JP3822499B2 - 光ピックアップと光ディスク装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、光学式記録媒体に信号を記録したり、記録された信号を読み取る光ピックアップとこれを搭載した光ディスク装置に係り、特に、波長の異なる光ビームを出射する2つの光源を備えた光ピックアップとこれを搭載した光ディスク装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
DVDおよびCDなどの異種ディスクに対して記録・再生を行う光ディスク装置に用いられる光ピックアップでは、たとえば、レーザーダイオードなどのDVD用の赤色光源から出射される光ビームと、CD用の赤外光源から出射される光ビームを光検出器(フロントモニタ)にて受光することによって各光源の光量をモニタし、各光源の光量(パワー)を最適化する制御などを行っている。
【0003】
ここで言うDVDは、たとえばDVD−ROM、DVD−RAM、DVD−R、DVD−RWなどであり、DVD用の赤色光源はたとえば波長650nmのレーザーを出射する光源(以下、第1の光源と呼ぶ。)である。また、ここで言うCDはたとえばCD−ROM、CD−R、CD−RWなどであり、CD用の赤色光源とはたとえば波長780nmのレーザーを出射する光源(以下、第2の光源と呼ぶ。)である。
【0004】
ノートブックパソコンなどに搭載される薄型の光ディスク装置に用いられる光ピックアップでは、機構的な形状の制約から、上記2つの光源の出射光を同一の光検出器にて受光するように構成をとる場合が多い。
【0005】
以下に、この共通光検出器型の光ピックアップのフロントモニタの構成について図6、図7を参照して説明する。
【0006】
図6に示す光ピックアップ14において、第1の光源1より出射された光ビームの一部1aおよび第2の光源2より出射された光ビームの一部2aは、それぞれフロントモニタ用の光検出器7に入射される。光検出器7は受光量に対応した光電流を発生する。この光電流はアンプ8によってモニタ電圧に変換される。光ディスク装置16のコントローラ9は、モニタ電圧の値と基準値とを比較し、この比較結果に基づいて、各光源1,2のパワーが最適となるようにレーザー駆動回路13の制御を行う。
【0007】
このように2つの光源1,2の光量を一つの光検出器7を用いてモニタリングする光ピックアップ14では、フロントモニタの感度を各々の光源1,2について独立に調整しなければならない。
【0008】
図7に、このモニタ感度を調整する機構15を示す。同図に示すように、アンプ8には2つの可変抵抗10a,10bのいずれか一方がアナログスイッチ11の切り替えによって帰還抵抗として接続される。第1の光源1の光量をモニタリングするときは可変抵抗10aが、第2の光源2の光量をモニタリングするときは可変抵抗10bがアンプ15に帰還抵抗として接続される。したがって、2つの可変抵抗10a,10bの抵抗値を個別に調整することによって、各光源1,2のモニタ感度を独立に設定することができる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述した光ピックアップ14では、モニタ対象を第1の光源1と第2の光源2とで切り替えるためにコントローラ9より出力される制御信号12を取り込む制御端子が必要となる。
【0010】
しかしながら、特にノートブックパソコンなどに搭載される薄型の光ディスク装置に用いられる光ピックアップでは、光ディスク装置本体の回路基板と光ピックアップの回路基板とを接続するフレキシブル印刷基板(FPC)の信号線の数の制約が厳しく、制御端子を増設することは設計上回避したいという要望があった。
【0011】
また、光検出器7の受光量が第1の光源1と第2の光源2とで大きく異なるとき、2つの可変抵抗10a,10bの差も大きくなり、安定したアンプ動作を実現することが難しくなるという課題があった。
【0012】
この発明は、上記課題を解決するためのもので、フロントモニタ対象の光源を切り替えるための制御が不要であるとともに、2つの光源のフロントモニタを安定に行うことのできる光ピックアップと光ディスク装置を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る光ピックアップは、上記の目的を達成するために、第1の光ビームを出射する第1の光源と、第2の光ビームを出射する第2の光源と、
