JP3824831B2 - ラダー型マクラギ及び車両用軌道 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、レールの長手方向に梁高の低い適度の曲げ剛性を有する左右一対の縦梁と、この縦梁をレール直角方向に適当な間隔で相互に連結するために配置された継材とを備えたラダー型マクラギ及び車両用軌道に係るものであり、特に、縦梁端部の支持機能を向上させたラダー型マクラギ及び車両用軌道に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図17は、横マクラギを用いた従来のバラスト道床式軌道の構成図である。
同図において、1はレール、2は道床バラスト、3は締結装置、4は横マクラギを各々示している。従来のバラスト道床式軌道はレール直角方向にモノブロックあるいはツーブロックの横マクラギ4を配置して軌きょうを構成し、列車荷重やレール長手方向及びレール直交方向の荷重を道床バラスト2との支圧、摩擦等によって支持する構造である。
【0003】
横マクラギ4を用いた従来のバラスト道床式軌道は、列車荷重の繰り返しの影響を大きく受けるため軌道狂いが生じる傾向にある。その結果、列車の動揺が増大し、乗り心地を低下させてしまう。このため、常に軌道狂いの状態を的確に把握し、定期的に軌道狂いの生じた箇所を整備または改良する必要がある。
【0004】
しかしながら、これらの整備や改良は依然として人力に負うところが大きく、特に作業が夜間になることが多く短時間で完了させる必要があるため、これに要する労力と費用は莫大なものとなる。また、保守作業に従事する作業者の高齢化と労働力不足が問題となっている今日では、保守作業を軽減できるような軌道構造の開発が望まれている。
また、フランス国特許第76−22586号には、レールの長手方向に向けて配置される比較的短いマクラギが提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従来の横マクラギを用いた軌道では、レール1を間欠的に支持するためにバラスト道床圧力が局部的に大きくなり、列車荷重による車軸毎の繰り返しの影響を大きく受けて軌道狂いが生じる。この軌道狂いが大きくなると列車の動揺が増大し、乗り心地を低下させる。このため、定期的に保守作業を行なわなければならないという問題がある。
【0006】
とりわけ、列車荷重が一部に集中してその部分に応力集中が起きると、上述した軌道狂いが生じやすくなり、このような応力集中が生じないようにしたものが要望されている。
そこで、この発明は、列車荷重の分散性を向上させることができるラダー型マクラギ及び車両用軌道に係るものであり、特に縦梁端部の支持機能を向上させたラダー型マクラギ及び車両用軌道を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1に記載した発明は、一対のレールの下側に該レールの長手方向に向けてそれぞれ設けられる縦梁と、これらの縦梁をその長手方向に沿って所定間隔毎に互いに連結する複数の継材とを備え、前記継材が前記梁材より柔軟な構造にされ、前記縦梁の端部側に取り付けた前記継材よりもさらに端部側において、前記縦梁の表面形状を一般部よりも大きく形成したことを特徴とする。
【0008】
請求項2に記載した発明は、前記互いに対になって敷設される縦梁のそれぞれの端部を接続して閉合する連結部(例えば、実施形態における連結部7)を設けたことを特徴とする。
このように構成することで、連結部により荷重に対して沈み込み易い縦梁端部における接地面積を大きくしてバラスト道床圧力を小さくすることができる。また、一対の縦梁を全体として枠状に一体化して形成することができるため、縦梁の長手方向(X方向)での縦梁変位の抑制機能を連結部にも持たせることが可能となる。これにより、一般部及び端部ともに、所要の支持機能を合理的かつ経済的に実現可能な新形式レール支承体を構成できる。
【0009】
請求項3に記載した発明は、上記縦梁の端部側を一般部よりも広い幅に設定したことを特徴とする。
