JP3823740B2 - 予混合圧縮自己着火式エンジンの制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、予混合圧縮自己着火式エンジンの制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
予め混合された空気と燃料との混合気を圧縮自己着火により燃焼させる予混合圧縮自己着火燃焼は、予混合気を火花点火により燃焼させる火花点火燃焼と比して大幅に希薄な混合気での運転が可能であり、エンジン熱効率の向上と燃焼温度の抑制(=NOx生成量の抑制)とに極めて有利な燃焼形態であると言える。
【0003】
この予混合圧縮自己着火燃焼においては、燃焼期間の長さを適正に維持することが重要な課題となる。すなわち、燃焼期間が火炎伝播速度によって決まる火花点火燃焼と異なり、予混合圧縮自己着火燃焼における燃焼期間は様々な要因の影響を受けて大幅に変化するため、燃焼期間が過小となって燃焼騒音やエンジン振動が発生したり、燃焼期間が過大となって燃料の燃え残りが発生したりしやすい。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
予混合圧縮自己着火燃焼における燃焼期間に大きく影響する要因の1つに燃焼時の筒内温度がある。この特性を利用し、例えば高温の既燃焼ガスを筒内に還流あるいは残留させて確実な予混合圧縮自己着火燃焼を達成するようにしているエンジンでは、燃焼期間が過小なとき既燃焼ガス量を減少させることで筒内温度を低下させ、燃焼期間が過大なとき既燃焼ガス量を増加させることで筒内温度を上昇させることが考えられる。
【0005】
しかしながら、筒内温度は燃焼期間だけでなく着火時期にも影響を与えるため、適正な燃焼期間を得るために行った筒内温度制御が着火時期に対して好ましくない変化をもたらす可能性がある。着火時期が適正な時期からずれると、エンジン熱効率が低下したりNOx生成量が増加したりする。
また、筒内の温度不均一度合も予混合圧縮自己着火燃焼に大きな影響を与える要因の1つであり、例えば、特開平11−182246号公報に開示された技術では、筒内の既燃焼ガスと新鮮なガス(空気あるいは予混合気)との混合を最小限に抑制することで、筒内に大きな温度不均一を形成し、良好な予混合圧縮自己着火燃焼を得ようとしている。
【0006】
しかしながら、筒内の温度不均一度合を常に最大に保つことが適正な燃焼期間と着火時期とを両立することになるとは限らない。
本発明は、このような実情に鑑み、予混合圧縮自己着火燃焼の燃焼期間と着火時期とを共に適正なものとすることにより、良好なエンジン熱効率やNOx生成特性を維持しつつ、燃焼騒音やエンジン振動、未燃燃料の発生を抑制することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
このため、請求項1の発明では、予め混合された空気と燃料との混合気を圧縮自己着火により燃焼させる予混合圧縮自己着火式エンジンの制御装置において、圧縮自己着火前の筒内作動ガスに占める既燃焼ガスの比率を変化させることにより筒内作動ガスの平均温度を制御する手段と、圧縮自己着火前の筒内における既燃焼ガスの分散度合を変化させることにより筒内作動ガスの温度不均一度合を制御する手段と、を備え、予混合圧縮自己着火燃焼の燃焼期間を示すパラメータを取得し、該パラメータから燃焼期間が適正な長さより長いことが判断される場合に平均温度を上昇させるのと同時に温度不均一度合を小さくし、前記パラメータから燃焼期間が適正な長さより短いことが判断される場合に平均温度を低下させるのと同時に温度不均一度合を大きくすることを特徴とする。
【0008】
平均温度を上昇させるのと同時に温度不均一度合を小さくすれば、エンジン熱効率やNOx生成量を変えることなく燃焼期間を短くすることができ、反対に、平均温度を低下させるのと同時に温度不均一度合を大きくすれば、エンジン熱効率やNOx生成量を変えることなく燃焼期間を長くすることができる。
【0009】
従って、基本的には平均温度と温度不均一度合とを逆方向に同時制御すれば良いが、より望ましくは、請求項2の発明のように、2つの制御の比率(平均温度の変化代に対する温度不均一度合の変化代)をエンジン運転条件に応じて可変設定するとなお良い。本発明者らのシミュレーションによれば、予混合気の燃料/空気混合比が高いほど平均温度の変化代に対する温度不均一度合の変化代を大きくすると、燃焼期間制御に伴うエンジン熱効率やNOx生成量の変化を小さくすることができる。予混合圧縮自己着火燃焼では、エンジン負荷(要求トルク)の変化に対しては燃料量を変化させることで対応するので、結局、請求項3の発明のように、エンジン負荷が大きいときほど平均温度の変化代に対する温度不均一度合の変化代を大きくすれば良い。
【0011】
