JP3825239B2 - 線材コイル切断装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、コイル状に巻かれた状態のままの線材コイルの線材端部を切断する線材コイル切断装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
棒鋼・線材の圧延設備において、ビレットを1本毎に圧延した場合、その先後両端の線材端部には寸法(径寸法)外れの不良部分(クロップ:crop)が存在する。その部分は製品には適合しないため切断する必要があり、直棒の場合は、コールドシャー等の切断機で切断できるので比較的簡単な作業であって問題がない。しかしながら線材コイルの場合では、フックコンベア上での冷却・搬送の途中に人手により(一般的には油圧カッターを使用する作業員により)切断しなければならなく、これが重労働となるのが難点となっていた。殊に、径φ30mm以上の太い線材コイルになると端部の引き出しに相当の腕力が必要であり、また、切断したクロップも6〜16kgと重くて、またその端材が200〜300℃と高温である。しかも、上記のクロップ切断以外にサンプル材(検査用材)が必要な圧延材が多く、片端につき切断作業が2回以上必要になることがある。
【0003】
従来、フックコンベア上での冷却・搬送中に用いられているカッターとしては、実公平 2−6979号公報により開示されたものがある。これは、「カッター本体側に回動リングを回動可能に嵌合し、嵌合面の一方の面に半球面凹部を回動方向に複数設け、該半球面凹部に球体を押付け可能に挿嵌して設けるとともに回動リングをバランサーを介して垂設した」構成であって、線材コイルの任意個所を容易に切断可能で、かつバランサーの作用で比較的軽力で昇降誘導できる装置に形成したものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上述する従来のカッターを用いた場合でも、線材コイル端部の引き出し、カッターの誘導、サンプル材及びクロップの搬送等についてはやはり人手作業であって、能率が悪い上、重労働であることは変わらなく、また、バランサーによりカッターを垂設しているとはいっても、人間が誘導するものであるから、相当の人力が必要である。また、太物となると、一人では作業できず、端部の引き出しには更に1名が必要となる問題が依然として解消されていない。
【0005】
そこで、人手を要せず機械的に線材コイルを切断する装置が提案され、例えば特開平 9− 29533号公報により開示されてなる先行技術がある。この先行技術は要部の構造が図12に概要示されるが、切断装置本体に支持された旋回軸の周りに旋回する旋回基枠により保持される本体21と、一対のカッタ刃24、25が装着されて本体21に支持されるロッドカッタ作動部26とを備えるロッドカッタ22により線材コイル1を機械的に切断させるように構成されていて、前記旋回基枠、本体21及び片方のカッタ刃25が線材コイル1の内周側に配置された状態で切断作動するようになっている。
【0006】
この装置によれば、機械的に切断作業を行うことが可能であるが、旋回中心となる線材コイル1の中心を切断装置が越えてしまうので、C,D部が狭くて線材コイル1やフックコンベアとの干渉などの問題が発生する可能性があり、また、コイル径が小さい線材コイル1の場合に使用し難い問題がある。
【0007】
本発明は、このような従来の装置が抱える問題点の解消を図るために成されたものであり、本発明の目的は、線材コイルの切断に際し、太物であっても軽作業が可能であって、力作業から解放され、安全性、確実性が高い切断が可能であり、さらに線材コイルやフックコンベアとの干渉をなくして切断刃の長寿命化が図れるとともに小コイル径の線材コイルの切断にも適用できる線材コイル切断装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記の目的を達成するため以下に述べる構成としたものである。