このように構成することで、列車荷重に対して沈み込み易い縦梁の端部側の接地面積を大きくしてバラスト道床を小さくすることが可能となる。
これにより、一般部及び端部ともに、所要の支持機能を合理的かつ経済的に実現可能な新形式レール支承体を構成できる。
【0010】
請求項4に記載した発明は、前記縦梁とレールとをレールの長手方向に沿う複数個所で互いに連結したことを特徴とする。
このように構成することで、縦梁端部の支持機能を向上させたラダー型マクラギによる車両用軌道を構成することが可能となる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施形態を図面と共に説明する。
図1〜図6はこの発明の第1実施形態を示すものである。図1、図2に示すようにラダー型マクラギ5は左右一対の縦梁6を備えている。この縦梁6は従来の軌道保守と同様な手法でこう上できる程度の適度の曲げ剛性を有するものであり、プレストコンクリートにより形成されている。また、縦梁6は適度な曲げ剛性を確保するため、例えば、縦横比が2対5の角型断面構造に形成されている。
【0012】
この縦梁6の端部側は一般部6Aに比較して表面形状が大きく形成されている。具体的には、一対の縦梁6の各々の端部には、他の縦梁6の端部に向かって延長し互いに接続し閉合する連結部7が設けられている。この連結部7により縦梁6の端部の接地面積が一般部より大きくなり、バラスト道床圧力が低下するようになっている。また、この連結部7により縦梁6は各々の両端が閉合されて枠状に形成されたものとなる。これにより、縦梁の長手方向(X方向)での縦梁変位の抑制機能を連結部7にももたせることが可能となる。尚、上記連結部7には図2に示すようにその内部に縦梁6をも貫通するPC鋼棒8が設けられている。
【0013】
前記縦梁6には互いに縦梁6を所定間隔で隔てた状態で互いに連結するための継材9がレール10の直角方向に所定間隔をもって設けられている。継材9には細くて丈夫な円形断面の鋼管材が使用されている。図3に示すように、継材9は鋼管からなり、ラダー型マクラギ5の幅寸法から両端に必要な被り厚さを減じた長さを有するものである。縦梁6内には長手方向に沿ってプレストレス(圧縮応力)を与える複数のPC鋼より線11が互いに並行に設けられ、更に、これらPC鋼より線11と直交する方向に向けて、補強筋12が設けられている。また、前記継材9の近傍には、PC鋼より線11と補強筋12に加えて継材9との結合力を更に高めるための補強筋13が設けられている。
この補強筋13は、継材9の上方及び下方から当該継材9を囲むように屈曲した形状に形成されている。
【0014】
また、前記継材9の縦梁6への埋設部には継材6を囲むようにスパイラル状の補強筋14が設けられ、継材6と周囲のコンクリートとの結合力を高めるようになっている。更に、縦梁6には、ケーブル等を挿通するためのパイプ15が埋め込まれ。このパイプ15の周囲にはコンクリートとの結合力を高めるためのスパイラル状の補強筋16が設けられている。
【0015】
前記継材9は図4に示すように、縦梁6に挿入される端部の外周面に半径方向外側に向かってリブ17が、またこのリブ17の上下面に小リブ18が設けられている。このリブ17は継材の回転力をコンクリートに伝達して荷重分担させ、小リブ18は継材9からの長手方向の力をコンクリートに伝達して荷重分担させるものである。
また、前記継材9の端部を扁平につぶすことにより回転力及び引抜力に抵抗させることもできる。
【0016】
尚、上記実施形態では円形断面からなる鋼管材を用いて、継材9の剛性と強度を何れの方向へも均一にしたが、特定方向への剛性と強度を高めることを目的にして角形断面やH型断面などの鋼材を用いるようにしても良い。
【0017】
そして、このように構成されたラダー型マクラギ5の上に図5に示すようにレール10が敷設されている。同図において、19は道床バラストを示している。尚、この道床バラスト19に換えて、モルタル、ゴム、または合成樹脂、もしくはこれらの組み合わせにより構成することができる。
【0018】
