JP3822530B2 - 無線通信装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、無線通信装置に係り、特に、その間で複数のチャネルを介して同時に通信するアクセス・ポイント及び無線ステーション装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
無線通信基地局装置であるアクセス・ポイントと無線通信端末装置としての複数の無線ステーション装置との間で同時に通信する無線LANシステムが知られている。この無線LANシステムとして、CSMA(Carrier Sense Multiple Access:キャリア・センス多元接続)方式を定めているIEEE802.11の規格に基づく無線LANシステム(ISO/IEC 8802-11:1999(E) ANSI/IEEE Std 802.11, 1999 edition)がある。この無線LANシステムにおいては、通常、アクセス・ポイントは、パケットを送信すべき無線ステーション装置(所謂、ターゲット・ステーション装置と称する。)へパケットを送信する前に、パケット送信に使用するキャリアをセンスして、他の無線ステーション装置からチャネル予約情報を含むパケットを受信している受信状態にある場合には、そのターゲット・ステーション装置へのパケットの送信を延期している。送信が延期された場合には、アクセス・ポイントは、他の無線ステーション装置からのパケット受信状態が終了後、その制御部において計算されるランダムな送信待機期間の経過後に、ターゲット・ステーション装置に対してアドレスを指定するパケットの送信が開始される。このように無線ステーション装置への送信が延期され、ランダムな送信待機期間が経過されてパケットが送信される処理は、バックオフ処理と称せられる。
【0003】
ターゲット・ステーション装置は、通常、受信したパケットのデータが正常であれば所定期間後に、肯定応答(ACK)パケットを基地局に送信する。アクセス・ポイントでは、ターゲット・ステーション装置からのACKパケットを所定期間経過後に受信できないときには、制御部によってバックオフ処理が実行されて、再度パケットが送信される。
【0004】
一方、無線通信システムにおける多重化方式の一つとして、空間分割多元接続 (Space Division Multiple Access:SDMA)方式が知られている。SDMA方式においては、アクセス・ポイントに備えられたアダプティブ・アレイ・アンテナからは、空間的に互いの干渉を低減する複数のアンテナビームが発生される。従って、SDMA方式は、その通信品質を向上することができ、また、アクセス・ポイントと複数の無線ステーション装置との間で同時通信を実現することができる。CSMA方式の無線LANシステムに、SDMA方式を適用することにより、SDMA方式の利点を享受できると推測される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、CSMA方式の無線LANシステムに単純にSDMA方式を適用すると、次のような問題が発生する。
【0006】
SDMA方式では、アクセス・ポイントには、アダプティブ・アレイ・アンテナが生成する複数のアンテナビームに対応して送受信モジュール、即ち、送受信機が設けられ、さらに各送受信モジュールは、個別の制御部によって制御される。これら個別の制御部によって各アンテナビームに対してCSMAが実行されると、各アンテナビーム毎にバックオフ処理なされ、その結果、アクセス・ポイントにおいてある無線ステーション装置への送信と別の無線ステーション装置からの受信が同時に発生する場合が起こり得る。即ち、アクセス・ポイントがある無線ステーション装置(TE1)からのパケットを受信しようとしても、アクセス・ポイントがその受信と同時に他の無線ステーション装置(TE2,TE3と)への送信が生じると、この送信が干渉となって、無線ステーション装置(TE1)からの受信ができなくなることがある。
【0007】
また、アクセス・ポイントが全ての複数の無線ステーション装置(TE1,TE2,TE3)にパケットを同時に送信する場合には、アクセス・ポイントにおいて受信状態が生じないことから、基本的には、送受信の衝突を防ぐことができる。しかしながら、ある無線ステーション装置TE1へ送信するパケットのサイズが他の無線ステーション装置TE2,TE3へ送信するパケットのサイズよりも小さいと、無線ステーション装置TE2,TE3が受信状態にあっても、通常、無線ステーション装置TE1は、パケットの受信を終了してしまう。従って、この無線ステーション装置TE1は、ACKパケットをアクセス・ポイントに送信してしまう。その結果、無線ステーション装置TE1からのACKパケットがアクセス・ポイントで受信され、このACKパケットが無線ステーション装置TE2,TE3への送信に影響を与え、無線ステーション装置TE2,TE3が基地局からのパケットを受信できなくなってしまう。
【0008】
更に、アクセス・ポイントにおいては、複数の無線ステーション装置TE1,TE2,TE3の1つから、例えば、1つの無線ステーション装置TE2からACKパケットが受信されない場合には、アクセス・ポイントと無線ステーション装置TE2との間の送受信の為にのみ、アクセス・ポイントにおいて、バックオフ処理が実行され、この処理以降における各無線ステーション装置TE1,TE2,TE3へパケットを送信するタイミングがずれてしまう問題がある。
【0009】
また、CSMA(Carrier Sense Multiple Access)方式の無線LANシステムに単純にSDMA(Space Division Multiple Access)方式を適用する場合に限らず、プロトコルを使用して自立的に制御される無線基地局の機能を複数持つようなアクセス・ポイントにおいても同様の問題があることが指摘されている。即ち、CSMA/CA方式が採用された複数の無線基地局機能を有するアクセス・ポイントにおいては、使用するチャネルが隣接チャネルであった場合に、夫々のチャネルの信号が互い干渉し、データ伝送の誤りを発生させてしまう問題がある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
この発明は、上述した事情に鑑みなされたものであって、その目的は、装置間で良好に送受信ができる無線通信装置を提供することにある。
【0011】
この発明によれば、
他の無線ユニットから夫々第1及び第2受信信号を受け、他の無線ユニットに第1の送信信号を送信する無線装置において、
前記第1及び第2の受信信号をセンスして受信モードに設定され、この受信モードにおいて、他の無線ユニットから夫々第1及び第2受信信号を受信する第1及び第2の受信モジュールを含む受信部と、
前記第1及び第2の受信信号の受信の終了に応答して受信終了信号を発生する応答部と、
送信モードにおいて、第1の送信信号を送信し、受信モードにおいて、第1の送信信号の送信を禁じる第1の送信モジュールを含み、送信モードにおいて、待機状態に維持されてこの第1の送信信号の送信を待機する送信部と、及び
送信部に第1の送信信号の送信を可能とする可能部であって、前記送信部を受信終了信号に応答して受信モードから送信モードに切り換えて待機状態に維持し、第1の送信信号の送信がこの待機状態で開始される可能部と、
を具備することを特徴とする無線装置が提供される。
【0012】
を具備することを特徴とする無線装置が提供される。
【0013】
また、この発明によれば、
CSMA/CA(Carrier Sense Multiple Access Collision Avoidance)プロトコルを用い競合アクセス制御を実行して第1及び第2の無線ステーション装置と当該無線装置との間で第1及び第2のチャネルの無線信号を送受信する無線装置において、
第1のチャネルの無線信号でデータパケットを送受信する第1の無線モジュール部と、
第2のチャネルの無線信号でデータパケットを送受信する第2の無線モジュール部と、
前記第1の無線モジュール部がデータパケットを受信している第1の受信モードにおいて、この第1の受信モードを検出して第2の無線モジュール部からのデータパケットの送信を不能にする制御部と、
を具備することを特徴とする無線装置が提供される。
【0014】
更に、この発明によれば、
CSMA/CA(Carrier Sense Multiple Access Collision Avoidance)プロトコルを用い競合アクセス制御を実行して第1及び第2の無線ステーション装置と当該無線装置との間で第1及び第2のチャネルの無線信号を送受信する無線装置において、
第1のチャネルの無線信号でデータパケットを送受信する第1の無線モジュール部と、
第2のチャネルの無線信号でデータパケットを送受信する第2の無線モジュール部と、
前記第1の無線モジュール部がデータパケットを送信している第1の送信モードにおいて、この第1の送信モードを検出して前記第2の無線モジュール部からダミーパケットを前記第2の無線ステーション装置に送信すると共に当該第2の無線モジュールでのデータパケットの受信を不可能にする制御部と、
を具備することを特徴とする無線装置が提供される。
【0015】
更にまた、この発明によれば、
CSMA/CA(Carrier Sense Multiple Access Collision Avoidance)プロトコルを用い競合アクセス制御を実行して第1及び第2の無線ステーション装置と当該無線装置との間で第1及び第2のチャネルの無線信号を送受信する無線装置において、
第1のチャネルの無線信号でデータパケットを送受信する第1の無線モジュール部と、
第2のチャネルの無線信号でデータパケットを送受信する第2の無線モジュール部と、
データパケットの送信開始前に前記第1及び第2の無線モジュール部を制御して夫々第1及び第2のチャネルの無線信号を当該第1及び第2の無線モジュール部で同時刻にセンスさせ、同一の送信開始時間でデータパケットを送信させる同期モードを設定する制御部と、
を具備することを特徴とする無線装置が提供される。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、この発明の実施の形態に係る無線通信システムを詳細に説明する。
【0017】
図1は、この発明の第1の実施の形態に係る無線通信システムとして空間分割多重(SDMA)方式が適用された無線LANシステムを示している。この無線LANシステムは、IEEE802.11 (IEEE802.11a,IEEE802.11bも含む)規格に準拠して構築されている。無線基地局に相当するアクセス・ポイント1は、ある特定の固定位置に設置され、バックボーン網5に接続される。アクセス・ポイント1は、アダプティブ・アレイ・アンテナ2を備え、このアダプティブ・アレイ・アンテナ2は、複数の無線ステーション装置4−1〜4−3に向けて複数の比較的狭い指向性パターン(以下、単にアンテナビームと称する。)3−1〜3−3を形成する。
【0018】
このようなアンテナビーム3−1〜3−3によって、アクセス・ポイント1は、アクセス・ポイント1と複数の無線ステーション装置4−1〜4−3との間で、無線ステーション装置間での干渉を低減しつつ実質的な同一チャネル或いは隣接チャンネルで同時に通信することができる。即ち、アクセス・ポイント1と無線ステーション装置4−1〜4−3との間では、空間分割多重(SDMA)方式で通信が実行される。
【0019】
尚、上述した無線LANシステムでは、アクセス・ポイント1が3個のアンテナビーム3−1〜3−3を発生し、アクセス・ポイント1と3個の無線ステーション装置3−1〜3−3との間で同時に通信する例について説明している。しかしながら、この発明の実施の形態に係る無線通信システムは、アンテナビームの数及び同時に通信する無線ステーション装置数は、2以上の任意の数であれば良く、また、無線ステーション装置3−1〜3−3は、一般に固定位置に設置されるが、移動体に搭載されていても良い。
【0020】
次に、図2を参照して、この発明の実施の形態に係る空間分割多重(SDMA)方式が適用された無線LANシステムの図1に示されるアクセス・ポイント1について、説明する。
【0021】
