JP3827349B2 - パワーステアリング装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電動モータが駆動する油圧ポンプを作動油圧の発生源とし、この作動油圧で操舵補助を行うパワーステアリング装置の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図12は、本発明の出願人が出願した特願平7−50072号特許願に記載されたパワーステアリング装置の要部構成例を簡略化したブロック図である。このパワーステアリング装置は、電動モータMの回転速度の目標値に応じて、目標電圧決定回路4が目標電圧を決定する。モータ駆動回路7は、この目標電圧に従って、電動モータMを駆動し、電動モータMは、これにより、油圧ポンプ10を駆動して作動油圧を発生させる。
【0003】
モータ駆動回路7及び電動モータMの間には、電動モータMに流れる電流を検出するモータ電流検出回路1aが設けられ、そのモータ電流検出信号は、平滑回路1bにより平滑された後、無負荷電流検出回路2へ入力される。
無負荷電流検出回路2は、この入力された信号の最小値を検出し保持出力するが、入力信号が、保持出力している信号より大きいときは、所定の特性に従って、保持出力している信号を所定値へ向かって漸増させる。無負荷電流検出回路2は、これにより、電動モータMに流れる電流が最も小さくなる、電動モータMが低速回転の状態で操舵入力がない無負荷のときのモータ電流を検出し保持出力する。
また、無負荷電流検出回路2には、起動時の無負荷電流検出回路2の出力を所定値にリセットするためのリセット回路9が接続されている。
【0004】
無負荷電流検出回路2が保持出力する信号は、差動アンプ3へ入力される。差動アンプ3は、平滑回路1bが出力する信号と、無負荷電流検出回路2が保持出力する信号との差を検出し目標電圧決定回路4へ与える。
目標電圧決定回路4は、この差により、電動モータMを低電圧/低回転速度で駆動制御するスタンバイモードと、高電圧/高回転速度で駆動制御するパワーモードとを切り換え、各モードでの電動モータMへ印加すべき目標電圧を決定し指示する。
【0005】
また、目標電圧決定回路4は、操舵補助の応答性を良くするために、スタンバイモードとパワーモードとで、図14に示すように、閾値を低と高とに切り換え設定する閾値設定回路5を備えている。閾値設定回路5は、差動アンプ3の出力信号によりスタンバイモードとパワーモードとを識別している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
このようなパワーステアリング装置では、目標電圧決定回路4が決定し指示した目標電圧に従って、モータ駆動回路7が、バッテリー電圧を電動モータMに印加する時間を制御するPWM波のデューティ比を決め、このデューティ比によりPWM制御された印加時間、バッテリー電圧を電動モータMへ印加し、電動モータMを駆動している。
ところが、バッテリー電圧は、ライトの点滅、ブレーキランプの点滅等により変動することがあり、この変動が、電動モータMの印加電圧に影響して、図13に示すように、電動モータMに流れる電流を変化させていた。そのため、モータ電流検出回路1aが出力するモータ電流検出信号は、油圧ポンプ10の負荷を正確に表さないことがあった。
【0007】
尚、このような問題を解決するパワーステアリング装置として、電源電圧と目標電圧とから、記憶しているマップにより、PWM波の基本デューティ比を求め、この基本デューティ比の補正デューティ比を目標電圧とモータ電流とから、記憶しているマップにより求めて、基本デューティ比に補正デューティ比を加えるものが、特開平3−132470号公報に開示されている。
【0008】
本発明は、上述のような事情に鑑みてなされたものであり、電源であるバッテリー電圧が変動しても、電動モータへの印加電圧を略一定に保持し、モータ電流を略一定に保つことができ、ハンドルの操作状態を精度良く検出できるパワーステアリング装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るパワーステアリング装置は、電動モータにより油圧ポンプを駆動し、該油圧ポンプが発生させる油圧により操舵補助を行い、前記電動モータを低電圧/低回転速度で駆動制御するスタンバイモードと、前記電動モータを高電圧/高回転速度で駆動制御するパワーモードとが切換えられるように構成されると共に、前記電動モータに流れるモータ電流を検出する手段と、該手段により検出されたモータ電流に基づき、前記電動モータをスタンバイモードで駆動する為の目標電圧、又はパワーモードで駆動する為の目標電圧を設定する目標電圧設定手段とを備えるパワーステアリング装置において、前記電動モータの端子間電圧を検出する手段と、検出した端子間電圧に基づき、前記目標電圧設定手段が設定した目標電圧を補正する補正手段とを備え、該補正手段が補正した目標電圧により、前記電動モータを駆動するように構成してあると共に、前記検出されたモータ電流に基づき、操舵入力が無い無負荷時のモータ電流を無負荷電流として検出し保持する手段を備え、前記目標電圧設定手段は、前記スタンバイモードとパワーモードとを前記無負荷電流に応じて切換える為の閾値を設定する手段を有し、該手段は、スタンバイモードからパワーモードへ切換わるときには、そのときのスタンバイモード時の無負荷電流に対応するパワーモード時の無負荷電流を、無負荷時の、モータ印加電圧に対するモータ電流の温度特性から求め、求めたパワーモード時の無負荷電流より大きい電流値をパワーモードとする為の閾値とするように構成してあることを特徴とする。
【0010】
