JP3828352B2 - フィールドバス制御システム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、プラントに敷設されたフィールドバス内に所定機能を有するファンクションブロックを含むフィールドバス用フィールド機器を接続し、ファンクションブロックを組み合せて制御系を構築するフィールドバス制御システムに関し、特にゲートウエイを不要としてコストダウンを実現するとともにデータ設定操作を容易にしたフィールドバス制御システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、プラント制御においては、操作監視ステーションに対して分散配置された制御ステーションをバス接続し、操作監視ステーションの監視下で機能する制御ステーションによりプラントを制御するように構成された分散型の制御システムが広く用いられている。
【0003】
図10はたとえば特開平11−119808号公報に記載された従来のフィールドバス制御システムの概略構成を示すブロック図である。
図10において、1Aは分散制御用の制御ステーション、2は分散制御用の操作監視ステーション、2Aはフィールドバス対応の操作監視ステーションであり、各ステーション1A、2および2Aは、互いにバス(後述する)を介して接続されている。
【0004】
3は分散型の制御ステーション1Aに接続されたI/Oカードであり、制御ステーション1Aの制御下で一般フィールド機器(後述する)を制御する。
4はフィールドバス制御カードであり、I/Oカード3と同様に制御ステーション1Aに接続されて、フィールドバス(後述する)を制御する。
【0005】
5はフィールドバス制御カード4に接続されたフィールドバスである。
61〜6nはフィールドバス5に接続されたフィールドバス用のフィールド機器であり、所定機能を有するファンクションブロックを内部に備えている。
【0006】
61A、62AはI/Oカード3に接続されて一般的な分散制御が行われる一般フィールド機器である。
【0007】
7は分散型の制御ステーション1AとI/Oカード3およびフィールドバス制御カード4とを接続するカードバス、8は分散制御用の操作監視ステーション2と制御ステーション1Aとを接続する制御用バスである。
【0008】
9はフィールドバス対応の操作監視ステーション2Aに接続されたステーションバス、10はステーションバス9と制御バス8とを接続するゲートウエイである。
【0009】
フィールドバス対応の操作監視ステーション2Aは、以下の要素20〜25により構成されている。
20はデータ変換手段であり、ステーションバス9を介してゲートウエイ10に接続されている。
【0010】
21はデータ変換手段20に接続された選択手段であり、データが読み出されるファンクションブロックの構成要素(以下、「エレメント」)を選択する。
22は表示手段(後述する)に接続された選択手段であり、データが書き込まれるファンクションブロックのエレメントを選択する。
【0011】
23は選択手段22とデータ変換手段20との間に挿入された書込み手段であり、選択手段22で選択されたエレメントにデータを書き込む。
24は選択手段21と選択手段22との間に挿入された表示手段であり、選択手段21が読み出したエレメントの内容を表示する。
【0012】
25はオペレータにより操作される入力手段であり、表示手段24に接続されており、表示手段24の画面を参照しながら設定データを入力可能になっている。
【0013】
このように、図10に示した従来のフィールドバス制御システムは、制御用バス8を介して操作監視ステーション2に接続された制御ステーション1Aと、カードバス7を介して制御ステーション1Aに接続されたフィールドバス制御カード4およびI/Oカード3と、フィールドバス5を介してフィールドバス制御カード4に接続されたフィールド機器61〜6nと、I/Oカード3を介して一般的な分散制御が行われる一般フィールド機器61Aおよび62Aとを備えている。
【0014】
また、制御用バス8、ステーションバス9およびゲートウエイ10を介して制御ステーション1Aに接続された操作監視ステーション2Aを備えている。
すなわち、従来システムにおける制御ステーション1Aは、制御用バス8を介して操作監視ステーション2に接続されるとともに、制御用バス8およびゲートウエイ10を介して操作監視ステーション2Aに接続されている。
【0015】
なお、フィールド機器61〜6nは、所定機能を有するファンクションブロックを組み合せて構築された制御系からなっている。
ここで、ファンクションブロックおよびパラメータは、フィールドバス協会で規定された規約に基づいて構成されており、ファンクションブロックのパラメータは、複数のエレメントからなる構造体である。
【0016】
たとえば、ファンクションブロックの動作モードを規定するMODE_BLKは、以下の表1のようなデータ構造からなっている。
【0017】
Figure 0003828352
