JP3828355B2 - 光信号処理回路 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、光領域において入力される光パルス列あるいは光パケット列からなる光信号列の各光信号の時間的入れ替えおよびバッファリング操作を行って、所望の時間順序の光信号からなる光信号列として出力し得るとともに、また光パルス列からなる光アドレスの変換を行い得る光信号処理回路に関する。
【0002】
【従来の技術】
光パルス列あるいは光パケット列からなる光信号列の各光信号の時間的入れ替えおよびバッファリング操作を行う光信号処理回路または光パルス列からなる光アドレスの変換を行う光信号処理回路は、光ネットワークなどにおいて重要な役割を果たす素子である。このような操作を行う従来の光信号処理回路は、図12に示すように、入力部1から入射される光パケット列を分波する光分波器2、この光分波器2で分波された複数の光パケット列をそれぞれ所定の時間で遅延させる複数の光ファイバあるいは導波路遅延線3a,3b,3c,3d、これらの複数の光ファイバあるいは導波路遅延線にそれぞれ接続された複数の光ゲートスイッチ4a,4b,4c,4d、およびこれらの複数の光ゲートスイッチから出力される光パケット列を合波して出力部6に出力する光合波器5から構成されている(例えば、K.Habara他による、"Large-capacity WDM packet switching," Photonic Networks(Advances in optical communications),Springer-Verlag,G.Prati Ed.,pp.285-299,1997. 参照)。
【0003】
上述した従来の光信号処理回路においては、図13(a)に示すように入力部1から入射された光パケット列A,B,C,Dは、光分波器2で分波された後、光ファイバあるいは導波路遅延線3a〜3dに入射されて、それぞれ所定時間遅延させられる。
【0004】
ここで、一例として、前記光パケット列A,B,C,DのうちのBとDを時間的に入れ替える場合について説明する。すなわち、光パケット列の周期をτoとし、光ファイバあるいは導波路遅延線3aの長さに対する各光ファイバあるいは導波路遅延線3b,3c,3dの長さをそれぞれ2cτo/n,2cτo/n,4cτo/n(ここで、cは真空中の光速、nは遅延線の屈折率である)ずつ長く設定すると、各光ファイバあるいは導波路遅延線3a〜3dを通過し、光ゲートスイッチ4a〜4dに入力される直前の光パケット列A,B,C,Dは図13(b)に示すようになる。そこで、光ゲートスイッチ4a〜4dを用いて、これらの光パケット列のうち、図13(b)に示すように斜線を施した光パケットのみを取り出し、この取り出した光パケットのみを光合波器5に入力すると、出力部6からは、図13(c)に示したように光パケットBとDの時間関係が入れ替えられた光パケット列が出力される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来の光信号処理回路では、光ファイバあるいは導波路固定遅延線を使用しているため、動作の自由度が低いという問題があると共に、また処理光パケット数に等しい数の光ゲートスイッチを必要とするため、光ネットワークの大規模化に伴い作製が困難になるという問題もある。更に、価格の高い能動素子である光ゲートスイッチ数の増加により作製価格も増大するという問題がある。
【0006】
本発明は、上記に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、動作の自由度が高く、処理光パケット数に依存せず、また光ゲートスイッチ数が常に2個であって経済的な光信号処理回路を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1記載の本発明は、入力される光信号列を複数の信号列に分波する第1の光分波器と、該第1の光分波器で分波された複数の光信号列をそれぞれ所望時間遅延させる第1の複数の可変遅延線と、該第1の複数の可変遅延線でそれぞれ遅延させられた複数の光信号列を合波する第1の光合波器と、該第1の光合波器で合波された複数の光信号列の各々を所定の時間でゲートして各光信号列から所望の光信号を順次取り出して出力する第1の光ゲートスイッチと、該第1の光ゲートスイッチから順次出力される光信号を分波する第2の光分波器と、該第2の光分波器から順次出力される光信号をそれぞれ所望時間遅延させて出力する第2の複数の可変遅延線または固定遅延線と、該第2の複数の可変遅延線または固定遅延線からそれぞれ出力される光信号列を合波する第2の光合波器と、この合波された複数の光信号列のうちすべてがそろった1つをゲートして出力する第2の光ゲートスイッチとを有することを要旨とする。
【0008】
請求項1記載の本発明にあっては、入力された光信号列を複数の信号列に分波し、この分波された複数の光信号列を第1の複数の可変遅延線でそれぞれ所望時間遅延させ、この遅延させられた複数の光信号列を合波し、この合波された複数の光信号列の各々を第1の光ゲートスイッチで所定の時間でゲートして各光信号列から所望の光信号を順次取り出し、この順次取り出された光信号を分波し、この分波された光信号を第2の複数の可変遅延線または固定遅延線でそれぞれ所望時間遅延させて出力し、この第2の複数の可変遅延線または固定遅延線からの光信号列を合波し、この合波された複数の光信号列のうちすべてがそろった1つを第2の光ゲートスイッチでゲートして出力するため、可変遅延線、固定遅延線と光ゲートスイッチを組み合わせることにより動作の自由度を高くすることができるとともに、また処理信号の数に依存せずに光ゲートスイッチの数は常に2個であり、作製の容易化および低価格化を図ることができる。
【0009】
