JP2016120506A - レーザ溶接方法 - Google Patents

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大地 住森
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晋吾 伊藤
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啓市 鈴木
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啓市 鈴木
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Abstract

【課題】厚板(例えば、鉄鋼材に関しては板厚50mm以上)に対して、高品質のレーザ溶接を簡便かつ安定的に行うことができるレーザ溶接方法を提供する。
【解決手段】不活性ガスを導入したチャンバー内に形成した低真空雰囲気下で被溶接部材にレーザ光を照射して溶接部を形成せる溶接工程を有し、溶接工程におけるレーザ出力を30〜100kWとし、前記チャンバーを減圧することで、溶接工程における低真空雰囲気の全圧を調整すること、を特徴とする溶接方法。
【選択図】図2

Description

本発明はレーザ溶接方法に関し、より具体的には、厚板に対する高品質のレーザ溶接を簡便かつ安定的に行うことができるレーザ溶接方法に関する。
高エネルギー密度のビームを集中させるレーザ溶接は、アーク溶接と比較して深溶け込みが得られやすい。また、比較的小さな入熱量で深溶け込みが得られるため、被溶接材の変形量が小さく、被溶接材に与える熱影響も小さくなる。このような種々の利点を有するレーザ溶接は、造船や自動車に代表される各種構造物の製造現場における利用が急速に拡大している。
一方で、構造物の多様化に伴って厚板に対する溶接が求められており、特に深い溶け込み深さが求められる場合には、主として電子ビーム溶接が検討されてきた。例えば、特殊な大型の電子ビーム溶接装置を用いることで、SUS304ステンレス鋼板に対して10cm以上の溶け込み深さが得られている(非特許文献1)。しかしながら、電子ビーム溶接は高真空環境下で行う必要があり、装置が複雑かつ高価になると共に、被接合材のサイズも制限されてしまう。
これに対し、近年、レーザ溶接においても厚板溶接に関する種々の検討がなされている。例えば、特許文献1(特開2011−240365号公報)においては、低真空雰囲気下で、レーザ光により溶接を行うレーザ溶接装置であって、レーザ光の光軸に沿って、溶接部と所定の間隔を設けて配置され、上端には透過窓が設けられ、下端は雰囲気制御域内に開口しているシールドガス筒と、当該シールドガス筒の透過窓側からシールドガス筒内部へシールドガスを導入するシールドガス供給手段と、を備えていることを特徴とするレーザ溶接装置が提案されている。
前記特許文献1に記載のレーザ溶接装置においては、透過窓と溶接部との間にエアシールドが形成されるため、低真空下において非常に速い速度で透過窓方向に噴出する金属蒸気の飛翔をブロックして、透過窓への金属蒸気の付着を防止することができ、低真空雰囲気下において、十分な溶け込み深さが確保される溶接を長時間安定して行うことができる、としている。
特開2011−240365号公報
Yoshiaki Arata and Michio Tomie,100−kW Class Electron Beam Welding Technology (Report I) ―Welding Apparatus and Some Aspects as a Heat Source―,Transactions of JWRI,Vol.2,No.1,1973 pp.17−20
しかしながら、前記特許文献1に記載のレーザ溶接装置を用いて得られる溶け込み深さは低真空雰囲気の全圧を最適化した場合であっても、鉄鋼材に関して50mm未満であり、当該レーザ溶接装置は50mm未満程度の溶け込み深さしか想定されていない。つまり、公知の従来技術においては、より厚い金属板材(鉄鋼材に関しては板厚50mm以上)を簡便かつ安定的にレーザ溶接する方法は存在しない。
以上のような従来技術における問題点に鑑み、本発明の目的は、厚板(例えば、鉄鋼材に関しては板厚50mm以上)に対して、高品質のレーザ溶接を簡便かつ安定的に行うことができるレーザ溶接方法を提供することにある。
本発明者は上記目的を達成すべく、厚板に対するレーザ溶接方法について鋭意研究を重ねた結果、厚板に対して高品質のレーザ溶接を簡便かつ安定的に行うためには、低真空雰囲気下におけるレーザ溶接において、レーザ出力を30kW以上とする必要があること等を見出し、本発明に到達した。
即ち、本発明は、
不活性ガスを導入したチャンバー内に形成した低真空雰囲気下で被溶接部材にレーザ光を照射して溶接部を形成させる溶接工程を有し、
