JP3823437B2 - 位置検出装置及びブレ補正装置 - Google Patents
位置検出装置及びブレ補正装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP3823437B2 JP3823437B2 JP10910797A JP10910797A JP3823437B2 JP 3823437 B2 JP3823437 B2 JP 3823437B2 JP 10910797 A JP10910797 A JP 10910797A JP 10910797 A JP10910797 A JP 10910797A JP 3823437 B2 JP3823437 B2 JP 3823437B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- light
- slit
- position detection
- psd
- detection device
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Images
Landscapes
- Length Measuring Devices By Optical Means (AREA)
- Optical Transform (AREA)
- Adjustment Of Camera Lenses (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、撮影光学系のブレを補正するブレ補正光学系の移動位置などを、光の位置の変化によって検出する位置検出装置及びブレ補正装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、1次元又は2次元の位置検出素子(Position Sensitive Device:半導体位置検出素子)(以下、PSDという)を使用した位置検出装置が知られている。このPSDは、受光面上におけるスポット状の光束の重心位置を検出することができる光検出素子であり、光源と組み合わせて光位置センサとして広く応用されている。
【0003】
図6は、従来の位置検出装置を示す断面図である。
この位置検出装置は、天板21aに取り付けられ、光を投光する発光ダイオード(以下、LEDという)51と、固定部材21bに取り付けられ、スポット状の光の位置を検出する一次元PSD54と、移動部材22と、この移動部材22に取り付けられ、y軸方向に長孔(スリット孔)52aが形成されたスリット板52などからなる。スリット板52は、LED51とPSD54との間に配置されており、PSD54と平行な位置関係を維持しつつ、固定部材22と一体となってx軸方向(図中A方向)に所定の範囲内で移動する。この位置検出装置では、x軸方向に移動するスリット板52のスリット孔52aを介して、PSD54の受光面54aにLED51から光を投光している。通常、1次元PSD54は、図6に示すように、2つの信号I1,I2を出力する。PSD54に入射する光束のx軸方向における重心位置は、この出力値を演算することにより検出され、この重心位置に基づいて移動部材22の位置が検出される。
【0004】
PSD54は、スポット状の光の位置を検出するものであり、その受光面54aに投影される光の像は、なるべくシャープであることが望ましい。スリット板52は、シャープなスポット状の光を作り出す役割と、移動部材22に追従してPSD54に入射する光の位置を変化させる役割を担っている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
以下に、従来の位置検出装置の問題点について説明する。
(スリット孔の中心位置とPSDの検出位置との間に生ずる誤差)
図7は、従来の位置検出装置におけるスリット位置が変化したときの入射光の状態を示す断面図であり、図7(A)は、LEDの鉛直下にスリット孔が位置づけられた状態を示す断面図であり、図7(B)は、LEDの鉛直下にスリット孔が位置づけられていない状態を示す断面図である。
従来の位置検出装置では、スリット孔52aの中心位置xをLED51の鉛直下から求める場合において、LED51の鉛直下にその中心位置xがあるときには、図7(A)に示すように、PSD54の検出位置Pxと中心位置xとは、一致する。一方、スリット孔52aの中心位置xがLED51の鉛直下にないときには、図7(B)に示すように、スリット孔52aの中心位置xとPSD54の検出位置Pxとには、誤差δxが生じてしまう。この誤差δxは、スリット板52の厚さを考えないときには、LED51とPSD54との間の距離D1、スリット板52とPSD54との間の距離D2、LED51の鉛直下におけるスリット孔52aの中心位置x=0とすると、以下の数1が成立する。
【0006】
【数1】
【0007】
