JP3822288B2 - Acaricide and acaricide-containing dispersion containing the same - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ピレスロイド系殺虫剤を内包したマイクロカプセルを含有した防ダニ剤およびそれを含有する防ダニ剤含有分散液に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、ピレスロイド系殺虫剤は、活性剤により水中でエマルジョン化され、紙や衣類等に加工されて防ダニ剤としての薬効を奏している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のようにして防ダニ剤として使用した場合、例えば、耐洗濯性が悪く、長期にわたってその効果を充分に持続することができないでいるのが実情である。
【0004】
本発明は、長期にわたって内包するピレスロイド系殺虫剤の薬効を発揮させることのできる防ダニ剤およびそれを含有する防ダニ剤含有分散液の提供をその目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明は、芯部がピレスロイド系殺虫剤を含有するゲル状ポリウレタン樹脂で形成され、上記芯部を被覆する殻部がポリウレア樹脂で形成されているマイクロカプセルを含有する防ダニ剤であって、上記防ダニ剤が、ピレスロイド系殺虫剤あるいはピレスロイド系殺虫剤を含む疎水性媒体に、多官能性イソシアネート、水不溶性のポリオールおよび触媒を溶解して油相とし、これを乳化剤を添加した水中に乳化分散した後、油滴界面およびその内部で反応させることにより得られるものである防ダニ剤を第1の要旨とし、上記防ダニ剤が、水性媒体中に分散された防ダニ剤含有分散液を第2の要旨とする。
【0006】
本発明者らは、長期間にわたって内包したピレスロイド系殺虫剤の薬効を奏することのできるマイクロカプセルを得るために一連の研究を重ねた。その過程で、芯−殻構造であるマイクロカプセルにおいて、殻部ではなくピレスロイド系殺虫剤を内包する芯部の構成を中心にさらに研究を重ねた結果、芯部としてピレスロイド系殺虫剤をそのまま内包するのではなく、ゲル状ポリウレタン樹脂にピレスロイド系殺虫剤を含有させると、そのピレスロイド系殺虫剤はゲル状ポリウレタン樹脂に強く保持され、その結果、長期にわたりその薬効を奏することができることを見出し本発明に到達した。
【0007】
さらに、上記特殊な芯部構造からなるピレスロイド系殺虫剤内包マイクロカプセルを水性媒体中に分散させた分散液は、紙や繊維等に、塗布、噴霧あるいは含浸させる等、様々な形態をとり利用することができる。
【0008】
そして、上記分散液において、特殊なピレスロイド系殺虫剤内包マイクロカプセルとともに、バインダー成分として、水溶性ポリウレタン樹脂および合成樹脂の水性エマルジョンの少なくとも一方を含有することにより、ピレスロイド系殺虫剤内包マイクロカプセル分散液を、紙や衣類等の加工に用いた場合、耐洗濯性が向上して防ダニ性能が長期間にわたってより一層発揮できるようになる。
【0009】
【発明の実施の形態】
つぎに、本発明について詳しく説明する。
【0010】
本発明の防ダニ剤は、ピレスロイド系殺虫剤を内包したマイクロカプセルを有効成分とするものであって、このマイクロカプセルは、芯部が殻部で被覆された芯−殻構造であり、上記芯部がピレスロイド系殺虫剤を含有するゲル状ポリウレタン樹脂で形成され、上記殻部がポリウレア樹脂で形成されている。
【0011】
上記芯部のゲル状ポリウレタン樹脂に含有保持されるピレスロイド系殺虫剤としては、例えば、アレスリン、レスメトトリン、ペルメトリン、シハロトリン、シフルトリン、フェンプロパトリン、トラロメトリン、シクロプロトリン、フェンバレレート、フルントリネート、フルバリネート、エトフェンプロックス等の合成ピレスロイド系殺虫剤や、ピレトリン等の天然ピレスロイド系殺虫剤があげられる。
【0012】
そして、本発明の防ダニ剤において、有効成分である、ピレスロイド系殺虫剤を内包したマイクロカプセルは、芯部に含有されるピレスロイド系殺虫剤、あるいはピレスロイド系殺虫剤を含む疎水性媒体中に、多官能性イソシアネート、水不溶性のポリオールおよび触媒を溶解して油相とし、これを乳化剤を添加した水(水相)中に乳化分散した後、油滴界面およびその内部で反応させることにより得られる。
【0013】
上記反応では、20〜40℃で0.5〜2時間程度で反応が完了し、従来に比べて極めて短時間および低温下で、ピレスロイド系殺虫剤を内包したマイクロカプセルの分散液を製造することができる。
【0014】
まず、油相を構成する各成分について述べる。
【0015】
上記油相は、ピレスロイド系殺虫剤、あるいはピレスロイド系殺虫剤を含む疎水性媒体と、多官能性イソシアネートと、水不溶性のポリオールと、触媒を用いて構成される。
【0016】
上記ピレスロイド系殺虫剤はそのまま用いてもよいが、上記のように疎水性媒体中に含有させてもよい。好ましくは、マイクロカプセルの強度という点から、ピレスロイド系殺虫剤をそのまま用いることである。
【0017】
上記疎水性媒体としては、ピレスロイド系殺虫剤の揮発性防止剤として用いられ、例えば、安息香酸ベンジル、フタル酸ジオクチル等のエステル類、鉱物油類、綿実油類等の植物油類があげられる。
【0018】
上記殻部およびゲル状の芯部を形成するために用いられる多官能性イソシアネートとしては、フェニレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ポリメリックジフェニルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート等、さらには、上記多官能性イソシアネートのイソシアヌレート変性体、ビュレット変性体や、トリメチロールプロパン、ヘキサントリオールのようなポリオールとの付加物であるイソシアネートプレポリマー等があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。
【0019】
上記トリメチロールプロパン、ヘキサントリオール以外のポリオールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ヘキサンジオール等の脂肪族ポリオール、キシリレングリコール等の芳香族ポリオール、ハイドロキノン、カテコール等の多価フェノール、あるいはこれら多価フェノールとアルキレンオキシドとの縮合物、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール等のポリオールプレポリマー等があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。そして、これらポリオールのなかでも、残効性に優れたピレスロイド系殺虫剤内包マイクロカプセルが得られるという点から、トリメチロールプロパンを用いることが好ましい。
【0020】
そして、上記多官能性イソシアネートのなかでも、無黄変型のピレスロイド系殺虫剤内包マイクロカプセルを得るという点および経済的であるという点から、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートを用いることが好ましい。
【0021】
上記多官能性イソシアネートとともに用いられる水不溶性のポリオールとしては、具体的には、ヒマシ油、ポリオキシアルキレンポリオール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール等のポリエーテルポリオール、縮合系ポリエステルポリオール、ラクトン系ポリエステルジオール、ポリカーボネートジオール等のポリエステルポリオール等があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。そして、これら水不溶性のポリオールのなかでも、反応性および残効性という点からヒマシ油を用いることが好ましい。上記水不溶性のポリオールの配合量は、上記多官能性イソシアネート100重量部(以下「部」と略す)に対して10〜300部に設定することが好ましく、特に好ましくは50〜200部である。この水不溶性のポリオールの配合量が10部未満、あるいは300部を超えると、すなわち、上記配合量の範囲外では、目的とする芯部がゲル状のピレスロイド系殺虫剤内包マイクロカプセルを得ることが困難となる傾向がみられる。そして、これら水不溶性のポリオールにおいては、水酸基を少なくとも2個有するものを使用する必要がある。すなわち、水酸基が1個では架橋せずに芯部がゲル化状態にはならないからである。また、水に溶解するポリオールを用いるとマイクロカプセルの生成が困難となり使用には適さない。このような点から、上述の水不溶性のポリオールが使用される。
【0022】
さらに、上記多官能性イソシアネートおよび水不溶性のポリオールとともに用いられる触媒としては、有機スズ化合物が用いられ、例えば、トリ−n−ブチルチンアセテート、n−ブチルチントリクロライド、ジメチルチンジクロライド、ジブチルチンジラウレート、トリメチルチンハイドロオキサイド等があげられる。これら触媒はそのまま用いてもよいし、酢酸エチル等の溶剤に、濃度が0.1〜20重量%(以下「%」と略す)となるように溶解して、油相中、イソシアネート成分である多官能性イソシアネート100部に対して、固形分として0.01〜1部となるよう添加してもよい。このように、上記触媒の配合量は、そのまま、あるいは溶剤に溶解した状態のいずれの場合においても、固形分として、多官能性イソシアネート100部に対して0.01〜1部となるように設定することが好ましく、特に好ましくは0.05〜0.5部である。すなわち、触媒の配合量が、0.01部未満のように少な過ぎると、芯部のゲル状ポリウレタン樹脂が形成されるまでに、多官能性イソシアネートが殻部の形成反応に使用されて先に殻部が形成されてしまい、逆に1部を超えると、芯部の形成が極端に速くなり、目的とするピレスロイド系殺虫剤内包マイクロカプセルが得られ難いという傾向がみられるからである。