このパワーステアリング装置では、電動モータの端子間電圧を検出し、検出した端子間電圧に基づき、前記目標電圧を補正する。そのため、電源であるバッテリー電圧が変動し、電動モータの端子間電圧が変動しかけても、前記目標電圧を補正する手段が、その変動を打ち消すように前記目標電圧を高低に補正し、電動モータへの印加電圧を略一定に保つことができるので、電動モータに流れる電流も略一定に保つことができる。
また、上述のように、電動モータの前記目標電圧を電動モータの端子間電圧でフィードバック制御することにより、車両毎のバッテリ電圧のバラツキを吸収することができ、作動油の最低流量を高精度に制御することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明をその実施の形態を示す図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明に係るパワーステアリング装置の1形態の要部構成例を示すブロック図である。このパワーステアリング装置は、電動モータMの回転速度の目標値に応じた、目標電圧決定回路4が指示する目標電圧に従って、モータ駆動回路7が、バッテリー電圧を電動モータMに印加する時間を制御するPWM波のデューティ比を決める。そして、このデューティ比によりPWM制御された印加時間、バッテリー電圧を電動モータMへ印加し、電動モータMを駆動している。電動モータMは、これにより、油圧ポンプ10を駆動して作動油圧を発生させる。
【0014】
モータ駆動回路7には、電動モータMの端子間電圧を検出し、そのモータ電圧検出信号を出力するモータ電圧検出回路8が設けられている。目標電圧決定回路4及びモータ駆動回路7の間には、目標電圧決定回路4から目標電圧信号を与えられ、モータ電圧検出回路8からのモータ電圧検出信号に基づき、目標電圧信号を補正する電圧制御回路6が設けられている。
電圧制御回路6は、モータ電圧が変動するときは、その変動を打ち消すように目標電圧を高低に補正する。モータ駆動回路7は、この補正された目標電圧に従って、バッテリー電圧をPWM制御するPWM波のデューティ比を大小に補正する。
モータ駆動回路7及び電動モータMの間には、電動モータMに流れる電流を検出するモータ電流検出回路1aが設けられ、そのモータ電流検出信号は、平滑回路1bにより平滑された後、無負荷電流検出回路2へ入力される。
【0015】
無負荷電流検出回路2は、この入力された信号の最小値を検出し保持出力するが、入力信号が、保持出力している信号より大きいときは、所定の特性に従って、保持出力している信号を所定値へ向かって漸増させる。無負荷電流検出回路2は、これにより、電動モータMに流れる電流が最小になる、電動モータMが低速回転の状態で操舵入力がない無負荷のときのモータ電流を検出し保持出力する。
また、無負荷電流検出回路2には、起動時の無負荷電流検出回路2の出力を所定値にリセットするためのリセット回路9が接続されている。
【0016】
無負荷電流検出回路2が保持出力する信号は、差動アンプ3へ入力される。差動アンプ3は、平滑回路1bが出力する信号と、無負荷電流検出回路2が保持出力する信号との差を検出し目標電圧決定回路4へ与える。
目標電圧決定回路4は、この差により、電動モータMを低電圧/低回転速度で駆動制御するスタンバイモードと、高電圧/高回転速度で駆動制御するパワーモードとを切り換え制御し、電動モータMへの印加電圧を指示する。
【0017】
また、目標電圧決定回路4は、操舵補助の応答性を良くするために、その切り換えのための閾値を、図14に示すように、スタンバイモードとパワーモードとで、低と高とに切り換える閾値設定回路5aを備えている。
閾値設定回路5aは、無負荷電流検出回路2の出力を与えられている。これにより、閾値設定回路5aは、スタンバイモードからパワーモードへ切り換わるときには、そのときのスタンバイモード時の無負荷電流に対応するパワーモード時の無負荷電流を、図4に示すような、無負荷時の、モータ印加電圧に対するモータ電流の温度特性から求め(例えば、6Vのときの無負荷電流が分かれば、作動油の温度が特定でき、12Vのときの無負荷電流が分かる)、求めたパワーモード時の無負荷電流より少し大きい電流値をパワーモード時の閾値とする。
【0018】
ところで、作動油の粘性が温度によって変化するため、油圧ポンプ10の負荷は温度によって異なり、モータ電流は、図14に示すように、作動油が常温のときより低温のときの方が大きくなる。特に、パワーモード時の操舵入力がない無負荷状態でのモータ電流は、常温時と低温時とでその差が大きい。そのため、従来のパワーステアリング装置は、図14に示すように、作動油が低温のときには、無負荷状態でのモータ電流が、常温時に設定された閾値を下回ることができず、スタンバイモードに戻らないことがあったが、上述のようにすることにより、確実にスタンバイモードに戻ることができる。
【0019】
閾値設定回路5aは、パワーモードからスタンバイモードへ切り換わるときには、従来通り、スタンバイモード時の閾値を、スタンバイモード時の無負荷電流との差を一定として決める。
閾値設定回路5aは、差動アンプ3の出力信号が、パワーモード時の閾値より所定値大きい値を超えると、閾値をパワーモード時の閾値に切り換え、スタンバイモード時の閾値より所定値小さい値を下回ると、閾値をスタンバイモード時の閾値に切り換えるようになっている。これにより、パワーモードとスタンバイモードとの間でハンチングが生じることを防止する。
【0020】
以下に、このような構成のパワーステアリング装置の動作を説明する。
このパワーステアリング装置は、電動モータMの回転速度の目標値に応じた、目標電圧決定回路4が指示する目標電圧に従って、モータ駆動回路7が電動モータMを駆動させ、電動モータMは油圧ポンプ10を駆動して作動油圧を発生させる。