前記溶接工程におけるレーザ出力を30〜100kWとし、
前記チャンバーを減圧することで、前記溶接工程における前記低真空雰囲気の全圧を調整すること、
を特徴とする溶接方法、を提供する。
一般的にレーザ溶接は大気圧雰囲気下で行われるが、低出力のレーザを用いて低真空雰囲気下で溶接を行うことによって、溶け込み深さを確保しつつポロシティ(溶接金属中の気孔や空孔)発生の抑制が可能であることが報告されている(例えば、阿部洋平他3名著「低真空中における高出力ファイバーレーザ溶接性」溶接学会全国大会講演概要 第85集(2009−9)142、143頁を参照)。
これに対し、本発明者は低真空雰囲気下においてレーザ出力を30〜100kWと極端に大きくすることで、顕著な溶け込み深さ(例えば、鉄鋼材に関しては50mm以上の溶け込み深さ)が得られることを見出した。ここで、レーザ出力を30kW以上とすることで、金属厚板材(鉄鋼材に関しては板厚50mm以上)を安定的にレーザ溶接することができ、レーザ出力を100kW以下とすることで、現状存在する産業利用可能なレーザ発振機を用いて溶接を行うことができる。
本発明の溶接方法において、「低真空雰囲気」とは、0.01〜30kPa程度の圧力である雰囲気を意味する。
本発明の溶接方法においては、前記レーザ光の光軸に沿って、前記被溶接材と所定の間隔を設けて配置され、上端には透過窓が設けられ、下端は雰囲気制御域内に開口しているシールドガス筒と、前記シールドガス筒の前記透過窓側から前記シールドガス筒内部へシールドガスを導入するシールドガス供給手段と、を用いること、が好ましい。
低真空雰囲気下における溶接の場合、レーザ光の照射により発生する金属蒸気(プルーム)が100m/s(時速360km)という高速で噴出するため、金属蒸気がレーザ光透過窓にまで達して付着することを防止することが困難である。ここで、溶接箇所から噴出して透過窓に付着した金属蒸気はレーザ光を遮り、溶接を不安定にさせるため、安定して十分な溶け込み深さが確保された溶接を行うことが困難となり、溶接品質がばらついてしまう。更に、金属蒸気の付着が進行すると透過窓が破損するか、溶接自体が不能となる。本発明の溶接方法においてはレーザ出力が30〜100kWと極端に大きいため、これらの問題は特に深刻となる。
これに対し、本発明の溶接方法においては、透過窓と溶接部との間にエアシールドが形成されるため、低真空環境下において透過窓方向へ噴出する高速の金属蒸気がブロックされ、透過窓への付着を抑制することができる。その結果、低真空環境下において十分な溶け込み深さが安定して長時間確保できると共に、ポロシティの発生が抑制された高品質な溶接が達成される。
特に、本発明の溶接方法においては、エアシールドを形成する装置の構造として、金属蒸気が侵入し難い筒状体(シールドガス筒)を採用し、更に、シールドガス筒と溶接部との間に金属蒸気が周囲に飛散できると共に、シールドガスが溶接部に直接吹き付けられることがない一定の間隔を設けることが好ましい。透過窓側から溶接部側に向けて流れるシールドガスによりエアシールドを形成させることで、金属蒸気の透過窓への付着を効果的に抑制することができる。
ここで、シールドガス筒と溶接部との間に設けられる「所定の間隔」としては、具体的には50〜300mm程度が好ましい。
また、本発明の溶接方法においては、焦点距離が350mm以上の長焦点レーザ溶接装置を用いること、が好ましい。焦点距離が350mm以上の長焦点レーザ溶接装置を用いることで、焦点深度が深くレイリー長が長い集光光学系を構成できるため、厚さのある部材であっても、ビード幅を小さく、溶け込み深さを深くすることができ、より高品質の溶接を実現することができる。加えて、ビード幅を小さくすることができるため、精密部品等の溶接にも好適に用いることができる。
更に、長焦点レーザ溶接装置を用いることで、シールドガス筒と溶接部との間隔を十分に確保することができ、透過窓への金属蒸気の付着をより確実に抑制できると共に、シールドガス筒を通過したシールドガスは、溶接部に到達することなく拡散され、溶接に悪影響を及ぼすことがない。
本発明の溶接方法に用いるレーザは、本発明の効果を損なわない範囲で従来公知の種々のリフロー処理を用いることができ、例えば、COレーザ、YAGレーザ、ファイバーレーザ、ディスクレーザ等を使用することができる。
また、本発明の溶接方法においては、前記シールドガス筒の内壁の長手方向に、所定の間隔毎に、前記レーザ光の通路を取り囲む環状の遮蔽板が設けられていること、が好ましい。
所定の間隔毎に、レーザ光の通路を取り込む環状の遮蔽板を設けることにより、隣り合った遮蔽板内に導入されたシールドガスを長時間滞留させることができるため、より少ないシールドガス導入量で効率的に金属蒸気の侵入を抑制することができる。