【0023】
上記触媒を添加することにより、油相中の多官能性イソシアネートと水不溶性のポリオールとの反応が、多官能性イソシアネートと、水相中の水との反応よりも速やかに反応する。したがって、芯−殻構造のマイクロカプセルの形成において、芯部が、ピレスロイド系殺虫剤を含有するゲル状のポリウレタン樹脂に形成され、その芯部の外周(殻部)がポリウレア樹脂に形成されることから、本発明の特殊な構造を有するピレスロイド系殺虫剤内包マイクロカプセルが得られる。
【0024】
なお、上記各成分から構成される油相中には、溶剤を含有しない方が好ましい。すなわち、溶剤を含有するとつぎのような問題が生じるからである。▲1▼溶剤自身の有する臭気により、製品として好ましいものが得られない。▲2▼水溶性溶剤では、マイクロカプセル形成時に水溶性溶剤が水相に移行し、この移行に伴い、ピレスロイド系殺虫剤も油相から水相に移行してしまい目的とするピレスロイド系殺虫剤内包マイクロカプセルを得るのが困難となるからである。
【0025】
ついで、上記油相を乳化分散させる水相について述べる。
【0026】
上記水相に添加される乳化剤としては、アニオン性、カチオン性、ノニオン性、両性の各水溶性高分子物質、各種界面活性剤を用いることができる。
【0027】
上記アニオン性高分子物質としては、アラビアゴム、アルギン酸等の天然高分子、カルボキシメチルセルロース、硫酸化セルロース、フタル化ゼラチン等の半合成高分子、カルボキシ変性ポリビニルアルコール、スチレンスルホン酸系重合体および共重合体、無水マレイン酸系共重合体等の合成高分子があげられる。
【0028】
また、上記カチオン性高分子物質としては、カチオン化デンプン等があげられる。
【0029】
上記ノニオン性高分子物質としては、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、キサンタンガム等があげられ、上記両性高分子物質としては、ゼラチンがあげられる。
【0030】
さらに、上記各種界面活性剤としては、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸ナトリウム等のアニオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル等のノニオン性界面活性剤、アルキルトリメチルアンモニウム塩等のカチオン性界面活性剤、アルキルベタイン型、アルキルイミダゾリン型等の両性界面活性剤があげられる。
【0031】
そして、これら乳化剤は、一般に、水に対して、水溶液濃度が1〜20%となるよう添加して調製し、水相とする。
【0032】
本発明において、ピレスロイド系殺虫剤内包マイクロカプセル分散液は、例えば、つぎのようにして製造される。すなわち、上述の各成分を用いて、油相液および水相をそれぞれ調製する。そして、上記調製した油相液を、上記水相に加え、所定の条件で攪拌し反応させることにより、芯部が殻部で被覆された芯−殻構造で、しかも、上記芯部がピレスロイド系殺虫剤を含有するゲル状ポリウレタン樹脂で形成され、上記殻部がポリウレア樹脂で形成された特殊なピレスロイド系殺虫剤内包マイクロカプセルが分散されたピレスロイド系殺虫剤内包マイクロカプセル分散液が製造される。つづいて、この分散液から所定の方法によって水分を分離することによりピレスロイド系殺虫剤内包マイクロカプセルが得られる。
【0033】
上記のようにして得られたピレスロイド系殺虫剤内包マイクロカプセル分散液において、分散液中のピレスロイド系殺虫剤内包マイクロカプセルの含有量は、例えば、紙や繊維等に、塗布、噴霧および含浸させて用いる際の期待する薬効、保持性を考慮して、分散液中2〜70%の範囲に設定することが好ましい。
【0034】
上記油相液と水相との混合割合は、重量比で、油相1に対して水相0.5〜50となるように設定することが好ましい。特に好ましくは油相1に対して水相0.8〜1.5である。すなわち、油相1に対して水相が0.5未満では、水を連続相とすることが困難である。また、水相が50を超えると、マイクロカプセル濃度の低過ぎる製品しか得られないという傾向がみられるからである。
【0035】
上記攪拌条件としては、一般に、500〜5000rpmに設定され、特に好ましくは1000〜3000rpmである。さらに、上記反応条件としては、前述のように、20〜40℃で0.5〜2時間程度の短時間に設定される。
【0036】
また、ピレスロイド系殺虫剤内包マイクロカプセル分散液中から水分を分離してピレスロイド系殺虫剤内包マイクロカプセルのみを得ることもできる。この分離方法としては、特に限定するものではなく、従来公知の方法、例えば、遠心分離法、加圧濾過法、減圧吸引濾過法等があげられる。さらに、上記分離により得られたピレスロイド系殺虫剤内包マイクロカプセルを、従来公知の方法、例えば、加熱乾燥、噴霧乾燥、真空乾燥、凍結乾燥等によって適宜に乾燥してもよい。
【0037】
このように、特殊なピレスロイド系殺虫剤内包マイクロカプセルが得られる生成機構について、本発明者らは、一連のマイクロカプセルの研究により得た知見から、つぎのように推察している。すなわち、上記油相を構成する成分の一つである触媒の存在により、この触媒を含有する油相液を水相に添加し攪拌すると、油相中の多官能性イソシアネートと水不溶性のポリオールとの反応が、多官能性イソシアネートと水との反応よりも速やかに反応する。このため、芯−殻構造のマイクロカプセルの形成において、まず、芯部となるピレスロイド系殺虫剤を含有するゲル状のポリウレタン樹脂が反応生成し、その後、その表面で、多官能性イソシアネートと水とが反応してポリウレア樹脂が反応生成して殻部が形成されるものと考えられる。
【0038】
本発明に用いるピレスロイド系殺虫剤内包マイクロカプセル分散液の他の製法として、下記の方法もあげられる。すなわち、有機スズ化合物を含有する前記油性液を、少なくとも2個のアミノ基を有する多価アミン化合物および乳化剤を含有する水性液に添加して乳化分散させる方法である。この方法によると、上記水性液中に多価アミンを含有するため、油滴界面において、油相中の多官能性イソシアネートと水性液中の多価アミンとが極めて速く反応して、ポリウレア樹脂製の殻部が形成され、遅れて、有機スズ化合物の触媒作用により、多官能性イソシアネートと水不溶性ポリオールとが反応して、殻部の内部のゲル化が始まり、ピレスロイド系殺虫剤を含有するゲル状ポリウレタン樹脂製芯部が形成され、本発明に用いるピレスロイド系殺虫剤含有のゲル状ポリウレタン樹脂からなる芯部が殻部で形成されたピレスロイド系殺虫剤内包マイクロカプセルの分散液が得られる。
【0039】
このようにして得られるピレスロイド系殺虫剤内包マイクロカプセルの模式図を図1に示す。図示のように、芯部であるピレスロイド系殺虫剤を含有するゲル状ポリウレタン樹脂1の外周を、ポリウレア樹脂製の殻部2によって被包された、芯−殻構造となっている。また、本発明のピレスロイド系殺虫剤内包マイクロカプセルの粒子径については特に限定するものではないが、一般に、0.5〜500μmの範囲に設定される。
【0040】
本発明において、ピレスロイド系殺虫剤内包マイクロカプセルの、芯部がゲル化状態であることは、得られたピレスロイド系殺虫剤内包マイクロカプセルの断面を電子顕微鏡で観察することにより確認することができる。また、得られたピレスロイド系殺虫剤内包マイクロカプセルを用いて溶媒により残存水不溶性ポリオールの抽出操作を行った結果、抽出物が得られないことから、水不溶性のポリオールが多官能性イソシアネートと完全に反応し、内部がゲル化状態となっていると判断される。さらに、ピレスロイド系殺虫剤と、多官能性イソシアネートと、水不溶性のポリオールと、触媒を、20〜40℃で混合し、0.5〜2時間放置すると流動性がなくなりゲル化状態となることからも推察される。
【0041】
つぎに、前記特殊なピレスロイド系殺虫剤内包マイクロカプセルが水性媒体中に分散した液を製造した後、この分散液に、バインダー成分として、水溶性ポリウレタン樹脂、および、合成樹脂の水性エマルジョンの少なくとも一方を配合することにより、本発明の課題である、防ダニ効果の耐久性、耐洗濯性の一層の向上効果が得られる。
【0042】
上記バインダー成分のうち、上記水溶性ポリウレタン樹脂としては、下記の(B1)および(B2)の少なくとも一方を用いることが好ましい。
【0043】
(B1)下記の(a1)と(b1)とを反応させてなる反応生成物の、末端イソシアネート基をブロック化剤でブロックした熱反応水溶性ポリウレタン樹脂。
(a1)ポリエーテルポリオールおよびポリエステルポリオールの少なくとも一方。
(b1)ジイソシアネート成分。
(B2)下記の(a2)と(b2)とを反応させてなる反応生成物の、末端イソシアネート基を、水およびアミンの少なくとも一方で架橋してなる水溶性ポリウレタン樹脂。
(a2)ポリエーテルポリオールおよびポリエステルポリオールの少なくとも一方。
(b2)ジイソシアネート成分。
【0044】
まず、熱反応水溶性ポリウレタン樹脂(B1)について述べる。
【0045】
上記(a1)のポリエーテルポリオールとしては、エチレンオキシドおよびプロピレンオキシドのブロック重合物、またはこれらのランダム付加重合物、グリセリンのプロピレンオキシド、エチレンオキシドあるいはそのランダム付加重合物、プロピレンオキシドの付加重合物等があげられる。
【0046】
上記(a1)のポリエステルポリオールとしては、無水マレイン酸と1,4−ブタンジオールとのポリエステルポリオール、無水マレイン酸と1,6−ヘキサンジオールとのポリエステルポリオール等があげられる。
【0047】