前記第1の光源より出射された第1の光ビームおよび前記第2の光源より出射された第2の光ビームを受光して光電流を発生する光検出器と、前記光検出器より発生された光電流を電圧に変換するアンプと、このアンプのゲインを前記第1の光ビームまたは前記第2の光ビームのうち一方の光ビームに対する感度調整を行うために可変設定するゲイン可変手段と、前記第1の光ビームまたは前記第2の光ビームのうち他方の光ビームの前記光検出器への入射光量を調整する、光路を横切る方向に移動自在に設けられた遮光板とを具備することを特徴とする。
【0014】
本発明によれば、一方の光源のフロントモニタ感度をアンプのゲインの選定によって電気的に調整し、他方の光源のフロントモニタ感度を入射光量調整手段によって光学的に調整することができるので、フロントモニタ対象の光源を切り替える制御が不要になって光ピックアップの制御端子の数を低減できるとともに、2つの光源のフロントモニタを安定に行うことができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。
【0018】
図1は、この発明に係る一実施形態である光ディスク装置と光ピックアップの主要部の構成を示す図である。
【0019】
同図において、20は光ディスク装置36の光ピックアップであり、この光ピックアップ20は、光ビームを出射する2つの光源21, 22として、たとえばDVD−ROM、DVD−RAM、DVD−R、DVD−RWなどのDVD用の赤色光源であって、たとえば波長650nmのレーザーを出射する第1の光源21と、たとえばCD−ROM、CD−R、CD−RWなどのCD用の赤色光源であって、たとえば波長780nmのレーザーを出射する第2の光源22とを備えている。
【0020】
第1の光源21より出射した光ビームは、ダイクロイックプリズム23で反射し、コリメータレンズ24、対物レンズ25を通ってディスク26の面に集光する。また、第1の光源21より出射した光ビームの一部21aはフロントモニタ用の光検出器27に入射される。光検出器27は受光量に対応した光電流を発生する。
【0021】
光検出器27にはアンプ28が接続されている。光検出器27にて発生した光電流はアンプ28にてモニタ電圧に変換される。光ディスク装置36のコントローラ29はこのモニタ電圧を基準値と比較し、この比較結果に基づいて、第1の光源21のパワーが最適となるようにレーザー駆動回路33の制御を行う。
【0022】
アンプ28には、そのゲインを可変設定することによって第1の光源21のモニタ感度を調整するための手段35が接続されている。すなわち、図2に示すように、アンプ28にはゲイン可変手段である可変抵抗30が帰還抵抗として接続されており、この可変抵抗30の抵抗値を調整することによって、第1の光源21のモニタ感度の設定を行うことが可能となっている。
【0023】
一方、第2の光源22より出射した光ビームは、ダイクロイックプリズム23を透過し、コリメータレンズ24、対物レンズ25を通ってディスク26の面に集光する。また、第2の光源22より出射した光ビームの一部22aは、第1の光源21より出射した光ビームの一部21aと同様にフロントモニタ用の光検出器27に入射され、受光量に対応した光電流がアンプ28にてモニタ電圧に変換される。
【0024】
ここで、第2の光源22とフロントモニタ用の光検出器27との間の光路上には入射光量調整手段としての通過光量調整板たとえば遮光板31が配置されている。遮光板31は、第2の光源22から光検出器27への入射する光ビームの一部を遮光して光検出器27への入射光量を調整(制限)するものである。この遮光板31は、第2の光源22からフロントモニタ用の光検出器27への入射光量を、たとえば手動あるいは自動で調整することができるように、上記光路を横切る方向へ移動自在に設けられている。
【0025】
以上のように、この実施形態においては、第2の光源22とフロントモニタ用の光検出器27との間の光路上に遮光板31を配置し、この遮光板31を移動させて第2の光源22から光検出器27への入射光量を調整(制限)することによって、第2の光源22のモニタリング感度を設定することができる。フロントモニタの具体的な感度調整の手順としては、たとえば、第1の光源21のモニタリング感度を可変抵抗30の抵抗値を調整することによって設定した後、第2の光源22のモニタリング感度の設定を遮光板31を移動させて行うという手順がある。
【0026】
したがって、この実施形態によれば、フロントモニタ対象の光源を切り替えるための制御が不要になるために、光ピックアップ20の制御端子数を低減することができる。また、図2に示したように、モニタ感度調整用の可変抵抗30がひとつで済むことから、アンプ28の動作が安定し、各光源21,22のフロントモニタを安定に行うことが可能になる。