また、本発明の溶接方法においては、前記全圧を0.1〜10kPaとすること、が好ましい。溶接を行う雰囲気の全圧を0.1以上とすることで溶接金属中のポロシティ発生を抑制することができ、10kPa以下とすることで効率的に溶け込み深さを大きくすることができる。
また、本発明の溶接方法においては、前記溶接工程における溶接速度を0.5m/分以下とすること、が好ましい。溶接速度を0.5m/分以下とすることで、効率的に溶け込み深さを増加させることができる。なお、後に詳述するとおり、全圧を変化させることによって溶接金属中のポロシティ発生を効率的に制御することができる。
本発明の溶接方法においては、更に、前記シールドガス筒の下端に金属蒸気付着防止用ノズルを備えること、が好ましい。レーザ出力を30〜100kWと極端に大きくする場合、上述のとおり、溶接中に発生する金属蒸気の影響が深刻となり、シールドガス筒の底面近傍に金属蒸気が付着する。これに対し、シールドガス筒の下端に金属蒸気付着防止用ノズルを装着することで、シールドガス底面への直接の金属蒸気の付着を防止することができる。特に、レーザ出力を50kW以上とした場合はプルームやヒュームによるシールドガス筒の損傷が顕著になるため、金属蒸気付着防止用ノズルの使用が極めて効果的である。
金属蒸気付着防止用ノズルの一部は前記シールドガス筒の内部に挿入されていること、が好ましい。金属蒸気付着防止用ノズルをシールドガス筒の底面で接続すると、当該金属蒸気付着防止用ノズルを含めたシールドガス筒が長くなり、ワークディスタンスを十分に確保することが困難になる。これに対し、金属蒸気付着防止用ノズルの一部分をシールドガス筒の内部に挿入することで、シールドガス筒底面への金属蒸気の付着を防止しつつ、シールドガス筒の全長を抑えることができる。
また、先細り形状の金属蒸気付着防止用ノズルをシールドガス筒の内部に挿入することで、シールドガスの流速を大きくすることができ、レーザ出力を100kWとした場合であっても、シールドガス筒内部への金属蒸気の上昇を防止することができる。
また、前記シールドガス筒又は前記金属蒸気付着防止用ノズルの下端部近傍の少なくとも一部が断熱材によって被覆されていること、が好ましい。シールドガス筒又は金属蒸気付着防止用ノズルの下端部の少なくとも一部が断熱材によって被覆されていることで、シールドガス筒及び金属蒸気付着防止用ノズル側への入熱を低減することができ、シールドガス筒及び金属蒸気防止用ノズルの損傷を抑制することができる。
シールドガス筒又は金属蒸気付着防止用ノズルの下端部の少なくとも一部を被覆する断熱材は、本発明の効果を損なわない範囲で従来公知の種々の断熱材を用いることができるが、例えば、市販のグラスウールを好適に用いることができる。
また、本発明の溶接方法においては、前記チャンバー内に有する真空ポンプ吸引部が金属メッシュ及び/又はグラスウールで被覆されていること、が好ましい。チャンバー内の全圧を調整するためには真空ポンプが良好に機能することが必須であるが、レーザ出力を30〜100kWと極端に大きくする場合、上述のとおり、溶接中に発生する金属蒸気の影響が深刻となり、真空ポンプの吸引口に金属蒸気が付着する。当該金属蒸気の付着により真空ポンプの機能が低下すると、チャンバー内の全圧調整が困難となり、良好な溶接を行うことができない。
これに対し、真空ポンプ吸引部を金属メッシュ及び/又はグラスウールで被覆することで、当該金属メッシュ及び/又はグラスウールが金属蒸気をトラップするフィルターとして働き、真空ポンプの吸引機能を比較的長時間維持することができる。また、金属メッシュ及び/又はグラスウールへの金属蒸気付着量が多くなり真空ポンプの吸引機能が低下した場合、安価な金属メッシュ及び/又はグラスウールを交換することで吸引機能を回復させることができる。なお、主にグラスウールは金属蒸気に対するホットトラップ機能を有し、金属メッシュは当該グラスウールの吸引を防止する機能を有する。
また、本発明の溶接方法は、
更に、溶接部観察工程を有し、
前記溶接部観察工程において、前記溶接部に欠陥が観察された場合は、下記(A)及び/又は(B)の溶接条件の変更を行い、
前記欠陥が観察されなくなるまで、前記溶接工程及び前記溶接部観察工程をそれぞれ繰り返すこと、が好ましい。
(A):前記全圧を変化させる
(B):前記不活性ガスをアルゴンガスとする
レーザ溶接による溶け込み深さが大きくなる場合、溶接部における欠陥発生が深刻な問題となる。これに対し、本発明者は低真空雰囲気下における種々のレーザ溶接条件で得られた溶接部を詳細に観察した結果、溶接部に欠陥が発生する場合、雰囲気の全圧を変化させること(基本的には全圧を増加させる)、及び/又は低真空雰囲気に導入する不活性ガスをアルゴンとすることで欠陥の発生を抑制できることを見出した。