【0018】
上記表1において、「actual」は、ファンクションブロックの実際のモードを示すエレメントであり、「target」は、設定対象となるエレメントである。
【0019】
たとえば、オペレータは、ファンクションブロックのモードを「target」に設定し、その結果を、「actual」を読み出すことにより確認することができる。
【0020】
また、上記表1において、「normal」は、ファンクションブロックの通常状態を示し、「permitted」は、ファンクションブロックに許可するモードを示している。
【0021】
一般に、オペレータがファンクションブロックのモードを設定する作業においては、「normal」および「permitted」は、不要なエレメントである。
【0022】
図10に示す従来システムにおいては、フィールドバス対応のフィールド機器61〜6nの監視に必要なファンクションブロックのエレメント(MODE_BLKの「actual」)のみが選択手段21により選択される。
【0023】
そして、選択手段21により選択されたエレメントが表示手段24に表示されることにより、オペレータは、ファンクションブロックのモード確認作業に必要なデータのみを表示画面から認識することができる。
【0024】
また、オペレータは、入力手段25を操作することにより、設定データ(ファンクションブロックのモード)を表示手段24の画面から入力する。
このとき、選択手段22は、設定対象として、MODE_BLKのエレメント「target」を選択し、これを書込み手段23に伝送する。
【0025】
これに応答して、書込み手段23は、設定データを、MODE_BLKのエレメント「target」に対して書き込む。
【0026】
なお、表示手段24および入力手段25で扱われるデータと、フィールドバス対応のフィールド機器61〜6nで扱われるデータとは、データ型が異なっている。
【0027】
たとえば、ファンクションブロックのMODE_BLKのデータは、ビットストリングデータであるが、表示手段24の画面に表示されるデータは、文字列データである。
【0028】
したがって、データ変換手段20は、上記データ型の変換、すなわち、ビットストリングデータから文字列データへの変換と、この逆のデータ変換を行う。
【0029】
こうして、オペレータは、選択手段21および22により、必要なエレメントのみを認識することが可能となる。
しかしながら、図10の構成によれば、フィールドバス対応の操作監視ステーション2Aは、分散制御用の操作監視ステーション2に比べて、構造が複雑になる。
【0030】
また、操作監視ステーション2A内のデータ変換手段20においてフィールドバス5のデータ構造に変換しているので、分散制御用の制御ステーション1Aとの間で通信するためには、操作監視ステーション2Aと制御ステーション1Aとの間にゲートウエイ10を介在させる必要がある。
【0031】
【発明が解決しようとする課題】
従来のフィールドバス制御システムは以上のように、操作監視ステーション2A内で複雑なファンクションブロックの構造体から必要なエレメントのみを選択しているので、操作監視ステーション2Aの構造が分散制御用の操作監視ステーション2よりも複雑になるという問題点があった。
【0032】
また、操作監視ステーション2A内でフィールドバス5のデータ構造に変換しているので、制御ステーション1Aとの間での通信にゲートウエイ10が必要となり、システム全体の構成が複雑になるという問題点があった。
【0033】
この発明は上記のような問題点を解決するためになされたもので、ファンクションブロックを組み合せた制御系からなるフィールド機器に対する制御システムにおいて、コストダウンを実現するとともにデータ設定操作を容易にしたフィールドバス制御システムを得ることを目的とする。
【0034】
【課題を解決するための手段】
この発明の請求項1に係るフィールドバス制御システムは、制御用バスを介して操作監視ステーションに接続された制御ステーションと、カードバスを介して制御ステーションに接続されたフィールドバス制御カードおよびI/Oカードと、フィールドバスを介してフィールドバス制御カードに接続されたフィールド機器と、I/Oカードを介して一般的な分散制御が行われる一般フィールド機器とを備え、フィールド機器は所定機能を有するファンクションブロックを組み合せて構築された制御系からなるフィールドバス制御システムおいて、制御ステーションは、操作監視ステーションからの受信データを、一般フィールド機器に対する分散制御用データとフィールド機器に対するフィールドバス用データとに分岐する情報分岐部と、分散制御用データに基づいて一般フィールド機器に対する分散制御を行うための分散制御部と、フィールドバス用データをフィールド機器への伝送用のファンクションブロックのデータ構造に変換する第1の情報変換部と、フィールドバスからの伝送データを操作監視ステーションへの伝送用の分散制御用データに変換する第2の情報変換部と、分散制御部、第1および第2の情報変換部とカードバスとの間に挿入されてカードバスを制御するバス制御部とを含み、情報分岐部は、操作監視ステーションからの受信データの論理名と、フィールド機器の種類とを対応付けたデータ判定テーブルを含み、操作監視ステーションからの受信データに基づいて分散制御用データとフィールドバス用データとを識別し、分散制御用データを分散制御部に伝送し、フィールドバス用データを第1の情報変換部に伝送し、分散制御部または第2の情報変換部からの伝送データを操作監視ステーションに送信するとともに、データ判定テーブルを参照して、分散制御用データおよびフィールドバス用データを判定するものである。