数1に示すように、誤差δxは、スリット板52の移動量xに比例して大きくなり、距離D2が大きいほど大きくなる。従来の位置検出装置では、誤差δxは、必ず生じ、実際のスリット孔52aの中心位置xとPSD54の検出位置Pxとは、一致しない。
【0008】
(スリット板の厚みにより生ずる誤差)
図8は、従来の位置検出装置におけるスリット板の厚みにより生ずる位置検出の誤差の影響を説明するための図であり、図8(A)は、x>>w/2の状態を示す断面図であり、図8(B)は、x=w/2の状態を示す断面図であり、図8(C)は、x<w/2の状態を示す断面図であり、図8(D)は、x=0の状態を示す断面図である。
【0009】
ここで、スリット孔52aの中心位置x、スリット孔52aの幅w、スリット板の厚さt、PSD54の受光面54aにおける光スポットの幅L,L’である。図8は、特に、LED51の鉛直下付近の範囲でスリット孔52aが移動したときの入射光の状態を示している。図8(A)から図8(D)は、LED51の鉛直下におけるスリット孔52aの中心位置x=0からPSD54の図中左側をプラスとしたときに、このスリット孔52aの中心位置xがプラスの値から0まで変化する順に示している。また、図8において、LED51側の縁部52b、PSD54側の縁部52cは、スリット孔52aに入射した光束の一部が遮られ(けられ)る部分である。
【0010】
図8に示すように、スリット孔52aに入射する光が縁部52b,52cによりけられる態様は、厚さtのスリット板52の場合には、x=w/2を境にしてx>w/2のときとx≦w/2のときとでは異なる。以下の数2は、x≦w/2のときの光スポットの幅Lを計算により求めた式であり、数3は、x>w/2のときの光スポットの幅L’を計算により求めた式である。
【0011】
【数2】
【0012】
【数3】
【0013】
数2に示すように、x≦w/2のときには、光スポットの幅Lは、スリット孔52aの中心位置xとは無関係に一定である。しかし、x>w/2のときには、数3に示すように、光スポットの幅L’は、スリット孔52aの中心位置xに依存しており、この中心位置xによって変化し、x<w/2のときの光スポットの幅Lよりも狭くなる。このために、x>w/2のときとx≦w/2のときとでは、PSD54の受光面54aに形成される光スポットの面積が異なり、PSD54の位置検出に不連続点が生じてしまう。
【0014】
図9は、従来の位置検出装置における厚みのあるスリット板の場合と厚みのない理想的なスリット板の場合のPSDに入射する光束の重心位置を示す断面図である。
ここで、光束L1は、厚さtのスリット板52のスリット孔52aを通過する光束であり、光束L2は、厚みのない(t=0)理想的なスリット板53のスリット孔53aを通過する光束である。図9に示すように、光束L1は、スリット板52の縁部52b,52cにより遮られ(けられ)、光束L2は、スリット孔53aにより遮られ(けられ)る。このために、スリット板52,53の厚さの違いにより、x=w/2のときとは無関係に、PSD54の受光面54aに入射する光束L1,L2の重心位置Px,Pxoは、それぞれ異なる。数4及び数5は、PSD54の受光面54aに入射する光束L1の重心位置(PSD54の検出位置)Pxを計算により求めた式である。数6は、PSD54の受光面54aに入射する光束L2の重心位置(PSD54の検出位置)Pxoを計算により求めた式である。
【0015】
【数4】
【0016】
【数5】
【0017】
【数6】
【0018】
数4及び数5に示すように、厚みのあるスリット板52と、数6に示すように、厚みのない理想的なスリット板53とでは、それぞれの理論式が異なる。厚みのない理想的なスリット板53のときには、スリット孔53aの中心位置xがいかなる位置であっても、光束L2の重心位置Pxoを数6により求めることができる。一方、スリット板52の場合において、x>w/2のときとx≦w/2のときとでは、x=w/2のときを境として、数4及び数5に示すように、それぞれの理論式が異なる。このことは、スリット孔52bの中心位置xがx=0よりも図中左側に移動したときも同様である。
【0019】
図10は、従来の位置検出装置における厚みのあるスリット板の場合と厚みのない理想的なスリット板の場合の入射光の重心位置とスリット孔の位置との関係を示す図である。
図10に示すように、スリット板52には、厚みがあるために、スリット孔52aの中心位置xに対する光束L1の重心位置Pxは、スリット孔52aの移動範囲において、一つの比例関係式として考えられない。実際の位置検出装置では、スリット板の厚さを0とすることができないために、スリット孔52aの中心位置xに対する光束L1の重心位置Pxの直線性が保てない状態が存在する。その結果、PSD54の出力信号に基づいて求められる光束L1の重心位置Pxとスリット孔52aの中心位置xには、前述の誤差δxが存在する上に、さらに、スリット板52の厚みによる誤差も生じてしまう。