また、請求項2記載の本発明は、入力される光信号列を入力として2つの出力に接続する第1の光スイッチと、該第1の光スイッチの2つの出力を入力とし、この2つの入力のうち一方を所望時間遅延させる可変遅延線とし、該可変遅延線で遅延させられていない他方の入力と該可変遅延線からの遅延出力を入力として2つの出力のいずれかに切り替え接続する2×2光スイッチを有する可変遅延線/2×2光スイッチを前段の可変遅延線/2×2光スイッチの2つの出力が後段の可変遅延線/2×2光スイッチの2つの入力となるように1段または複数段縦続接続して構成される第1の縦続接続手段と、該第1の縦続接続手段の最終段の可変遅延線/2×2光スイッチの一方の出力を所定の時間でゲートする第1の光ゲートスイッチと、該第1の光ゲートスイッチの出力を入力として2つの出力に接続する第2の光スイッチと、該第2の光スイッチの2つの出力を入力とし、この2つの入力のうち一方を所望時間遅延させる可変遅延線または固定遅延線とし、該可変遅延線または固定遅延線で遅延させられていない他方の入力と該可変遅延線または固定遅延線からの遅延出力を入力として2つの出力に接続する2×2光スイッチを有する可変遅延線/2×2光スイッチまたは固定遅延線/2×2光スイッチを前段の可変遅延線/2×2光スイッチまたは固定遅延線/2×2光スイッチの2つの出力が後段の可変遅延線/2×2光スイッチまたは固定遅延線/2×2光スイッチの2つの入力となるように1段または複数段縦続接続して構成される第2の縦続接続手段と、該第2の縦続接続手段の最終段の可変遅延線/2×2光スイッチまたは固定遅延線/2×2光スイッチの一方の出力を所定の時間でゲートする第2の光ゲートスイッチとを有することを要旨とする。
【0010】
請求項2記載の本発明にあっては、入力される光信号列を入力として第1の光スイッチで2つの出力に導き、この光スイッチの2つの出力を入力とし、この2つの入力のうち一方を可変遅延線で所望時間遅延させるとともに、遅延させられていない他方の入力と可変遅延線からの遅延出力を入力として2×2光スイッチで2つの出力に導くという可変遅延線/2×2光スイッチを1段または複数段縦続接続した第1の縦続接続手段通過後に入力光信号列を遅延した複数の光信号列を生成し、この複数の光信号列を第1の光ゲートスイッチでゲートして各光信号列から所望の光信号を順次取り出し、この順次取り出した光信号列を入力として第2の光スイッチで2つの出力に導き、この光スイッチの2つの出力を入力とし、この2つの入力のうち一方を可変遅延線または固定遅延線で所望時間遅延させるとともに、遅延させられていない他方の入力と可変遅延線または固定遅延線からの遅延出力を入力として2×2光スイッチで2つの出力に導くという可変遅延線/2×2光スイッチまたは固定遅延線/2×2光スイッチを1段または複数段縦続接続した第2の縦続接続手段通過後に光信号列を遅延した複数の光信号列を生成し、この複数の光信号列のうちすべてがそろった1つを第2の光ゲートスイッチでゲートして出力するため、可変遅延線、固定遅延線、光スイッチおよび光ゲートスイッチを組み合わせることにより動作の自由度を高くすることができるとともに、また処理信号の数に依存せずに光ゲートスイッチの数は常に2個であり、作製の容易化および低価格化を図ることができる。
【0011】
更に、請求項3記載の本発明は、請求項1または2記載の発明において、前記可変遅延線が、入力される光信号列を入力として2つの出力のいずれかに切り替え接続する入力用光スイッチと、該入力用光スイッチの2つの出力のうち一方を所定時間遅延させ、他方を遅延させないような一対の非対称アームに入力し、この非対称アームからの遅延させられた光信号と遅延させられていない光信号を入力として2つの出力のいずれかに切り替え接続する2×2光スイッチを有する非対称アーム/2×2光スイッチを前段の非対称アーム/2×2光スイッチの2つの出力が後段の非対称アーム/2×2光スイッチの2つの入力となるように1段または複数段縦続接続して構成される縦続接続手段とを有することを要旨とする。
【0012】
請求項3記載の本発明にあっては、可変遅延線は2×2光スイッチと、入力光信号列を所定時間遅延させる一方のアームと遅延させない他方のアームからなる一対の非対称アームの出力を2×2光スイッチで切り替え接続する構成とを組として1段または複数段縦続接続したものとから構成されている。
【0013】
請求項4記載の本発明は、請求項3記載の発明において、前記非対称アームの光路長差がアームの個数をL(Lは自然数)として、最小の光路長差に対して2倍、22倍、…、2L-1倍であることを要旨とする。
【0014】
請求項4記載の本発明にあっては、可変遅延線は2×2光スイッチと、入力光信号列を所定時間遅延させる一方のアームと遅延させない他方のアームからなる一対の非対称アームの出力を2×2光スイッチで切り替え接続する構成とを組として1段または複数段縦続接続したものとから構成され、この非対称アームの光路長差が最小の光路長差に対して2倍ずつ増加するようになっているとともに、また非対称アームは光路長差に関わらず、任意の順序で配置してもよいものである。
【0015】
また、請求項5記載の本発明は、請求項1または2記載の発明において、前記可変遅延線が、入力される光信号列を分波する入力用光分波器と、該入力用光分波器の各出力に接続され、該入力用光分波器から出力される複数の光信号列をそれぞれ所定時間遅延させる複数の遅延手段と、該複数の遅延手段のそれぞれに接続され、該複数の遅延手段のうち、所望時間遅延した光信号列を取り出して出力する複数の光スイッチと、該複数の光スイッチから出力される光信号列を合波して出力する出力用光合波器とを有することを要旨とする。
【0016】
請求項5記載の本発明にあっては、可変遅延線は入力される光信号列を分波し、この分波された複数の光信号列を複数の遅延手段でそれぞれ所定時間遅延させ、この所定時間遅延した光信号列のうち所望の遅延時間の光信号列を複数の光スイッチで取り出し合波して出力している。
【0017】
更に、請求項6記載の本発明は、請求項1または2記載の発明において、前記可変遅延線が、入力される光信号列を入力として2つの出力のいずれかに切り替え接続する入力用光スイッチと、該入力用光スイッチの2つの出力のうちの一方を所定時間遅延させる遅延手段と該遅延手段の出力を入力として2つの出力のいずれかに切り替え接続する光スイッチを有する遅延手段/光スイッチを前段の遅延手段/光スイッチの2つの出力のうちの一方が後段の遅延手段/光スイッチの入力となるように1段または複数段縦続接続して構成される縦続接続手段と、前記入力用光スイッチの2つの出力のうちの他方の出力および縦続接続手段を構成する1段または複数段の遅延手段/光スイッチにおける光スイッチの2つの出力のうちの他方の1つまたは複数の出力を合波して出力する出力用光合波器とを有することを要旨とする。