【0037】
また、この発明の請求項2に係るフィールドバス制御システムは、請求項1において、第1の情報変換部は、情報分岐部からの伝送データをファンクションブロックのデータ構造に変換し、バス制御部を介してフィールドバス制御用カードに伝送するものである。
【0038】
また、この発明の請求項3に係るフィールドバス制御システムは、請求項2において、第1の情報変換部は、情報分岐部からの伝送データの論理名と、フィールド機器のアドレス、ファンクションブロックのパラメータインデクスおよび対象エレメント番号とを対応付けた第1のフィールド機器テーブルを含み、第1のフィールド機器テーブルを参照して、情報分岐部からの伝送データを、分散制御データ形式からフィールドバス用データ形式に変換するものである。
【0039】
また、この発明の請求項4に係るフィールドバス制御システムは、請求項1から請求項3までのいずれか1項において、第2の情報変換部は、バス制御部を介してフィールドバス制御用カードから読み出されたフィールドバス用データを、分散制御用データに変換して情報分岐部に伝送するものである。
【0040】
また、この発明の請求項5に係るフィールドバス制御システムは、請求項4において、第2の情報変換部は、フィールドバス用データの論理名と、フィールド機器のアドレス、ファンクションブロックのパラメータインデクスおよび対象エレメント番号とを対応付けた第2のフィールド機器テーブルを含み、第2のフィールド機器テーブルを参照して、フィールドバス用データを分散制御データ形式に変換するものである。
【0041】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
以下、図面を参照しながら、この発明の実施の形態1について詳細に説明する。
図1はこの発明の実施の形態1に関連したフィールドバス制御システムを示すブロック図であり、前述(図10参照)と同様のものについては、同一符号を付して詳述を省略する。
【0042】
図1において、1はフィールドバス制御システムの要部を構成する制御ステーションであり、制御用バス8を介して一般的な分散制御システム用の操作監視ステーション2にのみに接続されている。
制御ステーション1は、以下の要素11〜15により構成されている。
【0043】
11は制御用バス8に接続された情報分岐部であり、制御用バス8を介してデータを送受信するとともに、制御用バス8を介して操作監視ステーション2から受信されるデータを分散制御用データとフィールドバス用データとに判定して分岐する。
【0044】
12は情報分岐部11に接続された分散制御部であり、分散制御用データを処理してI/Oカード3に接続された一般フィールド機器61Aおよび62Aを制御する。
【0045】
13は情報分岐部11に接続された第1の情報変換部であり、情報分岐部11から伝送されたデータをファンクションブロックのデータに変換する。
14は情報分岐部11に接続された第2の情報変換部であり、フィールドバス5に接続されたフィールド機器61〜6nから読み出されたファンクションブロックのデータを、情報分岐部11への伝送用の分散制御用データに変換する。
【0046】
15はカードバス7を制御するバス制御部であり、分散制御部12、第1および第2の情報変換部13および14とカードバス7との間に介在されており、カードバス7を介して、I/Oカード3およびフィールドバス制御カード4との間で通信を行う。
【0047】
次に、図1に示したシステムによる動作について具体的に説明する。
まず、制御ステーション1内の情報分岐部11は、受信部として機能する場合に、制御バス8を介して操作監視ステーション2と通信を行い、操作監視ステーション2から受信されたデータから、一般的な分散制御用データとフィールドバス用データとを判定する。
【0048】
情報分岐部11により判定されたデータは、それぞれ分岐されて、分散制御用データは分散制御部12に伝送され、フィールドバス用データは第1の情報変換部13に伝送される。
【0049】
ただし、ここでのフィールドバス用データは、フィールドバス制御カード4を介してフィールドバス5に接続されたフィールド機器61〜6nに伝送されるデータであるが、まだファンクションブロックのデータ構造に変換されていない状態、すなわち分散制御用データと同じデータ構造を有している。
【0050】