上記レール10は縦梁6の上面にレール10の長手方向に沿う複数箇所で互いに締結装置20を介して固定されている。これにより、レール10から作用する列車荷重を分散して支持し、荷重の繰り返しによる軌道狂いを減少させるようになっている。また、レール10と、縦梁6とが複合梁として作用するため軌きょうの曲げ剛性を増加させつつ、荷重を分散させて単位面積あたりのバラスト道床圧力を小さくすることができる。また、縦梁6自体はレール10の長手方向と直角な方向に対しては、縦梁6とこれが埋め込まれる道床バラスト19とがレール10の長手方向に連続的に接するため大きな横抵抗力を確保でき、軌道狂いを小さくすることができる。尚、縦梁6とレール10との間には、例えば、矩形状のゴム等からなる軌道パッド21が介装されている。
【0019】
図6はレール10を縦梁6に固定する締結装置20の具体例を示している。縦梁6内には垂直に埋め込まれる鋳物製のインサート22が設けられ、インサート22にはレール10とほぼ平行な支持孔23が形成され、ここにクリップ24が挿入されている。このクリップ24は棒鋼を屈曲させてバネとして機能するようにしたもので、その一部を前記支持孔23に挿入することにより前記インサート22を介して縦梁6に固定されると共に縦梁6との間にレール10を挟んで支持する。尚、25は絶縁材である。
【0020】
ここで、図2において、26はコンクリート製や鋼製の縦荷重抵抗板を示している、この縦荷重抵抗板26は縦梁6間に取り付けられ、レール10の長手方向への縦荷重に対する抵抗力が不足する場合を想定したものである。この縦荷重抵抗板26により、道床バラスト19中でのレール10の長手方向への移動に対する抵抗力の増大を図ることができる。尚、この縦荷重抵抗板26は縦梁6とほぼ同じ高さを有している。
【0021】
上記実施形態によれば、基本的に縦梁6とレール10との複合梁として曲げ剛性を持つことができる。したがって、軌きょうの曲げ剛性を増加させ荷重を分散させ単位面積当たりのバラスト道床圧力を小さくすることができる。また、レール10が敷設された平面におけるレール10の長手方向に直角な方向に対しては、縦梁6と道床バラスト19とがレール10の長手方向に対して連続的に接するため、大きな横抵抗力を維持して、軌道狂いを小さくすることができる。また、レール10が長手方向に荷重を受けた場合には、前記連結部7及び前記縦荷重抵抗板26と道床バラスト19とにより大きな縦抵抗力で対抗することができる。
【0022】
そして、上記縦梁6には互いに端部が接続された連結部7が設けられていることにより、縦梁端部における単位面積当たりのバラスト道床圧力を一般部6Aと同様に小さくすることができる。したがって、列車荷重の繰り返しにより沈み易い縦梁6の端部における軌道狂いを少なくすることができる。
そして、PC鋼棒8により補強された連結部7によって、縦梁6は枠状の一体構造となるため、縦梁の長手方向(X方向)での縦梁変位の抑制機能を連結部7にももたせることが可能となる。
このように構成することで、一般部及び端部ともに、バラスト道床圧力の低減など所要の支持機能を合理的かつ経済的に実現可能な新形式レール支承体を構成できる。
【0023】
次に、この発明の第2実施形態を図7によって説明する。尚、前記実施形態と同一部分には同一符号を付して説明する。
図7において、ラダー型マクラギ5が一対の縦梁6とこれを互いに連結する継材9とで構成されている点等の基本的構成は前記実施形態と同様である。
ここで、縦梁6は端部の表面形状を増加させるために、端部に行くほど徐々に幅が増加するように形成されている。この幅広部27により、一般部6Aに比較して応力の集中が大きい縦梁6の端部におけるバラスト道床圧力を低下させることができる。
【0024】
したがって、この実施形態においても、列車荷重の繰り返しによる軌道狂い、とりわけ縦梁の端部における軌道狂いを少なくすることができる。
尚、端部側の接地面積を増加させることができれば幅広部27の形状は様々に選択することができる。
このように構成することで、一般部及び端部ともに、バラスト道床圧力の低減など所要の支持機能を合理的かつ経済的に実現可能な新形式レール支承体を構成できる。
【0025】
