JP3826051B2 - 小物回収容器 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、小物回収容器に係り、特に犬の糞などを簡易な手段で回収するのに好適な容器である。
【0002】
【従来の技術】
犬の糞を回収する器具として、従来から様々なものが提案されている。例えば、図6に示した糞回収器具は、柄1の先端に内筒2と外筒3とからなる筒状の収容部4を設け、前記内筒2の下部に弾力性のある花弁状の複数の爪部5を形成すると共に、柄1の内部を貫通するハンドル6の下端を内筒2の上端に連結したものである(実開昭63−199555号参照)。(イ)に示したように、使用時にはハンドル6を下げて外筒3から内筒2の爪部5を突出させ、その弾性力によって爪部5を開いておく。また、内筒2の内側にビニール袋7をセットし、ビニール袋7の口の方を内筒2の外側に折り返しておく。そして、その状態で糞8の上に収容部4を被せ、爪部5の先端で糞8をすくい取るようにしてハンドル6を引上げる。(ロ)に示したように、ハンドル6を引上げると内筒2が一緒に引上げられ、この内筒2を外筒3内に収納することで外側に張り出していた爪部5が押し縮められて閉じ、糞8をすくい取ることができる。その後、ビニール袋7の折り返してある口を閉じてからハンドル6を押し下げ、再び爪部5を押し広げてビニール袋7を収容部4から取り外すことで、ビニール袋7の中に回収された糞8を始末することができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の糞回収器具にあっては、内筒2の下部に設けた弾力性のある爪部5を外筒3の内側で上下動させることで開閉させる構造となっているので、爪部5の弾力性が大き過ぎるとハンドル6の引上げ操作が大変となる一方、爪部5の弾性力を小さくしてしまうと内筒2が下がって爪部5が開いてしまい、折角すくい取った糞8を落としてしまうおそれがある。また、内筒2の内面に沿ってビニール袋7をセットしても、糞回収器具を持ち運ぶ際にビニール袋7がずり落ちるおそれがある。さらに、糞回収器具が嵩張るために、犬を散歩させる時にいつも携帯するのは面倒であり、邪魔になってしまうことになる。
【0004】
そこで、本発明の目的は、犬の糞、その他の小物類を簡易な手段で確実に回収することのできる小物回収容器を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明の請求項1に係る小物回収容器は、下端に回収口が設けられ、上端に孔部が設けられたプラスチック容器と、このプラスチック容器内にセットされた回収袋とを備え、前記回収口の周囲に短冊状の弾性片を形成すると共に前記回収袋の開口側を前記弾性片の外側に折り返しておく一方、回収袋の底部側を孔部から引き出しておき、前記孔部から引き出しておいた回収袋の底部側をプラスチック容器の上方に引っ張ることによって、前記弾性片を内方に弾性変形させ、この弾性片で小物をすくい取るようにしたことを特徴とする。
【0006】
この発明によれば、プラスチック容器の回収口の周囲に短冊状の弾性片が形成され、且つプラスチック容器内にセットされた回収袋の開口側を前記弾性片の外側の折り返してあるので、犬の糞などを回収する場合にはプラスチック容器の回収口を糞の上に被せ、弾性片の下端を地面に接地した状態で回収袋をプラスチック容器の上方に引っ張ると、その引っ張り力によって弾性片が内方に弾性変形し、弾性片の上に犬の糞などをすくい取ることができる。
【0007】
また、前記プラスチック容器には使用済みのペットボトルを再利用することができるので、リサイクルによる資源の有効活用を図ることができる。
【0008】
さらに、上記弾性片は、プラスチック容器の回収口の周囲に沿って複数の縦方向の切込みを設けることによって容易に形成することができる。
【0009】
さらにまた、前記回収袋の底部が次第に窄まって形成されているので、プラスチック容器の上端に形成された孔部に回収袋の底部を挿入し易くなる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面に基づいて本発明に係る小物回収容器の実施形態を詳細に説明する。ここで、図1は本発明に係る糞回収容器の全体構造を示す分解斜視図、図2乃至図5図は糞回収容器を使って犬の糞を回収する手順を示す説明図である。
【0011】
図1に示されるように、この実施形態に係る糞回収容器は、下端に糞の回収口11が設けられた円筒状のプラスチック容器10と、このプラスチック容器10内にセットされる糞回収用のビニール袋12と、前記プラスチック容器10の回収口11を着脱可能に塞ぐカップ状の蓋体13とを備える。
【0012】
前記プラスチック容器10の回収口11の周囲には全周に亘って縦方向の切込み14が等間隔に設けられ、左右の切込み14に挟まれた短冊状の弾性片15を多数形成している。この弾性片15は、小さな短冊状に形成されていることから容易に弾性変形する。弾性片15が外方に弾性変形することで回収口11を開くことができる一方、内方に弾性変形することで回収口11を閉じることができる。弾性片15の弾性力は、短冊幅や切込み14の深さ、プラスチック容器10の材質などによって調整することができる。プラスチック容器10の材質としては、例えばペットボトルなどの材料として利用されているポリエチレンテレフタレートが好適であり、またペットボトルを上記プラスチック容器10として利用することも可能である。
【0013】
前記プラスチック容器10は胴体部分が寸胴に形成されており、肩部から上が次第に窄まって上端に孔部16を設けている。この孔部16は後述するビニール袋12の一部を引き出すためのもので、上記の回収口11よりかなり小さい。また、プラスチック容器10には吊下げ用の把手17が設けられ、この把手17の両方の下端部がプラスチック容器10の胴体部分の略中央部に回転可能に取り付けられている。