また、情報分岐部11は、送信部として機能する場合に、分散制御部12から受信されたデータと、第2の情報変換部14から受信されたデータとを、制御用バス8を介して操作監視ステーション2に送信する。
【0051】
一般的な分散制御を行う分散制御部12は、情報分岐部11から受信されたデータに基づいて、I/Oカード3に接続されている一般フィールド機器61Aおよび62Aに送信するデータを作成して、バス制御部15に伝送する。
【0052】
また、分散制御部12は、バス制御部15から伝送されてきたデータに基づいて、操作監視ステーション2での表示に必要なデータを作成し、情報分岐部11に伝送する。
【0053】
第1の情報変換部13は、情報分岐部11から伝送されてきたフィールドバス用データを、分散制御用データと同じデータ構造からファンクションブロックの(フィールド機器61〜6nへの伝送用の)データ構造に変換して、バス制御部15に伝送する。
【0054】
第2の情報変換部14は、バス制御部15から伝送されてきたフィールドバス用データを、操作監視ステーション2での表示に必要なデータに変換し、情報分岐部11に伝送する。
【0055】
このとき、一般的な分散制御用の操作監視ステーション2は、フィールドバス対応のフィールド機器61〜6n内のファンクションブロックのデータ構造を認識することができないので、第2の情報変換部14は、ファンクションブロックのデータ構造を分散制御用データ構造に変換する。
【0056】
バス制御部15は、分散制御部12から伝送されてきたデータを、カードバス7を介してI/Oカード3に送信するとともに、第1の情報変換部13から伝送されてきたデータを、カードバス7を介してフィールドバス制御カード4に送信する。
【0057】
また、バス制御部15は、カードバス7を介してI/Oカード3から伝送されてきたデータを分散制御部12に伝送するとともに、カードバス7を介してフィールドバス制御カード4から伝送されてきたデータを第2の情報変換部14に伝送する。
【0058】
次に、MODE_BLKの設定例を示す図2および図3を参照しながら、図1に示したシステムによる動作についてさらに具体的に説明する。
まず、操作監視ステーション2からフィールド機器61〜6nへの制御ステーション1を介したデータ伝送動作について説明する。
【0059】
図2は操作監視ステーション2からモード変更のデータを受信したときのデータの流れを概略的に示すブロック図である。
図2において、情報分岐部11は、操作監視ステーション2から受信されたモード変更データを調べ、フィールドバス用データである場合には、この受信データを第1の情報変換部13に伝送する。
【0060】
これにより、第1の情報変換部13は、情報分岐部11から伝送されてきたモード変更データをフィールドバス用データに変換する。
すなわち、分散制御用のモード変更データを、フィールド機器61〜6nのうちの該当するファンクションブロックを有するフィールド機器のアドレス、ファンクションブロックのパラメータ「MODE_BLK」のインデクス番号、設定エレメント「target」のエレメント番号に変換する。
【0061】
続いて、第1の情報変換部13は、変換したフィールドバス用のモード変更データをバス制御部15に伝送する。
以下、バス制御部15は、カードバス7およびフィールドバス制御カード4を介して、該当するフィールド機器内のファンクションブロックにおけるBLK_MODEのエレメント「target」にデータを書き込む。
【0062】
次に、フィールド機器61〜6nから操作監視ステーション2への制御ステーション1を介したデータ伝送動作について説明する。
図3は制御ステーション1から操作監視ステーション2にモードデータを送信する場合のデータの流れを概略的に示すブロック図である。
【0063】
図3において、バス制御部15は、フィールドバス制御カード4およびカードバス7を介して読み出されたフィールドバス用モードデータを、第2の情報変換部14に伝送する。
これにより、第2の情報変換部14は、フィールドバス用モードデータを分散制御用モードデータに変換する。
【0064】
すなわち、フィールド機器61〜6nのうちのファンクションブロックを有するフィールド機器のアドレス、ファンクションブロックのパラメータ「MODE_BLK」のインデクス番号、エレメント「actual」のエレメント番号を、操作監視ステーション2での表示に用いられるモードデータに変換する。
【0065】
続いて、第2の情報変換部14は、変換した分散制御用モードデータを情報分岐部11に送信する。
以下、情報分岐部11は、分散制御用モードデータを、制御バス8を介して操作監視ステーション2に伝送する。
【0066】
このように、制御ステーション1内の情報分岐部11は、操作監視ステーション2からの受信データを一般フィールド機器61Aおよび62Aに対する分散制御用データとフィールド機器61〜6nに対するフィールドバス用データとに分岐する。
【0067】