次に、図8、図9、図10はこの発明の第3実施形態のフローティング・ラダー軌道を示すものである。この実施形態においてラダー型マクラギが一対の縦梁6とこれを互いに連結する継材9とで構成されている点等の基本的構造は前記実施形態と同様である。この実施形態では前述した実施形態における道床バラスト19に換えてモルタルベース28を用いたものである。
【0026】
前記モルタルベース28には高さの低い円柱状の防振ゴム29を介してラダー型マクラギ5が敷設されている。この防振ゴム29は上下方向のみの荷重に対応するものである。
そして、図9に示すように、前記縦梁6の外軌(外側面)には、縦梁6の端部側に矩形状のマクラギ突起30が設けられている。したがって、図9に示すように縦梁6には4つのマクラギ突起30が形成されることになる。これにより、縦梁6の端部側の表面形状は一般部よりも大きくなっている(後述する図11、図12、図15に示す実施形態についても同様)。
【0027】
図9に示すように、上記各縦梁6の一対のマクラギ突起30間には、マクラギ突起30と縦梁6とに隣接する位置に路盤突起31が設けられている。尚、路盤突起31はマクラギ突起30の縦梁6の端部側に設けるようにしても良い。
この路盤突起31と、マクラギ突起30及び縦梁6の外軌との間には、図10に示すように、角板状の緩衝ゴム32が介装されている。具体的には、緩衝ゴム32は、路盤突起31とマクラギ突起30との隙間に応じて厚さ調整のために用いられる調整板32Aを介して路盤突起31の側壁、つまりマクラギ突起30及び縦梁6に対向する側壁に取り付けられるものである。
【0028】
よって、上記緩衝ゴム32により、縦梁6の長手方向及びこれに直交する方向(XY方向)での縦梁6の変位を抑制することができると共に、前記防振ゴム29により上下方向(Z方向)の振動を吸収し、かつ変位を抑制することができるため、ラダー型マクラギ5の変位を確実に抑制することができる。このように構成することで、一般部及び端部ともに、所要の支持機能を合理的かつ経済的に実現可能な新形式レール支承体を構成できる。尚、路盤突起31側ではなく、マクラギ突起30側に調整板32A及び緩衝ゴム32を設けるようにしても良い。また、調整の必要がなければ調整板32Aは省略することができる。
【0029】
次に、図11、図12はこの発明の第4実施形態のフローティング・ラダー軌道を示すものである。尚、図12はやや湾曲した軌道にラダー型マクラギ5が敷設された状態を示している。
この実施形態は第3実施形態におけるマクラギ突起30を縦梁6の内軌(内側面)に設けたものである。具体的にはマクラギ突起30は、縦梁6の端部側に設けられている。尚、他の構成は前記実施形態と同様であるので同一部分に同一符号を付して説明する。
【0030】
また、この実施形態ではマクラギ突起30に対応する路盤突起31を隣り合うラダー型マクラギ5間で共用化したものである。図12はラダー型マクラギ5を複数接続した状態を示すものである。各ラダー型マクラギ5の隣接する4つのマクラギ突起30に囲まれるようにして、路盤突起31が設けられている。
尚、29は防振ゴムを示す。
この実施形態によれば、路盤突起31を共用化することができるため、各マクラギ突起30に対応した位置に設置した場合に比較して設置数が少なくて済むメリットがある。また、図示しないが上記路盤突起31と、マクラギ突起30及び縦梁6との間には前述実施形態と同様に緩衝ゴム及び必要な場合は調整板が介装されている。
【0031】
したがって、上記第4実施形態によれば、前記縦梁6の端部側のマクラギ突起30と路盤突起31とにより、縦梁6の長手方向及びこれに直交する方向(XY方向)での縦梁6の変位を抑制することができる。このように構成することで、第3実施形態と同様、一般部及び端部ともに、所要の支持機能を合理的かつ経済的に実現可能な新形式レール支承体を構成できる。とりわけ、この実施形態においては路盤突起31を2つのラダー型マクラギ5間で共用することができるため、設置個数が少なくなり、設置時間を短縮できるできる点で有利となる。
【0032】