モータ電圧検出回路8は、電動モータMの端子間電圧を検出し、そのモータ電圧検出信号を電圧制御回路6へ与える。電圧制御回路6は、このモータ電圧が変動するときは、その変動を打ち消すように目標電圧を高低に補正する。モータ駆動回路7は、この補正された目標電圧に従って、バッテリー電圧を電動モータMに印加する時間を制御するPWM波のデューティ比を決める。そして、このデューティ比によりPWM制御された印加時間、バッテリー電圧を電動モータMへ印加し、電動モータMを駆動する。
【0021】
これにより、図2に示すように、電源電圧が変動しても、モータ電圧(電動モータMの端子間電圧)は略一定であり、これに従って、モータ電流も略一定である。
また、このパワーステアリング装置は、上述のように、電動モータの目標電圧を電動モータの端子間電圧でフィードバック制御しているので、図3に示すように、電源電圧が所定値(例えば12V)付近で変動しても、電動モータの目標電圧は、略一定に制御される。
【0022】
モータ電流検出回路1aは、電動モータMに流れる電流を検出し、そのモータ電流検出信号は、平滑回路1bにより平滑された後、無負荷電流検出回路2へ入力される。
無負荷電流検出回路2は、この平滑されたモータ電流検出信号の最小値を検出し保持出力するが、入力信号が、保持出力している信号より大きいときは、所定の特性に従って、保持出力している信号を所定値へ向かって漸増させる。このとき、入力信号が保持出力している信号より小さくなれば、出力信号を入力信号に追従させる。
【0023】
パワーモードからスタンバイモードへ遷移するとき、油圧ポンプ10の慣性力により、電動モータMには逆起電力による電流が生じ、無負荷電流検出回路2の入力にアンダーシュートが生じるが、無負荷電流検出回路2は、このアンダーシュートを除去するようになっている。
リセット回路9は、起動時に無負荷電流検出回路2の出力を所定値(起動時の無負荷電流に相当する値より大きい値)にリセットし、起動時に無負荷電流検出回路2が出力を無負荷電流に相当する値へ漸増させて、時間を費やすことがないようにする。
【0024】
差動アンプ3は、平滑回路1bが出力する信号と、無負荷電流検出回路2が保持出力する信号との差を検出し目標電圧決定回路4へ与える。
目標電圧決定回路4は、この差により、電動モータMを低電圧/低回転速度で駆動制御するスタンバイモードと、高電圧/高回転速度で駆動制御するパワーモードとを切り換え制御し、電動モータMへの印加電圧を指示する。
このとき、閾値設定回路5aは、目標電圧決定回路4の、スタンバイモードとパワーモードとを切り換えるための閾値を、スタンバイモードとパワーモードとで、低と高とに切り換える。
【0025】
閾値設定回路5aは、無負荷電流検出回路2の出力を与えられ、スタンバイモードからパワーモードへ切り換わるときには、そのときのスタンバイモード時の無負荷電流に対応するパワーモード時の無負荷電流を、図4に示すような、無負荷時の、モータ印加電圧に対するモータ電流の温度特性から求め、求めたパワーモード時の無負荷電流より少し大きい電流値をパワーモード時の閾値とする。
閾値設定回路5aは、パワーモードからスタンバイモードへ切り換わるときには、従来通り、スタンバイモード時の閾値を、スタンバイモード時の無負荷電流との差を一定として決める。
【0026】
図5及び図6は、このようなパワーステアリング装置の回路の一例である。
無負荷電流検出回路2は、OPアンプ17の出力端子に抵抗18を介してダイオード20が逆接続され、ダイオード20のアノードは、OPアンプ17の反転入力端子に接続され負帰還がかけられる。OPアンプ17の非反転入力端子には、一体となっているモータ電流検出回路1a及び平滑回路1bの出力信号が、接続節点Hを介して与えられている。
ダイオード20のアノードには抵抗18aが接続され、抵抗18aの他方には、電源電圧Vccが印加されている。
ダイオード20のアノード及びカソードには、他方が接地された電解コンデンサ19,20がそれぞれ接続されている。
【0027】
ダイオード20のアノードは、OPアンプ23の非反転入力端子に接続され、OPアンプ23の非反転入力端子には、他方が接地された電解コンデンサ20が接続されている。OPアンプ23は、負帰還がかけられたバッファ回路である。
無負荷電流検出回路2は、抵抗18aが無ければ、通常の最小値ホールド回路であるが、抵抗18aが付加されているので、抵抗18aと電解コンデンサ19,21とで定まる時定数に従って、保持出力している信号が所定電圧値へ向かって漸増する。漸増する信号は、OPアンプ23のバッファ回路を通じて、差動アンプ3と閾値設定回路5aとへ与えられる。
【0028】
差動アンプ3は、OPアンプ31に抵抗30とコンデンサ29との並列回路により負帰還をかけた差動増幅器である。OPアンプ31の反転入力端子には、抵抗28を通じて、無負荷電流検出回路2からの保持出力信号が入力され、非反転入力端子には、抵抗32,32a及びコンデンサ33からなる平滑回路及び接続節点Hを通じて、モータ電流検出回路1a及び平滑回路1bの出力信号が与えられている。
差動アンプ3は、OPアンプ31の差動増幅器により、無負荷電流検出回路2からの保持出力信号とモータ電流検出回路1a及び平滑回路1bの出力信号との差を演算し、閾値設定回路5aと目標電圧決定回路4aとへ与える。
【0029】
閾値設定回路5aは、OPアンプ39に抵抗38の正帰還をかけたコンパレータと、OPアンプ39aに抵抗26の負帰還をかけた差動増幅器とからなっている。
OPアンプ39の非反転入力端子には、電源電圧Vccの抵抗36,37による分圧が印加され、反転入力端子には、差動アンプ3のOPアンプ31の出力が、抵抗34と他方が接地されたコンデンサ35とからなる平滑回路を介して与えられている。OPアンプ39の出力端子は、抵抗38aを通じて電源電圧Vccが印加され、また、エミッタ接地されたNPNトランジスタ40のベースに接続されている。