また、分散制御部12は、分散制御用データに基づいて一般フィールド機器61Aおよび62Aに対する分散制御を行い、第1の情報変換部13は、フィールドバス用データをファンクションブロックのデータ構造に変換して書き込み、第2の情報変換部14は、フィールドバス5からの受信データ(フィールドバス用データ)を分散制御用データに変換して操作監視ステーション2に伝送し、バス制御部15は、分散制御部12、第1および第2の情報変換部13および14とカードバス7との間に挿入されてカードバス7を制御する。
【0068】
これにより、制御ステーション1内において適切なファンクションブロックのデータ構造に変換することができ、全体のシステム構成および操作監視ステーション2の構成が軽減され、一般的な分散制御システムと比べて同等以下の規模で構成することができる。
【0069】
すなわち、制御ステーション1内において、一般的な分散制御用データかフィールドバス用データかを判定し、フィールドバス用データの場合には適切なデータ形式に変換することができるうえ、制御ステーション1と操作監視ステーション2との間の通信は一般的な分散制御システムと同形式のデータを使用することができるので、操作監視ステーション2と制御ステーション1との間にゲートウエイ10(図10参照)を介在させる必要がなくなる。
【0070】
また、操作監視ステーション2としては、一般的な分散制御用のものを用いることができ、一般的な分散制御用データを送受信するのみでよい。
したがって、操作監視ステーション2を使用するオペレータは、新たな操作訓練などを行う必要もなく、複雑なファンクションブロックのパラメータを意識することなく、フィールドバス5上のフィールド機器61〜6nを用いて監視制御を行うことができるので、システム導入時のコストを低減することもできる。
【0071】
なお、図1に示した上記システム構成例では、情報分岐部11による具体的な判定動作について言及しなかったが、データ論理に応じたテーブルを参照して分散制御用データおよびフィールドバス用データを判定することが望ましい。
【0072】
図4はこの発明の実施の形態1に用いられるデータ判定テーブルを示す説明図であり、図5はこの発明の実施の形態1による情報分岐部11のデータ判定動作を示すブロック図である。
【0073】
図4において、111は情報分岐部11に内蔵されたデータ判定テーブルであり、操作監視ステーション2からの受信データの論理名と、一般フィールド機器61A、62Aおよびフィールド機器61〜6nの種類とが対応付けられている。
【0074】
データ判定テーブル111は、情報分岐部11によるデータ判定、すなわち、操作監視ステーション2から受信された分散制御用データがフィールドバス用データか分散制御用データかを判定するために用いられる。
【0075】
図5において、MANは操作監視ステーション2からの受信データに含まれるモード変更データであり、たとえば、流量計F1用のモード変更データおよび流量計F100用のモード変更データを含む。
なお、図5に示されない構成は、前述(図1参照)と同様である。
【0076】
この場合、流量計F1用のモード変更データは、情報分岐部11を介して分散制御部12に伝送され、流量計F100用のモード変更データは、情報分岐部11を介して第1の情報変換部13に伝送される。
【0077】
このとき、情報分岐部11は、操作監視ステーション2がフィールド機器61〜6nを管理するための識別名(論理名)に基づき、図4のデータ判定テーブル111を参照して、操作監視ステーション2からの受信データが、分散制御用データかフィールドバス用データかを判定し、所定の処理部(分散制御部12または第1の情報変換部13)に伝送する。
【0078】
すなわち、情報分岐部11は、データ判定テーブル111を検索し、受信データ(モード変更データMAN)が分散制御用データを示す場合には、これを分散制御部12に伝送し、フィールドバス用データを示す場合には、これを第1の情報変換部13に伝送する。
【0079】
このように、情報分岐部11は、操作監視ステーション2から受信されるモード変更データに基づいてデータ判定テーブル111を参照し、分散制御用データとフィールドバス用データとを識別し、分散制御用データを分散制御部12に伝送し、フィールドバス用データを第1の情報変換部13に伝送する。
【0080】
なお、図5においては、情報分岐部11が操作監視ステーション2からの受信データをフィールド機器61〜6nに伝送する場合を示したが、情報分岐部11は、前述と同様に、分散制御部12または第2の情報変換部14(図3参照)からの伝送データを操作監視ステーション2に送信することは言うまでもない。
【0081】
これにより、操作監視ステーション2は、フィールド機器がI/Oカード3に接続された一般フィールド機器61Aおよび62Aであるか、フィールドバス7に接続されたフィールド機器61〜6nであるかを全く意識することなく、制御ステーション1との間でデータ通信を行うことができ、前述と同等の作用効果を奏する。
【0082】
実施の形態2.
