画像表示装置の製造方法。
- 上記封着材の溶融完了を上記封着材の電圧値の上昇量によって検出することを特徴とする請求項5に記載の画像表示装置の製造方法。
- 上記封着材を通電加熱する際、上記封着材の溶融完了を上記封着材の電気抵抗値の変化により検出し、上記溶融完了が検出された際に通電を停止することを特徴とする請求項1記載の画像表示装置の製造方法。
- 上記封着材の溶融完了を上記封着材の電気抵抗値変化の傾きの変化によって検出することを特徴とする請求項8に記載の画像表示装置の製造方法。
- 上記封着材の溶融完了を上記電気抵抗値の上昇量によって検出することを特徴とする請求項8に記載の画像表示装置の製造方法。
- 上記封着材は金属であることを特徴とする請求項1ないし10に記載の画像表示装置の製造方法。
- 上記金属が少なくともIn、Sn、Pb、Ga、Biのいずれかを含む金属であることを特徴とする請求項11記載の画像表示装置の製造方法。
- 真空雰囲気中で上記封着材を通電加熱することを特徴とする請求項1ないし12のいずれか1項に記載の画像表示装置の製造方法。
- 対向配置されているとともに周辺部同士が接合された前面基板および背面基板を有する外囲器と、上記外囲器内に形成された複数の画素とを備えた画像表示装置の製造装置において、
上記前面基板および背面基板の少なくとも一方における周辺部に配置され導電性を有した封着材に通電して加熱溶融させる電源と、
上記封着材を通電加熱する際、上記電源からフィードバックされた電流値および電圧値の少なくとも一方を取り込み、上記封着材の電気抵抗の温度依存性に基づいて、上記電源による上記封着材への通電を制御する制御部と、
を備えたことを特徴とする画像表示装置の製造装置。 - 上記制御部は、上記電源からフィードバックされた電流値および電圧値の少なくとも一方に基づいて上記封着材の電流値変化、電圧値変化、抵抗値変化の少なくとも1つを測定し、上記封着材の溶融完了を検出するとともに上記溶融完了を検出した際に上記電源による通電を停止する判定部を備えていることを特徴とする請求項14に記載の画像表示装置の製造装置。
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