ここで、燃焼期間を示すパラメータ及びこれに基づく制御の判断手法としては、請求項4〜請求項10に示す態様を採用し得る。
請求項4の発明では、前記パラメータとしてエンジン回転速度のサイクル変動を取得し、該変動が所定値より大きいとき燃焼期間が適正な長さより長いと判断する。
【0012】
請求項5の発明では、前記パラメータとして排気ガス中の未燃燃料量を取得し、該未燃燃料量が所定値より多いとき燃焼期間が適正な長さより長いと判断する。
請求項6の発明では、前記パラメータとしてエンジン本体の振動を取得し、該振動が所定値より大きいとき燃焼期間が適正な長さより短いと判断する。
【0013】
請求項7の発明では、前記パラメータとしてエンジン筒内圧力のサイクル変動を取得し、該変動が所定値より大きいとき燃焼期間が適正な長さより長いと判断する。
請求項8の発明では、前記パラメータとしてエンジン筒内圧力の最大値を取得し、該筒内圧力最大値が所定値より大きいとき燃焼期間が適正な長さより短いと判断する。
【0014】
請求項9の発明では、前記パラメータとして1燃焼サイクル中のエンジン筒内圧力の履歴を取得し、該筒内圧力履歴から求められる熱発生量が供給した燃料量から求められる熱発生量より小さいとき燃焼期間が適正な長さより長いと判断する。
請求項10の発明では、前記パラメータとしてエンジン筒内圧力の上昇率を取得し、該筒内圧力上昇率が所定値より大きいとき燃焼期間が適正な長さより短いと判断する。
【0015】
筒内作動ガスの平均温度を制御するに際しては、圧縮自己着火前の筒内作動ガスに占める既燃焼ガスの比率を変化させることにより筒内作動ガスの平均温度を制御するが、具体的には、請求項11の発明のように、エンジンの吸気通路と排気通路とを連通する排気還流通路と、該排気還流通路の通路面積を変更可能な排気還流制御弁とを備え、該排気還流制御弁の開度制御により吸気通路に還流される排気ガス量を変化させて筒内作動ガスに占める既燃焼ガスの比率を変化させる。
【0016】
又は、請求項12の発明のように、エンジンの排気通路の通路面積を変更可能な排気絞り弁を備え、該排気絞り弁の開度制御により筒内に残留する既燃焼ガス量を変化させて筒内作動ガスに占める既燃焼ガスの比率を変化させる。
又は、請求項13の発明のように、エンジンの排気弁の閉時期を変更可能な可変動弁装置を備え、前記排気弁の閉時期制御により筒内に残留する既燃焼ガス量を変化させて筒内作動ガスに占める既燃焼ガスの比率を変化させる。
【0017】
筒内作動ガスの温度不均一度合を制御するに際しては、圧縮自己着火前の筒内における既燃焼ガスの分散度合を変化させることにより筒内作動ガスの温度不均一度合を制御するが、具体的には、請求項14の発明のように、圧縮自己着火前の筒内における筒内作動ガス流動の強さを変化させて既燃焼ガスの分散度合を変化させる。更に具体的には、請求項15の発明のように、エンジンの吸気通路内の流れを偏らせる吸気制御弁を備え、該吸気制御弁の開度制御により吸気流れの偏り度合を変化させて筒内作動ガス流動の強さを変化させる。
【0018】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、筒内作動ガスの平均温度を上昇させるのと同時に温度不均一度合を小さくすることで、エンジン熱効率やNOx生成量を変えることなく燃焼期間を短くすることができ、反対に、平均温度を低下させるのと同時に温度不均一度合を大きくすることで、エンジン熱効率やNOx生成量を変えることなく燃焼期間を長くすることができる。
従って、予混合圧縮自己着火燃焼の燃焼期間を示すパラメータを取得し、該パラメータから燃焼期間が適正な長さより長いことが判断される場合に平均温度を上昇させるのと同時に温度不均一度合を小さくし、反対に燃焼が適正な長さより短いことが判断される場合に平均温度を低下させるのと同時に温度不均一度合を大きくすることで、エンジン熱効率やNOx生成量を変えることなく燃焼期間を適正化することができる。
これにより、予混合圧縮自己着火燃焼の燃焼期間と着火時期とを共に適正なものとすることが可能となり、良好なエンジン熱効率やNOx生成特性を維持しつつ、燃焼騒音やエンジン振動、未燃燃料の発生を抑制することが可能となる。
【0019】
また、圧縮自己着火前の筒内作動ガスに占める既燃焼ガスの比率を変化させることにより、筒内作動ガスの平均温度を確実に制御することができる。
また、圧縮自己着火前の筒内における既燃焼ガスの分散度合を変化させることにより、筒内作動ガスの温度不均一度合を確実に制御することができる。
【0020】
請求項2の発明によれば、2つの制御の比率(平均温度の変化代に対する温度不均一度合の変化代)をエンジン運転条件に応じて可変にすることで、より具体的には、請求項3の発明のように、エンジン負荷が大きいときほど平均温度の変化代に対する温度不均一度合の変化代を大きくすることで、燃焼期間制御に伴うエンジン熱効率やNOx生成量の変化を小さくすることができる。
