JP3826213B2 - ケイ素含有環状化合物、その製造方法および電界発光素子 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ビニルシリル基からなる末端を2つ以上有する化合物(以下「ビニルシリル末端化合物」という)をルテニウム触媒の存在下で環化することによって、特定の構造のケイ素含有環状化合物を製造する方法に関する。また、本発明は、該反応で生成する化合物に関する。さらに、本発明は、低電圧で高輝度の発光が可能な電界発光素子に関する。
【0002】
【従来の技術】
二重結合を有する化合物をルテニウム触媒の存在下で反応させる研究が、これまでに幾つか行われている。
そのうちの1つとして、二重結合を両末端に有する化合物(α,ω−ジエン)の閉環メタセシスが知られている。閉環メタセシスは、ルテニウムカルベン錯体などのメタセシス触媒を用いることによって進行するものであり、環状アルケンとエチレンが生成する。この反応は平衡反応であるが、発生するエチレンが気体として反応系から除去されるため、結果として環状アルケンが生成する。
【0003】
しかしながらこの反応は、出発物質であるα,ω−ジエン同士が重合する鎖状ジエンメタセシス重合(ADMET)や、生成物質である環状アルケンが重合する開環メタセシス(ROM)との競争反応である。このため、環状ジエンを収率よく調製するためには、閉環メタセシスを高希釈条件下で行わなければならないという問題がある(総説として、有機合成化学協会誌55巻12号37〜49頁)。
【0004】
一方、ルテニウムヒドリド触媒を用いたビニルシランの二量化に関する研究報告もなされている(Y.Wakatsuki,J.Chem.Soc.,Chem.Commun.,1991,703; B.Marciniec,J.Chem.Soc.,Chem.Commun.,1995,203)。この研究報告によると、ビニルシランからトランス−1,2−ビスシリルエチレンと1,1−ビスシリルエチレンとの等量混合物が得られることが確認されている。しかしながら、いずれかの生成物を選択的に生成する反応はいまだ開発されるに至っていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明は、ビニルシリル末端化合物を出発物質として選択し、該化合物から特定の構造を有するケイ素含有環状化合物を、高希釈せずに高収率で製造し得る方法を提供することを解決すべき課題とした。また、本発明は、ケイ素化合物の合成中間体およびエレクトロルミネッセンス(EL)素子の電子輸送物質として有用な化合物を提供することを解決すべき課題とした。さらに本発明は、電子輸送能が高い化合物を電子輸送層に含有する電界発光素子を提供することも解決すべき課題とした。
【0006】
【課題を解決するための手段】
これらの課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、本発明者らは、特定のルテニウム含有化合物の存在下でビニルシリル末端化合物を環化させることによって、特定の構造の化合物を高収率で得ることができることを見出し、本発明を提供するに至った。
【0007】
すなわち、本発明の第1の側面によると、Ru−H結合またはRu−Si結合を有するか、反応系中でRu−H結合またはRu−Si結合を形成するルテニウム含有化合物の存在下で、ビニルシリル基からなる末端を2つ以上有する化合物を環化させることを特徴とする一般式(2−1)または(2−2)で表される化合物の製造方法が提供される。
一般式(2−1)
【化11】
(上式において、Rは[ ]内の基をm個有するアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、アルキルアリール基またはアルキルヘテロアリール基であって、−SiR 5 R 6 −、−SiR 5 R 6 −O−またはビニルシリル基を含んでいてもよく、一般式(2−1)の環を形成している2つのケイ素原子を結ぶR経由の最短の鎖長は6原子以下であり、R 1 〜R 6 はそれぞれ独立に水素原子またはアルキル基であり、前記アルキル基、前記アリール基、前記ヘテロアリール基、前記アルキルアリール基および前記アルキルヘテロアリール基は非反応性基で置換されていてもよく、前記アルキル基、前記アルキルアリール基および前記アルキルヘテロアリール基のアルキル部分の単結合は二重結合または三重結合で置換されていてもよく、mは1〜10の整数である。)
一般式(2−2)
【化12】
