JP3827019B2 - カチオン−輸送膜を使用する無水ハロゲン化水素のハロゲンガスへの電気化学的転化 - Google Patents

カチオン−輸送膜を使用する無水ハロゲン化水素のハロゲンガスへの電気化学的転化 Download PDF

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Description

継続出願データ
本出願は、1993年11月22日に出願された米国特許出願第08/156,196号、および米国特許出願第08/156,196号の一部継続出願である、1994年5月20日に出願された米国特許出願第08/246,909号の一部継続出願である。
政府の認可権利
米国政府は、本発明の一部について買収した認可権利を有し、そして限定された状況において、エネルギー省により認可された償還可能な(基金投入:Funds-IN)認可番号第DE-FI-04-94AL73697により提供された合法的な期間、特許所有者が他者に実施許諾することを要求する権利を有する。
発明の背景
1.発明の分野
本発明は、本質的に無水ハロゲン化水素を本質的に乾燥ハロゲンガスへ転化するための電気化学的セル、システムおよび方法に関する。本発明のこの方法は、無水ハロゲン化水素、特に塩化水素、フッ化水素、臭化水素およびヨー化水素を、塩素、フッ素、臭素またはヨー素のようなハロゲンガスに転化するために有用である。
2.関連技術の説明
塩化水素(HCl)または塩酸は、塩素を使用する多くの製造反応の反応副産物である。例えば、塩素はポリビニルクロライド、イソシアネートおよび塩化炭化水素/フッ化炭化水素を製造するために使用され、これらの反応の副産物として塩化水素を生じる。供給が需要をかなり越えているので、生成した塩化水素または酸は、たとえ注意深く精製した後でも販売したり、または使用することができないことが多い。長距離の輸送は、経済的に見合わない。酸またはクロライドイオンを排水流中に破棄することは、環境的に健全ではない。塩素を回収し、そして製造工程へフィードバックすることは、HCl副産物を取り扱うために最も望ましい途である。
HClを利用可能な塩素ガスに転化するための多くの工業的方法が開発された。例えば、1993年4/21−4/23に英国、スコットランドのグラスゴーで開かれた電気化学的方法、革新と進歩に関する会議でのF.R.Minz、“HCl-電気分解−塩素再利用のための技術”、バイエル社(Bayer AG)を参照にされたい。
現在では、無水HClおよび水性HClを塩素に転化するための熱触媒酸化法がある。“Shell-クロル”、“Kel-クロル”および“MT-クロル”法をとして知られている工業的方法は、ディーコン反応に基づいている。1870年代に開発された元のディーコン反応は、触媒として作用する塩化銅塩を含有する流動床を利用した。このディーコン反応は、一般的に次のように表わされる:
触媒
4HCl+O2 −→ 2Cl2+2H2O (1)
ここで、式(1)が使用される反応または方法に依存して、以下の触媒を使用できる.
Figure 0003827019
ディーコン反応に対する工業的改良では、ディーコン反応に使用する銅に加えて、またはその代わりに、希土類化合物、種々の状態の窒素酸化物および酸化クロムのような他の触媒が、転化率を向上させるために、投入エネルギーを下げるために、そして厳しい化学反応条件により反応装置に及ぼされる腐蝕効果を減じるために使用された。しかし、一般的にこのような熱触媒酸化法は、生成物の純度を達成するために種々の反応成分の分離が必要なので複雑である。またこのような熱触媒酸化法には、高度に腐蝕性の中間体の生成が含まれ、これは反応システムに高価な構成材料を必要とする。さらに、これらの熱触媒酸化反応は、250℃以上の高温で操作される。
電流を溶液に直接通すことによる、水性HClを塩素ガスに転化するため電気化学的方法が存在する。現在の電気化学的な工業方法は、ウーデ法として知られている。ウーデ法では、約22%のHCl水溶液が65℃−80℃で電気化学的セルの両方の仕切りに供給され、ここでセル中で直接的な電流に暴露されることにより、電気化学反応を生じ、そしてHCl濃度が17%まで下がり、塩素ガスおよび水素ガスの生成をもたらす。ポリマー性の分離器が2つの仕切りを分割する。この方法には、電気分解工程中に生成された希釈(17%)HCl溶液のリサイクル、および電気化学的セルに供給するために22%のHCl溶液の再生が必要である。ウーデ法の全反応は、式:
電気エネルギー
2HCl(水性) −−−−−→H2(湿性)+Cl2(湿性) (2)
により表される。
式(2)から明らかなように、ウーデ法により生成された塩素ガスは湿性であり、通常約1%−2%の水を含んでいる。この湿性塩素ガスを、さらに処理して乾燥した利用可能なガスを生成しなければならない。もし水中のHCl濃度がかなり低くなれば、ウーデ反応中に存在する水から水素を生成することが可能である。水の存在により可能なこのウーデ反応の副反応は、式:
2H2O−−−→O2+4H++4e- (3)
により表される。
さらにウーデ系での水の存在で、この副反応のためにセルが耐える電流密度を500amps./ft2以下に限定される。この副反応は、電気的効率の減少およびセル構成材料の腐蝕をもたらす。
別の水性HClを加工する電気化学的方法は、Balkoの米国特許第4,311,568号明細書に記載された。Balkoは、固体ポリマー性電解質膜を有する電解質性セルを使用する。水溶液中で水素イオンおよびクロライドイオンの状態の塩化水素を、電解質性セル中に導入する。固体ポリマー性電解質膜を陽極に結合して、陽極表面から膜への輸送が可能になる。Balkoでは、酸素発生副反応を制御し、そして最小にすることが、重要な要件である。酸素の発生はセル効率を低下させ、そしてセル構成材料の急速な腐蝕を導く。Balkoにより使用された陽極孔サイズおよび電極厚の設計および配置も、クロライドイオンの輸送を最大にする。この結果、陽極表面付近のクロライドイオンの消費条件下で、酸素の発生が増加する傾向があるので、酸素の発生を最小にしながら、効果的な塩素の発生をもたらす。Balkoでは、酸素の発生は最小にできるが、排除はされない。Balkoの図3−5から分かるように、生成された塩素中に見いだされる酸素濃度の上昇から証明されるように、全電流密度が増加すれば、酸素発生率は増大する。Balkoはより高い電流密度で流すことができるが、酸素発生の悪影響によりこれは制御される。もしBalkoのセルに高い電流密度が流されれば、陽極は壊れるだろう。
膜の導電率は膜の水含量に直接関連し、そして低い水含量で減少する。膜内の水濃度がさらなる陽子伝導をこれ以上支えられない値に達した時、限界電流密度が生じる。したがって限界電流密度は、低い水濃度により導電率が下がった時に発生する。セルに限界電流より高い電流が流れると、セルの構成材料は壊れるかもしれない。
上記で考察したようなハロゲン化水素を転化するための現存する電気化学的方法は、最初にハロゲン化水素を水に溶解することが必要な水性法である。これらの電気化学的セルは、それらの陽極液および陰極液に水を有するので、そのようなセルの膜は通常、水和されている。
最初にハロゲン化水素を水に溶解することなく本質的に乾燥しているハロゲンガスを直接製造し、そしてそのような反応中に膜の水和を維持する必要性が存在する。これによりセルの限界電気密度が上昇することを制限し、かつ/または制御を可能とし、その結果セル構成材料は破壊されないだろう。
発明の要約
本発明は、本質的に無水ハロゲン化水素から本質的に乾燥ハロゲンガスを直接製造するための電気化学的セル、システムおよび方法を提供することにより、従来技術の問題を解決する。このセル、システムおよび方法は、最初にハロゲン化水素を水中に溶解することなく、製造工程の副産物である無水ハロゲン化水素を直接処理することを可能にする。この本質的に乾燥ハロゲンガスの直接製造は、例えば塩素ガスについて行われるとき、塩素ガスから水を分離することが必要である従来技術の方法よりも投資費用が低い。また、この本質的に乾燥ハロゲンガスの直接製造には、従来技術の塩化水素の電気化学的転化よりも、より低い投資費用が必要である。この利点は生成する1ポンドの塩素あたり、従来技術の水性電気化学的方法よりも低い電力経費、と直接言い換えることができる。また本質的に乾燥ハロゲンガスの直接製造は、従来技術の電気化学的または触媒系により製造されたものに比べて、より少ない処理工程を用いて、より乾燥した塩素ガスを製造する方法も提供し、これにより工程条件を簡略化し、しかも投資費用が下がる。