【0020】
本発明の課題は、光の位置を検出するときに、位置検出の誤差を小さくすることができる位置検出装置及びブレ補正装置を提供することである。
【0021】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために、請求項1の発明は、光を投光する発光部と、前記発光部からの光を受光し、この光の位置を検出する光位置検出部と、前記発光部と前記光位置検出部との間に配置され、前記発光部からの光の少なくとも一部が通過する光通過部を備える遮光部材と、を含む位置検出装置において、前記光通過部は、前記遮光部材の前記発光部側の開口よりも前記光位置検出部側の開口が狭く形成されており、前記光位置検出部は前記光通過部を通過した前記光を検出すること、を特徴とする位置検出装置である。
【0022】
請求項2の発明は、請求項1に記載の位置検出装置において、前記光通過部は、前記遮光部材の厚肉部に設けられたスリット部であり、前記スリット部はナイフエッジ状のエッジ部により形成されること、を特徴とする位置検出装置である。
【0023】
請求項3の発明は、請求項2に記載の位置検出装置において、前記エッジ部の先端部は前記遮光部材の前記検出部側にあること、を特徴とする位置検出装置である。
【0024】
請求項4の発明は、ブレを補正するブレ補正光学系と、前記ブレ補正光学系の位置を検出する位置検出部と、を含むブレ補正装置において、前記位置検出部は、光を投光する発光部と、前記発光部からの光を受光し、この光の位置を検出する光位置検出部と、前記発光部と前記光位置検出部との間に配置され、前記発光部からの光の少なくとも一部が通過する光通過部を備える遮光部材とを含み、前記光通過部は、前記遮光部材の前記発光部側の開口よりも前記光位置検出部側の開口が狭く形成されており、前記光位置検出部は前記光通過部を通過した前記光を検出すること、を特徴とするブレ補正装置である。
【0025】
請求項5の発明は、請求項4に記載のブレ補正装置において、前記光通過部は、前記遮光部材の厚肉部に設けられたスリット部であり、前記スリット部はナイフエッジ状のエッジ部により形成されること、を特徴とするブレ補正装置である。
【0026】
請求項6の発明は、請求項5に記載のブレ補正装置において、前記エッジ部の先端部は前記遮光部材の前記検出部側にあること、を特徴とするブレ補正装置である。
【0027】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
以下、図面を参照して、本発明の第1実施形態について、さらに詳しく説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係る位置検出装置を示す断面図である。
なお、以下の説明において、図6から図9までに示した部材と同一の部材は、同一の番号を付して説明し、その部材の詳細な説明については省略する。
本発明の第1実施形態に係る位置検出装置は、LED51と、PSD54と、移動部材22と、この移動部材22に取り付けられたスリット板62などからなる。
【0028】
スリット板62は、光の一部を遮る部材である。スリット板62は、LED51とPSD54との間において、このPSD54の受光面54aと平行に移動部材22に取り付けられている。スリット板62には、スリット部62cが形成されている。
【0029】
スリット部62cは、スリット板62のy軸方向に形成され、LED51から投光された光の一部をPSD54の受光面54aに向けて通過させる長孔である。スリット部62cは、このスリット部62cに形成されたエッジ部62bと、後述するスリット孔62aとからなる。
【0030】
エッジ部62bは、スリット部62cを通過する光束の一部が遮られ(けられ)るのを防止するナイフエッジ状の部分である。エッジ部62bは、図1に示すように、スリット板62のLED51側の面からPSD54側の面に向けて、スリット部62cの開口部を徐々に狭めるように傾斜面を形成している。エッジ部62bは、図8及び図9に示した従来の位置検出装置におけるスリット孔52aから縁部52bを削り取るように、その断面形状が三角形に形成されている。
【0031】
スリット孔62aは、エッジ部62bに入射し、PSD54の受光面54aに向かう光束を絞る部分である。スリット孔62aは、図1に示すように、エッジ部62bの鋭角な先端部であり、スリット部62cにおいて最も狭い開口部を形成している。スリット孔62aは、その鋭角な先端部とPSD54の受光面54aとの距離が短くなるように、この受光面54aと対向する側のスリット板52の表面寄りに形成されている。
【0032】
