JP3825433B2 - レーザ溶接装置及びレーザ溶接方法 - Google Patents

レーザ溶接装置及びレーザ溶接方法 Download PDF

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Description

本発明は、レーザ溶接装置及びレーザ溶接方法に関し、特に、レーザビームを用いて溶接するレーザ溶接装置及びレーザ溶接方法に関する。
溶接熱源として高エネルギーのレーザビームを利用するレーザ溶接が知られている。このようなレーザ溶接は、深溶け込み溶接が得られ、熱影響部が狭く、ひずみが生じにくいことが特徴であり、精密な溶接が必要であるときに利用されている。このようなレーザ溶接では、溶接部にシールドガスを噴射させ、溶接部の溶融金属を大気から保護することが必要である。このレーザ溶接に用いられる溶接ヘッドは、よりコンパクトであることが望まれている。
特開2001−321976号公報には、レーザビームの位置合わせ、移動を高精度に行い、被溶接材の溶接部に酸化膜が生成したりガスを巻き込むことを抑制するレーザ溶接装置が開示されている。そのレーザ溶接装置は、レーザ溶接ヘッドの収束レーザ照射口に、被溶接材に向かうイナートガスノズルが同軸状に設けられている。そのレーザ溶接装置は、さらに、このイナートガスノズルの外周側に、1個以上のシールドガスノズルが設けられている。そのレーザ溶接装置は、さらに、半導体レーザと、バンドパスフィルタと、撮像手段と、画像処理手段とを有するレーザ溶接ヘッドの位置姿勢制御装置が設けられている。そのレーザ溶接装置は、さらに、このイナートガスノズルの外周側に、吸引ノズルがイナートガスと同心状に設けられている。このようなレーザ溶接装置によれば、溶融部周辺のガスの流れは、円滑になり、外気に対するシールド性が高まる。しかも、溶融部周辺のガスの気流の乱れが抑止されて、溶融部内へのガスの混入・拡散を極力抑制することも可能になる。
特開2001−321976号公報
本発明の課題は、ノズルが短いレーザ溶接装置及びレーザ溶接方法を提供することにある。
本発明の他の課題は、レーザビームを収束するレンズの破損を防止するレーザ溶接装置及びレーザ溶接方法を提供することにある。
本発明のさらに他の課題は、ノズルがより小さいレーザ溶接装置及びレーザ溶接方法を提供することにある。
本発明のさらに他の課題は、ダイオードレーザ発振器が適用されるレーザ溶接装置及びレーザ溶接方法を提供することにある。
以下に、発明を実施するための最良の形態・実施例で使用される符号を括弧付きで用いて、課題を解決するための手段を記載する。この符号は、特許請求の範囲の記載と発明を実施するための最良の形態・実施例の記載との対応を明らかにするために付加されたものであり、特許請求の範囲に記載されている発明の技術的範囲の解釈に用いてはならない。
本発明によるレーザ溶接装置(1)のノズルは、金属を加熱するレーザビーム(81)を溶接部に照射するレーザ照射口(22)と、レーザ照射口(22)の周囲を取り囲むガス噴射口(24)(26)とを形成している。ノズルは、レーザ照射口(22)とガス噴射口(24)(26)とを区切るインナーノズル(11)を備えている。ガス噴射口(24)(26)は、そのシールドガスを溶接部に噴射する。このとき、ガス噴射口(24)(26)に供給されるシールドガスは、流れの乱れが小さい。このため、レーザ溶接装置(1)は、シールドガスの流れを整えるためにノズルを長くする必要がなく、ノズルを短縮することができる。レーザ溶接装置(1)は、レーザビーム(81)のレーザ発振器から焦点までの距離を長くすることができないレーザ発振器を適用することができる。
レーザ照射口(22)は、更に、シールドガスを溶接部に噴射することが好ましい。このとき、レーザ照射口(22)から溶接部に供給されるシールドガスは、溶接部から発生するヒュームがレーザ照射口(22)からレーザヘッドに侵入することを防止して、レーザビーム(81)を収束するレンズを保護する保護ガラス(7)の破損を防止する。