図13、図14は、半円切欠部30aと路盤突起31による第5実施形態のフローティング・ラダー軌道を示すものである。半円切欠部30aは一対の縦梁6の端部を互いに接続し閉合する連結部7の外側の中央に設けられている。路盤突起31は、この半円切欠部30aと嵌合するように円形または半円形に形成されている。そして、この弧状の半円切欠部30aの内周面には緩衝ゴム32が取付けられている。ここで、図13にも示すように、路盤突起31は、構造物境界では半円形状に形成されている。尚、必要に応じて緩衝ゴム32には調整板を介装することができる。したがって、上記第5実施形態によれば、半円切欠部30aと路盤突起31とにより、縦梁6の長手方向及びこれに直交する方向(XY方向)での縦梁6の変位を抑制することができる。このように構成することで、一般部及び端部ともに、所要の支持機能を合理的かつ経済的に実現可能な新形式レール支承体を構成できる。
【0033】
次に、図15、図16はこの発明の第6実施形態を示すものである。尚、第4実施形態と同一部分には同一符号を付して説明する。
この実施形態は、第3実施形態におけるラダー型マクラギ5を接続する場合の、せん断接合装置に関するものである。前述した各実施形態においては、縦梁6の端部の表面形状が、マクラギ突起30により増加している。
【0034】
隣接するラダー型マクラギ5の互いに対向する縦梁6の各端部には、図15に示すように縦梁6の幅方向中央部分であって、図16に示すように上下方向中央部に、挿入穴33が形成されている。この各挿入穴33には上下方向につぶれた鋼管34が、挿入穴33の外壁を構成するように挿入固定されている。
【0035】
前記縦梁6の一方の端部には挿入穴33を延長するように、挿入穴33より直径の小さな案内穴35が形成されている。この実施形態では図16の左側にこの案内穴35が形成されている。
上記挿入穴33の挿入端には縦梁6の上面から連通孔36が形成され、この連通孔36は鋼管34内部と連通している。また、前記案内穴35の挿入端にも縦梁6の上面から案内穴35に連通する連通孔36が形成されている。そして、この両挿入穴33にまたがるようにして鋼棒である連結棒37が挿入され、前記連通孔36から供給されたモルタルMが両挿入穴33、案内穴35、連通孔36、及び、後述する目地38に充填され、両縦梁6、すなわちラダー型マクラギ5を連結するようになっている。
【0036】
尚、上記連結棒37にはねじり加工部37Aが形成され、注入されたモルタルMとの結合力を高めるようになっている。また、連結棒37の長さは、ほぼ2つの挿入穴33の深さ寸法を有している。また、前記案内穴35は連結棒37を案内穴35に押し込んだ場合に、先端が縦梁6の端面から突出しない深さ寸法を有している。
【0037】
次に、連結棒37によるラダー型マクラギ5の接合手順について説明する。
まず、ラダー型マクラギ5を、その端部に所定間隔の目地38を確保した状態で敷設する。このとき、案内穴35が設けられた挿入穴33、厳密には鋼管34内に、連結棒37を挿入し案内穴35まで入れておく。
次いで、案内穴35の底部に連通する連通孔36からモルタルMを注入する。すると、連結棒37は注入されるモルタルMにより案内穴35から移動し、挿入穴33を経て他の縦梁6の挿入穴33の底部まで押しこまれる。このとき、連結棒37は縦梁6の端部間をまたがるようにして両挿入穴33に挿入された状態となる。
【0038】
そして、前記連通孔36から注入されるモルタルMは、挿入穴33、目地38、他の連通孔36を満たして充填される。したがって、この状態でモルタルMが固化すると、連結棒37及び周囲のモルタルMにより、縦梁6、つまりラダー型マクラギ5は物理的に一体化される。このとき、連結棒37にねじり加工部37Aが設けられているため、この部分における抜け方向の力に対抗できるので、両者の結合強度を高めることができる。
【0039】
したがって、第6実施形態によれば、前述した第4実施形態の効果に加え、連結棒37及び周囲のモルタルMにより、縦梁6、つまりラダー型マクラギ5は物理的に一体化されるため、例えば、ラダー型マクラギ5に作用した荷重を隣接するラダー型マクラギ5に確実に荷重分担することができる。