なお、上記実施の形態1では、第1の情報変換部13による具体的なデータ変換動作について言及しなかったが、データ論理に応じたテーブルを参照して分散制御データ形式からフィールドバス用データ形式に変換してもよい。
【0083】
図6はこの発明の実施の形態2に用いられる第1のフィールド機器テーブルを示す説明図であり、図7はこの発明の実施の形態2による第1の情報変換部13の動作を示すブロック図である。
【0084】
図6において、131は第1の情報変換部13に内蔵された第1のフィールド機器テーブルであり、分散制御用データの論理名と、フィールド機器61〜6nのアドレス、ファンクションブロックのパラメータインデクスおよび対象エレメント番号とが対応付けられている。
【0085】
図7において、第1の情報変換部13は、情報分岐部11からの伝送データに基づいて第1のフィールド機器テーブル131を参照し、分散制御用データを分散制御データ形式からフィールドバス用データ形式に変換する。
なお、図7に示されない構成は、前述(図1参照)と同様である。
【0086】
前述のように、情報分岐部11は、操作監視ステーション2からの受信データのうち、フィールドバス5上のフィールド機器61〜6nに送信すべきであると判定したデータ(ただし、データ形式は、分散制御用データのまま)を第1の情報変換部13に送信する。
【0087】
第1の情報変換部13は、第1のフィールド機器テーブル131(図6)を参照し、情報分岐部11からの伝送データの論理名に基づいて、フィールドバス5上のフィールド機器61〜6nへのデータ送信に必要なデータ(フィールド機器61〜6nのアドレス、ファンクションブロックパラメータのインデクス、エレメントの番号)に変換する。
【0088】
そして、第1の情報変換部13は、フィールドバス5上のフィールド機器61〜6nへのデータ送信に必要なデータと、フィールド機器61〜6n内のファンクションブロックに書き込むデータ(モード変更用データ)とをバス制御部15に伝送する。
【0089】
なお、図6および図7では、ファンクションブロックパラメータとして「MODE_BLK」を用い、エレメントとして「target」を用いた場合を示しているが、他のファンクションブロックパラメータおよびエレメントを第1のフィールド機器テーブル131内に記述しておいてもよい。
【0090】
このように、第1の情報変換部13は、第1のフィールド機器テーブル131を参照して、情報分岐部11からの伝送データを、分散制御データ形式からフィールドバス用データ形式に変換し、これをバス制御部15を介してフィールドバス制御用カード4に伝送する。
【0091】
これにより、操作監視ステーション2においては、一般的な分散制御用データ形式でフィールドバス5上のフィールド機器61〜6nにデータを書き込むことができ、前述と同等の作用効果を奏する。
【0092】
実施の形態3.
なお、上記実施の形態1では、第2の情報変換部14による具体的なデータ変換動作について言及しなかったが、第1の情報変換部13と同様に、データ論理に応じたテーブルを参照してフィールドバス用データ形式から分散制御データ形式に変換してもよい。
【0093】
図8はこの発明の実施の形態3に用いられる第2のフィールド機器テーブルを示す説明図であり、図9はこの発明の実施の形態3による第2の情報変換部14の動作を示すブロック図である。
【0094】
図8において、141は第2の情報変換部14に内蔵された第2のフィールド機器テーブルであり、フィールドバス用データの論理名と、フィールド機器61〜6nのアドレス、ファンクションブロックのパラメータインデクスおよび対象エレメント番号とが対応付けられている。
【0095】
図9において、第2の情報変換部14は、バス制御部15からの伝送データに基づいて第2のフィールド機器テーブル141を参照し、バス制御部15からの伝送データを、フィールドバス用データ形式から分散制御データ形式に変換する。なお、図9に示されない構成は、前述(図1参照)と同様である。
【0096】
この場合、第2の情報変換部14は、バス制御部15を介して、フィールドバス制御カード4からの受信データを読み込み、第2のフィールド機器テーブル141を参照する。
【0097】
すなわち、フィールドバス5上のフィールド機器61〜6nからの受信データに含まれるパラメータ(フィールド機器61〜6nのアドレス、ファンクションブロックパラメータのインデクス、エレメントの番号)から、操作監視ステーション2で表示可能なデータに変換する。
【0098】
このとき、第2の情報変換部14は、フィールド機器61〜6nからの受信データ内のパラメータから、操作監視ステーション2内で使用する論理名を求め、この論理名と、フィールド機器61〜6n内のファンクションブロックから読み出したデータ(モードデータ)とを情報分岐部11に伝送する。
【0099】
以下、情報分岐部11は、第2の情報変換部14からの受信データを操作監視ステーション2に伝送する。
【0100】