【0027】
上述した実施形態は、光検出器27での第2の光源22からの受光量が第1の光源21からの受光量よりも大きい場合のものであるが、逆に第1の光源21からの受光量が第2の光源22からの受光量よりも大きい場合には、図3に示すように、第1の光源21と光検出器27との間の光路上に遮光板32を配置し、この遮光板32によって、第1の光源21からフロントモニタ用の光検出器27への入射光量を調整(制限)して第1の光源21のモニタ感度を設定すればよい。この場合、第2の光源22のモニタ感度は図2に示した可変抵抗30の抵抗値を選定することによって設定する。
【0028】
また、入射光量調整手段としては、遮光板31以外の通過光量調整板を用いてもよい。たとえばNDフィルタ (Neutral Density Filter) などのフィルタを用いることができる。
【0029】
さらに、本実施形態では、光検出器27とアンプ28とが別体のものを用いたが、これらを一体に組み合わせて構成されたものを使用してもよい。
なお、以上、光ディスク装置のフロントモニタの部分の構成に的を絞って本発明に係る実施形態を説明したが、光ディスク装置は、ディスクを保持して回転・駆動する駆動機構、光ピックアップをディスクの半径方向に移動させるピックアップ送り機構、光ピックアップによってディスクから読み出された信号を復号し、復号データのデスクランブル処理、誤り訂正などを通じてデータを再生し、上位装置(ホスト)に転送したり、上位装置より転送されたデータを光ピックアップによってディスクに記録するために符号化し、スクランブル処理、誤り訂正符号の付加などの信号処理を行う手段、トラッキングサーボ、フォーカシングサーボ、ディスクモータの回転のサーボなどを行うサーボ手段などを備える。これらの部分は本発明と直接の関連をもたないので、詳細な説明を省いた。
【0030】
次に、本発明の別の実施形態を説明する。図4は、この実施形態である光ディスク装置と光ピックアップの主要部の構成を示す図である。
【0031】
同図において、40は光ディスク装置37の光ピックアップであり、この光ピックアップ40は、光ビームを出射する2つの光源21, 22として、一実施形態と同様にたとえばDVD用の赤色光源である第1の光源41と、たとえばCD用の赤色光源である第2の光源42とを備えている。
【0032】
第1の光源41より出射した光ビームは、ダイクロイックプリズム43で反射して、コリメータレンズ44、対物レンズ45を通ってディスク46の面に集光する。また、第1の光源41より出射した光ビームの一部45aはフロントモニタ用の光検出器47に入射される。フロントモニタ用の光検出器47はアンプ48に接続されている。光検出器47にて発生した光電流はアンプ48にてモニタ電圧に変換される。この光ディスク装置37のコントローラ49は、このモニタ電圧を基準値と比較し、この比較結果に基づいて、第1の光源41のパワーが最適となるようにレーザー駆動回路53の制御を行う。
【0033】
第1の光源41と光検出器47の間の光路上には第1の遮光板51が配置されている。この第1の遮光板51は、第2の光源22からフロントモニタ用の光検出器27への入射光量を、たとえば手動あるいは自動で調整することができるように、上記光路を横切る方向へ移動自在に設けられている。
【0034】
一方、第2の光源42より出射した光ビームは、ダイクロイックプリズム43を透過して、コリメータレンズ44、対物レンズ45を通ってディスク46の面に集光する。また、第2の光源42より出射した光ビームの一部42aはフロントモニタ用の光検出器47に入射される。光検出器47にて発生した光電流はアンプ48にてモニタ電圧に変換される。コントローラ49は、このモニタ電圧を基準値と比較し、この比較結果に基づいて、第2の光源42のパワーが最適となるようにレーザー駆動回路53の制御を行う。
【0035】
第2の光源42と光検出器27との間の光路上には第2の遮光板52が配置されており、この第2の遮光板52は、第2の光源42からフロントモニタ用の光検出器27への入射光量を調整することができるように、上記光路を横切る方向へ移動自在に設けられている。
【0036】
すなわち、この実施形態では、第1の光源41および第2の光源42からフロントモニタ用の光検出器27へのそれぞれの入射光量を、各遮光板51,52によって個別に調整することによって、フロントモニタ感度の設定を行うことができる。