【0030】
OPアンプ39aの反転入力端子には、電源電圧Vccの抵抗24,25による分圧が印加され、非反転入力端子には、無負荷電流検出回路2のOPアンプ23の出力が与えられている。OPアンプ39aの出力端子には、ダイオード27のアノードが接続され、ダイオード27のカソードは、抵抗26を通じてOPアンプ39aの反転入力端子に接続されている。ダイオード27のアノードには、NPNトランジスタ40のコレクタが接続され、カソードには、目標電圧決定回路4aのOPアンプ43の非反転入力端子が接続されている。
【0031】
目標電圧決定回路4aは、OPアンプ43の非反転入力端子には、電源電圧Vccの抵抗41,42による分圧が印加され、反転入力端子には、差動アンプ3のOPアンプ31の出力が与えられている。
OPアンプ43の出力端子には、他方が接地された電解コンデンサ44が接続されると共に、エミッタに電源電圧Vccが印加されたPNPトランジスタ45,46の各ベースが接続されている。
【0032】
閾値設定回路5aは、差動アンプ3の出力が所定値(抵抗36,37の分圧及びOPアンプ39の出力により決まる)より小さいときは、OPアンプ39の出力が略+Vccとなって、NPNトランジスタ40をオンにする。そのため、ダイオード27のアノードが略0VになってOPアンプ39aの出力は封じられるので、OPアンプ43の出力は、抵抗41,42による分圧(スタンバイモード時の閾値に相当)が差動アンプ3の出力より大又は小かによって決まり、PNPトランジスタ45,46をオフ又はオンにする。
【0033】
閾値設定回路5aは、PNPトランジスタ45,46がオンになってパワーモードになり、差動アンプ3の出力が所定値より大きくなったときは、OPアンプ39の出力が略−Vccとなって、NPNトランジスタ40をオフにする。そのため、OPアンプ39aの出力は、ダイオード27を通じて、OPアンプ43の非反転入力端子に与えられ、抵抗41,42による分圧を強制的に引き上げる(パワーモード時の閾値に相当)。また、OPアンプ39の非反転入力端子に与えられる所定値は、OPアンプ39の出力が略−Vccとなったことにより、小さくなっている。
【0034】
このとき、無負荷電流検出回路2からの保持出力信号の大きさに従って、OPアンプ39aの出力も大きくなり、OPアンプ43の非反転入力端子に与えられる電圧は高くなる。
この状態で、OPアンプ43の出力は、非反転入力端子に与えられる電圧が差動アンプ3の出力より大又は小かによって、PNPトランジスタ45,46をオフ又はオンにする。パワーモード時には無負荷電流検出回路2の入力は大きくなるが、無負荷電流検出回路2の出力はその影響を受けない。また、PNPトランジスタ45がオンになって、接続節点Eを通じて、電解コンデンサ19が略+Vccで充電されるが、ダイオード20により、無負荷電流検出回路2の出力は、その影響を受けない。
【0035】
閾値設定回路5aは、PNPトランジスタ45,46がオフになってスタンバイモードになり、差動アンプ3の出力が所定値(上述のように小さくなっている)より小さくなったときは、OPアンプ39の出力が略+Vccとなって、NPNトランジスタ40をオンにする。そのため、ダイオード27のアノードが略0VになってOPアンプ39aの出力は封じられるので、OPアンプ43の出力は、抵抗41,42による分圧(スタンバイモード時の閾値に相当)が差動アンプ3の出力より大又は小かによって決まり、PNPトランジスタ45,46をオフ又はオンにする。また、OPアンプ39の非反転入力端子に与えられる所定値は、OPアンプ39の出力が略+Vccとなったことにより、大きくなっている。
【0036】
パワーモードからスタンバイモードへ遷移するとき、油圧ポンプの慣性力により、電動モータMには逆起電力による電流が生じ、無負荷電流検出回路2の入力にアンダーシュートが生じるが、無負荷電流検出回路2は、電解コンデンサ19の放電により、このアンダーシュートを除去する。電解コンデンサ19は、上述のように、パワーモード時にPNPトランジスタ45によって充電されている。
【0037】
目標電圧決定回路4aのPNPトランジスタ46は、オンになったとき(パワーモードになったとき)、接続節点Bを通じて、目標電圧決定回路4bの電源電圧Vccの抵抗75,76による分圧を、強制的に略+Vccに引き上げる。この引き上げられた電圧は電圧制御回路6に与えられる。
電圧制御回路6は、OPアンプ74にコンデンサ73による負帰還をかけた積分回路であり、OPアンプ74の非反転入力端子に目標電圧決定回路4bの電源電圧Vccの抵抗75,76による分圧が与えられ、反転入力端子に抵抗72を介してモータ電圧検出回路8の出力が与えられる。
OPアンプ74の非反転入力端子は、スタンバイモードのときには、電源電圧Vccの抵抗75,76による分圧が与えられ、OPアンプ74の出力は小さい。パワーモードのときには、強制的に引き上げられた略+Vccが与えられ、OPアンプ74の出力は大きい。
【0038】
電圧制御回路6の出力は、モータ駆動回路7のOPアンプ82の非反転入力端子に与えられる。OPアンプ82の反転入力端子には、OPアンプ80等で構成されたマルチバイブレータの鋸歯状波出力が与えられる。
マルチバイブレータは、OPアンプ80の非反転入力端子に電源電圧Vccの抵抗77,78による分圧が印加され、反転入力端子に他方が接地されたコンデンサ81が接続されている。OPアンプ80には、抵抗79による正帰還と抵抗79aによる負帰還がかけられ、マルチバイブレータの鋸歯状波出力はOPアンプ80の反転入力端子から出力される。
【0039】
OPアンプ82の出力端子には、抵抗82aを介して電源電圧Vccが印加され、エミッタ同士が接続されたNPNトランジスタ83及びPNPトランジスタ84のそれぞれのベースが接続されている。NPNトランジスタ83のコレクタにはバッテリー電圧Vb が与えられ、PNPトランジスタ84のコレクタは接地されている。
