JP3821916B2 - 位置情報伝送端末 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、端末が所在する周辺基地局の電波を受信し、周辺の基地局識別符号と受信電界強度を通信相手方に伝送することにより端末の所在位置を知らせる位置情報伝送端末に関する。
【0002】
【従来の技術】
デジタル携帯電話やPHSに代表される無線移動端末が急速に普及しつつあるが、このような無線移動端末では近年、これをその使用者の位置情報を得るための端末として用いることができるものが開発されてきている。
【0003】
この従来の端末を用いたシステムにおいては該端末と、基地局と、位置情報管理局とから構成され、まず、位置情報伝送端末が端末側信号をその周辺に所在する1つあるいは複数の基地局に送信する。その端末から端末側信号を受信した基地局は、その基地局識別符号と受信電界強度とを含む信号を位置情報管理局に送信する。位置情報管理局は、基地局識別符号およびその基地局の所在地を示す周辺地図情報のデ−タベースを有しており、そのデータベースを参照することにより、基地局から送信されてきた基地局識別符号と受信電界強度とから位置情報伝送端末の所在位置を特定する。こうして位置情報伝送端末の使用者の位置が特定されるから、その端末の使用者もしくはその通信相手方がその端末の使用者の位置を知ることができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
こうした従来のかかるシステムにおける位置情報の測定は、その端末の周辺にある無線基地局から常時送信される基地局識別符号と受信電界強度の情報を含んだ制御信号を受信して行っていた。端末側では無線基地局からの制御信号を受信し、受信できた周辺の無線基地局の識別符号と受信電界強度とを保持し、着呼した時または発呼した時に無線基地局を介して通信相手方に対して保持していた基地局識別符号と受信電界強度とを伝送するようになっている。
【0005】
しかしながら、移動中の端末側が無線基地局との通信を継続しながらその位置情報を逐次伝送する用途において例えば妨害波の影響等による悪通信路状況下では、端末からの位置情報が正確に通信相手方へ届かないという状況が起こり得る。また、連続的に位置情報を送信し続けていることによる、通信量もコストも増大する。
【0006】
本発明は、妨害波の影響等による悪通信路状況下においても位置情報を正確に送信でき、かつ、通信量もコストも削減可能とすることを解決すべき課題としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の位置情報伝送端末においては、無線基地局から送信されてくる基地局識別符号および受信電界強度を含む情報の記憶が可能な記憶部を備え、当該位置情報伝送端末の位置情報の履歴が蓄積可能としたことによって上述の課題を解決している。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1に記載の位置情報伝送端末は、無線基地局から送信されてくる基地局識別符号および受信電界強度を含む位置情報の蓄積記憶が可能な記憶部を備えた位置情報伝送端末であって、前記位置情報伝送端末の前記位置情報の履歴を蓄積可能とし、前記位置情報伝送端末から送信される前記位置情報の受信状況に基づき、前記位置情報伝送端末の送信相手方から送信される削除可能のメッセージの有無に応じて、前記記憶部において蓄積されている前記位置情報の履歴の内、前記削除可能のメッセージが有った前記位置情報は削除し、前記削除可能のメッセージが無い前記位置情報については前記削除可能のメッセージが有るまで前記記憶部において蓄積されるように、前記記憶部における前記位置情報の履歴の蓄積を制御することを特徴とする位置情報伝送端末としたことによって、記憶部に格納された位置情報を送信することにより、妨害波の影響等による伝送情報ミスを軽減することができる。
【0009】
本発明の請求項2に記載の位置情報伝送端末は、記記憶部は、前記位置情報を受信したときの日時情報を、前記位置情報と併せて記憶することが可能であることを特徴とする請求項1記載の位置情報伝送端末としたことによって、位置情報の履歴としてその日時情報からその日時にどの位置にいたかが分かり、さらに位置情報伝送端末として有用となる。
【0010】