本発明の無水セル、システムおよび方法では、膜を水和させておく。これにより、セルの限界電流密度が上昇し、同時に制御される。次にカチオン−交換膜のような中の貴重な構成材料を、膜に有害である過剰な電流に長期間暴露されることから保護するように電気化学的セルを設計でき、そしてこのように膜およびセルの長期間の性能に影響を及ぼす。さらに限界電流の制御は、塩化水素のような無水ハロゲン化水素供給源の製造速度の変化を補うことが必要な場合に特に望ましい。
本発明により、本質的に無水ハロゲン化水素を本質的に乾燥ハロゲンガスに転化するために使用する電気化学的セルの膜は、種々の様式で水和を維持される。これら種々の様式により、膜の水和を維持することにより達成される利点は、本発明をさらに一層実施可能なものとし、そして経済的にもより魅力的にする。
本発明の1つの特別な態様では、酸素の供給により膜の水和が維持され、これは過剰な酸素をセルに提供する。これは膜を通して輸送される陽子の転化速度および水に供給される酸素を増大させ、これにより限界電流密度が増大する。さらにこの酸素供給で、他の膜水和法に付随するセルからの廃棄生成物の経済的不利無く、この過剰酸素の利点が可能になる。
前述の解決策を行うために、ならびに具体化され、そして本明細書に広く記載された本発明の目的に従い、本質的に無水ハロゲン化水素から本質的に乾燥ハロゲンガスを直接製造するための、電気化学的セルが提供される。この電気化学的セルは、本質的に無水ハロゲン化水素の分子を酸化して、本質的に乾燥ハロゲンガスおよび陽子を生成する手段、陽子がそこを通して輸送されるカチオン−輸送手段、ここで酸化手段はカチオン−輸送手段の1つの側に接するように配置されている、輸送された陽子を還元する手段、ここで還元手段はカチオン−輸送手段のもう1つの側に接するように配置されている、およびカチオン輸送手段のもう1つの側で、水をカチオン−輸送手段に供給する手段を含んで成る。
さらに本発明の目的に従い、本質的に無水ハロゲン化水素から本質的に乾燥ハロゲンガスを直接製造するためのシステムが提供される。この電気化学的セルは、本質的に無水ハロゲン化水素の分子を酸化して、本質的に乾燥ハロゲンガスおよび陽子を生成する手段;陽子がそこを通して輸送されるカチオン−輸送手段、ここで酸化手段はカチオン−輸送手段の1つの側に接するように配置されている;輸送された陽子を還元する手段、ここで還元手段はカチオン−輸送手段のもう1つの側に接するように配置されている、および還元手段のもう1つの側で、水をカチオン−輸送手段に供給する入口手段;カチオン輸送手段のもう1つの側で、水をカチオン−輸送手段に供給する入口手段;カチオン輸送手段のもう1つの側で、還元手段から流体を放出する出口手段;および流体をカチオン輸送手段のもう1つの側でカチオン輸送手段に戻してリサイクルさせる手段を含んで成る。
さらに本発明の目的に従い、本質的に無水ハロゲン化水素から本質的に乾燥ハロゲンガスを直接製造するための方法が提供され、ここで本質的に無水ハロゲン化水素の分子は、電気化学的セルの入り口に供給され、そしてセルの陽極に輸送され;本質的に無水ハロゲン化水素の分子は陽極で酸化されて、本質的に乾燥ハロゲンガスおよび陽子を生成し;陽子はセルのカチオン−輸送膜を通して輸送され;輸送された陽子は電気化学的セルの陰極で還元され;そして加湿ガス流が膜に供給される。
あるいは、本発明の方法は本質的に無水ハロゲン化水素から本質的に乾燥ハロゲンガスを直接製造するための方法として記載され、ここで電流が電気化学的セルに供給され;本質的に無水ハロゲン化水素の分子は、電気化学的セルの入り口に供給され、そしてセルの陽極に輸送され;本質的に無水ハロゲン化水素の分子は陽極で酸化されて、本質的に乾燥ハロゲンガスおよび陽子を生成し;陽子はセルのカチオン−輸送膜を通して輸送され;輸送された陽子は電気化学的セルの陰極で還元され;水が陰極で膜に供給され、そして水が拡散により陰極に向かって輸送され;輸送された陽子は膜に存在する水を、陰極に向かって引き寄せ(以下、本明細書において、「同伴し」という場合あり;そして陽極に向かう拡散により輸送された水と、陰極に向かう陽子輸送により同伴された水との間の平衡を達成するために必要な電流量が、陰極で膜に供給される水の量を調節することにより制御される。
いずれの方法でも、流体がセルから放出され、そして膜に戻してリサイクルできる。
【図面の簡単な説明】
図1は、本発明の第1、第2、第3または第4の任意の態様に従い、無水ハロゲン化水素からハロゲンガスを製造するための電気化学的セルの断面図である。
図1Aは、図1に示す陽極および陰極マス流場の、取り出した上部断面図である。
図2は、図1の電気化学的セルを使用して無水ハロゲン化水素から本質的に乾燥ハロゲンガスを製造し、そしてセルから放出された流体を膜に戻してリサイクルするためのシステムの略図であり、ここで液体の水がセルの陰極−側の入口に加えられる。
図3は、図1の電気化学的セルを使用して無水ハロゲン化水素から本質的に乾燥ハロゲンガスを製造し、そしてセルから放出された流体を膜に戻してリサイクルするためのシステムの略図であり、ここで水素を含んで成る加湿ガス流がセルの陰極−側の入口に加えられる。
図4は、図1の電気化学的セルを使用して無水ハロゲン化水素から本質的に乾燥ハロゲンガスを製造し、そしてセルから放出された流体を膜に戻してリサイクルするためのシステムの略図であり、ここで酸素を含んで成る加湿ガス流がセルの陰極−側の入口に加えられる。
図5は、図1の電気化学的セルを使用して無水ハロゲン化水素から本質的に乾燥ハロゲンガスを製造し、そしてセルから放出された流体を膜に戻してリサイクルするためのシステムの略図であり、ここで酸素を含んで成る加湿ガス流がセルの陰極−側の入口に加えられる。
好適な態様の説明
添付の図面で説明するように、本発明の本好適態様について、これからより詳細に説明する。
本発明の第1、第2、第3または第4の態様に従い、無水ハロゲン化水素から本質的に乾燥ハロゲンガスを直接製造するための、電気化学的セルが提供される。そのようなセルは、一般的に図1の10で示される。本発明のセルは、本発明の好適な態様に関して記載され、このセルは無水塩化水素から本質的に乾燥塩素ガスを直接製造する。あるいはこのセルは、臭素、フッ素およびヨー素のような他のハロゲンガスを、それぞれ臭化水素、フッ化水素およびヨー化水素のような無水ハロゲン化水素から製造するために使用できる。用語“直接”とは、電気化学的セルが生成したハロゲンガスから水を除去する必要性を回避するか、または電気化学的処理の前に、本質的に無水ハロゲン化水素を水性ハロゲン化水素に転化する必要性を回避することを意味する。第1の態様では、塩素ガスならびに水素が、セル中で製造される。第2の態様では、以下でより詳細に説明するように、水ならびに塩素ガスがセル中で製造される。
第1および第4の態様を通して、電気化学的セルは本質的に無水ハロゲン化水素の分子を酸化して、本質的に乾燥ハロゲンガスおよび陽子を生成する手段を含んで成る。この酸化手段は電極、より詳細には図1で示す陽極12である。陽極側で、電気化学的セル10は陽極−側入口14および陽極−側出口16を有する。好適な態様では、無水HClは入口を通して運ばれ、そして塩素ガスは出口を通して運ばれるので、入口および出口は、デラウエア州、ウィルミントンのイー.アイ.デュポン デ デモア アンド カンパニー(E.I.du Pont de Nemours and Company)(今後デュポン(DuPont)と呼ぶ)から、TEFLON(商標)PFA(今後“TEFLON(商標)PFA”と呼ぶ)として販売されているペルフルオロポリマーで裏打ち補強することができる。
