JP3821884B2

JP3821884B2 - Insect repellent

Info

Publication number: JP3821884B2
Application number: JP25687396A
Authority: JP
Inventors: 浩二平田; 三男野村; 伸一郎国本
Original assignee: Tokuyama Corp
Current assignee: Tokuyama Corp
Priority date: 1996-09-27
Filing date: 1996-09-27
Publication date: 2006-09-13
Anticipated expiration: 2016-09-27
Also published as: JPH10101503A

Description

【０００１】
【発明が属する技術分野】
本発明は、果樹園または農園において、作物の虫害を効果的に防止できるだけでなく、果樹園及び農園領域の虫に対する忌避効果を有する防虫材を提供するものである。
【０００２】
【従来の技術】
果樹園または農園においては、作物の虫害を防止するため、一般に領域全体への殺虫剤の散布が行われている。
【０００３】
殺虫剤の散布は、植え付け時、成長時、収穫前等、定期的に行わなければならないため、多くの手間がかかっていた。また、植物体や土壌に殺虫剤が直接触れるため、近年では農作物中の残留薬剤の問題も指摘されつつある。
【０００４】
そのため、殺虫剤の使用は極力抑えることが必要であり、果実等の農作物にあっては、栽培用袋でそれを覆い、物理的に虫が取り付けないようにして栽培する方法などがとられている。しかし、こうした袋で農作物を覆う方法では、周囲への虫の誘因を防ぐことはできず、袋で覆った果実等のみしか虫害から守ることはできなかった。
【０００５】
こうした中、近年、虫に対する忌避効果を有する種々の防虫材が提案されている。例えば、特開平６−２０５６１９号公報には、モノステアリン酸グリセロールが樹脂中に混入されてなる防虫効果を有する樹脂材料が示されている。
【０００６】
【発明が解決しようとする課題】
上記モノステアリン酸グリセロールが混入されてなる樹脂材料は、良好な虫に対する忌避効果を有する材料であるが、さらに、その忌避効果を高めた防虫材の開発が望まれていた。
【０００７】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記問題点を解決するため鋭意研究を重ねた結果、特定の組成をもつポリオレフィン組成物が優れた防虫効果をもつことを見いだし、本発明を完成するに至った。
【０００８】
すなわち本発明は、下記式（１）で示されるアミン化合物を、０．１〜１０重量％含有したポリオレフィン組成物よりなる防虫材である。
【０００９】
Ｒ¹−Ｎ〔（ＣＨ₂ＣＨ₂Ｏ）_nＲ²〕₂ （１）
〔ただし、Ｒ ¹ は炭素数１２〜１８のアルキル基またはアルケニル基を表し、ｎは１〜３の整数を表し、Ｒ ² はＨまたはＣＯＲ³（Ｒ³は炭素数１１〜１７のアルキル基を表す。）を表す。〕
【００１０】
【発明の実施の形態】
本発明で用いるアミン化合物は、式（１）におけるＲ¹の炭素数５〜２２のものが用いられるが、より好ましい結果を得るためには、１２〜１８のものが好適である。炭素数が小さすぎる場合には、後述するフィルムとして用いた場合にフィルムがブロッキングしやすくなる。また、炭素数が大きすぎる場合には、防虫効果や後述する防曇性が不足する。また、Ｒ³は炭素数５〜２２のものが用いられるが、上記と同様な理由で、炭素数１１〜１７のものが好適である。
【００１１】
また、式（１）におけるｎは１〜３のものが用いられるが、ｎ＝１のものが最も優れている。
【００１２】
これらのアミン化合物は、防曇性、帯電防止性を併せ持っている。特に優れた防虫効果、及び防曇性を発現させるためには、ラウリルジエタノールアミン、ミリスチルジエタノールアミン、パルミチルジエタノールアミン、ステアリルジエタノールアミン、オレイルジエタノールアミン、ステアリルジエタノールアミンモノステアレート、ステアリルジエタノールアミンジステアレート、ステアリルジエタノールアミンモノミリステート、ステアリルジエタノールアミンモノパルミテート、パルミチルジエタノールアミンモノパルミテート等、及びこれらの混合物を用いることが好ましい。
【００１３】
また、本発明で用いるアミド化合物は、式（２）におけるＲ⁴の炭素数５〜２２のものが用いられるが、より好ましい結果を得るためには、１１〜１７ものが好適である。炭素数が小さすぎる場合には、フィルムとして用いた場合にフィルムがブロッキングしやすくなる。また、炭素数が大きすぎる場合には、防虫効果や防曇性が不足する。また、Ｒ³も炭素数５〜２２のものが用いられるが、上記と同様な理由で、炭素数１１〜１７のものが好適である。
