JP3826368B2 - 気化器のメネジ製造方法 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、機関へ供給する混合気の量及び濃度を制御する気化器に関し、そのうち特に機関へ供給する混合気を螺動調整するパイロットスクリュー、エアースクリュー等の調整スクリューを螺着する為に気化器に形成されるメネジ、あるいは絞り弁の最低アイドリング開度を調整するストップスクリューを螺着する為のメネジ等の気化器のメネジ製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
気化器には低速混合気量を調整制御する為のパイロットスクリュー、空気量を調整制御する為のエアースクリュー、絞り弁の最低アイドリング開度を調整制御する為のストップスクリュー等のスクリュー部材が装着される。これらスクリュー部材は気化器のネジボスに穿設されたメネジに螺着される。ここで、このメネジは、中実状態のネジボスにネジ下孔が穿設され、このネジ下孔に向けてメネジが加工形成され、このメネジにスクリュー部材が螺着される。そしてこのスクリュー部材を螺動することによってスクリュー部材によって形成される通路有効面積あるいはスクリュー部材の突出寸法を制御し、所望の制御が行なわれるものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
かかる従来のメネジへのスクリュー部材の螺着によると、メネジとスクリュー部材のオネジとの間に間隙が存在するものでありこの間隙の存在によると、スクリュー部材の調整後において間隙分に相当して長手方向にスクリュー部材が移動する恐れがあり、これによるとスクリュー部材による微少な通路有効面積の制御あるいは微少なスクリュー部材の突出寸法の制御が困難であった。
【0004】
一方、前記不具合を解決することを目的として、スクリュー部材をメネジの長手一定方向に向けてスプリングによって押圧することが行なわれる。これによるとスクリュー部材の長手方向における安定性の改善は図れるもののスクリュー部材の側方への傾斜を抑止することは依然として困難であり、特にスクリュー部材と、通路によって形成される開口位置を均一とすることができない。このスクリュー部材が側方へ傾斜することはスクリュー部材のオネジとメネジとの間に側方の間隙が存在する為である。又、スクリュー部材を工具によって長手方向に押圧螺動してスクリュー部材を調整し、次に工具による押圧を解除した際、スプリングによって間隙分に相当してスクリュー部材が長手方向に変化する場合があり、このこともスクリュー部材の正確な位置制御を阻害する。又、前記間隙を解消する為に、オネジ及びメネジの寸法精度を一級ネジ以上にすることが考慮されるがこれによると加工されたネジの径管理、あるいはネジ工具の管理が複雑となり、製造コストの上昇を招来して好ましいものでない。
【0005】
本発明になる気化器のメネジ製造方法は、上記不具合に鑑み成されたもので、スクリュー部材による有効開口面積の制御及び突出寸法の制御を極めて高精度に行なうことができ、且つ製造コストの上昇を抑止しうるメネジの製造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の気化器のメネジ製造方法は、前記目的達成の為に、気化器より突出するネジボスに、ネジボスの端面からネジボスの長手方向に沿って同一直径を有するネジ下孔を穿設するとともにネジボスの端面からネジボスの長手方向に沿って、その内方端がネジ下孔に開口し、外方端がネジボスの外形に開口する複数のスリット溝を穿設し、前記ネジボスの端面からスリット溝の内方端を含むネジ下孔に同一ネジ径よりなるメネジを穿設したことを特徴とする。
【0007】
【作用】
同一直径を有するネジ下孔にタップによってネジを穿設する際、ネジ下孔はタップによって円周外側方の押圧力を受ける。ネジ下孔には、スリット溝が形成されることから、この部においてネジ下孔が側方へ拡大した状態でメネジが形成される。このメネジの谷径はスリット溝を備えないネジ下孔にメネジを穿設した際に形成されるメネジの基準谷径より小径に形成される。従ってメネジにスクリュー部材を螺着した際、メネジとスクリュー部材のオネジとの間に間隙の存在は大きく減少し、もってスクリュー部材の長手方向及び側方のガタを完全に抑止でき、適正な締付力をもってスクリュー部材をメネジに螺着できる。