【0022】
請求項4〜請求項10の発明によれば、燃焼期間を示す各種のパラメータの中から、適宜選択して、実際の燃焼期間を取得し、これに基づく適正な判断により、エンジン熱効率やNOx生成量を変えることなく燃焼期間を適正化することができる。
請求項11〜請求項13の発明によれば、適宜、排気還流制御弁、排気絞り弁、可変動弁装置など用いて、圧縮自己着火前の筒内作動ガスに占める既燃焼ガスの比率を確実に変化させ、筒内作動ガスの平均温度を確実に制御することができる。
【0023】
請求項14の発明によれば、圧縮自己着火前の筒内における筒内作動ガス流動の強さを変化させることで、既燃焼ガスの分散度合を変化させ、更に請求項15の発明によれば、吸気制御弁を用いて吸気流れの偏り度合を変化させることで、筒内作動ガス流動の強さを変化させ、筒内作動ガスの温度不均一度合を確実に制御することができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1及び図2は本発明の第1実施形態を示し、図1はエンジンのシステム構成図、図2はエンジンの概略平面図である。
シリンダヘッド1、シリンダブロック2及びピストン3によって画成される燃焼室4は、吸気弁5を介して吸気ポート6と接続されており、また排気弁7を介して排気ポート8と接続されている。
【0025】
吸気ポート6の上流には燃料噴射弁9が配設されており、この燃料噴射弁9より吸気ポート6内へ燃料を噴射して吸気ポート6内で空気と燃料との予混合気を形成するようになっている。
本実施形態のエンジンは、所定の部分負荷運転領域において予混合圧縮自己着火燃焼による運転を行うが、それ以外の高負荷運転領域においては通常の火花点火燃焼による運転を行うので、シリンダヘッド1には燃焼室4に臨ませて点火栓10が取付けられている。
【0026】
吸気ポート6は、1つの吸気ポートが途中で2つに分岐して燃焼室4に接続する構造となっており、そのため吸気弁5も1つの気筒に対し2つ設けられている。排気ポート8及び排気弁7についても同様である。
吸気ポート6の分岐部より上流側には吸気制御弁11が配設されている。吸気制御弁11は吸気ポート6に対し偏った開口部を有するバタフライ弁であり、開度を小さく(全閉状態に近く)すると吸気ポート6内の流れに偏りが生じ、分岐後の2つの吸気ポートを通過する吸気量に差をつけることができる。吸気制御弁11の開度を小さくするほど2つの吸気ポートを通過する吸気量の差が大きくなり、2つの吸気ポートを通過する吸気量の差が大きくなるほど燃焼室4内に生起される旋回流の強さが強くなる。
【0027】
吸気ポート6と排気ポート8とは排気還流通路12によって連通されている。排気還流通路12には通路面積を変更可能な排気還流制御弁13が設けられており、排気還流制御弁13の開度を制御することで排気ポート8から吸気ポート6へ還流する排気ガス量を調整することができるようになっている。吸気ポート6へ還流される排気ガス量が変化すると、燃焼室4内に吸入されるガス(筒内作動ガス)に占める排気ガス(既燃焼ガス)の比率が変化し、作動ガスの平均温度が変化する。具体的には、排気還流制御弁13の開度を大きくして排気還流量を増大させるほど作動ガスの平均温度が高くなる。尚、排気還流制御弁13としては、ステップモータ等で弁体を駆動して開度を制御するタイプの制御弁の他、開閉弁の開閉時間比率を制御することによって実質的な開度を制御するようにしたデューティ制御弁を使用することもできる。
【0028】
排気還流通路12の吸気ポート6側の接続部では、吸気ポート6に対し偏った位置に排気還流通路12が開口するようになっており、還流排気ガスは主に分岐した吸気ポートの一方だけから燃焼室4へ流入する。反対に他方の吸気ポートからはほとんど新気(予混合気)だけのガスが燃焼室4へ流入する。すなわち、排気ガスを多く含む高温のガスと排気ガスをほとんど含まない低温のガスとを別々に燃焼室4へ流入させるようになっており、燃焼室4内で2つのガスの混合が起こらなければ燃焼室4内の温度不均一度合が大きくなる一方、2つのガスの混合が進むほど燃焼室4内の温度不均一度合が小さくなる。燃焼室4内における2つのガスの混合は燃焼室4内のガス流動の強さによってその進み度合が決まるので、結局、吸気制御弁11の開度を大きくして燃焼室4内の旋回流を弱くすると温度不均一度合が大きくなり、吸気制御弁11の開度を小さくして燃焼室4内の旋回流を強くすると温度不均一度合が小さくなる。
【0029】
以上のように本実施形態では、排気還流制御弁13の開度制御によって燃焼室4内の作動ガスの平均温度を制御し、吸気制御弁11の開度制御によって燃焼室4内の作動ガスの温度不均一度合を制御する。
次に本実施形態の制御系について説明する。