本発明の請求項3に記載の位置情報伝送端末は、前記記憶部の容量が満たされたときに、前記記憶部に記憶されている前記位置情報を前記無線基地局に送信可能としたことを特徴とする請求項1または2記載の位置情報伝送端末としたことによって、その都度、最新の位置情報を送信する場合と比較して少ない通信量にて当該位置情報伝送端末の使用者の位置情報を送信可能となり、また通信コストの削減にもなる。さらに、即時性をそれほど求めない位置情報システムにおいて最適となる。一方、悪通信路下において古い情報を間引くことにより実質的に情報量を削減でき、かつ特定区間における位置情報の紛失を回避できる。
【0011】
本発明の請求項4に記載の位置情報伝送端末は、前記記憶部に格納された前記位置情報を一定時間毎に前記無線基地局に送信可能としたことを特徴とする請求項1ないし3いずれか記載の位置情報伝送端末としたことによって、当該端末使用者の位置情報の履歴を、通信相手方に送信する際に、一定時間毎に記憶部に格納された位置情報の履歴をまとめて送信することにより、その都度最新の位置情報を送信する場合に比べて少ない通信量にて端末使用者の位置情報を送信することが可能となり、また、通信コストの削減にもなる。また、位置情報の送信間隔を、記憶部に蓄積されていた情報を送出したあと再び記憶部の容量が満たされる一定間隔より短く設定することにより、未然に記憶部の容量オーバーによる位置情報落ちを回避することが可能となる。更に、請求項5のように、位置が変化した時点で位置情報を送信するような端末においては、端末使用者の位置が変化せず、停滞した状態のままの場合においても、定期的に位置情報を送信することにより、端末使用者が、本当に停滞しているということがわかる。
【0012】
本発明の請求項5に記載の位置情報伝送端末は、前記位置情報伝送端末の使用者の位置が変わったとする判断に基づいて、前記記憶部に記憶されている前記位置情報を前記無線基地局に送信可能としたことを特徴とする請求項1ないし4いずれか記載の位置情報伝送端末としたことによって、本来、端末者の位置を得るシステムであるため、現時点での位置が以前と同じであれば、現時点での位置情報を送信する必要はなく、つまり、端末使用者の位置が変わったと判断された時点で、記憶部に格納された位置情報の履歴をまとめて送信を行うことにより、少ない通信量で端末使用者の位置情報の移動履歴がわかり、また、通信相手方においては、端末から位置情報が送信された時点で、端末使用者の位置が変わったことが即座にわかる。
【0013】
本発明の請求項6に記載の位置情報伝送端末は、前記記憶部に格納された前記位置情報を、一括して送信する処理と、逐次送信する処理とを選択的に切り替え可能としたことを特徴とする請求項1ないし5いずれか記載の位置情報伝送端末としたことによって、端末使用者が位置情報を、基地局を介して通信相手方に送信する際に、記憶部に履歴を残さずに逐次情報を送信する処理と、請求項1のような記憶部に履歴を残して、まとめて位置情報を送信する処理とを、通信相手方の指示により選択的に切り替えることができるモードを備えることにより、即時性の可否等のニーズに合わせて、あるいは周囲の状況から判断して、位置情報の伝達方法を変えることが可能となる。
【0014】
本発明の請求項7に記載の位置情報伝送端末は、前記無線基地局からの電波を受信するとともに、前記受信した電波を増幅復調してベースバンド信号に変換するRF部と、前記RF部の出力するベースバンド信号を復号化し1つまたは複数の基地局に対応する基地局識別符号、およびそれぞれの前記基地局からの受信電界強度を抽出するとともに、送信すべき位置情報を符号化しベースバンド信号として前記RF部に出力する信号処理部と、前記RF部がそれぞれの前記基地局から前記基地局識別符号および前記受信電界強度を受信したときの日時情報を生成する時計部と、前記信号処理部が復号化した前記基地局識別符号、前記受信電界強度、および前記時計部が生成した前記日時情報をセットにして記憶する記憶部とを備え、前記記憶部に記憶されている前記位置情報を一括して前記信号処理部より送信可能としたことを特徴とする位置情報伝送端末としたことによって、端末内に記憶部を用意し、端末使用者の位置情報として受信した端末周辺の基地局識別符号、受信電波強度、および、基地局情報を受信したときの日時情報を格納する。