即ち、本発明に係る請求項1の発明は、圧延された線材を予めコイル状に成形した線材コイルの線材端部を切断する線材コイル切断装置において、前記線材コイルの線材端部に接近・離間可能に設けられた基台部と、該基台部に固定された固定刃と該固定刃に刃先を対向させて設置された可動刃と前記基台部に設置され前記可動刃を前記固定刃に対し接近・離間させる切断用駆動手段とからなる切断部を備え、前記線材コイル切断装置が、又は前記基台部に前記切断部が、少なくとも2基併設され、併設された前記切断部の間又は併設された前記線材コイル切断装置の間に、切断される前記線材端部を挟持する第1のクランプ手段を備え、併設された前記切断部又は併設された前記線材コイル切断装置の前記線材端部の末端側に、切断される前記線材端部を挟持する第2のクランプ手段を備え、前記線材コイルの線材端部の切断時に、前記固定刃が前記線材コイルの内周側にそれぞれ配置され、かつ前記可動刃及び前記切断用駆動手段が前記線材コイルの外周側にそれぞれ配置され、前記可動刃と前記固定刃とを前記線材コイルの略中心を通る半径方向に配置した状態で切断することを特徴とする線材コイル切断装置である。
【0012】
また、本発明に係る請求項2の発明は、前記請求項1記載の線材コイル端部切断装置において、前記第1のクランプ手段が基台部に対し前進・ 後退可能に設けられる構成としたことを特徴とする線材コイル切断装置である。
【0014】
また、本発明に係る請求項3の発明は、前記請求項1又は2に記載の線材コイル切断装置において、前記第1のクランプ手段及び/又は第2のクランプ手段が、切断される前記線材端部の線材中心軸の方向に移動可能としている構成としたことを特徴とする線材コイル切断装置である。
【0015】
また、本発明に係る請求項4の発明は、前記請求項1、2又は3に記載の線材コイル切断装置において、併設された前記切断部又は併設された前記線材コイル切断装置が、前記線材コイルのコイル中心を中心として旋回移動可能とする切断部駆動手段を備える構成としたことを特徴とする線材コイル切断装置である。
【0016】
また、本発明に係る請求項5の発明は、前記請求項1、2、3又は4に記載の線材コイル切断装置において、前記線材端部の切断時に、前記固定刃が前記線材コイルの半径方向外周側に移動可能とする固定刃移動手段を備える構成としたことを特徴とする線材コイル切断装置である。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施形態を、添付図面を参照しながら具体的に説明する。
【0018】
図1には、線材コイル切断装置(以下、切断装置と略称する)2の要部構造が正面図で概略示される。また、図2には、図1の切断装置2における切断刃部が、(イ)に拡大示正面図で、(ロ)に拡大示側面図でそれぞれ図示される。
【0019】
上記切断装置2は、基台部3と、固定刃4と、可動刃5と、該可動刃5を動かすための切断用駆動手段である油圧シリンダ6とを要素部材に含んで構成されていて、基台部3は、例えば前面が平坦面をなした鋼製の厚板片により形成され、その後面側周辺部に設置された図示しない切断部を線材コイル1に接近・離間させるための切断部駆動手段が連結されており、この切断部は、通常は、フックコンベアのフックにより吊り下げられている線材コイル1の近傍に配置させていて、前記切断部駆動手段により線材コイル1に対し接近・離間可能に設けられている。
【0020】
固定刃4と可動刃5とは、例えば矩形状の片刃により形成された同一構造を成して、固定刃4と可動刃5の一対で線材コイル1における線材の端部1E を切断するための切断刃を構成している。固定刃4は、切断時に基台部3の線材コイル1の内周側となる位置に固定されており、一方、可動刃5は、基台部3に取付けられてなる前記油圧シリンダ6のピストンロッド先端部に取着されて、刃先を固定刃4に対向させ接近・離間し得る直線移動可能に設けられている。
【0021】
この切断装置2は、固定刃4と可動刃5とが線材コイル1の切断される端部1E を挟んで線材コイル半径方向に並び、かつ、固定刃4が線材コイル1の内周側に、可動刃5が線材コイル1の外周側にそれぞれ位置するとともに、油圧シリンダ6が可動刃5に対して線材コイル半径方向の外側に位置するように配設される。
【0022】
このように切断装置2を配置することで、図2に示すように、切断される線材の端部1E と固定刃4、可動刃5との関係がほぼ直交叉の状態であるために、固定刃4、可動刃5に横向きの力がかかり難くて、刃がかけることがなく長寿命化が図れる。また、図1に示すように、切断装置2におけるコイル内径側への飛び出し量Aが小さくでき、コイル径が小さい場合でもそれに影響されることなく切断装置2を容易に配置することができる。
【0023】