図2に示されるようにアクセス・ポイント1は、無線ステーション装置4−1〜4−3から向けられるアンテナビーム3−1〜3−3を受信するアダプティブ・アレイ・アンテナ2を備え、このアダプティブ・アレイ・アンテナ2には、受信モジュール11−1〜11−3に接続されている。従って、この無線ステーション装置4−1〜4−3からのアンテナビーム3−1〜3−3を介した送信信号が受信モジュール11−1〜11−3で受信され、受信モジュール11−1〜11−3において、送信信号が処理されて受信信号RS1〜RS3が生成される。この送信信号の処理には、送信信号の復調及び復号を含んでいる。
また、アクセス・ポイント1においては、アダプティブ・アレイ・アンテナ2に送信モジュール12−1〜12−3が接続されている。送信モジュール12−1〜12−3では、無線ステーション装置3−1〜3−3へ夫々送信すべき送信信号TS1〜TS3が生成され、これらの送信信号TS1〜TS3がアダプティブ・アレイ・アンテナ2に供給されている。送信信号TS1〜TS3によって、carrierとしての高周波信号が変調されてアダプティブ・アレイ・アンテナ2からアンテナビーム3−1〜3−3が無線ステーション装置3−1〜3−3に向けて発生される。
【0022】
アクセス・ポイント1は、無線ステーション装置4−1〜4−3から受信モジュール11−1〜11−3への受信を許す受信モードにおいて、受信モジュール11−1〜11−3が受信信号を受信して受信信号に含まれる最終転送時刻を検出して受信終了信号を発生する受信終了検出部18及び受信終了信号に応答して受信モードから送信モードに切り換えて送信データ供給部10から供給される送信データを送信する送信モジュール12−1〜12−3に対して送信許可を与える送信許可部19を備えている。送信許可部19は、受信モードにおいて、送信モジュール12−1〜12−3を送信不可状態に維持し、送信許可信号に応答して受信モードから送信モードに切り換えて送信不可状態の送信モジュール12−1〜12−3を送信可能状態に切り換えている。このように送信可能状態、即ち、送信モードにおいては、送信許可信号に応答してバックオフ処理が開始されて送信を待機する送信待機状態となり、各無線ステーション装置3−1〜3−3に対して送信信号が転送される。ここで、後に述べるように各無線ステーション装置3−1〜3−3に対するアクセス・ポイント1からの送信が同時に終了してアクセス・ポイント1が同時に無線ステーション装置3−1〜3−3からACK信号を受けるように送信信号に含まれるデータパケットは、同一のパケット長を有することが好ましい。
【0023】
図2に示されたアクセス・ポイント1における動作の一例を図3に示すフローチャートを参照して説明する。図3に示す動作例では、アクセス・ポイント1と無線ステーション装置4−1〜4−3との間では、同一サイズのデータパケットが転送されるものとする。
【0024】
アクセス・ポイント1において、送信モードにおいて、送信モジュール12−1が送信データ供給部10から送信データを受けて送信モジュール12−1から無線ステーション装置4−1にデータパケットが送信される。ステップS10に示すように送信モジュール12−1から無線ステーション装置4−1への送信が終了すると、アクセス・ポイント1は、送信モードから受信モードに切り換えられる。従って、ステップS11に示すように、受信モジュール11−1が無線ステーション装置4−1からのACK信号を受信することが可能となる。この受信モードにおいては、送信モジュール12−1,12−2,12−3は、送信不能状態に維持される。この状態において、ステップS12に示すように送信データ供給部10から送信データが送信モジュール12−2,12−3に供給されて送信の準備が整えられる。アクセス・ポイント1においては、ステップS13に示すように無線ステーション装置4−1からACK信号が受信されたかが確認される。ACK信号が受信されていない場合には、アクセス・ポイント1は、そのまま受信状態に維持される。ステップS13に示すようにACK信号が受信されると、送信許可部19は、送信モジュール12−1,12−2,12−3を送信可能状態にセットし、送信データを送信すべき送信モジュール12−2、12−3を送信待機状態に維持する。この送信待機状態における待機期間が経過すると、ステップS14に示すように送信データが送信モジュール12−2、12−3から同時に無線ステーション装置4−2,4−3に送信される。ここで、送信データは、同一のパケット長を有するデータパケットして送信される。データパケットが送信されると、再び、アクセス・ポイント1は、送信状態から受信状態に切り換えられる。この受信状態で受信モジュール11−2,11−3は、無線ステーション装置4−2,4−3からACK信号を受信することとなる。
【0025】
図2に示されたアクセス・ポイント1においては、受信終了検出部18及び送信許可部19を備えたアクセス・ポイント1は、全ての無線ステーション装置3−1〜3−3からの受信モジュール11−1〜11−3への信号の転送が終了した後の送信モードの送信待機状態において、送信モジュール12−1〜12−3から無線ステーション装置3−1〜3−3への送信が同時に開始される。従って、アクセス・ポイント1において、送受信の干渉が生ずることがなく、アクセス・ポイント1と無線ステーション装置3−1〜3−3との間で良好な通信を確立することができる。
【0026】
始めに、図2に示されたアダプティブ・アレイ・アンテナの詳細について図4を参照して説明する。図4は、図2に示されたアダプティブ・アレイ・アンテナ2の具体的な回路構成の一例を示している。
【0027】
アダプティブ・アレイ・アンテナ2は、図4に示すようにRF信号を受信するアンテナ素子30−1〜30−3、送信モード及び受信モードのいずれかのモードに切り換える送受切り替えスイッチ31−1〜31−3、受信されたRF信号を低雑音で増幅する増幅器32−1〜32−3、周波数帯をRF信号の電波周波数(RF)から中間周波数(IF)もしくはベースバンド(BB)へ変換するダウンコンバータ33−1〜33−3を含んでいる。また、アダプティブ・アレイ・アンテナ2は、ダウンコンバータ33−1〜33−3からの出力信号を分配する分配器34−1〜34−3、ビーム制御部40によって設定された受信用複素重み係数に従って分配された入力信号に重みを付けて合成し、その結果、各受信アンテナビームに対応する受信信号を形成する受信ビーム形成回路35−1〜35−3を含んでいる。更に、アダプティブ・アレイ・アンテナ2は、ビーム制御部40によって設定された送信用複素重み係数に従って送信信号に重みを付けて送信ビームを形成する為の送信ビーム信号を形成する送信ビーム形成回路36−1〜36−3、送信ビーム信号から送信ビームを合成する合成器37−1〜37−3を含んでいる。更にまた、アダプティブ・アレイ・アンテナ2は、中間周波数(IF)もしくはベースバンド(BB)をRF信号の電波周波数(RF)に変換するアップコンバータ38−1〜38−3、RF信号を増幅する高周波電力増幅器(以下、単にHPAと称する。)39−1〜39−3及びビーム制御部40を含んでいる。
【0028】
送受切り替えスイッチ31−1〜31−3、LNA32−1〜32−3、ダウンコンバータ33−1〜33−3、分配器34−1〜34−3、合成器37−1〜37−3、アップコンバータ38−1〜38−3及び増幅器(PA)39−1〜39−3は、各アンテナ素子30−1〜30−3に対応してアンテナ素子30−1〜30−3の個数(この例では3個)と同数個設けられる。一方、受信ビーム形成回路35−1〜35−3及び送信ビーム形成回路36−1〜36−3は、アダプティブ・アレイ・アンテナ2が形成するアンテナビームの数(この例では3ビーム)と同数個設けられる。アンテナビームの数は、アンテナ素子30−1〜30−3の個数より少なくても多くとも良い。
【0029】
図4に示されるアダプティブ・アレイ・アンテナ2の動作を以下に簡単に説明する。
【0030】
アダプティブ・アレイ・アンテナ2においては、アンテナ素子30−1〜30−3によって受信されたRF信号は、送信或いは受信に切り換える切り替えスイッチ31−1〜31−3を夫々介してLNA32−1〜32−3に入力され、所定レベルに増幅される。LNA32−1〜32−3で増幅されたRF信号は、ダウンコンバータ33−1〜33−3に夫々入力され、周波数帯が電波周波数(RF)から中間周波数(IF)もしくはベースバンド(BB)へ変換された後、分配器34−1〜34−3に入力される。
【0031】
分配器34−1は、ダウンコンバータ33−1〜33−3からの出力信号を受信ビーム形成回路35−1に分配し、分配器34−2は、ダウンコンバータ33−1〜33−3からの出力信号を受信ビーム形成回路35−2に分配し、分配器34−3は、ダウンコンバータ33−1〜33−3からの出力信号を受信ビーム形成回路35−3に分配している。
【0032】
ビーム制御部40が受信用複素重み係数を設定し、受信ビーム形成回路35−1〜35−3において、入力された信号がこの受信用複素重み係数に従って重み付けが付されて合成され、その結果、複数の受信アンテナビームが形成される。受信ビーム形成回路35−1〜35−3からの各受信アンテナビームに対応した信号は、図2中の受信モジュール11−1〜11−3に夫々供給される。
【0033】
一方、送信ビーム形成回路36−1〜36−3には、図4に示される送信モジュール12−1〜12−3からの送信信号TS1〜TS3が夫々入力される。送信ビーム形成回路36−1〜36−3においては、夫々に入力された送信信号に対してビーム制御部40によって設定された複数の送信用複素重み係数が乗じられる。
【0034】
送信ビーム形成回路36−1からの複数の出力信号は、合成器37−1〜37−3に入力され、送信ビーム形成回路36−2からの複数の出力信号も同様に合成器37−1〜37−3に入力され、送信ビーム形成回路36−3からの複数の出力信号も同様に合成器37−1〜37−3に入力される。合成器37−1〜37−3では、夫々に入力された複数の信号が一つの信号に合成される。
【0035】
合成器37−1〜37−3からの出力信号は、アップコンバータ38−1〜38−3に夫々入力され、周波数帯が中間周波数(IF)もしくはベースバンド(BB)から電波周波数(RF)に変換された後、増幅器(PA)39−1〜39−3に入力される。増幅器(PA)39−1〜39−3により増幅された送信信号は、スイッチ31−1〜31−3を夫々介してアンテナ素子30−1〜30−3に供給され、無線ステーション装置へ送信される。
【0036】
ビーム制御部40においては、前述したように受信ビーム形成回路35−1〜35−3に対しては受信用複素重み係数が設定され、送信ビーム形成回路36−1〜36−3に対しては送信用複素重み係数が設定される。ここで、送信及び受信で互いに対応するビーム形成回路、例えば、受信ビーム形成回路35−1及び送信ビーム形成回路36−3に対しては、同一の無線ステーション装置と通信するための重み係数が設定される。
【0037】
次に、図2に示した受信終了検出部18の詳細を図5を参照して説明する。
【0038】
図5は、図2に示した受信終了検出部18のブロックを示している。図5に示されるように受信終了検出部18は、受信モジュール11−1〜11−3からの受信信号に含まれるデータパケットのヘッダが入力され、このヘッダの時間情報から受信終了時刻を検出する検出部20−1,20−2,20−3、この検出部20−1,20−2,20−3で検出された受信終了時刻の最大値を検出する検出部21、この受信終了時刻の最大値にセットされ、カウンター23によってその最大受信終了時刻に達した際に受信が終了した旨を通知する通知部22を含んでいる。
【0039】
受信モジュール11−1〜11−3に入力される受信信号は、データパケットを含み、このデータパケットは、一例として図6に示されるようなデータ構造を有している。このデータパケットは、受信モジュール11−1〜11−3を指定する送信先、無線ステーション装置3−1〜3−3を指定する送信元及びこのデータパケットの受信の開始から受信の終了までに要する所用時間期間が記述されているパケットヘッダ並びに映像、音声、テキスト或いはプログラム等のコンテンツ・データが格納されているパケットデータを含んでいる。
【0040】
