JP3822446B2 - 陳列具 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、陳列棚の棚板前端面や、陳列用の壁面に、着脱自在に取り付けられる陳列具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、化粧品等を陳列する場合、商品の陳列だけでなく、図9に示すように、商品販売促進用のリーフレットやキャンペーン応募用のはがき等1を、有底筒状の箱体2に入れて、商品陳列台の近傍やレジの横に載置したり、陳列棚の棚板上に、商品とともに並べて陳列したりすることが行われている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のように、リーフレットやはがき等1を、箱体2に入れて並べるだけでは、商品との関連性が弱く、顧客に対するアピール度が乏しいという問題がある。とりわけ、陳列棚の棚板上に箱体2を並べる場合、箱体2の位置が棚板と棚板の間に挟まれた場所になっていると、箱体2が奥まった感じになり印象が弱くなる上、上側の棚板が邪魔になって、箱体2の中からはがき等1を取り出しにくいという問題がある。さらに、上記箱体2は、ただ置いてあるだけであるため、顧客がはがき等1を取り出す際に箱体2が動きやすく、整然とした陳列を乱してしまうという問題もある。
【0004】
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、リーフレットやはがき等の商品関連品や、メインとなる陳列商品の関連商品であって小さいもの等を、手に取りやすく、しかも印象的に陳列することのできる陳列具の提供をその目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明は、垂直に起立する背面部を有する本体と、この本体背面部の裏面側に設けられ、一枚の帯状プラスチックシートを水平な折り目で曲成することにより形成された可撓性の係合用ガイドとを備え、別に設けられるベース体の係合用凹条溝に、上記係合用ガイドを係合させることにより、上記ベース体に着脱自在に取り付けられる陳列具であって、上記係合用ガイドが、本体背面部に取り付けられる取り付け面部と、上記取り付け面部の上端縁から斜め下に延びる下り傾斜面部と、その下端縁から上向きに折り返される第1の折り返し面部と、上記第1の折り返し面部の上端縁から背面部に向かって下向きに折り返される第2の折り返し面部と、上記第2の折り返し面部の下端縁から上記本体背面部に沿って上向きに折り返されその上端部が上記取り付け面部と下り傾斜面部とで形成される角部の内側に入り込む第3の折り返し面部とを備えた構造になっており、上記第1の折り返し面部と第2の折り返し面部とで形成される角部が、上記ベース体の凹状溝の開口上縁部から溝内側に入り込み、上記第2の折り返し面部と第3の折り返し面部とで形成される角部が、上記ベース体の凹状溝の開口下縁部から溝内側に入り込むことにより、ベース体の凹状溝と係合するようになっている陳列具を第1の要旨とする。
【0006】
また、本発明は、上記陳列具のなかでも、特に、上記本体が、商品宣伝用リーフレットを保持するための有底筒状箱体である陳列具を第2の要旨とする。
【0007】
【発明の実施の形態】
つぎに、本発明の実施の形態について説明する。
【0008】
図1は、本発明を、化粧品に関するキャンペーンの応募はがきを兼ねたリーフレット10を多数枚保持した状態で、その化粧品の陳列棚の近傍に陳列する陳列具に適用した一実施の形態を示している。この陳列具は、リーフレット10を保持するための本体11と、この本体11の背面部11aの裏面側に設けられる係合用ガイド12とで構成されている。
【0009】
上記本体11は、1枚の厚紙(厚み0.8mm)を所定形状に切り抜いて有底四角筒状に組み立てて形成されており、その正面部11bの高さが、リーフレット10の取り出しやすさを考慮して、背面部11aよりも低く設定されている。
【0010】
また、上記係合用ガイド12は、上下方向に延びる帯状の透明プラスチックシート(厚み0.7mm)を、4本の水平な折り目で曲成することにより形成されており、その曲成された第1面が、取り付け面部13として、上記本体11の背面部11aの裏面略中央部に貼付されている。そして、上記取り付け面部13の上端縁を山折り目14として、そこから斜め下に延びる下り傾斜面部15が形成され、上記下り傾斜面部15の下端縁を谷折り目16として、そこから上向きに折り返される第1の折り返し面部17が形成されている。