上記(b1)であるイソシアネート成分としては、脂肪族ジイソシアネートが黄変防止の点から好ましく用いられ、具体的には、ヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)、トリメチルキシレンジイソシアネート(TMXDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)等があげられる。
【0048】
さらに、上記(B1)における、上記(a1)と(b1)とを反応させてなる反応生成物の、末端イソシアネート基をブロックするブロック化剤としては、無水重亜硫酸ソーダ、メチルエチルケトオキシム等があげられる。
【0049】
上記熱反応水溶性ポリウレタン樹脂(B1)は、例えば、つぎのようにして得られる。すなわち、上記(a1)と(b1)とを90〜100℃で反応させ(末端イソシアネート基が約3〜4%となるまで)、この未反応の末端イソシアネート基を上記ブロック化剤で封鎖し、冷却した後、必要に応じて活性剤を添加する。つぎに、これに水を添加して乳化体とする。
【0050】
このようにして得られる熱反応水溶性ポリウレタン樹脂(B1)としては、熱反応性の点から、重量平均分子量が5000〜2万のものが好ましい。
【0051】
つぎに、水溶性ポリウレタン樹脂(B2)について述べる。
【0052】
上記(a2)のポリエーテルポリオールとしては、ポリテトラメチレングリコール、エチレンオキシドプロピレンオキシドのランダム付加重合物、あるいはこれらのランダム付加重合物、プロピレンオキシドの付加重合物、ビスフェノールAのエチレンオキシドの付加重合物、ビスフェノールAのプロピレンオキシドの付加重合物、1,4−ブタンジオール、トリメチロールプロパン等があげられる。
【0053】
上記(a2)のポリエステルポリオールとしては、ブチレンアジペート、ヘキシレンカーボネート、エチレンテレフタレート等があげられる。
【0054】
上記(b2)であるイソシアネート成分としては、トリレンジイソシアネート−80(TDI−80)、HMDI、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、IPDI等があげられる。
【0055】
さらに、上記(B2)における、上記(a2)と(b2)とを反応させてなる反応生成物の、末端イソシアネート基を架橋させるアミンとしては、エチレンジアミン、ヒドラジン、ジエチレントリアミン等があげられる。
【0056】
上記水溶性ポリウレタン樹脂(B2)は、例えば、つぎのようにして得られる。すなわち、上記(a2)に対して、(b2)を溶媒中で反応させ(70〜75℃)、所望の末端イソシアネート基量まで反応させる。つぎに、冷却し、必要に応じて活性剤を添加し、さらに大量の水を添加して、上記末端イソシアネート基を水架橋させる。このときジアミンを添加して効率的に架橋させることもできる。
【0057】
このようにして得られる水溶性ポリウレタン樹脂(B2)としては、耐洗濯性の点から、重量平均分子量が3万以上のものが好ましい。さらに好ましくは重量平均分子量が10万以上のものである。
【0058】
そして、本発明における、ピレスロイド系殺虫剤内包マイクロカプセル分散液に配合する水溶性ポリウレタン樹脂として、上記(B1)および(B2)のうち、耐洗濯性という点から、特に(B1)を用いることが好ましい。上記(B1)成分については、ほかにバインダー力を高めるために、前記の有機スズ化合物をマイクロカプセル分散液に対し0.5〜1.0%添加することが好ましい。
【0059】
上記(B1)および(B2)の少なくとも一方の添加量は、特殊なピレスロイド系殺虫剤内包マイクロカプセル分散液の固形分に対して、固形分で30〜100%、より好ましくは50〜80%の割合に設定される。
【0060】
上記バインダー成分のうち、合成樹脂の水性エマルジョンとしては、例えば、酢酸ビニル樹脂、酢酸ビニル−アクリル共重合樹脂、酢酸ビニル−エチレン共重合樹脂、アクリル樹脂、アクリル−スチレン共重合樹脂、酢酸ビニル−エチレン−塩化ビニル共重合樹脂、酢酸ビニル−マレート共重合樹脂、アクリル−エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、塩化ビニリデン樹脂等の水性エマルジョンがあげられる。これら合成樹脂は単独でもしくは2種以上併せて用いられる。なかでも、耐洗濯性という点から、酢酸ビニル−エチレン共重合樹脂の水性エマルジョンを用いることが好ましい。
【0061】
上記合成樹脂の水性エマルジョンは、濃度30〜60%のものとして使用され、その添加量は、ピレスロイド系殺虫剤内包マイクロカプセルが分散した液の固形分に対して、固形分比で、30〜100%に設定することが好ましく、より好ましくは50〜80%の割合に設定される。
【0062】
そして、これらバインダー成分を配合した防ダニ剤は、先に述べた特殊なピレスロイド系殺虫剤内包マイクロカプセル分散液に、上記(B1)および(B2)の少なくとも一方、あるいは、上記合成樹脂の水性エマルジョンを添加することに得られる。
【0063】
このような、ピレスロイド系殺虫剤内包マイクロカプセルを有効成分とする本発明の防ダニ剤は、このマイクロカプセル自身をそのまま利用してもよいし、あるいは、上記ピレスロイド系殺虫剤内包マイクロカプセルを有効成分とする防ダニ剤を含有する分散液、さらには、この分散液に、先に述べた水溶性ポリウレタン樹脂および合成樹脂の水性エマルジョンの少なくとも一方を含有した分散液を、例えば、紙や繊維等の表面に塗布、あるいは噴霧するか、この分散液を浸漬して含浸させる等の適宜の方法を用いて、様々な物品に適用することができる。
【0064】
つぎに、実施例について比較例と併せて説明する。
【0065】
まず、実施例に先立って、ピレスロイド系殺虫剤(ピレトリン)を内包したマイクロカプセル分散液を製造した。
【0066】
【製造例1】
ピレトリン110部、ヘキサメチレンジイソシアネートとトリメチロールプロパンの付加物(日本ポリウレタン社製、コロネートHL)120部(イソシアネート成分)、ジブチルチンジラウレート(触媒)の10%酢酸エチル溶液1部、ヒマシ油120部(水不溶性のポリオール)を混合溶解して油相液を調製した。ついで、この油相液を、25℃の部分ケン化ポリビニルアルコール(日本合成化学工業社製、ゴーセノールKM−11、ケン化度80%)の10%水溶液350部に加え、オートホモミキサー(特殊機化工業社製)により1000rpmで5分間攪拌することにより乳化液を得た。引き続き、この乳化液を、25℃で1.5時間、100〜500rpmで攪拌し反応を完結させることによりピレトリン(ピレスロイド系殺虫剤)内包のマイクロカプセル分散液を得た。このマイクロカプセルの粒子を遠心分離により取り出し、電子顕微鏡(日本電子社製、JSM−T300)で観察したところ、粒子径5μmの粒子が観察された。さらに、このマイクロカプセルを割ったものを電子顕微鏡で観察したところ、芯部がゲル化状態であることが確認された。このことから、ピレトリンを含有するゲル状のポリウレタン樹脂(芯部)が、ポリウレア樹脂製の殻部によって被包された芯−殻構造をとる特殊マイクロカプセルであることがわかる(図1参照)。
【0067】
また、得られたピレトリン内包マイクロカプセルを用い、テトラヒドロフランにて残存ヒマシ油(水不溶性のポリオール)の抽出操作を行ったところ、ヒマシ油は検出されなかった。この結果からも、ヒマシ油が芯部に存在せず、イソシアネート成分と完全に反応しており、芯部がゲル状のポリウレタン樹脂であることがわかる。
【0068】
さらに、上記調製した油相液を、25℃で1.5時間そのまま放置したところ、流動性がなくなりゲル化状態となった。
【0069】
これらのことから、製造例1で得られたピレトリン内包マイクロカプセルの、芯部はゲル化していることは明らかである。
【0070】
【製造例2〜6】
ピレトリン、イソシアネート成分、触媒および水不溶性のポリオールとして、下記の表1に示す材料を同表に示す割合で用い、上記製造例1と同様にして目的とするピレトリン内包マイクロカプセル分散液を作製した。そして、得られたピレトリン内包マイクロカプセルを遠心分離により取り出して、製造例1と同様、電子顕微鏡の観察により粒子径を測定し下記の表1に併せて示した。
【0071】
また、製造例1と同様にしてマイクロカプセルを割り電子顕微鏡写真を撮ったところ、いずれも芯部がゲル化していることが確認された。さらに、上記と同様にして、水不溶性のポリオールの抽出操作、および油相液のみを反応させたところ、製造例1と同様の結果が得られた。これらのことから、製造例2〜6のピレトリン内包マイクロカプセルの、芯部はゲル化していることは明らかである。
【0072】
【表1】
【0073】
【比較製造例1】
製造例1で油相液を調製する際に、水不溶性のポリオールであるヒマシ油、および触媒であるジブチルチンジラウレートを用いなかった。それ以外は製造例1と同様の操作を行った。得られた乳化液を遠心分離したところ、マイクロカプセルは得られなかった。さらに、この乳化液を、25℃で8時間攪拌して反応を完結させることにより、ピレトリンを内包したマイクロカプセルを得た。このマイクロカプセルの粒子を遠心分離により取り出し、製造例1と同様にして電子顕微鏡で観察したところ、粒子径4μmの粒子が観察された。そして、このマイクロカプセルを割ったものを電子顕微鏡で観察したところ、芯部にピレトリンのみが存在しており、単に、ピレトリンが内包された芯−殻構造をとるマイクロカプセルであることがわかる。
【0074】
また、上記油相液を、25℃で10時間そのまま放置したが、ゲル化状態とはならず液状のままであった。
【0075】
これらのことから、比較製造例1で得られたマイクロカプセルは、芯部がピレトリンのみからなる従来のマイクロカプセルであることが明らかである。
【0076】
【実施例1〜6、比較例1】
〔ダニ忌避効果判定試験〕
前記製造例1〜6および比較製造例1で得られたピレトリン内包マイクロカプセル分散液を各々試験布処理薬剤とし、下記に示す試験方法に従って防ダニ試験、耐洗濯性評価を行った。その結果を後記の表2に示す。