【0018】
請求項6記載の本発明にあっては、可変遅延線は入力される光信号列を入力として入力用光スイッチで2つの出力のいずれかに切り替え、この2つの出力のうちの一方の遅延手段で所定時間遅延させられた光信号列を光スイッチで2つの出力のいずれかに切り替えるという遅延手段/光スイッチを組として1段または複数段縦続接続し、この1段または複数段の遅延手段/光スイッチにおける光スイッチの2つの出力のうちの他方の複数の出力および前記入力用光スイッチの他方の出力を出力用光合波器で合波して出力している。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、図面を用いて本発明の実施の形態を説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る光信号処理回路の構成を示す図である。同図に示す光信号処理回路は、入力導波路7aから入力される光パケット列を分波して複数の光パケット列を出力する第1の光分波器8a、この第1の光分波器8aのそれぞれの出力に導波路7b〜7eを介して接続され、光分波器8aから出力されるそれぞれの光パケット列を遅延させる第1の複数の可変遅延線を構成する複数の可変遅延線(D)9a〜9d、この複数の可変遅延線9a〜9dのそれぞれの出力に導波路7f〜7iを介して接続され、複数の可変遅延線9a〜9dから出力される遅延した光パケット列を合波する第1の光合波器10a、この第1の光合波器10aの出力に導波路7jを介して接続され、第1の光合波器10aからの合波された光パケット列のうち所定の時間、すなわち所定の周期の光パケット列のみを取り出すべくゲートをかける第1の光ゲートスイッチ(G)11a、この光ゲートスイッチ11aの出力に導波路7kを介して接続され、光ゲートスイッチ11aからのゲートされた光パケット列を分波する第2の光分波器8b、この第2の光分波器8bのそれぞれの出力に導波路7l〜7oを介して接続され、第2の光分波器8bから出力されるそれぞれの光パケット列を遅延させる第2の複数の可変遅延線を構成する複数の可変遅延線(D)9e〜9h、この複数の可変遅延線9e〜9hに導波路7p〜7sを介して接続され、複数の可変遅延線9e〜9hから出力される遅延した光パケット列を合波する第2の光合波器10b、およびこの第2の光合波器10bに導波路7tを介して接続され、第2の光合波器10bからの合波された光パケット列のうちどれか1つの光パケット列のみをゲートして取り出し、出力導波路7uから出力する第2の光ゲートスイッチ(G)11bから構成されている。
【0020】
第1および第2の光分波器8a,8b、第1および第2の光合波器10a,10bは、例えばスターカプラ、多モード干渉(MMI)カプラ、2×2の方向性結合器を多段に縦続接続して構成されるもの、2×2の対称マッハツェンダ型干渉計を多段に縦続接続して構成されるもの、Y分岐導波路を多段に縦続接続して構成されるものなどがある。
【0021】
可変遅延線(D)9a〜9d,9e〜9hは、図2に示すように、固定遅延線12aまたは12bから入力される光信号列を入力として2つの出力に接続する入力用光スイッチ14−0と、この入力用光スイッチ14−0の2つの出力のうち一方を所定時間遅延させ、他方を遅延させないように一対の非対称アーム対15a−i,15b−iに入力し、この非対称アーム対からの遅延させられた光信号と遅延させられていない光信号を入力として2つの出力のいずれかに切り替え接続する2×2光スイッチ14−iからなる非対称アーム対15a−i,15b−iと2×2光スイッチ14−i(i=1,2…N、Nは自然数)を1段として前段の非対称アーム対/2×2光スイッチの2つの出力が後段の非対称アーム対/2×2光スイッチの2つの入力となるように複数の非対称アーム対15a−i,15b−iと2×2光スイッチ14−i(i=1,2…N)を縦続接続した縦続接続手段を構成する縦続接続部と、この縦続接続部の最後の2×2光スイッチ14−Nの出力に接続され、遅延した光パケット列を出力する出力用導波路12c,12dとから構成されている。固定遅延線12a,12bのいずれかが入力として使用され、固定遅延線12c,12dのいずれかが出力として使用される。
【0022】
なお、マッハツェンダ型干渉計とは、2本の光導波路が中間の2ヶ所で近接するように配置されて2個の方向性結合器を形成して構成されるものであり、この2本の光導波路の、2個の方向性結合器間の部分をアームと称し、この2本のアームの長さが等しいものを対称マッハツェンダ型干渉計と称し、2本のアームの長さが等しくないものを非対称マッハツェンダ型干渉計と称するものである。
【0023】
2×2光スイッチ14−0,14−i(i=1,2…N)は、図3に示すように、2本の長さが等しい導波路16a,16bを2ヶ所で接近させて方向性結合器17a,17bを構成する対称マッハツェンダ型干渉計から構成されるものであり、2個の方向性結合器17a,17bの間の一方のアームに対して位相シフタを構成する屈折率制御部18を設けている。この屈折率制御部18を用いて、導波路16aの屈折率を変えて、位相を0からπまで変化させることによりスイッチングを行うようになっている。なお、非対称アーム15の光路長差ΔLは、本実施形態ではΔLN=2N-1cτo/nに設定している。この光スイッチ14と非対称アーム15を用いて可変遅延線を構成している。
【0024】
なお、本実施形態では、光路長差ΔLが短い方から長い方に配置されているが、本発明は、このような順序に限られるものでなく、この順序は任意の組み合わせでもよいものである。また、光路長差は、すべて等しくしてもよいし、また少なくとも1つの光路長差が他と異なるように設定してもよいものである。
【0025】