(上式において、Rは[ ]内の基をn個有するアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、アルキルアリール基またはアルキルヘテロアリール基であって、−SiR 5 R 6 −、−SiR 5 R 6 −O−またはビニルシリル基を含んでいてもよく、一般式(2−2)の環を形成している2つのケイ素原子を結ぶR経由の最短の鎖長は7原子以上であり、R 5 、R 6 およびR 11 〜R 14 はそれぞれ独立に水素原子またはアルキル基であり、前記アルキル基、前記アリール基、前記ヘテロアリール基、前記アルキルアリール基および前記アルキルヘテロアリール基は非反応性基で置換されていてもよく、前記アルキル基、前記アルキルアリール基および前記アルキルヘテロアリール基のアルキル部分の単結合は二重結合または三重結合で置換されていてもよく、nは1〜10の整数である。)で表される化合物。
【0008】
好ましい実施態様として、一般式(1):
【化13】
(上式において、Rは( )内の基をa個有するアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、アルキルアリール基またはアルキルヘテロアリール基であって、−SiR5R6−または−SiR5R6−O−を含んでいてもよく、R1、R2、R5およびR6はそれぞれ独立に水素原子またはアルキル基であり、前記アルキル基、前記アリール基、前記ヘテロアリール基、前記アルキルアリール基および前記アルキルヘテロアリール基は非反応性基で置換されていてもよく、前記アルキル基、前記アルキルアリール基および前記アルキルヘテロアリール基のアルキル部分の単結合は二重結合または三重結合で置換されていてもよく、aは2〜20の整数である)で表される化合物を、ルテニウム含有化合物の存在下で環化させることを特徴とする一般式(2−1)または(2−2)で表される化合物の製造方法が提供される。
【0009】
本発明の第2の側面によると、一般式(2−3)または(2−2)で表される化合物が提供される。
一般式(2−3):
【化14】
(上式において、Rは[ ]内の基をm個有するアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、アルキルアリール基またはアルキルヘテロアリール基であって、−SiR 5 R 6 −、−SiR 5 R 6 −O−またはビニルシリル基を含んでいてもよく、一般式(2−3)の環を形成している2つのケイ素原子を結ぶR経由の最短の鎖長は6原子以下であり、R 1 〜R 6 はそれぞれ独立に水素原子またはアルキル基であり、前記アルキル基、前記アリール基、前記ヘテロアリール基、前記アルキルアリール基および前記アルキルヘテロアリール基は非反応性基で置換されていてもよく、前記アルキル基、前記アルキルアリール基および前記アルキルヘテロアリール基のアルキル部分の単結合は二重結合または三重結合で置換されていてもよく、mは1〜10の整数である。ただし、Rがメチレン基、エチレン基またはプロピレン基であって、mが1である場合、および、Rがアリーレン基であって、R 1 〜R 4 がエチル基であり、mが1である場合を除く)で表される化合物。
【0010】
好ましい実施態様として、一般式(2−3)または(2−1)において、Rがアリール基またはヘテロアリール基(前記アリール基および前記ヘテロアリール基はアルキル基、アルケニル基、アルキニル基またはジアリールアミノ基で置換されていてもよい)である化合物を挙げることができる。
【0011】
さらに本発明の第3の側面によると、一般式(2−3)で表される化合物を含有する電界発光素子が提供される。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下において、本発明を具体的に説明する。
本発明の第1の側面により提供される製造方法では、Ru−H結合またはRu−Si結合を有するか、反応系中でRu−H結合またはRu−Si結合を形成するルテニウム含有化合物の存在下で反応を行う。このようなルテニウム含有化合物の存在下でビニルシリル末端化合物の環化反応を行うことによって、特定のケイ素含有環状化合物が高収率で得られる。
【0013】
本発明で使用しうるルテニウム含有化合物は、Ru−H結合またはRu−Si結合の少なくとも一方を分子中に有する化合物と、これらの結合を分子中に有しなくても、ビニルシリル末端化合物を環化させる反応系中でRu−H結合またはRu−Si結合の少なくとも一方を形成する化合物である。
【0014】