【0008】
【実施例】
以下、本発明になる気化器のメネジ製造方法の一実施例について図によって説明する。1は、気化器本体2より上方に向かって突出したネジボスであり、ネジボス1の上方の端面1Aよりネジボス1の長手方向X−Xの下方に向かってネジ下孔3が穿設される。このネジ下孔3は、例えば4mmのメネジを形成する際、3.3mmのネジ下孔3が形成される。4は、スリット溝であり、ネジボス1の横断面において、その内方端4Aはネジ下孔3に開口し、外方端4Bはネジボス1の外形1Bに開口し、更にこのスリット溝4は上方の端面1Aからネジボス1の長手方向X−Xに沿って下方に向かって穿設される。このスリット溝4はネジボス1の横断面において複数穿設されるもので、本例では120度間隔で3個穿設された。上記ネジボス1、ネジ下孔3、スリット溝4は図1、図2によく示される。
【0009】
そして、ネジボス1の端面1Aからスリット溝4を含むネジ下孔3に向けてタップによりネジ加工が行なわれ、ネジ下孔3にメネジ5が形成される。このネジ加工された状態は、図3、図4に示される。かかるネジ加工によると、スリット溝4に臨むネジ下孔3Aにあっては、タップがネジ下孔3Aに噛合した際、その抵抗によってネジボス1は外側方へ拡大し、このネジ下孔3Aも外側方へ拡大する。ネジボス1が外側方へ拡大するのは複数のスリット溝4が穿設されるからである。以上によると、スリット溝4に臨むネジ下孔3Aに形成されるメネジ5Aの谷径D1は、ネジボス1の外側方への拡大変形分に相当して小径に形成される。これは、タップの切刃部分が充分にネジ下孔3Aに喰い込まないことによる。一方、スリット溝4より下方にあるネジ下孔3Bにあっては、タップによるネジ加工時において、ネジボス1は充分なる剛性を有し、ネジ下孔3Bがタップによるメネジ加工時に外側方に拡大変形することがないもので、タップの切刃部分は充分にネジ下孔3Aに喰い込み、基準谷径D2を有するメネジ5Bが形成される。すなわち、スリット溝4より下方にあるネジ下孔3Bには基準谷径D2を有するメネジ5Bが形成され、スリット溝4に臨むネジ下孔3Aには、基準谷径D2より小径をなす谷径D1を有するメネジ5Aが形成される。
【0010】
そして、以上の如く形成されたメネジ5にオネジ6Aを備えたスクリュー部材6が螺着される。すなわち、スクリュー部材6のオネジ6Aは、スリット溝4に臨むネジ下孔3Aに形成されるメネジ5Aと、それに連続して形成される、スリット溝4より下方にあるネジ下孔3Bに形成されるメネジ5Bに螺着される。以上によると、スクリュー部材6のオネジ6Aは、基準谷径D2より小径D2をなすスリット溝4に臨むメネジ5Aに螺着されるもので、このときネジボス1の長手方向X−X及び外側方においてオネジ6Aとメネジ5Aとの間に間隙が形成されるものでなく緊密な噛合状態に螺着される。尚、スリット溝4より下方に形成されるメネジ5Bにあっては基準谷径D2が形成されるので、従来と同様に間隙をもった噛合状態に螺着される。
【0011】
以上よりなる本発明の気化器のメネジ製造方法によると、スクリュー部材6のオネジ6Aの一部がスリット溝4に臨むメネジ5Aに緊密に螺着されるので、スクリュー部材6の螺動調整後におけるスクリュー部材6の長手方向における移動、及びスクリュー部材6の側方への傾斜移動は完全に抑止される。従って、スクリュー部材6の螺動調整後における有効開口面積の変化、スクリュー部材6の突出方向の変化、更にはスクリュー部材6の側方移動変化は完全に抑止され、スクリュー部材6の調整位置を極めて正確に制御できる。尚、前記によれば、スクリュー部材をバネ等によって弾性的に一方向に位置決めする必要がないものである。
【0012】
前記、スリット溝4の数及びスリット溝4の深さ、スリット溝4の幅、更にはネジボス1の外形寸法等については、スクリュー部材6のオネジ6Aの径、オネジ6Aとメネジ5のネジのかかり代、ネジボス1の材質、等より鑑案して適宜選定される。