エンジンコントロールユニット(以下ECUという)20には、各種のセンサから検出信号が入力される。すなわち、アクセル開度センサ21からエンジンの負荷(要求トルク)を示すアクセル開度信号が入力され、クランク角センサ22からエンジンのクランク角位置を示すクランク角信号が入力される。
【0030】
ECU20は、これらの検出信号を基に、必要な演算・処理を行って、燃料噴射信号、吸気制御弁制御信号、排気還流制御弁制御信号、点火信号等を生成し、これらの信号を各デバイス(燃料噴射弁9、吸気制御弁11、排気還流制御弁13、点火栓10等)へ送ってこれらを制御する。
ECU20が実行する様々な処理のうち、本発明に関わる処理を図3の制御フローに基づいて説明する。
【0031】
図3の制御フローは、燃焼形態として予混合圧縮自己着火燃焼が選択されているときにECU20が所定時間毎に実行する処理ルーチンを示す。この処理ルーチンでは、排気還流制御弁制御信号の元となる目標平均温度tMTと吸気制御弁制御信号の元となる目標温度不均一度合tTIとを算出する。
先ずステップ11(以下S11のように表記する)では、エンジンの運転条件を示すアクセル開度APOとエンジン回転速度NEとを読込む。APOはアクセル開度センサ21から送られるアクセル開度信号を使用し、NEはクランク角センサ22から送られるクランク角位置信号に基づいて所定期間毎にECU20が算出しそのメモリにストアしている値を使用する。
【0032】
S12では、アクセル開度APOとエンジン回転速度NEとに基づいて、目標平均温度の基本値tMTbと目標温度不均一度合の基本値tTIbとを算出する。具体的には、APOとNEとに従ってそれぞれの制御マップ(図示省略)から値をルックアップする。それぞれの制御マップには、基準的な使用状態において適正な燃焼期間と着火時期とが得られる平均温度と温度不均一度合とがAPOとNEとに対応させて記憶させてある。尚、最終的には排気還流制御弁13の開度と吸気制御弁11の開度とを制御して平均温度と温度不均一度合とを制御するので、tMTbやtTIbが直接排気還流制御弁13の開度や吸気制御弁11の開度の目標値の基本値となっていても良い。
【0033】
S13では、アクセル開度APOに基づいて2つの制御の比率(平均温度の変化代に対する温度不均一度合の変化代)を決める係数kを算出する。具体的には、APOに従って制御テーブル(図示省略)から値をルックアップする。この制御テーブルは、APOが大きいときほど係数kが大きくなる(平均温度の変化代に対する温度不均一度合の変化代が大きくなる)特性となっている。
【0034】
S14では、図示しない別の処理ルーチンで算出されたエンジン回転速度の変動ΔNEを読込む。この変動ΔNEは、燃焼サイクル毎のエンジン回転速度NEのばらつきを統計処理(フィルタ処理等)して得るもので、値が大きいほどエンジン回転速度の変動が大きいことを示す。予混合圧縮自己着火燃焼における燃焼期間が過剰に長くなると供給した燃料の一部しか燃焼しなくなり、供給した全燃料に対する燃焼燃料の割合が燃焼サイクル毎に変化しやすくなる。このため、燃焼によって発生するトルクが燃焼サイクル毎に変化し、これがエンジンの回転速度変動として現れてくる。このため、エンジン回転速度の変動ΔNEを予混合圧縮自己着火燃焼の燃焼期間を示すパラメータとして使用することができる。
【0035】
S15では、エンジン回転速度の変動ΔNEが所定の判定値TH1より大きいか否か、すなわち、燃焼期間が適正な長さより長いか否かを判断する。この判断結果がYESである場合は、S16〜S18の処理へ進み、平均温度を上昇させるのと同時に温度不均一度合を小さくする処理を行う。
S16では、平均温度のフィードバック補正値MTfbを前回の値(MTfbz)から所定の刻み値ΔMT1だけ大きくする。
【0036】
S17では、平均温度の刻み値ΔMT1にS13で算出した係数kを乗じて温度不均一度合の刻み値ΔTI1を算出する。
S18では、温度不均一度合のフィードバック補正値TIfbを前回の値(TIfbz)から刻み値ΔTI1だけ小さくする。
先のS15でエンジン回転速度の変動ΔNEが所定の判定値TH1以下と判断された場合は、さらにS19でエンジン回転速度の変動ΔNEが所定の判定値TH2より小さいか否か、すなわち、燃焼期間が適正な長さより短いか否かを判断する。この判断結果がYESである場合は、S20〜S22の処理へ進み、平均温度を低下させるのと同時に温度不均一度合を大きくする処理を行う。
【0037】
S20では、平均温度のフィードバック補正値MTfbを前回の値(MTfbz)から所定の刻み値ΔMT2だけ小さくする。尚、先の刻み値ΔMT1とこのΔMT2とを同じ値に設定しても良いし、異なる値に設定しても良い。
S21では、平均温度の刻み値ΔMT2にS13で算出した係数kを乗じて温度不均一度合の刻み値ΔTI2を算出する。
【0038】
S22では、温度不均一度合のフィードバック補正値TIfbを前回の値(TIfbz)から刻み値ΔTI2だけ大きくする。