つまり、溶接部に欠陥発生が認められた場合、雰囲気の全圧を変化させること(基本的には全圧を増加させる)、及び/又は低真空雰囲気に導入する不活性ガスをアルゴンとすることで溶接条件を変更し、溶接部に欠陥が発生しなくなるまで当該条件変更を繰り返すことで欠陥のない溶接部を得ることができる。
更に、本発明の溶接方法においては前記被溶接部材が鉄鋼材であること、が好ましい。本発明の溶接方法が対象とする被溶接部材は、本発明の効果を損なわない範囲で従来公知の種々の金属材を用いることができるが、鉄鋼材を用いることで、より確実に板厚50mm以上の被溶接部材を溶接することができる。
本発明の溶接方法によれば、厚板(例えば、鉄鋼材に関しては板厚50mm以上)に対して、高品質のレーザ溶接を簡便かつ安定的に行うことができるレーザ溶接方法を提供することができる。
本発明の実施に用いるレーザ溶接装置の一例を示す斜視図である。 本発明の実施に用いるレーザ溶接装置の一例を示す断面図である。 本発明の実施に用いるレーザ溶接装置のシールドガス筒の一例を示す断面図である。 本発明の実施に用いるレーザ溶接装置の金属蒸気付着防止用ノズルの一例を示す断面図である。 各溶接条件で得られた溶け込み深さを示す線図である。 溶接中のチャンバー内の様子を示す写真である。 溶接実験後のレーザ出射口付近の外観写真である。 断熱材を取り外したレーザ出射口付近の外観写真である。 種々のレーザ出力を用いて得られた溶接部の断面写真である。 チャンバー内の圧力を0.1kPa又は1kPaとして得られた溶接部の断面写真である。 チャンバー内の雰囲気を窒素又はアルゴンとして得られた溶接部の断面写真である。 種々の溶接速度で得られた溶け込み深さを示す線図である。
以下、図面を参照しながら本発明の溶接方法の代表的な実施形態について詳細に説明するが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。なお、以下の説明では、同一または相当部分には同一符号を付し、重複する説明は省略する場合がある。また、図面は、本発明を概念的に説明するためのものであるから、表された各構成要素の寸法やそれらの比は実際のものとは異なる場合もある。
(1)レーザ溶接装置
本発明の実施に用いるレーザ溶接装置の一例を示す斜視図及び当該レーザ溶接装置の原理を説明する断面図を図1及び図2にそれぞれ示す。レーザ溶接装置1は、基本的には、レーザ光Rを発生させるレーザ発振機2と、光ファイバー4と、加工ヘッド6と、レーザ光Rの焦点を調整するための光学系8と、透過板を有する透過窓10と、低真空雰囲気下で溶接を行うためのチャンバー12と、シールドガス筒20と、金属蒸気付着防止用ノズル22と、図外の制御手段を備えている。また、チャンバー12内には、供試材30を移動させるための移送装置32が設置されている。
更に、チャンバー12内を低真空雰囲気にするための減圧手段として、チャンバー12には排気管40が接続されている。排気管40に接続された二基のロータリー型の真空ポンプ42、44によって、真空ポンプ吸引口46からチャンバー12内の気体を吸引することで、チャンバー12内の全圧を制御することができる。また、ガスボンベ50のシールドガスをシールドガス筒20内に供給するためのガス配管52がシールドガス筒20に接続されている。
チャンバー12内の圧力は、シールドガス筒20からチャンバー12内に流入するシールドガスの流入量と、真空ポンプ42、44によるチャンバー12からの排気量とを調節することにより制御される。
シールドガス筒20の上端部60には、シールドガス導入部62が設けられている。シールドガス導入部62には、シールドガス筒20の周方向に適宜間隔を置いて複数のシールドガス導入用孔64が形成されている。また、シールドガス筒20の上端部60は、透過窓10が固定されている。
シールドガス筒20の下端部66は、チャンバー12の天板68に設けられた導入口70の孔縁部に接続されてチャンバー12内に開口している。
チャンバー12の導入口70には、シールドガス筒20内へのプルームの侵入を抑制するために、環状フィン72が設けられている。環状フィン72により小さくなる導入口70の口径は、レーザ光に悪影響を及ぼさないように、導入口70を通過するレーザ光の直径の約2倍に設定されている。
シールドガス筒20の内径や長さは、シールドガスの種類、溶接材、溶接エネルギー、レーザ光の焦点距離などに応じて、適宜変更することができる。
また、シールドガス筒20は、図3に示すように、その内周側に縦方向に適宜間隔を置いて、内鍔状の内部フィン74が複数段形成されていることが好ましい。シールドガス導入用孔64からシールドガス筒20内に導入されるシールドガスは、シールドガス筒20の途中で、内部フィン74により滞留するため、シールドガスの使用量を軽減でき、また、シールドガス筒20内のガス圧も増加するため、プルームのシールド効果を増加させることができる。