【００１４】
また、式（２）におけるｍは１〜３のものが用いられるが、ｍ＝１のものが最も優れている。
【００１５】
これらのアミド化合物も、防曇性、帯電防止性を併せ持っている。特に優れた防虫効果、及び防曇性を発現させるためには、ラウリン酸ジエタノールアミド、ミリスチン酸ジエタノールアミド、パルミチン酸ジエタノールアミド、ステアリン酸ジエタノールアミド、オレイン酸ジエタノールアミド、ステアリン酸ジエタノールアミドモノステアレート等、及びこれらの混合物を用いることが好ましい。
【００１６】
また、後述する果実栽培用袋として用いる場合には、式（１）で示されるアミン化合物のほうが式（２）で示されるアミド化合物より防曇性が優れている。
【００１７】
ここで、同じアミン化合物またはアミド化合物でも、前記式（１）または式（２）で示される構造でないものの場合、本発明ほどの優れた防虫効果は得られない。また、これらのアミン化合物及びアミド化合物は、前記の如く防曇性を有する化合物であるが、同じ防曇性を有する化合物でも防曇剤として一般に使用される多価アルコールの脂肪酸エステル、例えばグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ペンタエリスリトール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル等では、防曇性は優れているものの、防虫効果、忌避効果は十分ではなくなる。
【００１８】
アミン化合物またはアミド化合物の含有濃度は、ポリオレフィン組成物中に０．１〜１０重量％である。後述する棒状、板状成形体やロープ、網として用いる場合は、１〜７重量％が好ましい。０．１重量％より少ない場合は十分な防虫効果が発揮できず、また、１０重量％より多いと成形が困難になり、また、強度も不足する。
【００１９】
また、フィルムとして用いる場合は、０．２〜３重量％が好ましい。０．１重量％より少ないと防虫効果や防曇性が不足し、１０重量％より多いと成形が困難となり、またフィルムがブロッキングし易くなる。
【００２０】
本発明で用いるポリオレフィンは特に限定されず公知のものが用いられる。例えば、エチレン、プロピレン、１−ブテン、１−ペンテン、１−ヘキセン、４−メチル−１−ペンテン等のα−オレフィンの単独重合体、上記α−オレフィンどうしの共重合体、上記α−オレフィンと共重合可能なα−オレフィン以外の単量体とα−オレフィンとの共重合体、及びこれらの混合物等である。上記のα−オレフィン以外の単量体としては、酢酸ビニル、マレイン酸、ビニルアルコール、メタクリル酸、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル等を挙げることができる。
【００２１】
これらのポリオレフィンの中でも、ポリプロピレン、ポリエチレン、プロピレン−エチレン共重合体、プロピレン−１−ブテン共重合体、エチレン−プロピレン−１−ブテン共重合体が化学的安定性の点で好ましい。
【００２２】
本発明の防虫材は、上記のアミン化合物またはアミド化合物をポリオレフィン中に練り込み、一定の形態に加工して使用する。加工形態及び使用方法は特に制限されないが、一般に、棒状、板状成形体、ロープ、網、フィルム、袋などに加工して好適に使用できる。
【００２３】
本発明の防虫材を棒状、板状成形体として使用する場合は、上記のアミン化合物またはアミド化合物をポリオレフィンに練り込み、射出成形、押し出し成形、カレンダー成形等により、プレート、シート、あるいは杭等の形状に成形する。成形物を農園または果樹園の回りに張り巡らすか、または吊し、あるいは杭状成形体を打ち込むことによって、防虫効果、害虫の忌避効果を得ることができる。
【００２４】
本発明の防虫材をロープまたは網として使用する場合は、上記のアミンまたはアミドをポリオレフィンに練り込み、インフレーション一軸延伸によってヤーンに成形し、またはモノフィラメント成形法で繊維とし、これらをよりあわせてロープとする方法。またはこれらを網に加工し、あるいはネトロン方式を用いて直接網を成形する方法が用いられる。これらの方法で得られたロープまたは網を、農園または果樹園の回りに張り巡らすか、全体を覆うことによって、農園または果樹園全体に対する防虫効果、害虫の忌避効果を得ることができる。
【００２５】
本発明の防虫材をフィルムとして使用する場合は、上記のアミン化合物またはアミド化合物をポリオレフィンに練り込み、押し出し成形により一軸または二軸延伸フィルム、キャストフィルム、またはインフレーションフィルムとする。得られたフィルムを農園または果樹園の回りに張り巡らすか、あるいは全体を覆うことによって、農園または果樹園全体に対する防虫効果、害虫の忌避効果を得ることができる。