【0040】
また、上記各実施形態におけるラダー型マクラギ5を用いた軌道によれば、縦梁6とレール10との複合梁としての曲げ剛性を持った連続的軌道が形成されるため、一般部及び端部ともに、列車荷重の繰り返しによる軌道狂いを低減することができ、地盤振動、レールの波状磨耗等を軽減することができる。
【0041】
【発明の効果】
以上説明してきたように、請求項1に記載した発明によれば、レール長手方向に配置され、軌きょうの曲げ剛性が高く、荷重の分散性に優れた縦梁の一般部の特徴を活かしたまま、縦梁端部の支持機能を向上させることができ、一般部及び端部ともに、バラスト道床圧力の低減など所要の支持機能を合理的かつ経済的に実現可能な新形式レール支承体を構成できる。
【0042】
請求項2に記載した発明によれば、一対の縦梁を全体として枠状に一体化して形成することが可能となるため、荷重分散性に優れた縦梁の一般部の特徴を活かしたまま、縦梁端部の支持機能を向上させることができ、一般部及び端部ともに、バラスト道床圧力の低減など所要の支持機能を合理的かつ経済的に実現可能な新形式レール支承体を構成できる。
【0043】
請求項3に記載した発明によれば、列車荷重に対して沈み込み易い縦梁の端部側の接地面積を大きくしてバラスト道床圧力を小さくすることが可能となるため、列車荷重の繰り返しによる軌道狂い、とりわけ縦梁の端部における軌道狂いを少なくすることができるという効果がある。
【0044】
請求項4に記載した発明によれば、荷重分散性に優れた縦梁の一般部の特徴を活かしたまま、縦梁端部の支持機能を向上させることができ、一般部及び端部ともに、バラスト道床圧力の低減など所要の支持機能を合理的かつ経済的に実現可能な新形式の車両用軌道を構成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の第1実施形態の要部斜視図である。
【図2】 この発明の第1実施形態の平面図である。
【図3】 この発明の第1実施形態の配筋図である。
【図4】 この発明の第1実施形態の継材の斜視図である。
【図5】 この発明の第1実施形態の図1のA−A線に沿う断面図である。
【図6】 この発明の第1実施形態の締結装置の断面図である。
【図7】 この発明の第2実施形態の斜視図である。
【図8】 この発明の第3実施形態の設置状態を示す断面図である。
【図9】 この発明の第3実施形態の平面図である。
【図10】 この発明の第3実施形態の要部拡大平面図である。
【図11】 この発明の第4実施形態の平面図である。
【図12】 この発明の第4実施形態の連結状態を示す平面図である。
【図13】 この発明の第5実施形態の平面図である。
【図14】 この発明の第5実施形態の要部拡大平面図である。
【図15】 この発明の第6実施形態の部分切り欠き平面図である。
【図16】 この発明の第6実施形態の図15のB−B線に沿う断面図である。
【図17】 従来技術の斜視図である。
【符号の説明】
5 ラダー型マクラギ
6 縦梁
6A 一般部
7 連結部
9 継材
10 レール
Claims (4)
- 一対のレールの下側に該レールの長手方向に向けてそれぞれ設けられる縦梁と、これらの縦梁をその長手方向に沿って所定間隔毎に互いに連結する複数の継材とを備え、前記継材が前記梁材より柔軟な構造にされ、前記縦梁の端部側に取り付けた前記継材よりもさらに端部側において、前記縦梁の表面形状を一般部よりも大きく形成したことを特徴とするラダー型マクラギ。
- 前記互いに対になって敷設される縦梁のそれぞれの端部を接続して閉合する連結部を設けたことを特徴とする請求項1に記載のラダー型マクラギ。
- 上記縦梁の端部側を一般部よりも広い幅に設定したことを特徴とする請求項1に記載のラダー型マクラギ。
- 請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のラダー型マクラギの前記縦梁とレールとをレールの長手方向に沿う複数個所で互いに連結したことを特徴とする車両用軌道。
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