NPNトランジスタ83及びPNPトランジスタ84の共通接続されたエミッタは、抵抗85、86及び87を介して、それぞれNチャネル形FET92、93及び94の各ベースに接続されている。Nチャネル形FET92、93及び94の各ソースは、他方が接地された、モータ電流検出回路1aの抵抗95に共通接続されている。
【0040】
Nチャネル形FET92、93及び94の各ドレインは、電動モータMの−側端子に接続され、電動モータMの+側端子は、他方が接地されたコンデンサ90が接続されている。電動モータMの+側端子及び−側端子間には、ダイオード91が逆接続されている。
電動モータMの−側端子には、ダイオード89のアノードが接続され、ダイオード89のカソードには、ツェナーダイオード88のカソードが接続されている。ツェナーダイオード88のアノードは、Nチャネル形FET92のベースに接続されている。
【0041】
モータ駆動回路7は、OPアンプ82が、電圧制御回路6の出力とOPアンプ80からの鋸歯状波出力とでデューティ比が定まるPWM制御信号を出力する。
電圧制御回路6の出力が小さいとき(スタンバイモードのとき)、PWM制御信号のデューティ比は小さく(OPアンプ82が負電圧を出力する時間が長い)、NPNトランジスタ83及びPNPトランジスタ84をオン及びオフする、単位時間当たりの時間は短い。これに応じて、Nチャネル形FET92、93及び94が、単位時間当たりにオンする時間も短く、電動モータMに印加される平均電圧は低い。
【0042】
電圧制御回路6の出力が大きいとき(パワーモードのとき)、PWM制御信号のデューティ比は大きく、NPNトランジスタ83及びPNPトランジスタ84をオン及びオフする、単位時間当たりの時間は長い。これに応じて、Nチャネル形FET92、93及び94が、単位時間当たりにオンする時間も長く、電動モータMに印加される平均電圧は高い。
【0043】
モータ電流検出回路1aの抵抗95の両端電圧は、接続節点Aを介して、モータ電流検出回路1a及び平滑回路1bに与えられ、モータ電流が検出される。
モータ電流検出回路1a及び平滑回路1bは、抵抗47、コンデンサ48及び抵抗50からなる平滑回路と、非反転入力端子に電源電圧Vccの抵抗49,50による分圧が印加され、反転入力端子に他方が接地された抵抗51が接続されたOPアンプ50aとから構成されている。OPアンプ50aの出力端子には、ダイオード53が順接続され、OPアンプ50aは、抵抗52により負帰還がかけられている。
ダイオード53のカソードには抵抗54aと他方が接地されたコンデンサ54が接続され、コンデンサ54の一方は、接続節点Hを介して、無負荷電流検出回路2及び差動アンプ3の各入力端子に接続されている。
【0044】
コンデンサ54の一方(モータ電流検出回路1a及び平滑回路1bの出力端子)は、抵抗55を介して、OPアンプ57の反転入力端子に接続され、OPアンプ57の非反転入力端子には、電源電圧Vccの抵抗58,59による分圧が印加されている。OPアンプ57は、コンデンサ56により負帰還がかけられ、その出力端子は、逆接続されたダイオード60を通じて、モータ駆動回路7のOPアンプ82の非反転入力端子に接続されている。
【0045】
電動モータMの+側端子及び−側端子は、それぞれ接続節点C及びDを介して、モータ電圧検出回路8の抵抗68及び64に接続されている。
モータ電圧検出回路8は、抵抗64、コンデンサ66及び抵抗65からなる平滑回路が反転入力端子に接続され、抵抗68、コンデンサ67、抵抗69、抵抗70及びコンデンサ71からなる平滑回路及び分圧回路が接続されたOPアンプ63を備えている。
OPアンプ63は、抵抗62とコンデンサ61との並列回路により負帰還をかけた差動増幅器であり、電動モータMの+側端子及び−側端子間の電圧を検出して、電圧制御回路へ出力する。
【0046】
リセット回路9は、カソードにバッテリー電圧Vb が印加されたツェナーダイオード11のアノードに、エミッタ接地されたNPNトランジスタ12のベースが接続され、NPNトランジスタ12のコレクタは、他方が電源Vccに接続された抵抗12aと、エミッタ接地されたNPNトランジスタ13,14の各ベースとに接続されている。
NPNトランジスタ14のコレクタは、他方が接地されたコンデンサ15と、他方がPNPトランジスタ16のベースに接続された抵抗15aとに接続されている。PNPトランジスタ16のエミッタは電源Vccに、コレクタは無負荷電流検出回路2のOPアンプ17の反転入力端子にそれぞれ接続されている。
NPNトランジスタ13のコレクタは、接続節点Gを介して、モータ駆動回路7のOPアンプ82の出力端子に接続されている。
【0047】
リセット回路9は、起動時に電源がオンされると、NPNトランジスタ12,14がオンになり、PNPトランジスタ16もオンになって、OPアンプ17の反転入力端子と抵抗18a及びコンデンサ21の接続点とに略電源電圧Vccを与え、コンデンサ21を充電する。しかし、抵抗15aにより制限されたPNPトランジスタ16のベース電流により、コンデンサ15が充電され、PNPトランジスタ16のベース電位が上昇すると、PNPトランジスタ16はオフになり、OPアンプ17の反転入力端子の電位は、抵抗18aとコンデンサ21との接続点の電位となる。
【0048】
図7は、今回、開示されるパワーステアリング装置の1形態の要部構成例を示すブロック図である。このパワーステアリング装置は、電動モータMの回転速度の目標値に応じた、目標電圧決定回路4fが指示する目標電圧に従って、モータ駆動回路7が、バッテリー電圧を電動モータMに印加する時間を制御するPWM波のデューティ比を決める。そして、このデューティ比によりPWM制御された印加時間、バッテリー電圧を電動モータMへ印加し、電動モータMを駆動している。電動モータMは、これにより、油圧ポンプ10を駆動して作動油圧を発生させる。