ノズルは、レーザ照射口(22)とガス噴射口(24)(26)とを区切るインナーノズル(11)を備えている。インナーノズル(11)は、ガス噴射口(24)(26)に供給されるシールドガスをレーザ照射口(22)に供給する穴(44)が形成されている。このとき、レーザ溶接装置(1)は、ノズルをよりコンパクトに形成することができる。
本発明によるレーザ溶接装置(1)は、他のガス供給口から供給されるシールドガスをレーザ照射口(22)に供給する流路を更に備えている。このとき、レーザ溶接装置(1)は、ガス噴射口(24)(26)から噴射されるシールドガスとガス種、圧力、流量が異なるシールドガスをレーザ照射口(22)から噴射することができ好ましい。
本発明によるレーザ溶接装置(1)は、外側ガス流路(25)に配置される整流板(16)を更に備えている。整流板(16)は、透過するシールドガスの流れの乱れを整える。このとき、レーザ溶接装置(1)は、シールドガスの流れが整うまでノズルを長くする必要がなく、ノズルを短縮することができる。
ノズルは、ガス噴射口(24)(26)から噴射されるシールドガスの衝突点(85)がレーザビーム(81)の焦点(82)よりレーザ照射口(22)に近い側に配置されるように、形成される。その衝突点は、シールドガスが噴射する方向の交点であり、シールドガスの圧力が最大となる点である。このとき、ガス噴射口(24)(26)から噴射されるシールドガスは、溶接部から発生するヒュームがレーザ照射口(22)からレーザヘッドに侵入することを防止して、レーザビーム(81)を収束するレンズを保護する保護ガラス(7)の破損を防止する。
ガス噴射口は、内側ガス噴射口(24)と、内側ガス噴射口(24)の周囲を取り囲む外側ガス噴射口(26)とを含んでいることが好ましい。このとき、マニホールド(10、21、14)は、内側ガス供給口から供給される内側シールドガスを内側ガス噴射口(24)に複数の内側ガス流出穴(43)を介して供給する内側マニホールド(10、21)と、外側ガス供給口から供給される外側シールドガスを外側ガス噴射口(26)に複数の外側ガス流出穴(41、51)を介して供給する外側マニホールド(10、21、14)とを含んでいる。すなわち、レーザ照射口(22)を囲むガス噴射口(24)(26)は、複数であることが好ましい。このとき、レーザ溶接装置(1)は、ガス種、圧力、流量が異なる複数のシールドガスを複数のガス噴射口(24)(26)にそれぞれ独立に供給することができる。
レーザビーム(81)は、ダイオードレーザ発振器により放射される。すなわち、レーザ溶接装置(1)は、レーザビーム(81)のレーザ発振器としてダイオードレーザ発振器を適用することが好ましい。
本発明によるレーザ溶接方法は、本発明によるレーザ溶接装置(1)を用いて溶接部を溶接して溶接物を生産する方法である。本発明によるレーザ溶接方法は、ガス噴射口(24)(26)から溶接部にシールドガスを噴射するステップと、噴射するステップと並行して、レーザ照射口(22)から溶接部にレーザビーム(81)を照射するステップとを備えていることが好ましい。
本発明によるレーザ溶接装置及びレーザ溶接方法は、ノズルを短縮することができ、その結果、レーザビームのレーザ発振器から焦点までの距離を長くすることができないレーザ発振器を適用してレーザ溶接することができる。
図面を参照して、本発明によるレーザ溶接装置の実施の形態を記載する。そのレーザ溶接装置1は、図1に示されているように、レーザヘッド2とノズルヘッド3とから形成されている。レーザヘッド2は、概ね円柱を形成し、レーザヘッド本体5とガラスホルダー6とを備えている。レーザヘッド本体5は、図示されていないダイオードレーザ発振器とレンズとを内部に備えている。そのダイオードレーザ発振器は、半導体から形成され、その半導体のpn接合部に電子とホールとが流れるときに、発振波長が0.808μmであるレーザビームを誘導放射する。そのレンズは、そのレーザビームを1つの焦点に収束させる。ガラスホルダー6は、レーザヘッド本体5に固定され、保護ガラス7を内部に備えている。保護ガラス7は、そのレーザビームを透過するガラスから形成され、そのダイオードレーザ発振器とレンズとをノズルヘッド3の側から浸入する異物により破損することを保護している。
