JP3821422B2 - 画像データの圧縮方法,圧縮/伸張方法,記録媒体,圧縮器,画像記憶装置,画像読取装置および画像形成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像データ転送の高速化および/又は画像メモリの画像データ蓄積可能量の向上のために画像データを圧縮する方法,それを復号伸張する方法,それらを実施する圧縮器,圧縮/伸張器,これを備える画像記憶装置,画像読取装置および画像形成装置、に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年の画像処理関連のディジタル機器においては高画質化のために、解像度を高くすることや階調数を多くする等の傾向がある。これらは画像の持つ情報量を細かく表現することになるので、再現画像の画質は向上する反面、画像の電子情報量は多くなるという問題がある。例えば後者の例を挙げると、従来2階調(白または黒の2値:1ビット)であった画像データを白黒256階調の、8ビットの画像データにすると、電子情報量は8倍になってしまう。情報量が8倍になると言うことはその画像を記憶するために必要とされる記憶容量も単純に計算すると8倍になってしまい、機器コストが増大するという問題になる。のみならず、1頁の画像データの転送時間が長くなる。そこで、通常は記憶容量削減のために画像を圧縮符号化する方法が適用される。
【0003】
画像の圧縮符号化には、符号化後の符号語長すなわち圧縮データのビット数又はバイト数から、それが原画像データの内容によって変動する可変長と、変動しない固定長に、大きく分けられる。前者の特徴は後者に比べて符号化効率(圧縮率)が高い点と可逆(原画像データを忠実に復元)可能である点に対し、後者の特徴は符号状態すなわち圧縮データで符号化前の画像上の位置がわかるために、画像上の任意の部分の圧縮データのみを特定して再生することが可能である。すなわち画像面上の指定領域の圧縮データの摘出が容易である。これらの特徴から前者はファクシミリのような、画像の合成,編集等の画像加工を行わない機器に適しており、後者は画像読取装置,複写機等の画像加工機能がある機器に適している。
【0004】
ここで画像加工機能がある複写機等に適している固定長符号化方式について考えると、最も簡単な方法には、1画素に割り当てる符号語長(圧縮データ上のビット数)を固定してしまう方法がある。例えば1画素8ビットの画像データを、1画素2ビットの圧縮符号語に変換するという方法である。しかし、この方法では画像の持つ部分的な特徴を圧縮符号語に反映しにくい。言い換えれば視覚的に重要である画像領域例えば濃度変化が大きいエッジと、そうでない画像領域例えば同一濃度の広がりとを圧縮符号語からは区別できないため、画質的には劣ったものになってしまう。画質を向上しようとすると1画素に割り当てるビット数を多くしなければならず、圧縮率が悪くなる。
【0005】
そこで、領域区分で各領域の特徴指標を算出してそれを一定値の閾値と比較して画質を検出して、画質に応じた変換方式で各領域を符号化することも考えられるが、閾値近くでしかも領域間でわずかに特徴指標が相違することによって、特徴の決定が例えば一方の領域でエッジ、その隣の領域で非エッジと切換ると、両領域の変換方式の相違により、復元画像において両領域の境界にブロック歪みと呼ばれる濃度変化が表れることがある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、画像データを、画像面上の位置の特定が容易な固定長圧縮データに変換ししかも再現画質の劣化を抑制することを第1の目的とする。更に具体的には、ブロック歪みのような画像劣化を抑制することを第2の目的とし、加えて、文字優先原稿においては文字,線画などの2値画像がきちんと現われ、また写真優先原稿においてはなめらかな階調性画像が現われる圧縮データを生成することを第3の目的とする。これらを実現するための圧縮器を提供することを第4の目的とし、画像データの蓄積能力が高い画像記憶装置を提供することを第5の目的とし、このような画像記憶装置を組み込んだ画像読取装置および画像形成装置を提供することを第6および第7の目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
(1)2次元の広がりがある1領域(4×4画素d0〜d15)の画像をあらわす画像データ群の中の、前記領域を複数に分割した各部分(b0〜b3)の画像データに基づいて、各部分の画像の特徴指標(H1〜H3)を導出し、該特徴指標、および、特徴指標を導出する部分の切換りの1回又は複数回毎に更新される閾値(Thij)、に基づいて各部分の特徴(エッジ/非エッジ)を決定し、該特徴に対応した圧縮データ(エッジ:min,max,2値d0,d1,・・・/非エッジ:平均値b0,b1, ・・・)を該部分に割り当てて、前記画像データ群を圧縮した固定長圧縮データ(図26の(c))を生成する、画像データの圧縮方法。
【0008】
なお、理解を容易にするためにカッコ内には、図面に示し後述する実施例の対応要素の符号又は対応事項を、参考までに付記した。以下も同様である。
【0009】
これによれば、1領域内の各部分の特徴に応じた圧縮データを含む固定長圧縮データが生成される。固定長圧縮データであるので、それが画像面上のどの位置に宛てられるものか位置の特定が容易である。特徴の決定に用いる閾値(Thij)が特徴指標(H1〜H3)を導出する部分(b0〜b3)の切換りの1回又は複数回毎に更新されるので、例えば同程度の特徴の画像データの部分が連続しているときでも、隣り合う領域の境界が目立ってしまうという確率が低下する。すなわち、ブロック歪みが抑制され再現画質が良くなる。
【0010】
【発明の実施の形態】
(2)異なった値の閾値を含む複数個の閾値でなる閾値群(PTD1,PTD1v,PTD2又はPTD3)から、特徴指標(H1〜H3)を導出する部分(b0〜b3)の切換りの1回又は複数回毎に、順番に閾値を特定して前記特徴の決定に参照する。これによれば、閾値群を、中心値の所定上下範囲内の異なった値を有する複数の閾値として、それらを値が高低に動揺する順番とすることにより、ブロック歪みの抑制効果が高い。
【0011】
(3)閾値群は、閾値の個数が異なる複数組(PTD1, PTD2およびPTD3)であり、「文字」,「写真」情報に対応して、「文字」情報のときには閾値の個数が少ない閾値群から閾値を特定し、「写真」情報のときには閾値の個数が多い閾値群から閾値を特定する。文字原稿の場合には、上述のブロック歪みを生ずる可能性が低く、エッジを鮮明に表す画質が望まれる。閾値の個数が少ない閾値群の適用はこれに適合性が高い。すなわち、復元画像において文字,線画などの2値画像がきちんと現われる。また写真原稿の場合には、上述のブロック歪みを生ずる可能性が高いが、閾値の個数が多い閾値群の適用はこれを押さえる効果が高い。
【0012】
(4)閾値群は、それに含まれる閾値の最大値と最小値との差が異なる複数組であり、「文字」,「写真」情報に対応して、「文字」情報のときには該差が小さい閾値群から閾値を特定し、「写真」情報のときには該差が大きい閾値群から閾値を特定する。文字原稿の場合には、ブロック歪みを生ずる可能性が低く、エッジを鮮明に表す画質が望まれる。閾値の最大値と最小値との差が小さい閾値群の適用はこれに適合性が高い。すなわち、復元画像において文字,線画などの2値画像がきちんと現われる。また写真原稿の場合には、上述のブロック歪みを生ずる可能性が高いが、閾値の最大値と最小値との差が大きい閾値群の適用はこれを押さえる効果が高い。
【0013】
(5)閾値群は、それに含まれる閾値の個数が多くしかも閾値の最大値と最小値との差が大きい組、および閾値の個数が少なくしかも該差が小さい組、を含む複数組であり、「文字」,「写真」情報に対応して、「文字」情報のときには閾値の個数が少ない閾値群から閾値を特定し、「写真」情報のときには閾値の個数が多い閾値群から閾値を特定する。上記(3)および(4)に記述した作用効果が得られる。
【0014】
(6)「文字」,「写真」情報はオペレータが定める。オペレータの文字優先、写真優先に従って、「文字」画像,「写真」画像それぞれの高画質の復元に適した閾値群が、画像データの符号化圧縮に用いられる。オペレータの意図が活かされる。
【0015】
(7)前記画像データ群もしくはそれが含まれる広域画像データ群又はその一部に基づいて「文字」,「写真」情報を自動生成する。これによれば、画像データに基づいて「文字」,「写真」が自動判定されて、それぞれに適した閾値群が選択される。自動的に、「文字」画像は鮮明な復元が可能な圧縮データに、「写真」画像はブロック歪が現われにくい圧縮画像データに、それぞれ変換される。
【0016】
1頁の原稿をスキャナで読んで先ず画像メモリに書込み、画像面上各部の特徴を像域分離処理によって判定し、画像メモリから画像データを読み出ししかも判定した特徴を参照して、該特徴を生かす処理を画像データに施してからプリントアウトするとか、プレスキャンによって画像を読みつつ像域分離処理によって各部の特徴を判定し、そして本スキャンで画像を読みながら、判定した特徴を参照して、該特徴を生かす処理を画像データに施してからプリントアウトするデジタル複写技術も知られており、カラースキャナにおいて利用される場合が多い。このような像域分離処理により画像の部分的な特徴、たとえば文字,文字/写真,写真、が検出される画像機器の場合、すなわち、広域画像データ群又はその一部に基づいて「文字」,「写真」情報を自動生成する画像機器の場合には、その判定情報に基づいて、閾値群を特定することができる。
【0017】
(8)2次元の広がりがある1領域の画像をあらわす画像データ群の中の、前記領域を複数に分割した各部分(b0〜b3)の画像データに基づいて各部分内の濃度差(H1〜H3)を演算し(図15の124c,124d:図17のA23〜A25)、
異なった値の閾値を含む複数個の閾値でなる閾値群(PTD1,PTD1v,PTD2又はPTD3)より、前記部分の切換えの1回又は複数回毎に読み出しアドレスを変更して、各部分宛ての閾値(Thij)を読み出し(図15の124e:図17のA22)、
各部分内の前記濃度差(H1〜H3)および読み出した閾値(Thij)に基づいて各部分がエッジか非エッジか判定し(図15の124d:図17のA23〜A25)、
非エッジと判定した部分の画像データを部分の全体濃度を保存して圧縮し、エッジと判定した部分の画像データを部分内濃度高低差を保存して圧縮し、各部分の圧縮データを固定長フレームに合成する(図15の124g:図17のA26〜A35,図21,図26の(c))、
画像データの圧縮方法。
【0018】
これによれば、1領域内の各部分がエッジか非エッジかに応じた圧縮データを含む固定長圧縮データが生成される。固定長圧縮データであるので、それが画像面上のどの位置に宛てられるものか位置の特定が容易である。エッジか非エッジかの決定に用いる閾値(Thij)が濃度差(H1〜H3)を導出する部分の切換りの1回又は複数回毎に更新されるので、例えば同程度の画像データの部分が連続しているときでも、隣り合う領域の境界が目立ってしまうという確率が低下する。すなわち、ブロック歪みが抑制され再現画質が良くなる。仮に、閾値を更新しないと、画像データに基づいて導出される濃度差(H1〜H3)が閾値近くでしかも領域間でわずかに相違することによって、エッジ/非エッジの決定が例えば一方の領域でエッジ、その隣の領域で非エッジと切換ると、両領域の圧縮データの特徴の相違により、復元画像において両領域の境界が目立ってしまうというブロック歪みを生ずることがあるが、本実施態様によればこれが抑制される。
【0019】
また、非エッジと判定した部分の画像データを部分の全体濃度を保存して圧縮し(図17のA21)、エッジと判定した部分の画像データを部分内濃度高低差を保存して圧縮する(図17のA26〜A35)ので、圧縮データから、エッジが鮮明で中間調が滑らかな画像を再現することが出来る。
【0020】
(9)上記(8)に記載の画像データの圧縮方法;ならびに、
かって該圧縮方法にて生成された固定長フレームの圧縮データのなかの全体濃度を保存した圧縮データを部分領域内全画素につき同一の画像データに復号伸張し、部分内濃度高低差を保存した圧縮データを部分領域内の一部の画素には高値の、残りの画素には低値の画像データに復号伸張して、これらの画像データを、1フレームの圧縮データを宛てる2次元領域宛ての画像データ群に合成する復号伸張(図15の124j,124k,124n:図22);
を行う画像データの圧縮/伸張方法。
【0021】
これによれば、全体濃度を保存した圧縮データが宛てられる部分(非エッジ部分)の全画素に全体濃度を表す画像データが与えられるので、該部分の原濃度が復元される。部分内濃度高低差を保存した圧縮データが宛てられる部分(エッジ部分)では、一部の画素には高値の、残りの画素には低値の画像データが宛てられてエッジの濃度差が復元される。これにより、エッジが鮮明で中間調が滑らかな画像を再現する信頼性が高い。
【0022】
(10)前記画像データの圧縮においては、前記領域を複数に分割した各部分が非エッジかエッジかの、領域内非エッジ/エッジ分布(図25)をモードコード(Mode No.)に変換し、固定長フレームに、前記非エッジ/エッジ対応の各部分あての圧縮データと共に書込む(図26の(c))、上記(8)又は(9)の方法。
【0023】
モードコードによって、領域内各部分が非エッジかエッジの分布(図25)が表わされるので、これによって各部分の圧縮方式と、固定長フレーム上の圧縮データ位置を規定し、固定長の圧縮データフレームを生成出来る。