受信モードにおいて、受信モジュール11−1〜11−3にパケットが入力されると、パケットの受信開始時刻が図示しないクロックで確定され、パケットからはパケットヘッダ中の所用時間期間が切り出される。この所要時間及びパケットの受信開始時刻TSが検出部20−1,20−2,20−3に夫々送られる。この検出部20−1,20−2,20−3では、所用時間期間Tr1,Tr2,Tr3(例えば、Tr1<Tr2<Tr3)がパケットの受信開始時刻TSに加算されてこのパケットの受信が完了するまでの時刻(TrS+Tr1,TrS+Tr2,TrS+Tr3)が求められ、この受信完了時刻(TrS+Tr1,TrS+Tr2,TrS+Tr3)が検出部21に与えられる。検出部21においては、受信完了時刻(TrS+Tr1,TrS+Tr2,TrS+Tr3)が比較され、この受信完了時刻(TrS+Tr1,TrS+Tr2,TrS+Tr3)中で最大の時刻、例えば、最大時刻(TrS+Tr3)が求められる。この時刻(TrS+Tr3)が受信終了通知部22にセットされ、その時刻がタイマー23によってモニターされる。ここで、タイマー14は、例えば、ディジタルカウンタによって構成され、現在時刻TCを計測する。受信終了通知部22において、モニターされている時刻が最大時刻(TrS+Tr3)に達すると、通知部22からは受信終了信号が送信許可部19に与えられる。この送信許可部19は、受信終了信号に応答して各送信モジュール12−1,12−2,12−3に送信許可の信号を与え、送信不可能状態から送信可能状態に変えて送信を許可することとなる。即ち、受信終了信号に応答してアクセス・ポイント1は、受信モードから送信モードに切り換えられる。
【0041】
図6に示されたパケットの構造は、一例であって他の構造であっても良い。例えば、図7に示すようにパケットヘッダには、所用時間期間Txの記述がされず、所用時間期間の記述に代えて、伝送レートとパケットのデータサイズが記述されていても良い。この図7に示すようなパケットでは、伝送レートとデータサイズの記述から、パケットの転送に要する時間期間Txが求められる。即ち、検出部20−1,20−2,20−3において、記述されたデータサイズを伝送レートで割ることによってそのパケットを伝送するに要する時間期間Txを求めることができる。
【0042】
図2に示される送信許可部19について図8を参照して説明する。
【0043】
図8は、図2に示される送信許可部19の回路ブロックを示している。この送信許可部19は、送信を待機状態に設定する設定部15を含んでいる。この設定部15は、タイマー14によって計測された現在時刻Tcが送信の終了が予定されている最大時刻Tt3に達すると、送信許可部19に対して送信を待機する送信モードにおける送信待機状態に設定する。例えば、設定部15は、送信を待機する時間期間を算出する算出部16にフラグ、即ち、送信を待機する時間期間を算出する開始フラグを立てる。送信モジュール12−1〜12−3及び送信を待機する時間を算出する算出部16は、第1の送信制御部17によって制御される。
【0044】
無線ステーション装置4−1〜4−3の少なくとも一つに向けてアクセス・ポイント1から送信すべきパケットデータがあるとき、第1の送信制御部17は、送信モジュール12−1〜12−3のうちそのパケットデータを送信する少なくとも一つの送信モジュールを指定し、この指定された送信モジュールにデータを送信すべき宛先の無線ステーション装置、即ち、ターゲット・ステーション装置のアドレス(以下、宛先、或いは、送信先アドレス)を指定すると共に送信すべきデータを指定する。この指定と同時に、第1の送信制御部17は、送信を待機する時間期間を算出する算出部16にフラグ、即ち、送信待機時間の算出を許す許可フラグを立てる。ここで、第1の送信制御部17が送信モジュール12−1〜12−3に対して指定する送信データは、原データに相当せず、無線区間で送信すべきデータ、即ち、変調及び誤り訂正符号化されたデータに相当する。また、この送信データは、図6或いは図7に示すようなパケットデータにパケットヘッダが付されているデータパケットの構造を有し、パケットヘッダには、基地局の送り先アドレスに相当する送信元、宛先アドレスで指定される送信先等のアドレス情報及び送信データの転送に要する時間情報等が与えられる。
【0045】
第1の送信制御部17によって許可フラグが立ち、送信待機状態設定部15によって送信待機を開始する開始フラグが立っていれば、送信待機状態が設定された時点から送信待機状態が保持される時間期間、即ち、送信待機時間期間がランダムに算出部16によって算出される。この送信待機の為の時間期間が経過すると、算出部16から送信モジュール12−1〜12−3のうちデータを送信すべき送信モジュールに送信指示が出され、設定された宛先アドレスの無線ステーション装置に対して、設定されたデータがアダプティブ・アレイ・アンテナ2を介して送信される。
【0046】
待機時間期間経過時に1又は複数の送信モジュール12−1,12−2、12−3が同時に送信を開始し、送信されるパケット長が一定であれば、同時に送信が終了される。
【0047】
図9を参照して図5に示された受信終了検出部18を実現し、図8に示された回路に適合する受信終了検出部18のより詳細な回路ブロックを説明する。
【0048】
この図9に示された受信終了検出部18は、受信を開始する時刻を検出する受信開始検出器41−1〜41−3及び受信の為に予約されている時間期間を検出する受信予約検出器42−1〜42−3から構成されている。また、この検出部18は、受信開始時間に受信予約期間を加算して受信が終了される予定時刻を求める加算器43−1〜43−3、複数の受信終了時刻から最大値を選定する選択部44、この選定された受信終了時刻の最大値を記憶する記憶部45及び最大受信終了時刻を更新する更新部46を含んでいる。
【0049】
以下、図9に示された最大受信終了時刻を検出する検出部13の動作を説明する。
【0050】
受信の開始時刻を検出する検出器41−1〜41−3では、受信信号RS1〜RS3から送信元の無線ステーション装置の送信開始時刻が検出される。この送信開始時刻の検出は、受信信号RS1〜RS3の最初のパケットを検出した時刻、即ち当該パケットを送信元の無線ステーション装置4−1〜4−3が送信した時刻として検出される。
【0051】
受信の為の予約時間期間を検出する検出器42−1〜42−3では、受信信号RS1〜RS3のパケットヘッダから送信元の無線ステーション装置4−1〜4−3が送信のために通信チャネルを予約している時間期間に相当する送信予約時間期間が検出される。
【0052】
加算器43−1〜43−3では、受信信号RS1〜RS3から夫々検出された受信開始時刻と受信予定時間期間が加算されることによって、受信信号RS1〜RS3の受信終了時刻が算出される。
【0053】
選択部44は、加算器43−1〜43−3によって求められた受信信号RS1〜RS3の受信終了時刻のうち、時間的に最も遅い受信終了時刻である最大受信終了時刻を選択する。選択された最大受信終了時刻の情報は、記憶部45と更新部46に与えられる。最大受信終了時刻記憶部45には、最大受信終了時刻が記憶される。
【0054】
最大受信終了時刻更新部46は、選択部44で選択された最大受信終了時刻が記憶部45に記憶されている最大受信終了時刻よりも大きいとき、選択部44で選択された最大受信終了時刻によって記憶部45の内容が更新される。
【0055】
即ち、更新部46は、選択部44で選択された最大受信終了時刻が最大受信終了時刻記憶部45に記憶されている最大受信終了時刻よりも大きいとき、最大受信終了時刻選択部44に対して書き込みフラグを立てる。これにより、最大終了予定時刻選択部44で新たに選択された最大終了予定時刻が最大受信終了時刻記憶部45に書き込まれることになる。
【0056】
このようにして記憶部45に記憶された最大受信終了時刻の情報が最大受信終了時刻検出部14から出力され、図8に示した送信待機状態設定部15に入力される。
【0057】
この後の動作は前述した通りであり、検出部14で検出され、記憶部45に記憶されている最大受信終了時刻と、タイマー14によって刻まれた現在時刻が一致すると、設定部15によって受信待機状態が設定される。受信待機状態が設定されると、算出部16によってランダムな送信待機時間が算出され、この送信待機時間の経過後に、送信モジュール12−1〜12−3に対して一斉に送信が指示される。即ち、バックオフ処理が全ての送信モジュール12−1〜12−3に対して実施される。
【0058】
これにより、第1の送信制御部17によって送信モジュール12−1〜12−3に設定された宛先アドレスの無線ステーション装置4−1〜4−3に対して、送信モジュール12−1〜12−3に設定されたデータのパケットがアダプティブ・アレイ・アンテナ2を介して同時に送信される。
【0059】
図10は、上述した動作例を示している。ts1〜ts3は、受信信号RS1〜RS3の受信開始時刻、Trs1〜Trs3は、受信信号RS1〜RS3の受信予約時間、te1〜te3は、受信信号RS1〜RS3の受信終了時刻であり、te1=ts1+Trs1,te2=ts2+Trs2,te3=ts3+Trs3である。この例では、受信終了時刻te2が最大終了予定時刻temaxであり、temaxから受信待機時間Twaitの経過後に、送信モジュール12−1〜12−3からの送信が一斉に開始される。
【0060】
このように本実施の形態によると、バックオフ処理を送信モジュール12−1〜12−3で共通化して無線ステーション装置4−1〜4−3へのパケット送信を同時に行うため、アクセス・ポイント1における送受信の衝突を防ぐことができる。従って、ACK(肯定応答)パケットによる受信確認が実施されない通信、例えばブロードキャストの成功率を高める上で有効である。
【0061】
一方、無線ステーション装置4−1〜4−3がアクセス・ポイント1からの送信パケットの受信時にACKパケットを送信して受信確認を実行する方式においては、アクセス・ポイントに1送信する第1の送信制御部17が送信モジュール14−1〜12−2に対して設定するデータのサイズ(時間長)を等しくすることが望ましい。
【0062】
このようにすると、無線ステーション装置4−1〜4−3からのACKパケットの送信が同時に起こるため、ある無線ステーション装置の送信するACKパケットが他の無線ステーション装置に対して干渉になるのを防ぐことができる。従って、ACKパケットによってデータパケットの受信完了が確認されることから、この方式は、ブロードキャスト以外の送信にも有効である。勿論、ブロードキャストのように同一データを複数無線ステーション装置に送信する際においても、ACKパケットによる受信が確認され、その結果として信頼度を上げることもできる。
【0063】
また、送信モジュール12−1,12−2からアンテナビーム3−1,3−2を夫々介して無線ステーション装置4−1,4−3への同時送信が開始され、その後、ある無線ステーション装置、例えば、無線ステーション装置4−1への送信が先に終了し、送信が終了していない無線ステーション装置、例えば、無線ステーション装置4−2がある場合には、送信が終了していない無線ステーション装置、例えば、無線ステーション装置4−2に対して、送信が終了した無線ステーション装置4−1への送信に用いた送信モジュール12−1によって、無線ステーション装置4−1への送信に用いたアンテナビーム3−1を介してデータパケットが送信されてもよい。このようにすると、無線ステーション装置4−1はキャリア・センスを行ってバックオフ期間に入るので、無線ステーション装置4−1が他の無線ステーション装置への干渉となる信号を送信することを防ぐことができる。このような制御は、第1の送信制御部17によって実施される。
【0064】
さらに、無線ステーション装置4−1,4−3へ送信モジュール12−1,12−2からアンテナビーム3−1,3−2を夫々介して同時送信開始後、ある無線ステーション装置、例えば無線ステーション装置4−1への送信が先に終了し、送信が終了していない無線ステーション装置、例えば、無線ステーション装置4−2がある場合には、送信が終了していない無線ステーション装置、例えば無線ステーション装置4−2に対応する送信アンテナビーム、例えば、アンテナビーム3−2が無線ステーション装置4−1の方向にも指向性利得を有するようにアンテナビーム3−2の指向性パターンを変化させるようにしてもよい。このようにしても、無線ステーション装置4−1はキャリア・センスを行ってバックオフ期間に入るので、無線ステーション装置4−1が他の無線ステーション装置へ干渉となる信号を送信することを防ぐことができる。