レーザ光Rの光軸と供試材30の表面とは直交し、照射箇所でのレーザ光Rのスポット径は100〜1500μm程度に設定され、溶接時の焦点は、供試材30の表面より下方0〜10mmに制御されている。
レーザ発振機2の出力は、少なくとも30〜100kWを含んでいる。また、光ファイバー12のコア径は15〜700μmであり、透過窓10は石英ガラス製であり、チャンバー12はアクリル樹脂製である。
図4に、金属蒸気付着防止用ノズル22を備えたシールドガス筒20の一例を示す概略断面図を示す。金属蒸気付着防止用ノズル22をシールドガス筒20に装着する方法は特に限定されず、リークが生じない態様で金属蒸気付着防止用ノズル22とシールドガス筒20とを機械的に接合すればよい。シールドガス筒20の下端に金属蒸気付着防止用ノズル22を備えることで、レーザ出力を30〜100kWと極端に大きくした場合であっても、シールドガス筒20の底面近傍への金属蒸気の付着を防止することができる。特に、レーザ出力を50kW以上とした場合はプルームやヒュームによるシールドガス筒の損傷が顕著になるため、金属蒸気付着防止用ノズル22の使用が極めて効果的である。
金属蒸気付着防止用ノズル22の一部は、シールドガス筒20の内部に挿入されていることが好ましい。金属蒸気付着防止用ノズル22をシールドガス筒20の底面で接続すると、金属蒸気付着防止用ノズル22を含めたシールドガス筒20が長くなり、ワークディスタンスを十分に確保することが困難になる。これに対し、金属蒸気付着防止用ノズル22の一部分をシールドガス筒20の内部に挿入することで、シールドガス筒20底面への金属蒸気の付着を防止しつつ、シールドガス筒20の全長を抑えることができる。
また、先細り形状の金属蒸気付着防止用ノズル22をシールドガス筒20の内部に挿入することで、シールドガスの流速を大きくすることができ、レーザ出力を100kWとした場合であっても、シールドガス筒20内部への金属蒸気の上昇を防止することができる。
金属蒸気付着防止用ノズル22の底辺開口円部と上辺開口円部の直径は、レーザ光Rのスポット径の約2倍程度とすることが好ましい。金属蒸気付着防止用ノズル22の底辺開口円部と上辺開口円部の直径をレーザ光Rのスポット径の約2倍程度とすることで、シールドガスの流速を大きくしても侵入を防止することができない飛散溶融金属(スパッタ)といった固体物の侵入を、レーザ光Rの照射により防止することができる。
また、シールドガス筒20又は金属蒸気付着防止用ノズル22の下端部近傍の少なくとも一部が断熱材80(図1には図示せず)によって被覆されていること、が好ましい。シールドガス筒20又は金属蒸気付着防止用ノズル22の下端部の少なくとも一部が断熱材80によって被覆されていることで、シールドガス筒20及び金属蒸気付着防止用ノズル22側への入熱を低減することができ、シールドガス筒20及び金属蒸気防止用ノズル22の損傷を抑制することができる。
断熱材80には、本発明の効果を損なわない範囲で従来公知の種々の断熱材を用いることができるが、例えば、市販のグラスウールシートを好適に用いることができる。
また、真空ポンプ吸引口46は金属メッシュ82及び/又はグラスウール84で被覆されている。チャンバー12内の全圧を調整するためには真空ポンプ42、44が良好に機能することが必須であるが、レーザ出力を30〜100kWと極端に大きくする場合、上述のとおり、溶接中に発生する金属蒸気の影響が深刻となり、真空ポンプ吸引口46に金属蒸気が付着する。当該金属蒸気の付着により真空ポンプ42、44の機能が低下すると、チャンバー12内の全圧調整が困難となり、良好な溶接を行うことができない。
これに対し、真空ポンプ吸引口46を金属メッシュ82及び/又はグラスウール84で被覆することで、金属メッシュ82及び/又はグラスウール84が金属蒸気をトラップするフィルターとして働き、真空ポンプ42、44の吸引機能を比較的長時間維持することができる。また、金属メッシュ82及び/又はグラスウール84への金属蒸気付着量が多くなり真空ポンプ42、44の吸引機能が低下した場合、安価な金属メッシュ82及び/又はグラスウール84を交換することで吸引機能を回復させることができる。なお、主にグラスウール84は金属蒸気に対するホットトラップ機能を有し、金属メッシュ82はグラスウール84が真空ポンプ吸引口46に吸引されることを防止する機能を有する。
(2)レーザ溶接方法
本発明の溶接方法を実施するには、チャンバー12内の全圧を調整する必要がある。具体的には、真空ポンプ42、44により、チャンバー12内の圧力を30Pa程度まで低減した後、シールドガス筒20のシールドガス導入用孔64からシールドガス筒20内にシールドガスを流入させる。