【0037】
ここで、図5に示すように、アンプ48の帰還抵抗としては、第1の光源41および第2の光源42から光検出器27へのそれぞれの入射光量を各遮光板51,52によって個別に調整することが可能であるから、固定抵抗50を用いればよい。
【0038】
したがって、この実施形態によっても、フロントモニタ対象の光源を切り替えるための制御が不要になるために、光ピックアップ40の制御端子数を低減することができる。また、図5に示したように、モニタ感度調整用の可変抵抗を固定抵抗50に置き換えることができるので、アンプ48の動作が安定し、各光源41,42のフロントモニタを安定に行うことが可能になる。
【0039】
以上本発明の実施形態を説明したが、本発明は、上述の実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【0040】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、フロントモニタ対象の光源を切り替える制御が不要になって光ピックアップの制御端子の数を低減できるとともに、2つの光源のフロントモニタを安定に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る一実施形態である光ディスク装置と光ピックアップの主要部の構成を示す図である。
【図2】図1の光ピックアップのフロントモニタのアンプの構成を示す図である。
【図3】図1の実施形態の光ディスク装置と光ピックアップの変形例を示す図である。
【図4】本発明に係る別の実施形態である光ディスク装置と光ピックアップの主要部の構成を示す図である。
【図5】図4の光ピックアップのフロントモニタのアンプの構成を示す図である。
【図6】従来の光ディスク装置と光ピックアップの構成を示す図である。
【図7】従来の光ピックアップのフロントモニタ用のアンプの構成を示す図である。
【符号の説明】
20,40・・・光ピックアップ
21,41・・・第1の光源
22,42・・・第2の光源
27,47・・・光検出器
28,48・・・アンプ
29,49・・・コントローラ
30・・・可変抵抗
31,32,51,52・・・遮光板
33,53・・・レーザー駆動回路
36,37・・・光ディスク装置
Claims (2)
- 第1の光ビームを出射する第1の光源と、
第2の光ビームを出射する第2の光源と、
前記第1の光源より出射された第1の光ビームおよび前記第2の光源より出射された第2の光ビームを受光して光電流を発生する光検出器と、
前記光検出器より発生された光電流を電圧に変換するアンプと、
このアンプのゲインを前記第1の光ビームまたは前記第2の光ビームのうち一方の光ビームに対する感度調整を行うために可変設定するゲイン可変手段と、
前記第1の光ビームまたは前記第2の光ビームのうち他方の光ビームの前記光検出器への入射光量を調整する、光路を横切る方向に移動自在に設けられた遮光板と
を具備することを特徴とする光ピックアップ。 - 第1の光ビームを出射する第1の光源と、
第2の光ビームを出射する第2の光源と、
前記第1の光源より出射された第1の光ビームおよび前記第2の光源より出射された第2の光ビームを受光して光電流を発生する光検出器と、
前記光検出器より発生された光電流を電圧に変換するアンプと、
このアンプの出力電圧に基づいて前記第1の光源および前記第2の光源のパワーを制御する制御手段と、
このアンプのゲインを前記第1の光ビームまたは前記第2の光ビームのうち一方の光ビームに対する感度調整を行うために可変設定するゲイン可変手段と、
前記第1の光ビームまたは前記第2の光ビームのうち他方の光ビームの前記光検出器への入射光量を調整する、光路を横切る方向に移動自在に設けられた遮光板と
を具備することを特徴とする光ディスク装置。
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JP2002014627A JP3822499B2 (ja) | 2002-01-23 | 2002-01-23 | 光ピックアップと光ディスク装置 |
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2002
- 2002-01-23 JP JP2002014627A patent/JP3822499B2/ja not_active Expired - Lifetime
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