本発明の第1実施形態に係るブレ検出装置では、スリット板62のスリット部62cには、断面形状が三角形のナイフエッジ状のエッジ部62bが形成されている。そして、LED51から投光された光は、エッジ部62bにおいて遮られなかった光束のみがPSD54の受光面54aに入射する。エッジ部62bのスリット孔(鋭利な先端部)62aは、図9に示した厚みのない理想的なスリット板53と同等とみなすことができる。以下の数7は、本発明の第1実施形態における光スポットの幅Lを計算により求めた式である。
【0033】
【数7】
【0034】
数7に示すように、光スポットの幅Lは、スリット孔62aの中心位置xとは無関係に一定である。このために、PSD54の受光面54aに形成される光スポットは、厚みのあるスリット板62の移動範囲内において、そのx軸方向の幅Lが一定となり、光スポットの面積を一定にすることができる。その結果、本発明の第1実施形態に係るブレ検出装置では、図8及び図9に示したように、厚みのあるスリット板52のスリット孔52aに入射する光束L1の一部が、縁部52bによって遮られるのを防止することができる。エッジ部62bにおいて遮られた光束は、厚みのない理想的なスリット板53のスリット孔53aに入射する光束L2が、このスリット孔53aにより遮られる光束と同等にすることができる。
【0035】
ブレ検出装置は、従来の技術において説明したように、スリット板52の厚みにより生ずる誤差を小さくするために、このスリット板52を可能な限り薄い板状とし、この上にスリット孔52aを形成することが好ましい。しかし、従来のスリット板52は、生産技術上などの問題から限りなく薄く、例えば、厚さが0.1mm程度のばらつきの少ない部材にスリット孔52aを形成することが難しかった。しかも、薄いスリット板52の場合には、厚さを薄く作成すると、部品強度が低下するために、組立時などの取り扱いが容易ではなかった。本発明の第1実施形態に係るブレ検出装置では、スリット板62の厚さが1mm以上であっても、スリット部62cの断面形状をナイフエッジ状にすることにより、スリット板62の厚さtを無視することができる。このために、ナイフエッジ状に成形されたスリット板62を使用することにより、現実には成形不可能な厚みのないスリット板53とこのスリット板62とを同様に扱うことができる。その結果、スリット板62に厚みがあってもPSD54の検出位置Pxの誤差を小さくすることができるとともに、ナイフエッジ状に鋭角に形成されたスリット孔62aにより光の回折を少なくすることができる。
【0036】
(第2実施形態)
図2は、本発明の第2実施形態に係る位置検出装置を示す断面図であり、図2(A)は、スリット板のLED側の面にスリット孔を形成した例を示す断面図であり、図2(B)は、スリット板の厚み方向の中央部にスリット孔を形成した例を示す断面図であり、図2(C)は、スリット板のPSD側の面にスリット孔を形成した例を比較例として示す断面図である。
図2に示すように、スリット板62,63,64は、いずれもスリット孔62a,63a,64aの中心位置x1、厚さtである。また、スリット孔62a,63a,64aの中心位置x1とPSD54の検出位置Px1,Px2,Px3との間には、誤差δx1,δx2,δx3が生じている。
【0037】
スリット板63には、図2(A)に示すように、スリット板62のエッジ部62bと同一方法によりエッジ部63bが成形されている。スリット板63は、図2(C)に示すスリット板62の表裏を逆にし、スリット孔63aをLED51側に近づけている。
【0038】
スリット板64には、図2(B)に示すように、LED51側及びPSD54側から厚さ方向の中間部に向けて、スリット部64cの開口部を徐々に狭めるように、エッジ部64bが形成されている。スリット部64cは、LED51側及びPSD54側の面からスリット孔64aに向けて傾斜面を形成している。スリット部64cは、図8及び図9に示した従来の位置検出装置におけるスリット孔52aから縁部52a,52bを削り取るように、その断面形状がナイフエッジ状の三角形に形成されている。スリット孔64cは、LED51側及びPSD54側の表面から深さt/2の部分に形成されている。
【0039】
本発明の第2実施形態に係る位置検出装置では、ナイフエッジ状のスリット部63b,64bがスリット部63c,64cに形成されている。このために、スリット板63,64に厚みがあっても、PSD54の検出位置Px2,Px3の誤差を小さくすることができる。
【0040】
(第3実施形態)
図3は、本発明の第3実施形態に係る位置検出装置を示す断面図であり、図3(A)は、スリット板のLED側の面に遮光膜を形成した例を示す断面図であり、図3(B)は、スリット板のPSD側の面に遮光膜を形成した例を示す断面図である。