例えば、光路長差ΔL,2ΔL,…,7ΔLを得る場合を考えると、干渉計の光路長差がすべて等しい場合には干渉計数を7とする必要がある。しかしながら、光路長差を2の倍数で増加させた場合には、干渉計数は3に低減できる。一般的に実数の倍数で増加させた光路長差を持つ干渉計を組み合わせて可変遅延線を構成することが可能であるが、ΔL毎の等光路長差を与えられるのは2の倍数で増加する場合のみである。すなわち、非対称アームの光路長差は最小の光路長差に対して2倍ずつ増加(アームの個数をL(Lは自然数)とすると、最小の光路長差に対して2倍、22倍、…、2L-1倍)する場合である。
【0026】
なお、方向性結合器17a,17bの他の構成例は、対称マッハツェンダ型干渉計1段または対称マッハツェンダ型干渉計を多段に縦続接続して構成されるもの、2×2MMIカプラなどがある。
【0027】
図4は、図1に示した可変遅延線(D)(9a〜9d,9e〜9h)の他の構成を示す図である。同図に示す可変遅延線(D)90は、8種類の可変遅延を得ることができるものであり、入力部19から入力される光パケット列を分波する入力用光分波器を構成する光分波器20、この光分波器20の出力に接続され、該光分波器20で分波された複数の光パケット列の各々を所定時間遅延させる複数の遅延手段を構成する複数の固定遅延線21a〜21h、この複数の固定遅延線21a〜21hの出力に一方の入力が接続された複数の光スイッチを構成する2×2光スイッチ23a〜23h、この2×2光スイッチ23a〜23hの他方の入力に接続された導波路22a〜22h、2×2光スイッチ23a〜23hの一方の出力に導波路22q〜22xを介して接続され、2×2光スイッチ23a〜23hを通過した光パケット列を合波して出力部25から出力する出力用光合波器を構成する光合波器24から構成されている。なお、2×2光スイッチ23a〜23hの他方の出力には導波路22i〜22pが接続されている。
【0028】
このように構成される可変遅延線90では、固定遅延線21a〜21hの長さを予め変えて、これによりそれぞれ所定の遅延時間を得るようになっている。そして、所望の光路長を得るために、2×2光スイッチ23a〜23hのいずれか1つのみをバー状態、すなわちストレートオン状態とし、光分波器20から導波路21a〜21hを通過した光パケット列のうちの1つのみを光合波器24に導いて、所望の時間だけ遅延した光パケット列のみを出力するようになっているものである。なお、他の光パケット列は、2×2光スイッチ23がクロス状態になっているため、導波路22i〜22pのいずれかに出射し、出力導波路25から出射しないようになっている。
【0029】
図5は、図1に示した可変遅延線(D)(9a〜9d,9e〜9h)の更に他の構成を示す図である。同図に示す可変遅延線(D)91は、入力導波路26a,26b、2×2光スイッチ27a〜27h、該2×2光スイッチ27a〜27hの前段の一方の出力と後段の一方の入力との間に接続され、その長さに応じた遅延をもたらす導波路26c〜26i、2×2光スイッチ27a〜27hの他方のすべての出力が接続され、これらの出力からの光信号を合波する光合波器28、および該光合波器28の出力に接続された出力導波路29から構成されている。なお、導波路26c〜26iおよび2×2光スイッチ27b〜27hは本発明の縦続接続手段を構成している。
【0030】
このように構成された可変遅延線91において、導波路26aから入射した光信号は、所望の遅延量に相当する光路長を得るために、2×2光スイッチ27a〜27hのいずれか1つのみをクロス状態に設定して、導波路26c〜26iを通過させることにより、その通過した分の導波路の長さと光スイッチ27部分である光路長に相当する時間だけ遅延させられてから、光合波器28に導かれ、出力導波路29から出力されるようになっている。例えば、2×2光スイッチ27eのみクロス状態に設定し、他のすべての2×2光スイッチ27a〜27d,27f〜27hをバー状態、すなわちストレートオン状態に設定すると、入力導波路26aからの光信号は、導波路26c,26d,26e,26fを通過し、これにより4つの導波路と5つの光スイッチとの長さ分に相当する時間だけ遅延させられた後、光合波器28を介して出力導波路29から出力されることになる。
【0031】
なお、図1に示した光信号処理回路において、第1の光ゲートスイッチ11a、第2の光ゲートスイッチ11bは、ナノセコンド程度以下の高速性を要求されるため、半導体レーザ増幅器型光ゲートスイッチ、半導体スイッチ、LiNbO3 等の強誘電体強度変調器などを用いている。
【0032】
次に、上述したように構成される図1に示す実施形態の光信号処理回路の作用について図6を参照して説明する。この説明では、図6(a)に示すような入力光パケット列ABCDに対してBとDを入れ替える場合について説明する。
【0033】
この場合、図1に示す可変遅延線9a〜9cの光路長は、それぞれ可変遅延線9dの光路長に対してc(3To−τo)/n,c(2To−2τo)/n,c(To−3τo)/nずつ長く設定される。但し、Toは時間を表す量であり、各遅延線において光路長差JcTo/n−3cτo/n(J:自然数)は例えば図2の固定遅延線12により予め設定されているものとする。なお、J=3(9a),J=2(9b),J=1(9c)であり、図2の14の設定により、2τoc/n(9a),τoc/n(9b),o(9c)の遅延が与えられているものとする。
【0034】
図6(a)に示すように、光パケット列ABCDが入力導波路7aから第1の光分波器8aに入力されると、この光パケット列ABCDは第1の光分波器8aで複数の光パケット列に分波される。そして、この分波された複数の光パケット列は、それぞれ可変遅延線9a〜9dで上述したように設定された光路長に相当する所望の時間遅延させられて、第1の光合波器10aで合波されて、図6(b)に示すような互いに遅延した複数の光パケット列として導波路7jに出力される。
【0035】
図6(b)に示すように、導波路7jに出力された複数の光パケット列は、第1の光ゲートスイッチ11aで周期Toでゲートされ、各光パケット列から1光パケットずつ取り出され、第1の光ゲートスイッチ11aからは、図6(c)に示すような光パケット列A,D,C,Bが個々に出力される。