ノズルヘッド3は、ノズルベース8とブランチスペーサ10とインナーノズル11とアウターノズル12とリングホルダー14とスカートノズル15と整流板16とを備えている。ノズルベース8は、レーザヘッド2に着脱可能に取り付けられている。ノズルベース8は、外部のボンベから供給されるシールドガスをとり入れる2系統のガス供給口17を備えている。すなわち、ガス供給口17は、内側ガス供給口と外側ガス供給口とから形成されている。ノズルベース8は、さらに、中央に穴が形成されてレーザヘッド2から放射されるレーザビームが通過する通路18の一部分を形成している。
ブランチスペーサ10は、中央に穴が形成されて通路18の一部分を形成している。インナーノズル11は、ノズル円錐部分19とマニホールド部分21とから形成されている。ノズル円錐部分19は、円錐の側面を形成し、中央に穴が形成されて通路18の一部分を形成し、円形のレーザ照射口22を形成している。マニホールド部分21は、平坦な円盤を形成している。アウターノズル12は、ノズル円錐部分19とともに、内側ガス流路23を形成し、内側ガス噴射口24を形成している。すなわち、内側ガス流路23は、ノズル円錐部分19とアウターノズル12とに挟まれた空間である。内側ガス噴射口24は、レーザ照射口22と同心に円状に形成され、レーザ照射口22の外側周囲を取り囲んでいる。スカートノズル15は、アウターノズル12とともに、外側ガス流路25を形成し、外側ガス噴射口26を形成している。すなわち、外側ガス流路25は、アウターノズル12とスカートノズル15とに挟まれた空間である。外側ガス噴射口26は、レーザ照射口22と内側ガス噴射口24と同心に円状に形成され、内側ガス噴射口24の外側周囲を取り囲んでいる。
整流板16は、複数枚の銅製のメッシュが重ねられて形成され、外側ガス流路25に配置されている。整流板16の上流側のシールドガスは、整流板16を透過することにより、層流のシールドガスに変換されて下流側に出力される。なお、整流板16は、メッシュに限られないで、案内羽根、多孔板から形成される整流板に置換することもできる。
図2は、インナーノズル11をより詳細に示している。インナーノズル11は、貫通穴40、41、42、43、44が形成されている。貫通穴40は、ノズル円錐部分19が形成する円錐の頂点部分に円形に形成され、レーザ照射口22を形成している。貫通穴41は、マニホールド部分21に14個が形成され、それぞれ、貫通穴40の中心と同心の円45の上に配置され、隣接する2つの貫通穴が概ね等距離になるように配置されている。貫通穴41は、さらに、それぞれ、ブランチスペーサ10に形成される流路を介してノズルベース8の外側ガス供給口に繋がっている。貫通穴42は、マニホールド部分21に4個が形成され、それぞれ、貫通穴40の中心と同心の円46の上に配置されている。貫通穴43は、マニホールド部分21に6個が形成され、それぞれ、貫通穴40の中心と同心の円47の上に配置されている。貫通穴43は、それぞれ、ブランチスペーサ10に形成される流路を介してノズルベース8の外側ガス供給口に繋がっている。貫通穴43は、さらに、それぞれ、隣接する2つの貫通穴が概ね等距離になるように配置されている。貫通穴44は、ノズル円錐部分19に6個が形成され、それぞれ、通路18と内側ガス流路23とを繋げている。貫通穴44は、さらに、隣接する2つの貫通穴が概ね等距離になるように配置され、それぞれ、貫通穴43から貫通穴40の中心に近い側に配置されている。