先のS19でエンジン回転速度の変動ΔNEが所定の判定値TH2以上と判断された場合は、燃焼期間が適正な範囲に制御されているものとみなして、平均温度及び温度不均一度合のフィードバック補正値MTfb、TIfbを不変(前回値をそのまま維持)とする(S23、S24)。
【0039】
S25では、目標平均温度の基本値tMTbに平均温度のフィードバック補正値MTfbを加算して、最終的な目標平均温度tMTを算出する。
S26では、目標温度不均一度合の基本値tTIbに温度不均一度合のフィードバック補正値TIfbを加算して、最終的な目標温度不均一度合tTIを算出する。
【0040】
以上のようにして算出した目標平均温度tMTと目標温度不均一度合tTIとは、それぞれ排気還流制御弁制御信号と吸気制御弁制御信号とに変換され、排気還流制御弁13と吸気制御弁11とへ送られる。尚、tMTやtTIを直接、排気還流制御弁開度や吸気制御弁開度の目標値として算出した場合、変換は不要であり、tMTやtTIがそのまま制御信号として排気還流制御弁13や吸気制御弁11へ送られる。
【0041】
次に図4〜図6を用いて作用を説明する。
図4は、作動ガスの平均温度と温度不均一度合(作動ガスの最高温度と最低温度との差)とに対する燃焼期間[deg.CA]の変化をシミュレーションによって求めた結果を示したものである。図中の境界線Xで囲んだ右下部分、すなわち、平均温度がある程度高く、温度不均一度合が過大でない領域では、供給した燃料のほぼ全てが燃焼する(完全燃焼)。図中の残りの領域では、平均温度が低いために混合気が全く着火しないか、あるいは不均一な混合気の高温部分は着火するものの低温部分が着火に至らず部分燃焼となる。
【0042】
図5は、同シミュレーションによる図示熱効率[%]の計算結果を示したものである。基本的に図示熱効率は左上から右下へ等高線が延びる特性を示す。すなわち、燃焼期間を制御する際にこの等高線に沿って平均温度と温度不均一度合とを制御すれば熱効率の低下を生じない。
図6は、同シミュレーションによる一酸化窒素(NO)の生成量[ppm ]を示したものである。NO生成量も基本的に左上から右下へ等高線が延びる特性を示しており、図示熱効率の等高線に沿って平均温度と温度不均一度合とを制御すればNOx生成量の増加も生じないことが分かる。
【0043】
本実施形態では、これらの図に示される完全燃焼領域内であって、可能な限り燃焼期間が長く、熱効率及びNOx生成量が最良となるよう、運転点が予め選択されている(具体的には目標平均温度の基本値tMTbと目標温度不均一度合の基本値tTIbとの設定による)。しかしながら、そのような設定は境界線Xの近傍に運転点を設定することを意味するので、何らかの外乱によって境界線Xの位置が多少変化すると、運転点が境界線Xの外(部分燃焼領域)へ出てしまうことになる。このようなときに、熱効率の等高線に沿って平均温度と温度不均一度合とを図の右下へ向けて制御すれば、熱効率の低下やNOx生成量の増加を伴わずに、運転点を境界線Xの内部へ戻すことができる。反対に、現在の運転点が境界線Xから離れている場合、熱効率の等高線に沿って平均温度と温度不均一度合とを図の左上へ向けて制御すれば、熱効率の低下やNOx生成量の増加を伴わずに、運転点をぎりぎりまで境界線Xに近づけることができ、エンジンの燃焼騒音や振動を小さくすることができる。
【0044】
図7は、図4〜図6と同様のシミュレーション結果であり、混合気の燃料/空気混合比(φ)を変えてシミュレーションしたものである。φが大きいほど燃料リッチであることを示している。予混合圧縮自己着火燃焼では、エンジン負荷(要求トルク)の変化に対しては燃料量を変化させることで対応するので、φが大きい右側の図ほどエンジン負荷が大きい状態に相当する。この図から明らかなように、熱効率(NOx生成量)の等高線の傾きはφの大きさによって変化する。このような現象に対応するため、本実施形態では、アクセル開度APOが大きいときほど係数kを大きくして、平均温度の変化代に対する温度不均一度合の変化代が大きくなるようにしている。
【0045】
次に本発明の第2実施形態について説明する。
図8は第2実施形態を示すシステム構成図であり、排気ポート8に排気ガス中の未燃燃料(HC)濃度を検出する未燃燃料濃度センサ23が配設されている点と、シリンダブロック2にその振動を検出する振動センサ24が取付けられている点とが、図1のシステムと異なっている。尚、振動センサ24としては通常の火花点火式エンジンにおいてノッキングを検出するセンサとして使用されるようなセンサを使用することが可能である。
【0046】
この実施形態においてECU20が実行する処理は、図3に示した制御フローとほぼ同様であり、燃焼期間を示すパラメータを取得するステップと燃焼期間の長短を判断するステップのみが異なっている。以下、図3と異なるステップについて、図9に基づいて説明する。