【0077】
〔試験布処理条件〕
前記各試験布処理薬剤を1%に希釈した処理液に、試験布(綿100%ブロード)を浸漬した後、マングルにより、試験布への処理薬剤の有効成分量が0.1%となるよう絞った。その後、予備乾燥(120℃×2分)を行った。これを用いて下記に示す防ダニ試験を行い、さらに下記に示すようにして耐洗濯性の評価を行った。
【0078】
〔防ダニ試験〕
供試ダニ:ヤケヒョウヒダニ
試験項目:忌避効果判定試験(侵入阻止法)
試験方法:直径35mm×高さ10mmのプラスチックシャーレを直径90mm×高さ20mmのガラスシャーレの中央部に設置し、これを粘着シート上に載置した。上記直径35mmのプラスチックシャーレと直径90mmのガラスシャーレの間によく繁殖したと認められるダニ培地を生存ダニ数として約10000個体均一に投入した。上記中央部の直径35mmのプラスチックシャーレには、シャーレの底面と密着するようにくり抜いた処理試料(薬剤処理済み試験布)を敷き込み、中央部に誘引物質として粉末飼料0.05gを置いた。上記同様の操作を対照(未処理)試料についても行った。このようにしてセットしたシャーレを粘着シートごと27cm×13cm×9cmのプラスチック製食品保存用密閉容器に入れ、飽和食塩水を用いて湿度75±5%に保ち、温度25±1℃の恒温器中で保存した。そして、24時間後、各試料およびシャーレ内面のダニを水洗法、誘引物質とした粉末飼料中のダニを飽和食塩水浮遊法により、生存ダニ数を観察した。そして、ダニ忌避効果を下記の算定方法によりダニ忌避率として算定し判定した。
【0079】
〔算定方法〕
【数1】
【0080】
〔耐洗濯性試験〕
上記処理薬剤処理布を、洗剤(ザブコーソYK、花王社製)2g/リットルを含む水中で、温度40℃、浴比1:30(試験布:処理液)により、家庭洗濯機を用いて5分間洗濯した。ついで、2分間のすすぎ、2分間の脱水、さらに2分間のすすぎ、2分間の脱水を行った。これを1サイクルとして、1サイクル、10サイクル、20サイクル、30サイクル時において、前記防ダニ試験を行った。
【0081】
【表2】
【0082】
つぎに、前記製造例1〜6で得られたピレトリン内包マイクロカプセル分散液に水溶性ポリウレタン樹脂が配合された例について述べる。
【0083】
【製造例7】
〔水溶性ポリウレタン樹脂の製造〕
グリセリンに、エチレンオキシドおよびプロピレンオキシドを付加重合させたもの、および、プロピレンオキシドとエチレンオキシドのランダム付加重合体の混合物(重量比20:80)を、HMDIと反応させて(90〜100℃)ポリウレタン化し、末端イソシアネート基を、メチルエチルケトオキシム(MEKO)でブロックし、さらに冷却して水を添加して熱反応水溶性ポリウレタン樹脂(重量平均分子量1万5千)が分散した分散体(B1)を作製した。
【0084】
〔防ダニ剤含有分散液の製造〕
つぎに、前記製造例1で得られたピレトリン内包マイクロカプセルを含有した分散液(マイクロカプセル固形分20%)100部に対して、上記熱反応水溶性ポリウレタン樹脂が分散した分散体(B1)を40部添加し、さらにジブチルチンジラウレートを0.8%添加し、攪拌することによって目的とする防ダニ剤含有分散液を得た。この分散液の固形分濃度は25%であった。
【0085】
【製造例8〜12】
まず、下記に示す製法に従って、水溶性ポリウレタン樹脂α〜εを作製した。
【0086】
〔水溶性ポリウレタン樹脂α〕
グリセリンにプロピレンオキシドを付加重合させたもの、および、プロピレンオキシドとエチレンオキシドのランダム付加重合体の混合物(重量比20:80)を、HMDIと反応させて(90〜100℃)ポリウレタン化し、末端イソシアネート基を、無水重亜硫酸ソーダでブロックし、さらに冷却して水を添加して水溶性ポリウレタン樹脂αが分散した分散体α(B1)を作製した。
【0087】
〔水溶性ポリウレタン樹脂β〕
無水マレイン酸と1,6−ヘキサンジオールとのポリエステルポリオールと、ポリエチレングリコールの混合物(重量比5:1)を、HMDIと反応させて(90〜100℃)ポリウレタン化し、末端イソシアネート基を、無水重亜硫酸ソーダでブロックし、さらに冷却して水を添加して水溶性ポリウレタン樹脂βが分散した分散体β(B1)を作製した。
【0088】
〔水溶性ポリウレタン樹脂γ〕
グリセリンにプロピレンオキシドを付加重合させたもの、および、グリセリンにエチレンオキシドおよびプロピレンオキシドをランダム付加重合させたもの(エチレンオキシドとプロピレンオキシドの重量比13:87)の混合物(重量比50:50)を、HMDIと反応させて(90〜100℃)ポリウレタン化し、末端イソシアネート基を、無水重亜硫酸ソーダでブロックし、さらに冷却して水を添加して水溶性ポリウレタン樹脂γが分散した分散体γ(B1)を作製した。
【0089】
〔水溶性ポリウレタン樹脂δ〕
ブチレンアジペートと、プロピレンオキシドとエチレンオキシドのランダム付加重合体と、ポリカプロラクトンの混合物(重量比12:4:1)を、HMDIと反応させて(90〜100℃)ポリウレタン化し、水を添加して、末端イソシアネート基の一部をアミノエチルスルホン酸ソーダと反応させ、さらに冷却して水溶性ポリウレタン樹脂δが分散した分散体δ(B2)を作製した。
【0090】
〔水溶性ポリウレタン樹脂ε〕
ポリテトラメチレングリコールと、プロピレンオキシドとエチレンオキシドのランダム付加重合体と、ポリエチレングリコールと、1,4−ブタンジオールと、トリメチロールプロパンの混合物(重量比50:4:4:4:1.5)を、水添MDIと反応させて(90〜100℃)ポリウレタン化し、さらに活性剤(ジスチレン化フェノールのエチレンオキシド付加物)を固形分100部に対して5部添加して、ついで、大量の水を添加し乳化させ、末端イソシアネート基をエチレンジアミンで架橋させて水溶性ポリウレタン樹脂εが分散した分散体ε(B2)を作製した。
【0091】
そして、前記製造例2〜6で作製した各ピレトリン内包マイクロカプセル分散液(マイクロカプセル固形分20%)100部に対して、上記各水溶性ポリウレタン樹脂α〜εが分散した分散体α〜εを固形分が10部となるよう40部添加した。各製造例8〜12に対して用いた水溶性ポリウレタン樹脂α〜ε(分散体α〜ε)の組み合わせを、各水溶性ポリウレタン樹脂α〜εの重量平均分子量とともに下記の表3に示す。なお、製造例8〜10に関しては、上記分散体を添加した後、さらにジブチルチンジラウレートを0.8%添加し、攪拌することによって目的とする防ダニ剤含有分散液を得た。上記分散液の固形分濃度は25%であった。
【0092】
【表3】
【0093】
つぎに、前記ピレトリン内包マイクロカプセル分散液に、合成樹脂の水性エマルジョンが配合された例について述べる。
【0094】
【製造例13】
前記製造例1のピレトリン内包マイクロカプセルが分散した液(マイクロカプセル固形分20%)100部に対して、酢酸ビニル−エチレン共重合樹脂の水性エマルジョン(濃度50%、ヘキスト合成社製「モビニール180E」)を固形分が10部となるように20.0部添加した。この分散液の固形分濃度は25%であった。
【0095】
【実施例7〜13】
上記製造例7〜13で得られた各分散液を実施例1〜6と同様にして防ダニにおける耐洗濯性の試験を前記の方法に従って実施した。ただし、製造例7〜10を使用した試験布は予備乾燥(120℃×2分)の後、キュアー(160℃×2分)行った。これらの結果を下記の表4に示した。
【0096】
【表4】
【0097】
上記表4の結果から、ピレトリン内包マイクロカプセル分散液に、バインダー成分として上記各水溶性ポリウレタン樹脂α〜εおよび合成樹脂の水性エマルジョン(酢酸ビニル−エチレン共重合樹脂)が配合されたものは、先の実施例1〜6(バインダー成分なし)と比較して、より一層耐洗濯性に優れていることが明らかである。
【0098】
【発明の効果】
以上のように、本発明は、ピレスロイド系殺虫剤を含有するゲル状ポリウレタン樹脂からなる芯部が、ポリウレア樹脂からなる殻部で被覆された特殊な芯部構造を有するピレスロイド系殺虫剤内包マイクロカプセルを含有する防ダニ剤であり、ピレスロイド系殺虫剤あるいはピレスロイド系殺虫剤を含む疎水性媒体に、多官能性イソシアネート、水不溶性のポリオールおよび触媒を溶解して油相とし、これを乳化剤を添加した水中に乳化分散した後、油滴界面およびその内部で反応させることにより得られるものである。このように、上記マイクロカプセルが特殊な芯部構造をとることから、ゲル状ポリウレタン樹脂に含有されたピレスロイド系殺虫剤はポリウレタン樹脂から経時的に徐々にしか放出されず、長期にわたってその薬効を発揮させることが可能となる。また、上記ピレスロイド系殺虫剤内包マイクロカプセルが分散された分散液は、紙や繊維等の各種材料に対して、塗布、噴霧あるいは含浸させる等、様々な形態をとって使用可能となり、上記優れた残効性を有効に発揮することができる。
【0099】
さらに、本発明のピレスロイド系殺虫剤内包マイクロカプセルが分散された分散液に、バインダー成分としての、水溶性ポリウレタン樹脂、および、合成樹脂の水性エマルジョンの少なくとも一方を配合することにより、この分散液を用いた処理対象となる各種材料の耐洗濯性が一層向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のピレトリン内包マイクロカプセルの一例を模式的に示す断面図である。
【符号の説明】
1 ゲル状ポリウレタン樹脂
2 ポリウレア樹脂製の殻部[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to an acaricide containing a microcapsule containing a pyrethroid insecticide and an anti-acaricide-containing dispersion containing the same.