【0024】
(11)前記画像データの復号伸張においては、固定長フレームの前記モードコード(Mode No.)に対応した区分けで、該フレームの各部分宛ての圧縮データを摘出してそれぞれを部分内画像データに復号伸張する、上記(10)記載の方法。
【0025】
モードコードによって、各部分の圧縮方式と、固定長フレーム上の圧縮データ位置が規定されているので、それにしたがって各部分宛ての圧縮方式対応の復号伸張方式を採用し圧縮データをフレームから摘出して、復号伸張することが出来、各部分宛ての復号伸張方式と圧縮データの確定を容易に行うことが出来る。
【0026】
(12)前記画像データの圧縮においては、
少なくとも非エッジと判定した部分の濃度を表す部分濃度データ(b0=L,・・・)を該部分の画像データに基づいて生成し(図17のA21)、
エッジと判定した部分内の画像データの最小値(Min)および最大値(Max)を検索し(図17のA27,A29)、
エッジと判定した部分内の画像データを2値データに変換して(図17のA31〜A35)、
前記領域内のモードコード(mode No.),非エッジ部分の部分濃度データ(b0=L,・・・),エッジ部分の最小値(min)および最大値(max)ならびに2値データ(d0,d1,・・・)、を固定長フレーム(図26の(c))に合成する(124g:図21)、上記(10)記載の方法。
【0027】
これによれば、非エッジと判定した部分の画像データを部分の全体濃度を保存する部分濃度データ(b0=L,・・・)に、エッジと判定した部分の画像データを部分内濃度高低差を保存する最小値(min)および最大値(max)ならびに2値データ(d0,d1,・・・)に変換するので、圧縮データから、エッジが鮮明で中間調が滑らかな画像が再現される。
【0028】
(13)前記画像データの復号伸張においては、固定長フレーム(図26の(c))のモードコード(mode No.)に基づいて領域内各部分の非エッジ/エッジを判定しかつ各部分あての圧縮データを摘出し、非エッジの部分の全画素には、部分濃度データ(b0=L,・・・)を復号伸張した画像データを与え、エッジ部分の、2値データ(d0,d1,・・・)が高濃度レベルであることを示すものである画素には、最大値(max)を復号伸張した画像データを与え、低濃度レベルであることを示すものである画素には、最小値(min)を復号伸張した画像データを与える、上記(12)に記載の方法。
【0029】
これによれば、非エッジ部分の全画素が該部分の濃度平均値をあらわす画像データとなり、エッジ部分では2値データが高濃度レベルであることを示す「1」の画素が最大値(max)を表す画像データとなり、2値データが低濃度レベルであることを示す「0」の画素が最小値(min)を表す画像データとなる。これによれば、復号伸張を比較的に容易に行うことができるのに加えて、エッジが鮮明で中間調が滑らかな画像を再現する信頼性が高い。
【0030】
(14)上記(8),(9),(10),(11),(12)又は(13)に記載の方法をコンピュータに実行させるプログラムを格納した記録媒体。これによれば、記録媒体を用いて多くのコンピュータに該プログラムをロードして、上記(8),(9),(10),(11),(12)又は(13)に記載の画像データ圧縮および/又は復号伸張を実現出来る。
【0031】
(15)異なった値の閾値を含む複数個の閾値でなる閾値群(PTD1,PTD1v,PTD2又はPTD3)を記憶する閾値メモリ(124f);
2次元の広がりがある1領域の画像をあらわす画像データ群の中の、前記領域を複数に分割した各部分(b0〜b3)の画像データに基づいて各部分内の濃度差(H1〜H3)を演算する手段(図15の124c,124d:図17のA23〜A25);
前記部分の切換えの1回又は複数回毎に前記閾値群(PTD1,PTD1v,PTD2又はPTD3)より順番に閾値を読み出す閾値更新手段(図15の124e:図17のA22);
各部分内の濃度差(H1〜H3)および読み出した閾値(Thij)に基づいて各部分がエッジか非エッジか判定する手段(図15の124d:図17のA23〜A25);および、
非エッジと判定した部分の画像データを部分の全体濃度を保存して圧縮し(図17のA21)、エッジと判定した部分の画像データを部分内濃度高低差を保存して圧縮し(図17のA26〜A35)、各部分の圧縮データを固定長フォーマット(図26の(c))に合成する圧縮データ生成手段(図15の124g:図17のA26〜A35,図21);
を備える、画像データの圧縮器(41/124)。これによれば、上記(8)と同様な作用,効果が得られる。
【0032】
(16)前記閾値群(PTD1,PTD1v,PTD2又はPTD3のThij)は、2次元分布の前記部分(b0〜b3)の各1個に各1個が宛てられる2次元マトリクス分布で読み出し可能に前記閾値メモリ(124f)に記憶され、前記閾値更新手段(図15の124e:図17のA22)は、前記濃度差演算手段(図15の124c,124d:図17のA23〜A25)の演算対象(b0〜b3)の2次元の位置変えと同じく前記閾値メモリ(124f)より閾値を読み出すアドレス(Txi,Tyj)を変える、上記(15)の画像データの圧縮器。
【0033】
これによれば、前記閾値群(PTD1,PTD1v,PTD2又はPTD3のThij)の閾値の2次元マトリクス分布によって、画像上の各部分の2次元分布に対して、例えば図23に示すPTD1,PTD1v,PTD2又はPTD3のように中心値40±αの値の閾値Tijの分布にして、マトリクスの中心から外方に行くにつれて閾値が低値から高値に次第に変化するように分布させる等により、面全体としてみれば、濃度の階調とエッジの明瞭を損なわないでブロック歪の発生を抑制することが出来る。
【0034】
(17)前記圧縮データ生成手段(124d,124g:図17のA21,A26〜A35、図21)は、非エッジと判定した部分にはその濃度を表す部分濃度データ(b0=L,・・・)を、エッジと判定した部分には該部分内の画像データの、最小値(min)および最大値(max)ならびに2値データ(d0,d1,・・・)を割り当てて、領域内の各部分がエッジか非エッジかの分布であるエッジ部分分布モード(mode No.)に対応する固定長フォーマット(図26の(c))に合成する。
【0035】
これによれば、非エッジと判定した部分の画像データを部分の全体濃度を保存する部分濃度データ(b0=L,・・・)に、エッジと判定した部分の画像データを部分内濃度高低差を保存する最小値(min)および最大値(max)ならびに2値データ(d0,d1,・・・)に変換するので、圧縮データから、エッジが鮮明で中間調が滑らかな画像が再現される。
【0036】
(18)前記圧縮データ生成手段(124d,124g:図17のA21,A26〜A35、図21)は、少なくとも非エッジと判定した部分の濃度を表す部分濃度データ(b0=L,・・・)を該部分の画像データに基づいて生成する手段(図17のA21);
エッジと判定した部分内の画像データの最小値(Min)および最大値(Max)を検索する手段(図17のA27,A29);
エッジと判定した部分内の画像データを2値データに変換する手段(図17のA31〜A35);および、
前記領域内の、各部分がエッジか非エッジかの分布であるエッジ部分分布モード(mode No.),非エッジ部分の部分濃度データ(b0=L,・・・),エッジ部分の最小値(min)および最大値(max)ならびに2値データ(d0,d1,・・・)、を固定長圧縮データ(図26の(c))に合成する手段(124g:図21);
を含む。
【0037】
これによれば、非エッジと判定した部分の画像データを部分の全体濃度を保存する部分濃度データ(b0=L,・・・)に、エッジと判定した部分の画像データを部分内濃度高低差を保存する最小値(min)および最大値(max)ならびに2値データ(d0,d1,・・・)に変換するので、圧縮データから、エッジが鮮明で中間調が滑らかな画像が再現される。
【0038】
(19)前記閾値メモリ(124f)には、閾値の個数が異なる複数組の閾値群(PTD1,PTD2,PTD3)があり;前記判定する手段(124d,124e:図17のA22〜A25)は、「文字」,「写真」情報に対応して、「文字」情報のときには閾値の個数が少ない閾値群から閾値を特定し、「写真」情報のときには閾値の個数が多い閾値群から閾値を特定する。
【0039】
文字原稿の場合には、上述のブロック歪みを生ずる可能性が低く、エッジを鮮明に表す画質が望まれる。閾値の個数が少ない閾値群の適用はこれに適合性が高い。すなわち、復元画像において文字,線画などの2値画像がきちんと現われる。また写真原稿の場合には、上述のブロック歪みを生ずる可能性が高いが、閾値の個数が多い閾値群の適用はこれを押さえる効果が高い。
【0040】
(20)前記閾値メモリ(124f)には、閾値の最大値と最小値との差が異なる複数組の閾値群(PTD1,PTD2,PTD3)があり;前記判定する手段(124d,124e:図17のA22〜A25)は、「文字」,「写真」情報に対応して、「文字」情報のときには該差が小さい閾値群から閾値を特定し、「写真」情報のときには該差が大きい閾値群から閾値を特定する。
【0041】
文字原稿の場合には、ブロック歪みを生ずる可能性が低く、エッジを鮮明に表す画質が望まれる。閾値の最大値と最小値との差が小さい閾値群の適用はこれに適合性が高い。すなわち、復元画像において文字,線画などの2値画像がきちんと現われる。また写真原稿の場合には、上述のブロック歪みを生ずる可能性が高いが、閾値の最大値と最小値との差が大きい閾値群の適用はこれを押さえる効果が高い。
【0042】
(21)前記閾値メモリ(124f)には、閾値の個数が多くしかも閾値の最大値と最小値との差が大きい組、および閾値の個数が少なくしかも該差が小さい組、を含む複数組の閾値群(PTD1,PTD2,PTD3)があり;前記判定する手段(124d,124e:図17のA22〜A25)は、「文字」,「写真」情報に対応して、「文字」情報のときには閾値の個数が少ない閾値群から閾値を特定し、「写真」情報のときには閾値の個数が多い閾値群から閾値を特定する。上記(19)および(20)に記述した作用効果が得られる。
【0043】
(22)前記判定する手段(124d,124e:図17のA22〜A25)は、前記画像データ群に基づいて「文字」,「写真」情報を自動生成する(図28)、上記(19),(20)または(21)記載の、画像データの圧縮器。
【0044】
これによれば、画像データに基づいて「文字」,「写真」が自動判定されて、それぞれに適した閾値群が選択される。自動的に、「文字」画像は鮮明な復元が可能な圧縮データに、「写真」画像はブロック歪が現われにくい圧縮画像データに、それぞれ変換される。
【0045】
(23)データバス(Pb)を介して画像データを受,送給するための画像データバッフアメモリ(124a),異なった値の閾値を含む複数個の閾値でなる閾値群を記憶する閾値メモリ(124f),前記画像データバッフアメモリ(124a)から、主,副走査方向(x,y)ともに複数画素の広がりがある1領域の画像をあらわす画像データ群の中の、前記領域を複数に分割した各部分(b0〜b3)の画像データを読み出して各部分内の濃度差(H1〜H3)を演算し、部分の切換えの1回又は複数回毎に前記閾値群より順番に閾値(Thij)を読み出して、各部分内の濃度差(H1〜H3)および読み出した閾値(Thij)に基づいて各部分がエッジか非エッジか判定する手段(124d,124e:図17のA22〜A25),非エッジと判定した部分の画像データを部分の全体濃度を保存して圧縮し(図17のA21)、エッジと判定した部分の画像データを部分内濃度高低差を保存して圧縮し(図17のA26〜A35)、各部分の圧縮データを固定長フォーマット(図26の(c))に合成する圧縮データ生成手段(124d,124g:図17のA21,A26〜A35、図21),固定長フォーマットの圧縮データを送,受給するための圧縮データバッファメモリ(124i)、および、圧縮データバッファメモリ(124i)の固定長フォーマットの圧縮データを画像データに復号化伸張して前記画像データバッフアメモリ(124a)に書き込む手段(124j,124k,124n)、を含む圧縮/伸張器(41/124);および、
前記圧縮/伸張器(41/124)が送出する圧縮データを書き込み、また、書き込んでいる圧縮データを読み出して圧縮/伸張器(41/124)に送出する記憶手段(34/128);
を備える画像記憶装置(41,34/124,128)。
【0046】
これによれば、1領域内の各部分がエッジか非エッジかに応じた圧縮データを含む固定長圧縮データを生成して記憶手段(34/128)に書きこむことが出来、また、記憶手段(34/128)から圧縮データを読み出して復号化伸張して前記画像データバッフアメモリ(124a)に書き込み、そしてデータバス(Pb)に送給することが出来る。画像データを符号化圧縮して記憶手段(34/128)に書きこむので、その画像データの蓄積能力が高い。記憶手段(34/128)に蓄積している圧縮データが固定長であるので、それが画像面上のどの位置に宛てられるものか位置の特定が容易であり、例えば1頁上の一部領域の画像編集をする場合、該一部領域に属する圧縮データのみを、容易に読み出すことが出来る。
【0047】