燃焼期間を示すパラメータを取得するS31では、排気ガス中の未燃燃料濃度HCとエンジン振動Vとを読込む。HCは未燃燃料濃度センサ23から送られる未燃燃料濃度信号を使用し、Vは振動センサ24から送られるシリンダブロック振動信号を使用する。
【0047】
予混合圧縮自己着火燃焼における燃焼期間が過剰に長くなると供給した燃料の一部しか燃焼しなくなり、燃焼しなかった燃料は未燃燃料として排気ポート8へ排出される。一方、燃焼期間が過剰に短くなると燃焼室4内の圧力上昇が急峻となり、シリンダブロック2にノッキング発生時と同様の振動が発生する。このため、未燃燃料濃度HCとエンジン振動Vとを予混合圧縮自己着火燃焼の燃焼期間を示すパラメータとして使用することができる。
【0048】
S32では、未燃燃料濃度HCが所定の判定値TH3より大きいか否か、すなわち、燃焼期間が適正な長さより長いか否かを判断する。この判断結果がYESである場合は、平均温度を上昇させるのと同時に温度不均一度合を小さくする処理を行う(S16〜S18)。
S33では、エンジン振動Vが所定の判定値TH4より大きいか否か、すなわち、燃焼期間が適正な長さより短いか否かを判断する。この判断結果がYESである場合は、平均温度を低下させるのと同時に温度不均一度合を大きくする処理を行う(S20〜S22)。
【0049】
次に本発明の第3実施形態について説明する。
図10は第3実施形態を示すシステム構成図であり、シリンダヘッド1に燃焼室4内の圧力を検出する圧力センサ25が取付けられている点が、図1のシステムと異なっている。尚、圧力センサ25としては、図10に示すような燃焼室4内に直接臨ませる形式のセンサの他、点火栓10の座金部に設置する形式のセンサを使用することも可能である。
【0050】
この実施形態においてECU20が実行する処理は、図3に示した制御フローとほぼ同様であり、燃焼期間を示すパラメータを取得するステップと燃焼期間の長短を判断するステップのみが異なっている。以下、図3と異なるステップについて、図11に基づいて説明する。
燃焼期間を示すパラメータを取得するS41では、図示しない別の処理ルーチンで算出された燃焼室内圧力最大値Pmaxと、このPmaxの燃焼サイクル毎の変動ΔPmaxとを読込む。Pmaxは圧力センサ25から送られる燃焼室内圧力信号の最大値を使用し、ΔPmaxは燃焼サイクル毎のPmaxのばらつきを統計処理(フィルタ処理等)した値を使用する。
【0051】
予混合圧縮自己着火燃焼における燃焼期間が過剰に長くなると供給した燃料の一部しか燃焼しなくなり、供給した全燃料に対する燃焼燃料の割合が燃焼サイクル毎に変化しやすくなる。このため、燃焼による燃焼室内の圧力上昇が燃焼サイクル毎に変化し、Pmaxの変動ΔPmaxが大きくなる。一方、燃焼期間が過剰に短くなると燃焼室4内の圧力上昇が急峻となり、その絶対値も大きくなる。このため、燃焼室内圧力最大値Pmaxとその変動ΔPmaxとを予混合圧縮自己着火燃焼の燃焼期間を示すパラメータとして使用することができる。
【0052】
S42では、燃焼室内圧力最大値の変動ΔPmaxが所定の判定値TH5より大きいか否か、すなわち、燃焼期間が適正な長さより長いか否かを判断する。この判断結果がYESである場合は、平均温度を上昇させるのと同時に温度不均一度合を小さくする処理を行う(S16〜S18)。
S43では、燃焼室内圧力最大値Pmaxが所定の判定値TH6より大きいか否か、すなわち、燃焼期間が適正な長さより短いか否かを判断する。この判断結果がYESである場合は、平均温度を低下させるのと同時に温度不均一度合を大きくする処理を行う(S20〜S22)。
【0053】
この実施形態のように圧力センサ25を備えるものでは、他の方法で燃焼期間の長短を判断することも可能である。例えば、クランク角センサ22から送られるクランク角位置信号と圧力センサ25から送られる燃焼室内圧力信号とに基づいて、1燃焼サイクルにおける燃焼室内圧力の履歴より熱発生量を算出し、この熱発生量と、燃料供給量から推定される熱発生量(供給した燃料が完全燃焼した場合の熱発生量)とを比較し、前者が後者の所定割合以下であるときに燃焼期間が適正な長さより長いと判断したり、クランク角位置信号と燃焼室内圧力信号とに基づいて、燃焼室内圧力上昇率(クランク角変化に対する筒内圧力変化)を算出し、この燃焼室内圧力上昇率が所定値以上であるときに燃焼期間が適正な長さより短いと判断したりすることができる。
【0054】
次に本発明の第4実施形態について説明する。
図12は第4実施形態を示すシステム構成図であり、排気還流通路12及び排気還流制御弁13を設ける代りに、排気ポート8の通路断面積を変更可能な排気絞り弁14を設けている点が、図1のシステムと異なっている。排気絞り弁14の開度を小さく(全閉状態に近く)すると、燃焼室4からの排気ガスの流出が制限され、燃焼室4内に残留する既燃焼ガス量が多くなる。