第1から第4態様の電気化学的セルは、そこ通して陽子を輸送するためのカチオン−輸送手段も含んで成り、ここで酸化手段の1つの側面はカチオン−輸送手段の1つの側面に接するように配置されている。好ましくは、カチオン−輸送手段は、図1に示すようなカチオン−輸送膜18である。より詳細には、膜18は陽子−伝導膜であることができる。膜18は、フロオロ−またはペルフルオロポリマー、好ましくは2つ以上のフロオロ−またはペルフルオロモノマーのコポリマーから作られた市販のカチオン膜でよく、その少なくとも1つはペンダントスルホン酸基を有する。カルボキシル基は、陽子が加えられた時に膜の導電率が減少する傾向があるので、カルボキシル基の存在は望ましくない。種々の適当な樹脂材料が市販されているか、または特許明細書に従い作成できる。それらには、-CF2CFRSO3Hおよび-OCF2CF2CF2SO3H型(式中、RはF、Cl、CF2Cl、またはC1−C10ペルフルオロアルキル基である)の側鎖を持つフッ化ポリマーを含む。膜樹脂は、例えばCF2=CFOCF2CF(CF3)OCF2CF2SO3Hを持つテトラフルオロエチレンのコポリマーであってよい。これらの樹脂は、-SO3H基よりはむしろペンダント-SO2Fを有する状態がよい場合もある。スルホニルフルオリド基は、水酸化カリウムを用いて-SO3K基に加水分解することができ、これは次に酸でSO3H基に交換される。ポリテトラフルオロエチレンおよびペンダントスルホン酸基含有のポリ−スルホニルフルオリドビニルエーテル−のコポリマーから作成された、水和された適当なカチオン性膜は、デュポンから“NAFION”(今後、NAFION(商標)と呼ぶ)という商品名で提供されている。特に、ペンダントスルホン酸基を含有するNAFION(商標)膜には、NAFION(商標)117、NAFION(商標)324およびおよびNAFION(商標)417が含まれる。NAFION(商標)の第1の型は無支持であり、そして1100gの当量を有し、当量は1リットルの1Mの水酸化ナトリウム溶液を中和するために必要な樹脂の量と定義される。他の型のNAFION(商標)は、両方ともフルオロカーボンファブリック上に担持され、NAFION(商標)417の当量も1100gである。NAFION(商標)324は、1100gの当量を有する125μm−厚膜、および1500gの当量を有する25μm-厚膜を有する2層構造を有する。またNAFION(商標)117F等級も提供されており、これはスルホン酸基に転化できるペンダント-SO2F基を有する前駆体膜である。
本発明は固体ポリマー電解質膜の使用を記載するが、ポリマー性ではない他のカチオン−輸送膜の使用も本発明の範囲である。例えば、ベータ−アルミナのような陽子−導電セラミックを使用できる。ベータ−アルミナは、一般構造Na2Ox・Al2O3(式中、xは5(β”−アルミナ)から11(β−アルミナ)の範囲である)を有する、非化学量論的結晶種の化合物である。本発明に有用な材料および多数の固体電解質は、Fuel Cell Handbook、A.J.ApplebyおよびF.R.Foulkes、Van Nostrand Reinhold,N.Y.、1989、第308−312に記載されている。さらに有用な固体状の陽子伝導体は、特にストロンチウム イッテルビエート蝋膏(cerate)(SrCe0.95Yb0.05O3-α)およびバリウム ネオジミエート蝋膏(BaCe0.9Nd0.01O3-α)のようなストロンチウムおよびバリウムの蝋膏が、米国エネルギー省、化石エネルギー事務所、モルガンタウン エネルギーテクノロジセンターのために、1990年12月、イリノイ州シカゴのガステクノロジー研究所により準備された、最終報告DOE/MC/24218-2957、Jewelski、OsifおよびRemickにより記載されている。
第1から第4の態様の電気化学的セルは、電極またはより詳細には陰極20も含んで成り、ここで陰極は図1に説明するような膜18のもう1つの側(陽極と接する側の反対側)と接触するように配置されている。陰極20は図1に示すように、陰極−側の入口24および陰極側の出口26を有する。好適な態様では無水HClが処理されるので、そして幾らかのクロライドが膜を通過し、そしてその結果HClがセルの陰極−側に存在するので、陰極の入口および出口は、TEFLON(商標)PFAにより裏打ち補強されることができる。
当業者には周知であるように、もし電極が膜の反対側に配置されれば、カチオン性荷電(HCl反応中の陽子が記載されている)は、膜を通して陽極から陰極へと輸送される一方、各電極は半分のセル反応(half-cell reaction)を行う。第1および第2の態様では、無水塩化水素の分子が陽極側の入口14を通して陽極の表面に輸送される。無水塩化水素の分子は、酸化されて本質的に乾燥した塩素ガスおよび陽子が生成される。本質的に乾燥した塩素ガスは、図1に示すように陽極−側の出口16を通って出る。陽子H+は膜を通って輸送され、そして陰極で還元される。これを以下でより詳細に説明する。
この陽極および陰極は、多孔性のガス−拡散性電極を含んで成ることができる。そのような電極は、当業者には周知のように、高い比表面積という利点を提供する。この陽極および陰極は、カチオン−輸送膜の表面に、または下に隣接して配置された電気化学的に活性な材料を含んで成る。電気化学的に活性な材料の薄いフィルムを、膜に直接適用してよい。あるいは電気化学的に活性な材料を、A.J.ApplebyおよびE.B.Yeager,Energy,Vol.11,137(1986)に示されるように、膜に熱圧することができる。あるいは電気化学的に活性な材料を、Fedkiwの米国特許第4,959,132号明細書に示めされているように、膜に蒸着することができる。電気化学的に活性な材料は、材料が荷電輸送を支持できるかぎり、任意の種類の触媒または金属材料または金属酸化物を含んで成ることができる。好ましくは電気化学的に活性な材料は、白金、ルテニウム、オスミウム、レニウム、ロジウム、イリジウム、パラジウム、金、チタニウムまたはジルコニウム、およびそれらの酸化物、合金または混合物のような触媒材料を含んで成ることができる。しかし一般的に、これら材料の酸化物は、陰極には使用されない。本発明で使用するために有用な適当な触媒材料は、限定するわけではないが、単量体および多量体状態の遷移金属巨大環、およびペブロスキー石およびピロコア(pyrochore)を含む遷移金属酸化物を含む。
熱圧電極では、電気化学的に活性な材料は、支持体材料上の触媒材料を含んで成ることができる。この支持体材料は、炭素粒子およびポリテトラフルオロエチレン(これは商標“TEFLON”(今後、TEFLON(商標)と呼び、デュポン社から入手できる)として販売されている)粒子を含んで成ることができる。電気化学的に活性な材料は、TEFLON(商標)により炭素紙またはグラファイト布の支持体構造またはガス拡散層に結合し、そしてカチオン−輸送膜に熱圧することができる。TEFLON(商標)の疎水的性質は、陽極で水のフィルムを形成させない。電極中の水のバリアは、HClが反応部位に拡散することを妨げるだろう。触媒と膜との間の良い接触を有するために、電極は好ましくは膜に熱圧される。
電気化学的に活性な材料の使用量は、膜の適用法に基づいて変動し得る。熱圧、ガス−拡散電極は、典型的には0.10−0.50mg/cm2の使用量を有する。WilsonおよびGottesfeld、“ポリマー性電解質燃料セルのための超低Pt使用量の高性能触媒化膜(High Performance Catalyzed Membranes of Ultra-low Pt Loading for Polymer Electrolyte Fuel Cell)”、ロスアラモス国立研究所、J.Electrochem.Soc.,Vol.139,No.2 L28-30,1992に記載されているように、電気化学的に活性な材料がインクから膜上へ薄膜として分散するような、他の利用可能な付着方法を用いて、より低い使用量も可能であり、ここでインクは、触媒−イオノマー表面の接触を強化し、そしてNAFION(商標)膜シートに結合剤として作用するために可溶化NAFION(商標)イオノマーを含む。そのような系を用いて、cm2あたりわずか0.017mgの活性材料の低い使用量が達成された。