【0013】
図5には本発明のメネジ製法を気化器に用いた実施例が示される。2は内部を吸気路21が貫通した気化器本体であって、気化器本体2の一部よりネジボス1が上方に向かって突出して形成された。ネジボス1にはその端面1Aから下方に向けてネジ下孔3が穿設され、さらにネジボス1の端面1Aから下方に向けてその内方端4Aがネジ下孔3に開口し、外方端4Bがネジボス1の外形1Bに開口する複数のスリット溝4が穿設される。そして、ネジボス1の端面1Aからネジ下孔3に向けてメネジ5が形成され、このメネジ5に向けてスクリュー部材6としてのパイロットスクリューが螺着される。そして、スクリュー部材6を螺動することによって低速混合気通路22のシート孔22Aの有効開口面積が可変制御され、シート孔22Aより制御された低速混合気が気化器の吸気路21に向けて供給される。以上によると、スクリュー部材6を螺動して一度その位置が調整されると、スクリュー部材6のオネジ6Aは、スリット溝4に臨むネジ下孔3Aに形成されるメネジ5Aに緊密に螺着されることから、スクリュー部材6の長手方向の変位、スクリュー部材6の側方への変位が完全に抑止されるもので、極めて安定した低速混合気の制御を行なうことができる。
【0014】
尚、上記実施例は、スクリュー部材としてパイロットスクリューを用いたものであるが、空気量を調整するエアースクリュー、絞り弁の最低開度を調整するストップスクリューと螺着するメネジ孔に利用してもよい。
【0015】
【発明の効果】
以上の如く、本発明になる気化器のメネジ製造方法によると、気化器より突出するネジボスに、ネジボスの端面からネジボスの長手方向に沿って同一直径を有するネジ下孔が穿設されるとともに内方端がネジ下孔に開口し、外方端がネジボスの外形に開口し、ネジボスの端面からネジボスの長手方向に沿って穿設される複数のスリット溝を備え、前記ネジボスの端面からネジ下孔にメネジを穿設したので、スリット溝に臨むメネジによってスクリュー部材のオネジを緊密に噛合できるもので、スクリュー部材の調整後における長手方向及び側方への変位を確実に抑止でき、もって気化器においてスクリュー部材によって制御される通路有効面積、突出寸法を正確に制御できるものである。又、上記によると、スプリング等の弾性部材によってスクリュー部材を一定方向に押圧保持する必要がないもので、これによると部品点数の削減を達成できたものである。又、ネジ下孔に形成されるメネジ及びスクリュー部材に形成されるオネジのネジ精度を一級ネジ以上に上げる必要がないもので、これによるとネジ径管理、ネジ工具の管理を簡略化できたものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の気化器のメネジ製造方法を示すもので、ネジボスにスリット溝とネジ下孔が形成された状態の縦断面図。
【図2】 図1のA−A線における横断面図。
【図3】 図1のネジ孔にスクリュー部材6が螺着された状態を示す縦断面図。
【図4】 図2のネジ下孔にネジ孔が形成された状態の横断面図。
【図5】 本発明の気化器のメネジ製造方法を気化器のパイロットスクリューに用いた要部縦断面図。
【符号の説明】
1 ネジボス
3 ネジ下孔
3A スリット溝に臨むネジ下孔
3B スリット溝より下方にあるネジ下孔
4 スリット溝
4A スリット溝の内方端
4B スリット溝の外方端
5A スリット溝に臨むメネジ
5B スリット溝より下方のメネジ
Claims (1)
- 気化器より突出するネジボス1に、ネジボス1の端面1Aからネジボス1の長手方向X−Xに沿って同一直径を有するネジ下孔3を穿設するとともにネジボス1の端面1Aからネジボス1の長手方向X−Xに沿って、その内方端4Aがネジ下孔3に開口し、外方端4Bがネジボス1の外形1Bに開口する複数のスリット溝4を穿設し、前記ネジボス1の端面1Aからスリット溝4の内方端4Aを含むネジ下孔3に同一ネジ径よりなるメネジ5を穿設してなる気化器のメネジ製造方法。
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