シールドガスは、シールドガス筒20を通ってシールドガス筒20の下方に流れ、導入口70からチャンバー12内に流入した後、溶接部で発生するプルームと共に真空ポンプ42、44によりチャンバー12外へ排出される。溶接中は、真空ポンプ42、44により、チャンバー12内は、0.01〜30kPaに制御される。ここで、好ましくはチャンバー12内を0.1〜10kPaとすることが好ましい。チャンバー12内の全圧を0.1以上とすることで溶接金属中のポロシティ発生を抑制することができ、10kPa以下とすることで効率的に溶け込み深さを大きくすることができる。
上記の全圧調整を行った低真空雰囲気の下において、シールドガス筒20内にシールドガスを充満させて飛翔するプルームをブロックし、透過窓10へのプルームの付着を防止しながら、レーザ光Rを、透過窓10を通して、供試材(被溶接材)30に照射する。それと共に、供試材30を、移送装置32により、一定速度で水平に移動させながら、レーザ溶接を行う。
また、シールドガスは、チャンバー12内に流入してチャンバー12内で拡散する。このため、導入口70と溶接部との距離を十分に確保すれば、シールドガスによる溶接部への悪影響を回避できる。例えば、長焦点型の光学系8の焦点距離が1000mmの場合、シールドガス筒20の長さを500mmにすれば、チャンバー12の導入口70から溶接部までの距離が約450mm程度(筒上約50mm上方に集光レンズを設置している場合)となり、シールドガスによる溶接部への悪影響を回避することが容易になる。
また、レーザ出力を30〜100kWと極端に大きくする場合、上述のとおり、溶接中に発生する金属蒸気の影響が深刻となり、シールドガス筒20の底面近傍に金属蒸気が付着しやすくなる。このような状況においては、シールドガス筒20の下端に金属蒸気付着防止用ノズル22を装着することで、シールドガス筒20底面への直接の金属蒸気の付着を防止することができる。特に、レーザ出力を50kW以上とした場合はプルームやヒュームによるシールドガス筒20の損傷が顕著になるため、金属蒸気付着防止用ノズル22の使用が極めて効果的である。
本発明の溶接方法においては、溶接速度を0.5m/分以下とすること、が好ましい。チャンバー12内の全圧が0.1〜10kPaの場合、溶接速度を0.5m/分以下とすることで、溶け込み深さを効率的に増加させることができる。ここで、チャンバー12内の全圧を変化させることによって、溶接金属中のポロシティ発生を効率的に制御することができる。
また、本発明の溶接方法においては、更に、溶接部観察工程を有し、当該溶接部観察工程において、溶接部に欠陥が観察された場合は、「チャンバー12内の全圧を変化させる」及び/又は「チャンバー12内に導入する不活性ガスをアルゴンガスとする」の溶接条件の変更を行うことが好ましい。
レーザ溶接による溶け込み深さが大きくなる場合、溶接部における欠陥発生が深刻な問題となる。これに対し、本発明者は低真空雰囲気下における種々のレーザ溶接条件で得られた溶接部を詳細に観察した結果、溶接部に欠陥が発生する場合、チャンバー12内の全圧を変化させること(基本的には全圧を増加させる)、及び/又はチャンバー12内に導入する不活性ガスをアルゴンとすることで、欠陥の発生を抑制できることを見出した。
つまり、溶接部に欠陥発生が認められた場合、チャンバー12内の全圧を変化させること(基本的には全圧を増加させる)、及び/又はチャンバー12内に導入する不活性ガスをアルゴンとすることで溶接条件を変更し、溶接部に欠陥が発生しなくなるまで当該条件変更を繰り返すことで、最終的には欠陥のない溶接部を得ることができる。
更に、本発明の溶接方法においては被溶接部材として鉄鋼材を用いることが好ましい。本発明の溶接方法が対象とする被溶接部材は、本発明の効果を損なわない範囲で従来公知の種々の金属材を用いることができるが、鉄鋼材を用いることで、より確実に板厚50mm以上の被溶接部材を溶接することができる。
以上、本発明の代表的な実施形態について説明したが、本発明はこれらのみに限定されるものではなく、種々の設計変更が可能であり、それら設計変更は全て本発明の技術的範囲に含まれる。
≪溶け込み深さに及ぼすレーザ出力の影響≫
図1及び図2に示す構成の溶接装置を用いて、SUS304ステンレス鋼厚板に対して種々の溶接条件で溶接を行い(ビードオンプレート)、得られた溶接部の溶け込み深さを評価した。レーザには最大出力100kWのファイバーレーザ(ファイバー径:1mm)を用い、本発明の実施例として、レーザ出力を30〜100kWとして溶接を行い、比較例として、レーザ出力を10〜20kWとして溶接を行った。ここで、溶接速度、チャンバー内の全圧及びレーザのデフォーカス距離は一定とし、それぞれ0.3m/min、1kPa及び−30mmとした。なお、チャンバー内の雰囲気は図中に示している(アルゴン又は窒素)。各溶接条件で得られた溶け込み深さを図5に示す。なお、溶け込み深さは得られた溶接部の断面観察によって測定した。