圧縮符号化時には、エッジか非エッジかの決定に用いる閾値(Thij)が濃度差(H1〜H3)を導出する部分の切換りの1回又は複数回毎に更新されるので、例えば同程度の画像データの部分が連続しているときでも、隣り合う領域の境界が目立ってしまうという確率が低下する。すなわち、ブロック歪みが抑制され再現画質が良くなる。仮に、閾値を更新しないと、画像データに基づいて導出される濃度差(H1〜H3)が閾値近くでしかも領域間でわずかに相違することによって、エッジ/非エッジの決定が例えば一方の領域でエッジ、その隣の領域で非エッジと切換ると、両領域の圧縮データの特徴の相違により、復元画像において両領域の境界が目立ってしまうというブロック歪みを生ずることがあるが、本発明の記憶装置によればこれが抑制される。
【0048】
また、非エッジと判定した部分の画像データを部分の全体濃度を保存して圧縮し(図17のA21)、エッジと判定した部分の画像データを部分内濃度高低差を保存して圧縮する(図17のA26〜A35)ので、記憶装置から読み出す圧縮データから、エッジが鮮明で中間調が滑らかな画像を表す画像データを再現することが出来る。
【0049】
(24)上記(23)記載の画像記憶装置(41,34/124,128);
原稿画像を読み取って画像データを生成するスキャナ(62);および、
該画像データを補正してデータバスを介して前記画像記憶装置(41,34/124, 128)に送給する画像処理装置(70);
を備える画像読取装置。これによれば、スキャナ(62)が発生する画像データを、画像記憶装置(41,34/124, 128)に、高速で大量に蓄積記憶でき、また、画像記憶装置(41,34/124, 128)から所望の画像の所望の編集領域の画像データを容易に読み出すことが出来る。
【0050】
(25)上記(23)記載の画像記憶装置(41,34/124,128);および、
該画像記憶装置(41,34/124,128)の圧縮/伸張器(41/124)が送出する、復号化伸張した画像データを用紙上にプリントアウトするプリンタ(90);
を備える画像形成装置。これによれば、画像記憶装置(41,34/124, 128)に画像データを大量に蓄積記憶して、該画像記憶装置(41,34/124, 128)から所望の画像の所望の編集領域の画像データを読み出してプリントアウトすることが出来る。
【0051】
(26)上記(23)記載の画像記憶装置(41,34/124,128);
原稿画像を読み取って画像データを生成するスキャナ(62);
該画像データを補正してデータバスを介して前記画像記憶装置(41,34/124, 128)に送給する画像処理装置(70);および、
前記画像記憶装置の圧縮/伸張器(41/124)が送出する、復号化伸張した画像データを用紙上にプリントアウトするプリンタ(90);
を備える画像形成装置。これによれば、上記(15),(17)および(18)に記載の作用効果が得られる。
【0052】
(27)外部からのプリント指示コマンドを解析して外部からの画像情報を画像データに変換して前記画像記憶装置の圧縮/伸張器(41/124)に与えるプリンタコントローラ(30);を更に備える、上記(25)又は(26)記載の画像形成装置。これによれば、パソコンが与えるプリント指示コマンドに含まれる画像情報を前記画像記憶装置(41,34/124,128)に蓄積記憶して、プリンタ(90)でプリントアウト出来る。
【0053】
(28)それぞれが上記(23)に記載の構成の第1および第2の画像記憶装置(41,34および124, 128);
原稿画像を読み取って画像データを生成するスキャナ(62);
該画像データを補正して第1又は第2の画像記憶装置(41,34/124,128)に送給する画像処理装置(70);
第1又は第2の画像記憶装置の圧縮/伸張器(41/124)が送出する、復号化伸張した画像データを用紙上にプリントアウトするプリンタ(90);
外部からのプリント指示コマンドを解析して外部からの画像情報を画像データに変換して第1又は第2の画像記憶装置の圧縮/伸張器(41/124)に与えるプリンタコントローラ(30);
を備える画像形成装置。これによれば、上記(23),(24),(25)および(26)に記載の作用効果が得られる。
【0054】
(28a)プリンタコントローラ(30)は、第1の画像記憶装置(41,34)にあるジョブの画像データを蓄積しているときに、他のジョブが発生したときにはその画像データを第2の画像記憶装置(124,128)に蓄積する。
【0055】
(29)前記閾値メモリ(124f)には、閾値の個数が異なる複数組の閾値群(PTD1,PTD2,PTD3)があり;装置の操作ボード(58)にはオペレータが「文字」,「写真」を選択指定する手段(60h,60i)があり;前記判定する手段(124d,124e:図17のA22〜A25)は、「文字」指定のときには閾値の個数が少ない閾値群(PDT1)から閾値を特定し、「写真」指定のときには閾値の個数が多い閾値群(PTD3)から閾値を特定する;上記(25),(26)又は(27)の画像形成装置。
【0056】
文字原稿の場合には、上述のブロック歪みを生ずる可能性が低く、エッジを鮮明に表す画質が望まれる。この場合にオペレータが選択指定手段(60h,60i)で「文字」を指定することにより、閾値の個数が少ない閾値群が選択され、画像データが、復元画像において文字,線画などの2値画像がきちんと現われる圧縮データに変換される。また写真原稿の場合には、ブロック歪みを生ずる可能性が高いが、オペレータが選択指定手段(60h,60i)で「写真」を指定することにより、閾値の個数が多い閾値群が選択され、画像データが、復元画像においてブロック歪を生じにくい圧縮データに変換される。
【0057】
(30)前記閾値メモリ(15)には、閾値の個数が異なる複数組の閾値群(PTD1,PTD2,PTD3)があり;装置は画像データに基づいて「文字」,「写真」情報を自動生成する画質検出手段(124d:図28)を含み;前記判定する手段(124d,124e:図17のA22〜A25)は、「文字」情報のときには閾値の個数が少ない閾値群(PTD1)から閾値を特定し、「写真」情報のときには閾値の個数が多い閾値群(PTD3)から閾値を特定する;上記(25),(26)又は(27)の画像形成装置。
【0058】
文字原稿の場合には、上述のブロック歪みを生ずる可能性が低く、エッジを鮮明に表す画質が望まれる。この場合に画質検出手段(124d:図28)が「文字」情報を自動生成するので、閾値の個数が少ない閾値群(PTD1)が選択され、画像データが、復元画像において文字,線画などの2値画像がきちんと現われる圧縮データに変換される。また写真原稿の場合には、ブロック歪みを生ずる可能性が高いが、画質検出手段(124d:図28)が「写真」情報を自動生成するので、閾値の個数が多い閾値群(PTD3)が選択され、画像データが、復元画像においてブロック歪を生じにくい圧縮データに変換される。
【0059】
(31)1領域(d0〜d15)の画像データの中の、該領域を複数に分割した各部分(b0〜b3)につき、部分に含まれる画像データに基づいて特徴指標を導出して、特徴指標と閾値にもとづいて特徴(エッジ/非エッジ)を決定し、該特徴から圧縮モードを定めて該部分の画像データを圧縮し、各部分の圧縮結果を1領域対応の固定長の圧縮データに合成する、画像データの固定長符号化(図26の(c))において、
マトリクスサイズをm×n、付加ノイズ量を±αとする変動しきい値マトリクス(PTD1,PTD2,PTD3)より、順次に閾値を選択して前記特徴(エッジ/非エッジ)の決定に用いることを特徴とする画像データの固定長符号化方法。
【0060】
これによれば、1領域内の各部分の特徴に応じた圧縮データを含む固定長圧縮データが生成される。固定長圧縮データであるので、それが画像面上のどの位置に宛てられるものか位置の特定が容易である。特徴の決定に用いる閾値(Thij)が変動しきい値マトリクス(PTD1,PTD2,PTD3)より順次に読み出されるものであるので、例えば同程度の特徴の画像データの部分が連続しているときでも、隣り合う領域の境界が目立ってしまうという確率が低下する。すなわち、ブロック歪みが抑制され再現画質が良くなる。ブロック歪みの抑制効果が高い。
【0061】
図23に、マトリクスサイズm=4,n=4、固定しきい値(中心値)を40とし、付加ノイズ量を±8とした、「文字」優先画像に適用する変動しきい値マトリクスPTD1,オペレータの調整により設定される、マトリクスサイズm=4,n=4、固定しきい値(中心値)を40とし、付加ノイズ量を±16とした、オペレータの調整により設定されるしきい値マトリクスPTD1v,マトリクスサイズm=8,n=8、固定しきい値(中心値)を40とし、付加ノイズ量を±16とした、「文字/写真」画像に適用する変動しきい値マトリクスPTD2、および、マトリクスサイズm=16,n=16、固定しきい値(中心値)を40とし、付加ノイズ量を±32とした、「写真」画像に適用する変動しきい値マトリクスPTD3、を示す。
【0062】
以上のように、エッジを判定するしきい値を固定ではなく変動をさせることでブロック境界線による画像劣化をなくす。
【0063】
(32)上記(31)において、操作者が操作部(58の60h,60I,60j)で選択する任意の画質モード(文字,文字/写真,写真)によって、m×nのマトリクスサイズが可変し、画質モードに適した変動しきい値マトリクスが選択されることを特徴とする固定長符号化方法。
【0064】
これによれば、操作者が操作部(58の60h,60I,60j)で選択する任意の画質モード(文字,文字/写真,写真)に対応したサイズの変動しきい値マトリクスが選択される。例えば、画質モードが文字であると図23に示す4×4サイズの閾値マトリクスPTD1が、文字/写真であると8×8サイズの閾値マトリクスPTD2が、また、写真であると16×16サイズの閾値マトリクスPTD3が選択される。
【0065】
文字優先原稿においては、マトリクスサイズが大きくなるとマトリクスサイズでしきい値が変動することから、大きすぎると文字部のトギレが目立つため小さいマトリクスサイズPTD1を選択する。反対に、写真モードでは大きいマトリクスサイズPDT3を選択する。これにより、ブロック歪みと呼ばれる画像劣化をなくすことができ、かつ文字優先原稿においては、解像力を重視し、文字をきちんとだすように、また写真優先原稿においては、階調性を重視しなめらかな画像を得ることができる。
【0066】
なお、画質モードにより、しきい値マトリクスサイズを可変しているが、画質モードによってハードを別にもつ必要は、必ずしもない。例えば、写真モードでは16×16サイズであるので16×16サイズのハードをもっておき、文字モードのときにはその一部の4×4サイズを切り出せば良い。
【0067】
(33)上記(31)又は(32)において、操作者が操作部(58の60h,60I,60j)で選択する任意の画質モード(文字,文字/写真,写真)によって、付加ノイズ量±αを可変し、画質モードに適した変動しきい値マトリクスが選択されることを特徴とする固定長符号化方法。
【0068】
これによれば、操作者が操作部(58の60h,60I,60j)で選択する任意の画質モード(文字,文字/写真,写真)に対応した付加ノイズ量±αの変動しきい値マトリクスが選択される。例えば、画質モードが文字であると図23に示す付加ノイズ量±α=±8の閾値マトリクスPTD1が、文字/写真であると付加ノイズ量±α=±16の閾値マトリクスPTD2が、また、写真であると付加ノイズ量±α=±32の閾値マトリクスPTD3が選択される。
【0069】
変動しきい値付加ノイズ量を大きくするとブロック境界線によるモアレを目立たなくすることができ、良好な画像が得られるが、変動しきい値付加ノイズ量を大きくしすぎると、文字のトギレなど文字部に悪影響を与える。したがって、文字優先原稿においては、小さい付加ノイズ量±8を選択する。反対に、写真モードでは大きい付加ノイズ量±32を選択する。これにより、ブロック歪みと呼ばれる画像劣化をなくすことができ、かつ文字優先原稿においては、解像力を重視し、文字をきちんとだすように、また写真優先原稿においては、階調性を重視しなめらかな画像を得ることができる。ここでいう付加ノイズ量±αとは、中心値すなわち固定しきい値(40)を基準とする変動量を意味する。
【0070】
本発明の他の目的および特徴は図面を参照した以下の実施例の説明より明らかになろう。
【0071】
【実施例】
−第1実施例−
図1に、本発明の一実施例の画像入出力システムの概要を示す。カラープリンタPTRに画像スキャナ62,ADF63,ソータ11及びその他図3に示す画像処理関連装置を組付けた画像形成装置は、パ−ソナルコンピュ−タ(以下PCと表現)等のホストPCa,PCb,PCcから、LAN又はパラレルI/Fを通じて、画像情報である印刷デ−タが与えられるとそれをプリントアウト(画像出力)できるシステム構成である。図1に示す画像形成装置は複合機能があるデジタルカラー複写機であり、それ自身で、原稿のコピ−を生成することもできる。該複写機は、構内交換器PBXを介して公衆電話網に接続され、公衆電話網を介して、遠隔のファクシミリと交信することができる。
【0072】
図2に、図1に示すデジタルカラー複写機の一部をなすプリンタPTRの機構概要を示す。この実施例のプリンタPTRは、電子写真方式のレ−ザ走査型のカラ−プリンタであり、プリンタ機構,給紙装置(バンク),両面給紙装置,及び後処理装置(ソータ)11によって構成されている。プリンタ機構PTRのレ−ザ走査器3には、Bk(黒),Y(イエロ−),M(マゼンタ),C(シア)の各色の成分に分解された画像データが、各色単位で与えられる。各色単位が1画像形成単位である。
【0073】