【0011】
また、上記第1の折り返し面部17の上端縁を山折り目18として、そこから本体11の背面部11aに向かって下向きに折り返される第2の折り返し面部19が形成され、背面部11aの下端縁近傍に達した上記第2の折り返し面部19の下端縁を山折り目20として、そこから背面部11aに沿って上向きに折り返される第3の折り返し面部21が形成されている。なお、上記第3の折り返し面部21の上端部は、上記取り付け面部13と下り傾斜面部15とで構成される角部の内側に入り込むようになっている。
【0012】
上記陳列具は、例えば図2に示すように、大型の陳列台の棚板30に、その前端面30aに取り付けられるプライスレール31を利用して、着脱自在に取り付けることができる。
【0013】
すなわち、上記棚板30には、商品名や値段を表示したプライスカード40を嵌入保持することのできる凹状溝32を備えたプライスレール31が、その係合用凹部33を棚板30の前端面30aに嵌合させた状態で取り付けられている。なお、上記凹状溝32の溝底は、プライスカード40の表示が見やすくなるよう、手前側に湾曲突出した形状になっている。
【0014】
一方、上記陳列具の係合用ガイド12は、可撓性のプラスチックシートで形成されているため、第1の折り返し面部17と第2の折り返し面部19とで形成される角部Pと、第2の折り返し面部19と第3の折り返し面部21とで形成される角部Qを、上下方向から挟んで押圧すると、第2の折り返し面部19が円弧状に撓んで、両角部P,Qの間隔が狭まるようなっている。
【0015】
したがって、図3(a)に示すように、まず、上記係合用ガイド12の下側の角部Qを、上記プライスレール31の凹状溝32の開口下端縁部から溝内側に差し込み、つぎに、図3(b)に示すように、上側の角部Pを下向きに押圧して、第2の折り返し面部19を円弧状に撓ませながら、凹状溝32の開口上端縁部に差し込むことにより、係合用ガイド12全体を、プライスレール31に嵌入保持させることができる。
【0016】
このようにして取り付けられた陳列具は、図4に示すように、棚板30の前端面30aに、プライスレール31を介して、安定的に保持されており、しかも、棚板30の前端面30aよりも手前に突出した位置に配置されるため、印象が強く、棚板30上に陳列される化粧品との関連性も、顧客に強くアピールすることができる。また、本体11内のリーフレット10を手前に取り出しやすく、その取り出し動作によっても、陳列具の位置が動かず、陳列のバランスが崩れることがない。特に、この例では、本体11が、リーフレット10の束の重みで、わずかに手前に傾き気味に保持されるため、とりわけリーフレット10を取り出しやすくなっている。これは、係合用ガイド12を、本体11の背面部11aの中央よりやや下側に取り付けているからである。
【0017】
なお、上記係合用ガイド12は、必ずしも本体11の背面部11aの、中央よりやや下側に取り付ける必要はなく、その取り付け位置は、取り付け相手となる凹状溝32の溝形状や、本体11に保持させる物品の種類等を勘案して、陳列具全体がバランスよく、安定的に取り付けられるような位置に設定される。
【0018】
また、上記係合用ガイド12の、折り目によって形成される各面部(13,15,17,19,21)の折り幅も、上記と同様の観点から、適宜に設定される。ただし、第3の折り返し面部21の上端部は、取り付け面部13と下り傾斜面部15とで形成される角部(図1においてRで示す)の内側に入り込むようになっていなければ、全体を安定的に保持することができない。すなわち、上記第3の折り返し面部21の上端部が、角部Rの内側に入り込んで係合することにより、本体11がリーフレット10の束の重みで下に下がることを阻止するからである。
【0019】
そして、上記の例では、本体11が、リーフレット10を保持するためのものであり、有底筒状の箱体形状になっているが、本発明において、本体11は、特に限定されるものではなく、少なくとも垂直に起立する背面部11aを備えたものであれば、どのようなものであっても差し支えない。
【0020】
例えば、本体11が、図5に示すように、上下の縁部が折り返されて溝50aが形成された剛性プラスチック板50と、上記上下の溝50aを介して着脱自在に保持される宣伝広告用の印刷物51とで構成されるPOP用のパネル等であっても差し支えない。あるいは、図6(a)に示すように、台紙52の表面に、薄型の商品小物(パフやフェイスマスク等の商品や、薄型のサンプル等)53を貼付して陳列するものであってもよいし、図6(b)に示すように、背面部54と底面部55と、周縁に立設するガイド部56とを備えた小型の陳列棚であって、底面部55の上に、テスターや軽量の小型商品を載置して陳列する構成のものであってもよい。