本発明の第3実施形態に係る位置検出装置では、スリット板65,66は、LED51から入射する光を透過する透明な部材からなる。遮光膜65b,66bは、スリット板65,66の表面(縁部)に、塗布又は蒸着などの手法により薄く形成された不透明部である。スリット孔65a,66aは、スリット板65,66の遮光膜65b,66bが形成されていない部分である。
【0041】
本発明の第3実施形態に係る位置検出装置では、遮光膜65b,66bとスリット孔65a,66aとが、薄いナイフエッジ状のエッジ部を形成している。このために、遮光膜65b,66bとスリット孔65a,66aとを、透明なスリット板65,66に形成したときにも、PSD54の検出位置Pxの誤差を小さくすることができる。
【0042】
(第4実施形態)
図4は、位置検出装置が搭載されたブレ補正装置のブロック図である。図5は、本発明の第4実施形態に係る位置検出装置を示す断面図である。
なお、以下では、カメラに搭載されたブレ補正装置に、本発明の第1実施形態に係る位置検出装置を適用した例を説明する。
ブレ補正装置1は、撮影レンズの一部又は撮影レンズ全体を撮影光軸と直交する面内において移動させることによって撮影光軸を変化させ、カメラの手ブレなどにより生ずる像面のブレを補正する装置である。このブレ補正装置1は、図4に示すように、ブレ検出回路30と、CPU3と、モータ駆動回路13と、モータ14a,14bと、ブレ補正レンズ10と、位置検出装置20a,20bと、位置検出処理回路15などからなる。
【0043】
ブレ検出回路30は、カメラの手ブレなどによる振動を検出し、後述するCPU3にブレ情報を出力する回路である。ブレ検出回路30は、例えば、2つの角速度センサなどを用いることによって、それぞれx方向、y方向の手ブレなどにより生じた角速度を検出する。
【0044】
CPU3は、ブレ検出回路30から出力されたブレ情報及び後述する位置検出処理回路15から出力された現在位置情報に基づいて、ブレ補正量を演算するワンチップマイクロコンピュータである。CPU3は、後述するモータ14a,14bを駆動するために、このブレ補正量に応じた駆動信号をモータ駆動回路13に出力する。
【0045】
モータ14a,14bは、ブレ補正レンズ10を駆動するためのモータである。モータ14a,14bは、モータ駆動回路13からの出力信号に基づいて、ブレ補正レンズ10を駆動する。
【0046】
位置検出処理回路15は、後述する位置検出装置20a,20bから出力された位置検出情報に基づいて、ブレ補正レンズ10の現在の位置を現在位置情報としてCPU3に出力する。
【0047】
位置検出装置20a,20bは、ブレ補正レンズ10のx軸方向、y軸方向の位置を検出し、位置検出処理回路15に位置検出情報を出力する装置である。本発明の第4実施形態に係る位置検出装置は、図1に示した移動部材22をブレ補正レンズ10に置き換えたものである。位置検出装置20a,20bは、x軸方向とy軸方向のそれぞれの軸について、1つづつ設置されており、ブレ補正レンズ10のxy平面内における位置を検出する。なお、位置検出装置20a,20bは、いずれも同一構造であり、位置検出装置20aを図5にしたがって説明する。
【0048】
ブレ補正レンズ10は、撮影光軸Iと直交する面内(図中xy方向)に移動することによってブレを補正する撮影光学系の一部を構成するレンズ又は撮影レンズ全体を構成するレンズである。
【0049】
ブレ補正レンズ枠11は、ブレ補正レンズ10を保持するための枠である。ブレ補正レンズ枠11は、その内周部において、ブレ補正レンズ10の外周部を固定するとともに、スリット板62と一体に取り付けられている。ブレ補正レンズ10は、LED51からスリット板62に投光された光を、1次元のPSD54が受光することによって、その移動位置を検出される。
【0050】
本発明の第4実施形態に係る位置検出装置は、カメラなどのブレ補正装置1に応用することによって、ブレ補正レンズ10の位置検出を高精度に行うことができる。
【0051】
(他の実施形態)
以上説明した実施形態に限定されることはなく、種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の均等の範囲内である。
例えば、本発明の実施形態に係るブレ検出装置では、図2に示すように、PSD54の受光面54aとスリット孔62a,63a,64aとの間の距離D2,D2’,D2’’は、距離D2が最も短く距離D2’が最も長い。数2に示すように、可能なかぎり距離D2を短くすることによって、誤差δxをゼロに近づけることができる。このために、特に、図2(C)に示すようにスリット板63,65を配置したときには、誤差δx2,δx3よりも誤差δx1を小さくすることができる。本発明の実施形態では、スリット孔62a,63a,64aの中心位置x1に対して、誤差δxは、δx1<δx3<δx2である。なお、図3に示すように、透明なスリット板65,66に遮光膜65b,66bを形成したときにも、誤差δx2よりも誤差δx1を小さくすることができる。