つまり、記憶部には、端末使用者の位置情報の履歴が蓄積されることになる。移動中の端末が基地局との通信を継続しながらその位置情報を逐次伝送する場合は、一時的な妨害波の影響等による悪通信路下においては、位置経路を正確に通信相手方に送信できない場合が起こり得るが、記憶部にて過去の移動履歴情報を蓄積しているために、位置情報の再送が可能となり、結果的に端末使用者の位置情報の送信ミスを補うことができる。また、良好な通信路下にて、記憶部に蓄積された位置情報をまとめて、基地局に送信することにより、その都度最新の位置情報を送信する場合に比べて少ない通信量にて位置情報を得ることができる。端末との通信相手方においては、基地局識別符号、受信電界強度に加えて、測定時の日時情報も同時に得られるので、どの時点の位置情報かを特定することができる。
【0016】
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。
【0017】
図1を参照して本発明の実施の形態に係る位置情報システムについて説明すると、同図に示されているように、この位置情報システム10は、デジタル携帯電話とかPHSなどの無線移動端末で構成される位置情報伝送端末12と、位置情報伝送端末12とは相互のアンテナを介して無線通信される無線基地局14と、この無線基地局14とは有線電話回線16で通信される位置情報管理局18とで構成される。
【0018】
図2を参照してこの位置情報伝送端末12の構成について説明すると、この位置情報伝送端末12は、アンテナ20と、無線基地局14からの電波を受信し、増幅し、復調し、ベースバンド信号に変換するRF部22と、RF部22の出力するベースバンド信号を復号化し1つまたは複数の基地局識別符号および基地局からの受信電界強度を抽出するとともに、送信すべき情報を符号化しベースバンド信号としてRF部22に出力する信号処理部24と、RF部22が基地局から基地局識別符号および受信電界強度を受信したときの日時情報を生成する時計部26と、信号処理部24が復号化した基地局識別符号、受信電界強度および時計部26が生成した日時情報をセットにして格納する記憶部28とで構成される。
【0019】
この位置情報伝送端末12の動作について説明する。
【0020】
この位置情報伝送端末12は、無線基地局14との通信によってアンテナ20において当該無線基地局14が有する基地局識別符号や当該無線基地局14での受信電界強度などの情報を含む電波を受信すると、RF部22ではその受信電波からその基地局識別符号や受信電界強度などの情報を増幅復調するとともに、ベースバンド信号に変換したうえで信号処理部24へ出力すると同時に、時計部26ではRF部22が基地局から電波を受信したときの日時情報を生成する。信号処理部24ではそのベースバンド信号から基地局識別符号や受信電界強度などの情報を復号化する。そして、記憶部28では信号処理部24で復号化された基地局識別符号や受信電界強度と、時計部26からの日時情報とをセットで位置情報として記憶する。
【0021】
このようにして位置情報伝送端末12においては、周辺の無線基地局14からの情報により当該伝送端末12の位置情報を基地局識別符号や受信電界強度および日時情報とで得ることができる。この位置情報は日時の経過と共に記憶部28に蓄積されていくことになる。記憶部28に蓄積されている位置情報伝送端末12の位置情報は、位置情報伝送端末12への着呼または位置情報伝送端末12からの発呼に際しては信号処理部24に読み出され、信号処理部24を介してその基地局識別符号、受信電界強度、および日時情報の3つがセットとなった位置情報がRF部22に出力される。RF部22はその位置情報を符号化してベースバンド信号とし、これを変調増幅してアンテナ20に出力すると、アンテナ20からは電波として送信される。こうして位置情報伝送端末12周辺の基地局識別符号、受信電界強度、および日時情報の3つがセットとなった位置情報が通信相手方に伝送されることになる。
【0022】