[0002]
[Prior art]
Conventionally, pyrethroid insecticides are emulsified in water with an active agent and processed into paper, clothing, etc., and have a medicinal effect as an acaricide.
[0003]
[Problems to be solved by the invention]
However, when it is used as an acaricide as described above, for example, the washing resistance is poor and the effect cannot be sustained sufficiently over a long period of time.
[0004]
The object of the present invention is to provide an acaricide capable of exerting the medicinal effects of a pyrethroid insecticide encapsulated over a long period of time, and an anti-acaricide-containing dispersion containing the same.
[0005]
[Means for Solving the Problems]
In order to achieve the above object, the present invention includes a microcapsule having a core formed of a gel-like polyurethane resin containing a pyrethroid insecticide and a shell covering the core formed of a polyurea resin. The acaricide is an oil phase obtained by dissolving a polyfunctional isocyanate, a water-insoluble polyol and a catalyst in a hydrophobic medium containing a pyrethroid insecticide or a pyrethroid insecticide. The acaricide is obtained by emulsifying and dispersing in water containing an emulsifier and then reacting at the oil droplet interface and inside thereof. The acaricide is dispersed in an aqueous medium. The anti-tick agent-containing dispersion is the second gist.
[0006]
The inventors of the present invention have made a series of studies in order to obtain microcapsules that can exhibit the medicinal effects of pyrethroid insecticides encapsulated over a long period of time. In the process, as a result of further research centering on the structure of the core part containing the pyrethroid insecticide, not the shell part, in the microcapsule having a core-shell structure, the core part contains the pyrethroid insecticide as it is. However, when a pyrethroid insecticide is contained in the gel-like polyurethane resin, the pyrethroid insecticide is strongly retained in the gel-like polyurethane resin, and as a result, it has been found that the medicinal effect can be exhibited over a long period of time. Reached.
[0007]
Furthermore, a dispersion liquid in which microcapsules containing pyrethroid insecticides having a special core structure dispersed in an aqueous medium are used in various forms such as coating, spraying or impregnation on paper or fiber. be able to.
[0008]
And in the said dispersion liquid, it contains at least one of water-soluble polyurethane resin and the aqueous emulsion of a synthetic resin as a binder component with a special pyrethroid type insecticide inclusion microcapsule, The pyrethroid type insecticide inclusion microcapsule dispersion liquid Is used for processing paper or clothing, the washing resistance is improved and the tick-proof performance can be further exhibited over a long period of time.
[0009]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Next, the present invention will be described in detail.
[0010]
The acaricide of the present invention comprises a microcapsule containing a pyrethroid insecticide as an active ingredient, and the microcapsule has a core-shell structure in which a core part is covered with a shell part. The part is formed of a gel-like polyurethane resin containing a pyrethroid insecticide, and the shell is formed of a polyurea resin.
[0011]
Examples of pyrethroid insecticides contained and retained in the gel-like polyurethane resin in the core include, for example, aresulin, resmethrin, permethrin, cyhalothrin, cyfluthrin, fenpropatoline, tralomethrin, cycloprotorin, fenvalerate, fluntrinate, fullvalid. Examples include synthetic pyrethroid insecticides such as nate and etofenprox, and natural pyrethroid insecticides such as pyrethrin.
[0012]
And in the acaricide of the present invention, the microcapsule encapsulating the pyrethroid insecticide, which is an active ingredient, is contained in the core of the pyrethroid insecticide or the hydrophobic medium containing the pyrethroid insecticide, It is obtained by dissolving polyfunctional isocyanate, water-insoluble polyol and catalyst into an oil phase, emulsifying and dispersing this in water (aqueous phase) to which an emulsifier has been added, and then reacting at the oil droplet interface and inside thereof. .
[0013]
In the above reaction, the reaction is completed in 20 to 40 ° C. in about 0.5 to 2 hours, and a microcapsule dispersion containing a pyrethroid insecticide is produced in an extremely short time and at a low temperature as compared with the conventional method. Can do.
[0014]
First, each component constituting the oil phase will be described.
[0015]
The oil phase is composed of a pyrethroid insecticide or a hydrophobic medium containing a pyrethroid insecticide, a polyfunctional isocyanate, a water-insoluble polyol, and a catalyst.
[0016]
The pyrethroid insecticide may be used as it is, but may be contained in a hydrophobic medium as described above. Preferably, a pyrethroid insecticide is used as it is from the viewpoint of the strength of the microcapsule.
[0017]
The hydrophobic medium is used as a volatility inhibitor for pyrethroid insecticides, and examples thereof include esters such as benzyl benzoate and dioctyl phthalate, and vegetable oils such as mineral oils and cottonseed oils.
[0018]
The polyfunctional isocyanate used to form the shell and the gel core is phenylene diisocyanate, tolylene diisocyanate, hexamethylene diisocyanate, diphenylmethane diisocyanate, naphthalene diisocyanate, xylylene diisocyanate, polymeric diphenylmethane diisocyanate, isophorone diisocyanate. , Triphenylmethane triisocyanate and the like, and isocyanurate-modified and burette-modified products of the above polyfunctional isocyanates, and isocyanate prepolymers that are adducts with polyols such as trimethylolpropane and hexanetriol. . These may be used alone or in combination of two or more.
[0019]
Examples of polyols other than trimethylolpropane and hexanetriol include aliphatic polyols such as ethylene glycol, propylene glycol, and hexanediol, aromatic polyols such as xylylene glycol, polyhydric phenols such as hydroquinone and catechol, or these polyhydric phenols. And a polyol prepolymer such as a polyester polyol and a polyether polyol. These may be used alone or in combination of two or more. Of these polyols, it is preferable to use trimethylolpropane from the viewpoint that pyrethroid insecticide-encapsulating microcapsules having excellent residual effects can be obtained.
[0020]
Among the polyfunctional isocyanates, hexamethylene diisocyanate and isophorone diisocyanate are preferably used from the viewpoint of obtaining a non-yellowing pyrethroid insecticide-encapsulating microcapsule and economical.
[0021]
Specific examples of the water-insoluble polyol used together with the polyfunctional isocyanate include polyether polyols such as castor oil, polyoxyalkylene polyol, polytetramethylene ether glycol, condensed polyester polyol, lactone polyester diol, and polycarbonate. Examples thereof include polyester polyols such as diols. These may be used alone or in combination of two or more. Of these water-insoluble polyols, castor oil is preferably used from the viewpoint of reactivity and residual effect. The blending amount of the water-insoluble polyol is preferably set to 10 to 300 parts, particularly preferably 50 to 200 parts, with respect to 100 parts by weight (hereinafter abbreviated as “parts”) of the polyfunctional isocyanate. When the blending amount of the water-insoluble polyol is less than 10 parts or more than 300 parts, that is, outside the above blending amount range, it is possible to obtain a pyrethroid-based insecticide-containing microcapsule having a gel-like core. There is a tendency to become difficult. Of these water-insoluble polyols, those having at least two hydroxyl groups must be used. That is, when one hydroxyl group is used, the core portion is not crosslinked and the core portion is not gelled. In addition, if a polyol that dissolves in water is used, it is difficult to produce microcapsules, which is not suitable for use. From this point, the above water-insoluble polyol is used.
[0022]
Furthermore, as a catalyst used with the said polyfunctional isocyanate and water-insoluble polyol, an organotin compound is used, for example, tri-n-butyltin acetate, n-butyltin trichloride, dimethyltin dichloride, dibutyltin dilaurate. And trimethyltin hydroxide. These catalysts may be used as they are, or dissolved in a solvent such as ethyl acetate so as to have a concentration of 0.1 to 20% by weight (hereinafter abbreviated as “%”), which is an isocyanate component in the oil phase. You may add so that it may become 0.01-1 part as solid content with respect to 100 parts of polyfunctional isocyanate. Thus, the blending amount of the catalyst is set so as to be 0.01 to 1 part with respect to 100 parts of the polyfunctional isocyanate as a solid content in any case as it is or dissolved in a solvent. The amount is preferably 0.05 to 0.5 part. That is, if the amount of the catalyst is too small, such as less than 0.01 part, the polyfunctional isocyanate is used for the shell formation reaction before the gel polyurethane resin in the core part is formed. This is because when the shell part is formed and, on the other hand, more than 1 part, the core part is extremely rapidly formed, and the target pyrethroid insecticide-containing microcapsules tend to be hardly obtained.
[0023]
By adding the catalyst, the reaction between the polyfunctional isocyanate in the oil phase and the water-insoluble polyol reacts more rapidly than the reaction between the polyfunctional isocyanate and water in the water phase. Therefore, in the formation of the core-shell microcapsules, the core is formed in a gel-like polyurethane resin containing a pyrethroid insecticide, and the outer periphery (shell) of the core is formed in a polyurea resin. Thus, pyrethroid insecticide-containing microcapsules having a special structure of the present invention can be obtained.
[0024]
In addition, it is preferable not to contain a solvent in the oil phase comprised from said each component. That is, if the solvent is contained, the following problems occur. (1) Due to the odor of the solvent itself, a preferable product cannot be obtained. (2) In the case of water-soluble solvents, the water-soluble solvent shifts to the aqueous phase when microcapsules are formed, and the pyrethroid insecticide also shifts from the oil phase to the water phase along with this transition, and the desired pyrethroid insecticide inclusion This is because it becomes difficult to obtain microcapsules.