本発明の膜は、中の陽子が電流を構成する電解質として役立つ。膜は、陽子伝導体として作用するために、十分な水和状態でなければならない。電気−浸透圧的同伴(Electro-osmotic drag)が膜中で起こり、ここで陽子は水を電流が流れる方向に同伴する、これにより膜中に水の濃度勾配が発生する。膜の導電率は、膜中の水に直接関連し、そして低い水含量では低下する。限界電流は、膜中の水濃度が、もはやさらなる陽子伝導を支持しない値に達した時に生じる。すなわち限界電流密度は、低い水濃度のために導電率が低下した時に発生する。
したがって、本発明により加湿ガス流状態の水または液体の水が、陰極で膜に供給される。これは十分な陽子輸送を達成するために必要である。水素−生成陰極を有する最初の3つの態様では、膜の水和は、第1の態様では液体の水、または第2および第3態様ではそれぞれ水素もしくは窒素を含んで成るガス流のいずれかを、膜に膜の陰極−側で導入することにより達成される。水−生成陰極を有する第4の態様では、膜の水和は、陰極での水の生成ならびに酸素を含んで成る加湿ガス流の膜の陰極−側で導入することにより達成され、これで水が生成される。水素、窒素および酸素が本明細書中で記載されているが、他のガスを含んで成る加湿ガス流も本発明の範囲内である。
膜の陰極側の水は、拡散により陽極に向けて輸送される。さらに、輸送される陽子は膜中の水(これには初めに、すでに膜中に存在する水を含む)を陰極に向けて同伴する。本出願人は、拡散により陽極に向けて輸送される水と、陰極にむけて輸送される陽子に同伴される水との間の平衡を達成するために必要な電流の量が、限界電流が生じる点て、陰極で膜に供給される水の量を調節することにより制御できることを見いだした。その結果、本発明では限界電流を制御できる。これは、処理する必要がある無水ハロゲン化水素の量の変化を補うために、電流を下げる、または上げる必要がある場合、特に望ましい。これは塩化水素を生成する製造の製造率の変化に応じた変化を可能とする。
膜に供給する水の量を調節するために、第1から第4の態様の電気化学的セルは、水をカチオン−輸送手段に、カチオン−輸送手段のもう1つの側で供給するための入口手段も含んで成る。好ましくは入口手段は、以下に説明するように種々の形態で、陰極に接して配置されている膜の側に水を供給する図1に示すような陰極−側の入口24を含んで成る。また電気化学的セルは、カチオン−輸送手段のもう1つの側に還元手段からの流体を放出する出口手段も含んで成る。好ましくは出口手段は、図1に示すような陰極−側の出口26を含んで成り、これは陰極に接して配置されている膜の側で陰極からの流体を放出する。好適な態様では、無水HClが処理されるので、そして幾らかのクロライドがセルの膜を通して陰極側に通過するので、陰極−側の入口および出口は、好ましくはTEFLON(商標)PFAを用いて裏打ち補強されている。
第1から第4態様の電気化学的セルは、さらに陽極に接して配置される陽極流場28(flow field)および陰極に接して配置される陰極流場30を含んで成る。この流場は、電気的に導電性であり、そしてマスおよび電流の両方の流場として作用する。図1、1Aに示すように、より詳細にはこのマス流場は複数の陰極流路29および複数の陰極流路31を含んで成ることができる。陽極流場および流路29は、無水HClのような反応物質、および本質的に乾燥塩素ガスのような生成物を陰極から方向づける。陰極流場30および流路31は、第1態様の液体の水または第2から第4の態様の加湿ガスのような陰極液を陰極に向かわせ、そして第1態様の水素蒸気、液体の水および水に溶解したHCl、第2態様の水素および蒸気状態のハロゲン化水素、第3態様のすべて蒸気状態の水素、窒素、水およびハロゲン化水素、ならびに第4態様のすべて蒸気状態の酸素、水およびハロゲン化水素のような生成物を方向づける。陽極および陰極マス流場は、溝型の多孔性グラファイト紙を含んでもよい。流場は、発泡型、布またはマット状態の多孔性の炭素から作られていても良い。
第1から第4態様の電気化学的セルは、図1に示すような陽極マス流多岐管32および陰極マス流多岐管34も含むことができる。そのような多岐管の目的は、陽極に陽極液を、そして陽極から生成物を運ぶことであり、ならびに陰極に陰極液を、そして陰極からの生成物を運ぶことである。さらに多岐管は陽極マス流場および陽極の回り、および陰極マス流場および陰極の回りにそれぞれ枠を形成する。これらの多岐管は、好ましくはTEFLON(商標)PFAのような耐蝕性材料から作られている。ガスケット36、38も、各陽極および陰極マス流場の回りに枠を形成するために貢献する。これらのガスケットも、好ましくはデュポンにより商品名TEFLON(商標)PTEEで販売されているポリテトラフルオロエチレンのような耐蝕性材料から作られている。
第1から第4の態様の電気化学的セルは、図1に示すように陽極電流バス46および陰極電流バス48も含んで成る。電流バスは、電流を電圧源へ、および電圧源から運ぶ(示さず)。特に陽極電流バス46は、電圧源のプラス端につながれ、そして陰極電流バス48は電圧源のマイナス端につながれて、電圧がセルに供給された時に、図1に示すように電流が電流バス48を含むすべてのセルの構成部材を通して、電流バス46の右に流れ、そこから電圧源に戻る。電流バスは銅のような導電材料から作られている。
第1および第2態様の電気化学的セルは、さらに各流場と接触して配置されている各々の電流分配板を含んで成る。陽極電流分配板40は、陽極流場28と接して配置され、そして陰極電流分配板42は、陰極流場30と接して配置されている。陽極電流分配板は陽極バスから電流を集め、そして電流を電子伝導により陽極に分配する。陰極電流分配板は陰極から電流を集め、そして電流を陰極バスに分配する。陽極および陰極の電流分配板は、好ましくはそれぞれが非−多孔性の層を含んで成る。陽極電流分配板は、陽極電流バスと陽極との間、ならびに電流バスと塩化水素のような無水ハロゲン化水素および塩素のようなハロゲンガスとの間にバリアを提供する。陰極電流分配板は、陰極電流バスと陰極との間、ならびに陰電流バスとハロゲン化水素の間にバリアを提供する。このバリアは、幾らかハロゲン化水素の膜を通過する移動があるので望ましい。本発明の電流分配板は、種々の材料から作成することができ、そして陽極電流分配板に使用する材料が陰極電流分配板に使用する材料と同じである必要はない。陽極電流分配板が白金処理タンタルにより作られ、そして陽極電流分配板がハイネス インターナショナル(Haynes International)からHASTELLOY(商標)B-2として販売されているUNS10665のようなニッケル−基材合金から作られる場合もある。
第1から第4の態様では、電気化学的セルは陽極電流分配板40に接して配置されている導電性の構造支持体44も含んで成る。陽極側上のこの支持体は、好ましくはUNS31603(316L ステンレス鋼)から作られている。デュポンによりKALREZ(商標)という商品名で販売されているペルフルオロエラストマーから作られている、好ましくはO−リング形のシール45は、陽極側上の構造支持体44と陽極電流分配板40との間に配置される。陰極電流分配板は、陰極側上で耐蝕構造裏材料として作用する。この片は、入口および出口として使用されるTEFLON(商標)PFAフィッティングを受け入れるためにドリルで穴を空け、そして口を付けることができる。
製造におけるように、1対以上の陽極−陰極を使用するときには、当業者には周知な二極式配置が好ましい。本発明の電気化学的セルは、二極式スタック中で使用できる。そのような二極式スタックを作成するために、電流分配板40および42、ならびに図1に示されている間にあるすべての要素をセルの長さに沿って反復し、そして電流バスをスタックの外側に配置する。