単色記録のときには、上記4色の内の一色の画像デ−タがレ−ザ走査器3に与えられる。感光体1は定速度で回転駆動され、メインチャ−ジャ2にて荷電され帯電位はクエンチングランプQLで適正電位に調整される。そして帯電面に、レ−ザ走査器3が画像デ−タで変調したレ−ザを走査投射する。これにより、画像デ−タに対応する静電潜像が感光体1に形成される。この静電潜像が、回転位置決め方式の現像装置4の、画像形成指定色(例えばBk)に対応する色の現像トナ−を有する現像器(Bk)にて現像されて顕像すなわちトナ−像となる。トナ−像は、転写チャ−ジャ5にて転写ベルト6に転写され、そして、転写分離チャ−ジャ8にて、レジストロ−ラ7で送り込まれる転写紙に転写され、トナ−像を担持する転写紙は、搬送ベルト9で定着器10に送り込まれる。定着器10は加熱,加圧により転写紙上のトナ−像を転写紙に固定する。定着を終えた転写紙は、ソ−タ11に排出される。トナ−像の転写を終えた感光体面はクリ−ニング装置12でクリ−ニングされる。転写ベルト6の転写を終えた面はクリ−ニングブレ−ド13で拭われる。14は、Pセンサと呼ばれる、感光体面上のトナ−濃度を検出する反射型の光センサ、15は転写ベルト6の基準位置を示すマ−クを検出する反射型の光センサ、16は定着ロ−ラの温度を検出する温度センサである。
【0074】
2色以上のカラ−重ね記録(最も代表的なものはフルカラ−記録)のときには、上述の、感光体1上へのトナ−像の形成と転写ベルト6への転写が、各色分繰返えされて転写ベルト6上において各色トナ−像が重ねて転写され、所要色分の重ね転写を終えてから、転写紙に転写される。
【0075】
図3に、図1に示す画像形成装置の電気システムの概要を示す。メインコントローラ50には、プリンタコントローラ30の他に、オペレータに対する表示とオペレータからの機能設定入力制御を行う操作部58、スキャナ62および原稿自動送り装置(ADF)63、原稿画像を画像メモリに書き込む制御および画像メモリからの作像を行う制御等を行う画像処理ユニット(IPU)70、ならびに、プリンタPTRの制御部90他が接続されている。各装置とメインコントローラ50は、必要に応じて機械の状態,動作指令のやりとりを行なう。
【0076】
パラレルおよびシリアルデータバス,アドレスバスならびに制御信号バスの全体でなる共通バスPbに、プリンタコントローラ30,メインコントローラ50およびバス制御61が接続され、しかも、追加接続、除去可能に、IPU70,プリンタ90(PTR),フアクシミリユニット(FCU)110,画像メモリ120,フロッピーディスク装置(FDD),コンパクトディスク装置(CDD),ハードデイスク装置(HDD),パターン認識装置,指標認識装置および著作データ認識装置が、それぞれコネクタを介して共通バスPbに接続されている。バスPbの、各装置を接続するポート(コネクタ)には、個別にIDが付与され、どの装置をバスPbに接続するか(バスを介しての装置間の接続)は、メインコントローラ50が、バス制御61を介してコントロールする。
【0077】
プリンタコントローラ30は、外部(ホストPCa〜PCc)からの画像情報である印刷データ及びプリント指示するコマンドを解析し、印刷データを出力画像データとして印刷できる状態にビットマップ展開し、印刷モードをコマンドから解析し動作を決定している。その印刷データ及びコマンドをLAN及びパラレルI/Fを通じて受信し動作するために、LANコントロール21とパラレルコントロール22がある。また、これらならびにプリンタコントーラ30を介して、機内で保持又は生成する、印刷データ,原稿読取りデータ,これらを出力用に処理した出力画像データ、および、それらを圧縮した圧縮データ、をホストPCa〜PCcに転送することができる。
【0078】
原稿スキャナ62は、原稿の表面に対するランプ照射の反射光をミラー及びレンズにより受光素子に集光する。受光素子(本実施例ではCCD)は、スキャナ62内のセンサー・ボード・ユニット(以下単にSBUと称す)にあり、CCDに於いて電気信号に変換された画像信号は、SBU上でデジタル信号すなわち読取った画像デ−タに変換された後、メインコントローラ50のI/Oポート(57:図5)及び共通バスPbを介して、SBUから、画像処理装置(IPU)70に出力される。スキャナ62に装着された自動原稿供給装置ADFは、スキャナ62に対して原稿を給,排する。
【0079】
メインコントローラ50がバス制御61を用いて、プリンタコントローラ30あるいはスキャナ62から、共通バスPbを介した、各装置70,90,110,120,FDD,CDD,HDDへの印刷データ,原稿読取りデータあるいはこれらを出力用に処理した出力画像データ、もしくは、それらを圧縮した圧縮データの転送に関するバス接続制御、逆に、各装置70,90,110,120,FDD,CDD,HDDから、共通バスPbを介した、プリンタコントローラ30への同上データの転送に関するバス接続制御、該各装置70,90,110,120,FDD,CDD,HDD間のデータ転送に関するバス接続制御、ならびに、共通バスPb上の転送ラインへの各認識装置の付加接続制御を行う。
【0080】
図4の(a)には、プリンタコントローラ30の構成を示し、図4の(b)には、コントローラ30内の画像メモリアクセス制御(IMAC)35の構成を示す。図5にはメインコントローラ50の構成を示し、図6にはIPU70の構成を、また図7には、プリンタPTRの制御部90の構成を示す。以下においては、プリンタPTRの制御部90を単にプリンタ90ということもある。
【0081】
スキャナ62と、プリンタ90内の作像プロセスコントローラ93とは、プリンタコントローラ30のシステムコントローラ31およびIPU70と、共通バスPbを介して相互に通信を行う。IPU70は、その内部に於いてパラレルバスとシリアルバスとのデータインターフェースのためのデータフォーマット変換を行う。スキャナ62の読取り画像デ−タは、IPU70に転送され、IPU70が、光学系及びディジタル信号への量子化に伴う信号劣化(スキャナ系の信号劣化:スキャナ特性による読取り画像デ−タの歪)を補正し、該画像デ−タをプリンタコントロ−ラ30のメモリMEM34,画像メモリ120,FDDのフロッピデイスク,CDDのコンパクトディスクまたはHDDのハードディスクに書込む。又は、IPU70の内部のプリンタ出力のための処理系で出力画像データに変換してプリンタ90に与える。
【0082】
すなわち、IPU70には、読取り画像デ−タをメモリMEM34他の記億媒体に蓄積して再利用するジョブと、メモリMEM34他の記億媒体に蓄積しないで、プリンタ90に作像出力するジョブとがある。メモリMEM34に蓄積する一例としては、1枚の原稿を複数枚複写する場合、スキャナ62を1回だけ動作させ、読取り画像デ−タをメモリMEM34に蓄積し、蓄積データを複数回読み出す使い方がある。メモリMEM34を使わない例としては、1枚の原稿を1枚だけ複写する場合、読取り画像デ−タをそのままプリンタ出力用に処理すれば良いので、メモリMEM34への書込みを行う必要はない。読取り画像デ−タの比較的に長期間の保存または大量の一時蓄積または保存を意図するときには画像メモリ120,FDDのフロッピデイスク,CDDの光ディスクまたはHDDのハードディスクに書込む。PCa〜PCbから与えられる印刷データ(テキストデータすなわち文章データ/イメージデータすなわちピクセルデータ)も同様である。スラッシュ/は、「又は」を意味する。
【0083】
まず、メモリMEM34を使わない場合、IPU70に於いてCCDによる輝度データを面積階調に変換するための画質処理79(図6)を行う。画質処理後の面積階調に変化された信号はプリンタ90に与えられ、そこの画像メモリ92を介して書込み制御94に与えられる。書込み制御94は、ドット配置に関する後処理及びドットを再現するためのパルス制御を、レ−ザプリンタPTRの作像ユニット3に対して行い、転写紙上に再生画像を形成する。
【0084】
メモリMEM34に蓄積し、それからの読み出し時に付加的な処理、例えば画像方向の回転,画像の合成等を行う場合は、IPU70からバスPbを経由して画像メモリアクセス制御IMAC35に送られる。ここではシステムコントローラ31の制御に基づき画像データとメモリモジュ−ルMEM34のアクセス制御,外部パソコンPCa〜PCcのプリント用データの展開(文字コ−ド/キャラクタビット変換),メモリ有効活用のための画像データの圧縮/伸張を行う。IMAC35へ送られたデータは、データ圧縮後MEM34へ蓄積し、蓄積データを必要に応じて読み出す。読み出しデータは伸張し、本来の画像データに戻しIMAC34からバスPb経由でIPU70へ戻される。IPU70は、画質処理を行い、プリンタ90に出力する。すなわち、転写紙上に顕像(トナ−像)を形成する。
【0085】
画像データの流れに於いて、メインコントローラ50の、共通バスPbでのバス制御61により、デジタル複写機の複合機能を実現する。複合機能の1つであるFAX送信機能は、スキャナ62の読取り画像データをIPU70にて画像処理を実施し、共通バスPbを経由してFAX制御ユニットFCU110へ転送する。
【0086】
各ジョブ、例えばコピー機能,FAX送受信機能およびプリンタ出力機能において、スキャナ62,IPU70,プリンタ90及びFCU110への共通バスPb使用権の割り振りを、システムコントローラ31およびメインコントローラ50が、バス制御61を介して制御する。
【0087】
IMAC35の機能構成の概略を示す図4の(b)を参照する。パラレルデータI/F36に於いて、共通バスPbに対する画像データの入,出力を管理し、MEM34への画像データの格納/読み出しと、主に外部のPCa,PCbから入力されるコードデータ(文章データ)の画像データ(イメージデータ)への展開を制御する。PCa,PCbから入力されたコードデータは、ラインバッファ37に格納する。すなわち、ローカル領域でのデータの格納を行い、ラインバッファ37に格納したコードデータは、システムコントローラI/F39を介して入力されたシステムコントローラ31からの展開処理命令に基づき、ビデオ制御38に於いて画像データに展開する。展開された画像データもしくはパラレルデータI/F36を介してパラレルバスから入力された画像データは、MEM34に格納される。この場合、データ変換部40に於いて格納対象となる画像データを選択し、圧縮/伸張器41においてメモリ使用効率を上げるためにデータ圧縮を行い、メモリアクセス制御部42にてMEM34のアドレスを管理しながらMEM34に画像データを格納する。MEM34に格納された画像データの読み出しは、メモリアクセス制御部42にて読み出し先アドレスを制御し、読み出された画像データを圧縮/伸張器41にて伸張する。伸張された画像データをパラレルバスへ転送する場合、パラレルデータI/F36を介してデータ転送を行う。
【0088】
メモリMEM34上の画像データ(圧縮データ)に対する付加的な処理、例えば画像方向の回転,画像の合成等を行う場合に、指定領域の画像データの特定を可能にするために、圧縮/伸張器41は、固定長符号化方式のものを採用しており、具体的にはこの実施例では、各画素の色濃度を1バイトで表す4×4=16画素領域あて16バイトの画像データを、4バイトの圧縮データに圧縮符号化する。また、その逆に、4バイトの圧縮データを、各バイトが4×4=16画素の各画素あてとなる16バイトの画像データに伸長復号化する。圧縮/伸張器41は、後述する画像メモリ120の圧縮/伸張器124と同一構成(機能)である。その機能は、後に詳細に示す。
【0089】
図5を参照する。メインコントローラ50は、画像データの流れを制御し、システムコントローラ31はシステム全体を制御し、各リソースの起動を管理する。このデジタル複合機能複写機の機能選択は、I/Oポート57に接続された操作ボ−ド58またはホストPCa〜PCcにて選択入力し、コピー機能,FAX機能,プリントアウト機能の選択と処理内容の設定,ならびに画像メモリ120,FDD,CDDおよびHDDに対する、印刷データ,原稿読取りデータ,これらを出力用に処理した出力画像データ、および、それらを圧縮した圧縮データ、の入,出力(書込み/読出し)等の処理内容を設定する。I/Oポート57に、スキャナ62およびADF63が接続されている。I/Oポート57は、共通バスPbに接続されている。
【0090】
メインコントローラ50は、プログラムやデータを格納するROM54,RAM56,フォントデ−タやプログラムを外部から供給するICカ−ド52,操作部58(パネル装置59〜60)からのモ−ド指示の内容,設定内容,画像出力装置の使用管理用の情報,著作権使用履歴ならびに画像出力装置の使用実績およびその他の、長期間の保存が望まれる設定情報および管理情報を記憶しておく不揮発性記憶装置であるNVRAM53、および、ROM54およびICカ−ド52のプログラム,操作部30からのモ−ド指示およびプリンタコントローラ30(ホストPCa〜PCc)からのコマンドに応じて、コントロ−ラ50全体およびバス制御61を制御し、入力装置30,62ならびに出力装置70,90,110,120,FDD,CDD,HDD、の装置間のバス接続を制御し、また、該接続に対するパターン認識装置,指標認識装置および又は著作データ認識装置の付加接続を制御するCPU51、を含む。
【0091】
図6に、図1に示すIPU70の処理機能の概要を示す。メインコントローラ50は、バス制御61及び共通バスPbを介して、スキャナ62からの読取り画像データをIPU70に入力する。IPU70においては、スキャナ62の読取り画像デ−タは、入力I/F(インタ−フェイス)71からスキャナ画像処理72へ伝達される。読取りによる画像情報の劣化の補正を主目的にして、スキャナ画像処理72は、シェーディング補正,スキャナγ補正およびMTF補正等を行う。補正処理ではないが、拡大/縮小の変倍処理も行う。