図5に示されているとおり、レーザ出力が20kWの場合における溶け込み深さは46.0mmであり、50.0mmに至っていない。これに対し、低真空雰囲気下における溶接においてレーザ出力を30kWとすると、溶け込み深さが69.5mmとり、50.0mmを大幅に超えることが分かる。なお、レーザ出力を100kWとした場合は143.0mmとなっており、極めて大きな溶け込み深さが得られている。
また、溶け込み深さはチャンバー内に導入するガスに大きく依存せず、窒素の場合とアルゴンの場合とで同程度の溶け込み深さが得られている。当該結果は、溶け込み深さの変化にそれ程留意することなく、不活性ガスの選定が可能であることを示している。
図6に、レーザ出力を30kW、50kW及び100kWとした場合における、溶接中のチャンバー内の様子を示す。被溶接物からの金属蒸気(プルーム)がレーザ光軸に沿って上昇しており、レーザ出力の増加に伴って当該現象が顕著になっている。ここで、用いた溶接装置は金属蒸気付着防止用ノズルを備えていることに加え、シールドガス筒下端部近傍は断熱材(旭ファイバーグラス株式会社製グラスロンウール、GW32)で被覆され、真空ポンプ吸引部は金属メッシュ及び断熱材(旭ファイバーグラス株式会社製グラスロンウール、GW32)で被覆されていることから、金属蒸気(プルーム)が大量に上昇する条件下においても安定した溶接が可能であった。
レーザ出力を100kWとした溶接実験後の、レーザ出射口付近の外観写真及び断熱材を取り外したレーザ出射口付近の外観写真を、図7及び図8にそれぞれ示す。溶接実験後において、レーザ出射口付近の断熱材は一部溶解しているものの、チャンバー側への断熱機能は十分に維持されており、ノズルも全く損傷していない。
≪溶接部の欠陥形成に及ぼすレーザ出力の影響≫
図1及び図2に示す構成の溶接装置を用いて、SUS304ステンレス鋼厚板に対して種々の溶接条件で溶接を行い(ビードオンプレート)、得られた溶接部における欠陥の有無を評価した。レーザには最大出力100kWのファイバーレーザ(ファイバー径:1mm)を用い、本発明の実施例として、レーザ出力を30〜50kWとして溶接を行い、比較例として、レーザ出力を10及び20kWとして溶接を行った。ここで、溶接速度、チャンバー内の全圧及びレーザのデフォーカス距離は一定とし、それぞれ0.3m/min、0.1kPa及び−30mmとした。また、チャンバー内の雰囲気は窒素とした。各溶接条件で得られた溶接部の断面写真を図9に示す。
溶け込み深さはレーザ出力の増加に伴って大きくなっており、50kWの場合では略100mmに達している。一方で、溶け込み深さが大きくなると、溶接部における欠陥の形成が認められる。
≪溶接部の欠陥形成に及ぼすチャンバー内圧力の影響≫
図1及び図2に示す構成の溶接装置を用いて、SUS304ステンレス鋼厚板に対して種々の溶接条件で溶接を行い(ビードオンプレート)、溶接部の欠陥形成に及ぼす全圧の影響について検討した。レーザには最大出力100kWのファイバーレーザ(ファイバー径:1mm)を用い、本発明の実施例として、チャンバー内の全圧を0.1kPa又は1kPaとして溶接を行った。ここで、レーザ出力、溶接速度及びレーザのデフォーカス距離は一定とし、それぞれ30kW、0.3m/min及び−30mmとした。なお、チャンバー内の雰囲気は窒素とした。図10に得られた溶接部の断面写真を示す。
チャンバー内の全圧が0.1kPaの場合は溶接部に欠陥が形成しているが、1kPaの場合には欠陥の形成が認められない。ここで、チャンバー内の全圧が0.1kPa及び1kPaの場合、溶接部の長さ(溶け込み深さ)はそれぞれ70.0mm及び69.5mmであることから、チャンバー内圧力の増加によって、溶け込み深さの減少を伴うことなく欠陥の形成を抑制できることが分かる。
≪溶接部の欠陥形成に及ぼす雰囲気の影響≫
図1及び図2に示す構成の溶接装置を用いて、SUS304ステンレス鋼厚板に対して種々の溶接条件で溶接を行い(ビードオンプレート)、溶接部の欠陥形成に及ぼす雰囲気の影響について検討した。レーザには最大出力100kWのファイバーレーザ(ファイバー径:1mm)を用い、本発明の実施例として、チャンバー内の雰囲気を窒素又はアルゴンとして溶接を行った。ここで、レーザ出力、溶接速度、チャンバー内の全圧及びレーザのデフォーカス距離は一定とし、それぞれ50kW、0.3m/min、1kPa及び−30mmとした。図11に得られた溶接部の断面写真を示す。
チャンバー内の雰囲気が窒素の場合は溶接部に欠陥が形成しているが、アルゴンの場合には欠陥の形成が認められない。ここで、チャンバー内の雰囲気が窒素及びアルゴンの場合、溶接部の長さ(溶け込み深さ)はそれぞれ100.0mm及び95.5mmであることから、チャンバー内の雰囲気をアルゴンとすることによって、溶け込み深さの減少を伴うことなく欠陥の形成を抑制できることが分かる。
≪溶け込み深さに及ぼす溶接速度の影響≫