[0025]
Next, an aqueous phase in which the oil phase is emulsified and dispersed will be described.
[0026]
As the emulsifier added to the aqueous phase, anionic, cationic, nonionic, amphoteric water-soluble polymer substances and various surfactants can be used.
[0027]
Examples of the anionic polymer substance include natural polymers such as gum arabic and alginic acid, semi-synthetic polymers such as carboxymethylcellulose, sulfated cellulose, and phthalated gelatin, carboxy-modified polyvinyl alcohol, styrenesulfonic acid polymers, Examples thereof include synthetic polymers such as polymers and maleic anhydride copolymers.
[0028]
Examples of the cationic polymer substance include cationized starch.
[0029]
Examples of the nonionic polymer substance include polyvinyl alcohol, methyl cellulose, hydroxyethyl cellulose, xanthan gum, and the amphoteric polymer substance includes gelatin.
[0030]
Further, as the above various surfactants, anionic surfactants such as sodium lauryl sulfate, sodium lauryl benzene sulfonate, sodium polyoxyethylene alkylphenyl ether sulfate, polyoxyethylene alkyl ether, polyoxyethylene alkyl phenyl ether, etc. Nonionic surfactants, cationic surfactants such as alkyltrimethylammonium salts, and amphoteric surfactants such as alkylbetaine type and alkylimidazoline type are exemplified.
[0031]
These emulsifiers are generally prepared by adding an aqueous solution concentration of 1 to 20% with respect to water to obtain an aqueous phase.
[0032]
In the present invention, the pyrethroid insecticide-encapsulating microcapsule dispersion is produced, for example, as follows. That is, an oil phase liquid and an aqueous phase are prepared using the above-described components. Then, the prepared oil phase liquid is added to the aqueous phase, and stirred and reacted under predetermined conditions, whereby the core part is a core-shell structure covered with the shell part, and the core part is a pyrethroid type. A pyrethroid insecticide-encapsulated microcapsule dispersion is produced in which a special pyrethroid insecticide-encapsulated microcapsule formed of a gel-like polyurethane resin containing an insecticide and having a shell formed of a polyurea resin is dispersed. Subsequently, the microcapsules containing pyrethroid insecticides can be obtained by separating water from this dispersion by a predetermined method.
[0033]
In the pyrethroid insecticide-encapsulated microcapsule dispersion obtained as described above, the content of the pyrethroid insecticide-encapsulated microcapsule in the dispersion is, for example, coated, sprayed, and impregnated on paper or fiber. Considering the expected medicinal properties and retention when used, it is preferable to set the content in the range of 2 to 70% in the dispersion.
[0034]
The mixing ratio of the oil phase liquid and the water phase is preferably set so that the water phase is 0.5 to 50 with respect to the oil phase 1 in weight ratio. Particularly preferably, the water phase is 0.8 to 1.5 with respect to the oil phase 1. That is, if the water phase is less than 0.5 relative to the oil phase 1, it is difficult to make water a continuous phase. Further, when the aqueous phase exceeds 50, there is a tendency that only products having a microcapsule concentration too low can be obtained.
[0035]
As said stirring conditions, generally it is set to 500-5000 rpm, Most preferably, it is 1000-3000 rpm. Further, the reaction conditions are set at 20 to 40 ° C. for a short time of about 0.5 to 2 hours as described above.
[0036]
It is also possible to obtain only pyrethroid insecticide-encapsulated microcapsules by separating water from the dispersion of pyrethroid insecticide-encapsulated microcapsules. The separation method is not particularly limited, and conventionally known methods such as a centrifugal separation method, a pressure filtration method, a vacuum suction filtration method and the like can be mentioned. Furthermore, the pyrethroid insecticide-encapsulating microcapsules obtained by the separation may be appropriately dried by a conventionally known method such as heat drying, spray drying, vacuum drying, freeze drying and the like.
[0037]
Thus, about the production | generation mechanism in which the special pyrethroid type insecticide inclusion microcapsule is obtained, the present inventors guess as follows from the knowledge obtained by the research of a series of microcapsules. That is, due to the presence of a catalyst which is one of the components constituting the oil phase, when the oil phase liquid containing this catalyst is added to the aqueous phase and stirred, the polyfunctional isocyanate and the water-insoluble polyol in the oil phase This reaction is faster than the reaction between the polyfunctional isocyanate and water. For this reason, in the formation of core-shell microcapsules, first, a gel-like polyurethane resin containing a pyrethroid insecticide as a core is produced by reaction, and then, on its surface, polyfunctional isocyanate and water It is considered that the polyurea resin reacts and reacts to form a shell.
[0038]
As another method for producing a microcapsule dispersion containing pyrethroid insecticides for use in the present invention, the following method may also be mentioned. That is, the oily liquid containing an organic tin compound is added to an aqueous liquid containing a polyvalent amine compound having at least two amino groups and an emulsifier, and emulsified and dispersed. According to this method, the polyhydric amine is contained in the aqueous liquid, so that the polyfunctional isocyanate in the oil phase and the polyhydric amine in the aqueous liquid react very quickly at the interface of the oil droplets. After the formation of the shell part, the catalysis of the organotin compound causes the polyfunctional isocyanate to react with the water-insoluble polyol, and the gelling of the inside of the shell part begins, and the gel contains a pyrethroid insecticide A core of polyurethane resin is formed, and a dispersion of pyrethroid insecticide-encapsulating microcapsules in which a core made of a gel polyurethane resin containing a pyrethroid insecticide used in the present invention is formed as a shell is obtained.
[0039]
A schematic diagram of the microcapsules containing pyrethroid insecticides thus obtained is shown in FIG. As shown in the drawing, a core-shell structure is formed in which the outer periphery of a gel-like polyurethane resin 1 containing a pyrethroid insecticide as a core is encapsulated by a
[0040]
In the present invention, it can be confirmed by observing the cross section of the obtained pyrethroid insecticide-encapsulating microcapsule with an electron microscope that the core of the microcapsule encapsulating pyrethroid insecticide is in a gelled state. In addition, as a result of the extraction operation of the residual water-insoluble polyol with a solvent using the obtained pyrethroid insecticide-encapsulated microcapsules, an extract cannot be obtained, so that the water-insoluble polyol is completely mixed with the polyfunctional isocyanate. It reacts and it is judged that the inside is a gelled state. Furthermore, when a pyrethroid insecticide, a polyfunctional isocyanate, a water-insoluble polyol, and a catalyst are mixed at 20 to 40 ° C. and left for 0.5 to 2 hours, the fluidity is lost and the gelled state is obtained. Is also inferred.
[0041]
Next, after manufacturing a liquid in which the special pyrethroid insecticide-containing microcapsules are dispersed in an aqueous medium, at least one of a water-soluble polyurethane resin and an aqueous emulsion of a synthetic resin is used as a binder component in the dispersion. By blending, it is possible to obtain the effect of improving the durability of the mite-proofing effect and the washing resistance, which are the problems of the present invention.
[0042]
Among the binder components, it is preferable to use at least one of the following (B1) and (B2) as the water-soluble polyurethane resin.
[0043]
(B1) A heat-reacting water-soluble polyurethane resin in which a terminal isocyanate group is blocked with a blocking agent in a reaction product obtained by reacting the following (a1) and (b1).
(A1) At least one of polyether polyol and polyester polyol.
(B1) Diisocyanate component.
(B2) A water-soluble polyurethane resin obtained by crosslinking a terminal isocyanate group of at least one of water and an amine of a reaction product obtained by reacting the following (a2) and (b2).
(A2) At least one of polyether polyol and polyester polyol.
(B2) Diisocyanate component.
[0044]
First, the heat reaction water-soluble polyurethane resin (B1) will be described.
[0045]
Examples of the polyether polyol (a1) include block polymers of ethylene oxide and propylene oxide, or random addition polymers thereof, propylene oxide of glycerin, ethylene oxide or random addition polymers thereof, and addition polymers of propylene oxide. It is done.
[0046]
Examples of the polyester polyol (a1) include polyester polyols of maleic anhydride and 1,4-butanediol, polyester polyols of maleic anhydride and 1,6-hexanediol, and the like.
[0047]
As the isocyanate component (b1), aliphatic diisocyanate is preferably used from the viewpoint of preventing yellowing. Specifically, hexamethylene diisocyanate (HMDI), trimethylxylene diisocyanate (TMXDI), isophorone diisocyanate (IPDI), and the like. Is given.
[0048]
Furthermore, examples of the blocking agent for blocking the terminal isocyanate group of the reaction product obtained by reacting (a1) and (b1) in (B1) include anhydrous sodium bisulfite and methyl ethyl ketoxime. .
[0049]
The heat-reactive water-soluble polyurethane resin (B1) is obtained, for example, as follows. That is, the above (a1) and (b1) are reacted at 90 to 100 ° C. (until the terminal isocyanate group becomes about 3 to 4%), and the unreacted terminal isocyanate group is blocked with the blocking agent, After cooling, activator is added as needed. Next, water is added to this to make an emulsion.
[0050]
The heat-reactive water-soluble polyurethane resin (B1) thus obtained preferably has a weight average molecular weight of 5,000 to 20,000 from the viewpoint of heat reactivity.
[0051]
Next, the water-soluble polyurethane resin (B2) will be described.
[0052]
The polyether polyol of (a2) includes polytetramethylene glycol, a random addition polymer of ethylene oxide propylene oxide, or a random addition polymer thereof, an addition polymer of propylene oxide, an addition polymer of ethylene oxide of bisphenol A, bisphenol. A propylene oxide addition polymer of A, 1,4-butanediol, trimethylolpropane and the like.