【0092】
画像データ入力制御72の入力データは、共通バスPbでの転送効率を高めるためにデータ圧縮部74に於いて、データ圧縮を行う。圧縮した画像デ−タは、パラレルデータI/F76を介してバスPbへ送出される。一旦スキャナ画像処理72を施した画像データをメモリMEM34又は増設の画像メモリ120に蓄積しておけば、画質処理79で施す処理を変える事によって種々の再生画像を確認することができる。例えば再生画像の濃度を振ってみたり、ディザマトリクスの線数を変更してみたりする事で、再生画像の雰囲気を変更できる。この時処理を変更する度に画像をスキャナ62で読み込み直す必要はなく、MEM34または120から格納画像を読み出せば同一データに対し、何度でも異なる処理を実施できる。
【0093】
転写紙への出力のときには、画質処理79に於いて面積階調処理を行う。画質処理後のデータは出力I/F80を介して、プリンタ90へ出力される。面積階調処理は、濃度変換,ディザ処理,誤差拡散処理等が有り、階調情報の面積近似を主な処理とする。
【0094】
バスPbからパラレルデータI/F76を介して入力される画像データは、バス転送のために圧縮されており、データ伸張部77で伸張される。伸張された画像データは、画像データ出力制御78によって画質処理79に渡される。IPU70は、パラレルデータとシリアルデータの変換機能を併せ持つ。システムコントローラ31は、パラレルバスにデータを転送し、メインコントローラ50は、シリアルバスにデータを転送する。コントローラ31と、スキャナ62およびメインコントローラ50との通信のために、デ−タ変換部75およびシリアルデ−タI/F83で、パラレル/シリアルデータ変換を行う。シリアルデータI/F82は、スキャナ画像処理72および画質処理79用であり、これらにもシリアルデ−タ転送する。
【0095】
なお、データ圧縮部74,データ伸張部78による圧縮,伸張は、共通バスを介する画像データ転送速度を高速にするためのものであるので、原画像データが忠実に復元される可変長符号化方式のものである。共通バスを介してIPU70から画像データを受けるユニットおよびIPU70に画像データを送出するユニットの、対IPUインターフェイスには、データ圧縮部74,データ伸張部78と同一ロジックの可変長符号化方式の圧縮/伸張器が組込まれている。
【0096】
図7に、図2に示すプリンタ90の電気系のシステム構成の概要を示す。コントローラ(メイン制御基板)93には、CPU,ROM,RAMがあり、又、シリアル通信ポート,入出力ポートが、それに接続されるものに応じて用意されている。単色記録,フルカラ−記録等の画像形成モード及び画像形成シーケンス等の管理は、コントローラ93のCPUにより制御される。又、コントローラ93には、両面制御ユニット98,バンク制御ユニット100,ソータ制御ユニット99がそれぞれシリアル通信により接続されている。
【0097】
モータ制御基板101は、本体紙搬送部のモータ,リボルバ駆動モータ,感光体と中間転写ベルトを駆動するモータ及び現像モータ、現像装置4の各色現像器のトナーを補給するための補給モータの駆動を行う。
【0098】
定着制御基板102は、コントローラ93の、定着器ヒータのオン/オフ信号出力と、定着温度センサの検出温度の読込み用のA/D端子に接続されている。定着制御基板102は、定着ロ−ラの温度を設定範囲内とするためのヒ−タ通電制御を行なう。Pセンサ制御回路97は、コントローラ93の、反射型光センサ14のLED点灯信号出力と、感光体の光反射レベルを読込むためのA/D端子に接続されている。
【0099】
図示プリンタ90(PTR)はデジタルレ−ザプリンタであり、画像データを画像メモリ92に取り込み、更に画像メモリ92から、書き込み制御ユニット94へ、感光体1を露光するLD(レ−ザダイオ−ド)の光放射変調情報として、コントローラ93上のCPUからの指示に応じて出力するようになっている。画像メモリ92内には画像デ−タ読み書き制御回路がある。この画像メモリ92は、複数の画像の各画像データを格納可能である。
【0100】
図8に、FAX送受信部FCU110の構成を示す。FCUにて公衆回線通信網PNへのデータ変換を行い、PNへFAXデータとして送信する。FAX受信は、PNからの回線データをFCU110にて画像データへ変換し、共通バスPbを経由してIPU70へ転送される。この場合特別な画質処理は行わず、プリンタ90においてドット再配置及びパルス制御を行い、プリンタPTRの作像ユニットに於いて転写紙上に顕像を形成する。
【0101】
FAX送受信部FCU110は、FAX画像処理112,画像メモり113,メモり制御部115,ファクシミリ制御部114,可変長符号化方式の画像圧縮伸張116,モデム117及び網制御装置118からなる。この内、FAX画像処理112に関し、受信画像に対する二値スムージング処理は、プリンタ90内のエッジ平滑処理において行う。又画像メモり113に関しても、出力バッファ機能に関してはIMAC35及びMEM34でその機能の一部をおぎなう。
【0102】
この様に構成されたFAX送受信部FCU110では、画像情報の伝送を開始するとき、ファクシミリ制御部114がメモリ制御部115に指令し、画像メモリ113から蓄積している画像情報を順次読み出させる。読み出された画像情報は、FAX画像処理112によって元の信号に復元されるとともに、密度変換処理及び変倍処理がなされ、ファクシミリ制御部114に加えられる。ファクシミリ制御部114に加えられた画像信号は、画像圧縮伸張部116によって符号圧縮され、モデム117によって変調された後、網制御装置118を介して宛先へと送出される。そして、送信が完了した画像情報は、画像メモリ113から削除される。
【0103】
受信時には、受信画像は一旦画像メモリ113に蓄積され、その時に受信画像を記録出力可能であれば、1枚分の画像の受信を完了した時点で記録出力される。又、複写動作時に発呼されて受信を開始したときは、画像メモリ113の使用率が所定値、例えば80%に達するまでは画像メモリ83に蓄積し、画像メモリ83の使用率が80%に達した場合には、その時に実行している書き込み動作を強制的に中断し、受信画像を画像メモリ83から読み出し記録出力させる。このとき画像メモリ113から読み出した受信画像は画像メモリ113から削除し、画像メモリ83の使用率が所定値、例えば10%まで低下した時点で中断していた書き込み動作を再開させ、その書き込み動作を全て終了した時点で、残りの受信画像を記録出力させている。又、書き込み動作を中断した後に、再開できるように中断時に於ける書き込み動作のための各種パラメータを内部的に退避させ、再開時に、パラメータを内部的に復帰させる。
【0104】
図9に、図2に示す画像メモリ120の構成を示す。画像メモリ120は、メモリーコントローラ121とメモリRAM127で構成されている。メモリコントローラ121は、入力データセレクタ122,画像合成123,1次圧縮/伸長124,出力データセレクタ125、および、2次圧縮/伸長126のブロックを有している。各ブロックへの制御データの設定は、メインコントローラ50が行なう。図9におけるデータとは画像データ(バスPbの一部)を示しており、アドレスデ−タ(バス)および制御信号(バス)の図示は省略している。
【0105】
メモリRAM127は、1次および2次記憶装置128および129からなる。1次記憶装置128は、入力画像データの転送速度に略同期してメモリへのデータ書き込み、または画像出力時のメモリからのデータ読み出しが高速に行えるように、例えばDRAM等の高速アクセスが可能なメモリを使用している。また、1次記憶装置128は、処理を行う画像データの大きさにより複数のエリアに分割して画像データの入出力を同時に実行可能な構成(メモリコントローラとのインターフェース部)をとっている。各分割したエリアに画像データの入力,出力をそれぞれ並列に実行可能にするために、メモリコントローラ121とのインターフェースで、リード用とライト用の二組のアドレス・データ線で接続されている。これによりエリア1に画像を入力(ライト)する間にエリア2より画像を出力(リード)するという動作が可能になる。
【0106】
2次記憶装置129は、入力された画像の合成,ソーティングを行うためにデータを保存しておく大容量のメモリである。1次,2次記憶装置とも、高速アクセス可能な素子を使用すれば、1次,2次の区別なくデータの処理が行え、制御も比較的簡単になるが、DRAM等の素子は高価なため、2次記憶装置107にはアクセス速度はそれほど速くないが、安価で、大容量の記録媒体を使用し、入出力データの処理を一次記憶装置128を介して行う構成になっている。
【0107】
すなわち、画像メモリ120に与えられる画像データは、固定長符号化方式の1次圧縮/伸張器124で圧縮されて一次記憶装置128に一旦記憶され、そして可変長符号化方式の2次圧縮/伸張器126で圧縮されて二次記憶装置129に格納される。二次記憶装置129から読み出すときには、先ず可変長符号化方式の圧縮データが2次圧縮/伸張器126で復号されて一次記憶装置128に書きこまれる。そして、一次記憶装置128の2次復号データすなわち1次圧縮データが一次記憶装置128から読み出されて、1次圧縮/伸張器124で画像データに復号される。例えばRAM127から画像データを読み出して画像データに対する付加的な処理、例えば画像方向の回転,画像の合成等を画像合成123で行う場合に、指定領域の画像データの特定が容易であるように、1次圧縮/伸張器124は、固定長符号化方式のものを採用しており、具体的にはこの実施例では、各画素の色濃度を1バイトで表す4×4=16画素領域あて16バイトの画像データを、4バイトの圧縮データに圧縮符号化する。また、その逆に、4バイトの圧縮データを、各バイトが4×4=16画素の各画素宛てとなる16バイトの画像データに伸長復号化する。1次圧縮/伸張器124の機能は、後に図15以下を参照して具体的に説明する。
【0108】
再度図3を参照する。共通バスPbにコネクタを介して接続されているパターン認識装置は、著作権情報を表す数種の画像パターン(文字,記号,図形あるいはそれらの組合せ)を認識するためのパターン特徴情報ならびに印紙および紙幣を認識するためのパターン特徴情報を内蔵し、共通バスPbを通して転送される画像データ(イメージデータ)が表す画像上または圧縮データ群中に、著作権情報を表す画像パターンがあるかを識別して、あるときには、画像パターン対応の著作権ID情報を発生してメインコントローラ50に報知する。画像データが表す画像が印紙または紙幣である時には、それをあらわす情報をメインコントローラ50に発信する。また、パターン認識装置は、メインコントローラ50から著作権情報データが与えられると、それによって特定される画像パターン(著作権情報)の画像データを、メインコントローラ50が指定するタイミングで発生して、共通バスPbに出力する。これにより、その時の画像データ転送先(例えば複写ジョブの時にはプリンタ90)に、著作権情報を表す画像パターンが与えられ、プリンタPTRが、著作権情報付きの画像をプリントアウトする。
【0109】
同じく共通バスPbにコネクタを介して接続されている指標認識装置は、著作権情報又はその存在を表すバーコード,自己クロッキンググリフコードなどの指標を認識するための画像特徴情報を内蔵し、共通バスPbを通して転送される画像データ(イメージデータ)が表す画像上または圧縮データ群中に著作権情報を表す指標があるかを識別して、あるときには、著作権ID情報を発生してメインコントローラ50に報知する。また、指標認識装置は、メインコントローラ50から著作権情報データが与えられると、それによって特定される指標の画像データ(指標データ)をメインコントローラ50が指定するタイミングで発生して、共通バスPbに出力する。これにより、その時の画像データ転送先(例えば複写ジョブの時にはプリンタ90)に、著作権情報を表す指標データが与えられ、プリンタPTRが、著作権指標付きの画像をプリントアウトする。
【0110】
同じく共通バスPbにコネクタを介して接続されている著作データ認識装置は、転送データの制御情報であって、転送データとは分離した属性情報又はヘッダー情報、すなわち属性データ、に含まれる著作権データを認識するための著作権情報を内蔵し、共通バスPbを通して転送される印刷データ(文章データ/イメージデータ)に付帯する制御情報に著作権データがあるかを識別して、あるときには、著作権ID情報を発生してメインコントローラ50に報知する。また、著作データ認識装置は、メインコントローラ50から著作権情報データが与えられると、それによって特定される著作権データをメインコントローラ50が指定するタイミングで発生して、共通バスPbに出力する。これにより、その時の画像データ転送先(例えばFDDへの登録ジョブの時にはFDD)に、著作権データが与えられ、転送データと共に、転送先の出力媒体(フロッピーディスク)に記録される。
【0111】
操作部58には、図11に示す様に、液晶タッチパネル59,テンキー60a,クリア/ストップキー60b,スタートキー60c,モードクリアキー60e,テスト印刷キー60f、および、「複写」機能,「スキャナ」機能,「プリント」機能,「ファクシミリ」機能,「蓄積」機能,「編集」機能,「登録」機能およびその他の機能の選択用および実行中を表わす機能選択キー60gがある。液晶タッチパネル59には、機能選択キー60gで指定された機能に定まった入出力画面が表示され、例えば「複写」機能が指定されているときには、機能キー59gならびに部数及び画像形成装置の状態を示すメッセージが表示される。テスト印刷キー60fは、設定されている印刷部数に関わらずに1部だけを印刷し、印刷結果を確認するためのキーである。また、初期設定キ−60dが操作されると、各種初期値を設定するための「初期値設定」機能ならびに「ID設定」機能,「著作権登録/設定」機能および「使用実績の出力」機能、の選択メニューが表示される。