後者の例として、分解等によって活性金属を生成し、反応系中の基質または溶媒から水素原子を引き抜いてRu−H結合を形成する化合物を挙げることができる。また、Ru/C、Ru/SiO2、Ru/Al2O3等の粉末を担体に付着させた化合物も、反応系中で水素やシラン類と接触させれば表面にRu−H結合やRu−Si結合を形成しうるため使用することができる。さらに、Grubbsの錯体として知られるルテニウム含有化合物も、反応系の温度をコントロールすることによってRu−HないしRu−Siが形成しうると考えられるため、そのような条件下において使用することができる。
【0015】
いかなる理論にも拘泥するものではないが、本発明の環化反応ではこのようなRu−HないしRu−Si結合を有するRu含有化合物が触媒活性種またはその前駆体として作用するものと考えられる。したがって、本発明の環化反応は従来から知られている閉環メタセシスとは異なる機構で進行する新しいタイプの反応である。
【0016】
本発明の環化反応に有効に使用することができるルテニウム含有化合物として、以下の一般式で表される化合物を例示することができる。
【化7】
RuX(CO)(PR1 3)2(SiR2 3)
RuX(CO)H(PR1 3)3
RuX(CO)H(PR1 3)2
RuX(CO)2(PR1 3)2
Ru(CO)H(OCOR3)(PR1 3)2 および
RuH(OCOR3)(PR1 3)2
【0017】
上式において、Xは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子または沃素原子である。R1はアルキル基、アリル基、アリール基、アルキルアリール基、アルキレン基、アルコキシ基またはアリールオキシ基である。R2はアルキル基、アリル基、アリール基、アルキルアリール基またはアルキレン基である。R3は水素原子、アルキル基、アリル基、アリール基、アルキルアリール基またはアルキレン基である。なお、分子中の複数のR1およびR2は互いに同一であっても異なっていてもよい。また、(PR1 3)2が(R1 2P−PR1 2)に置換している化合物も使用できる。
【0018】
好ましいルテニウム含有化合物として、以下の構造を有する化合物を例示することができる。
【化8】
RuCl(CO)(PPh3)2(SiMe2R4)
RuCl(CO)H(PPh3)3
RuCl(CO)H(PPh3)2(PMe3)
RuCl(CO)H(PiPr3)2
RuCl(CO)2H(PPh3)2
Ru(CO)H(OCOCH3)(PPh3)2
RuH(OCOH)(PPh3)3
Ru(CO)H(PPh3)3
RuCl(CO)H(Ph2PCH2CH2PPh2)(PPh3) および
RuCl(CO)H(Ph2PCH2PPh2)(PPh3)
上式において、Phはフェニル基であり、Meはメチル基であり、iPrはイソプロピル基であり、R4はメチル基またはエトキシ基である。
【0019】
これらのルテニウム含有化合物は、それぞれの特性に応じて適宜使い分けることが好ましい。例えば、ルテニウム含有化合物としてRuHCl(CO)(PPh3)3を使用して反応を行えば、反応後に得られる反応混合物から目的生成物を分離しやすいという利点がある。一方、RuHCl(CO)(PiPr3)2は活性が高いため、迅速に環化反応が進行する利点がある。
本発明の環化反応では、上記のルテニウム含有化合物を単独または組み合わせて使用することができる。また、本発明で使用するルテニウム含有化合物は、いずれの製法によって調製したものであってもよい。
【0020】
本発明の反応によって環化させるビニルシリル末端化合物は、ビニルシリル基からなる末端を少なくとも2つ有していて、環化反応を過度に阻害する官能基を有していないものであれば、その構造は特に制限されない。したがって、ビニルシリル基同士を結ぶ結合基の種類や原子数、ケイ素原子に結合している官能基およびその原子数は特に制限されない。また、1分子中に存在する複数のビニルシリル基は、同一であっても互いに異なっていてもよい。
【0021】
本発明の製造方法の好ましい実施態様では、上記一般式(1)に存在するビニルシリル基中のケイ素原子のうち、本製造方法によって同一の環を形成しうる2つのケイ素原子を結ぶ最短の鎖長が6原子以下である化合物を用いる。このようなビニルシリル末端化合物を反応させると、一般式(2−1)で表されるエキソ二重結合を有するケイ素含有環状化合物が高収率で得られる。このとき、環中にトランス二重結合を有するケイ素含有環状化合物、ビニルシリル末端化合物や目的生成物の重合体は、ほとんど副生しない。このため、一般式(2−1)で表されるエキソ二重結合を有するケイ素含有環状化合物を簡単に単離することができる。