【0065】
図11を参照して、この発明の第2の実施の形態に係る無線通信システムにおけるアクセス・ポイント1を説明する。
【0066】
図11に示されるアクセス・ポイント1においては、図8に示されるアクセス・ポイント1に、肯定応答(ACK)を検出する検出器21−1〜21−3、アドレス比較器22−1〜22−3及び再送データ記憶部25−1〜25−3が追加され、さらに、図8に示す第1の送信制御部17に代えて第2の送信制御部24が設けられている。
【0067】
第2の送信制御部24は、第1の送信制御部17の機能に加えて、送信モジュール12−1〜12−3に設定する宛先アドレス及び再送すべきデータを再送データ記憶部25−1〜25−3に出力する機能をも有する。再送データ記憶部25−1〜25−3に記憶された宛先アドレス及び再送データは、データの再送時に使用される。さらに、送信モジュール12−1〜12−3に設定される宛先アドレスは、アドレス比較器22−1〜22−3にも出力される。送信データは、送信データ供給部10からそのデータに応じて送信モジュール12−1〜12−3に供給されるとともに第2の送信制御部24を介して再送データ記憶部25−1〜25−3に供給され、この再送データ記憶部25−1〜25−3で保持される。
【0068】
検出器21−1〜21−3には、夫々無線ステーション装置4−1〜4−3から送信され、受信モジュール11−1〜11−3で受信された肯定応答信号(ACKパケット)が入力され、この肯定応答信号を検出する。肯定応答検出器21−1〜21−3では、夫々入力されたACKパケットからACKパケットの送信元の無線ステーション装置のアドレス(送信元アドレス)が検出され、これらの送信元アドレスが夫々アドレス比較器22−1〜22−3に出力される。
【0069】
アドレス比較器22−1〜22−3では、第2の送信制御部24から出力された宛先アドレスと肯定応答検出器21−1〜21−3から夫々入力された送信元アドレスを比較して両者の一致/不一致を検出し、一致した場合には第2の送信制御部24に対してアドレス一致フラグを上げる。
【0070】
第2の送信制御部24は、送信モジュール12−1〜12−3からデータパケットが送信された時点からタイマー14によって計測された所定時間後に、アドレス比較器22−1〜22−2においてアドレス一致フラグが立っているかを調べる。この結果、アドレス比較器22−1〜22−2の少なくとも一つでアドレス一致フラグが上がらない場合、即ちアドレス比較器22−1〜22−2の少なくとも一つで宛先アドレスと送信元アドレスが不一致の場合には、第2の送信制御部24は再送データ記憶部25−1〜25−3に記憶された宛先アドレス及びデータを送信モジュール12−1〜12−3に再設定するとともに、送信待機時間を算出する算出部16への送信待機時間を算出することを許可する許可フラグを立てる。
【0071】
これにより送信待機時間算出部16においてランダムな送信待機時間が算出され、この送信待機時間が経過すると、第2の送信制御部24から送信モジュール12−1〜12−3に一斉に送信が指示され、送信モジュール12−1〜12−3からアダプティブ・アレイ・アンテナ2を介して無線ステーション装置4−1〜4−3へのデータパケットが同時に再送される。
【0072】
このように本実施の形態によると、複数の無線ステーション装置4−1〜4−3からのACKパケットが同時に受信判定され、さらにバックオフ処理が送信モジュール12−1〜12−3で共通に実施されて、無線ステーション装置4−1〜4−3へのパケットが同時に再送をされる。従って、パケット再送にあってもアクセス・ポイント1における送信及び受信の衝突を防ぐことができる。
【0073】
上記説明では、アドレス比較器22−1〜22−2の少なくとも一つで宛先アドレスと送信元アドレスが不一致の場合、言い換えればACKパケットを送信して来ない無線ステーション装置が一つだけある場合でも、全ての無線ステーション装置4−1〜4−3に対してパケットが再送される。しかしながら、ACKパケットを送信して来ない無線ステーション装置に対してだけパケットが再送され、ACKパケットを送信して来た無線ステーション装置に対しては、次の新たなデータパケットを送信するようにしてもよく、それによってシステム全体のパフォーマンスを上げることができる。
【0074】
また、再送回数をカウントしてそれが所定回数以上になった場合に、ACKパケットを送信して来ない無線ステーション装置へのパケット再送を中断することによって、受信状態の悪い特定の無線ステーション装置によりシステム全体のパフォーマンスが低下するのを防ぐことができる。
【0075】
また、パケット再送の中断により空いた送信モジュールや、通常の送信の終了により空いた送信モジュールを他の無線ステーション装置への送信に割り当てることによって、システム全体のパフォーマンスを上げることができる。さらに、物理的なキャリア・センスとも組み合わせることもできる。
【0076】
これらの制御は、第2の送信制御部24によって実行される。
【0077】
図12を参照して、この発明の第3実施形態に係る無線通信システムを説明する。
【0078】
図12に示されるアクセス・ポイント1は、空間を複数のアンテナビームにより分割できるアレイアンテナ2、M個のアンテナビームを形成するビーム形成回路51−1〜51−M及びビーム形成回路51−1〜51−Mより形成されるアンテナビームの一つを選択するビーム選択部52を有している。更に、アクセス・ポイント1は、受信信号のパケット長を判定するパケット長判定部53、アクセス・ポイント1から送信を行った無線ステーション装置の最大終了予定時刻を他の無線ステーション装置に認識させるための制御パケットを生成する制御パケット生成部54、及び制御回路55を有する。制御パケット生成部54で生成される制御パケットは、図13に示されるように制御パケットであることを示しているフレーム・コントローラ(Frame Control)、データパケットの送信に必要とされる時間期間、受信側アドレス、即ち、この制御パケットが転送されるべき無線ステーション装置のアドレスを記述したレシーバ・アドレス (RA), データパケットの誤りチェックのチェックの為のフレーム・チェック・シーケンスを含んでいる。
【0079】
一方、無線ステーション装置4−1〜4−Nは、他の無線ステーション装置から送信される信号を受信せず、アクセス・ポイント1のみと通信するように構成され、送信及び受信を制御する制御回路60、アクセス・ポイント1から送信されてきた制御パケットの内容を判定する制御パケット判定部61、無線ステーション装置が送信すべき信号(パケット)の送信タイミングを決定する送信タイミング決定部62、アクセス・ポイント1からの受信信号のパケット長を判定するパケット長判定部63、送受信部64及びアンテナ65を有する。
【0080】
図12に示される無線通信システムは、図14に示すように動作される。
【0081】
無線ステーション装置4−1は、送信要求が生じたときにアクセス・ポイント1から図12に示すような制御パケット或いはデータパケットを受信してていない場合には、制御回路60が送信すべきデータを送受信部64に設定する。送信準備が整うと、図14に手順S30で示されるように無線ステーション装置4−1の送信部64から送信要求(RTS)パケットがアクセス・ポイント1に送信される。この送信要求(RTS)に対してアクセス・ポイント1は、ある時間期間td1を待ってから、図14に手順S31で示すように送信クリア(CTS)パケットを無線ステーション装置4−1に送る。無線ステーション装置4−1では、送信クリア(CTS)パケットを受けると、図14に手順S32に示すように送受信部64に設定されたデータのパケットがアンテナ65から電波として送信される。
【0082】
アクセス・ポイント1においては、無線ステーション装置4−1から送信された電波がアダプティブ・アレイ・アンテナ2により受信され、ビーム形成回路51−1〜51−Mを介してビーム選択部52に受信信号が入力される。ビーム選択部52では、ビーム形成回路51−1〜51−Mの受信信号の一つが選択される。選択された受信信号は、制御回路55に入力される。
【0083】
パケット長判定部53は、制御回路55に入力された受信信号のパケット長を判定し、これに基づいて無線ステーション装置4−1が次に送信すべきデータパケットのパケット長の情報を制御パケット生成部54に送る。制御パケット生成部54は、パケット長判定部53によって与えられたパケット長の制御パケットを生成し、制御回路55に送る。
【0084】
アクセス・ポイント1の制御回路55は、無線ステーション装置4−1から送信された信号の受信が成功すると、受信信号パケットが送信要求(RTS:Request To Send)パケットなら図14に手順S31で示すように送信クリア(CTS:Clear To Send)パケット、また、図14に手順S33で示すように受信信号パケットがデータパケットならACKパケットをRTSもしくはACKパケットを受信したビーム形成回路とアレイアンテナ2で形成されるアンテナパターンを介して無線ステーション装置4−1の送受信部64に送る。制御回路55は、受信に用いたアンテナパターンを介してCTSパケットまたはACKパケットを送信する。また、制御回路55は、受信に用いたアンテナビーム以外のアンテナビームを形成するときには、制御パケット生成部54で生成された制御パケットを送信する。
【0085】
このようにしてアクセス・ポイント1から送信されるパケットのうち、CTSパケットまたはACKパケットは、無線ステーション装置4−1によって受信され、図13に示される制御パケットは、他の無線ステーション装置4−2〜4−Nによって受信される。
【0086】
また、他の無線ステーション装置4−2では、図14に手順S31で示すようにアクセス・ポイント1から送信クリア(CTS:Clear To Send)パケットが無線ステーション装置4−1に送信された際に、図14に手順S34で示すようにアクセス・ポイント1から制御パケットが受信される。この無線ステーション装置4−2において、アクセス・ポイント1に送信すべきデータパケットがある場合には、この制御パケット及び送信すべきデータパケットに基づいてある時間期間td2だけ待っ送信タイミングが決定され、図14に手順S35で示すようにこの送信タイミングで無線ステーション装置4−2〜4−Nからアクセス・ポイント1にデータパケットが送信される。
【0087】
アクセス・ポイント1は、無線ステーション装置4−1及び4−2から送信された信号の受信が成功すると、ある時間期間td1だけ待って図14に手順S33及びS36で示すようにACKパケットを無線ステーション装置4−1及び4−2に送信して一連の手続きを終了する。
【0088】
図12に示すアクセス・ポイント1と無線ステーション装置4−1〜4−Nとの間におけるパケットの送受信手順について図15A、図15B、図16A、図16B、図16C及び図17を参照してより詳しく説明する。
【0089】
アクセス・ポイント1は、例えば、図15Aに示すように無線ステーション装置4−1と4−2の間に位置し、アップリンクにおいては、無線ステーション装置4−1から送信される信号を受信しているものとする。図15Bに示すようにダウンリンクにおいては、無線ステーション装置4−1の方向にアンテナビーム81が形成され、他の無線ステーション装置4−2の方向を含む方向に対してはアンテナビーム82が形成される。これらのアンテナビーム81,82は、ビーム形成回路51−1〜51−Mによって形成される。
【0090】
図16A〜16Cは、無線ステーション装置4−1、アクセス・ポイント1及び無線ステーション装置4−2の送受信動作を示すタイムチャートを示し、図17は、無線ステーション装置4−1、アクセス・ポイント1及び無線ステーション装置4−2間における動作手順を示している。図16A〜16Cでは、無線ステーション装置4−1がデータパケットを送信する前に、無線ステーション装置4−1からアクセス・ポイント1にRTSパケット91が送信され、RTSパケット91を受信したアクセス・ポイント1は、CTSパケット92を無線ステーション装置4−1に送信し、CTSパケット92を受信した無線ステーション装置4−1がデータパケット93を送信する手順が示されている。なお、RTSパケット91には、無線ステーション装置4−1でのデータパケットの送信予約時間の情報が含まれ、このRTSパケット91によってアクセス・ポイント1は、無線ステーション装置4−1からのデータパケットの転送が終了する最大終了時刻を知ることができる。