[0053]
Examples of the polyester polyol (a2) include butylene adipate, hexylene carbonate, and ethylene terephthalate.
[0054]
Examples of the isocyanate component (b2) include tolylene diisocyanate-80 (TDI-80), HMDI, diphenylmethane diisocyanate (MDI), IPDI and the like.
[0055]
Furthermore, ethylenediamine, hydrazine, diethylenetriamine, etc. are mention | raise | lifted as an amine which bridge | crosslinks a terminal isocyanate group of the reaction product formed by making said (a2) and (b2) react in said (B2).
[0056]
The water-soluble polyurethane resin (B2) is obtained as follows, for example. That is, the above (a2) is reacted with (b2) in a solvent (70 to 75 ° C.) until the desired amount of terminal isocyanate groups. Next, it is cooled, an activator is added as required, and a large amount of water is further added to hydrocrosslink the terminal isocyanate groups. At this time, diamine can also be added for efficient crosslinking.
[0057]
The water-soluble polyurethane resin (B2) thus obtained preferably has a weight average molecular weight of 30,000 or more from the viewpoint of washing resistance. More preferably, the weight average molecular weight is 100,000 or more.
[0058]
And as a water-soluble polyurethane resin mix | blended with the pyrethroid type insecticide inclusion microcapsule dispersion liquid in this invention, it is especially (B1) to use (B1) from the point of washing resistance among the said (B1) and (B2). preferable. About the said (B1) component, in order to improve a binder force, it is preferable to add the said organotin compound 0.5 to 1.0% with respect to a microcapsule dispersion liquid.
[0059]
The addition amount of at least one of the above (B1) and (B2) is 30 to 100%, more preferably 50 to 80% in terms of solid content with respect to the solid content of the special pyrethroid insecticide-containing microcapsule dispersion. Set to a percentage.
[0060]
Among the binder components, the synthetic resin aqueous emulsion includes, for example, vinyl acetate resin, vinyl acetate-acrylic copolymer resin, vinyl acetate-ethylene copolymer resin, acrylic resin, acrylic-styrene copolymer resin, vinyl acetate-ethylene. -Aqueous emulsions such as vinyl chloride copolymer resin, vinyl acetate-maleate copolymer resin, acrylic-ethylene-vinyl acetate copolymer resin, vinylidene chloride resin. These synthetic resins may be used alone or in combination of two or more. Especially, it is preferable to use the aqueous emulsion of a vinyl acetate-ethylene copolymer resin from the point of washing resistance.
[0061]
The synthetic resin aqueous emulsion is used in a concentration of 30 to 60%, and the addition amount thereof is 30 to 100 in terms of solid content ratio relative to the solid content of the liquid in which the pyrethroid insecticide-containing microcapsules are dispersed. % Is preferably set, and more preferably 50 to 80%.
[0062]
An acaricide containing these binder components is prepared by adding the above-mentioned special pyrethroid insecticide-containing microcapsule dispersion to at least one of the above (B1) and (B2) or an aqueous emulsion of the above synthetic resin. Can be obtained by adding
[0063]
Such an anti-mite agent of the present invention containing a microcapsule containing a pyrethroid insecticide as an active ingredient may be used as it is, or the microcapsule containing a pyrethroid insecticide may be used as an active ingredient. And a dispersion containing at least one of the water-soluble polyurethane resin and the synthetic resin aqueous emulsion described above, for example, paper or fiber. It can be applied to various articles using an appropriate method such as coating or spraying on the surface, or dipping and impregnating the dispersion.
[0064]
Next, examples will be described together with comparative examples.
[0065]
First, prior to Examples, a microcapsule dispersion containing a pyrethroid insecticide (pyretrin) was produced.
[0066]
[Production Example 1]
110 parts of pyrethrin, 120 parts of an adduct of hexamethylene diisocyanate and trimethylolpropane (manufactured by Nippon Polyurethane, Coronate HL) (isocyanate component), 1 part of a 10% ethyl acetate solution of dibutyltin dilaurate (catalyst), 120 parts of castor oil ( A water-insoluble polyol) was mixed and dissolved to prepare an oil phase liquid. Subsequently, this oil phase liquid was added to 350 parts of a 10% aqueous solution of partially saponified polyvinyl alcohol (manufactured by Nippon Synthetic Chemical Industry Co., Ltd., Gohsenol KM-11, saponification degree 80%) at 25 ° C. Emulsified solution was obtained by stirring at 1000 rpm for 5 minutes. Subsequently, the emulsion was stirred at 100 to 500 rpm for 1.5 hours at 25 ° C. to complete the reaction, thereby obtaining a microcapsule dispersion containing pyrethrin (pyrethroid insecticide). The microcapsule particles were taken out by centrifugation and observed with an electron microscope (JSM-T300, manufactured by JEOL Ltd.). As a result, particles with a particle size of 5 μm were observed. Furthermore, when the microcapsules were observed with an electron microscope, it was confirmed that the core was in a gelled state. This shows that the gel-like polyurethane resin (core part) containing pyrethrin is a special microcapsule having a core-shell structure encapsulated by a shell part made of polyurea resin (see FIG. 1).
[0067]
Further, using the obtained pyrethrin-encapsulated microcapsules, extraction operation of residual castor oil (water-insoluble polyol) with tetrahydrofuran was carried out, and no castor oil was detected. Also from this result, it is understood that castor oil is not present in the core part and is completely reacted with the isocyanate component, and the core part is a gel-like polyurethane resin.
[0068]
Furthermore, when the prepared oil phase liquid was allowed to stand at 25 ° C. for 1.5 hours, the fluidity was lost and a gelled state was obtained.
[0069]
From these facts, it is clear that the core part of the pyrethrin-encapsulated microcapsules obtained in Production Example 1 is gelled.
[0070]
[Production Examples 2-6]
As the pyrethrin, isocyanate component, catalyst, and water-insoluble polyol, the materials shown in Table 1 below were used in the proportions shown in the same table, and the intended pyrethrin-encapsulated microcapsule dispersion was produced in the same manner as in Production Example 1. The obtained pyrethrin-encapsulated microcapsules were taken out by centrifugation, and the particle diameter was measured by observation with an electron microscope in the same manner as in Production Example 1 and is shown in Table 1 below.
[0071]
Moreover, when the microcapsule was divided and the electron micrograph was taken similarly to manufacture example 1, it was confirmed that the core part has gelatinized in all. Further, in the same manner as described above, the extraction operation of the water-insoluble polyol and the reaction with only the oil phase liquid were carried out, and the same result as in Production Example 1 was obtained. From these, it is clear that the core part of the pyrethrin-encapsulating microcapsules of Production Examples 2 to 6 is gelled.
[0072]
[Table 1]
[0073]
[Comparative Production Example 1]
In preparing the oil phase liquid in Production Example 1, castor oil, which is a water-insoluble polyol, and dibutyltin dilaurate, which is a catalyst, were not used. Otherwise, the same operation as in Production Example 1 was performed. When the obtained emulsion was centrifuged, microcapsules were not obtained. Further, the emulsion was stirred at 25 ° C. for 8 hours to complete the reaction, thereby obtaining microcapsules enclosing pyrethrin. The microcapsule particles were taken out by centrifugation and observed with an electron microscope in the same manner as in Production Example 1. As a result, particles with a particle size of 4 μm were observed. When the microcapsules are observed with an electron microscope, it is found that only the pyrethrin is present in the core, and the microcapsules have a core-shell structure in which pyrethrin is included.
[0074]
The oil phase liquid was left as it was at 25 ° C. for 10 hours, but it did not become a gelled state but remained liquid.
[0075]
From these facts, it is clear that the microcapsule obtained in Comparative Production Example 1 is a conventional microcapsule whose core portion is composed only of pyrethrin.
[0076]
Examples 1-6, Comparative Example 1
[Tick repellent effect test]
Each of the pyrethrin-encapsulated microcapsule dispersions obtained in Production Examples 1 to 6 and Comparative Production Example 1 was used as a test cloth treatment agent, and an anti-mite test and washing resistance evaluation were performed according to the test methods described below. The results are shown in Table 2 below.
[0077]
[Test cloth treatment conditions]
After immersing the test cloth (cotton 100% broad) in a treatment solution in which each test cloth treatment chemical is diluted to 1%, the active ingredient amount of the treatment chemical on the test cloth is 0.1% by mangle. Squeezed. Thereafter, preliminary drying (120 ° C. × 2 minutes) was performed. Using this, the mite prevention test shown below was performed, and the washing resistance was evaluated as shown below.
[0078]
[Tick prevention test]
Test ticks: Leopard mite test item: repellent effect test (intrusion prevention method)
Test method: A plastic petri dish having a diameter of 35 mm and a height of 10 mm was placed in the center of a glass petri dish having a diameter of 90 mm and a height of 20 mm, and this was placed on an adhesive sheet. About 10,000 individual mite cultures, which were found to have proliferated well between the plastic petri dish with a diameter of 35 mm and a glass petri dish with a diameter of 90 mm, were uniformly added as the number of surviving mites. A treatment sample (medicine-treated test cloth) cut out so as to be in close contact with the bottom surface of the petri dish was laid on the plastic petri dish having a diameter of 35 mm at the center, and 0.05 g of powdered feed was placed as an attractant in the center. The same operation as described above was performed for the control (untreated) sample. The petri dish set in this way is put into a sealed plastic food storage container of 27 cm × 13 cm × 9 cm together with the pressure-sensitive adhesive sheet, kept in a humidity of 75 ± 5% using saturated saline, and kept in a thermostat at a temperature of 25 ± 1 ° C. Saved with. After 24 hours, the number of surviving ticks was observed by the water washing method for each sample and the mite on the inner surface of the petri dish, and the mite in the powder feed using the attractant by the saturated saline floating method. And the tick repellent effect was calculated and judged as a tick repellent rate by the following calculation method.