【0021】
また、上記の例では、本体11を厚紙で形成し、係合用ガイド12を可撓性のプラスチックシートで形成しているが、本体11も可撓性のプラスチックシートで形成してもよい。その場合、例えば図7に示すように、本体11の背面部11aの上端縁から上方に、係合用ガイド12を曲成しうる長さの延長部を設け、この延長部の一部を、背面部11aに沿って下向きに折り返して重なり部11cを形成し、残部を用いて、上記の例と同様、取り付け面部13、下り傾斜面部15等を形成するようにしても差し支えない。
【0022】
さらに、上記陳列具を取り付ける相手となる凹状溝32の断面形状も、どのような形状になっていてもよく、例えば図8(a)〜(c)の32a〜32cに示すような、各種の断面形状のものに係合させることができる。そして、上記凹状溝32等を備えたベース台としては、上記の例のように、プライスレール31であってもよいし、他のものであっても差し支えない。例えば、棚板の前端面自体に凹状溝を形成したものであってもよいし、あるいは、陳列用に専用の凹状溝が上下に平行に多数本形成されているような、陳列専用ボードや陳列用壁面等であってもよい。
【0023】
【発明の効果】
以上のように、本発明の陳列具は、陳列物を保持するための本体裏面側に設けられた係合用ガイドが、一枚の帯状プラスチックシートを水平な折り目で曲成した特殊な形状になっているため、陳列具全体を、棚板の前端面等に安定的に保持することができる。そして、取り付けられた陳列具が、取り付けられた相手よりも手前に突出した状態となるため、その取り付け相手側に陳列されたメイン商品との関連性を、顧客に強くアピールすることができる。また、陳列具の本体に保持された陳列品を手前に取り出しやすく、その取り出し動作によっても、陳列具の位置がずれたりすることがないため、整然とした陳列形態を長期にわたって保持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す斜視図である。
【図2】上記実施例が取り付けられた状態を示す側面図である。
【図3】(a),(b)はともに上記実施例の取り付け方法の説明図である。
【図4】上記実施例が取り付けられた状態を示す斜視図である。
【図5】上記実施例における本体の変形例の説明図である。
【図6】(a),(b)はともに上記実施例における本体の他の変形例の説明図であ る。
【図7】本発明の他の実施例を説明する縦断面図である。
【図8】(a),(b),(c)はいずれも上記実施例を取り付ける凹状溝の変形例の説明図である。
【図9】従来の陳列具の使用形態の説明図である。
【符号の説明】
11 本体
11a 背面部
12 係合用ガイド
13 取り付け面部
15 下り傾斜面部
17 第1の折り返し面部
19 第2の折り返し面部
21 第3の折り返し面部

Claims (2)

  1. 垂直に起立する背面部を有する本体と、この本体背面部の裏面側に設けられ、一枚の帯状プラスチックシートを水平な折り目で曲成することにより形成された可撓性の係合用ガイドとを備え、別に設けられるベース体の係合用凹条溝に、上記係合用ガイドを係合させることにより、上記ベース体に着脱自在に取り付けられる陳列具であって、上記係合用ガイドが、本体背面部に取り付けられる取り付け面部と、上記取り付け面部の上端縁から斜め下に延びる下り傾斜面部と、その下端縁から上向きに折り返される第1の折り返し面部と、上記第1の折り返し面部の上端縁から背面部に向かって下向きに折り返される第2の折り返し面部と、上記第2の折り返し面部の下端縁から上記本体背面部に沿って上向きに折り返されその上端部が上記取り付け面部と下り傾斜面部とで形成される角部の内側に入り込む第3の折り返し面部とを備えた構造になっており、上記第1の折り返し面部と第2の折り返し面部とで形成される角部が、上記ベース体の凹状溝の開口上縁部から溝内側に入り込み、上記第2の折り返し面部と第3の折り返し面部とで形成される角部が、上記ベース体の凹状溝の開口下縁部から溝内側に入り込むことにより、ベース体の凹状溝と係合するようになっていることを特徴とする陳列具。
  2. 上記本体が、商品宣伝用リーフレットを保持するための有底筒状箱体である請求項1記載の陳列具。
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