【0049】
目標電圧決定回路4fには、差動アンプ3及び閾値設定回路5aからの各信号の他に、車速検出器(図示せず)からの車速に応じた電圧信号が与えられる。車速検出器はパルスピックアップ式であり、車速信号は車速の高低によって周波数が高低する交流電圧信号である。この交流電圧信号は、波形整形回路100に入力されて矩形波に整形された後、F/V(周波数/電圧)変換回路101へ与えられて電圧信号に変換され、目標電圧決定回路4fへ与えられる。その他の構成は、上述で説明した図1のパワーステアリング装置と同様であるので、説明を省略する。
【0050】
以下に、このような構成のパワーステアリング装置の動作を説明する。
目標電圧決定回路4fは、差動アンプ3からの信号より、操舵入力の有無を判断し、電動モータMを低電圧/低回転速度で駆動制御するスタンバイモード(操舵入力無)と、高電圧/高回転速度で駆動制御するパワーモード(操舵入力有)とを切り換え制御し、電動モータMへ印加すべき目標電圧を指示する。
このとき、目標電圧決定回路4fは、スタンバイモード時及びパワーモード時で異なる、車速と電動モータMへの印加電圧との特性に従って、目標電圧を指示する。
【0051】
本例では、目標電圧決定回路4fは、図8に例示するような、スタンバイモード時及びパワーモード時それぞれの、車速と電動モータMへの印加電圧との特性に従う。
この特性では、スタンバイモード時の、電動モータMへ印加すべき目標電圧は、車速が5km/h迄の徐行時には6Vであり、5〜35km/hの低速のときには、車速の増加に応じて高くなり、35〜50km/hの中速のときには、12V(最高電圧)に維持され、50〜100km/hの高速のときには、車速の増加に応じて低くなり、100km/h以上の高速のときには、3V(最低電圧)に維持される。
【0052】
パワーモード時の、電動モータMへ印加すべき目標電圧は、35km/h迄の徐行時及び低速時には、12Vに維持され、35km/h以上の中速時及び高速時には、上述のスタンバイモード時の特性と同様の特性に従う。その他の動作は、上述で説明した図1のパワーステアリング装置と同様であるので、説明を省略する。
【0053】
従来のパワーステアリング装置では、車速によってのみ、電動モータへの印加電圧を決定しているが、消費エネルギーが大きかった。また、操舵角センサを用いて操舵入力の有無を判断し、操舵入力が無いときに、電動モータへの印加電圧を下げるものもあるが、製造コストが増加していた。
しかし、本例のパワーステアリング装置によれば、操舵角センサのようなセンサを追加せずに、省エネルギー性能を向上させることができると共に、車速による目標電圧制御を導入することにより、中高速時の操舵フィーリングが向上する。
【0054】
図9、図10及び図11は、このようなパワーステアリング装置の回路の一例である。
波形整形回路100は、カソードに波形整形回路100の入力端子が接続されたダイオード105が、アノードに抵抗106を介して電源電圧Vccが印加されている。ダイオード105のアノードには、他方にコンデンサ108が接続された抵抗107が接続され、コンデンサ108の他方は接地されている。抵抗107の他方は、アノードが接地されたダイオード109のカソードと、OPアンプ112の反転入力端子とに接続されている。
OPアンプ112の非反転入力端子には、抵抗110,111による電源電圧Vccの分圧が与えられ、出力端子には、抵抗114を介して電源電圧Vccが印加されている。OPアンプ112には、抵抗113により正帰還がかけられている。
【0055】
波形整形回路100は、入力された交流電圧信号の車速信号を、ダイオード105で半波整流し、半波整流された車速信号は、抵抗107及びコンデンサ108でなるフィルタ回路で高周波成分が除去された後、シュミット・トリガ回路であるOPアンプ112に入力される。ダイオード109は、負電圧に振られ過ぎないための保護回路である。
OPアンプ112は、入力が抵抗110,111による分圧により定まる所定値を超えているときは、Lレベル信号を出力し、超えていないときは、Hレベル信号を出力し、波形整形回路100に入力された交流電圧信号の谷の数だけの矩形波を出力する。
【0056】
F/V変換回路101は、F/V変換回路101の入力端子にコンデンサ115が接続され、コンデンサ115の他方は、他方が接地された抵抗116に接続されている。コンデンサ115の他方には、アノードが接地されたダイオード117のカソードと、カソードがOPアンプ121の反転入力端子に接続されたダイオード118のアノードとが接続されている。
OPアンプ121の非反転入力端子には、抵抗119,120による電源電圧Vccの分圧が与えられ、出力端子には、抵抗122を介して電源電圧Vccが印加されている。OPアンプ121の出力端子には、他方が接地された電解コンデンサ123と、抵抗124、コンデンサ125、抵抗126及びコンデンサ127で構成される平滑回路とが接続されている。
【0057】
F/V変換回路101は、波形整形回路100から入力された矩形波を、コンデンサ115及び抵抗116でなる微分回路で微分する。この微分信号は、ダイオード117及びダイオード118でなるポンプ回路を通じて、OPアンプ121の反転入力端子に与えられ、OPアンプ121は、この微分信号の、抵抗119,120による分圧により定まる所定値を超える部分に応じた負電圧信号を出力する。
【0058】
OPアンプ121がこの負電圧信号を出力する都度、電解コンデンサ123は放電するので、微分信号の単位時間当たりの個数が多い程、電解コンデンサ123の端子間電圧は低下する。従って、車速が高速である程、電解コンデンサ123の端子間電圧は低下する。