【００２６】
本発明の防虫材を果実栽培用袋として使用する場合は、上記のアミン化合物またはアミド化合物を練り込んだポリオレフィンをキャストフィルムまたは二軸延伸フィルムに加工した後、溶断シールやヒートシールして袋とする方法や、インフレーション製膜法によって袋とし、果樹園において未成熟の果実にかぶせる方法が用いられる。
【００２７】
この様にして用いた果実栽培用袋は果実に対する防虫効果があるだけでなく、果樹園全体に対する害虫の忌避効果もある。また、袋が透明なため、果実の成熟状態を容易に観察でき、防曇性を併せもっているため、果実から発生した水分や外気湿度の変化により袋に結露した水滴にによって、袋の内外面が曇るのを防ぐこともできる。
【００２８】
本発明の果実栽培用袋に用いるフィルムは単層であってもよく、複層であっても良い。単層の場合のポリオレフィンは上述したポリオレフィンの中でも、透明性、フィルム剛性が良好なホモポリプロピレン、プロピレン−αオレフィン共重合体を用いるのが一般的である。
【００２９】
また、複層とする代表的な態様を例示すれば、基材層は上記のホモポリプロピレン又はプロピレン−α−オレフィン共重合体、またはこれらの混合物を用い、表層にはシール性や防曇性の発現に優れた樹脂よりなる層、例えば、ポリエチレン、プロピレン−エチレン共重合体、エチレン−１−ブテン共重合体、エチレン−プロピレン−１−ブテン共重合体、及びこれらのポリオレフィンを主成分とするブレンド物等よりなる層を片面または両面に積層する態様が挙げられる。このときアミン化合物またはアミド化合物は、基材層、表層のいずれに含有されていてもよく、また両方に含有されていてもよいが、フィルム全体の含有量は上記範囲でなければならない。
【００３０】
本発明において、果実栽培用袋を形成するフィルムは用途に応じ、１０〜６０μの厚さものが選択される。また、複層とする場合には表層の厚みは芯層の３０％以下好ましくは２０％以下とすることが、透明性、フィルム剛性の点で好ましい。
【００３１】
また、本発明の果実栽培用袋には細孔を設けることによって、防曇性及び防虫効果がより優れたものとなる。細孔の大きさは、害虫の大きさ、及び果実の呼吸を勘案すると、直径０．１〜２ｍｍ、５０００〜５０００００個／ｍ²、好ましくは直径０．２〜１ｍｍ、１００００〜２０００００個／ｍ²である。
【００３２】
本発明の果実栽培用袋を形成するフィルムの製造方法は、上記の方法であれば特に制限されないが、ポリオレフィンにアミン化合物またはアミド化合物を混合した樹脂を溶融させ、Ｔダイより押出し、キャストフィルムとした後に片面または両面をコロナ放電する方法。また、Ｔダイより押し出した上記樹脂を二軸に延伸し、片面または両面をコロナ放電処理する方法等が用いられる。
【００３３】
積層フィルムの場合には、表層樹脂と基材層樹脂を共押出する方法、基材層に表層樹脂をラミネートする方法等が用いられる。
【００３４】
コロナ放電処理は必ずしも必要ではないが、より優れた防曇性を発現させるために有利である。コロナ放電処理密度は使用する樹脂によって異なるが、一般的には１０〜５０Ｗ・ｍｉｎ／ｍ²である。
【００３５】
また、二軸延伸したほうが、フィルム剛性、透明性、及び表面光沢の点で好ましい。延伸倍率は、一般にはフィルムの流れ方向（ＭＤ）に３〜６倍及び該方向と直角の方向（ＴＤ）に７〜１２倍である。
【００３６】
本発明で用いる果実栽培用袋には必要に応じて、滑剤、アンチブロッキング剤等を添加することができる。また、袋の上部に印刷を施すことにより、直射日光によって日焼けし易い果実等を均一に成熟させることができる。
【００３７】
【発明の効果】
本発明の防虫材は上記の説明のように、特定の組成をもつポリオレフィン組成物を用いることによって、果樹園または農園における作物の虫害を効果的に防止できるだけでなく、果樹園及び農園領域の虫に対する忌避効果を発揮する。本発明に用いるアミン化合物及びアミド化合物が優れた防虫効果及び害虫に対する忌避効果を有しているものと考えられる。
【００３８】
また、本発明の防虫材を果実栽培用袋として使用した場合、従来の栽培用袋では得られなかった防虫効果、忌避効果、及び防曇効果を併せもつため、果実の生育状態を観察しながら極めて効果的に栽培することができる。
【００３９】
本発明の防虫材は以上のような特性を持つため、果樹園または農園において、作物の虫害や、果実の受粉期における交配の被害を効果的に防止できるだけでなく、果樹園及び農園領域の虫に対する忌避効果を発揮する。特に蚊、ユスリ蚊、蛾、カメ虫、コガネ虫、及びこれらの幼虫が発生しにくい。また、農園内で作業を行う従業者にも害虫による作業妨害が無くなり、防虫服、器具の着用なしで作業ができるなど、有用な防虫材として好適に使用できる。
【００４０】
【実施例】