なお、図8および図9では、ファンクションブロックパラメータとして「MODE_BLK」を用い、エレメントとして「actual」を用いた場合を示しているが、他のファンクションブロックパラメータおよびエレメントを第2のフィールド機器テーブル141に記述しておいてもよい。
【0101】
このように、第2の情報変換部14は、第2のフィールド機器テーブル141を参照して、バス制御部15を介してフィールドバス制御用カード4から読み出されたフィールドバス用データを分散制御用データに変換し、情報分岐部11を介して操作監視ステーション2に伝送する。
【0102】
これにより、操作監視ステーション2は、一般的な分散制御用データ形式でフィールドバス5上のフィールド機器61〜6nからのデータを読込むことができ、前述と同等の作用効果を奏する。
【0103】
【発明の効果】
以上のように、この発明の請求項1によれば、制御用バスを介して操作監視ステーションに接続された制御ステーションと、カードバスを介して制御ステーションに接続されたフィールドバス制御カードおよびI/Oカードと、フィールドバスを介してフィールドバス制御カードに接続されたフィールド機器と、I/Oカードを介して一般的な分散制御が行われる一般フィールド機器とを備え、フィールド機器は所定機能を有するファンクションブロックを組み合せて構築された制御系からなるフィールドバス制御システムおいて、制御ステーションは、操作監視ステーションからの受信データを、一般フィールド機器に対する分散制御用データとフィールド機器に対するフィールドバス用データとに分岐する情報分岐部と、分散制御用データに基づいて一般フィールド機器に対する分散制御を行うための分散制御部と、フィールドバス用データをフィールド機器への伝送用のファンクションブロックのデータ構造に変換する第1の情報変換部と、フィールドバスからの伝送データを操作監視ステーションへの伝送用の分散制御用データに変換する第2の情報変換部と、分散制御部、第1および第2の情報変換部とカードバスとの間に挿入されてカードバスを制御するバス制御部とを含み、情報分岐部は、操作監視ステーションからの受信データの論理名と、フィールド機器の種類とを対応付けたデータ判定テーブルを含み、操作監視ステーションからの受信データに基づいて分散制御用データとフィールドバス用データとを識別し、分散制御用データを分散制御部に伝送し、フィールドバス用データを第1の情報変換部に伝送し、分散制御部または第2の情報変換部からの伝送データを操作監視ステーションに送信するとともに、データ判定テーブルを参照して、分散制御用データおよびフィールドバス用データを判定するので、コストダウンを実現するとともにデータ設定操作を容易にしたフィールドバス制御システムが得られる効果がある。
【0106】
また、この発明の請求項2によれば、請求項1において、第1の情報変換部は、情報分岐部からの伝送データをファンクションブロックのデータ構造に変換し、バス制御部を介してフィールドバス制御用カードに伝送するようにしたので、コストダウンを実現するとともにデータ設定操作を容易にしたフィールドバス制御システムが得られる効果がある。
【0107】
また、この発明の請求項3によれば、請求項2において、第1の情報変換部は、情報分岐部からの伝送データの論理名と、フィールド機器のアドレス、ファンクションブロックのパラメータインデクスおよび対象エレメント番号とを対応付けた第1のフィールド機器テーブルを含み、第1のフィールド機器テーブルを参照して、情報分岐部からの伝送データを、分散制御データ形式からフィールドバス用データ形式に変換するようにしたので、コストダウンを実現するとともにデータ設定操作を容易にしたフィールドバス制御システムが得られる効果がある。
【0108】
また、この発明の請求項4によれば、請求項1から請求項3までのいずれか1項において、第2の情報変換部は、バス制御部を介してフィールドバス制御用カードから読み出されたフィールドバス用データを、分散制御用データに変換して情報分岐部に伝送するようにしたので、コストダウンを実現するとともにデータ設定操作を容易にしたフィールドバス制御システムが得られる効果がある。
【0109】
また、この発明の請求項5によれば、請求項4において、第2の情報変換部は、フィールドバス用データの論理名と、フィールド機器のアドレス、ファンクションブロックのパラメータインデクスおよび対象エレメント番号とを対応付けた第2のフィールド機器テーブルを含み、第2のフィールド機器テーブルを参照して、フィールドバス用データを分散制御データ形式に変換するようにしたので、コストダウンを実現するとともにデータ設定操作を容易にしたフィールドバス制御システムが得られる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1に関連したフィールドバス制御システムを示すブロック図である。
【図2】 図1のシステムによる操作監視ステーションからの受信データの流れを示す説明図である。
【図3】 図1のシステムによる操作監視ステーションへのデータ送信の流れを示す特性図である。
【図4】 この発明の実施の形態1に用いられるデータ判定テーブルを示す説明図である。