電解コンデンサ123の端子間電圧は、抵抗124、コンデンサ125、抵抗126及びコンデンサ127で構成される平滑回路で平滑され、F/V変換回路101の出力電圧として、目標電圧決定回路4fの部分回路4eへ与えられる。
【0059】
目標電圧決定回路4fの部分回路4eは、部分回路4eの入力端子に接続された抵抗128の他方が、OPアンプ131の反転入力端子に接続されている。OPアンプ131の非反転入力端子には、抵抗129,130による電源電圧Vccの分圧が与えられ、出力端子には、他方が接地されたツェナーダイオード133が接続されている。OPアンプ131には、抵抗132により負帰還がかけられている。
OPアンプ131の出力端子は、接続節点Kを介して、目標電圧決定回路4fの部分回路4dの抵抗76の一端に接続されている(この一端は、図6に示す回路では接地されている)。
【0060】
目標電圧決定回路4fの部分回路4eの入力端子は、また、OPアンプ136の反転入力端子に接続されている。OPアンプ136の非反転入力端子には、抵抗134,135による電源電圧Vccの分圧が与えられ、出力端子には、抵抗137を通じて、電源電圧Vccが印加されている。
OPアンプ136の出力端子は、接続節点Jを介して、目標電圧決定回路4fの部分回路4cの、エミッタ接地されたNPNトランジスタ147のベースに接続されている。NPNトランジスタ147のコレクタは、OPアンプ43の出力端子に接続されている(このNPNトランジスタ147は、図5に示す回路では存在しない)。
【0061】
目標電圧決定回路4fの部分回路4eの入力端子は、また、抵抗138,139でなる分圧回路に接続されている。抵抗138,139により分圧された、部分回路4eの入力は、OPアンプ140の非反転入力端子に与えられる。OPアンプ140の反転入力端子には、抵抗144,145による電源電圧Vccの分圧が抵抗143を通じて与えられ、出力端子には、他方が接地されたツェナーダイオード142が接続されている。OPアンプ140には、抵抗141により負帰還がかけられている。
【0062】
抵抗144,145の共通接続点は、コレクタ接地されたPNPトランジスタ146のエミッタに接続され、PNPトランジスタ146のベースは、接続節点Jを介して、OPアンプ136の出力端子に接続されている。
OPアンプ140の出力端子は、接続節点Lを介して、目標電圧決定回路4fの部分回路4dの抵抗75の一端に接続されている(この一端は、図6に示す回路では、電源電圧Vccが印加されている)。
【0063】
以下に、目標電圧決定回路4f(部分回路4c,4d,4e)の動作を、図8の車速と電動モータMへの印加電圧との特性を参照しながら説明する。
目標電圧決定回路4fの入力信号が5km/h迄の車速に相当する電圧のとき、接続節点Kの電圧は、ツェナーダイオード133が順方向に導通して、略0Vである。接続節点Jの電圧は、PNPトランジスタ146をオン、NPNトランジスタ147をオフにする。接続節点Lの電圧は、PNPトランジスタ146のエミッタが接地され、OPアンプ140の出力電圧が高になるので、ツェナーダイオード142のツェナー降伏電圧である。
【0064】
従って、OPアンプ74(電圧制御回路6)の非反転入力端子に入力される、電動モータMへ印加すべき目標電圧信号は、ツェナーダイオード142のツェナー降伏電圧の抵抗75,76による分圧に略等しくなり、目標電圧は6Vになる。
この状態で、パワーモードに切り換わったときは、PNPトランジスタ46がオンになって、目標電圧信号が引き上げられて略電源電圧Vccになり、目標電圧は12Vになる。
【0065】
目標電圧決定回路4fの入力信号が5〜35km/hの車速に相当する電圧のとき、接続節点Kの電圧は、OPアンプ131の出力電圧が車速の上昇(入力信号の低下)に応じて上昇するので、同様に上昇する。接続節点Jの電圧は、PNPトランジスタ146をオン、NPNトランジスタ147をオフにする。接続節点Lの電圧は、PNPトランジスタ146のエミッタが接地され、OPアンプ140の出力電圧が高になるので、ツェナーダイオード142のツェナー降伏電圧である。
【0066】
従って、OPアンプ74の非反転入力端子に入力される、電動モータMへ印加すべき目標電圧信号は、車速の上昇に応じて(接続節点Kの電圧上昇に応じて)上昇し、目標電圧は6Vから12Vに漸増する。
この状態で、パワーモードに切り換わったときは、PNPトランジスタ46がオンになって、目標電圧信号が引き上げられて略電源電圧Vccになり、目標電圧は12Vになる。
【0067】
目標電圧決定回路4fの入力信号が35〜50km/hの車速に相当する電圧のとき、接続節点Kの電圧は、OPアンプ131の出力電圧が車速の上昇(入力信号の低下)に応じて上昇するので、同様に上昇する。接続節点Jの電圧は、PNPトランジスタ146をオフ、NPNトランジスタ147をオンにする。接続節点Lの電圧は、OPアンプ140の出力電圧が車速の上昇(入力信号の低下)に応じて低下するので、同様に低下する。
【0068】
従って、OPアンプ74の非反転入力端子に入力される、電動モータMへ印加すべき目標電圧信号は、接続節点Kの電圧上昇と接続節点Lの電圧低下とが相殺しあって一定となり、目標電圧は12Vで一定である。
この状態では、NPNトランジスタ147がオンであるので、PNPトランジスタ46がオフに維持され、パワーモードに切り換わらず、スタンバイモードとパワーモードとは同じ特性を取る。
【0069】