以下、本発明を実施例及び比較例を揚げて説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【００４１】
以下の実施例に用いた評価方法について説明する。
【００４２】
（１）梨に対するカメ虫の防虫効果
５：全く虫が袋に寄付かない。
【００４３】
４：殆ど虫が袋に寄付かない。
【００４４】
３：若干虫が袋に寄付く。
【００４５】
２：虫が袋に寄付く。
【００４６】
１：かなり袋に虫が寄付く。
【００４７】
（２）農園または果樹園領域のカメ虫の忌避効果
５：全く虫が域内に寄付かない。
【００４８】
４：殆ど虫が域内に寄付かない。
【００４９】
３：若干虫が域内に寄付く。
【００５０】
２：虫が域内に寄付くが、若干の忌避効果はある。
【００５１】
１：かなり虫が域内に寄付き、忌避効果が全くない。
【００５２】
（３）果実栽培用袋の防曇効果
５：袋に曇りが全くなく、果実の状態がよく観察できる。
【００５３】
４：袋に多少曇りがあるが、果実の状態はよく観察できる。
【００５４】
３：袋が曇っているが、果実の状態は観察できる。
【００５５】
２：袋が曇っていて、果実の状態がよく観察できない。
【００５６】
１：袋が曇っていて、果実の状態が全く観察できない。
【００５７】
実施例１
ホモポリプロピレン（ＭＩ＝２）にステアリルジエタノールアミンモノステアレートを１重量％加え、溶融混練したものを基材層用樹脂とした。一方、エチレン含有量６モル％のプロピレン−エチレンランダム共重合体を表層用樹脂として用い、テンター法二軸延伸装置及びインラインラミ装置を用いて２０μｍの基材層の両面に各２μｍの表層を積層した二軸延伸フィルムとした。なお、延伸倍率はＭＤに４．５倍、ＴＤに１０倍とし、フィルムの両面に３０Ｗ・ｍｉｎ／ｍ²のコロナ放電処理を施した。このフィルムを溶断シール法により２０ｃｍ×３０ｃｍの袋とし、さらに、直径０．５ｍｍの孔を３００００個／ｍ²の割合で空け、果実栽培用袋とした。
【００５８】
このようにして得られた果実栽培用袋を１００ｍ²の梨園のすべての梨に紐を用いて装着した。果実栽培用袋の防曇効果及び梨に対する防虫効果、果樹園全体の忌避効果を観察し、結果を表１に示した。
【００５９】
実施例２
アミン化合物として、ステアリルジエタノールアミンを０．３重量％添加した他は実施例１と同様に行った。結果を表１に示した。
【００６０】
実施例３
アミン化合物として、ミリスチルジエタノールアミンモノパルミテートを２重量％添加した他は実施例１と同様に行った。結果を表１に示した。
【００６１】
実施例４
アミン化合物の代わりにアミド化合物として、ステアリン酸エタノールアミドを１重量％添加した他は実施例１と同様に行った。結果を表１に示した。
【００６２】
実施例５
アミン化合物の代わりにアミド化合物として、ミリスチン酸ジエタノールアミドを０．５重量％添加した他は実施例１と同様に行った。結果を表１に示した。
【００６３】
実施例６
ステアリルジエタノールアミンを０．２重量％、ラウリン酸ジエタノールアミドを１重量％添加した他は実施例１と同様に行った。結果を表１に示した。
【００６４】
実施例７
果実栽培用袋に孔を空けなかった他は実施例１と同様に行った。
【００６５】
結果を表１に示した。
【００６６】
比較例１
１００ｍ²梨の梨園になにも施さず、梨に対する防虫効果及び果樹園全体の忌避効果を観察し、結果を表１に示した。
【００６７】
比較例２
アミン化合物を添加しなかった他は実施例１と同様に行った。
【００６８】
結果を表１に示した。
【００６９】
比較例３
アミン化合物の代わりにグリセリンモノステアレートを１重量％添加した他は実施例１と同様に行った。結果を表１に示した。
【００７０】
比較例４
アミン化合物の代わりにソルビタンモノパルミテートを１重量％添加した他は実施例１と同様に行った。結果を表１に示した。
【００７１】
比較例５
アミン化合物の代わりにステアリン酸アミドを１重量％添加した他は実施例１と同様に行った。結果を表１に示した。
【００７２】
比較例６
ステアリルジエタノールアミンモノステアレートを１２重量％とした他は実施例１と同様に行ったが、フィルムがブロッキングし、果実栽培用袋に成形できなかった。
【００７３】
【表１】

[0001]
[Technical field to which the invention belongs]
The present invention provides an insect repellent material that not only effectively prevents crop damage in orchards or farms but also has a repellent effect on insects in orchards and farm areas.