ここで、記憶部28に蓄積されている位置情報は、通信相手方に送信した後も、通信相手方から送信されるメッセージにおいて削除可能の指示があるまで蓄積され続ける。つまり、通信相手方によって、伝送端末12から送信された位置情報が正しく受信された際には、通信相手方は、正常受信を行った旨のメッセージを伝送端末12側に送信する。伝送端末12側は、通信相手方からのメッセージから、どの位置情報が正しく通信相手方に送信できたかを判断し、まだ記憶部28に蓄積され続けている正常に位置情報が送信できた分の位置情報を削除する。一方、妨害波などの悪通信路下において、伝送端末12から送信された位置情報が正しく通信相手方に送信できなかった際には、通信相手方は、伝送端末12に位置情報の再送要求を行うことにより、伝送端末12の記憶部28に蓄積されている過去の位置情報を再び受信することができる。通信相手方は、正常に位置情報が受信できるまで、位置情報の再送を要求し続ける。このような処理を行うことにより、例え通信路の条件が悪くても、伝送端末12の使用者の過去の位置情報を繰り返し送信することができる。
【0023】
図3を参照して無線基地局14の構成について説明すると、この無線基地局14はアンテナ30、位置情報伝送端末12のRF部22と同機能を有するRF部32、位置情報伝送端末12の信号処理部24と同機能を有する信号処理部34および電話回線制御部36で構成されている。
【0024】
位置情報伝送端末12からこの無線基地局14を介して送信された、基地局識別符号、受信電界強度、および日時情報は、該無線基地局14のアンテナ30で受信される。このアンテナ30で受信されたそれらの情報はRF部32にて、増幅復調されたうえで信号処理部34へ出力されここで復号化される。信号処理部34で復号化された位置情報は、電話回線制御部36にて、位置情報管理局18と通信を行うための回線制御が行われる。無線基地局14は伝送端末12から基地局識別符号、受信電界強度、および日時情報を受信した場合、直ちに有線電話回線16を用いて位置情報管理局18にその信号を送信する。
【0025】
図4を参照して位置情報管理局18の構成について説明すると、この位置情報管理局18は、電話回線制御部38、基地局情報抽出部40および住所データベース42で構成される。位置情報管理局18において有線電話回線16を介して無線基地局14より送信された、基地局識別符号、受信電界強度、および日時情報は、回線制御を行う電話回線制御部38を介して基地局情報抽出部40に出力される。基地局情報抽出部40においては、電話回線制御部38から出力される情報から、基地局識別符号、受信電界強度、および日時情報のみを抽出し、住所データベース42へ出力される。住所データベース42においては各基地局識別符号に対応する位置情報データベースを有し、基地局情報抽出部40が出力する基地局識別符号および受信電界強度から位置情報データベースをもとに指定された伝送端末12の位置情報に変換する。また合わせて、日時情報から端末12の位置情報の履歴を得る。つまり、伝送端末12の使用者がいつどこにどのように移動したのかを得る。
【0026】
以上の構成を有する位置情報システム10においては、位置情報伝送端末12の記憶部28にはその端末周辺の無線基地局14の基地局識別符号、受信電界強度、および日時情報が蓄積格納される。位置情報伝送端末12の記憶部28に格納された情報が、該記憶部28の容量を満たした場合に、蓄積された端末使用者の位置情報は、信号処理部24に出力され、更に、通信相手方に伝送すべきデ−タや無線基地局14に伝送する識別符号などのデータを符号化しベースバンド信号としてRF部22に出力される。RF部22では符号化されたベースバンド信号を変調増幅してアンテナ20より通信相手方に送出する。受信した基地局情報が、記憶部28の記憶容量を満たしていない場合は、満たすまで、基地局情報を受信し続ける。一方、妨害波などにより、位置情報が正常に送信できなかった場合においては、通常、記憶部28の記憶容量があふれてしまうことになる。つまり、この状況が連続して発生すると、記憶部28への格納ができないため、最新の位置情報が得られなくなり、結果的にある悪状況下の間の位置情報は、まとめて失ってしまうことになる。この状況を解決するための方法の一つとして、記憶部28に蓄積されている過去の位置情報を間引くことにより、新たな位置情報を記憶部28に格納できるように容量を確保することができる。例えば、古い位置情報を1番目から順に、一つおきに削除する。つまり、1番目、2番目、3番目、4番目と続く情報のうち、2番目、4番目のように一つおきに情報を削除することにより、記憶部の容量に空きが生じる。そこに新たに情報を確保することにより、悪状況下におけるまとまった区間の情報漏れを回避することができる。なお、最新情報の部分まで、間引いてしまった場合は、上記と同じ手順で、再び古い情報から1つおきに、情報を間引くことで対応できる。つまり、上記方法によると、古い情報から順番に、1番目、3番目、5番目、7番目のように蓄積されているが、これを1つおきに、つまり、3番目、7番目、11番目の順に情報を削除すれば、新たな情報を確保する容量ができる。このような手順を繰り返すことにより、まとまった区間の情報落ちは回避できる。