【図5】 この発明の実施の形態1による情報分岐部の動作を示すブロック図である。
【図6】 この発明の実施の形態2に用いられる第1のフィールド機器テーブルを示す説明図である。
【図7】 この発明の実施の形態2による第1の情報変換部の動作を示す説明図である。
【図8】 この発明の実施の形態3に用いられる第2のフィールド機器テーブルを示す説明図である。
【図9】 この発明の実施の形態3による第2の情報変換部の動作を示す説明図である。
【図10】 従来のフィールドバス制御システムの概略構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 制御ステーション、2 操作監視ステーション、3 I/Oカード、4 フィールドバス制御カード、5 フィールドバス、61〜6n フィールド機器、61A、62A 一般フィールド機器、7 カードバス、8 制御用バス、
11 情報分岐部、12 分散制御部、13 第1の情報変換部、14 第2の情報変換部、15 バス制御部、111 データ判定テーブル、131 第1のフィールド機器テーブル、141 第2のフィールド機器テーブル。

Claims (5)

  1. 制御用バスを介して操作監視ステーションに接続された制御ステーションと、
    カードバスを介して前記制御ステーションに接続されたフィールドバス制御カードおよびI/Oカードと、
    フィールドバスを介して前記フィールドバス制御カードに接続されたフィールド機器と、
    前記I/Oカードを介して一般的な分散制御が行われる一般フィールド機器とを備え、
    前記フィールド機器は所定機能を有するファンクションブロックを組み合せて構築された制御系からなるフィールドバス制御システムおいて、
    前記制御ステーションは、
    前記操作監視ステーションからの受信データを、前記一般フィールド機器に対する分散制御用データと前記フィールド機器に対するフィールドバス用データとに分岐する情報分岐部と、
    前記分散制御用データに基づいて前記一般フィールド機器に対する分散制御を行うための分散制御部と、
    前記フィールドバス用データを前記フィールド機器への伝送用の前記ファンクションブロックのデータ構造に変換する第1の情報変換部と、
    前記フィールドバスからの伝送データを前記操作監視ステーションへの伝送用の分散制御用データに変換する第2の情報変換部と、
    前記分散制御部、前記第1および第2の情報変換部と前記カードバスとの間に挿入されて前記カードバスを制御するバス制御部とを含み、
    前記情報分岐部は、
    前記操作監視ステーションからの受信データの論理名と、前記フィールド機器の種類とを対応付けたデータ判定テーブルを含み、
    前記操作監視ステーションからの受信データに基づいて前記分散制御用データと前記フィールドバス用データとを識別し、
    前記分散制御用データを前記分散制御部に伝送し、前記フィールドバス用データを前記第1の情報変換部に伝送し、
    前記分散制御部または前記第2の情報変換部からの伝送データを前記操作監視ステーションに送信するとともに、
    前記データ判定テーブルを参照して、前記分散制御用データおよび前記フィールドバス用データを判定することを特徴とするフィールドバス制御システム。
  2. 前記第1の情報変換部は、前記情報分岐部からの伝送データを前記ファンクションブロックのデータ構造に変換し、前記バス制御部を介して前記フィールドバス制御用カードに伝送することを特徴とする請求項1に記載のフィールドバス制御システム。
  3. 前記第1の情報変換部は、
    前記情報分岐部からの伝送データの論理名と、前記フィールド機器のアドレス、前記ファンクションブロックのパラメータインデクスおよび対象エレメント番号とを対応付けた第1のフィールド機器テーブルを含み、
    前記第1のフィールド機器テーブルを参照して、前記情報分岐部からの伝送データを、分散制御データ形式からフィールドバス用データ形式に変換することを特徴とする請求項2に記載のフィールドバス制御システム。
  4. 前記第2の情報変換部は、前記バス制御部を介して前記フィールドバス制御用カードから読み出された前記フィールドバス用データを、前記分散制御用データに変換して前記情報分岐部に伝送することを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載のフィールドバス制御システム。
  5. 前記第2の情報変換部は、
    前記フィールドバス用データの論理名と、前記フィールド機器のアドレス、前記ファンクションブロックのパラメータインデクスおよび対象エレメント番号とを対応付けた第2のフィールド機器テーブルを含み、
    前記第2のフィールド機器テーブルを参照して、前記フィールドバス用データを分散制御データ形式に変換することを特徴とする請求項4に記載のフィールドバス制御システム。
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