[0002]
[Prior art]
In orchards or farms, insecticides are generally sprayed over the entire area in order to prevent crop damage.
[0003]
Insecticide spraying has to be done regularly at the time of planting, at the time of growth, before harvesting, etc., so it took much time and effort. In addition, since insecticides come into direct contact with plant bodies and soil, the problem of residual drugs in agricultural crops has recently been pointed out.
[0004]
Therefore, it is necessary to suppress the use of insecticides as much as possible. For agricultural products such as fruits, cover them with a cultivation bag and cultivate them without physically attaching insects. Yes. However, such a method of covering crops with a bag cannot prevent the insects from invading the surrounding area, and only the fruits covered with the bag can be protected from insect damage.
[0005]
Under these circumstances, various insect repellents having a repellent effect against insects have been proposed in recent years. For example, Japanese Patent Application Laid-Open No. 6-205619 discloses a resin material having an insecticidal effect obtained by mixing glycerol monostearate into a resin.
[0006]
[Problems to be solved by the invention]
The resin material in which the glycerol monostearate is mixed is a material having a good repellent effect against insects, but further development of an insect repellent material with an enhanced repellent effect has been desired.
[0007]
[Means for Solving the Problems]
As a result of intensive studies to solve the above-mentioned problems, the present inventors have found that a polyolefin composition having a specific composition has an excellent insect repellent effect, and have completed the present invention.
[0008]
That is, the present invention is an insect repellent material comprising a polyolefin composition containing 0.1 to 10% by weight of an amine compound represented by the following formula (1) .
[0009]
R ¹ —N [(CH ₂ CH ₂ O) _n R ² ] ₂ (1)
[However, R ¹ represents an alkyl group or alkenyl group having 12 to 18 carbon atoms, n represents an integer of 1 to 3, R ² is H or COR ³ (R ³ is an alkyl group having 11 to 17 carbon atoms Represents.) ]
[0010]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
As the amine compound used in the present invention, those having 5 to 22 carbon atoms of R ¹ in the formula (1) are used, but those having 12 to 18 are preferable in order to obtain more preferable results. When the number of carbon atoms is too small, the film tends to block when used as a film described later. Moreover, when carbon number is too large, an insect-proof effect and the antifogging property mentioned later are insufficient. Further, R ³ having 5 to 22 carbon atoms is used, but those having 11 to 17 carbon atoms are preferable for the same reason as described above.
[0011]
Further, n in the formula (1) is 1 to 3, and n = 1 is the most excellent.
[0012]
These amine compounds have both antifogging properties and antistatic properties. In order to develop a particularly excellent insect-repellent effect and anti-fogging property, lauryl diethanolamine, myristyl diethanolamine, palmityl diethanolamine, stearyl diethanolamine, oleyl diethanolamine, stearyl diethanolamine monostearate, stearyl diethanolamine distearate, stearyl diethanolamine monomyristate Stearyl diethanolamine monopalmitate, palmityl diethanolamine monopalmitate, and the like, and mixtures thereof are preferably used.
[0013]
In addition, as the amide compound used in the present invention, those having 5 to 22 carbon atoms of R ⁴ in the formula (2) are used, but those having 11 to 17 are preferable in order to obtain more preferable results. If the carbon number is too small, the film is likely to block when used as a film. Moreover, when carbon number is too large, an insect-proof effect and anti-fogging property are insufficient. R ^{3 is} also selected from those having 5 to 22 carbon atoms, and those having 11 to 17 carbon atoms are preferred for the same reason as described above.
[0014]
Further, m in formula (2) is 1 to 3, and m = 1 is most excellent.