【0036】
図6(c)に示すように、第1の光ゲートスイッチ11aから出力された光パケット列A,D,C,Bは、第2の光分波器8bで複数の光パケット列に分波され、この分波された複数の光パケット列はそれぞれ可変遅延線9e〜9hに入力されて遅延させられる。この場合、可変遅延線9e〜9gの光路長は、可変遅延線9hの光路長に対してそれぞれc(3To−3τo)/n,c(2To−2τo)/n,c(To−τo)/nずつ長く設定される。但し、各遅延線においてMcTo/n−3cτo/n(M:自然数)は固定遅延線12により予め設定済みである。なお、M=3(9e),M=2(9f),M=1(9g)であり、図2の14の設定により、o(9e),τoc/n(9f),2τoc/n(9g)の遅延が与えられているものとする。
【0037】
このように光路長を設定された可変遅延線9e〜9hを通過した各光パケット列は、各可変遅延線9e〜9hに設定された光路長に相当する所望の時間遅延させられる。このように遅延させられた可変遅延線9e〜9hからの複数の光パケット列を第2の光合波器10bで合波すると、図6(d)に示すような複数の光パケット列として導波路7tに出力される。
【0038】
図6(d)に示すように導波路7tに出力された複数の光パケット列は、第2の光ゲートスイッチ11bでゲートされ、すべてがそろった1つの光パケット列が図6(e)に示すように取り出される。この光パケット列は、図6(a)に示すように入力された光パケット列に対してBとDが入れ替えられている。すなわち、光パケット列のタイムスロット変換が実現されるものである。なお、可変遅延線9e〜9hは、上述した光路長差の関係が保たれている固定遅延線に置き換えてもよく、効果は同じである。
【0039】
上述した図1に示す実施形態は、簡単化のために4個の光パケット間の入れ替えを行う場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものでなく、第1の光分波器8a、第2の光分波器8bと第1の光合波器10a、第2の光合波器10bとの間の可変遅延線の数をI本(I:自然数)に設定することにより、光ゲートスイッチ11の数が常に2個でI個の光パケット間の入れ替えを行うことができることは明らかである。
【0040】
次に、図7を参照して、本発明の他の実施形態に係る光信号処理回路について説明する。図7に示す実施形態の光信号処理回路は、入力導波路30aまたは30bから入力される光信号列を入力として2つの出力に接続する第1の光スイッチを構成する第1の2×2光スイッチ31a、この第1の2×2光スイッチ31aの2つの出力を入力とし、この2つの入力のうち一方を所望時間遅延させる可変遅延線を32aとし、該可変遅延線32aで遅延させられていない他方の入力と該可変遅延線32aからの遅延出力を入力として2つの出力に接続する2×2光スイッチ31bを有する可変遅延線32a/2×2光スイッチ31bを1つの可変遅延線/2×2光スイッチ段として、前段の可変遅延線/2×2光スイッチ段の2つの出力が後段の可変遅延線/2×2光スイッチ段の2つの入力となるように1つまたは複数(本実施形態では2段)の可変遅延線/2×2光スイッチ段を縦続接続して構成される手段を形成する可変遅延線32a,32bおよび2×2光スイッチ31b,31cからなる第1の縦続接続手段、この第1の縦続接続手段の最終段の可変遅延線/2×2光スイッチ段の一方の出力を所定の周期でゲートする第1の光ゲートスイッチ33a、該第1の光ゲートスイッチ33aの出力および導波路30lを入力として2つの出力に接続する第2の光スイッチを構成する第2の2×2光スイッチ31d、この第2の2×2光スイッチ31dの2つの出力を入力とし、この2つの入力のうち一方を所望時間遅延させる可変遅延線32cと、該可変遅延線32cで遅延させられていない他方の入力と該可変遅延線32cからの遅延出力を入力として2つの出力に接続する2×2光スイッチ31eとを有する可変遅延線/2×2光スイッチ段を前段の可変遅延線/2×2光スイッチ段の2つの出力が後段の可変遅延線/2×2光スイッチ段の2つの入力となるように1つまたは複数(本実施形態では2段)の可変遅延線/2×2光スイッチ段を縦続接続して構成される手段を形成する可変遅延線32c,32dおよび2×2光スイッチ31e,31fからなる第2の縦続接続手段、この第2の縦続接続手段の最終段の可変遅延線/2×2光スイッチ段の一方の出力を所定の時間でゲートする第2の光ゲートスイッチ33bとから構成されている。なお、30c〜30uは導波路であり、30uは出力導波路である。
【0041】
なお、可変遅延線32a〜32dは、図1の実施形態と同様に図2、図4、図5のように構成されるものであり、また2×2光スイッチ31a〜31fも同様に図3に示すように構成されるものである。
【0042】
以上のように構成される図7の実施形態の光信号処理回路の作用について図8を参照して説明する。この説明では、図8(a)に示すような入力光パケット列ABCDに対してBとCを入れ替える場合について説明する。
【0043】
この場合、図7に示す可変遅延線32a,32bの光路長は、それぞれ(導波路30c,30d,30f,30gの光路長も考慮して)導波路30e,30hの光路長に対してc(To−2τo)/n,c(2To−τo)/nずつ長く設定される。同様に、可変遅延線32c,32dの光路長は、それぞれ(導波路30m,30n,30p,30qの光路長も考慮して)導波路30o,30rの光路長に対してc(To−τo)/n,2c(To−τo)/nずつ長く設定される。但し、各遅延線において光路長差cKTo/n−2cτo/n(K:自然数)は例えば図2の固定遅延線12により予め設定されているものとする。なお、K=1(32a,32c),K=2(32b,32d)であり、図2の14の設定により、o(32a),τoc/n(32b),τoc/n(32c),o(32d)の遅延が与えられているものとする。
【0044】