図3は、リングホルダー14を詳細に示している。リングホルダー14は、貫通穴50、51、52が形成されている。貫通穴50は、中央に配置され、内部にインナーノズル11のノズル円錐部分19とアウターノズル12とが配置される。貫通穴50は、内壁に雌ねじ53が形成されている。アウターノズル12は、外壁に雄ねじが形成され、その雄ねじが雌ねじ53に締結されてリングホルダー14に固定される。貫通穴51は、貫通穴50の中心と同心の円54の上に配置される14個の貫通穴から形成され、それぞれ、インナーノズル11の貫通穴41に繋がっている。貫通穴52は、4個の貫通穴から形成され、それぞれ、インナーノズル11の貫通穴42に繋がっている。貫通穴52には、図示されていないボルトが挿入される。そのボルトは、さらに、インナーノズル11の貫通穴42とブランチスペーサ10の貫通穴32とに挿入されてノズルベース8に締結され、ブランチスペーサ10とインナーノズル11とリングホルダー14とをノズルベース8に固定している。リングホルダー14は、さらに、側面にスカートノズル12の内壁を嵌め合わされて、リングホルダー14をノズルベース8に固定している。
すなわち、ブランチスペーサ10は、インナーノズル11とともに、ノズルベース8の内側ガス供給口から供給されるシールドガスを内側ガス流路23に複数の貫通穴43を介して供給するマニホールドを形成している。ブランチスペーサ10は、さらに、インナーノズル11とリングホルダー14とともに、ノズルベース8の外側ガス供給口から供給されるシールドガスを外側ガス流路25に複数の貫通穴51を介して供給するマニホールドを形成している。
図4は、溶接熱源であるレーザビームの経路と内側ガス噴射口24から噴射されるシールドガスの経路とを示している。そのレーザビーム81は、レーザヘッド2から通路18を通ってレーザ照射口22から外部に放射され、焦点82に収束する。金属母材の溶接部83は、焦点82に重なるように配置されることにより、加熱されて溶融し、溶接される。そのシールドガス84は、焦点83より1mmだけレーザ照射口22に近い衝突点85に向けて内側ガス噴射口24から噴射される。このとき、シールドガス84は、圧力が衝突点85で最大になる。すなわち、インナーノズル11のノズル円錐部分19とアウターノズル12とは、シールドガス84が衝突点85に向かって噴射されるように形成されている。
本発明によるレーザ溶接方法の実施の形態は、溶接対象の金属母材を溶接して溶接物を生産する方法であり、レーザ溶接装置1を用いて実行される。その金属母材としては、アルミニウム合金が例示される。その溶接物としては、航空機、宇宙機が例示される。レーザ溶接装置1のガス供給口17には、外側ガス供給口と内側ガス供給口とが設けられている。レーザ溶接装置1は、まず、外側ガス供給口と内側ガス供給口とにそれぞれガスボンベが接続される。次いで、外側ガス供給口に外側シールドガスが所定の圧力(流量)で供給され、内側ガス供給口に内側シールドガスが所定の圧力(流量)で供給される。その外側シールドガスは、外側ガス供給口から複数の貫通穴51を介して外側ガス流路25に供給される。その外側シールドガスは、次いで、整流板16を透過して外側ガス噴射口26から噴射される。このとき、外側シールドガスは、外側ガス噴射口26から円周方向に一様の流速で噴射され、概ね層流で噴射される。
その内側シールドガスは、内側ガス供給口から複数の貫通穴43を介して内側ガス流路23に供給され、内側ガス噴射口24から噴射される。このとき、内側シールドガスは、内側ガス噴射口24から円周方向に一様の流速で噴射され、概ね層流で噴射される。内側シールドガスは、さらに、衝突点に向けて噴射される。その内側シールドガスは、さらに、内側ガス流路23から貫通穴44を介して通路18に供給され、レーザ照射口22から噴射される。