【0022】
一般式(1)のRが採り得るアルキル基は、同一の環を形成しうる2つのケイ素原子を結ぶ鎖長が6原子以下であり、全体の炭素数は一般に2〜20、好ましくは2〜15である。また、アリール基は同一の環を形成しうる2つのケイ素原子を結ぶ鎖長が6原子以下であり、全体の炭素数は一般に6〜30、好ましくは6〜18である。さらに、アルキルアリール基は同一の環を形成しうる2つのケイ素原子を結ぶ鎖長が6原子以下であり、アルキル部分とアリール部分がそれぞれケイ素原子に結合する構造を有する。全体の炭素数は一般に8〜34、好ましくは8〜22である。Rが採り得るアルキル基、アリール基、アルキルアリール基には、1つ以上の−SiR5R6−および/または1つ以上の−SiR5R6−O−が含まれていてもよい。2つ以上含まれている場合は、R5およびR6 はそれぞれ同じであっても異なっていてもよい。また、一般式(1)において、R1とR2はそれぞれa個ずつ存在するが、それらはすべて同一であっても異なっていてもよい。R1、R2、R5、R6が採り得るアルキル基の炭素数は一般に1〜10、好ましくは1〜6、より好ましくは1〜3である。
【0023】
アルキル基の具体例として、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基およびシクロヘキシル基を挙げることができる。これらのアルキル基の1以上の単結合は、二重結合または三重結合で置換されていてもよい。アリール基として、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基を挙げることができる。( )内の基を2、4、6または8個有するアリール基の具体例として1,2−フェニレン基、、1,2,4,5−フェニレン基、1,2,3,4−フェニレン基、1,2,3,4,5,6−フェニレン基、1,2−ナフチレン基、2,3−ナフチレン基、1,3−ナフチレン基、1,8−ナフチレン基、1,2,3,4−ナフチレン基、1,2,4,5−ナフチレン基、1,2,5,6−ナフチレン基、1,2,6,7−ナフチレン基、1,2,7,8−ナフチレン基、2,3,4,5−ナフチレン基、2,3,6,7−ナフチレン基、1,2,3,8−ナフチレン基、1,2,3,4,5,6−ナフチレン基、1,2,3,4,6,7−ナフチレン基、1,2,3,4,5,8−ナフチレン基、1,2,3,4,7,8−ナフチレン基、1,3,4,6,7,8−ナフチレン基および1,2,3,4,5,6,7,8−ナフチレン基、1,2−アントリレン基、2,3−アントリレン基、1,9−アントリレン基、1,2−フェナントリレン基、2,3−フェナントリレン基、3,4−フェナントリレン基および1,10−フェナントリレン基等を挙げることができる。さらに、アルキルアリール基の具体例として、トリル基、キシリル基およびスチリル基を挙げることができる。−SiR5R6−の具体例として−Si(CH3)2−、−Si(CH3)(C2H5)−、−Si(C2H5)2−を挙げることができる。−SiR5R6−O−の−SiR5R6−部分の具体例としても、これらと同じものを挙げることができる。
【0024】
RおよびR1、R2、R5、R6が採り得るアルキル基、アリール基、アルキルアリール基およびアルキル基は非反応性基で置換されていてもよい。本明細書において「非反応性基」とは、本発明の環化反応条件下で反応しない置換基および環化反応を過度に阻害しない置換基を意味する。そのような置換基として、アルキル基、アルコキシ基およびアリール基を例示することができる。
【0025】
本発明の製造方法の別の好ましい実施態様では、ビニルシリル末端化合物として、上記一般式(1)に存在するビニルシリル基中のケイ素原子のうち、本製造方法によって同一の環を形成しうる2つのケイ素原子を結ぶ最短の鎖長が7原子以上である化合物を用いる。このようなビニルシリル末端化合物を反応させると、環中に一般式(2−2)で表されるトランス二重結合を有するケイ素含有環状化合物が高収率で得られる。このとき、エキソ二重結合を有するケイ素含有環状化合物、ビニルシリル末端化合物や目的生成物が重合した重合体は、ほとんど副生しない。このため、一般式(2−2)で表されるトランス二重結合を有するケイ素含有環状化合物を簡単に単離することができる。
【0026】