目標電圧決定回路4fの入力信号が50〜100km/hの車速に相当する電圧のとき、接続節点Kの電圧は、OPアンプ131の出力電圧が高になるので、ツェナーダイオード133のツェナー降伏電圧である。接続節点Jの電圧は、PNPトランジスタ146をオフ、NPNトランジスタ147をオンにする。接続節点Lの電圧は、OPアンプ140の出力電圧が車速の上昇(入力信号の低下)に応じて低下するので、同様に低下する。
【0070】
従って、OPアンプ74の非反転入力端子に入力される、電動モータMへ印加すべき目標電圧信号は、車速の上昇に応じて(接続節点Lの電圧低下に応じて)低下し、目標電圧は12Vから3Vに漸減する。
この状態では、NPNトランジスタ147がオンであるので、PNPトランジスタ46がオフに維持され、パワーモードに切り換わらず、スタンバイモードとパワーモードとは同じ特性を取る。
【0071】
目標電圧決定回路4fの入力信号が100km/h以上の車速に相当する電圧のとき、接続節点Kの電圧は、OPアンプ131の出力電圧が高になるので、ツェナーダイオード133のツェナー降伏電圧である。接続節点Jの電圧は、PNPトランジスタ146をオフ、NPNトランジスタ147をオンにする。接続節点Lの電圧は、ツェナーダイオード142が順方向に導通して、略0Vである。
【0072】
従って、OPアンプ74の非反転入力端子に入力される、電動モータMへ印加すべき目標電圧信号は、ツェナーダイオード133のツェナー降伏電圧の抵抗76,75による分圧(上述の車速が5km/h迄のときとは、分圧比が逆になる)に略等しくなり、目標電圧は3Vになる。
この状態では、NPNトランジスタ147がオンであるので、PNPトランジスタ46がオフに維持され、パワーモードに切り換わらず、スタンバイモードとパワーモードとは同じ特性を取る。
このパワーステアリング装置の回路のその他の構成及び動作は、上述で説明した、図5及び図6に示す回路と同様であるので、説明を省略する。
【0073】
【発明の効果】
本発明に係るパワーステアリング装置によれば、電源であるバッテリー電圧が変動しても、電動モータへの印加電圧を略一定に保持し、モータ電流を略一定に保つことができ、ハンドルの操作状態を精度良く検出できる。また、個々の電動モータの抵抗値のバラツキと、コントローラ(特に電動モータの端子間電圧を検出する手段)の製造過程に起因するバラツキとを吸収することができ、作動油の最低流量を高精度に制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るパワーステアリング装置の1形態の要部構成例を示すブロック図である。
【図2】本発明に係るパワーステアリング装置の電源電圧が変動したときの動作を説明するための波形図である。
【図3】本発明に係るパワーステアリング装置の電圧制御動作を説明するための説明図である。
【図4】無負荷時の、モータ印加電圧に対するモータ電流の温度特性を示す特性図である。
【図5】本発明に係るパワーステアリング装置の回路の一例を示す回路図である。
【図6】本発明に係るパワーステアリング装置の回路の一例を示す回路図である。
【図7】開示されたパワーステアリング装置の要部構成例を示すブロック図である。
【図8】開示されたパワーステアリング装置の電圧制御動作を説明するための説明図である。
【図9】開示されたパワーステアリング装置の回路の一例を示す回路図である。
【図10】開示されたパワーステアリング装置の回路の一例を示す回路図である。
【図11】開示されたパワーステアリング装置の回路の一例を示す回路図である。
【図12】従来のパワーステアリング装置の1例の要部構成を示すブロック図である。
【図13】従来のパワーステアリング装置の電源電圧が変動したときの動作を説明するための波形図である。
【図14】作動油が常温のとき及び低温のときにおけるモータ電流の相違を説明するための説明図である。
【符号の説明】
1a モータ電流検出回路
1b 平滑回路
2 無負荷電流検出回路
3 差動アンプ
4,4f 目標電圧決定回路
5a 閾値設定回路
6 電圧制御回路(目標電圧を補正する手段)
7 モータ駆動回路
8 モータ電圧検出回路(電動モータの端子間電圧を検出する手段)
9 リセット回路
10 油圧ポンプ
M 電動モータ
100 波形整形回路
101 F/V変換回路

Claims (1)

  1. 電動モータにより油圧ポンプを駆動し、該油圧ポンプが発生させる油圧により操舵補助を行い、前記電動モータを低電圧/低回転速度で駆動制御するスタンバイモードと、前記電動モータを高電圧/高回転速度で駆動制御するパワーモードとが切換えられるように構成されると共に、前記電動モータに流れるモータ電流を検出する手段と、該手段により検出されたモータ電流に基づき、前記電動モータをスタンバイモードで駆動する為の目標電圧、又はパワーモードで駆動する為の目標電圧を設定する目標電圧設定手段とを備えるパワーステアリング装置において、
    前記電動モータの端子間電圧を検出する手段と、検出した端子間電圧に基づき、前記目標電圧設定手段が設定した目標電圧を補正する補正手段とを備え、該補正手段が補正した目標電圧により、前記電動モータを駆動するように構成してあると共に、前記検出されたモータ電流に基づき、操舵入力が無い無負荷時のモータ電流を無負荷電流として検出し保持する手段を備え、前記目標電圧設定手段は、前記スタンバイモードとパワーモードとを前記無負荷電流に応じて切換える為の閾値を設定する手段を有し、該手段は、スタンバイモードからパワーモードへ切換わるときには、そのときのスタンバイモード時の無負荷電流に対応するパワーモード時の無負荷電流を、無負荷時の、モータ印加電圧に対するモータ電流の温度特性から求め、求めたパワーモード時の無負荷電流より大きい電流値をパワーモードとする為の閾値とするように構成してあることを特徴とするパワーステアリング装置。
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