図5(A)は、外側シールドガスを整流板を介して流した時のシュリーレン法によるガス流評価及び溶接部の外観を示し、図5(B)は、そうでないときのシュリーレン法によるガス流評価及び溶接部の外観を示している。整流板を介していない場合には、ガス流は乱流となり、かつノズルの円周方向にも均一に流れていないことが分かる。一方、整流板を介することによりガス流はノズルの円周方向に一様の流速で噴射され、かつ概ね層流で噴射されていることが分かる。また外側ガス流を整流板を介して流した際の溶接部の外観は、そうでない場合に比べて溶接部の表面の酸化が著しく低減していることが分かる。
図6は、A6061アルミニウム合金の溶接部の断面ミクロ組織を示している。溶接金属内にシールドガスあるいは大気を巻きこむことにより発生する気孔は、レーザ溶接装置1を使用することによって低減可能である。図7は、A6061アルミニウム合金溶接部の溶接部断面に占める内部欠陥の割合を示している。その溶接部断面に占める内部欠陥の割合は、従来型のシールドガス流れをノズル内で最適化していないシールド方法で約12.8%であったものを、レーザ溶接装置1を使用することによって約0.5%まで抑えることが可能となる。
レーザ溶接装置1は、これらのシールドガスを噴射しながら、溶接対象の溶接部にレーザビームを照射する。その溶接部は、そのレーザビームにより加熱され溶融して溶接され、これらのシールドガスにより大気と隔離されて酸化が防止される。そのシールドガスは、ノズルヘッドが短いときに、流れが乱れて溶接部を大気と十分に隔離することができないことがある。レーザ溶接装置1によれば、シールドガスは、円周方向に一様の流速で概ね層流で溶接部に噴射されることにより、その溶接部の酸化をより確実に防止することができる。レーザ溶接装置1は、さらに、外側シールドガスの圧力と内側シールドガスの圧力とがそれぞれ適当に設定されることにより、これらのシールドガスの流れの乱れをさらに円滑にすることができ、その溶接部の酸化をさらに確実に防止することができる。
レーザ溶接装置1は、ガス種が異なる2つのシールドガスを外側ガス噴射口26と内側ガス噴射口24とからそれぞれ噴射することができる。たとえば、レーザ溶接装置1は、ヘリウムHeを内側ガス噴射口24から噴射し、アルゴンArを外側ガス噴射口26から噴射することができる。ヘリウムHeは、一般に、溶接部を冷却する効果が高く、レーザ溶接のシールドガスとして利用されることが好ましい。レーザ溶接装置1は、ヘリウムHeより安価であるアルゴンArとともにヘリウムHeを噴射することにより、より安価に溶接部を冷却する効果を高めることができる。レーザ溶接装置1は、さらに、鉄鋼材料をレーザ溶接するときに、窒素Nを内側ガス噴射口24から噴射し、アルゴンArを外側ガス噴射口26から噴射することができる。このとき、レーザ溶接装置1は、その窒素Nにより溶接部を窒化して硬化させることができる。
溶接部は、さらに、溶接時に金属蒸気であるヒュームを発生する。そのヒュームは、ノズルヘッドが短いときに、レーザ照射口から浸入しレーザヘッドの部品に付着して、レーザヘッドを破損することがある。レーザ溶接装置1によれば、そのヒュームは、衝突点に向かうシールドガスとレーザ照射口22から噴射されるシールドガスとにより、レーザ照射口22からレーザヘッドに侵入することが防止され、レーザビーム81を収束するレンズを保護する保護ガラス7の破損が防止される。
レーザ溶接装置1は、ノズルヘッド3が短く、レーザビームのレーザ発振器から焦点までの距離を長くすることができないレーザ発振器を適用することができる。ダイオードレーザ発振器は、放射するレーザビームがアルミニウムにおける吸収特性が高く、アルミニウムを高速度溶接することに適している。ダイオードレーザ発振器は、しかしながら、広い拡散角度でレーザを放射しているために、他のレーザ発振器に比べ集光特性に劣り短焦点である。レーザ溶接装置1は、このようなダイオードレーザ発振器を適用し、アルミニウムを高速度溶接することができる。
本発明によるレーザ溶接装置の実施の他の形態は、既述の実施の形態におけるレーザ溶接装置1のノズルベース8が他のノズルベースに置換され、ブランチスペーサ10が他のブランチスペーサに置換され、インナーノズル11が他のインナーノズルに置換されている。