上述したように、光路長の設定を行い、また2×2光スイッチ31a〜31fの強度透過および反射率を0.5に設定した場合、図8(a)に示すように光パケット列ABCDが入力導波路30aから入力されると、この光パケット列ABCDは第1の2×2光スイッチ31aと1段目の可変遅延線/2×2光スイッチを経て、まず遅延ゼロと遅延c(To−2τo)/nのパルス列が生成され、これらのそれぞれが2段目の可変遅延線/2×2光スイッチによって更にゼロまたはc(2To−τo)/nの遅延を受けるので、最後の2×2光スイッチ31cの出力である導波路30iには図8(b)に示すような4つの光パケット列として出力される。
【0045】
図8(b)に示すように、導波路30iに出力された4つの光パケット列は、第1の光ゲートスイッチ33aで周期Toでゲートされ、各光パケット列から1光パケットずつ取り出され、第1の光ゲートスイッチ33aからは、図8(c)に示すような光パケット列A,C,B,Dが個々に導波路30k上に出力される。
【0046】
図8(c)に示すように、第1の光ゲートスイッチ33aから出力された光パケット列A,C,B,Dは、第2の2×2光スイッチ31dの一方の入力に入力されてスイッチされ、第2の縦続接続手段に入力され、この第2の縦続接続手段を通過した最後の2×2光スイッチ31fの出力である導波路30sには図8(d)に示すような複数の光パケット列として出力される。
【0047】
図8(d)に示すように導波路30sに出力された複数の光パケット列は、第2の光ゲートスイッチ33bでゲートされ、すべてがそろった1つの光パケット列が図8(e)に示すように取り出される。この光パケット列は、図8(a)に示すように入力された光パケット列に対してBとCが入れ替えられている。なお、可変遅延線32c,32dは、上述した光路長差の関係が保たれている固定遅延線に置き換えてもよいものである。
【0048】
また、図7に示す実施形態では、簡単化のために4個の光パケット間の交換の入れ替えを行う場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものでなく、第1の光ゲートスイッチ33aの前側および後側の可変遅延線の数をH本(H:自然数)に設定することにより2H個の光パケット間の入れ替え、すなわち交 換を行うことが可能である。そして、可変遅延線の数Hが増大しても、光ゲートスイッチ33の数は常に2個で済むことは明らかである。また、遅延量を様々な値に設定することができるため、様々なパターンのタイムスロット変換を実現することができる。
【0049】
次に、図9を参照して、図1、図7に示した光信号処理回路の他の作用である光パルス列からなる光アドレスの変換処理について説明する。
【0050】
この光アドレスの変換処理は、換言すれば、光信号の値の変換処理であり、先に説明した作用では各光信号の時間的入れ替え、すなわち光パケットのタイムスロットの変換について説明したが、この光パルス列からなる光アドレスの変換では任意の光パルス列からなる光アドレスを任意の光パルス列からなる光アドレスに変換できるものである。具体的には、可変遅延線の光路長差を適切な値に設定することにより、例えば、4ビットの光パルス列からなる光アドレス「1111」を4ビットの光パルス列からなる光アドレス「1011」などに変換することができるものである。但し、アドレス「0000」からは、「0000」以外の他のアドレスに変換することは不可能である。従って、アドレスとして「0000」は用いないこととする。
【0051】
図9に示す光アドレスの変換は、入力光パルス列ABCDからなる光アドレス「1111」を出力光パルス列A−BAからなる光アドレス「1011」に変換するものである。
【0052】
このような変換を行う場合、図1に示す光信号処理回路においては、可変遅延線9a〜9cの光路長は、それぞれ可変遅延線9dの光路長に対して3cTo/n,c(2To−τo)/n,c(To+τo)/nずつ長く設定される。また、可変遅延線9e〜9gの光路長は、それぞれ可変遅延線9hの光路長に対して3c(To−τo)/n,2c(To−τo)/n,c(To−τo)/nずつ長く設定される。
【0053】
このような設定を行った図1の光信号処理回路を図6で説明したと同様に光ゲートスイッチ11a,11bを作動させることにより、図9に示すように、光アドレスが「1111」から「1011」に変換されることになる。
【0054】
図9の動作について簡単に説明すると、まず図9(a)に示すように、光パルス列ABCDからなる光アドレス「1111」が入力導波路7aから第1の光分波器8aに入力されると、このパルス列ABCDは第1の光分波器8aで複数のパルス列に分波される。そして、この分波された複数のパケット列は、それぞれ可変遅延線9a〜9dで上述したように設定された光路長に相当する時間遅延させられて、第1の光合波器10aで合波されて、図9(b)に示すような互いに遅延した複数のパルス列として導波路7jに出力される。
【0055】
図9(b)に示すように、導波路7jに出力された複数のパルス列は、第1の光ゲートスイッチ11aで周期Toでゲートされ、第1の光ゲートスイッチ11aからは、図9(c)に示すようなパルス列A−BAが個々に出力される。
【0056】
図9(c)に示すように、第1の光ゲートスイッチ11aから出力されたパルス列A−BAは、第2の光分波器8bで複数のパルス列に分波され、この分波された複数のパルス列はそれぞれ上述したように光路長が設定された可変遅延線9e〜9hに入力されて遅延させられる。この可変遅延線9e〜9hからの複数のパルス列を第2の光合波器10bで合波すると、図9(d)に示すような複数のパルス列として導波路7tに出力される。
【0057】
図9(d)に示すように導波路7tに出力された複数のパルス列を第2の光ゲートスイッチ11bでゲートすれば、図9(e)に示すような光パルス列A−BAからなる光アドレス「1011」が取り出される。この結果、入力アドレス「1111」は、アドレス「1011」に変換されて出力されるというように光アドレスの変換が行われるのである。
【0058】
また、図9に示す光アドレスの変換を図7に示した光信号処理回路で行う場合には、図7の光信号処理回路の可変遅延線32a,32bの光路長は、それぞれ導波路30e,30hの光路長に対してc(To+τo)/n,c(2To−τo)/nずつ長く設定され、可変遅延線32c,32dの光路長は、それぞれ導波路30o,30rの光路長に対してc(To−τo)/n,2c(To−τo)/nずつ長く設定される。