一般式(1)のRが採り得るアルキル基は、同一の環を形成しうる2つのケイ素原子を結ぶ鎖長が7原子以上であり、全体の炭素数は一般に7〜30、好ましくは7〜15である。また、アルキルアリール基は同一の環を形成しうる2つのケイ素原子を結ぶ鎖長が7原子以上で、全体の炭素数は一般に11〜50、好ましくは11〜25である。アルキル基の1以上の単結合は、二重結合または三重結合で置換されていてもよい。また、アルキル基およびアルキルアリール基は非反応性基で置換されていてもよい。非反応性基、−SiR5R6−および−SiR5R6−O−の具体例、およびR1、R2、R5、R6が採り得るアルキル基は上記と同一である。また、a個ずつ存在するR1およびR2、複数個存在するときのR5およびR6はそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。
【0027】
本発明の製造方法におけるルテニウム含有化合物の使用量は、ビニルシリル末端化合物100モルに対して通常は0.01〜10モルの範囲内にする。好ましい使用量は、ビニルシリル末端化合物100モルに対して、0.1〜5モルの範囲内である。
環化反応の反応温度は、通常30〜180℃に設定し、好ましくは60〜140℃に設定する。反応時間は反応条件によって異なるが、通常は1〜48時間とする。
【0028】
反応時に使用する溶媒は不活性溶媒の中から適宜選択する。例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン、ジエチルエーテル、塩化メチレン、ジオキサン、アセトニトリルを挙げることができる。
反応生成物の精製は、当業者に公知の手段を用いることによって行う。通常は、蒸留、カラムクロマトグラフィー、再結晶などにより目的生成物を単離する。
本発明の製造方法の具体的条件については、後述する実施例を参考にして適宜決定することができる。
【0029】
本発明の第2の側面により提供される化合物は、本発明の製造方法によって製造することができる化合物である。該化合物は上記一般式(2−3)または一般式(2−2)で表される構造を有する。同一の環を形成しうる2つのケイ素原子を結ぶ鎖長が6原子以下である構造部分は、本発明の製造方法にしたがって環化すると一般式(2−3)で表されるエキソ二重結合を有する環状構造になる。また、同一の環を形成しうる2つのケイ素原子を結ぶ鎖長が7原子以上である構造部分は、本発明の製造方法にしたがって環化すると一般式(2−2)で表されるトランス二重結合を有する環状構造になる。一般式(2−2)および(2−3)のRが採り得る基および具体例は一般式(1)のRと同じであり、一般式(2−2)および(2−3)のR1〜R4およびR11〜R14が採り得る基および具体例は一般式(1)のR1およびR2と同じであり、一般式(2−2)および(2−3)のR5およびR6が採り得る基および具体例は一般式(1)のR5およびR6と同じである。また、一般式(2−1)と一般式(2−3)のR 1 〜R 4 、m、Rは同義である。
【0030】
これらの化合物は、様々なケイ素化合物の合成中間体として有用である。また、特に一般式(2−3)で表される化合物のうち、nが0であって、Rがアリール基またはヘテロアリール基であるものは、電子を受け取りやすい性質を有している。このため、該化合物は、このような性質を利用したエレクトロルミネッセンス素子などの電子素子に有効に利用される。Rがとりうるアリール基およびヘテロアリール基は縮合環からなるものであってもよく、各環の水素原子はアルキル基、アリール基、アルケニル基、アルキニル基、ヘテロアリール基またはジアリールアミノ基で置換されていてもよい。具体的には、Rとして、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基を挙げることができ、具体的には上記の一般式(1)のアリール基として例示したもの、およびこれらの骨格の炭素原子の一部がヘテロ原子で置換されたものを例示することができる。これらの環の水素原子の置換基として、フェニル基、ナフチル基、メチル基、エチル基、アリル基、ジフェニルアミノ基、2−チエニル基、3−チエニル基を例示することができる。
【0031】
本発明の第3の側面によれば、nが0であって、Rがアリール基またはヘテロアリール基である一般式(2−3)の化合物を電子輸送層に含有する電界発光素子が提供される。電子輸送物質として有用であることが知られている化合物は極めて限られているため、本発明の電界発光素子は新しい電子輸送物質を含む素子として広範囲に応用されることが期待される。
【0032】