そのノズルベースは、レーザヘッド2に着脱可能に取り付けられている。そのノズルベースは、外部のボンベから供給されるシールドガスをとり入れる3系統のガス供給口を備えている。そのガス供給口は、中央ガス供給口と内側ガス供給口と外側ガス供給口とから形成されている。そのノズルベースは、さらに、中央に穴が形成されてレーザヘッド2から放射されるレーザビームが通過する通路18の一部分を形成している。
図8は、他のインナーノズルを示している。そのインナーノズル70は、ノズル円錐部分71とマニホールド部分72とから形成されている。ノズル円錐部分71は、円錐の側面を形成し、中央に穴が形成されて通路18の一部分を形成し、円形のレーザ照射口22を形成している。マニホールド部分72は、平坦な円盤を形成している。インナーノズル70は、貫通穴73、74、75、76が形成されている。貫通穴73は、ノズル円錐部分72が形成する円錐の頂点部分に円形に形成され、レーザ照射口22を形成している。貫通穴74は、マニホールド部分71に14個が形成され、それぞれ、貫通穴73の中心と同心の円77の上に配置されている。貫通穴74は、さらに、それぞれ、隣接する2つの貫通穴が概ね等距離になるように配置されている。貫通穴75は、マニホールド部分71に4個が形成され、それぞれ、貫通穴73の中心と同心の円78の上に配置されている。貫通穴76は、マニホールド部分71に6個が形成され、それぞれ、貫通穴73の中心と同心の円79の上に配置されている。貫通穴76は、さらに、それぞれ、隣接する2つの貫通穴が概ね等距離になるように配置されている。
貫通穴73は、他のブランチスペーサに形成される流路を介してそのノズルベースの中央ガス供給口に繋がっている。貫通穴74は、それぞれ、他のブランチスペーサに形成される流路を介してそのノズルベースの外側ガス供給口に繋がっている。貫通穴76は、それぞれ、他のブランチスペーサに形成される流路を介してそのノズルベースの内側ガス供給口に繋がっている。すなわち、そのブランチスペーサは、インナーノズル70とともに、ノズルベースの内側ガス供給口から供給されるシールドガスを内側ガス流路23に複数の貫通穴76を介して供給するマニホールドを形成している。そのブランチスペーサは、さらに、インナーノズル70とリングホルダー14とともに、ノズルベースの外側ガス供給口から供給されるシールドガスを外側ガス流路25に複数の貫通穴51を介して供給するマニホールドを形成している。
本実施の形態におけるレーザ溶接装置は、レーザ照射口22と内側ガス噴射口24と外側ガス噴射口26とから噴射される複数のシールドガスの圧力をそれぞれ独立に設定することができる。このため、このようなレーザ溶接装置は、その圧力を適当に設定することにより、これらのシールドガスの流れの乱れをさらに円滑にすることができ、その溶接部の酸化をさらに確実に防止することができる。
図1は、本発明によるレーザ溶接装置の実施の形態を示す断面図である。 図2は、インナーノズルを示す平面図である。 図3は、リングホルダーを示す平面図である。 図4は、溶接熱源であるレーザビームの経路を示し、内側ガス噴射口から噴射されるシールドガスの経路を示す断面図である。 図5は、外側シールドガスを整流板を介して流した時のシュリーレン法によるガス流評価及び溶接部の外観を示し、外側シールドガスを整流板を介さないで流した時のシュリーレン法によるガス流評価及び溶接部の外観を示す図である。 図6は、A6061アルミニウム合金の溶接部の断面ミクロ組織を示す図である。 図7は、A6061アルミニウム合金溶接部の溶接部断面に占める内部欠陥の割合を示すグラフである。 図8は、他のインナーノズルを示す平面図である。
符号の説明
1 :レーザ溶接装置
2 :レーザヘッド
3 :ノズルヘッド
5 :レーザヘッド本体
6 :ガラスホルダー