【0091】
また、アクセス・ポイント1は、無線ステーション装置4−1の方向に向けた図12(B)のアンテナビーム81を用いて、制御回路55で生成されたCTSパケット92とACKパケット96を無線ステーション装置4−1に送信するとともに、アクセス・ポイント1は、無線ステーション装置4−2の方向をカバーするアンテナビーム82を用いて、制御パケット生成部54で生成された図13に示される制御パケット94を無線ステーション装置4−2に送信する。この制御パケット94には、無線ステーション装置4−1から送信されてきたRTSパケット91に含まれる送信予約時間によって求められた送信終了時刻te1の情報、即ち、期間の情報(duration)が含まれている。
【0092】
ここで、他の無線ステーション装置4−2がアクセス・ポイント1に送信すべきデータパケットを有している場合、無線ステーション装置4−2は、アクセス・ポイント1から送信された制御パケット94の解析に基づいてそのデータパケットの送信タイミングを決定している。即ち、制御パケット94が制御パケット判定部61に入力され、この制御パケット判定部61からは、送信終了予定時刻te1が判定結果として送信タイミング決定部62に出力される。送信タイミング決定部62は、次に送信すべきデータパケット95の送信タイミングをその送信終了予定時刻te2が無線ステーション装置4−1から送信されているデータパケット93の送信終了予定時刻te1と同一となるように決定し、あるいは、アクセス・ポイント1が無線ステーション装置4−2からのデータパケット95の受信中に、無線ステーション装置4−1からのデータパケット93に対するACKパケット96の送信時間と重ならない送信タイミングでデータパケット95を送信する。
【0093】
この他の無線ステーション装置4−2では、送受信部64において、図18のステップS40に示すようにパケットを受信すると、このパケットが図17の手順S20に示すように制御部60に送られ、このパケットが制御パケットであるか否かが制御パケット判定部61で判定される。受信されたパケットが制御パケットでない場合には、無線ステーション装置4−2からアクセス・ポイント1にはデータパケットが送信されない(図18のステップS41、S42)。受信されたパケットが制御パケットである場合には、図17の手順S21に示すようにそのパケットの情報が制御パケット判定部61に送られ、この制御パケット判定部61において、図18のステップS43に示すように制御パケットの期間(duration)から送信終了時刻が決定される。この送信終了時刻は、図17の手順S20に示すように送信タイミング決定部62に与えられる。また、送信されるべきデータパケットの情報が図17の手順S23に示すように制御回路60からパケット長判定部63に送られ、このパケット長判定部63において、このデータパケットのパケット長から、図18のステップS43に示すようにこのデータパケットを送信するに要する時間期間が計算される。この時間期間は、図17の手順S24に示すように送信タイミング決定部64に与えられる。この送信タイミング決定部64において、送信終了時刻までに送ることができないパケット長を有しているかが判定され(図18のステップS44)、データパケットが送信できない場合には、送信終了時刻までの期間におけるデータパケットの送信が中止される(図18のステップS42)。送信終了時刻までの期間内にデータパケットを送信できる場合には、送信タイミング決定部64において、データパケットの送信が送信終了時に一致されるように、データパケットの送信を開始する送信タイミングが決定される(図18のステップS45)。図17の手順S25に示すように、この送信タイミングが制御回路60に与えられ、図17の手順S26に示すように、この送信タイミングでデータパケットが制御回路60から送受信部64に与えられて無線ステーション装置4−2からアクセス・ポイント1に送信される(図18のステップS46)。
【0094】
このようにアクセス・ポイント1は、ACKパケット96の送信中に無線ステーション装置4−2からのデータパケット95を受信することがないので、SDMAが可能となる。アクセス・ポイントがCSMA方式を使用している場合、アクセス・ポイントは、送信信号と受信信号が干渉となるため、送信と受信を同時に行うことは難しいが、本実施形態ではアクセス・ポイント1が送信と受信を同時に行うことなくSDMAを行うことが可能となるという利点がある。
【0095】
制御パケットを受信した無線ステーション装置は、送信要求がなければデータパケットを送信しない。このとき、アクセス・ポイント1は、図16Bに示されるようにACKパケット96を送信するタイミングで制御パケット97を送信することが可能である。
【0096】
図19を参照して、この発明の第4の実施形態における無線ステーション装置4−i(i=1,2,…,N)の回路構成を説明する。
【0097】
図19に示すように無線ステーション装置4−iは、図12に示した無線ステーション装置4−iにランダム確率発生部66が追加されている。図19に示すように無線ステーション装置4−iでは、制御パケット判定部61は、アクセス・ポイント1から送信されてきた制御パケットが全ての無線ステーション装置4−iを送信宛先とするブロードキャストアドレスを有するか否かを判定する機能をも有する。ランダム確率発生部66は、あるランダム確立、例えば、0以上かつ1以下のランダム確率を発生して、それを送信タイミング決定部62に与える。
【0098】
次に、図19に示す無線ステーション装置を備える無線通信システムの動作を図12に示した無線通信システムとの相違点に着目して説明する。
【0099】
無線ステーション装置4−iにおいて、アンテナ65からの受信信号は、送受信部64に入力され、この受信信号のパケットは制御回路60を介して、或いは、直接に制御パケット判定部61に入力される。一方、制御回路60が送受信部64にRTSパケットを送出すると、そのRTSパケットのパケット長がパケット長判定部63で判定される。
【0100】
制御パケット判定部61で制御パケットがブロードキャストアドレスを有すると判定されると、送信タイミング決定部62においてランダム確率発生部66で発生されたランダム確率に従って、パケットの送信タイミングがランダムに決定される。このランダムに決定された送信タイミングで制御回路60から送受信部64にデータパケットが入力され、アンテナ65によって送信される。
【0101】
アクセス・ポイント1とインフラストラクチャモードで通信する無線ステーション装置4−iが複数あるときには、複数の無線ステーション装置4−iがアクセス・ポイント1から送信された制御パケットを受信することになる。従って、アクセス・ポイント1が制御パケットを送信すべき一つの無線ステーション装置の宛先アドレスを複数の無線ステーション装置4−iのアドレスの中から選択すれば、制御パケットを受信した無線ステーション装置は他の無線ステーション装置から送信されるデータパケットと衝突することなくデータパケットを送信することができる。
【0102】
アクセス・ポイント1から送信された制御パケットを受信した無線ステーション装置は、送信要求のない場合には、データパケットを送信しないので、アクセス・ポイント1は、他の無線ステーション装置を宛先アドレスとして制御パケットを送信する。しかし、無線ステーション装置4−iの数が多く、個々の無線ステーション装置の送信要求が少ないときなどは、このように無線ステーション装置の宛先アドレスを変更して制御パケットを送信する方法では、処理が煩雑となる。
【0103】
これに対して、本実施形態ではアクセス・ポイント1から制御パケットを送信する際、宛先アドレスをブロードキャストとして、全ての無線ステーション装置4−iに制御パケットを送信することで、アクセス・ポイント1が制御パケットの宛先アドレスを変更する手間を省きつつ、送信要求のある無線ステーション装置が直ちにデータパケットを送信することができる。
【0104】
この場合、複数の無線ステーション装置4−iが送信する権利を有し、それぞれランダム確率発生部66で生成されたランダム確率に従ったタイミングでパケットが送信されることによって、複数の無線ステーション装置4−iが送信要求状態にあっても、それぞれが送信するパケットが衝突する確率を減らすことが可能となる。
【0105】
以上説明した第1〜第4実施の形態に係る無線通信システムによればCSMA方式にSDMA方式を適用しつつ、アクセス・ポイントが複数の無線ステーション装置との間で良好な送受信を行うことができる。
【0106】
図20〜図27を参照して、この発明の第5〜第9の実施の形態に係る無線通信システムについて説明する。
【0107】
図20に示される第5の実施の形態に係る無線通信システムでは、CSMA/CA(Carrier Sense Multiple Access Collision Avoidance)プロトコルが適用されている。
【0108】
図20に示されように、有線ネットワークなどに接続されるアクセス・ポイント101は、無線信号を送受信する無線モジュール部102−1及び102−2を備えている。無線モジュール部102−1と同一のチャネルを使用する一つまたは複数の互いに自立的に送信の可否を判断して、無線パケットの衝突を回避するCSMA/CA方式に基づく無線ステーション装置103−1〜103−nと、無線モジュール部102−2と同一のチャネルを使用する一つまたは複数の互いに自立的に送信の可否を判断して、無線パケットの衝突を回避するCSMA/CA(Carrier Sense Multiple Access Collision Avoidance)方式に基づく無線ステーション装置104−1〜104−mから構成される。
【0109】
図20に示されるシステムにおいては、無線モジュール部102−1が送信する信号は、無線モジュール部102−2において、異なるチャネルであっても受信され、また、102−2が送信する信号も無線モジュール102−1において受信される。
【0110】
このような無線通信システムに対して、無線モジュール間の送信信号の干渉によって、パケットの転送誤りを避けることを図ったこの発明の第5の実施の形態に係る無線通信システムを説明する。
【0111】
図21は、この発明の第5の実施の形態に係るアクセス・ポイント101のブロック図を示している。図21において、無線モジュール102−1は、送受信アンテナ201及び送受信部202、受信情報通知部203及び無線モジュール制御部204を有する。無線モジュール102−2は、同様に送受信アンテナ205、送受信部206、受信情報取得部207及び無線モジュール制御部208を有する。
【0112】
図21に示すアクセス・ポイント101においては、送受信アンテナ201で受信された無線信号は、送受信部202で復調され、データとして無線モジュール制御部204に入力される。無線モジュール制御部204は、受信中データの受信期間またはデータの受信終了時刻の情報を、受信情報通知部203に送信し、受信情報通知部203は、受信期間またはデータの受信終了時刻の情報を無線モジュール102−2の受信信号取得部207に送信する。受信信号取得部207は、無線モジュール102−1が受信中であることを無線モジュール制御部208に通知し、無線モジュール制御部208は、送受信部206を制御して、無線モジュール102−2の送受信アンテナ205が無線信号を出力しないように制御している。
【0113】
このように、無線モジュール部102−1が同一チャネルを使用する無線ステーション装置から無線信号を受信中に、無線モジュール102−1と異なるチャネルを使用するまたは異なる指向性アンテナを有する同一チャネルの無線モジュール102−2は、無線信号を送信しないように制御される。よって、無線モジュール102−1が受信中の無線信号は、干渉信号となるような無線モジュール102−2の送信信号が出力されないため、受信中の無線信号の誤りを減らすことができる。
【0114】