第1から第4までの任意の態様において、電気化学的セルは広い温度範囲で操作できる。室温操作は、セルの使用が容易であるために有利である。しかし高温での操作は、カイネチックスの向上および電解質の導電率の増大という利点を提供する。さらに第1から第4の態様の任意の電気化学的セルは、大気圧での操作に制限されないことにも注目すべきである。セルは異なる圧力勾配で流すことができ、これは水または膜を含むセル中の他の成分の輸送特性を変化させる。
本発明の任意の態様の電気化学的セルは、従来技術の水性塩化水素を用いて操作する電気化学的セルよりも、上記圧力でより高温で操作できる。これは反応のカイネチックスおよびNAFION(商標)の電導率に影響を及ぼす。より高温では、より低いセル電圧が生じる。しかしセルの要素に使用している材料の特性から、温度制限が生じる。例えばNAFION(商標)膜の特性は、セルが120℃より高い温度で操作されると変化する。ポリマー性の電解質膜の特性は、セルが150℃よりも高い温度で操作されることを難しくする。ベータアルミナのようなセラミック材料のような他の材料から作られた膜は、セルを200℃より高い温度で操作することを可能にする。
さらに本発明の第1態様に従い、本質的に無水ハロゲン化水素から本質的に乾燥ハロゲンガスの直接製造を支配するために使用する、電気化学的セルから放出された流体をリサイクルするためのシステムおよび方法が提供される。第1態様のこのシステムを図2に示し、そしてこのシステムは上記のような電気化学的セル10と同じ電気化学的セル10を含んで成る。第1態様では、液体の水が図1に示すように陰極−側の入口24に供給され、そして続いて膜の陰極−側に供給される。陰極−側の出口26は流体を放出し、これは第1態様では液体状態の水(H2O)、蒸気状態の水素(H2)および水に溶解している塩化水素のようなハロゲン化水素を含んで成る。
本質的に無水ハロゲン化水素から本質的に乾燥ハロゲンガスを直接製造するためのシステムは、さらに放出された流体をカチオン−輸送手段に戻してリサイクルすための手段を含んで成る。より詳細には、リサイクル手段は、放出された流体を膜に膜の陰極−側で戻してリサイクルするリサイクルループを含んで成る。このリサイクル手段は、放出された流体を冷却するための冷却器を含んで成ることができる。図2に示すように、セルから放出された蒸気状態の水素(H2)、液体状態の水(H2O)および水に溶解している塩化水素のようなハロゲン化水素が、ライン50を通して、放出された流体を冷却する冷却器52に運ばれる。このリサイクル手段は、放出された流体からハロゲン化水素の一部分を取り出すための分離器を含んで成ることもできる。図2に示すように、放出された流体が冷却された後、これはライン54を通して分離器56に運ばれ、ここで水(H2O)に溶解している塩化水素の一部分が図2に示すようにライン70を通して取り出される。このリサイクル手段は、さらにハロゲン化水素の別の部分を取り出すために、スクラバーを含んで成ることができる。特に、すべてが蒸気状態の水素(H2)、塩化水素(HCl)および水(H2O)は、ライン60を通してスクラバー62に運ばれる。アルカリ溶液がスクラバー62にライン64を通して加えられ、スクラバーは塩化水素の別の部分をハロゲン化アルカリ塩としてライン68を通して取り出す。破棄されるか、または別の方法で使用できる、両方とも蒸気の状態の水素(H2)および水(H2O)は、ライン66を通してスクラバー62から出される。
図2の第1態様では、リサイクル手段は、放出された流体をリサイクルループを通して膜にポンプで戻すためのポンプを含んで成ることもできる。図2に示すように、液体の水(H2O)および水に溶解している塩化水素(HCl)は、ライン70を通してポンプ72に運ばれる。水および塩化水素は、次にポンプ72からライン74を通して運ばれる。第1態様のこのリサイクル手段は、図2の加熱器/冷却器80として示されるテンペラーも含んで成ることができ、これは放出された流体を調質する。テンペラー80は、電気化学的セルの所望温度に依存して、放出された流体を加熱または冷却のいずれかを行うことができる。第1態様のリサイクル手段は、さらに放出された流体をコンディショニングするためのコンディショナー78を含んで成ることができる。コンディショナー78は、ライン77を通して放出された流体に熱および水を供給する。わずかに残存する少量の塩酸液体を含む水(H2O)は、ライン82を通して電気化学的セル10に戻され、ここでこれは液体の水を膜に連続して供給するために使用される。
さらに本発明の第2態様に従い、本質的に無水ハロゲン化水素から本質的に乾燥ハロゲンガスを直接製造するために使用する電気化学的セルからのガス流をリサイクルするためのシステムおよび方法が提供される。第2態様のこのシステムは図3示され、そして上記のような電気化学的セル10と同じ電気化学的セル10'を含んで成る。第2態様では、水素を含んで成る加湿ガス流が、図1に示すセルの陰極−側の入口24に供給される。この加湿ガス流は、主に水素を含んで成る。しかし実際には、酸素を除く微量な他のガスが第2態様のガス流に含まれてもよい。図1に示す陰極−側出口26は、陰極から流体を放出し、これは第2態様では、すべて蒸気状態の水(H2O)、水素(H2)およびHClのようなハロゲン化水素を含んで成る。
第2態様の本質的に無水ハロゲン化水素から本質的に乾燥ハロゲンガスを直接製造するためのシステムは、さらに放出された流体をカチオン−輸送手段に戻してリサイクルするための手段を含んで成る。より詳細には、リサイクル手段は放出された流体を膜の陰極−側で膜に戻すようにリサイクルするリサイクルループを含んで成る。この第2態様のリサイクル手段は、放出された流体を冷却するための冷却器を含んで成ることができる。図3に示すように、すべて蒸気状態である水(H2O)、水素(H2)およびハロゲン化水素は、ライン50'を通して、放出された流体を冷却する冷却器52'に運ばれる。上記のように放出された流体は、ハロゲン化水素、特に好適な態様では塩化水素を含んで成り、そしてリサイクル手段は放出された流体からハロゲン化水素部分を取り出すための分離器も含んで成ることができる。図3に示すように、放出された流体を冷却した後、これはライン54'を通して塩化水素の一部分を取り出す分離器56'に運ばれ、ならびに図3に示すように水蒸気はライン70'を通して運ばれる。このHClおよび水は廃棄される。リサイクル手段は、ハロゲン化水素の別の部分を取り出すために、さらにスクラバーを含んで成ることができる。特にすべて蒸気状態の水素(H2)、塩化水素(HCl)および(H2O)は、ライン60'通してスクラバー62'に運ばれる。アルカリ溶液がスクラバー62'にライン64'を通して加えられ、スクラバーはハロゲン化アルカリ塩として塩化水素の別の部分をライン68'を通して取り出す。破棄されるか、または別の方法で使用できる水素蒸気(H2)および水蒸気(H2O)は、ライン66'を通してスクラバー62'から排出される。水素蒸気(H2)および水蒸気(H2O)は、スクラバー62'からライン67'により運び出される。
図3の第2態様では、リサイクル手段は放出された流体を加湿するために加湿器も含んで成ることができる。加湿器65'は放出された流体(これは水素蒸気および水蒸気である)を、ライン69'を通る液体または蒸気状態のいずれかの水で加湿する。加湿された水素および水蒸気は、ライン71'によりライン69'から運び出される。このリサイクル手段は、放出された流体を圧縮するためにコンプレッサー72'を含んでよい。次に水および水素はライン74'を通してコンプレッサー72'から運び出される。第2態様のこのリサイクル手段は、図2で加熱器/冷却器80'として示されるテンペラーを含んで成ることもできる、これは放出された流体を調質する。テンペラー80'は、セルの所望温度に依存して、放出された流体を加熱または冷却のいずれかを行うことができる。次に水および水素蒸気は、ライン76'を通して運ばれる。第2態様のこのリサイクル手段は、未だに水素蒸気または水蒸気である放出された流体をコンディショニングするために、または熱および水をライン77''を通して供給するために、さらにコンディショナー78'を含んで成ることができる。第2態様では、加湿器またはコンディショナーのいずれかが使用され、両方ではない。水素および水蒸気は、ライン82'を通して電気化学的セル10'に戻るように運ばれ、ここでこれらは水素を含む加湿ガス流を膜に連続的に供給するために使用される。