【0052】
本発明の実施形態に係るブレ検出装置におけるスリット部62c,スリット孔65a,66aは、図1に示すように、光を通過させる部分を長孔にするだけではなく、円形状のものであってもよい。また、スリット部62cは、光を通過することができれば、開口部を形成していない透過部などでもよく、エッジ部62b,63b,64bの断面形状は、三角形に限らず、薄刃状であってもよい。さらに、光の位置検出に使用するPSD54は、2次元PSDであってもよい。この場合には、スポット状の光がPSDに入射可能なように、スリット部62cを円形状の光の通過部に形成することが好ましい。
【0053】
本発明の実施形態に係るブレ検出装置では、PSD54に入射する光束を投光する発光源は、LED51であるが、豆電球などの点光源に近い発光源であればLEDに限らない。また、スリット板62,63,64,65,66及びPSD54が固定され、LED51が移動する構造のブレ検出装置についても本発明を適用することができる。さらに、位置検出の誤差を許容できる範囲内であれば、PSD54の受光面54aに形成される光スポットの面積は、スリット板62,63,64,65,66の移動範囲内において、略一定であってもよい。
【0054】
【発明の効果】
以上詳しく説明したように、請求項1記載の発明によれば、遮光部材は、発光部と光位置検出部との間に配置され、この発光部からの光の少なくとも一部が通過する光通過部を備え、この光通過部は、遮光部材の厚みに係わらず、光位置検出部に一定面積又は略一定面積の光スポットを形成する光スポット形成部を備えるので、位置検出の誤差を小さくすることができる。
【0055】
請求項2及び請求項5記載の発明によれば、光通過部は、遮光部材の厚肉部に設けられた光透過部又はスリット部であり、光スポット形成部は、この光透過部又はスリット部に形成されたナイフエッジ状のエッジ部であるので、遮光部材の厚みにより生ずる位置検出の誤差を小さくすることができる。
【0056】
請求項3及び請求項6記載の発明によれば、エッジ部は、その先端部を光位置検出部に近づけているので、検出された光の位置と実際の移動位置との誤差を可能なかぎり小さくすることができる。
【0057】
請求項4記載の発明によれば、ブレ補正装置は、ブレ補正光学系の位置を検出する位置検出部を含み、この位置検出部は、発光部と光位置検出部との間に配置され、この発光部からの光の少なくとも一部が通過する光通過部を備える遮光部材を含み、この光通過部は、遮光部材の厚みに係わらず、光位置検出部に一定面積又は略一定面積の光スポットを形成する光スポット形成部を備えるので、位置検出の誤差を小さくし、高精度にブレを補正することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る位置検出装置を示す断面図である。
【図2】本発明の第2実施形態に係る位置検出装置を示す断面図であり、(A)は、スリット板のLED側の面にスリット孔を形成した例を示す断面図であり、(B)は、スリット板の厚み方向の中央部にスリット孔を形成した例を示す断面図であり、(C)は、スリット板のPSD側の面にスリット孔を形成した例を比較例として示す断面図である。
【図3】本発明の第3実施形態に係る位置検出装置を示す断面図であり、(A)は、スリット板のLED側の面に遮光膜を形成した例を示す断面図であり、(B)は、スリット板のPSD側の面に遮光膜を形成した例を示す断面図である。
【図4】位置検出装置が搭載されたブレ補正装置のブロック図である。
【図5】本発明の第4実施形態に係る位置検出装置を示す断面図である。
【図6】従来の位置検出装置を示す断面図である。
【図7】従来の位置検出装置におけるスリット位置が変化したときの入射光の状態を示す断面図であり、(A)は、LEDの鉛直下にスリット孔が位置づけられた状態を示す断面図であり、(B)は、LEDの鉛直下にスリット孔が位置づけられていない状態を示す断面図である。
【図8】従来の位置検出装置におけるスリット板の厚みにより生ずる位置検出の誤差の影響を説明するための図であり、(A)は、x>>w/2の状態を示す断面図であり、(B)は、x=w/2の状態を示す断面図であり、(C)は、x<w/2の状態を示す断面図であり、(D)は、x=0の状態を示す断面図である。
【図9】従来の位置検出装置における厚みのあるスリット板の場合と厚みのない理想的なスリット板の場合のPSDに入射する光束の重心位置を示す断面図である。
【図10】従来の位置検出装置における厚みのあるスリット板の場合と厚みのない理想的なスリット板の場合の入射光の重心位置とスリット孔の位置との関係を示す図である。
【符号の説明】
1 ブレ補正装置
3 CPU
10 ブレ補正レンズ
11 ブレ補正レンズ枠
20a,20b 位置検出部
22 移動部材
51 LED
52b,52c 縁部