更に、油圧シリンダ6を線材コイル1の外周側に配置することにより、切断口B(図2(ロ)参照)を大きくとることができ、これにより切断材の呼び込み(引き出し)が容易に行える利点も有する。
【0024】
図3には、本発明の実施形態に係る線材コイル切断装置の要部構造が(イ)に正面図で概略示され、また、(イ)に対応する説明図が(ロ)に示される。
【0025】
図3に図示する切断装置は、前述する切断装置と同様の2基の切断装置2A 、2B を並設してなる複基型の切断装置であって、線材コイル中心である旋回中心Oに対して等半径となる位置関係が保たれるように切断装置2A 、2B をそれぞれ配設するものである。なお、切断装置2A 、2B は2基に限らず、必要に応じて3基以上並設してもよい。
【0026】
このように2基の切断装置2A 、2B を並設してなることで、装置全体を移動させることなく、クロップ及びサンプル材を同時的に裁断することができる。即ち、サンプル材が必要な場合には、切断装置2A 、2B 間の切断材をサンプルとして採取できる(図3(ロ)参照)。サンプル材は、一般的に引張試験用、磁気探傷用などに使用されるため、長さは略一定で、かつ、300〜400mm程度と短いものが必要となる。その場合、切断装置2A 、2B 間はこれに応じた間隔とすればよい。このようなことから、油圧シリンダ6を線材コイル1の外周側に配置して内周側での装置間の間隔を小さくすることによって切断装置2A 、2B が近接して配置できる。また、切断装置2A 、2B 全体を線材コイル中心を中心Oとして旋回可能に構成することで、線材コイル1の全周に亘って切断が可能となり、様々なサンプル、クロップ長さにも対応できる利点もある。
【0027】
図4には、本発明の実施形態に係る線材コイル切断装置の要部構造が側面図で示され、(イ)に切断前状態が、(ロ)に切断開始状態がそれぞれ示される。また、図5には、図4に図示する切断装置2の切断態様の作動説明図が(イ)〜(ホ)により順序的に示される。一方、図6には、本発明に対する比較切断装置の切断態様の作動説明図が(イ)〜(ホ)により順序的に示される。
【0028】
図5及び図6において、(イ);切断前状態、(ロ);固定刃4又は可動刃5が切断材(端部1E )に接触した状態、(ハ);固定刃4と可動刃5とで端部1E を噛み込んだ状態、(ニ);切断中の状態、(ホ);切断完了の状態、の各状態がそれぞれ示されるが、前述する本発明の第1及び第2の各実施形態に係る切断装置は、切断材(端部1E )の引き込みをし易くするために、切断口を大きくした構造としているが、その場合、可動刃5のみを動かせる片刃作動式の従来のものでは、図6のように、可動刃5が作動すると該可動刃5が切断材に接する(ロ)状態になるまでは端部1E に対して力は何もかからない。しかし、この(ロ)状態から切断(ハ)状態に移行する段階で、端部1E には固定刃4方向(線材コイル1内周側)に力が加わり、同時に端部1E が移動する。
【0029】
そうなった場合、線材コイル1本体に変形力が加わるだけでなく、切断装置2自体にもその反力が加わる。その場合、切断力自体が相当大きいために、その反力に耐えられるだけの強固な構造の切断装置としなければならなくなる。従って、装置のフレーム12を支承する部分の強度が必要となる。
【0030】
このような問題点に対処して図4に図示する本発明の他の実施形態に係る切断装置2は、切断前において、切断装置2自体を線材コイル1の半径方向外周側に移動させるように構成したものである。即ち、切断装置2のフレーム7に対して基台部3を上下方向の摺動可能に取付けるとともに、固定刃駆動手段である昇降シリンダ8を上下方向に固定して、昇降シリンダ8のピストンロッド先端部を基台部3に連結することにより、該昇降シリンダ8の作動で基台部3を上下方向に移動可能とした構造としている。
【0031】
かかる構造を有する他の実施形態に係る切断装置2では、図5(ロ)における矢示線Eのように、切断作動と同時又は作動前に切断装置2自体を線材コイル1半径方向外周側に上昇移動させることにより、固定刃4側を先に端部1E に当てるようにしている。こうすることで、切断装置2自体に加わる力を小さくし、切断に至るまでの無駄な反力を排除できる。つまり、昇降させるだけの小さな力で端部1E を固定刃4に当てるようにしたことから、反力が小さく、かつ、切断装置2に余計な補強材が不要で、切断装置2自体を軽量化・簡素化できる。なお、切断装置2自体を動かさなくとも固定刃4を可動刃5側に移動させる構成とすることも可能である。しかして、本発明に係る切断装置2は、図4に示す構造の他に、基台部3を昇降シリンダ8に直接支持させて該シリンダにより上下方向に移動可能とした構造のものでも良く、また、基台部3を伸縮可能な構造として、その伸縮作動によって固定刃4と可動刃5が離間・ 接近可能なように構成したものでも良い。