【0027】
また、以上の構成を有する位置情報システム10においては、位置情報伝送端末12の記憶部28には当該伝送端末12周辺の基地局識別符号、受信電界強度、および日時情報が格納されている。ここで、信号処理部24は、さらにタイマー機能を有し、記憶部28に蓄積されていた情報を送出したあと再び記憶部28の容量が満たされる一定間隔よりも短い間隔毎に、記憶部28に蓄積された位置情報を抽出する。この抽出された位置情報は、通信相手方に伝送すべきデ−タや基地局に伝送する識別符号などのデータを符号化しベースバンド信号としてRF部22に出力される。RF部22では符号化されたベースバンド信号を変調、増幅し、アンテナ20より送信する。無線基地局14から受信されたデータは、このように位置情報伝送端末12の記憶部28に一定時間の間だけ蓄積され続け、定期的にまとめて、送信される。ここで、送信する一定間隔が、記憶部28に蓄積されていた位置情報を送出したあと再び記憶部28の記憶容量が満たされる一定間隔より短く設定することにより、妨害波などによる悪通信状況が連続して発生し、位置情報が正常に送信できなかった場合に、記憶部28の容量が溢れてしまうことを回避できる。例えば、位置情報が記憶部28の半分の容量を満たす毎に、記憶部28に蓄積されている位置情報を送信する。つまり、記憶部28が満たされる前に、余裕を以って一定間隔で位置情報を送信することにより、常に記憶部28の容量に空き容量を設けることができ、非常の事態に備えられる。ただし、容量に余裕を持たせた場合においても、悪通信状況が連続して発生し、記憶部28の容量が満たされてしまった場合においては、前記位置情報を間引く処理で対処することが可能である。
【0028】
また、以上の構成を有する位置情報システム10においては、位置情報伝送端末12の記憶部28には端末周辺の基地局識別符号、受信電界強度、および日時情報が格納される。ここで、信号処理部24は、前記に加え、無線基地局14から受信した基地局識別符号および受信電界強度から端末12の位置が変化したかどうかを判断し、端末使用者の位置が変化していた場合には、記憶部28に蓄積された位置情報を抽出する。この抽出された情報は、通信相手方に伝送すべきデ−タや基地局に伝送する識別符号などのデータを符号化しベースバンド信号としてRF部22に出力される。RF部22では符号化されたベースバンド信号を変調増幅して電波としてアンテナ20より送出する。端末12の位置が変化していない場合は、位置が変化するまで記憶部28へ受信信号を蓄積し続ける。そして、情報を受信し続け、記憶部28の容量が満たされてしまった際には、前記位置情報を間引く処理を行うことによって対処できる。
【0029】
ここで位置情報の変化について説明する。例えば、受信電界強度の強い3つの基地局情報により、位置情報を得る場合、直前の位置情報と最新の位置情報とを比較し、受信電界強度の強い基地局の順序が入れ替わっている場合、あるいは、新たな基地局の情報を得た場合、また、受信電界強度の強さの順序が以前と同じ場合においても、その受信電界強度の値が、以前のものと極端に隔たりがある場合、例えば、受信電界強度値が半分以下、あるいは、倍以上になった場合などにおいて、端末12側が位置が変化したと判断する。位置の変化を検知した際には、直ちに通信相手側にその端末12側の記憶部28に蓄積されている位置情報を自動送信する。
【0030】
図5を参照して位置情報伝送端末12の動作のフローチャートを説明すると、まず、位置情報伝送端末12は通信相手方より基地局情報を受信した際には、通信相手方から、即時性を有する情報か否かの指示を同時に得る。即時性を有する場合には、受信情報を記憶部28に蓄積することなく、逐次最新の位置情報を基地局を介して通信相手方に送信し続ける処理を行う。即時性を有しない場合には、信号処理部24を介してまとめて位置情報を送信するまで、無線基地局14から受信した情報を記憶部28に蓄積し続ける。このように、通信相手方によって位置情報の伝送方法を選択することが可能となる。なお、即時性を有しない場合には、記憶部28に情報が蓄積され続けることになる、ここで記憶部28の容量が満たされた際には、前記位置情報を間引く処理を行うことで対処できる。