【0112】
図10に、メインコントローラ50の、操作部58からの、又はプリンタコントローラ30を介してホストPCa〜PCcからの、入力(コマンド)に応答して実行する機能を示す。メインコントローラ50は、機能指定コマンドの入力があると(SB1,S1,S2)、指定された機能を実行するサブルーチンSB3,SB4,SB5,・・・に進み、サブルーチンの中のIDの設定又はチェックが必要なステージで、ID入力を促し、IDの入力があるとそれをセーブして(SB1,S1,SB2)、その登録又はチエック以下の処理に進む。
【0113】
「ID設定」機能(SB3)は、メインコントローラ50(図3に示す画像形成装置)のIDと、使用者(およびホスト)IDならびに使用者に対しての、本画像形成装置使用可否,使用制限ならびに使用可能な著作権のIDを、NVRAM53に登録、あるいは登録を変更,削除、するものである。
【0114】
「著作権登録/設定」機能(SB4)は、著作権登録と著作権設定の2系統の処理を含む。著作権登録が選択された場合には、本装置の使用可能な著作権の分類のIDと、個別管理が必要な著作権のIDと、その使用管理に必要な情報をNVRAM53に登録、あるいは登録を変更,削除、する。著作権設定が選択された場合には、著作権情報の入力を促し、著作権情報の入力があるとそれをレジスタにセーブする。この著作権情報は、この機能を終了して、次に起動される機能でのデータ転送で転送される、印刷データ,原稿読取りデータ,これらを出力用に処理した出力画像データ、又は、それらを圧縮した圧縮データ、に付加され、しかも、転送先が著作権使用処理要と定めた出力装置(プリンタ90,FCU110,FDD又はCDD)である場合は、該著作権情報に基づいた著作権使用処理が実行される。
【0115】
「使用実績の出力」機能(SB5)は、本画像形成装置全体(装置ID)としての、また、各使用者ID宛ての、機能使用実績および著作権使用実績を、操作部58からの入力で指定される装置(FDD,CDD又はHDD)に記録し、プリンタ90(PTR)でプリントアウトするものである。この機能の実行は、NVRAM53に登録されている本画像形成装置のIDが操作部58から入力されることを条件としている。
【0116】
「コピー」機能(SB6)は、原稿スキャナ62で読みとった画像を、プリンタ90(PTR)で転写紙に指定された動作で複写する機能である。この機能の実行は、NVRAM53に登録されているいずれかの使用者IDが操作部58から入力されることを条件としている。また、原稿に著作権情報がついているときには、それにあてられた著作権IDが、使用許可のものとして該使用者IDにリンクしてNVRAM53に登録されていることを条件としている。
【0117】
「スキャナ」機能(SB7)は、操作部58又はホストPCa〜PCcからの指示に応じて、原稿スキャナ62で原稿の画像を読み取ってホストPCcのディスプレイに表示し、もしくは、読みとった画像データを、プリンタコントローラ30を介してホストPCa〜PCcに、画像メモリ120に、FDDに、CDDに、あるいは、HDDに転送して書込む機能である。この機能の実行は、NVRAM53に登録されているい使用者IDまたはホストIDが操作部58又はホストから入力されることを条件としている。また、画像データの転送先がFDD,CDD又はホストPCa,PCbなど、外部への画像配布を生じる可能性がある転送になる場合に、原稿に著作権情報がついているときには、それにあてられた著作権IDが、使用許可のものとして該使用者ID又はホストIDにリンクしてNVRAM53に登録されていることを条件としている。
【0118】
「プリント」機能(SB8)は、LAN及びパラレルI/F等で接続されたホストPCa〜PCcが与えるデ−タあるいは画像メモリ120,FDD,CDD又はHDDの印刷データを、ホスト又は操作部58の指示に対応して、プリンタ90(PTR)で画像出力(プリント出力)する機能である。この機能の実行も、ホスト又は使用者のIDがNVRAM53に登録されていることを条件としている。また、印刷データに著作権情報が含まれているか、印刷データの属性情報又はヘッダー情報、すなわち属性データ、に著作権情報があるときには、それにあてられた著作権IDが、使用許可のものとして該ホスト又は使用者IDにリンクしてNVRAM53に登録されていることを条件としている。
【0119】
「ファクシミリ」機能(SB9)は、原稿の画像をスキャナ62で読んでFCU110に画像データを転送する機能である。また、LAN及びパラレルI/F等で接続されたホストPCa〜PCcが与えるデ−タを、ホストの指示に対応して、FCU110に転送する機能、ならびに、画像メモリ120,FDD,CDDまたはHDDに記録している印刷データを、操作部58またはホストの指示に対応して、FCU110に転送する機能も含まれる。この機能の実行も、使用者あるいはホストのIDがNVRAM53に登録されていることを条件としている。また、転送データに著作権情報がついているときには、それにあてられた著作権IDが、使用許可のものとして該使用者あるいはホストのIDにリンクしてNVRAM53に登録されていることを条件としている。
【0120】
「蓄積」機能(SB10)は、現行ジョブ実行中(例えば装置が「複写」又は「プリント」機能での画像形成動作中)に、他ジョブの、スキャナ62で読みとった画像やホストPCa〜PCcからの画像データを、画像メモリ120またはHDD123に蓄積し、先行ジョブの遂行完了後にプリント出力する機能である。この機能の実行も、使用者あるいはホストのIDがNVRAM53に登録されていることを条件としている。
【0121】
「編集」機能(SB11)は、プリンタコントローラ30,画像メモリ120,FDD,CDD又はHDDの印刷データ,原稿読取りデータ又はこれらを出力用に処理した出力画像データ、をホストPCcのディスプレイに表示して、文章編集および又はイメージ編集をして、必要(入力コマンド)に応じて、出力処理「プリント」,「ファクシミリ」または「登録」を行う機能である。この機能の実行も、使用者あるいはホストのIDがNVRAM53に登録されていることを条件としている。
【0122】
「登録」機能(SB12)は、操作部58またはホストの指示に対応して、ホストPCa〜PCcやスキャナ62からの印刷データ,原稿読取りデータ、もしくはこれらを出力用に処理した出力画像データ又はそれらを圧縮した圧縮データを、画像メモリ120,FDD,CDDまたはHDDに記録する機能である。この機能の実行も、使用者あるいはホストのIDがNVRAM53に登録されていることを条件としている。また、画像データの転送先がFDD又はCDDなど、外部への画像配布を生じる可能性がある転送になる場合に、転送データに著作権情報がついているときには、それにあてられた著作権IDが、使用許可のものとして該使用者ID又はホストIDにリンクしてNVRAM53に登録されていることを条件としている。
【0123】
図12から図14に、操作部58の液晶タッチパネル59の表示の数例を示す。オペレータが液晶タッチパネル59に表示されたキーにタッチする事で、キ−ブロックの表示が網掛け表示に変わる。また、機能の詳細を指定しなければならない場合(例えば変倍であれば変倍値等)は、キーにタッチする事で、詳細機能の設定画面(サブメニュ−)が表示される。
【0124】
図12の(a)は、「コピー機能」を選択設定する画面で、該画面上の左上位置は、「コピーできます」,「お待ください」等のメッセージを表示するメッセージエリア、その右は、セットした枚数を表示するコピー枚数表示部、その下は、画像濃度を自動的に調整することを指定するための自動濃度キー,転写紙を自動的に選択することを指定するための自動用紙選択キー,コピーを一部ずつページ順にそろえる処理を指定するためのソートキー,コピーをページ毎に仕分けする処理を指定するためのスタックキー,ソート処理されたものを一部づつ綴じる処理を指定するためのステープルキー,等倍の倍率を指定するための等倍キー、拡大/縮小倍率を指定するための変倍キー,両面モードを指定するための両面キー,とじ代モード等を指定するための消去/移動キー、および、スタンプや日付やページ等の印字を指定するための印字キーである。変倍指示キーの上方には、黒,青,赤および黄の各単色記録を指定するキー,フルカラー記録指示キー,自動色選択指示キーがあり、それらの左隣にはカラーバランス調整指示キーがある。選択されているモードはキーブロックの網掛け表示で示される。カラーバランス調整指示キーにタッチがあると、パネル59の画面が、カラーバランス調整入出力用の画面に切換る。
【0125】
図12の(b)は、「プリンタ機能」用の操作画面である。印刷要求の許可を設定するためのオンライン/オフラインキー,データイン状態で排出されていない画像を強制排出することを指定するための強制排出キー,画像データのデータ入力状態を示すデータイン表示、および、転写紙のセット状況を知らせる表示がある。パソコンの印刷コマンドを実行するオンラインのときには、印刷色選択キーなどカラー選択,調整キーは、これらはパソコンのコマンドに従うので、選択不可のゴースト表示であるが、オフライン(登録画像のプリントアウト)のときには、選択可の実像表示になる。
【0126】
図13は、オフラインの一態様である「蓄積コピー機能」用の操作画面である。図13の(a)は、蓄積された画像データの各ファイルリスト画面である。転送された画像のユーザー名,ファイル名,ページ数および登録時刻が表示される。網掛け表示部は、出力指定されたファイルを示し、順の項目は、その印刷順を示している。個々での出力指定は複数設定可能で設定順に出力をおこなう。印刷キーは、設定したファイルを印刷する画面〔図13の(b)〕へ移行させるためのキーである。読み取りキーは、スキャナからの画像を蓄積するための画面に移行するためのキーである。取消キーは、画像出力のために設定したファイル選択を解除するためのキーである。矢印キーは、ファイル数が一度に表示できるファイル数を越えた場合に、画面をスクロールするためのキーである。削除キーは選択ファイルを削除するためのキーである。
【0127】
図13の(b)は、蓄積コピーの出力設定画面である。出力条件を設定し、コピー動作をスタートキー60c(図11)にて開始できる。複数のファイルを設定した場合は、それらが、設定順につながったひとかたまりの画像群として処理される。よってステープルモードを設定するとファイル毎ではなく、画像群全体が1グル−プとしてステープルされる。
【0128】
図14の(a)は、スキャナからの画像デ−タを蓄積するためのオペレ−タ入力画面である。オペレ−タが各モードを設定し、スタートキー60cにて読み込み動作が開始される。このファイルのユーザー名およびファイル名は、自動的に図示例のように設定される。複数ある場合はファイル名を区別できるようにネーミングされる。読み込み終了キーで読み込み動作が終了しファイルが閉じられる。
【0129】
スキャナからの画像デ−タをMEM34または画像メモリ120に蓄積する場合には、圧縮/伸張器41または圧縮/伸張器124で固定長符号化を行うので、それを行うときに参照するしきい値Thijの設定を、「自動」でするか、この入力画面でオペレータ入力による「選択」でするかを指定するキー表示「自動」,「選択」があり、「自動」が指定されると、図14の(a)に示す様に、「選択」用の項目がゴースト表示になるが、「選択」が指定されると、図14の(b)に示すように、しきい値Thij群のサイズ,範囲およびしきい値中心値が実像表示される。
【0130】
図15に、図9に示す1次圧縮/伸張器124の機能構成を示す。なお、図4の(b)に示す圧縮/伸張器41も、124と同一構成および同一機能である。圧縮/伸張器124は、CPUを主体とするコンピュータMPUに各種メモリを組合わせたASICであり、図15にはその機能の概要を示す。
【0131】
圧縮/伸張器124には、少なくともXb(例えばXb=4)ライン分の多値画像データ(1画素宛て1バイト)を読み書きできるFiFOメモリである多値データバッフアメモリ124aがあり、圧縮処理のときには共通バスPbを介して与えられる画像データがXbライン分ごとに書きこまれる。圧縮データの入出力用に少なくともデータバッフアメモリ124aのメモリ容量の(Xb/Xa)・(Yb/Ya)例えば1/4以上の記憶容量のフレームデータメモリ124iがある。また、図23に示すXb×Yb(例えば4×4)個のしきい値群PTD1,Xc×Yc(例えば8×8)個のしきい値群PTD2およびXd×Yd(例えば16×16)個のしきい値群PTD3を格納した閾値メモリ124fがあり、また、1領域の画像データ(1画素宛て1バイト、計Xb×Ybバイト、例えば16バイトの画像データ)を、図26の(c)に示すmode0〜15のいずれかの、4バイトの圧縮データに変換する圧縮データ生成(エンコーダ)プログラムを格納した符号化テーブル124hならびに圧縮データを画像データに復号化伸張する画像データ生成(デコーダ)プログラムを格納した復号化テーブル124mがある。
【0132】