無線モジュール102−1及び無線モジュール102−2が隣接周波数帯を使用していた場合であっても、互いに送信する信号は異なる周波数ではあるが、無線モジュール102−1が出力する無線信号はフィルタでは抑圧しきれずに受信してしまう。無線モジュールは、大きな電力で信号を送信しているので、同一の筺体または近隣の場所に設置されていると、互いに無線モジュールは隣接した異なる周波数であろうとも干渉を与えてしまう。
【0115】
このために、無線モジュール部が互いに送受信のタイミングを協調して動作することが求められる。
【0116】
図22を参照して、この発明の第5の実施の形態に係る無線通信システム無線モジュール部102−1、102−2の動作を説明する。
【0117】
図22においては、無線モジュール部102−1が夫々ACKパケット301−0・・・301−2を送信して、データパケット302−0〜302−3を受信している。また、無線モジュール部102−2が夫々同期パケット303−0及びACKパケット304−0〜304−1を送信し、データパケット305−0〜305−1を受信している。
【0118】
無線モジュール102−1は、データパケット302−0を受信すると、無線モジュール102−1がデータパケットを受信している状況にあることを無線モジュール102−2に伝達する。また、同時に受信したデータパケット302−0のパケット時間長及びパケット受信終了時刻も無線モジュール102−2に通知する。即ち、データパケット302−0の受信に応答して制御部204は、その受信、データパケット302−0のパケット時間長及びパケット受信終了時刻を受信情報通知部203を介して無線モジュール102−2の受信情報取得部207に与えている。無線モジュール102−1は、データパケットを受信し終えると、ACKパケット304−0を無線ステーション装置103−1〜103−nに送信する。ACKパケット304−0の送信に同期して、無線モジュール102−2は、無線モジュール102−1が送信するACKパケット301−0と同じ時間長で同期パケットを送信する。即ち、無線モジュール102−2は、受信情報取得部207で取得されたデータパケット302−0のパケット時間長及びパケット受信終了時刻からACKパケット301−0の送信タイミングを予想し、制御部208は、送受信部206から無線ステーション装置104−1〜104−mにこの送信タイミングで同期パケットを送信させる。この同期パケットには、送信終了時刻の情報が含まれており、無線モジュール102−2と同一のチャネルを使用している無線ステーション装置104−1〜104−mが送信終了すべき時刻を知ることができる。無線ステーション装置104−1〜104−mは、同期パケット303−0を受信し、送信すべきデータパケットがある場合に、同期パケット303−0によって通知された送信終了時刻にて送信が終了するようにデータパケットの時間長と送信時刻を決定してデータパケットを送信する。
【0119】
無線モジュール102−1は、フラグメント化されたデータパケットを連続して受信される場合、無線モジュール102−2と同じチャネルを使用している無線ステーション装置104−1〜104−mも、同期パケット303−0で通知された、パケット時間長にデータパケットを分割してデータパケットを無線モジュール102−2に送信する。従って、無線モジュール102−1及び無線モジュール102−2で送受信を同時に実行できる。ここで、送信されるデータパケット301−0〜301−2及び302−0〜302−2は、同一のパケット長を有し、同一の時間期間で伝送される。また、この送信されるデータパケット301−0〜301−2及び302−0〜302−2には、図5或いは図6に示されるようにでパケット中に送信時間期間に関する情報が含まれ、この時間期間の情報からデータパケット302−0のパケット時間長或いはパケット受信終了時刻が求められても良い。
【0120】
以上により、分散制御であるCSMA/CA方式の無線LANでは、お互いに干渉を与えてしまう無線モジュールを使用することができ、無線周波数を有効に利用することが可能である。このために、上記無線モジュールの使用するチャネルを隣接チャネルにすることが可能である。
【0121】
また、無線モジュールの使用する周波数チャネルが同一であって、夫々の無線モジュールが異なる指向性を有するアンテナ、もしくは自由に指向性を変更できるアダプティブアレイ、スマートアンテナを使用していた場合にも、同期パケットは有効であり、アンテナでのまわり込みによるパケットの送受信誤りを避けることが可能となる。
【0122】
図23を参照して、この発明の第6の実施の形態に係る無線通信システムにおける無線モジュール部102−1と102−2の動作を説明する。
【0123】
無線モジュール102−1が同期パケット401−0を送信して、無線モジュール102−1が無線モジュール102−1と同一のチャネルを使用している無線ステーション装置103−1〜103−mが送信するデータパケット402−0を受信している。また、データパケット402−0が無線モジュール102−1で受信されると、無線モジュール102−1からは、無線ステーション装置103−1にACKパケット401−1が送信される。また、無線モジュール102−2が同期パケット403−0を送信して、無線モジュール102−2と同じチャネルを使用している無線ステーション装置103−1〜103−mがデータパケット404−0を送信する。データパケット404−0を受信した無線モジュール102−2は、ACKパケット403−1を無線ステーション装置103−1〜103−mに送信する。
【0124】
無線モジュール102−1と無線モジュール102−2は、夫々何もデータパケットを受信していないときには、同期パケットを夫々が送信する。同期パケットを受信した無線ステーション装置103−1〜103−mは、同期パケットによって、決められたデータパケット送信終了時刻に送信終了するようにパケットを送信する。よって、この無線通信システムにおいては、無線モジュール102−1と102−2は、同時にACKパケット401−1と403−1を送信することができる。
【0125】
同期パケット401−0と403−0は、常に送信せずとも、1度の同期パケットにより、無線ステーション装置のデータパケット送信終了時刻を周期的に決定することもできる。
【0126】
ここで、同期パケットは、図13に示されるような制御パケットと同様な構造を有し、無線モジュール102−1、102−2がデータパケットの受信を完了する期間に関する情報或いは時刻に関する情報を含んでいる。即ち、同期パケットは、無線ステーション装置の送信するデータパケットの受信終了時刻を決定するものであって、その効果をもたらす情報が含まれていればどのような情報でもよい。例えば、送信終了時刻の代わりに送信開始時刻だけの情報で、データパケットの時間長はあらかじめ決められていてもよい。
【0127】
無線モジュール102−2と同一のチャネルを使用する無線ステーション装置103−1〜103−mは、無線モジュール102−1がパケット受信期間中に送信終了するならば、無線モジュール1022がACKパケットを送信しないパケットを送信することが可能である。
【0128】
再び、図24及び図25を参照してこの発明の第8の実施の形態に係る無線通信システムを説明する。
【0129】
図21に示すようにアクセス・ポイント内の無線モジュール部102−1は、送受信アンテナ201と、送受信部202と、無線モジュール制御部203と、送信情報通知部204とを有する。無線モジュール部102−2は送受信アンテナ205と、送受信部206と、送信情報取得部207と、無線モジュール制御部208とを有する。
【0130】
図24及び図25を参照して信号の流れを説明する。無線モジュール102−1にデータ送信要求があると、無線モジュール制御部203が、送受信部202を介してデータを無線信号に変調し、送受信アンテナ201を使って無線信号を送信する。また、無線モジュール制御部203は、送信情報通知部204に対して送受信部202が無線信号を送信していることを無線モジュール102−2の送信情報取得部207に通知する。無線モジュール制御部208は、送信情報取得部207から無線モジュール102−1がパケット送信中であることを判断する。無線モジュール制御部208は、送信情報取得部207からの信号より、送受信部206にデータを出力する。送受信部206は、送受信アンテナ205を使って無線信号を送信する。
【0131】
図24に示すように無線モジュール102−1は、データパケット601−0・・・601−2を送信し、データパケットに対応したACKパケット602−0・・・602−2を受信する。これに対して、無線モジュール102−2は、無線ステーション装置のパケットを受信しないようにダミーパケット603−0、603−1を送信する。
【0132】
このように無線モジュール102−1が送信中に、無線モジュール102−2からダミーパケットを送信すると、無線モジュール102−2と同一のチャネルを使用している無線ステーション装置は、キャリア・センスをして、パケットを送信しない。無線モジュール102−1が送信しているときに無線モジュール102−2は、受信不可能であるので、無線モジュール102−2と同一のチャネルを使用している無線ステーション装置は、無駄なパケット送信を減らすことが可能となる。
【0133】
このときのパケット603−0,603−1は、無線モジュール102−1が送信しているパケットと同一の時間長をもち、無線ステーション装置が物理的にキャリア・センスするようなダミーパケットであってもよいし、RTSパケットのような、無線ステーション装置の仮想的なキャリア・センスの情報(NAV情報)を設定するようなパケットであってもよい。
【0134】
また、無線モジュール102−2と同一のチャネルを使用する無線ステーション装置が、102−1が送信する信号を受信して判断することが可能であるとき、102−2と同一のチャネルを使用する無線ステーション装置は、パケットが受信されないことを知ることが可能となる。
【0135】
再び、図25を参照してこの発明の第9の実施の形態に係る無線通信システムを説明する。
【0136】
図25に示すように無線モジュール102−1は、データパケット701−0を送信し、無線モジュール102−2は、無線モジュール制御部208によって制御されて無線モジュール102−1が送信中であることを判断し、データパケット701−0の送信終了時刻と同じ時刻に送信が終了するようにデータパケット703−0を送信する。従って、無線モジュール102−1、無線モジュール102−2は、同じタイミングでACKパケット702−0、704−0を受信することが可能となる。
【0137】
このとき、無線モジュール102−2の送信するデータパケット703−0の送信終了時刻は、無線モジュール102−1がデータパケット701−0送信中に、無線モジュール102−2がACKパケット704−0を受信せず、また、無線モジュール102−2がデータパケット703−0送信中に、無線モジュール102−1がACKパケット702−0を受信しないぐらいの時間のずれは許容される。また、無線モジュール102−2は、データパケットの送信終了時刻を決定する以外に、データパケットの送信開始時刻とパケット時間長を決定することで、上記の動作を実現することも可能である。
【0138】
この発明の第9の実施の形態に係る無線通信システムの変形例を説明する。
【0139】
無線モジュール102−1と無線モジュール102−2は、データパケットの送信開始時間を決定する前に、無線制御モジュール部204,208によって制御されてキャリア・センスを同一時刻にセンスする。これにより、無線モジュール102−1と無線モジュール102−2の送信開始時間を同時にすることができる。このとき、送信するパケットの時間長を無線モジュール102−1と無線モジュール102−2とで同一にすることにより送信終了時刻をそろえて送信することができる。
【0140】
また、無線モジュール102−1が送信期間中に、無線モジュール102−2はACKパケットのいらないデータパケット、もしくはブロードキャストパケット或いはマルチキャストパケットを送信することが可能となる。
【0141】
ここで、無線モジュールが、上記のような同期パケットを送信するなどの協調動作を行うことを同期モードとし、夫々の無線モジュール部が自立分散で動作を行うことを非同期モードとする。非同期モードでは、同期パケットの送信などを行わず、無線モジュール間での送信信号の送受信アンテナを介した回り込みによってのパケット誤りを許容することになる。