54 PSD
62,63,64,65,66 スリット板
62a,63a,64a,65a,66a スリット孔
62b,63b,64b エッジ部
62c,63c,64c スリット部
65b,66b 遮光膜
I 撮影光軸
t 厚さ
δx 誤差
Claims (6)
- 光を投光する発光部と、
前記発光部からの光を受光し、この光の位置を検出する光位置検出部と、
前記発光部と前記光位置検出部との間に配置され、前記発光部からの光の少なくとも一部が通過する光通過部を備える遮光部材と、
を含む位置検出装置において、
前記光通過部は、前記遮光部材の前記発光部側の開口よりも前記光位置検出部側の開口が狭く形成されており、前記光位置検出部は前記光通過部を通過した前記光を検出すること、
を特徴とする位置検出装置。 - 請求項1に記載の位置検出装置において、
前記光通過部は、前記遮光部材の厚肉部に設けられたスリット部であり、
前記スリット部はナイフエッジ状のエッジ部により形成されること、
を特徴とする位置検出装置。 - 請求項2に記載の位置検出装置において、
前記エッジ部の先端部は前記遮光部材の前記検出部側にあること、
を特徴とする位置検出装置。 - ブレを補正するブレ補正光学系と、
前記ブレ補正光学系の位置を検出する位置検出部と、
を含むブレ補正装置において、
前記位置検出部は、光を投光する発光部と、
前記発光部からの光を受光し、この光の位置を検出する光位置検出部と、
前記発光部と前記光位置検出部との間に配置され、前記発光部からの光の少なくとも一部が通過する光通過部を備える遮光部材とを含み、
前記光通過部は、前記遮光部材の前記発光部側の開口よりも前記光位置検出部側の開口が狭く形成されており、前記光位置検出部は前記光通過部を通過した前記光を検出すること、
を特徴とするブレ補正装置。 - 請求項4に記載のブレ補正装置において、
前記光通過部は、前記遮光部材の厚肉部に設けられたスリット部であり、
前記スリット部はナイフエッジ状のエッジ部により形成されること、
を特徴とするブレ補正装置。 - 請求項5に記載のブレ補正装置において、
前記エッジ部の先端部は前記遮光部材の前記検出部側にあること、
を特徴とするブレ補正装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10910797A JP3823437B2 (ja) | 1997-04-25 | 1997-04-25 | 位置検出装置及びブレ補正装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10910797A JP3823437B2 (ja) | 1997-04-25 | 1997-04-25 | 位置検出装置及びブレ補正装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10300419A JPH10300419A (ja) | 1998-11-13 |
JP3823437B2 true JP3823437B2 (ja) | 2006-09-20 |
Family
ID=14501757
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10910797A Expired - Lifetime JP3823437B2 (ja) | 1997-04-25 | 1997-04-25 | 位置検出装置及びブレ補正装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3823437B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008002844A (ja) * | 2006-06-20 | 2008-01-10 | Niigata Univ | 変位測定装置 |
EP2634543A1 (de) * | 2012-02-29 | 2013-09-04 | Mettler-Toledo AG | Wägezelle nach dem Prinzip der magnetischen Kraftkompensation mit optoelektronischem Positionssensor |
JP5907850B2 (ja) * | 2012-10-31 | 2016-04-26 | 京セラドキュメントソリューションズ株式会社 | 移動体の製造方法 |
CN107255441B (zh) * | 2017-06-02 | 2020-08-18 | 西安理工大学 | 一种用于激光束定位的光电传感器及其制作方法 |
-
1997