さらに本発明の第3態様に従い、本質的に無水ハロゲン化水素から本質的に乾燥ハロゲンガスを直接製造するために使用される電気化学的セルからのガス流をリサイクルするためのシステムおよび方法が提供される。第3態様のシステムを図4に示し、そしてこのシステムは上記のような電気化学的セル10と同じ電気化学的セル10''を含んで成る。第3態様では、窒素を含んで成る加湿ガス流が、図1に示す陰極−側の入口24に供給される。この加湿ガス流は、主に窒素を含んで成る。しかし実際には、酸素を除く微量な他のガスがガス流に含まれてもよい。図1に示す陰極−側出口26は、陰極からライン50''を通して流体を放出し、これは第3態様では図4に示すように、すべて蒸気状態の窒素(N2)、水素(H2)、水(H2O)および塩酸(HCl)のようなハロゲン化水素を含んで成る。
第3態様の本質的に無水ハロゲン化水素から本質的に乾燥ハロゲンガスを直接製造するためのシステムは、さらに放出された流体をカチオン−輸送手段に戻してリサイクルするための手段を含んで成る。より詳細には、リサイクル手段は放出された流体を膜の陰極−側で膜に戻すようにリサイクルするリサイクルループを含んで成る。この第3態様のリサイクル手段は、放出された流体を冷却するための冷却器を含んで成ることができる。図4に示すように、すべて蒸気状態である水(H2O)、窒素(N2)、水素(H2)およびHClのようなハロゲン化水素は、ライン50''を通して、放出された流体を冷却する冷却器52''に運ばれる。上記のように放出された流体は、ハロゲン化水素、特に好適な態様では塩化水素を含んで成り、そしてリサイクル手段は放出された流体からハロゲン化水素の一部分を取り出すための分離器も含んで成ることができる。図4に示すように、放出され流体を冷却した後、これはライン54''を通して塩化水素の部分を取り出す分離器56''に運ばれ、ならびに液体の水(H2O)はライン70''を通して運ばれる。リサイクル手段は、ハロゲン化水素の別の部分を取り出すために、さらにスクラバーを含んで成ることができる。特にすべて蒸気状態の水素(H2)、窒素(N2)、塩化水素(HCl)および(H2O)は、ライン60''通してスクラバー62''に運ばれる。アルカリ溶液がスクラバー62''にライン64''を通して加えられ、スクラバーはハロゲン化アルカリ塩として塩化水素の別の部分をライン68''を通して取り出す。この第3態様では、窒素および水素および水蒸気が分離できない。すなわちすべてが蒸気の状態である水素(H2)、窒素(N2)および水(H2O)の一部が、ライン66''を通して出される。すべてが蒸気の状態である水素(H2)、窒素(N2)および水(H2O)の別の一部が、スクラバー62''からライン67'により運び出される。
図4の第3態様では、リサイクル手段は放出された流体を加湿するために加湿器も含んで成ることができる。加湿器65''は放出された流体(これは水素蒸気、窒素蒸気および水蒸気である)を、ライン69''を通る液体または蒸気状態のいずれかの水で加湿する。このリサイクル手段は、放出された流体を圧縮するためにコンプレッサー72''を含んでよい。次にすべて蒸気状態の水、水素および窒素は、ライン74''を通してコンプレッサー72''から運び出される。加湿流体は、ライン69''からライン71''により運びだされる。第3態様のこのリサイクル手段は、図4で加熱器/冷却器80''として示されるテンペラーを含んで成ってもよく、これは放出された流体を調質する。水、水素および窒素は、次にライン74''を通してテンペラー80''に運ばれる。テンペラー80''は、セルの所望温度に依存して、放出された流体を加熱または冷却のいずれかを行うことができる。第2態様のリサイクル手段は、熱および水をライン77''を通して放出された流体に供給するために、さらにコンディショナー78'を含んで成ることができる。上記第2態様のように、加湿器またはコンディショナーのいずれかが第3態様のリサイクルループで使用されるが、両方ではない。第3態様では、窒素がライン66を通るループ中で失なわれるので、さらに窒素が供給源84''からライン83''を通してセルに供給される。しかし窒素はリサイクルループの任意の場所で加えることができることに注目すべきである。窒素(N2)および水蒸気(H2O(蒸気))は、ライン82''を通して電気化学的セル10''に、膜の陰極−側で膜に戻るように運ばれ、ここでそれらは連続的に窒素を含む加湿ガス流を供給するために使用される。
さらに本発明の第4態様に従い、本質的に無水ハロゲン化水素から本質的に乾燥ハロゲンガスを直接製造するために使用される電気化学的セルからのガス流をリサイクルするためのシステムおよび方法が提供される。第4態様のシステムを図5に示し、そしてこのシステムは上記のような電気化学的セル10と同じ電気化学的セル10'''を含んで成る。第4態様では、酸素を含んで成る加湿ガス流が、図1に示す陰極−側の入口24に供給される。この加湿ガス流は、主に酸素を含んで成る。しかし実際には、水素を含まないが窒素を含む微量な他のガスがガス流に含まれてもよい。図1に示す陰極−側出口26は、陰極からライン50'''を通して流体を放出し、これは第4態様では図5に示すように、すべて蒸気状態の酸素(O2)、水(H2O)および塩化水素(HCl)のようなハロゲン化水素を含んで成る。
第4態様の本質的に無水ハロゲン化水素から本質的に乾燥ハロゲンガスを直接製造するためのシステムは、放出された流体をカチオン−輸送手段に戻してリサイクルするための手段をさらに含んで成る。より詳細には、リサイクル手段は放出された流体を膜の陰極−側で膜に戻すようにリサイクルするリサイクルループを含んで成る。この第3態様のリサイクル手段は、放出された流体を冷却するための冷却器を含んで成ることができる。図5に示すように、すべて蒸気状態である水(H2O)、酸素(O2)および塩化水素(HCl)は、ライン50'''を通して、放出された流体を冷却する冷却器52'''に運ばれる。上記のように放出された流体は、ハロゲン化水素、そして特に好適な態様では塩化水素を含んで成り、そしてリサイクル手段は放出された流体からハロゲン化水素の一部を取り出すための分離器も含んで成ることができる。図5に示すように、放出され流体を冷却した後、これはライン54'''を通して分離器56''に運ばれ、ここで塩化水素および液体の水(H2O)の一部分がライン70'''を通して取り出される。リサイクル手段は、ハロゲン化水素の別の部分を取り出すために、さらにスクラバーを含んで成ることができる。特にすべて蒸気状態の酸素(O2)、塩化水素(HCl)および(H2O)は、ライン60'''通してスクラバー62'''に運ばれる。アルカリ溶液がスクラバー62'''にライン64'''を通して加えられ、スクラバーはハロゲン化アルカリ塩として塩化水素の別の部分をライン68'''を通して取り出す。この第4態様では、酸素蒸気(O2)および水蒸気(H2O)の一部が排出されるのではなく、すべての酸素および水蒸気がライン67'''を通してスクラバー62'''から運び出される。
図5の第4態様では、リサイクル手段は放出された流体を、液体または蒸気状のいずれかの水で加湿するために、ライン69''を通して加湿器65''も含んで成ることができる。加湿流体は、ライン69'''からライン71'''により運び去られる。このリサイクル手段は、放出された流体を圧縮するためにコンプレッサー72'''を含んでよい。次に水蒸気および酸素蒸気は、ライン74'''を通してコンプレッサー72'''から運び出される。第4態様のこのリサイクル手段は、さらなる酸素を放出流体に供給するための酸素供給源を含んで成ることもできる。酸素供給源は、図5に示すようにライン77'''を通して放出された流体にさらに酸素を供給するが、このラインはリサイクルループの任意の場所に配置することができる。酸素はセル中の陽子と反応して水を生成するために消費されるので、第4態様では酸素を加えることが必要である。ライン79'''は酸素を加えた放出流体を酸素供給ライン83'''から運ぶ。第4態様のリサイクル手段は、図5で加熱器/冷却器80'''として示されるテンペラーを含んで成ってもよく、これは放出された流体を調質する。テンペラー80'''は、セルの所望温度に依存して、放出された流体を加熱または冷却のいずれかを行うことができる。ライン76'''は、調質された流体をテンペラー80'''から運び去る。第4態様のリサイクル手段は、熱および水をライン77'''を通して、放出された流体に供給するために、さらにコンディショナー78'''を含んで成ることができる。上記第2および第3態様のように、両方ではなく加湿器またはコンディショナーのいずれかが第4態様に使用される。酸素(O2)および水蒸気(H2O(蒸気))は、ライン82'''を通して電気化学的セル10'''に戻るように運ばれて、ここで酸素は連続的に酸素を含む加湿ガス流を膜に供給するために使用される。