【0059】
このような設定を行った図7の光信号処理回路を図8で説明したと同様に光ゲートスイッチ33a,33bを作動させることにより、図9に示すように、光アドレスが「1111」から「1011」に変換されることになる。
【0060】
次に、図10を参照して、上述した各実施形態の光信号処理回路に使用されている導波路部の構成について説明する。前記各実施形態の光信号処理回路の導波路部は、その長手方向に垂直な断面を図10に示すように構成されている。なお、導波路部は、石英系ガラス導波路を使用している。
【0061】
図10において、34はSi基板であり、35は下部クラッド層であり、37は上部クラッド層である。そして、この上部クラッド層37内に導波路を構成するコア層36a,36bが形成されている。
【0062】
図10(a)は、コア層からなる導波路36a,36bを数μm程度に近接させて、例えば図3の17a,17bに示すような方向性結合器を構成している部分である。また、図10(b)は、コア層からなる導波路36a,36bを離隔するとともに、一方の導波路36a上の上部クラッド層37の上に位相シフタである屈折率制御部38を構成し、これにより光スイッチの位相シフタ部を構成している。
【0063】
また、石英系ガラス導波路と半導体レーザ増幅器とのハイブリッド集積は、図11に導波路長手方向の断面を示すPLC(Planar Lightwave Circuit)プラットフォームを用いて行っている。同図においては、Si基板39上に異方性エッチングによりテラス領域40を形成した後、これを完全に埋め込むように火炎堆積法によってSiO2 下部クラッド層45を形成している。
【0064】
次に、半導体レーザ増幅器搭載時の高さ基準面を形成するために平坦化研磨を行い、Siテラス表面を露出させている。続いて、導波路のコアの高さと半導体レーザ増幅器の活性層44の高さを一致させるためにSiO2 高さ調整層46、GeO2 をドーパントとして添加したSiO2 コア層47を堆積している。
【0065】
それから、図1、図7に示すようなパターンを用いて、コア層をエッチングしてコア部分47を作成する。その後、SiO2 上部クラッド層48を堆積して導波路部分の作製を完了する。次に、半導体レーザ増幅器搭載部と電気配線部を形成する部分の上部クラッド層および高さ調整層をエッチングして、Siテラス表面を露出する。最後、Siテラス表面に絶縁用SiO2 膜を形成し、その上にAu電気配線41とAuSn半田パターン42を形成し、半導体レーザ増幅器43を搭載する。なお、熱光学効果による位相シフタ(屈折率制御部)は、所定の導波路上に薄膜ヒータおよび電気配線を蒸着して構成されている。
【0066】
なお、本発明の光信号処理回路の導波路部分は、上述した各実施形態のようなガラス導波路に限らず、強誘電体導波路、半導体導波路、ポリマー導波路、および光ファイバなどを用いて実現することができることは明らかである。また、いくつかの種類の導波路を組み合わせたハイブリッド集積構成を用いても実現することができることも明らかである。位相シフタとしては、例えばポリマー導波路を用いた場合、熱光学効果を用いて屈折率変化を誘起する現象、強誘電体導波路を用いた場合、電気光学を用いて屈折率変化を誘起する現象、光ファイバを用いた場合、圧電素子を用いてファイバ長変化をもたらし、等価的に屈折率変化を誘起する現象などを使用することができる。
【0067】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、光信号列を分波し、この分波された複数の光信号列を第1の複数の可変遅延線でそれぞれ所望時間遅延させて合波し、この合波された複数の光信号列を第1の光ゲートスイッチでゲートして所望の光信号を順次取り出し、この光信号を分波した光信号を第2の複数の可変遅延線でそれぞれ所望時間遅延させて、所望の時間順序の光信号列を出力し、第2の複数の可変遅延線から光信号列を合波した複数の光信号列を第2の光ゲートスイッチでゲートして出力するので、可変遅延線と光ゲートスイッチを組み合わせることにより動作の自由度を高くすることができるとともに、また処理信号の数に依存せずに光ゲートスイッチの数は常に2個であり、作製の容易化および低価格化を図ることができる。
【0068】
また、本発明によれば、入力される光信号列を第1の光スイッチで分配された2つの出力を入力とし、一方を可変遅延線で所望時間遅延させた遅延出力と遅延させられていない他方の入力を入力として2×2光スイッチで2つの出力に分配するという可変遅延線/2×2光スイッチを1段または複数段縦続接続した第1の縦続接続手段で入力光信号列を遅延した複数の光信号列を生成し、この複数の光信号列を第1の光ゲートスイッチでゲートして所望の光信号を取り出し、この光信号列を第2の光スイッチで分配された2つの出力を入力とし、一方を可変遅延線または固定遅延線で所望時間遅延させ、この遅延出力と遅延させられていない他方の入力とを入力として2×2光スイッチで2つの出力に分配するという可変遅延線/2×2光スイッチまたは固定遅延線/2×2光スイッチを1段または複数段縦続接続した第2の縦続接続手段で光信号列を遅延した複数の光信号列を生成し、この複数の光信号列のうちすべてがそろった光信号列を第2の光ゲートスイッチでゲートして出力するので、可変遅延線または固定遅延線、光スイッチおよび光ゲートスイッチを組み合わせることにより動作の自由度を高くすることができるとともに、また処理信号の数に依存せずに光ゲートスイッチの数は常に2個であり、作製の容易化および低価格化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る光信号処理回路の構成を示す図である。
【図2】図1に示す光信号処理回路に使用されている可変遅延線の構成を示す図である。
【図3】図2に示す可変遅延線に使用されている光スイッチの構成を示す図である。
【図4】図1に示す光信号処理回路に使用されている可変遅延線の他の構成を示す図である。