【0032】
図7には、本発明の他の実施形態に係る線材コイル切断装置及び被切断線材コイル1が斜視図で示される。この第4の実施形態に係る切断装置2は、共通のフレーム7に2基の切断装置2A 、2B 切断部を並設した構造の切断装置であって、フレーム7に設置された支軸9がベース10に軸支されて該支軸9の自軸回りに回転可能になっているとともに、ベース10が図示しない切断部駆動手段である直動アクチュエータ等によって線材コイル1の軸心方向に前進・後退可能に設けられている。
【0033】
このような切断装置2は、切断装置2A 、2B が、フック11に吊り下げられている線材コイル1に対して固定刃4を線材コイル1の内周側に、可動刃5及び油圧シリンダ6を線材コイル1の外周側にそれぞれ位置させながら等配列形態を保持し得るように、線材コイル1の端面に対向する側方に配設され、ベース10を前進・後退させて矢示線Gに示すように切断装置2A 、2B を線材コイル1の端面に接近・離間させる直線移動が可能に、また、支軸9を回転させて矢示線Fに示すように切断装置2A 、2B を線材コイル1の中心回りに旋回させる回転移動が可能に構成されているので、線材コイル1の全周に亘って任意の位置での切断が可能となる。
【0035】
図8には、本発明の実施形態に係る線材コイル切断装置の要部構造が正面図により概略示される。また図9には、図8に示す線材コイル切断装置2における第1のクランプ手段であるクランプ機構の要部構造が、(イ)に側面図、(ロ)に正面図でそれぞれ概略示される。さらに図10には、本発明の実施の形態に係る線材コイル切断装置における切断メカニズムの説明図が示される。
【0036】
この実施形態に係る線材コイル切断装置は、前述する実施形態に係る線材コイル切断装置と同じ構造になる複基型の切断装置2A 、2B に加えて、サンプルをクランプする第1のクランプ手段であるクランプ機構13及びクロップをクランプする第2のクランプ手段であるクランプ機構14が付設されてなる構成に特徴を有する。
【0037】
クランプ機構13は、切断装置2A 、2B が設置されている基台部3に取付けられて、切断装置2A 、2B の中間に位置して設けられる。このクランプ機構13は、例えば、図9に示されるように一対の中くびれ状のクランプローラ15を有していて、このクランプローラ15は回転自在に軸支され、油圧シリンダなどのアクチュエータを介して開閉作動される。またクランプローラ15は、図示しないが別に設けた油圧シリンダなどのアクチュエータを介して基台部3上に前進・ 後退移動可能に設けられる。
【0038】
このようなクランプ機構13は、切断装置2A 、2B が線材コイル1の端部1E を切断するための所定切断位置に定置された際に、両クランプローラ15によってサンプルとなる線材コイル1の端部1E を挟持することができるように、切断装置2A 、2B の間に設けられる。
【0039】
一方、クランプ機構14は、用途上の違いからクランプ機構13とは基本的に構造が異なっているが、前記クランプローラ15とは別のクランプ部材を備えて線材コイル1の端部1E におけるクロップを挟持することができるように線材コイル切断装置2の側方に設置される。なお、クランプ機構14については、クロップを挟持可能な構造であればどのような形式のものであっても良く、特に限定されない。
【0040】
上記クランプ機構13、14の作用を説明するに先立って、本発明の実施の形態に係る切断装置における切断メカニズムを図10に基づいて述べると、本実施形態の切断刃(固定刃4と可動刃5:以下、切断刃という)は「突き切り」切断方式であり、この突き切りの場合、切断刃の傾斜角度により、切断材(線材)が該切断材の中心軸方向に引き千切るように力が働くため、(ハ)に示すように固定刃4と可動刃5が当たるまでに切断材は分断される。特に、切断材が硬い鋼の場合、約1/3・d(d:切断材直径)程度の移動量で切断が完了することが判っている。
【0041】