本発明の電界発光素子は、少なくとも陽極、陰極、電子輸送層および発光層を含む。この他にさらに正孔輸送層を有していてもよいが、発光層が正孔輸送性を有している場合には設けなくてもよい。電界発光素子のセル構成としては、例えば陽極/正孔輸送性発光層/電子輸送層/陰極であるものや、陽極/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/陰極であるものを例示することができるが、これ以外の構成をとることもできる。本発明の電界発光素子は、ガラス、石英、プラスチック等の基板に支持して使用するのが一般的である。
【0033】
電界発光素子の陽極用電極物質には、通常は仕事関数が4eV以上の電気伝導性材料を用いる。例えば、Au、CuI、ITO、ZnO、SnO2などを使用することができる。電界発光素子の陰極用電極物質には、通常は仕事関数が4eV以下の電気伝導性材料を用いる。例えば、インジウム、ナトリウム/カリウム合金、リチウム、マグネシウム、マグネシウム/銅合金、アルミニウム/酸化アルミニウムなどを使用することができる。これらの陽極用電極物質および陰極用電極物質は基板上に蒸着やスパッタリング等によって適用することができる。電極物質の膜厚は、0.01〜1μmの範囲内にするのが一般的である。
【0034】
電子輸送層には、陰極から注入された電子を発光層に伝達する電子輸送物質としてnが0であって、Rがアリール基またはヘテロアリール基である一般式(2−3)の化合物を使用する。ただし、電子輸送層には、アントラキノジメタン誘導体、フルオレニリデンメタン誘導体、ジフェニルキノン誘導体、チオピランオキシド誘導体、ニトロ置換フルオレノン誘導体などの電子輸送物質を併用しても構わない。
【0035】
また、正孔輸送層を設ける場合は、陽極から注入された正孔を発光層に伝達する正孔輸送層物質を使用する。正孔輸送物質には、光導電材料の正孔電荷輸送物質として通常使用されているものであれば、その種類は制限されない。例えば、芳香族3級アミン、トリアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、イミダゾール誘導体などを使用することができる。
【0036】
発光層には、固体状態で蛍光を有し、少なくとも正孔または電子のキャリヤーを注入、移動することができる有機半導体を使用する。例えば、多環芳香族化合物、ヘテロ環式化合物などを使用することができる。
電子輸送層、正孔輸送層および発光層は、それぞれ蒸着、キャスト、スピンコート等により厚さ0.001〜5μmに形成させることができる。
本発明の電界発光素子は、他の電界発光素子と組み合わせることによって、様々な用途に応用することが可能である。
【0037】
【実施例】
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、試薬、割合、操作等は、本発明の精神から逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本発明の範囲は以下に示す具体例に制限されるものではない。
【0038】
(実施例1)
【化9】
還流冷却器を備えた200mlガラス製反応容器中に、アルゴン気流下でRuHCl(CO)(PPh3)3 375mg(0.4mmol)、1,2−ビス(ビニルジメチルシリル)ベンゼン2.70g(11.0mmol)およびトルエン100mlを入れ、80℃で24時間加熱攪拌した。反応後の反応液をGLC分析したところ、目的生成物の収率は87%であった。反応液から溶媒を留去し、減圧蒸留することによって目的生成物1.662gを得た(沸点64〜68℃/2mmHg、収率69%)。
1H NMR(CDCl3/TMS)δ0.28(s,12H), 6.53(s,2H), 7.35(m,2H), 7.57(m,2H)
13C NMR(CDCl3/TMS)δ0.0, 129.72, 133.44, 140.88, 150.40, 154.25
13C DEPT:エキソ二重結合確認
得られた目的生成物のCVを、CV測定器(扶桑製作所製HECS312B)を用いて測定したところ、還元側が−2.35Vであった。
【0039】
(実施例2)
【化10】
還流冷却器を備えた200mlガラス製反応容器中に、アルゴン気流下でRuHCl(CO)(PPh3)3 190mg(0.2mmol)、1,4−ビス(ビニルジメチルシリル)ブタン4.80g(21.1mmol)およびトルエン100mlを入れ、80℃で25時間加熱攪拌した。反応後の反応液をGLC分析したところ、目的生成物の収率は97%であった。
1H NMR(CDCl3/TMS)δ0.05(s,4H), 0.68(m,4H), 1.62(m,4H), 6.28(s,2H)
13C NMR(CDCl3/TMS)δ-1.97, 15.69, 25.30, 139.37, 155.36