【0031】
【発明の効果】
以上のように本発明の位置情報伝送端末は、無線基地局から送信されてくる基地局識別符号および受信電界強度を含む情報の記憶が可能な記憶部を備え、当該位置情報伝送端末の位置情報の履歴が蓄積可能としたことから、妨害波の影響等による悪通信路状況下においても位置情報を正確に送信でき、かつ、通信量も通信コストも削減可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る位置情報システムの構成を示す図である。
【図2】図1の位置情報伝送端末の構成を示す図である。
【図3】図1の無線基地局の構成を示す図である。
【図4】図1の位置情報管理局の構成を示す図である。
【図5】図1の位置情報伝送端末の動作説明用フローチャートである。
【符号の説明】
10 位置情報システム
12 位置情報伝送端末
14 無線基地局
18 位置情報管理局
20 アンテナ
22 RF部
24 信号処理部
26 時計部
28 記憶部

Claims (7)

  1. 無線基地局から送信されてくる基地局識別符号および受信電界強度を含む位置情報の蓄積記憶が可能な記憶部を備えた位置情報伝送端末であって、前記位置情報伝送端末の前記位置情報の履歴を蓄積可能とし、前記位置情報伝送端末から送信される前記位置情報の受信状況に基づき、前記位置情報伝送端末の送信相手方から送信される削除可能のメッセージの有無に応じて、前記記憶部において蓄積されている前記位置情報の履歴の内、前記削除可能のメッセージが有った前記位置情報は削除し、前記削除可能のメッセージが無い前記位置情報については前記削除可能のメッセージが有るまで前記記憶部において蓄積されるように、前記記憶部における前記位置情報の履歴の蓄積を制御することを特徴とする位置情報伝送端末。
  2. 前記記憶部は、前記位置情報を受信したときの日時情報を、前記位置情報と併せて記憶することが可能であることを特徴とする請求項1記載の位置情報伝送端末。
  3. 前記記憶部の容量が満たされたときに、前記記憶部に記憶されている前記位置情報を前記無線基地局に送信可能としたことを特徴とする請求項1または2記載の位置情報伝送端末。
  4. 前記記憶部に格納された前記位置情報を、一定時間毎に前記無線基地局に送信可能としたことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか記載の位置情報伝送端末。
  5. 前記位置情報伝送端末の使用者の位置が変わったとする判断に基づいて、前記記憶部に記憶されている前記位置情報を前記無線基地局に送信可能としたことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか記載の位置情報伝送端末。
  6. 前記記憶部に格納された前記位置情報を、一括して送信する処理と、逐次送信する処理とを選択的に切り替え可能としたことを特徴とする請求項1ないし5のいずれか記載の位置情報伝送端末。
  7. 前記無線基地局からの電波を受信するとともに、前記受信した電波を増幅復調してベースバンド信号に変換するRF部と、前記RF部の出力するベースバンド信号を復号化して1つまたは複数の基地局に対応する基地局識別符号、およびそれぞれの前記基地局からの受信電界強度を抽出するとともに、送信すべき位置情報を符号化しベースバンド信号として前記RF部に出力する信号処理部と、前記RF部がそれぞれの前記基地局から前記基地局識別符号および前記受信電界強度を受信したときの日時情報を生成する時計部と、前記信号処理部が復号化した前記基地局識別符号、前記受信電界強度、および前記時計部が生成した前記日時情報をセットにして記憶する記憶部とを備え、前記記憶部に記憶されている前記位置情報を一括して前記信号処理部より送信可能としたことを特徴とする位置情報伝送端末。
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