さらに本発明の第1から第4態様に従い、本質的に無水ハロゲン化水素から本質的に乾燥ハロゲンガスを直接製造するための方法が提供される。無水ハロゲン化水素は、塩化水素、臭化水素、フッ化水素またはヨー化水素を含んで成ることができる。臭素ガスおよびヨー素ガスの製造は、高温で電気化学的セルを流した時に行うことができる(すなわち、臭素については60℃以上、そしてヨウ素については190℃以上)。ヨー素の場合には、NAFION(商標)以外の材料でつくられた膜を使用するべきである。
初めの3つの態様の電気化学的セルを操作を、これから本発明の方法の好適態様と関連させて記載するが、ここで無水ハロゲン化水素は塩化水素である。操作では、電流が陽極バスに流れ、そして陽極電流分配板40が陽極バスからの電流を集め、そして電子伝導により陽極に分配する。本質的に無水の塩化水素ガスが、入口、特に電気化学的セル10の陽極入口14に供給され、そして陽極12の表面に、そしてマス流場中のガス流路を通して輸送される。第1の態様では、図2に示される液体の水が、陰極でセルに加えられる。この水は陰極入口24を通して、そして陰極流場30中に形成された流路31を通して、陰極に運ばれる。第2態様では、水素を含んで成る加湿ガス流が陰極入口24を通して陰極に運ばれ、そして第3態様では、窒素を含んで成る加湿ガス流が、入口24を通して運ばれる。これで膜が水和され、そしてこれにより膜を通して輸送される陽子の効率が増大する。無水塩化水素の分子は、電圧源により作成された電位下で陽極で酸化されて陽極で本質的に乾燥塩素ガス、および陽子(H+)を生成する。この反応は式:
電気エネルギー
2HCl(g) −−−−−→2H++Cl2(g)+2e- (4)
により与えられる。
塩素ガスは、図1に示すように陽極出口16から出る。陽子は電解質として作用する膜を通して輸送される。輸送された陽子は、陰極で還元される。この反応は式:
電気エネルギー
2H++2e- −−−−−→ H2(g) (5)
により与えられる。
流体がセルから放出され、そして図2−4について上に記載したように、各リサイクルループを通して膜に戻してリサイクルされる。陰極および膜の間の界面に発生する水素は、陰極−側の出口26を介して出る。水素は水を通して発泡し、そして電極のTEFLON(商標)により影響を受けない。陰極電流分配板42は、陰極20からの電流を集め、そして陰極バス48に分配する。第1から第3の態様では、拡散により陽極に向かって輸送される水と、陽子輸送により陰極に向かって同伴される水の間の平衡を達成するために必要な電流の量は、膜に供給する水量を調節することにより制御される。第2および第3態様では、膜に供給される水は、加湿ガス流の供給速度を制御することにより調節される。あるいは膜に供給される水は、加湿ガス流の水含量を制御することにより調節される上記のように、水素または窒素のいずれかを含んで成る加湿ガス流が第1態様に記載されているが、他のガスを含んで成る加湿ガス流も本発明の範囲内である。
本発明の第4態様では、酸素を含んで成る加湿ガス流を陰極でセルに供給することを除き、電気化学的セルは上記のように作動する。酸素および輸送された陽子は陰極で水に還元され、これは式:
1/2O2(g)+2e-+2H+−−−−−→H2O(g) (6)
により表される。
形成された水は、図1に示すように陰極−側の出口26を通して、窒素および未反応酸素と一緒に出る。また水は膜の水和維持にも役立つ。陰極−側の出口は、図5に関して上に記載したように酸素(O2)、水(H2O)および塩化水素(HCl)のようなハロゲン化水素を含んで成る流体を陰極から放出する。このセルから放出された流体は、図5に関して上に記載したように、リサイクルループを通して膜に戻してリサイクルされる。始めの3つの態様のように、第4態様では、拡散により陽極に向かって輸送される水と、陽子輸送により陰極に向かって同伴される水の間の平衡を達成するために必要な電流の量は、膜に供給する水量を調節することにより制御される。また第4態様では、第2および第3態様と同様に、膜に供給される水は、加湿ガス流の供給速度を制御することにより調節される。あるいは、膜に供給される水は加湿ガス流中の水含量を制御することにより調節される。ここでも第2態様については酸素を含んで成る加湿ガス流が記載されているが、他のガスを含んで成る加湿ガス流も本発明の範囲内である。
第4態様では、陰極反応は水の形成である。この陰極反応は、第1態様のような陰極でのH2生成に比べて、熱力学的により好ましい利点を有する。これは、以下の式:
電気エネルギー
2HCl(g)+1/2 O2(g) −−−−−→2H2O+Cl2(g) (12)
により表されるこの態様の全反応には、以下の式:
電気エネルギー
2HCl(g)−−−−−→H2(g)+Cl2(g) (13)
で表される第1態様の全反応の自由エネルギーの変化よりも小さい自由エネルギーの変化が関与するからである。すなわち、セルに入力するときに必要な電圧またはエネルギー量が、第4の態様では減少している。
さらに本発明の始めの3つの態様では、陰極反応に酸素が無い。しかし第4態様ではセルに酸素が加えられ、常に過剰な酸素がセルに存在する。これは、膜を通して輸送されるほとんどすべての陽子が、酸素と反応して水を形成することを意味する。これにより水へのより高い転化が提供される。さらに、過剰な酸素が多いほど、陰極反応はより迅速に進行する。すなわち、第4態様のリサイクルループは、特により早い陰極反応を提供する。さらに第4態様では、始めの3つの態様について上に記載したように、排出口66、66'または66''を通してセルから生成物を破棄する経済的不利益無しに、過剰な酸素を利用できる。
当業者にはさらなる利点および変更が、容易に思い浮かぶだろう。本発明はしたがって、広い意味において記載し、そして示した具体的な詳細、各々の装置および説明的実施例に限定されない。したがって、添付の請求の範囲およびそれらの均等物に定められる一般的な発明概念の精神または範囲から逸脱することなく、そのような詳細から新たな試みを行うことができる。

Claims (48)

  1. 無水ハロゲン化水素から乾燥ハロゲンガスを直接製造するための方法であって、ここで:
    (a)無水ハロゲン化水素の分子を、電気化学的セルの入口に供給し、そしてセルの陽極に輸送し;
    (b)無水ハロゲン化水素の分子を、陽極で酸化して乾燥ハロゲンガスおよび陽子を生成し;
    (c)陽子がセルのカチオン−輸送膜を通して輸送され;
    (d)輸送された陽子が、電気化学的セルの陰極で還元され;そして
    (e)電気化学的セルの陰極側の入口に水がフィードされ、続いて陰極側の膜に水が供給される、
    上記方法。
  2. 無水ハロゲン化水素から乾燥ハロゲンガスを直接製造するための方法であって、ここで:
    (a)電流が電気化学的セルに供給され;
    (b)無水ハロゲン化水素の分子を、電気化学的セルの入口に供給し、そしてセルの陽極に輸送し;
    (c)無水ハロゲン化水素の分子を、陽極で酸化して乾燥ハロゲンガスおよび陽子を生成し;
    (d))電気化学的セルに供給された電流が、陽子をセルのカチオン−輸送膜を通して輸送させ;
    (e)輸送された陽子が、電気化学的セルの陰極で還元され;