13C DEPT:エキソ二重結合確認
【0040】
(実施例3)
【化11】
還流冷却器を備えた200mlガラス製反応容器中に、アルゴン気流下でRuHCl(CO)(PiPr3)2 197mg(0.4mmol)、1,2−ビス(ビニルジメチルシリル)エタン3.93g(19.8mmol)およびテトラヒドロフラン120mlを入れ、60℃で24時間加熱攪拌した。反応後の反応液をGLC分析したところ、目的生成物の収率は83%であった。
1H NMR(CDCl3/TMS)δ0.07(s,12H), 0.75(s,4H), 6.37(m,2H)
13C NMR(CDCl3/TMS)δ-2.26, 9.53, 138.35, 156.48
13C DEPT:エキソ二重結合確認
【0041】
(実施例4)
【化12】
40mlガラス製試験管中に、アルゴン気流下でRuHCl(CO)(PPh3)3 19mg(0.020mmol)、テトラキス(ジメチルビニルシロキシメチル)メタン0.40g(0.85mmol)およびテトラヒドロフラン4mlを入れ、上部を封じた後、100℃で15時間加熱した。反応液から溶媒を留去し、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル)により目的生成物0.26gを得た(収率75%)。
1H NMR(CDCl3/TMS)δ0.21(s,24H), 3.49(s,8H), 6.33(s,4H)
13C NMR(CDCl3/TMS)δ-1.58, 47.46, 60.32, 142.82, 154.20
13C DEPT:エキソ二重結合確認
【0042】
(実施例5)
【化13】
還流冷却器を備えた200mlガラス製反応容器中に、アルゴン気流下でRuHCl(CO)(PiPr3)2 194mg(0.4mmol、1,10−ビス(ビニルジメチルシリル)デカン3.41g(11.0mmol)およびトルエン100mlを入れ、110℃で42時間加熱攪拌した。反応液から溶媒を留去し、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル)により目的生成物2.35gを得た(収率76%)。
1H NMR(CDCl3/TMS)δ0.03(s,12H), 0.53(mbs,4H), 1.25(mbs,16H), 6.55(bs,2H)
13C NMR(CDCl3/TMS)δ-3.30, 15.42, 23.92, 29.45, 29.74, 33.62, 150.35
13C DEPT:トランス二重結合確認
【0043】
(実施例6)
【化14】
還流冷却器を備えた200mlガラス製反応容器中に、アルゴン気流下でRuHCl(CO)(PiPr3)227.2mg(0.056mmol)、1,2,4,5−テトラキス(ビニルジメチルシリル)ベンゼン0.55g(1.3mmol)およびトルエン15mlを入れ、80℃で15時間加熱攪拌した。反応液より溶媒を留去し、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル)により目的生成物である白色固体0.27gを得た(収率62%)
1H NMR(CDCl3/TMS)δ0.32(s,24H),6.55(s,4H),7.82(s,2H)
得られた目的生成物のCVを、CV測定器を用いて測定したところ、還元側が−3.06Vであった。
【0044】
【発明の効果】
本発明の製造方法を用いれば、特定の構造のケイ素含有環状化合物を効率よく製造することができる。生成物であるケイ素含有環状化合物は、ケイ素化合物の合成中間体として有用であり、一般式(2−3)で表される化合物は電界発光素子の材料として利用し得る。
Claims (13)
- Ru−H結合またはRu−Si結合を有するか、反応系中でRu−H結合またはRu−Si結合を形成するルテニウム含有化合物の存在下で、ビニルシリル基からなる末端を2つ以上有する化合物を環化させることを特徴とする下記一般式(2−1)で表される化合物の製造方法。
一般式(2−1)
- 前記ルテニウム含有化合物が、下記一般式:
【化2】
RuX(CO)(PR1 3)2(SiR2 3)
RuX(CO)H(PR1 3)3
RuX(CO)H(PR1 3)2
RuX(CO)2(PR1 3)2
Ru(CO)H(OCOR3)(PR1 3)2 および
RuH(OCOR3)(PR1 3)2