【0142】
無線モジュール102−1と無線モジュール102−2が、送受信するためのデータ量が、無線パケットの時間長に直したときに、大きい場合に上記の同期モードになることを決定し、それ以外の場合には非同期モードとなる。このとき、アクセス・ポイントは、各モジュール間の制御を行わないために処理が簡単で済み、同期モードにおいてはパケットを効率的に送受信することができる。また、もしくは、パケット時間長が小さいときに上記の動作を行うことを決定することも可能である。
【0143】
また、図26に示すように各無線モジュール102−1,102−2のトラフィック統計がトラフィック統計処理部802に保持され、同期モード決定部803において、トラフィックの状態によって同期モードと非同期モードを決定することも可能である。アクセス・ポイント101においては、無線モジュール102−1,102−2が制御部801で制御され、アクセス・ポイント101と無線ステーション装置との間で生じるトラフィックが制御部801によってモニターされる。このモニターされたトラフィックは、トラフィック統計情報としてトラフィック統計処理部802に与えられて統計処理されてトラフィック統計処理部802に保持される。この統計処理されたトラフィック・データは、同期モード決定部803にトラフィックの状態として与えられ、同期モード決定部803において、この状態に応じて同期モード及び非同期モードの一方が決定される。例えば、アクセス・ポイント101と無線ステーション装置との間で転送されるデータ量が比較的小さい小トラフィックが煩雑に生じている場合には、同期モードが決定され、無線モジュール102−1,102−2は、制御部によって同期モードに設定され、既に述べたように無線パケットの送受信を協調動作することによってパケット伝送の効率を図るこができる。また、アクセス・ポイント101と無線ステーション装置との間で転送されるデータ量が比較的大きい大トラフィックが非常に多くなった場合においても、同様に同期モードが決定され、無線モジュール102−1,102−2は、制御部によって同期モードに設定されてもよい。
【0144】
更に、図27に示すように無線モジュール101が複数のバッファ805−1〜805−kを有し、パケットの時間長によって異なるバッファ805−1〜805−kを使用することにより、パケットの時間長によって同期モードと非同期モードを決定することができる。
【0145】
無線モジュール101が送信するデータパケットは、制御部801によってパケットを一時格納するためのバッファ805−1〜805−kに保存される。無線モジュール101が一つのバッファ805−1だけを有している場合はバッファ805−1から任意のパケットを抽出することは難しいために、無線モジュール101がバッファ805−1〜805−kを複数所持しデータパケットを格納するときに使用するバッファが選択される。
【0146】
この無線システムでは、送信すべきデータパケットが制御部401に入力されると、そのパケットの時間長がパケット時間長判定部806で判定され、そのパケットのパケット時間長に対応したバッファサイズを有するデータバッファ805−1〜805−kに入力される。従って、データバッファ801−1〜805−kには、夫々異なるパケット時間長を有するパケットデータが格納される。無線モジュール101ー1がデータパケットを送信する際には、制御部801が送信すべきデータパケットが格納されているデータバッファ801−1〜805−kの1つが選択される。この選択によって制御部801は、パケットデータの時間長が基準となるパケットデータ長よりも大きいかを判定し、この判定に従って、同期モードと非同期モードを決定する。パケットデータの時間長が基準となるパケットデータ長よりも大きい場合には、制御部801は、無線モジュール102−1、102−2を同期モードに設定し、パケットデータの時間長が基準となるパケットデータ長よりも小さい場合には、制御部801は、無線モジュール102−1、102−2を非同期モードに設定する。
【0147】
上述した実施の形態において、アクセス・ポイントと従属関係のある無線ステーション装置は、同期パケットを受信してもパケット送信の可否をランダムで決定する。これにより、同期パケットを受信した複数の無線ステーション装置が同時に送信してパケット衝突を起こすことを回避することが可能となる。
【0148】
また、無線ステーション装置がトラフィック、キャリア・センス、パケットの優先順位(QoS)などによりパケット送信するランダム確率を決定することも可能。
【0149】
同期パケットを受信した無線ステーション装置が複数あり、その複数の無線ステーション装置が夫々送信要求を有する場合などはパケット衝突を起こしてしまう。無線ステーション装置が同期パケットを受信しても送信するか否かをランダムな確立で決定することでパケット衝突を回避することができる。無線ステーション装置は同一チャネルを使用している無線ステーション装置もしくはアクセス・ポイントのトラフィック情報を取得して、パケット送信する確率を決定し効率的なパケット伝送を行うことができる。
【0150】
このパケット送信する確率を決定するのは上位レイヤーで決定されるパケットの優先順位(QoS)などからも決定することができる。
【0151】
また、同期パケットの宛先アドレスが固有の無線ステーション装置を指定して、指定された無線ステーション装置パケット送信をするようにすると、パケット衝突が発生しないために効率が上昇する。このために、同期パケットの宛先アドレスは、すべての無線ステーション装置を示すものであっても良いし、ある複数ないし固有の無線ステーション装置を指定してもよい。
【0152】
無線モジュールが使用するチャネルは、周波数的に隣接したチャネルであってもよい。また、無線モジュールが所持する送受信用アンテナが指向性をもったアンテナを使用し周波数的には同一のチャネルであってもよい。送受信用アンテナがアダプティブアレイのような指向性が可変なアンテナであっても可能であり、無線モジュールが一つのアレイアンテナを共用し、アンテナビームパターンをマルチビームにすることで無線信号を、各無線モジュールに送受信する場合も考えられる。このため、請求項におけるチャネルとは周波数的に異なるチャネルではなくてもよく、周波数とアンテナビームパターンによって決まる固有の無線ステーション装置を収容するようなチャネルであってもよい。
【0153】
また、各無線モジュールとは別にアクセス・ポイント内に制御部を有することによって、同期モードの動作を実現することも可能である。このとき、無線モジュールM1、M2の区別はなく、アクセス・ポイント内の制御部によって、M1、M2の動作を決定することになる。
【0154】
尚、図1及び図20に示したようにアクセス・ポイントと無線ステーション装置から構成される無線システムに限らず、図28に示すようにそれぞれがアダプティブアンテナアレイ2−1及び2−2を有する無線通信装置1−1,1−2にこの発明が適用されても良いことは明らかである。図28に示す無線通信装置1−1,1−2は、図1及び図20に示した無線通信端末と同様に夫々受信モジュール11−1〜11−3及び11−4〜11−6、送信モジュール12−1〜12−3及び12−4〜12−6、受信終了検出部18−1,18−2及び送信許可部19−1,19−2を備えている。
【0155】
また、図29に示すようにアダプティブアンテナアレイ2−1及び2−2に代えて互いに隣接するチャネル1及び2をキャリアとして送受信するアンテナ91、92及び送信モジュール11−1,11−2,11−3,11−4及び受信モジュール12−1,12−2,12−3,12−4を夫々切り換えるスイッチ93,94を備えた無線通信装置1−1、1−2に本発明が適用されても良い。
【0156】
図29に示されている無線システムは、送信時及び受信時にアンテナ91、92が送信モジュール11−1,11−2,11−3,11−4及び受信モジュール12−1,12−2,12−3,12−4に夫々切り換えられる点が異なるのみで、上述した実施の形態の何れをも適用することができる。
【0157】
【発明の効果】
以上のように、この発明によれば、無線装置間で良好に送受信ができる無線通信装置及びそのシステムが提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、この発明の第1の実施の形態に係る無線LANシステムを概略的に示すブロック図である。
【図2】図1に示されるアクセス・ポイントを概略的に示すブロック図である。
【図3】図2に示されるアクセス・ポイントにおける送受信の動作を説明する為のフローチャートである。
【図4】図1に示されるアダプティブ・アレイ・アンテナを概略的に示すブロック図である。
【図5】図2に示される最大受信終了時刻検出部の詳細を概略的に示すブロック図である。
【図6】図1に示されるアクセス・ポイントと無線ステーション装置との間で転送されるデータパケットの構造を示す略図である。
【図7】同様に図1に示されるアクセス・ポイントと無線ステーション装置との間で転送されるデータパケットの構造を他の例として示す略図である。
【図8】図2に示される送信許可部の詳細を概略的に示すブロック図である。
【図9】図2に示される最大受信終了時刻検出部のより詳細な回路例を概略的に示すブロック図である。
【図10】図9に示される最大受信終了時刻検出部の動作を説明するためのタイミングチャートである。
【図11】この発明の他の実施の形態に係るアクセス・ポイントを概略的に示すブロック図である。
【図12】この発明の他の実施の形態に係る無線LANシステムにおけるアクセス・ポイントおよび無線ステーション装置を概略的に示すブロック図である。
【図13】図12に示される無線LANシステムにおいて無線通信装置間で転送される制御パケットの構造を示す略図である。
【図14】図12に示される無線LANシステムにおける送受信の動作を説明する為の説明図である。
【図15】(A)は、この発明の他の実施形態に係るアクセス・ポイント及び無線ステーション装置の配置を示すブロック図であり、(B)は、(A)に示すシステムにおけるダウンリンクでのアクセス・ポイントが各無線ステーション装置の方向に形成するアンテナビームのパターンを示す図である。
【図16】(A)〜(C)は、図15(A)に示すシステムにおける動作を説明するためのタイムチャートであり、
【図17】図15(A)に示すシステムにおける送受信の動作を説明する為の説明図である。
【図18】図15(A)に示すシステムにおける送受信の動作を説明する為のフローチャートである。
【図19】この発明の他の実施形態における無線ステーション装置の回路構成を示すブロックである。
【図20】この発明の更に他の実施形態に係る無線通信システムの全体構成を示す図である。
【図21】図20に示すアクセス・ポイントの回路構成を示すブロック図である。
【図22】図21に示す無線モジュールが送受信するパケットの概念を説明するための図である。
【図23】図21に示す無線モジュールが送受信するパケットの概念を説明するための図である。
【図24】図21に示す無線モジュールが送受信する更に他のパケットの転送動作を説明するための図である。
【図25】図21に示す無線モジュールが送受信する更にまた他のパケットの転送動作を説明するための図である。
【図26】図21に示すアクセス・ポイントの回路構成の変形例を示すブロック図である。
【図27】図21に示すアクセス・ポイントの回路構成の他の変形例を示すブロック図である。
【図28】この発明の更にまた他の実施の形態に係る無線通信装置の回路構成を示すブロック図である。
【図29】この発明のまた更に他の実施の形態に係る無線通信装置の回路構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
1...アクセス・ポイント1
2...アダプティブ・アレイ・アンテナ
3−1〜3−3...アンテナビーム
4−1〜4−3...無線ステーション装置
5...バックボーン網5
10...送信データ供給部
11−1〜11−3...受信モジュール
12−1〜12−3...送信モジュール
15...設定部
16...算出部
17...送信制御部
18...受信終了検出部