[0015]
These amide compounds also have antifogging properties and antistatic properties. In order to develop a particularly excellent insect repellent effect and anti-fogging property, lauric acid diethanolamide, myristic acid diethanolamide, palmitic acid diethanolamide, stearic acid diethanolamide, oleic acid diethanolamide, stearic acid diethanolamide monostearate, etc. , And mixtures thereof are preferably used.
[0016]
Moreover, when using as a bag for fruit cultivation mentioned later, the amine compound shown by Formula (1) is more excellent in antifogging property than the amide compound shown by Formula (2).
[0017]
Here, even if the same amine compound or amide compound does not have the structure represented by the formula (1) or formula (2), the insect repellent effect as excellent as the present invention cannot be obtained. These amine compounds and amide compounds are compounds having antifogging properties as described above, but fatty acid esters of polyhydric alcohols, such as glycerin fatty acids, which are generally used as antifogging agents even with the same antifogging compounds. Esters, sorbitan fatty acid esters, pentaerythritol fatty acid esters, polyoxyethylene sorbitan fatty acid esters, polyethylene glycol fatty acid esters, polyglycerin fatty acid esters, and the like are excellent in antifogging properties, but their insect repellent and repellent effects are not sufficient.
[0018]
The content concentration of the amine compound or amide compound is 0.1 to 10% by weight in the polyolefin composition. When used as a rod-like, plate-like molded body, rope, or net to be described later, 1 to 7% by weight is preferable. If the amount is less than 0.1% by weight, a sufficient insect repellent effect cannot be exhibited. If the amount is more than 10% by weight, molding becomes difficult and the strength is insufficient.
[0019]
Moreover, when using as a film, 0.2 to 3 weight% is preferable. If it is less than 0.1% by weight, the insect-proofing effect and antifogging property are insufficient, and if it is more than 10% by weight, molding becomes difficult and the film tends to block.
[0020]
The polyolefin used in the present invention is not particularly limited, and known ones are used. For example, homopolymers of α-olefins such as ethylene, propylene, 1-butene, 1-pentene, 1-hexene, 4-methyl-1-pentene, copolymers of the α-olefins, α-olefins and the like Copolymers of monomers other than copolymerizable α-olefins and α-olefins, and mixtures thereof. Examples of the monomer other than the α-olefin include vinyl acetate, maleic acid, vinyl alcohol, methacrylic acid, methyl methacrylate, and ethyl methacrylate.
[0021]
Among these polyolefins, polypropylene, polyethylene, propylene-ethylene copolymer, propylene-1-butene copolymer, and ethylene-propylene-1-butene copolymer are preferable from the viewpoint of chemical stability.
[0022]
The insect repellent material of the present invention is used by kneading the above amine compound or amide compound into a polyolefin and processing it into a certain form. Although a processing form and a usage method are not specifically limited, In general, it can be suitably used after being processed into a rod-like, plate-like molded body, rope, net, film, bag or the like.
[0023]
When the insect repellent material of the present invention is used as a rod-like or plate-like molded article, the above amine compound or amide compound is kneaded into polyolefin, and injection molding, extrusion molding, calendar molding, etc., such as plates, sheets, or piles Mold into shape. An insect repellent effect and a pest repellent effect can be obtained by stretching or hanging the molded product around a farm or an orchard, or driving a pile-shaped formed body.
[0024]
When the insect repellent material of the present invention is used as a rope or net, the above-mentioned amine or amide is kneaded into a polyolefin and molded into a yarn by inflation uniaxial drawing or made into a fiber by a monofilament molding method, and these are combined together to form a rope. how to. Alternatively, a method of processing these into a net or directly forming a net using a netron method is used. The ropes or nets obtained by these methods are stretched around the plantation or orchard, or the entire plant is covered with the insect or the orchard, thereby providing an insect repellent effect and a pest repellent effect.
[0025]
When the insect repellent material of the present invention is used as a film, the above amine compound or amide compound is kneaded into a polyolefin, and is formed into a uniaxially or biaxially stretched film, cast film, or inflation film by extrusion molding. By spreading the obtained film around the plantation or orchard or covering the whole, it is possible to obtain an insect repellent effect and a pest repellent effect on the entire plantation or orchard.
[0026]
When using the insect repellent material of the present invention as a bag for fruit cultivation, after processing the polyolefin kneaded with the above amine compound or amide compound into a cast film or a biaxially stretched film, a fusing seal or heat sealing is performed. And a method of forming a bag by an inflation film forming method and placing it on an immature fruit in an orchard.
[0027]
The bag for fruit cultivation used in this way not only has an insect repellent effect on fruits, but also has an insect repellent effect on the entire orchard. In addition, since the bag is transparent, the fruit's maturation state can be easily observed, and it also has anti-fogging properties. It can also prevent fogging.