【図5】図1に示す光信号処理回路に使用されている可変遅延線の更に他の構成を示す図である。
【図6】図1に示す光信号処理回路の作用を示す光信号列の波形図である。
【図7】本発明の他の実施形態に係る光信号処理回路の構成を示す図である。
【図8】図7に示す光信号処理回路の作用を示す光信号列の波形図である。
【図9】図1または図7に示した光信号処理回路の他の作用である光アドレスの変換処理を示す光信号列の波形図である。
【図10】各実施形態の光信号処理回路に使用されている導波路部を構成する石英系ガラス導波路の長手方向に垂直な断面図である。
【図11】ハイブリッド集積構成の導波路の長手方向の断面図である。
【図12】従来の光信号処理回路の構成を示す図である。
【図13】図12に示す従来の光信号処理回路の作用を示すパケット列の波形図である。
【符号の説明】
7a〜7u,30a〜30u 導波路
8a,8b 光分波器
9a,9h,32a〜32d 可変遅延線
10a,10b 光合波器
11a,11b,33a,33b 光ゲートスイッチ
31a〜31f 光スイッチ
Claims (6)
- 入力される光信号列を複数の信号列に分波する第1の光分波器と、
該第1の光分波器で分波された複数の光信号列をそれぞれ所望時間遅延させる第1の複数の可変遅延線と、
該第1の複数の可変遅延線でそれぞれ遅延させられた複数の光信号列を合波する第1の光合波器と、
該第1の光合波器で合波された複数の光信号列の各々を所定の時間でゲートして各光信号列から所望の光信号を順次取り出して出力する第1の光ゲートスイッチと、
該第1の光ゲートスイッチから順次出力される光信号を分波する第2の光分波器と、
該第2の光分波器から順次出力される光信号をそれぞれ所望時間遅延させて出力する第2の複数の可変遅延線または固定遅延線と、
該第2の複数の可変遅延線または固定遅延線からそれぞれ出力される光信号列を合波する第2の光合波器と、
この合波された複数の光信号列のうちすべてがそろった1つをゲートして出力する第2の光ゲートスイッチと
を有することを特徴とする光信号処理回路。 - 入力される光信号列を入力として2つの出力に接続する第1の光スイッチと、
該第1の光スイッチの2つの出力を入力とし、この2つの入力のうち一方を所望時間遅延させる可変遅延線とし、該可変遅延線で遅延させられていない他方の入力と該可変遅延線からの遅延出力を入力として2つの出力のいずれかに切り替え接続する2×2光スイッチを有する可変遅延線/2×2光スイッチを前段の可変遅延線/2×2光スイッチの2つの出力が後段の可変遅延線/2×2光スイッチの2つの入力となるように1段または複数段縦続接続して構成される第1の縦続接続手段と、
該第1の縦続接続手段の最終段の可変遅延線/2×2光スイッチの一方の出力を所定の時間でゲートする第1の光ゲートスイッチと、
該第1の光ゲートスイッチの出力を入力として2つの出力に接続する第2の光スイッチと、
該第2の光スイッチの2つの出力を入力とし、この2つの入力のうち一方を所望時間遅延させる可変遅延線または固定遅延線とし、該可変遅延線または固定遅延線で遅延させられていない他方の入力と該可変遅延線または固定遅延線からの遅延出力を入力として2つの出力に接続する2×2光スイッチを有する可変遅延線/2×2光スイッチまたは固定遅延線/2×2光スイッチを前段の可変遅延線/2×2光スイッチまたは固定遅延線/2×2光スイッチの2つの出力が後段の可変遅延線/2×2光スイッチまたは固定遅延線/2×2光スイッチの2つの入力となるように1段または複数段縦続接続して構成される第2の縦続接続手段と、
該第2の縦続接続手段の最終段の可変遅延線/2×2光スイッチまたは固定遅延線/2×2光スイッチの一方の出力を所定の時間でゲートする第2の光ゲートスイッチと
を有することを特徴とする光信号処理回路。 - 前記可変遅延線は、
入力される光信号列を入力として2つの出力のいずれかに切り替え接続する入力用光スイッチと、
該入力用光スイッチの2つの出力のうち一方を所定時間遅延させ、他方を遅延させないような一対の非対称アームに入力し、この非対称アームからの遅延させられた光信号と遅延させられていない光信号を入力として2つの出力のいずれかに切り替え接続する2×2光スイッチを有する非対称アーム/2×2光スイッチを前段の非対称アーム/2×2光スイッチの2つの出力が後段の非対称アーム/2×2光スイッチの2つの入力となるように1段または複数段縦続接続して構成される縦続接続手段と
を有することを特徴とする請求項1または2記載の光信号処理回路。 - 前記非対称アームの光路長差がアームの個数をL(Lは自然数)として、最小の光路長差に対して2倍、22倍、…、2L-1倍であることを特徴とする請求項3記載の光信号処理回路。
- 前記可変遅延線は、
入力される光信号列を分波する入力用光分波器と、
該入力用光分波器の各出力に接続され、該入力用光分波器から出力される複数の光信号列をそれぞれ所定時間遅延させる複数の遅延手段と、
該複数の遅延手段のそれぞれに接続され、該複数の遅延手段のうち、所望時間遅延した光信号列を取り出して出力する複数の光スイッチと、
該複数の光スイッチから出力される光信号列を合波して出力する出力用光合波器と
を有することを特徴とする請求項1または2記載の光信号処理回路。 - 前記可変遅延線は、
入力される光信号列を入力として2つの出力のいずれかに切り替え接続する入力用光スイッチと、
該入力用光スイッチの2つの出力のうちの一方を所定時間遅延させる遅延手段と該遅延手段の出力を入力として2つの出力のいずれかに切り替え接続する光スイッチを有する遅延手段/光スイッチを前段の遅延手段/光スイッチの2つの出力のうちの一方が後段の遅延手段/光スイッチの入力となるように1段または複数段縦続接続して構成される縦続接続手段と、
前記入力用光スイッチの2つの出力のうちの他方の出力および縦続接続手段を構成する1段または複数段の遅延手段/光スイッチにおける光スイッチの2つの出力のうちの他方の1つまたは複数の出力を合波して出力する出力用光合波器と
を有することを特徴とする請求項1または2記載の光信号処理回路。
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