そのため、分断が起こったときに、衝撃により切断材は分断力方向に飛散する。この現象は硬い鋼の場合、顕著に現れる。ところで、線材コイルの場合、この製品側には、コイル本体があり、クロップ側には、普通、引き出し装置があるので何れも自由状態にはなっていないことから線材コイル本体側とクロップ側の切断材とは共に飛散しないが、サンプル側の切断材については切断と同時に自由状態になるために何らかの手段で固定しないとサンプル材が飛散してしまう。従ってクランプ機構が必要となるのである。
【0042】
しかし、堅固に固定しすぎると、クランプ機構が分断力をまともに受けてしまうので場合によっては破損の虞れがあり、また、切断刃自体にもその反力を受けてそれが切断刃に直角方向の力となるため、切断刃の折損の可能性が高くなってしまうものである。
【0043】
このようなことから、本発明の実施形態では、切断材殊にサンプル部分をクランプローラ15によって保持している。そうすることで、クランプローラ15でのクランプ力を調整することにより、上記分断力はローラの追従回転に伴って逃がしながら、一方、分断による衝撃では切断材が飛散しないようにしている。上述する第5の実施形態に係る切断装置2では、サンプル用のクランプ機構13とクロップ用のクランプ機構14とを備えている構成としているが、本発明においては、クランプ機構13を設けてクランプ機構14は省略するような使用態様も必要に際して勿論可能なことであって、このような例もまた、本発明の範囲に包含されることは言うまでもない。
【0044】
なお、クランプ機構13は基台部3に設置したものを例示したが、このようなものに限らず、独立した構造のものでも良い。また、基台部3が切断装置2A 、2B にそれぞれ別の基台部として備えられる場合は、何れか一方の基台部に設置しても良い。さらに、クランプ機構14は基台部3とは別に独立して設けているが、基台部3に設置するようにしたものでも良い。
【0045】
図11には、本発明の実施形態に係る線材コイル切断装置における第1のクランプ手段及び/又は第2のクランプ手段であるクランプ機構の構造の概要が機能的に示される。図11に示すように、この実施形態に係る線材コイル切断装置のクランプ機構は、線材コイル1の端部1E を挟持するためとして、一対のチャック16及びこのチャック16を切断に合わせて移動させる移動手段とを構成要素部材に有している。チャック16は、例えば、図11(イ)に示すように、端部1E が介挿される三角溝を有する挟持片により形成され、一方、移動手段としては、前記チャック16を分断力の作用方向(図11(ハ)参照)に移動させる図示しない直動アクチュエータや、チャック16を緩衝的に支持するバネ17(図11(ニ)参照)等により形成される。
【0046】
上記クランプ機構は、分断力に基づく切断材の移動量に合わせてチャック16と切断刃との距離を追従変化させるようにしたものであり、この場合、線材コイル1の鋼種、線径により移動量が変化するので、直動アクチュエータの場合は予め計測してなる移動量に対応して作動させるようにし、バネ17の場合は適当なバネ係数を持ったバネを用いるようにして、これにより自動的な追従作動を行わせることが可能であり、何れの場合も、切断前の距離X(図11(ロ)参照)に対して増加する変動量Δx(図11(ハ)、(ニ)参照)に応じた移動を行わせて、飛散が生じないように、切断材を緩衝的に挟持することが可能である。但し、この移動は、主として切断材の軸中心方向に対して行わせるものである。
【0047】
【発明の効果】
本発明に係る請求項1の発明によれば、可動刃及び切断用駆動手段を線材コイル外周側に配置することにより、線材コイル内周側への飛び出し量が小さくできるので、線材コイル径にかかわらず切断装置を容易にかつコンパクトに配設できる。
【0048】
また、切断口(切断用駆動手段のストローク)が大きくとれるので、切断口への切断材呼び込みが容易に行えて、確実な切断を行わせることができる。さらに、切断する線材コイルに対して切断刃を半径方向に配置することで、切断材に直角に切断刃を当てられるので、切断刃の破損を極力少なくできる。
【0049】
切断装置を並設する場合に近距離での配置が可能であって、切断長さの長短に対応できて使用範囲が拡く利便性に富む。さらに、クロップだけでなくサンプル材の切断も同時に行え、また同時に切断しない場合でも、切断装置を移動させることなく、サンプル材の切断も行える。
【0050】
請求項1および請求項2の発明によれば、第1のクランプ手段を設けたことにより切断が確実に行えるとともに、切断材の飛散・落下を防止できる。