【0014】
前記プラスチック容器10内にセットされるビニール袋12は、図1に示したような円錐形状の透明袋であり、一端に開口部20を有すると共に他端には次第に窄まって細くなった底部21を有する。このビニール袋12をプラスチック容器10内にセットする場合には、先ずビニール袋12を逆さにして底部21側をプラスチック容器10の回収口11側から挿入し、図2に示したように、細くなっている底部21をプラスチック容器10の孔部16から引き出す。次に、ビニール袋12の開口部20側を前記弾性片15の外側に折り返して反転部22を形成する。そして、さらにビニール袋12をプラスチック容器10の内周面に押し付けてセットを完了する。
【0015】
次に、上記の糞回収容器を使って犬の糞を回収する手順を図2乃至図5に基づいて説明する。この糞回収容器は犬を散歩させる時に携帯しても邪魔になるものではなく、ビニール袋12をプラスチック容器10の中にセットし、回収口11を蓋体13で閉じた状態で把手17で吊り下げて持ち歩くことができる。そして、図2に示したように、犬が道端や公園などで糞25をした場合には、蓋体13を外してからプラスチック容器10の回収口11を糞25の上に被せ、弾性片15の下端を地面26に押し付ける。
【0016】
次いで、図3に示したように、片手27aでプラスチック容器10を押え付け、もう一方の手27bでプラスチック容器10の孔部16から飛び出しているビニール袋12の底部21を握ってプラスチック容器10の上方に引っ張り出す。すると、ビニール袋12は、反転部22が弾性片15の下端で地面26に押え付けられているので、ビニール袋12がピンと張られて弾性片15を一緒に引っ張ることになる。そのために、短冊状に形成されている弾性片15の一つ一つが内方に弾性変形して大きく撓み、その変形した弾性片15の上に犬の糞25をすくい取ることができる。この実施形態の弾性片15は、回収口11の周囲に小さく短冊状に配列された構成となっているので、ビニール袋12を引っ張る程度の力でも容易に弾性変形して回収口11を閉じ、プラスチック容器10の中に回収することができる。
【0017】
犬の糞25をすくい取った後は、ビニール袋12を引っ張ったままプラスチック容器10を地面26から離す。この状態では弾性片15が内方に弾性変形してプラスチック容器10の回収口11を閉じているので、すくい取った糞25が落ちることはない。次に、地面26から離したプラスチック容器10を、図4に示したように水平に保ち、ビニール袋12の引っ張り力を緩めて弾性片15を復帰させて回収口11を開く。さらに、ビニール袋12の開口部20側に折り返してあった反転部22を元に戻して、すくい取った糞25をプラスチック容器10の中に収容する。
【0018】
最後に、図5に示したように、ビニール袋12の開口部20の近くを縛ってプラスチック容器10内に押し込み、回収口11に蓋体13を被せる。また、把手17を回転させてプラスチック容器10を上下逆にして吊下げる。こうすることで、上向きとなったプラスチック容器10の回収口11を蓋体13でしっかり押えることができるので、蓋体13が外れてプラスチック容器10から糞25が落ちるような心配もなく、また糞25からの悪臭を確実に防ぐことができるので、安心して犬の散歩を続けることができる。犬の散歩を終えて家に戻ったら蓋体13を外してビニール袋12を回収口11側から取り出し、ビニール袋12ごと糞25を始末する。
【0019】
なお、上述の実施形態は犬の糞を始末する場合について説明したが、プラスチック容器10内に回収する小物が犬の糞に限られないのは勿論である。
【0020】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る小物回収容器によれば、プラスチック容器の回収口の周囲に内方に弾性変形する弾性片を設けてすくい取るようにしたので、犬の糞などの小物を簡易な手段でしかも確実に回収できるといった効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る小物回収容器の分解斜視図である。
【図2】本発明の小物回収容器を糞の上に被せた状態を示す説明図である。
【図3】本発明の小物回収容器の弾性片で糞をすくい取る時の説明図である。
【図4】本発明の小物回収容器の中に糞をすくい取った状態を示す説明図である。
【図5】本発明の小物回収容器に糞が回収された状態を示す説明図である。
【図6】従来の糞回収器具の一例を示す説明図である。
【符号の説明】
10 プラスチック容器
11 回収口
12 ビニール袋(回収袋)
14 切込み
15 弾性片
16 孔部
20 開口部
21 底部
25 糞(小物)

Claims (4)

  1. 下端に回収口が設けられ、上端に孔部が設けられたプラスチック容器と、このプラスチック容器内にセットされた回収袋とを備え、
    前記回収口の周囲に短冊状の弾性片を形成すると共に前記回収袋の開口側を前記弾性片の外側に折り返しておく一方、回収袋の底部側を孔部から引き出しておき、
    前記孔部から引き出しておいた回収袋の底部側をプラスチック容器の上方に引っ張ることによって、前記弾性片を内方に弾性変形させ、この弾性片で小物をすくい取るようにしたことを特徴とする小物回収容器。
  2. 前記プラスチック容器がペットボトルを利用してなる請求項1記載の小物回収容器。
  3. 前記弾性片がプラスチック容器の回収口に沿って設けられた複数の縦方向の切込みによって形成されてなる請求項1記載の小物回収容器。
  4. 前記回収袋の底部が次第に窄まって形成されてなる請求項1記載の小物回収容器。
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