以下に、具体的にXb=4,Yb=4として1領域を4×4画素とし、その部分をXa=2,Ya=2として1領域を4つの部分に分割して1部分を2×2画素として説明すると、領域分割124bによって、メモリ124aからは、4×4画素を1領域として、領域区分で画像データが読み出される。部分選択124cが、読み出された1領域の1/4の部分を切り出す。1領域が圧縮符号化の1単位、切り出した部分が画質把握の1単位である。
【0133】
ここで、1領域(圧縮符号化の1単位:4×4画素)の画像データを図26の(b)に示す様に、d0〜d15で表し、1/4部分(画質把握の1単位:2×2画素)を図26の(a)に示す様に、b0,b1,b2およびb3で表すと、部分選択124cが切り出した各部分b0〜b3の画質を画質検出124dが検出して、画質をあらわす情報(画質情報)を発生する。この実施例では、画質情報は、各部分に含まれる2×2画素の各画像データが表す値(0〜255)を図23に示す様にa,b,cおよびd、例えば図26の(a)に示す部分b0の第1番の画素d0の画像データd0が表す値がa、第2番の画素d1の画像データd1が表す値がb、第3番の画素d2の画像データd2が表す値がc、および、第4番の画素d3の画像データd3が表す値がd、とすると、部分b0の画質情報は、
1) 部分の濃度平均値 L=(a+b+c+d)/4,
2) 部分b0がエッジ領域かを判定した結果を表すMode No.、および、
3) エッジ領域との判定結果となった場合は、部分b0内の各画素d0,d1,d2,d3が高濃度画素「1」か低濃度画素「0」かを表す、2値データd0,d1,d2,d3、である。
【0134】
エッジ領域か否かの判定では、
H1=(a+c)/2−(b+d)/2≧Thij?,
H2=(a+b)/2−(c+d)/2≧Thij?および
H3=(a−b)/2−(c−d)/2≧Thij?、
のいずれかが成立すると、部分b0をエッジ領域と判定し、4ビット構成のMode No.データの最下位ビットを「1」として、a,b,c,dをそれぞれ、しきい値
Tbo=(Max+Min)/2
で2値化して、上記3)の、各画素d0,d1,d2,d3が高濃度画素「1」か低濃度画素「0」かの2値データd0,d1,d2,d3を生成する。ここで、Maxは、a,b,c,dの中の最大値、Minは最小値である。
【0135】
エッジ領域か否かの判定に用いる閾値Thijは、判定対象「部分」の切換り(例えばb0からb1への切換り)に同期して、閾値マトリクス(PTD1,PTD2又はPTD3)上で、次のものに(例えば図23のPTD1上の、「45」から「41」に)切換えられる。この切換えを、閾値選択124eが行う。
【0136】
閾値選択124eは、複数の閾値群PTD1,PTD1v,PTD2およびPTD3のいずれかを選択する「閾値群を選択」s2と、選択された閾値群のなかから所定の順番で1つの閾値Thijを選択する「閾値更新」s22を含む。「閾値群を選択」s2では、図11に示す画質指定キーの中の、「文字」指定キー60hがオペレータによって押されて選択された表示になっているときには、図23に示す閾値群PTD1を選択し、「文字/写真」指定キー60iがオペレータによって押されて選択された表示になっているときには、図23に示すPTD2を選択し、「写真」指定キー60jがオペレータによって押されて選択された表示になっているときには、図23に示す閾値群PTD3を選択する。ただし、これは図14の(a)に示す様に、「自動」が設定されている場合である。図14の(b)に示す様に「選択」を指定したときには、それによってオペレータが生成または調整した任意の閾値マトリクス(例えば図23のPTD1v)を選択する。
【0137】
「閾値更新」s22は、選択された閾値群(x,yに分布する閾値マトリクス)の中の閾値Tijを特定する読み出しアドレスデータを、前述の判定対象「部分」の切換り(例えばb0からb1への切換り)に同期して変更することによって、読み出し閾値を順次に変更する。この閾値の読み出しは、図17のステツプ22に示し、後述する。
【0138】
符号化124gは、1領域(d0〜d15)の4部分(b0〜b3)それぞれの、画質検出124dで生成した画質情報に基づいて、該領域の圧縮データを、符号化テーブル124hの符号化プログラムに基づいて生成する。1領域あたりの圧縮データは4バイトで固定長である。そこで、ここでは、1領域あたりの4バイトの圧縮データを、圧縮データフレームという。すなわち、ここでは4バイトが1フレームである。
【0139】
この実施例では、4×4画素の圧縮対象領域内の1/4分割の各部分(b0,b1,b2,b3:各2×2画素)が、エッジ/非エッジのいずれであるかの分布が、図25に示す様にmode 0〜15の16種となるのに着目して、画質検出124dで、部分b0,b1,b2およびb3と、この順で各部分のエッジ/非エッジを判定して画質情報を、生成する。最初は4ビットのモードレジスタModeをクリアしておき、第1部分b0をエッジと判定したときに、モードレジスタModeのデータを、その最下位ビットを「1」にして「0001」とする。第2部分b1をエッジと判定したときに、モードレジスタModeのデータを、その下位第2ビットを「1」にして「001×」とする。第3部分b2をエッジと判定したときに、モードレジスタModeのデータを、その下位第3ビットを「1」にして「01××」とし、第4部分b3をエッジと判定したときに、モードレジスタModeのデータを、その最上位ビットを「1」にして「1×××」とする。最後の部分b3の判定を終えたときには、レジスタModeのデータModeは、図25に付記したmode No.を表す。
【0140】
4バイト(32ビット)の圧縮データフレームの先頭の4ビットは、図26の(c)に示す様にmode No.に宛てられている。符号化124gではここにレジスタModeのデータModeを書き込む。そして、符号化テーブル124をこのmode No.でアクセスして、該mode No.に割りつけられたデータ生成処理(プログラム)に従って、mode No.対応で、図26の(c)に示す圧縮データフレームを生成する。
【0141】
すなわち、mode No.0(図25の mode 0)では、非エッジの各部分b0〜b3にそれぞれ7ビットを割り当て、そこに各部分の前述の濃度平均値L(1バイト=8ビット)の先頭7ビットを書き込む。すなわち、濃度平均値Lの1/2をあらわすデータを書き込む。なお、復号のときには、7ビットに最下位1ビットをくわえて8ビットに復元する。
【0142】
mode No.1(図25の mode 1)では、第1部分b0のみがエッジで、他の部分b1〜b3は非エッジである。そこで、先ず非エッジの部分b1〜b3にそれぞれ7ビットを割り当て、そこに濃度平均値Lの1/2を表すデータ(濃度平均値を表す8ビットの最下位ビットを捨てた7ビットデータ)を書き込む。そして次の4ビット割り当てのminに、エッジ部b0の、濃度最低値Min(8ビット)の上位4ビットを書き込む。次の5ビット割り当てのmaxには、エッジ部b0の、濃度最高値Max(8ビット)の上位5ビットを書き込む。そして最後の4ビットに、エッジ部b0の、各画素d0,d1,d2,d3が高濃度画素「1」か低濃度画素「0」かの2値データd0,d1,d2,d3を書き込む。復号のときには、各画素d0,d1,d2,d3の中の2値データが「1」の画素には、max(5ビット)に下位3ビットを付け加えた1バイトが宛てられ、2値データが「0」の画素には、min(4ビット)に下位4ビットを付け加えた1バイトが宛てられる。
【0143】
エッジと判定された部分が2以上のときには、上記4ビット割り当てのminおよび5ビット割り当てのmaxには、エッジと判定された部分のすべての中の濃度最低値および最高値を表す8ビットデータの上位4ビットおよび上位5ビットが当てられる。
【0144】
たとえば、mode No.3(図25の mode 3)では、第1および第2部分b0,b1がエッジで、他の部分b2,b3は非エッジである。そこで、先ず非エッジの部分b2,b3にそれぞれ7ビットを割り当て、そこに濃度平均値Lの1/2をあらわすデータを書き込む。そして次の4ビット割り当てのminに、エッジ部b0,b1を合わせての濃度最低値Minの上位4ビットを書き込む。次の5ビット割り当てのmaxには、エッジ部b0,b1を合わせての濃度最高値Maxの上位5ビットを書き込む。そして次の4ビットに、エッジ部b0の、各画素d0,d1,d2,d3が高濃度画素「1」か低濃度画素「0」かの2値データd0,d1,d2,d3を書き込み、最後の4ビットに、エッジ部b1の、各画素d4,d5,d6,d7が高濃度画素「1」か低濃度画素「0」かの2値データd4,d5,d6,d7を書き込む。
【0145】
他のmode No.2,4および8はmode No.1と同様な処理であり、mode No.5,6,7,9,10,11,12,13および14はmode No.3と同様な処理である。最後のmode No.15では、すべての部分がエッジであるので、領域全体の中の濃度最低値データの上位4ビットをminとし、最高値データの上位5ビットをmaxとしてそれらをmodeデータの次に書きこみ、そして全画素d0〜d15の、高濃度画素「1」か低濃度画素「0」かの2値データd0〜d15を書き込む。
【0146】
上記のようにデータを書き込んだデータフレームは、フレームデータバッフアメモリ124iに書込み、多値データバッフアメモリ124aの4ラインの画像データのすべての圧縮符号化が終了したときに、該4ラインの圧縮データとして1次記憶装置128に書き込む。このようにデータの圧縮符号化および転送は、4ラインを一区切りに行う。
【0147】
伸張復号化のときには、原画像データの4ライン分宛ての圧縮フレームデータを1次記憶装置128から読み出してフレームデータバッフアメモリ124iに書込み、そしてフレーム選択124jで1フレーム(4バイト)ごとに読み出して、部分復号化124kにて、先ずフレーム先頭の4ビット(mode No.)を摘出して、復号化テーブル124mの、該4ビットが表すモード(mode)宛ての復号化プログラムを特定してそれに基づいて画像データを復元する。
【0148】
すなわち、mode No.0のときには、modeデータ(4ビット)の次の、第1組の7ビットb0(図26の(c))を摘出してその最下位ビットの次に最下位ビットとして「0」値の1ビットを付加して、8ビットデータとする。この8ビットデータを、「領域に合成」124kのバッファメモリ上の一領域(4×4画素)宛ての領域の、現在復号中のデータフレームが割り当てられる4×4画素領域(d0〜d15)の第1部分の2×2画素d0,d1,d2,d3のそれぞれ宛てのアドレスに書き込む。次に第2組の7ビットb1(図26の(c))を摘出して、同様にして8ビットデータを復元して、第2部分の2×2画素d4,d5,d6,d7のそれぞれ宛てのアドレスに書き込む。更に、同様にして第3組の7ビットb2(図26の(c))から8ビットデータを復元して、第3部分の2×2画素d8,d9,d10,d11のそれぞれ宛てのアドレスに書き込み、最後に第4組の7ビットb3(図26の(c))から8ビットデータを復元して、第4部分の2×2画素d12,d13,d14,d15のそれぞれ宛てのアドレスに書き込む。このように一領域の4×4画素の8ビット画像データが整うと、「領域に合成」124が、多値データバッフアメモリ124aの、今復号した領域が割り当てられるアドレスに書き込む。
【0149】
mode No.1のときにはまず、上記mode No.0のときの第2から第4部分の画像データ復元を同様に行い、そして、第1部分b0(d0〜d3)の2値データが「0」の画素には、minの4ビットに更に下位の4ビット「0000」を付け加えた8ビットデータを与え、2値データが「1」の画素には、maxの5ビットに更に下位の3ビット「000」を付け加えた8ビットデータを与える。
【0150】
mode No.2,4および8のときの復号処理は、mode No.1のときと同様である。
【0151】
mode No.3のときにはまず、上記mode No.0のときの第3,第4部分の画像データ復元を同様に行い、そして、第1部分b0(d0〜d3)の2値データが「0」の画素には、minの4ビットに更に下位の4ビット「0000」を付け加えた8ビットデータを与え、2値データが「1」の画素には、maxの5ビットに更に下位の3ビット「000」を付け加えた8ビットデータを与える。同様に、第2部分b1(d4〜d7)の2値データが「0」の画素には、minの4ビットに更に下位の4ビット「0000」を付け加えた8ビットデータを与え、2値データが「1」の画素には、maxの5ビットに更に下位の3ビット「000」を付け加えた8ビットデータを与える。
【0152】
mode No.5,6,7,9,10,11,12,13および14のときの復号処理は、mode No.3のときと同様である。最後のmode No.15では、すべての部分がエッジであるので、領域内すべての画素d0〜d15のそれぞれに付き、2値データが「0」の画素には、minの4ビットに更に下位の4ビット「0000」を付け加えた8ビットデータを与え、2値データが「1」の画素には、maxの5ビットに更に下位の3ビット「000」を付け加えた8ビットデータを与える。
【0153】
フレームデータバッフアメモリ124iの各データフレームの復号を終えると、多値データバッフアメモリ124aの4ラインの画像データを共通バスPbに送出する。そして次の、原画像データの4ライン分宛ての圧縮フレームデータを、1次記憶装置128から読み出してフレームデータバッフアメモリ124iに書込み、上述のように復号化伸張を行なう。