7 :保護ガラス
8 :ノズルベース
10:ブランチスペーサ
11:インナーノズル
12:アウターノズル
14:リングホルダー
15:スカートノズル
16:整流板
17:ガス供給口
18:通路
19:ノズル円錐部分
21:マニホールド部分
22:レーザ照射口
23:内側ガス流路
24:内側ガス噴射口
25:外側ガス流路
26:外側ガス噴射口
40〜44:貫通穴
45〜47:円
50〜52:貫通穴
53:雌ねじ
54:円
81:レーザビーム
82:焦点
83:溶接部
84:シールドガス
85:衝突点

Claims (6)

  1. 金属を加熱するレーザビームを溶接部に照射するレーザ照射口と、前記レーザ照射口の周囲を取り囲む内側ガス噴射口と、前記内側ガス噴射口の周囲を更に取り囲む外側ガス噴射口とを形成するノズルと、
    ガス供給口から供給されるシールドガスを前記内側ガス噴射口と前記外側ガス噴射口とに複数のガス流出穴を介して供給するマニホールドとを具備し、
    前記内側ガス噴射口は、前記シールドガスを前記溶接部に噴射し、
    前記外側ガス噴射口は、前記シールドガスを前記溶接部に噴射し、
    前記ノズルは、前記レーザ照射口と前記ガス噴射口とを区切るインナーノズルを備え、
    前記インナーノズルは、前記ガス噴射口に供給されるシールドガスを前記レーザ照射口に供給する穴が形成され
    前記内側ガス噴射口は、前記内側ガス噴射口から噴射されるシールドガスの衝突点が前記レーザビームの焦点より前記レーザ照射口に近い側に配置されるように、形成される
    レーザ溶接装置。
  2. 金属を加熱するレーザビームを溶接部に照射するレーザ照射口と、前記レーザ照射口の周囲を取り囲む内側ガス噴射口と、前記内側ガス噴射口の周囲を取り囲む外側ガス噴射口とを形成するノズルと、
    ガス供給口から供給されるシールドガスを前記内側ガス噴射口と前記外側ガス噴射口とに複数のガス流出穴を介して供給するマニホールドと、
    他のガス供給口から供給されるシールドガスを前記レーザ照射口に供給する流路とを具備し、
    前記ノズルは、前記レーザ照射口と前記内側ガス噴射口とを区切るインナーノズルを備え、
    前記内側ガス噴射口は、前記シールドガスを前記溶接部に噴射し、
    前記外側ガス噴射口は、前記シールドガスを前記溶接部に噴射し、
    前記レーザ照射口は、シールドガスを前記溶接部に噴射し、
    前記内側ガス噴射口は、前記内側ガス噴射口から噴射されるシールドガスの衝突点が前記レーザビームの焦点より前記レーザ照射口に近い側に配置されるように、形成される
    レーザ溶接装置。
  3. 請求項1または請求項2のいずれかにおいて、
    前記ガス流出穴と前記外側ガス噴射口との間に配置される整流板
    を更に具備するレーザ溶接装置。
  4. 請求項1〜請求項3のいずれかにおいて、
    前記ガス供給口は、内側ガス供給口と外側ガス供給口とを備え、
    前記マニホールドは、
    前記内側ガス供給口から供給されるシールドガスを前記内側ガス噴射口に供給する内側流路と、
    前記外側ガス供給口から供給されるシールドガスを前記外側ガス噴射口に供給する外側流路とを備える
    レーザ溶接装置。
  5. 請求項1〜請求項4のいずれかにおいて、
    前記レーザビームは、ダイオードレーザ発振器により放射される
    レーザ溶接装置。
  6. 請求項1〜請求項5のいずれかに記載されているレーザ溶接装置を用いて前記溶接部を溶接して溶接物を生産するレーザ溶接方法であり、
    前記ガス噴射口から前記溶接部にシールドガスを噴射するステップと、
    前記噴射するステップと並行して、前記レーザ照射口から前記溶接部に前記レーザビームを照射するステップ
    とを具備するレーザ溶接方法。
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