【0051】
請求項3の発明によれば、切断時の衝撃による第2のクランプ手段の負荷を軽減して、該クランプ手段の破損を防止できる。
【0052】
請求項4の発明によれば、切断装置自体を旋回させるだけで、フックコンベアと干渉しない領域において線材コイルの全周に亘って任意の位置で切断が可能である。
【0053】
請求項5の発明によれば、切断時に生じる反力を切断装置にまた、クランプ機構に余計に受けさせないで済むようにできるので装置の構造のコンパクト化が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】線材コイル切断装置の要部構造を概略示する正面図である。
【図2】(イ)は、図1図示の線材コイル切断装置における切断刃部の拡大示正面図、(ロ)は、(イ)に対応する拡大示側面図である。
【図3】(イ)は、本発明の実施形態に係る線材コイル切断装置の要部構造を概略示する正面図、(ロ)は、(イ)に対応する説明図である。
【図4】本発明の他の実施形態に係る線材コイル切断装置の要部示側面図で、(イ)は切断前状態図、(ロ)は切断開始状態図である。
【図5】図4に図示する線材コイル切断装置の切断態様を(イ)〜(ホ)により順序的に示す作動説明図である。
【図6】本発明に対する比較切断装置の切断態様を(イ)〜(ホ)により順序的に示す作動説明図である。
【図7】本発明の他の実施形態に係る線材コイル切断装置と被切断線材コイルの斜視図である。
【図8】本発明の実施形態に係る線材コイル切断装置の要部構造を概略示する正面図である。
【図9】図8に図示する線材コイル切断装置におけるクランプ機構の要部構造を示し、(イ)は側面図、(ロ)は正面図である。
【図10】本発明の実施の形態に係る線材コイル切断装置における切断メカニズムの説明図である。
【図11】本発明の実施形態に係る線材コイル切断装置におけるクランプ機構の構造の概要を示す機能的説明図である。
【図12】従来の線材コイル切断装置の要部構造を示す正面図である。
【符号の説明】
1…線材コイル 1E …線材の端部 2…切断装置
2A …切断装置 2B …切断装置 3…基台部
4…固定刃 5…可動刃 6…油圧シリンダ
7…フレーム 8…昇降シリンダ 9…支軸
10…ベース 11…フック 13…クランプ機構
14…クランプ機構 15…クランプローラ 16…チャック
17…バネ
Claims (5)
- 圧延された線材を予めコイル状に成形した線材コイルの線材端部を切断する線材コイル切断装置において、
前記線材コイルの線材端部に接近・離間可能に設けられた基台部と、
該基台部に固定された固定刃と該固定刃に刃先を対向させて設置された可動刃と前記基台部に設置され前記可動刃を前記固定刃に対し接近・離間させる切断用駆動手段とからなる切断部を備え、
前記線材コイル切断装置が、又は前記基台部に前記切断部が、少なくとも2基併設され、
併設された前記切断部の間又は併設された前記線材コイル切断装置の間に、切断される前記線材端部を挟持する第1のクランプ手段を備え、
併設された前記切断部又は併設された前記線材コイル切断装置の前記線材端部の末端側に、切断される前記線材端部を挟持する第2のクランプ手段を備え、
前記線材コイルの線材端部の切断時に、前記固定刃が前記線材コイルの内周側にそれぞれ配置され、かつ前記可動刃及び前記切断用駆動手段が前記線材コイルの外周側にそれぞれ配置され、前記可動刃と前記固定刃とを前記線材コイルの略中心を通る半径方向に配置した状態で切断することを特徴とする線材コイル切断装置。 - 前記第1のクランプ手段が基台部に対し前進・ 後退可能に設けられることを特徴とする請求項1記載の線材コイル切断装置。
- 前記第1のクランプ手段及び/又は第2のクランプ手段が、切断される前記線材端部の線材中心軸の方向に移動可能としていることを特徴とする請求項1又は2に記載の線材コイル切断装置。
- 併設された前記切断部又は併設された前記線材コイル切断装置が、前記線材コイルのコイル中心を中心として旋回移動可能とする切断部駆動手段を備えることを特徴とする請求項1、2又は3に記載の線材コイル切断装置。
- 前記線材端部の切断時に、前記固定刃が前記線材コイルの半径方向外周側に移動可能とする固定刃移動手段を備えることを特徴とする請求項1、2、3又は4に記載の線材コイル切断装置。
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