(上式において、Xは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子または沃素原子であり、R1はアルキル基、アリル基、アリール基、アルキルアリール基、アルキレン基、アルコキシ基またはアリールオキシ基であり、R2はアルキル基、アリル基、アリール基、アルキルアリール基またはアルキレン基であり、R3は水素原子、アルキル基、アリル基、アリール基、アルキルアリール基またはアルキレン基であり、分子中の複数のR1およびR2は互いに同一であっても異なっていてもよく、(PR1 3)2は(R1 2P−PR1 2)に置換しうる)で表される構造を有する化合物群から選択されることを特徴とする請求項1の製造方法。 - 前記ルテニウム含有化合物が、下記一般式:
【化3】
RuCl(CO)(PPh3)2(SiMe2R4)
RuCl(CO)H(PPh3)3
RuCl(CO)H(PPh3)2(PMe3)
RuCl(CO)H(PiPr3)2
RuCl(CO)2H(PPh3)2
Ru(CO)H(OCOCH3)(PPh3)2
RuH(OCOH)(PPh3)3
Ru(CO)H(PPh3)3
RuCl(CO)H(Ph2PCH2CH2PPh2)(PPh3) および
RuCl(CO)H(Ph2PCH2PPh2)(PPh3)
(上式において、Phはフェニル基であり、Meはメチル基であり、iPrはイソプロピル基であり、R4はメチル基またはエトキシ基である)で表される化合物群から選択されることを特徴とする請求項1の製造方法。 - 一般式(1):
- Ru−H結合またはRu−Si結合を有するか、反応系中でRu−H結合またはRu−Si結合を形成するルテニウム含有化合物の存在下で、ビニルシリル基からなる末端を2つ以上有する化合物を環化させることを特徴とする下記一般式(2−2)で表される化合物の製造方法。
一般式(2−2)
- 前記ルテニウム含有化合物が、下記一般式:
【化6】
RuX(CO)(PR 1 3 ) 2 (SiR 2 3 )
RuX(CO)H(PR 1 3 ) 3
RuX(CO)H(PR 1 3 ) 2
RuX(CO) 2 (PR 1 3 ) 2
Ru(CO)H(OCOR 3 )(PR 1 3 ) 2 および
RuH(OCOR 3 )(PR 1 3 ) 2
(上式において、Xは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子または沃素原子であり、R 1 はアルキル基、アリル基、アリール基、アルキルアリール基、アルキレン基、アルコキシ基またはアリールオキシ基であり、R 2 はアルキル基、アリル基、アリール基、アルキルアリール基またはアルキレン基であり、R 3 は水素原子、アルキル基、アリル基、アリール基、アルキルアリール基またはアルキレン基であり、分子中の複数のR 1 およびR 2 は互いに同一であっても異なっていてもよく、(PR 1 3 ) 2 は(R 1 2 P−PR 1 2 )に置換しうる)で表される構造を有する化合物群から選択されることを特徴とする請求項5の製造方法。 - 前記ルテニウム含有化合物が、下記一般式:
【化7】
RuCl(CO)(PPh 3 ) 2 (SiMe 2 R 4 )
RuCl(CO)H(PPh 3 ) 3
RuCl(CO)H(PPh 3 ) 2 (PMe 3 )
RuCl(CO)H(P i Pr 3 ) 2
RuCl(CO) 2 H(PPh 3 ) 2
Ru(CO)H(OCOCH 3 )(PPh 3 ) 2
RuH(OCOH)(PPh 3 ) 3
Ru(CO)H(PPh 3 ) 3
RuCl(CO)H(Ph 2 PCH 2 CH 2 PPh 2 )(PPh 3 ) および
RuCl(CO)H(Ph 2 PCH 2 PPh 2 )(PPh 3 )
(上式において、Phはフェニル基であり、Meはメチル基であり、 i Prはイソプロピル基であり、R 4 はメチル基またはエトキシ基である)で表される化合物群から選択されることを特徴とする請求項5の製造方法。 - 一般式(1):
- 一般式(2−3):
- Rがアリール基またはヘテロアリール基であって、前記アリール基および前記ヘテロアリール基はアルキル基、アルケニル基、アルキニル基またはジアリールアミノ基で置換されていてもよいことを特徴とする請求項9の化合物。
- 請求項10の化合物を含有することを特徴とする電界発光素子。
- 一般式(2−2):
- Rがアリール基またはヘテロアリール基であって、前記アリール基および前記ヘテロアリール基はアルキル基、アルケニル基、アルキニル基またはジアリールアミノ基で置換されていてもよいことを特徴とする請求項12の化合物。
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