[0028]
The film used for the bag for fruit cultivation of the present invention may be a single layer or a multilayer. As the polyolefin in the case of a single layer, among the above-mentioned polyolefins, it is common to use homopolypropylene or propylene-α-olefin copolymer having good transparency and film rigidity.
[0029]
Moreover, if the typical aspect made into a multilayer is illustrated, the base material layer will use the above-mentioned homopolypropylene or propylene-α-olefin copolymer, or a mixture thereof, and the surface layer has sealing properties and antifogging properties. Layers made of resin with excellent expression, such as polyethylene, propylene-ethylene copolymer, ethylene-1-butene copolymer, ethylene-propylene-1-butene copolymer, and blends based on these polyolefins The mode which laminates the layer which consists of things etc. on one side or both sides is mentioned. At this time, the amine compound or amide compound may be contained in either the base layer or the surface layer, or may be contained in both, but the content of the entire film must be in the above range.
[0030]
In this invention, the film which forms the bag for fruit cultivation selects the thing of thickness 10-60micro according to a use. In the case of a multilayer, the thickness of the surface layer is preferably 30% or less, more preferably 20% or less of the core layer from the viewpoint of transparency and film rigidity.
[0031]
Moreover, by providing pores in the fruit cultivation bag of the present invention, the antifogging property and the insect repellent effect are further improved. In consideration of the size of the pest and the respiration of the fruit, the pore size is 0.1 to 2 mm in diameter, 5000 to 500000 pieces / m ² , preferably 0.2 to 1 mm in diameter, 10,000 to 200000 pieces / m ² . ² .
[0032]
The method for producing the film for forming the bag for fruit cultivation of the present invention is not particularly limited as long as it is the above method, but a resin in which an amine compound or an amide compound is mixed with polyolefin is melted, extruded from a T-die, and a cast film. After corona discharge on one or both sides. Moreover, the method etc. which extend | stretch the said resin extruded from T die biaxially, and perform the corona discharge process of the one or both surfaces are used.
[0033]
In the case of a laminated film, a method of co-extruding the surface layer resin and the base layer resin, a method of laminating the surface layer resin on the base layer, and the like are used.
[0034]
The corona discharge treatment is not always necessary, but it is advantageous in order to develop better antifogging properties. The corona discharge treatment density varies depending on the resin used, but is generally 10 to 50 W · min / m ² .
[0035]
Biaxial stretching is preferred in terms of film rigidity, transparency, and surface gloss. The draw ratio is generally 3 to 6 times in the film flow direction (MD) and 7 to 12 times in the direction perpendicular to the direction (TD).
[0036]
A lubricant, an antiblocking agent, etc. can be added to the bag for fruit cultivation used by this invention as needed. Moreover, by printing on the upper part of the bag, fruits and the like that are easily tanned by direct sunlight can be uniformly matured.
[0037]
【The invention's effect】
As described above, the insect repellent of the present invention not only effectively prevents crop damage in orchards or plantations by using a polyolefin composition having a specific composition, but also insects in orchards and plantation areas. Exhibits repellent effect against It is considered that the amine compound and amide compound used in the present invention have excellent insect repellent effect and repellent effect against pests.
[0038]
In addition, when the insect repellent material of the present invention is used as a fruit cultivation bag, it has the insect repellent effect, repellent effect, and anti-fogging effect that were not obtained with conventional cultivation bags, so while observing the growth state of the fruit It can be cultivated extremely effectively.
[0039]
Since the insect repellent material of the present invention has the above-mentioned characteristics, it can effectively prevent crop damage and crossing damage during fruit pollination in orchards or farms, as well as insects in orchards and farm areas. Exhibits repellent effect against In particular, mosquitoes, chili mosquitoes, moths, turtle insects, scarabs, and these larvae are unlikely to occur. Moreover, it can be used suitably as a useful insect repellent material because the workers working in the farm are not obstructed by pests and can work without wearing insect repellent clothes and equipment.
[0040]
【Example】
Hereinafter, the present invention will be described with reference to examples and comparative examples, but the present invention is not limited to these examples.
[0041]
The evaluation method used in the following examples will be described.
[0042]
(1) The insect-repellent effect of turtles on pears 5: No insects donate to the bag.
[0043]
4: Almost no insects donate to the bag.
[0044]
3: Some insects donate to the bag.
[0045]
2: The insects donate to the bag.
[0046]
1: A lot of insects donate in the bag.
[0047]
(2) Turtle repellent effect in farm or orchard area 5: No insects donate to the area.