図1及び図2に示す構成の溶接装置を用いて、SUS304ステンレス鋼厚板に対して溶接速度を0.1〜6m/minとして溶接を行い(ビードオンプレート)、溶け込み深さに及ぼす溶接速度の影響について検討した。レーザには最大出力100kWのファイバーレーザ(ファイバー径:1mm)を用い、チャンバー内の雰囲気を窒素として溶接を行った。ここで、レーザ出力及びレーザのデフォーカス距離は一定とし、それぞれ6kW及び0mmとした。また、チャンバー内の全圧は0.1kPa、10kPa又は101.3kPaとした。図12に各溶接条件における溶け込み深さを示す。
チャンバー内の圧力に依らず、溶接速度を0.5m/min以下とすることで、急激に溶け込み深さが増加していることが分かる。
1・・・レーザ溶接装置、
2・・・レーザ発振機、
4・・・光ファイバー、
6・・・加工ヘッド、
8・・・光学系、
10・・・透過窓、
12・・・チャンバー、
20・・・シールドガス筒、
22・・・金属蒸気付着防止用ノズル、
30・・・供試材、
32・・・移送装置、
40・・・排気管、
42,44・・・真空ポンプ、
46・・・真空ポンプ吸引口、
50・・・ガスボンベ、
52・・・ガス配管、
60・・・上端部、
62・・・シールドガス導入部、
64・・・シールドガス導入用孔、
66・・・下端部、
68・・・天板、
70・・・導入口、
72・・・環状フィン、
74・・・内部フィン、
80・・・断熱材、
82・・・金属メッシュ、
84・・・グラスウール。

Claims (12)

  1. 不活性ガスを導入したチャンバー内に形成した低真空雰囲気下で被溶接部材にレーザ光を照射して溶接部を形成させる溶接工程を有し、
    前記溶接工程におけるレーザ出力を30〜100kWとし、
    前記チャンバーを減圧することで、前記溶接工程における前記低真空雰囲気の全圧を調整すること、
    を特徴とする溶接方法。
  2. 前記レーザ光の光軸に沿って、前記被溶接材と所定の間隔を設けて配置され、上端には透過窓が設けられ、下端は雰囲気制御域内に開口しているシールドガス筒と、
    前記シールドガス筒の前記透過窓側から前記シールドガス筒内部へシールドガスを導入するシールドガス供給手段と、を用いること、
    を特徴とする請求項1に記載の溶接方法。
  3. 焦点距離が350mm以上の長焦点レーザ溶接装置を用いること、
    を特徴とする請求項1又は2に記載の溶接方法。
  4. 前記シールドガス筒の内壁の長手方向に、所定の間隔毎に、前記レーザ光の通路を取り囲む環状の遮蔽板が設けられていること、
    を特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の溶接方法。
  5. 前記全圧を0.1〜10kPaとすること、
    を特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の溶接方法。
  6. 前記溶接工程における溶接速度を0.5m/分以下とすること、
    を特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の溶接方法。
  7. 前記シールドガス筒の下端に金属蒸気付着防止用ノズルを備えること、
    を特徴とする請求項2〜6のいずれかに記載の溶接方法。
  8. 前記金属蒸気付着防止用ノズルの一部が前記シールドガス筒の内部に挿入されていること、
    を特徴とする請求項2〜7のいずれかに記載の溶接方法。
  9. 前記シールドガス筒又は前記金属蒸気付着防止用ノズルの下端部近傍の少なくとも一部が断熱材によって被覆されていること、
    を特徴とする請求項2〜8のいずれかに記載の溶接方法。
  10. 前記チャンバー内に有する真空ポンプ吸引部が金属メッシュ及び/又はグラスウールで被覆されていること、
    を特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の溶接方法。
  11. 更に、溶接部観察工程を有し、
    前記溶接部観察工程において、前記溶接部に欠陥が観察された場合は、下記(A)及び/又は(B)の溶接条件の変更を行い、
    前記欠陥が観察されなくなるまで、前記溶接工程及び前記溶接部観察工程をそれぞれ繰り返すこと、
    を特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の溶接方法。
    (A):前記全圧を変化させる
    (B):前記不活性ガスをアルゴンガスとする
  12. 前記被溶接部材が鉄鋼材であること、
    を特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の溶接方法。
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