[0079]
[Calculation method]
[Expression 1]
[0080]
[Washing resistance test]
The above treatment chemical-treated cloth is washed in water containing 2 g / liter of detergent (Zabkoso YK, manufactured by Kao Corporation) at a temperature of 40 ° C. and a bath ratio of 1:30 (test cloth: treatment liquid) using a home washing machine for 5 minutes. Washed. Then, a 2-minute rinse, a 2-minute dehydration, a further 2-minute rinse, and a 2-minute dehydration were performed. With this as one cycle, the mite prevention test was conducted at 1 cycle, 10 cycles, 20 cycles, and 30 cycles.
[0081]
[Table 2]
[0082]
Next, an example in which a water-soluble polyurethane resin is blended in the pyrethrin-encapsulated microcapsule dispersion obtained in Production Examples 1 to 6 will be described.
[0083]
[Production Example 7]
[Production of water-soluble polyurethane resin]
Glycerin obtained by addition polymerization of ethylene oxide and propylene oxide and a mixture of a random addition polymer of propylene oxide and ethylene oxide (weight ratio 20:80) are reacted with HMDI (90 to 100 ° C.) to form a polyurethane, The terminal isocyanate group was blocked with methyl ethyl ketoxime (MEKO), further cooled and added with water to prepare a dispersion (B1) in which a heat-reactive water-soluble polyurethane resin (weight average molecular weight 15,000) was dispersed.
[0084]
[Manufacture of anti-tick agent-containing dispersion]
Next, with respect to 100 parts of the dispersion (microcapsule solid content 20%) containing the pyrethrin-encapsulated microcapsules obtained in Production Example 1, the dispersion (B1) in which the heat-reactive water-soluble polyurethane resin is dispersed is used. 40 parts were added, and 0.8% of dibutyltin dilaurate was further added, followed by stirring to obtain a target anti-acaricide-containing dispersion. The solid content concentration of this dispersion was 25%.
[0085]
[Production Examples 8 to 12]
First, according to the manufacturing method shown below, water-soluble polyurethane resin (alpha)-(epsilon) was produced.
[0086]
[Water-soluble polyurethane resin α]
A glycerin-added polymer of propylene oxide and a mixture of a random addition polymer of propylene oxide and ethylene oxide (weight ratio 20:80) are reacted with HMDI (90 to 100 ° C.) to form a polyurethane, and a terminal isocyanate group Was blocked with anhydrous sodium bisulfite, further cooled and added with water to prepare dispersion α (B1) in which water-soluble polyurethane resin α was dispersed.
[0087]
[Water-soluble polyurethane resin β]
A mixture of a polyester polyol of maleic anhydride and 1,6-hexanediol and polyethylene glycol (weight ratio 5: 1) is reacted with HMDI (90 to 100 ° C.) to form a polyurethane, and the terminal isocyanate group is converted to anhydrous weight. Blocked with sodium sulfite, further cooled and added with water to prepare dispersion β (B1) in which water-soluble polyurethane resin β was dispersed.
[0088]
[Water-soluble polyurethane resin γ]
A mixture (weight ratio 50:50) of glycerin obtained by addition polymerization of propylene oxide and glycerin obtained by random addition polymerization of ethylene oxide and propylene oxide (weight ratio of ethylene oxide and propylene oxide 13:87) was added to HMDI. (90 to 100 ° C.) to make a polyurethane, block the terminal isocyanate group with anhydrous sodium bisulfite, further cool and add water to disperse dispersion γ (B1) in which water-soluble polyurethane resin γ is dispersed Produced.
[0089]
[Water-soluble polyurethane resin δ]
Butylene adipate, a random addition polymer of propylene oxide and ethylene oxide, and a mixture of polycaprolactone (weight ratio 12: 4: 1) is reacted with HMDI (90-100 ° C.) to make a polyurethane, and water is added. A part of the terminal isocyanate group was reacted with sodium aminoethyl sulfonate and further cooled to prepare dispersion δ (B2) in which water-soluble polyurethane resin δ was dispersed.
[0090]
[Water-soluble polyurethane resin ε]
A mixture of polytetramethylene glycol, a random addition polymer of propylene oxide and ethylene oxide, polyethylene glycol, 1,4-butanediol, and trimethylolpropane (weight ratio 50: 4: 4: 4: 1.5) Then, it is reacted with hydrogenated MDI (90-100 ° C) to form polyurethane, and 5 parts of activator (ethylene oxide adduct of distyrenated phenol) is added to 100 parts of solid content, and then a large amount of water is added. This was emulsified and the terminal isocyanate group was cross-linked with ethylenediamine to prepare a dispersion ε (B2) in which the water-soluble polyurethane resin ε was dispersed.
[0091]
Then, with respect to 100 parts of each pyrethrin-encapsulated microcapsule dispersion (microcapsule solid content 20%) prepared in Production Examples 2 to 6, dispersions α to ε in which the water-soluble polyurethane resins α to ε are dispersed are used. 40 parts were added so that solid content might be 10 parts. The combinations of water-soluble polyurethane resins α to ε (dispersions α to ε) used for each of Production Examples 8 to 12 are shown in Table 3 below together with the weight average molecular weights of the water-soluble polyurethane resins α to ε. In addition, about manufacture examples 8-10, after adding the said dispersion, 0.8% of dibutyltin dilaurate was further added, and the target anti-acaricide containing dispersion liquid was obtained by stirring. The solid content concentration of the dispersion was 25%.
[0092]
[Table 3]
[0093]
Next, an example in which an aqueous emulsion of a synthetic resin is blended in the pyrethrin-encapsulated microcapsule dispersion will be described.
[0094]
[Production Example 13]
An aqueous emulsion of vinyl acetate-ethylene copolymer resin (concentration 50%, “Hovinyl 180E” manufactured by Hoechst Chemical Co., Ltd.) with respect to 100 parts of the liquid (microcapsule solid content 20%) in which the pyrethrin-encapsulated microcapsules of Production Example 1 are dispersed. 20.0 parts was added so that solid content might be 10 parts. The solid content concentration of this dispersion was 25%.
[0095]
Examples 7 to 13
Each of the dispersions obtained in Production Examples 7 to 13 was subjected to the washing resistance test for mite prevention according to the method described above in the same manner as in Examples 1 to 6. However, the test cloths using Production Examples 7 to 10 were pre-dried (120 ° C. × 2 minutes) and then cured (160 ° C. × 2 minutes). These results are shown in Table 4 below.
[0096]
[Table 4]
[0097]
From the results of Table 4 above, the above-mentioned water-soluble polyurethane resins α to ε and an aqueous emulsion of a synthetic resin (vinyl acetate-ethylene copolymer resin) were blended as a binder component in the pyrethrin-encapsulated microcapsule dispersion. Compared with Examples 1 to 6 (no binder component), it is clear that the washing resistance is further improved.
[0098]
【The invention's effect】
As described above, the present invention is a microcapsule containing pyrethroid insecticide having a special core structure in which a core made of a gel-like polyurethane resin containing a pyrethroid insecticide is coated with a shell made of a polyurea resin. tick repellent der containing is, the hydrophobic medium containing a pyrethroid insecticide or a pyrethroid insecticide, polyfunctional isocyanates, by dissolving the polyol in water insoluble and catalyst to an oil phase, which adding an emulsifier after the emulsified and dispersed in water, Ru der those obtained by reacting the oil droplet interface and therein. In this way, since the microcapsule has a special core structure, the pyrethroid insecticide contained in the gel polyurethane resin is only gradually released from the polyurethane resin over time, and exhibits its medicinal effect over a long period of time. It becomes possible to make it. In addition, the dispersion in which the microcapsules containing pyrethroid insecticides are dispersed can be used in various forms such as coating, spraying or impregnation on various materials such as paper and fibers, and the above-described excellent The residual effect can be exhibited effectively.
[0099]
Further, by blending at least one of a water-soluble polyurethane resin and an aqueous emulsion of a synthetic resin as a binder component into the dispersion in which the microcapsules containing pyrethroid insecticides of the present invention are dispersed, The washing resistance of various materials to be used for treatment is further improved.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a cross-sectional view schematically showing an example of a pyrethrin-encapsulating microcapsule of the present invention.
[Explanation of symbols]
1 Gel-
Claims (5)
(B1)下記の(a1)と(b1)とを反応させてなる反応生成物の、末端イソシアネート基をブロック化剤でブロックした熱反応水溶性ポリウレタン樹脂。
(a1)ポリエーテルポリオールおよびポリエステルポリオールの少なくとも一方。
(b1)ジイソシアネート成分。
(B2)下記の(a2)と(b2)とを反応させてなる反応生成物の、末端イソシアネート基を、水およびアミンの少なくとも一方で架橋してなる水溶性ポリウレタン樹脂。
(a2)ポリエーテルポリオールおよびポリエステルポリオールの少なくとも一方。
(b2)ジイソシアネート成分。4. The acaricide-containing dispersion according to claim 3, wherein the water-soluble polyurethane resin is at least one of the following (B1) and (B2).
(B1) A heat-reacting water-soluble polyurethane resin in which a terminal isocyanate group is blocked with a blocking agent in a reaction product obtained by reacting the following (a1) and (b1).
(A1) At least one of polyether polyol and polyester polyol.
(B1) Diisocyanate component.
(B2) A water-soluble polyurethane resin obtained by crosslinking a terminal isocyanate group of at least one of water and an amine of a reaction product obtained by reacting the following (a2) and (b2).
(A2) At least one of polyether polyol and polyester polyol.
(B2) Diisocyanate component.
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