[0048]
4: Almost no insects donate to the area.
[0049]
3: Some insects donate to the area.
[0050]
2: Insects donate to the area, but there is some repellent effect.
[0051]
1: Insects are quite close to the area and have no repellent effect.
[0052]
(3) Anti-fogging effect of the bag for fruit cultivation 5: There is no cloudiness in the bag and the state of the fruit can be observed well.
[0053]
4: Although the bag is slightly cloudy, the state of the fruit can be observed well.
[0054]
3: Although the bag is cloudy, the state of the fruit can be observed.
[0055]
2: The bag is cloudy and the state of the fruit cannot be observed well.
[0056]
1: The bag is cloudy and the state of the fruit cannot be observed at all.
[0057]
Example 1
1% by weight of stearyl diethanolamine monostearate was added to homopolypropylene (MI = 2) and melt-kneaded to obtain a base layer resin. On the other hand, a propylene-ethylene random copolymer having an ethylene content of 6 mol% is used as a surface layer resin, and a 2 μm surface layer is laminated on both sides of a 20 μm substrate layer using a tenter biaxial stretching device and an inline lamination device. A biaxially stretched film was obtained. The draw ratio was 4.5 times for MD and 10 times for TD, and 30 W · min / m ² of corona discharge treatment was performed on both sides of the film. This film was made into a bag of 20 cm × 30 cm by a fusing seal method, and holes having a diameter of 0.5 mm were opened at a rate of 30000 holes / m ² to make a bag for fruit cultivation.
[0058]
The fruit cultivation bags thus obtained were attached to all pears of 100 m ² pear garden using strings. The antifogging effect of the bag for fruit cultivation, the insect repellent effect against pears, and the repellent effect of the entire orchard were observed, and the results are shown in Table 1.
[0059]
Example 2
The same procedure as in Example 1 was performed except that 0.3% by weight of stearyldiethanolamine was added as an amine compound. The results are shown in Table 1.
[0060]
Example 3
The same procedure as in Example 1 was conducted except that 2% by weight of myristyl diethanolamine monopalmitate was added as the amine compound. The results are shown in Table 1.
[0061]
Example 4
The same procedure as in Example 1 was conducted except that 1% by weight of stearic acid ethanolamide was added as an amide compound instead of the amine compound. The results are shown in Table 1.
[0062]
Example 5
The same procedure as in Example 1 was performed except that 0.5% by weight of myristic acid diethanolamide was added as an amide compound instead of the amine compound. The results are shown in Table 1.
[0063]
Example 6
The same procedure as in Example 1 was conducted except that 0.2% by weight of stearyl diethanolamine and 1% by weight of lauric acid diethanolamide were added. The results are shown in Table 1.
[0064]
Example 7
The same procedure as in Example 1 was performed except that no hole was made in the fruit cultivation bag.
[0065]
The results are shown in Table 1.
[0066]
Comparative Example 1
Nothing was given to the pear garden of 100 m ² pear, and the insect repellent effect on the pear and the repellent effect of the orchard as a whole were observed, and the results are shown in Table 1.
[0067]
Comparative Example 2
The same procedure as in Example 1 was performed except that no amine compound was added.
[0068]
The results are shown in Table 1.
[0069]
Comparative Example 3
The same procedure as in Example 1 was performed except that 1% by weight of glycerol monostearate was added instead of the amine compound. The results are shown in Table 1.
[0070]
Comparative Example 4
The same procedure as in Example 1 was performed except that 1% by weight of sorbitan monopalmitate was added instead of the amine compound. The results are shown in Table 1.
[0071]
Comparative Example 5
The same procedure as in Example 1 was performed except that 1% by weight of stearamide was added instead of the amine compound. The results are shown in Table 1.
[0072]
Comparative Example 6
The procedure was the same as in Example 1 except that stearyldiethanolamine monostearate was changed to 12% by weight. However, the film was blocked and could not be formed into a fruit cultivation bag.
[0073]
[Table 1]

Claims

An insect repellent material comprising a polyolefin composition containing 0.1 to 10% by weight of an amine compound represented by the following formula (1) .
R ¹ —N [(CH ₂ CH ₂ O) _n R ² ] ₂ (1)
[However, R ¹ represents an alkyl group or alkenyl group having 12 to 18 carbon atoms, n represents an integer of 1 to 3, R ² is H or COR ³ (R ³ is an alkyl group having 11 to 17 carbon atoms Represents.) ]

A bag for cultivating fruits obtained by bag-making a film comprising the polyolefin composition according to claim 1.