- 1997-04-25 JP JP10910797A patent/JP3823437B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH10300419A (ja) | 1998-11-13 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP3823437B2 (ja) | 位置検出装置及びブレ補正装置 | |
EP1483627B1 (en) | Scanning exposure apparatus and device manufacturing method using the same | |
EP2538172B1 (en) | Method for adjusting optical displacement sensor and method for manufacturing optical displacement sensor | |
US5721079A (en) | Process for positioning a mask relative to a workpiece and device executing the process | |
JP2008242066A (ja) | 位置情報管理装置、描画システム、及び位置情報管理方法 | |
JPH0642914A (ja) | 変位測定装置 | |
JPH01253603A (ja) | 面位置検出装置 | |
JP7022611B2 (ja) | 露光装置の制御方法、露光装置、及び物品製造方法 | |
EP3534212B1 (en) | Exposure apparatus, method thereof, and method of manufacturing article | |
JPH05180622A (ja) | 位置と姿勢の検出装置 | |
JP2001250772A (ja) | ビーム描画装置 | |
US4717819A (en) | Focus detecting device | |
JP3348908B2 (ja) | 測距装置 | |
JP3055864B2 (ja) | 電子部品実装方法及び装置 | |
JPH10311994A (ja) | ブレ補正装置及び位置検出装置 | |
JP2001027510A (ja) | 光学式位置検出装置 | |
KR100524227B1 (ko) | 결상 기기의 진동 보상 장치 | |
JP3247925B2 (ja) | 電子部品実装方法 | |
JP2797053B2 (ja) | X線露光装置 | |
JP2843890B2 (ja) | 露光装置 | |
JPH1062831A (ja) | 像振れ補正用光学系の位置センサ | |
JP2868218B2 (ja) | テレセントリック光学系の調整方法 | |
JP2567811B2 (ja) | 走査型露光装置 | |
JP2001127140A (ja) | 基板位置決め装置 | |
JP4021330B2 (ja) | 光学式測距装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20040420 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20051012 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20051108 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20060110 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20060606 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20060619 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120707 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150707 Year of fee payment: 9 |
|
S531 | Written request for registration of change of domicile |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150707 Year of fee payment: 9 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150707 Year of fee payment: 9 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
EXPY | Cancellation because of completion of term |