19...送信許可部
20−1,20−2,20−3...検出部
22...通知部
21−1〜21−3...検出器
22−1〜22−3...アドレス比較器
25−1〜25−3...再送データ記憶部
30−1〜30−3...アンテナ素子
31−1〜31−3...送受切り替えスイッチ
32−1〜32−3...増幅器
33−1〜33−3...ダウンコンバータ
34−1〜34−3...分配器
35−1〜35−3...受信ビーム形成回路
36−1〜36−3...送信ビーム形成回路
37−1〜37−3...合成器
40...ビーム制御部
38−1〜38−3...アップコンバータ
41−1〜41−3...受信開始検出器
42−1〜42−3...受信予約検出器
43−1〜43−3...加算器
45...記憶部
46...更新部
51−1〜51−M...ビーム形成回路
52...ビーム選択部
53...パケット長判定部
54...制御パケット生成部
55...制御回路
60...制御回路
61...制御パケット判定部
62...送信タイミング決定部
64...送受信部
65...アンテナ
101...アクセス・ポイント
102−1、102−2...無線モジュール部
103−1〜103−n...無線ステーション装置
104−1〜104−m...無線ステーション装置
201...送受信アンテナ
202...送受信部
203...受信情報通知部
204...無線モジュール制御部
205...送受信アンテナ
206...送受信部
207...受信情報取得部
208...無線モジュール制御部208
402−0〜402−m...データパケット
401−1、403−1、702−0、704−0...ACKパケット
401−0、403−0...同期パケット
802...トラフィック統計処理部
803...同期モード決定部
805−1〜805−k...バッファ
Claims (31)
- 他の無線ユニットから夫々第1及び第2受信信号を受け、他の無線ユニットに第1の送信信号を送信する無線装置において、
前記第1及び第2の受信信号をセンスして受信モードに設定され、この受信モードにおいて、他の無線ユニットから夫々第1及び第2受信信号を受信する第1及び第2の受信モジュールを含む受信部と、
前記第1及び第2の受信信号の受信の終了に応答して受信終了信号を発生する応答部と、
送信モードにおいて、第1の送信信号を送信し、受信モードにおいて、第1の送信信号の送信を禁じる第1の送信モジュールを含み、送信モードにおいて、待機状態に維持されてこの第1の送信信号の送信を待機する送信部と、及び
送信部に第1の送信信号の送信を可能とする可能部であって、前記送信部を受信終了信号に応答して受信モードから送信モードに切り換えて待機状態に維持し、第1の送信信号の送信がこの待機状態で開始される可能部と、
を具備することを特徴とする無線装置。 - 前記送信部は、送信モードにおいて第2の送信信号を送信し、受信モードにおいて、第2の送信信号の送信を禁じる第2の送信モジュールを含み、前記送信部は、送信モードにおいて、待機状態に維持されてこの第2の送信信号の送信を待機することを特徴とする請求項1の無線装置。
- 同一のデータサイズを有し、夫々前記第1及び第2の送信モジュールに供給される第1及び第2の送信信号の供給を制御して第1及び第2の送信モジュールへの送信を同一タイミングで終了させる送信制御部を更に具備することを特徴とする請求項2の無線装置。
- 前記第1及び第2の受信データは、この受信データの受信に要する受信期間情報を含み、
前記受信終了応答部は、
複数の前記受信モジュールで受信した受信データに含まれる時間情報に基づいて、各受信モジュールの受信終了時刻のうち時間的に最も遅い受信終了時刻を検出する時刻検出部と、
現在時刻が前記最大受信終了時刻に達したときに、全ての前記受信モジュールの受信終了を前記送信許可部に通知する受信終了通知部と、
から構成されることを特徴とする請求項1の無線装置。 - 第1及び第2のアンテナ素子と、
このアンテナ素子及び第1及び第2の受信モジュール間に接続され、このアンテナ素子のそれぞれで受信した信号に各々重み付けして合成することで指向性を有するアンテナビームを形成するビーム形成回路と、
を更に具備することを特徴とする請求項1の無線装置。 - 第1及び第2のアンテナ素子と、
このアンテナ素子及び第1及び第2の送信モジュール間に接続され、このアンテナ素子のそれぞれから送信する信号に各々重み付けすることで指向性を有するアンテナビームを形成するビーム形成回路と、
を更に具備することを特徴とする請求項1の無線装置。 - CSMA/CA(Carrier Sense Multiple Access Collision Avoidance)プロトコルを用い競合アクセス制御を実行して第1及び第2の無線ステーション装置と当該無線装置との間で第1及び第2のチャネルの無線信号を送受信する無線装置において、
第1のチャネルの無線信号でデータパケットを送受信する第1の無線モジュール部と、
第2のチャネルの無線信号でデータパケットを送受信する第2の無線モジュール部と、
前記第1の無線モジュール部がデータパケットを受信している第1の受信モードにおいて、この第1の受信モードを検出して第2の無線モジュール部からのデータパケットの送信を不能にする制御部と、
を具備することを特徴とする無線装置。 - 前記第1の無線モジュール部は、この第1の無線モジュール部がデータパケット受信中の受信モードであることを通知する受信モード通知部を含むことを特徴とする請求項7の無線装置。
- 前記第1の無線モジュール部は、データパケットの受信完了後に応答パケットをあるタイミングで送信し、前記第2の無線モジュール部は、このタイミングで前記第2の無線モジュール部へのパケットデータの送信を許可する同期パケットを送信することを特徴とする請求項7の無線装置。
- 前記同期パケットは、前記第1の無線モジュール部が受信するデータパケットの受信開始時刻、受信時間長及び受信終了時刻の情報を含むことを特徴とする請求項9の無線装置。
- 前記第1及び第2の無線モジュール部は、前記第1の無線モジュール部と通信する第1の無線ステーション装置及び前記第2の無線モジュール部と通信する第2の無線ステーション装置への送信を許可し、前記第1及び第2の無線モジュール部が送信する応答パケットを送信する時刻を決定する同期パケットを送信することを特徴とする請求項7の無線装置。
- 前記同期パケットが決定する応答パケットを送信する時刻は、周期性を有することを特徴とする請求項7の無線装置。
- 前記第1及び第2の無線モジュール部は、同期パケットを第1及び第2の無線ステーション装置に送信し、この第1及び第2の無線ステーション装置は、この同期パケットの受信に基づいてデータパケットを前記第1及び第2の無線モジュール部に送信して前記第1及び第2の無線ステーション装置でデータパケットの受信終了を同時に終了させることを特徴とする請求項7の無線装置。
- 前記第1及び第2の無線モジュール部は、同期パケットを第1及び第2の無線ステーション装置に送信し、この第1及び第2の無線ステーション装置は、この同期パケットの受信に基づいてデータパケットを前記第1及び第2の無線モジュール部に送信して前記第1の無線ステーション装置でのデータパケットの受信終了よりも以前に前記第2の無線ステーション装置でのデータパケットの受信を終了させることを特徴とする請求項7の無線装置。
- 前記第1及び第2の無線モジュール部は、同期パケットを第1及び第2の無線ステーション装置に送信し、この同期パケットを受信した第1及び2の無線ステーション装置は、同期パケットにより送信終了時刻、或いは、送信時刻及びパケット時間長を決定することを特徴とする請求項7の無線装置。
- 第2無線ステーション装置は、第1の無線モジュール部がパケット受信期間中に、応答パケットのいらないパケットを送信することを特徴とする請求項7の無線装置。
- 当該無線装置は、同期パケットを無線ステーション装置に送信し、この同期パケットを受信した無線ステーション装置においては、同期パケット応答してパケットを送信することを、無線ステーション装置が決めたランダム確立によって定めることを特徴とする請求項7の無線装置。
- 第1及び第2のチャネルは、隣接周波数チャネルであることを特徴とする請求項7の無線装置。
- 第1及び第2のチャネルは、異なるアンテナビームパターンを有する同一周波数チャネルであることを特徴とする請求項7の無線装置。
- CSMA/CA(Carrier Sense Multiple Access Collision Avoidance)プロトコルを用い競合アクセス制御を実行して第1及び第2の無線ステーション装置と当該無線装置との間で第1及び第2のチャネルの無線信号を送受信する無線装置において、
第1のチャネルの無線信号でデータパケットを送受信する第1の無線モジュール部と、
第2のチャネルの無線信号でデータパケットを送受信する第2の無線モジュール部と、
前記第1の無線モジュール部がデータパケットを送信している第1の送信モードにおいて、この第1の送信モードを検出して前記第2の無線モジュール部からダミーパケットを前記第2の無線ステーション装置に送信すると共に当該第2の無線モジュールでのデータパケットの受信を不可能にする制御部と、
を具備することを特徴とする無線装置。 - 前記制御部は、前記第1の無線モジュール部がデータパケットを送信している第1の送信モードであることを前記第2の無線モジュール部に通知する通知部を含むことを特徴とする請求項20の無線装置。
- 前記ダミーパケットは、前記前記第1の無線モジュール部がデータパケットを送信している間、前記第2の無線モジュールに対応する第2の無線ステーション装置に対してデータパケットの送信を不能とすることを特徴とする請求項20の無線装置。
- 前記第2の無線モジュールは、前記第1の無線モジュールにおけるデータパケットの送信終了時刻を獲得し、前記第2の無線モジュールが送信するパケットの送信終了時刻を決定することを特徴とする請求項20の無線装置。
- CSMA/CA(Carrier Sense Multiple Access Collision Avoidance)プロトコルを用い競合アクセス制御を実行して第1及び第2の無線ステーション装置と当該無線装置との間で第1及び第2のチャネルの無線信号を送受信する無線装置において、
第1のチャネルの無線信号でデータパケットを送受信する第1の無線モジュール部と、
第2のチャネルの無線信号でデータパケットを送受信する第2の無線モジュール部と、
データパケットの送信開始前に前記第1及び第2の無線モジュール部を制御して夫々第1及び第2のチャネルの無線信号を当該第1及び第2の無線モジュール部で同時刻にセンスさせ、同一の送信開始時間でデータパケットを送信させる同期モードを設定する制御部と、
を具備することを特徴とする無線装置。 - 前記第 1 の無線モジュールの送信中に第2の無線モジュールがブロードキャストパケットを送信することを特徴とする請求項24の無線装置。
- 送信するパケットは、ある時間長を有し、このパケットの時間長に依存して制御部は、前記第1及び第2の無線モジュール部に対して同時刻に同時にデータパケットを送信させる同期モードを設定することを特徴とする請求項24の無線装置。
- 前記同期モードは、制御部において、第1及び第2の無線ステーション装置と当該無線装置との間トラフィックを統計的に処理して設定されることを特徴とする請求項24の無線装置。
- 無線モジュール部は、異なる時間長を有するデータパケットを格納することができる多数のバッファを備え、前記同期モードは、所定のバッファから出力されたデータパケットを送信する際に制御部によって設定されることを特徴とする請求項24の無線装置。
- 前記同期パケットを受信した無線ステーション装置においては、同期パケット応答して同期モードでパケットを送信することを、無線ステーション装置が決めたランダム確立によって定めることを特徴とする請求項24の無線装置。
- 第1及び第2のチャネルは、隣接周波数チャネルであることを特徴とする請求項24の無線装置。
- 第1及び第2のチャネルは、異なるアンテナビームパターンを有する同一周波数チャネルであることを特徴とする請求項24の無線装置。
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