    (f)電気化学的セルの陰極側の入口に水がフィードされ、続いて陰極側の膜に水が供給されそして陰極に向かう拡散により輸送され;
    (g)輸送された陽子が、膜中の水を陰極に向かって引き寄せ;そして
    (h)拡散により陽極に向かって輸送された水と、陽子輸送により陰極に向かって引き寄せられた水との間の量的な平衡を達成するために必要な電流量が、膜に供給される水の量を調節することにより制御される、
    上記方法。
  3. 加湿ガス流を陰極で加えることにより、水が膜に供給される、請求項1または2記載の方法。
  4. 膜に供給される水が、加湿ガス流の供給速度を制御することにより調節される、請求項3記載の方法。
  5. 膜に供給される水が、加湿ガス流中の水含量を制御することにより調節される、請求項3記載の方法。
  6. 加湿ガス流が水素を含む、請求項3記載の方法。
  7. 加湿ガス流が窒素を含む、請求項3記載の方法。
  8. 加湿ガス流が酸素を含む、請求項3記載の方法。
  9. 流体がセルから放出され、そして膜に戻されてリサイクルする、請求項1または2記載の方法。
  10. 放出された流体を、膜に戻してリサイクルする前に冷却する、請求項9記載の方法。
  11. 陰極で液体の水を加えることにより、水が膜に供給される請求項1または2記載の方法。
  12. 放出された流体が水、水素およびハロゲン化水素を含む、請求項9記載の方法。
  13. 放出された流体のハロゲン化水素の一部および水の一部が、分離により取り出される、請求項12記載の方法。
  14. ハロゲン化水素の別の一部および水素の別の一部がスクラバーに送られ、そして水素がスクラバー中の他のハロゲン化水素の一部から分離される、請求項13記載の方法。
  15. 加湿ガス流が水素を含む、請求項9または10記載の方法。
  16. 放出された流体が水、水素およびハロゲン化水素を含む、請求項15記載の方法。
  17. 放出された流体のハロゲン化水素の一部および水の一部が、回収されたガスから分離により取り出される、請求項16記載の方法。
  18. ハロゲン化水素の別の一部および水の別の一部がスクラバーに送られ、そして放出された流体の水素および水の他の一部がスクラバー中でハロゲン化水素から分離される、請求項17記載の方法。
  19. 分離された水素の一部および分離された水の一部がスクラバーから排出される、請求項18記載の方法。
  20. 加湿ガス流が窒素を含む、請求項9または10記載の方法。
  21. 放出された流体が、水素、窒素、水およびハロゲン化水素を含む、請求項20記載の方法。
  22. 放出された流体のハロゲン化水素の一部および水の一部が、放出された流体から分離により取り出される、請求項21記載の方法。
  23. 放出された流体、窒素および水素のハロゲン化水素の別の一部および水の別の一部がスクラバーに送られ、そして放出された流体の水素、窒素および水の他の一部がスクラバーによりハロゲン化水素から分離される、請求項22記載の方法。
  24. 分離された水素の一部、分離された窒素の一部、および分離された水の一部が、スクラバーから排出される、請求項23記載の方法。
  25. 加湿ガス流が酸素を含む、請求項9または10記載の方法。
  26. 放出された流体が、酸素、水蒸気およびハロゲン化水素を含む、請求項25記載の方法。
  27. ハロゲン化水素の一部および水の一部が、放出された流体から分離により取り出される、請求項26記載の方法。
  28. 放出された流体のハロゲン化水素の別の一部および水の別の一部、および酸素がスクラバーに送られ、そして酸素および放出された流体の水の他の一部がスクラバーによりハロゲン化水素から分離される、請求項27記載の方法。
  29. すべての酸素およびすべての水が膜にリサイクルされる、請求項28記載の方法。
  30. さらなる酸素供給が、放出された流体を膜にリサイクルする前に加えられる、請求項29記載の方法。
  31. 放出された流体を膜にリサイクルする前に圧縮する、請求項9または10記載の方法。
  32. 放出された流体の温度を膜にリサイクルする前に調節する、請求項9記載の方法。
  33. 放出された流体を膜にリサイクルする前に水で加湿する、請求項9または10記載の方法。
  34. 放出された流体を膜にリサイクルする前にスチームでコンディショニングする、請求項9または10記載の方法。
  35. 無水ハロゲン化水素から乾燥ハロゲンガスを直接製造するための電気化学的セルであって:
    (a)無水ハロゲン化水素の分子を酸化して、乾燥ハロゲンガスおよび陽子を生成する手段;
    (b)そこを通して陽子を輸送するカチオン−輸送手段、ここで酸化手段はカチオン−輸送手段の1つの側に接するように配置されている; (c)輸送された陽子を還元する手段、ここで還元手段はカチオン−輸送手段のもう1つの側に接するように配置されている;
    (d)カチオン−輸送手段のもう1つの側で、カチオン−輸送手段に水を供給する手段、
    を含んで成る上記セル。
  36. 酸化手段が陽極であり、還元手段が陰極であり、そしてカチオン−輸送手段が膜である、請求項35記載の電気化学的セル。
  37. 膜に水を供給する手段が、膜の陽極−側に配置された入口を含んで成る、請求項36記載の電気化学的セル。
  38. 無水ハロゲン化水素から乾燥ハロゲンガスを直接製造するために使用する電気化学的セルから放出される流体をリサイクルするシステムであって、
    (a)電気化学的セル、該セルは、
    (i)本質的に無水ハロゲン化水素の分子を酸化して、乾燥ハロゲンガスおよび陽子を生成する手段;
    (ii)そこを通して陽子を輸送し、酸化手段と接するように配置された1つの側を有するカチオン−輸送手段
    (iii)輸送された陽子を還元する手段、ここで還元手段はカチオン−輸送手段のもう1つの側と接するように配置されている;
    (iv)カチオン−輸送手段に水を供給する入口手段;および
    (v)還元手段から流体を放出する出口手段、
    を含んで成り;ならびに
    (b)カチオン−輸送手段に流体をリサイクルする手段、
    を含んで成る、上記システム。
  39. 酸化手段が陽極を含んで成り、還元手段が陰極を含んで成り、そしてカチオン−輸送手段が膜を含んで成る、請求項38記載のシステム。
  40. リサイクル手段が、放出された流体を膜にリサイクルする前に冷却するための冷却器を含んで成る、請求項38記載のシステム。
  41. 放出された流体が、ハロゲン化水素を含み、そしてさらにリサイクル手段が放出された流体からハロゲン化水素の一部を取り出すための分離器を含んで成る、請求項38記載のシステム。
  42. リサイクル手段が、放出された流体からハロゲン化水素の別の一部を取り出すためのスクラバーをさらに含んで成る、請求項41記載のシステム。
  43. リサイクル手段が、放出された流体を膜にリサイクルする前に放出された流体を圧縮するためのコンプレッサーをさらに含んで成る、請求項38記載のシステム。
  44. リサイクル手段が、放出された流体を膜にポンプで送るためのポンプをさらに含んで成る、請求項38記載のシステム。
  45. リサイクル手段が、放出された流体を膜にリサイクルする前に放出された流体の温度が調節される手段をさらに含んで成る、請求項38記載のシステム。
  46. リサイクル手段が、放出された流体を膜にリサイクルする前に放出された流体を加湿するための加湿器をさらに含んで成る、請求項38記載のシステム。
  47. リサイクル手段が、放出された流体を膜にリサイクルする前に放出された流体をコンディショニングするためのコンディショナーをさらに含んで成る、請求項38記載のシステム。
  48. 放出された流体が酸素を含み、そしてリサイクル手段が、放出された流体を膜にリサイクルする前に、放出された流体にさらなる酸素を供給するための酸素供給源をさらに含んで成る、請求項38記載のシステム。
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