【0055】
この実施形態では、燃焼室4内に一様に残留する既燃焼ガス中に新気を流入させることになるので、吸気制御弁11の開度を最大として燃焼室4内の旋回流を最大限弱くしても既燃焼ガスと新気との混合がある程度進んでしまうことになり、第1実施形態の場合と比較すると温度不均一度合の制御幅が狭くなる可能性があるが、排気還流通路12を介して排気ガスを還流させるよりも既燃焼ガスの温度を高く維持することが可能なので、第1実施形態の場合よりも少量の既燃焼ガスで平均温度制御を行える利点がある。
【0056】
この実施形態においてECU20が実行する処理は、図3に示した制御フローと同じであるが、燃焼室4内に残留する既燃焼ガス量は排気絞り弁14の開度が小さいほど大きくなるので、目標平均温度tMTを排気絞り弁制御信号に変換する際には、tMTが大きいほど排気絞り弁制御信号が小さくなる(小開度となる)ように変換する必要がある。
【0057】
次に本発明の第5実施形態について説明する。
図13は第5実施形態を示すシステム構成図であり、排気還流通路12及び排気還流制御弁13を設ける代りに、排気弁7の閉時期EVCを変更することが可能な可変動弁装置7aを設けている点が、図1のシステムと異なっている。排気弁7の閉時期EVCを排気上死点より前に設定すると、燃焼室4からの排気ガスの流出が制限され、燃焼室4内に残留する既燃焼ガス量が多くなる。
【0058】
尚、EVCから排気上死点までの間にピストンが行う圧縮仕事を吸気行程初期に回収する必要があるので、吸気弁5の開時期IVOをEVC−排気上死点間とほぼ同じクランク角だけ排気上死点より遅らせるようにしている。このため、本実施形態では、吸気弁5に関してその開時期IVOを変更することが可能な可変動弁装置5aを設けている。この場合のバルブタイミングの設定例を図14(a)に通常の設定例(b)と対比して示している。
【0059】
これらの可変動弁装置5a、7aとしては、吸排気弁の作動角を連続的に変更することが可能な機構を採用することが望ましいが、少なくとも排気弁7の閉時期EVCを変更することが可能な機構であれば、どのような機構を採用しても良く、電磁力や油圧力で排気弁7(更には吸気弁5)を駆動する動弁装置を使用するようにしてもかまわない。
【0060】
この実施形態においてECU20が実行する処理は、図3に示した制御フローと同じであるが、燃焼室4内に残留する既燃焼ガス量は排気弁7の閉時期EVCが進角するほど大きくなるので、目標平均温度tMTを排気弁閉時期信号に変換する際には、tMTが大きいほど排気弁閉時期信号が進角するように変換する必要がある。
【0061】
以上の実施形態では、いずれも吸気ポート内に燃料を噴射供給して吸気ポート内で予混合気を形成するエンジンを例示したが、着火時期までの間に燃料の十分な気化が得られるのであれば燃料を直接燃焼室内に噴射する直噴式エンジンに本発明を適用することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施形態を示すエンジンのシステム構成図
【図2】 同上エンジンの概略平面図
【図3】 第1実施形態の制御フローを示す図
【図4】 平均温度及び温度不均一度合による燃焼期間の特性図
【図5】 平均温度及び温度不均一度合による図示熱効率の特性図
【図6】 平均温度及び温度不均一度合によるNO生成量の特性図
【図7】 燃料/空気混合比(φ)による特性変化を示す図
【図8】 本発明の第2実施形態を示すエンジンのシステム構成図
【図9】 第2実施形態の制御フローの変更部分を示す図
【図10】 本発明の第3実施形態を示すエンジンのシステム構成図
【図11】 第3実施形態の制御フローの変更部分を示す図
【図12】 本発明の第4実施形態を示すエンジンのシステム構成図
【図13】 本発明の第5実施形態を示すエンジンのシステム構成図
【図14】 バルブタイミングの設定例を示す図
【符号の説明】
1 シリンダヘッド
2 シリンダブロック
3 ピストン
4 燃焼室
5 吸気弁
5a 可変動弁装置
6 吸気ポート
7 排気弁
7a 可変動弁装置
8 排気ポート
9 燃料噴射弁
10 点火栓
11 吸気制御弁
12 排気還流通路
13 排気還流制御弁
14 排気絞り弁
20 ECU
21 アクセル開度センサ
22 クランク角センサ
23 未燃燃料濃度センサ
24 振動センサ
25 圧力センサ
Claims (15)
- 予め混合された空気と燃料との混合気を圧縮自己着火により燃焼させる予混合圧縮自己着火式エンジンの制御装置において、
圧縮自己着火前の筒内作動ガスに占める既燃焼ガスの比率を変化させることにより筒内作動ガスの平均温度を制御する手段と、
圧縮自己着火前の筒内における既燃焼ガスの分散度合を変化させることにより筒内作動ガスの温度不均一度合を制御する手段と、を備え、
予混合圧縮自己着火燃焼の燃焼期間を示すパラメータを取得し、該パラメータから燃焼期間が適正な長さより長いことが判断される場合に平均温度を上昇させるのと同時に温度不均一度合を小さくし、前記パラメータから燃焼期間が適正な長さより短いことが判断される場合に平均温度を低下させるのと同時に温度不均一度合を大きくすることを特徴とする予混合圧縮自己着火式エンジンの制御装置。 - 平均温度の変化代に対する温度不均一度合の変化代をエンジン運転条件に応じて可変設定することを特徴とする請求項1記載の予混合圧縮自己着火式エンジンの制抑装置。
- エンジン負荷が大きいときほど平均温度の変化代に対する温度不均一度合の変化代を大きくすることを特徴とする請求項2記載の予混合圧縮自己着火式エンジンの制御装置。
- 前記パラメータとしてエンジン回転速度のサイクル変動を取得し、該変動が所定値より大きいとき燃焼期間が適正な長さより長いと判断することを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1つに記載の予混合圧縮自己着火式エンジンの制御装置。
- 前記パラメータとして排気ガス中の未燃燃料量を取得し、該未燃燃料量が所定値より多いとき燃焼期間が適正な長さより長いと判断することを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1つに記載の予混合圧縮自己着火式エンジンの制御装置。
- 前記パラメータとしてエンジン本体の振動を取得し、該振動が所定値より大きいとき燃焼期間が適正な長さより短いと判断することを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1つに記載の予混合圧縮自己着火式エンジンの制御装置。
- 前記パラメータとしてエンジン筒内圧力のサイクル変動を取得し、該変動が所定値より大きいとき燃焼期間が適正な長さより長いと判断することを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1つに記載の予混合圧縮自己着火式エンジンの制御装置。
- 前記パラメータとしてエンジン筒内圧力の最大値を取得し、該筒内圧力最大値が所定値より大きいとき燃焼期間が適正な長さより短いと判断することを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1つに記載の予混合圧縮自己着火式エンジンの制御装置。
- 前記パラメータとして1燃焼サイクル中のエンジン筒内圧力の履歴を取得し、該筒内圧力履歴から求められる熱発生量が供給した燃料量から求められる熱発生量より小さいとき燃焼期間が適正な長さより長いと判断することを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1つに記載の予混合圧縮自己着火式エンジンの制御装置。
- 前記パラメータとしてエンジン筒内圧力の上昇率を取得し、該筒内圧力上昇率が所定値より大きいとき燃焼期間が適正な長さより短いと判断することを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1つに記載の予混合圧縮自己着火式エンジンの制御装置。
- エンジンの吸気通路と排気通路とを連通する排気還流通路と、該排気還流通路の通路面積を変更可能な排気還流制御弁とを備え、該排気還流制御弁の開度制御により吸気通路に還流される排気ガス量を変化させて筒内作動ガスに占める既燃焼ガスの比率を変化させることを特徴とする請求項1〜請求項10のいずれか1つに記載の予混合圧縮自己着火式エンジンの制御装置。
- エンジンの排気通路の通路面積を変更可能な排気絞り弁を備え、該排気絞り弁の開度制御により筒内に残留する既燃焼ガス量を変化させて筒内作動ガスに占める既燃焼ガスの比率を変化させることを特徴とする請求項1〜請求項10のいずれか1つに記載の予混合圧縮自己着火式エンジンの制御装置。
- エンジンの排気弁の閉時期を変更可能な可変動弁装置を備え、前記排気弁の閉時期制御により筒内に残留する既燃焼ガス量を変化させて筒内作動ガスに占める既燃焼ガスの比率を変化させることを特徴とする請求項1〜請求項10のいずれか1つに記載の予混合圧縮自己着火式エンジンの制御装置。
- 圧縮自己着火前の筒内における筒内作動ガス流動の強さを変化させて既燃焼ガスの分散度合を変化させることを特徴とする請求項1〜請求項13のいずれか1つに記載の予混合圧縮自己着火式エンジンの制御装置。
- エンジンの吸気通路内の流れを偏らせる吸気制御弁を備え、該吸気制御弁の開度制御により吸気流れの偏り度合を変化させて筒内作動ガス流動の強さを変化させることを特徴とする請求項14記載の予混合圧縮自己着火式エンジンの制御装置。
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