【0154】
図16に、圧縮/伸張器124の上述の圧縮処理CMPの処理フローを示す。圧縮処理が指示されると圧縮/伸張器124は、処理単位設定(ステップ1)で、領域サイズレジスタPXb,PYbに、圧縮符号化する領域サイズの主走査方向xの値(画素数)Xb,副走査方向yの値(画素数)Ybを書き込む。なお、本実施例では、Xb=Yb=4である。また、部分サイズレジスタPXa,PYaに、画質検出対象である「部分」サイズの主走査方向xの値(画素数)Xa,副走査方向yの値(画素数)Yaを書き込む。なお、本実施例では、Xa=Ya=2である。なお、以下において、フローチャート上の処理ブロック内に示すアルファベッド記号は、レジスタおよび又はそれに格納されたデータを意味する場合がある。また、以下においてはカッコ内には、ステップという語を省略してステップNo.数字又は記号のみを記す。
【0155】
圧縮/伸張器124は次に、各部分(b0〜b3)がエッジ領域か否かを判定するための閾値群を設定する(2)。この閾値群の設定(2)は、図15のs2の「閾値群の選択」s2が行う処理である。この処理に関し、図14,図11および図23を参照されたい。図14の(a),(b)に示すように、液晶パネル59上で、閾値群の設定を「自動」でするか、「選択」でするかをオペレータが指定でき、この入力をメインコントローラ50が読みこんでおり、「選択」の指定のときには更に、オペレータとの対話入力で任意の閾値群、例えば図23に示すPTD1vを作成または調整したときには、該閾値群PTD1vをメインコントローラ50がセーブしている。また、メインコントローラ50は、図11に示す画質指定キー60h,60i,60jのオペレータの操作を読みこんでセーブしている。
【0156】
画質指定キー60hによる「文字」指定は、メモリ120に書き込む予定の画像が文章や線画などの2値画像とオペレータが認めるときに選択され、キー60jによる「写真」指定は、写真または絵画などの中間調あるいはグレイ表現のものと認めるときに選択され、キー60iによる「文字/写真」はどちらとも確定しにくいときあるいは両方ともに適当に再現したいときに選択される。「文字」指定に対しては図23に示す閾値群PTD1を、「文字/写真」指定には閾値群PTD2を、また、「写真」指定には閾値群PTD3を宛てるように、閾値メモリ124fには、閾値群PTD1,PTD2およびPTD3が書き込まれている。
【0157】
しきい値設定(2)では、メインコントローラ50の操作パネル入力読み込み情報を参照して、デフォルトの「自動」(図14の(a))が選択されている場合は、デフォルトの「文字」指定(キー60h)であるときには閾値群PTD1を、オペレータ選択の「文字/写真」指定(キー60i)のときには閾値群PTD2を、また「写真」指定(キー60j)のときには閾値群PTD3を、閾値テーブルTTbに書き込む。「選択」(図14の(b))が選択されている場合は、オペレータが入力しメインコントローラ50がセーブしている閾値群(例えばPTD1v)を閾値テーブルTTbに書き込む。そして、閾値群のx,y分布サイズのx値Xb,XcまたはXdをxサイズレジスタTXeに、y値Yb,YcまたはYdをyサイズレジスタTYeに、書き込む。
【0158】
次に圧縮/伸張器124は、閾値テーブルTTbの閾値を特定するアドレスを書き込むための閾値アドレスレジスタTxi,Tyjをクリアし(3)、レジスタPYbのデータPYbが表す値Yb(一具体例ではYb=4)ラインの画像データを転送元から受けて多値データバッフアメモリ124aに書き込み、ここで閾値アドレスレジスタTyjのデータTyjの値を、2インクレメントする(4)。この2インクレメントは、後述する部分b0の処理(7)で、閾値アドレスレジスタTxi,Tyjの内、TxiのデータTxiは1インクメントするが、TyjのデータTyjの値は1デクレメントする(図17のA22)ので、頁最先頭のb0の処理のとき、Txi,Tyjの値が(1,1)となって閾値群(たとえばPTD1)の最先頭の閾値Th11(45)となるように、閾値読み出しアドレスの初期値を調整するものである。
【0159】
そして、バッフアメモリ124aのYbラインの画像データを1領域(Xb×Ybの画素マトリクス)毎に切り出して、1データフレームに圧縮符号化する(5〜11)。一具体例では、Xb=Yb=4であり、それを更に4個に小分割した「部分」は、Xa=Ya=2である。
【0160】
1領域の圧縮符号化の最初には、一領域の画像データ圧縮処理に参照する各種レジスタを初期化する(5)。すなわち、8ビットの最小値レジスタDminには最大値255を、8ビットの最大値レジスタDmaxには最小値0を書き込み、4ビットのModeレジスタには0を、各8ビットの平均値レジスタb0〜b3のそれぞれには0を、そして各1ビットの2値レジスタd0〜d15には「0」を、それぞれ書き込む。次に1領域(Xb×Yb:一具体例では4×4画素)の画像データをバッフアメモリ124aから切り出して(6)、1領域のデータ圧縮(ACP)を行う。
【0161】
この、1領域のデータ圧縮(ACP)では、1領域の第1部分b0の処理(7),第2部分b1の処理(8),第3部分b2の処理(9)および第4部分b3の処理(10)を、この順に実行してから、1領域の符号化圧縮の1データフレームを生成してフレームデータバッフアメモリ124iに書き込む(11)。
【0162】
バッファメモリ124aに書き込んだ画像データのすべてを圧縮符号化すると、フレームデータバッフアメモリ124iのフレームデータを画像メモリ120に転送してその中の1次記憶装置128に書き込み(13)、同時に、次のYb(一具体例でYb=4)ラインの画像データを転送元から受けて多値データバッフアメモリ124aに書き込む(4)。そして、前述の各領域の符号化圧縮処理を同様に実行する。
【0163】
以上の処理を、転送元がデータエンドになるまで繰返す。データエンドになると、圧縮処理CMPを終える(14−リターン)。
【0164】
図17〜図20に、図16に示す1領域のデータ圧縮ACPの中の「b0の処理」(7),「b1の処理」(8),「b2の処理」(9)および「b3の処理」(10)のそれぞれの内容を示す。これらは、この実施例ではこの順番で実施される。これらの処理の内容は、類似の部分が多いので、略同時に説明する。それらの処理ステツプNo.には、図17〜図20に示すように、先頭にそれぞれA,B,CおよびDを付して、どの処理のものか区別し、対応する処理には同一のステツプNo.数字を付して、対応を明確にした。
【0165】
各部分b0〜b3の処理(7〜10)に進むと、圧縮/伸張器124は、先ず、ステップ6で切り出した1領域の中の第1〜第4部分b0〜b3の夫々の濃度平均値L=(a+b+c+d)/4を算出して、各部分b0〜b3宛ての平均値レジスタb0〜b3に書き込む(A21〜D21)。ここで、a,b,cおよびdはそれぞれ、各部分b0〜b3内の画素(d0,d1,d2,d3),(d4,d5,d6,d7),(d8,d9,d10,d11),(d12,d13,d14,d15)の画像データが表す濃度値である。
【0166】
次に、エッジ判定の閾値の揺動(A22〜D22)を行う。例えばステツプ2で閾値テーブルTTBに、図23に示す閾値マトリクスPTD1を書込んでいる場合には、図24の(a)に示すように、第1領域DA11の第1部分b0には、PTD1のx=1,y=1(Txi=1,Tyj=1)すなわち(1,1)の閾値Thij=Th11=45を宛て、第2部分b1には(2,1)の閾値Thij=Th21=41を宛て、第3部分b2には(1,2)の閾値Thij=Th12=36を宛て、第4部分b3には(2,2)の閾値Thij=Th22=32を宛てる。この場合には、閾値マトリクスPTD1の閾値の数が4×4=16個であるので、第1領域DADA11と、第1領域DA11にx方向で隣接する第2領域DA21,y方向で隣接する領域DA12および第2領域DA21にy方向で隣接する領域DA22、計4個の連続領域に閾値マトリクスPTD1の16個の閾値が宛てられる。
【0167】
図16の「1領域のデータ圧縮」ACPのブロックに示すように、この実施例では、「b0の処理」(7),「b1の処理」(8),「b2の処理」(9)および「b3の処理」(10)をこの順に実行するので、閾値マトリクスPTD1の16個の閾値は、図24の(b)に示す矢印RD1,RD2に示すように読み出され、それぞれが矢印(PD11,PD12,・・・),(PD21,・・・)に示す順で各部分b0,・・・に宛てられる。
【0168】
部分b0に宛てる閾値を読み出すとき(図17)には、その直前が部分b3に宛てる閾値の読み出しであるので、閾値読み出しのxアドレスTxiは1インクレメントすれば良いが、yアドレスTyjは1デクレメントする必要がある。そこで、図17に示す、部分b0宛ての閾値読み出し(A22)では、Txiは1インクレメントして(A22a)、その結果が、ステツプ2で閾値テーブルTTBに書込んだ閾値マトリクスのxアドレスの最大値TXeをこえるかをチェックして(A22b)、超えるときにはTxiを閾値マトリクスのxアドレスの最小値1に更新する(A22c)。閾値アドレスレジスタTyjは1デクレメントする(A22d)。そして、閾値テーブルTTBのアドレス(Txi,Tyj)の閾値Thijを読出す(A22g)。
【0169】
部分b1に宛てる閾値を読み出すとき(図18)には、その直前が部分b0に宛てる閾値の読み出しであるので、閾値読み出しのxアドレスTxiを1インクレメントするだけで良い。そこで、図18に示す、部分b1宛ての閾値読み出し(B22)では、Txiを1インクレメントして(B22a)、その結果が、ステツプ2で閾値テーブルTTBに書込んだ閾値マトリクスのxアドレスの最大値TXeをこえるかをチェックして(B22b)、超えるときにはTxiを閾値マトリクスのxアドレスの最小値1に更新する(B22c)。閾値アドレスレジスタTyjの値は変更しない。そして、閾値テーブルTTBのアドレス(Txi,Tyj)の閾値Thijを読出す(B22g)。
【0170】
部分b2に宛てる閾値を読み出すとき(図19)には、その直前が部分b1に宛てる閾値の読み出しであるので、閾値読み出しのxアドレスTxiを1デクレメントし、yアドレスTyjを1インクレメントする必要がある。そこで、図19に示す、部分b2宛ての閾値読み出し(C22)では、Txiを1デクレメントし(C22a)、Tyjを1インクレメントして(C22d)、その結果が、ステツプ2で閾値テーブルTTBに書込んだ閾値マトリクスのyアドレスの最大値TYeをこえるかをチェックして(C22e)、超えるときにはTyjを閾値マトリクスのyアドレスの最小値1に更新する(C22f)。そして、閾値テーブルTTBのアドレス(Txi,Tyj)の閾値Thijを読出す(C22g)。
【0171】
部分b3に宛てる閾値を読み出すとき(図20)には、その直前が部分b2に宛てる閾値の読み出しであるので、閾値読み出しのxアドレスTxiを1インクレメントするだけで良い。そこで、図20に示す、部分b3宛ての閾値読み出し(D22)では、Txiを1インクレメントして(D22a)、その結果が、ステツプ2で閾値テーブルTTBに書込んだ閾値マトリクスのxアドレスの最大値TXeをこえるかをチェックして(D22b)、超えるときにはTxiを閾値マトリクスのxアドレスの最小値1に更新する(D22c)。閾値アドレスレジスタTyjの値は変更しない。そして、閾値テーブルTTBのアドレス(Txi,Tyj)の閾値Thijを読出す(D22g)。
【0172】
エッジ判定の閾値の揺動(A22〜D22)により、閾値テーブルTTbから閾値を読み出すアドレスが切換り、異なったアドレスに格納されている閾値が、所定順(図24の(b)のRD1,RD2)で読み出される。
【0173】
以下の、ステップA23〜D23からA35〜D35の処理は、部分b0,b1,b2,b3のすべてについて処理内容が略同じであるので、部分b0の処理(図17)を主に説明する。図17を参照されたい。
【0174】
先ず、部分b0がエッジ領域かを判定する(A23,A24,A25)。すなわち、
H1=(a+c)/2−(b+d)/2≧Thij,
H2=(a+b)/2−(c+d)/2≧Thij、又は、
H3=(a−b)/2−(c−d)/2≧Thij
が成立するかをチェックする。いずれかが成立すると、b0がエッジ領域であるとして、4ビットのモードレジスタModeの最下位ビット(第1ビット)を「1」とする、すなわち「0000」を「0001」とする(A26)。なお、図18の、部分b1の処理では、部分b1がエッジ領域であると、モードレジスタModeの下位第2ビットを「1」とする、すなわち「000×」を「001×」とする(B26)。図19の、部分b2の処理では、部分b2がエッジ領域であると、モードレジスタModeの下位第3ビットを「1」とする、すなわち「00××」を「01××」とする(C26)。図20の、部分b3の処理では、部分b3がエッジ領域であると、モードレジスタModeの最上位ビットを「1」とする、すなわち「0×××」を「1×××」とする(D26)。
【0175】
そして、部分b0内の画像データの最大値Maxを検索して(A27)、それが領域内最大値レジスタDmaxの値以上の値であると、最大値Maxを最大値レジスタDmaxに書き込む(A28)。また、部分b0内の画像データの最小値Minを検索して(A29)、それが領域内最小値レジスタDminの値以下の値であると、最小値Minを最小値レジスタDminに書き込む(A30)。つぎに部分b0内の2値化閾値Tbo=(Max+Min)/2を算出して(A31)、第1部分b0内の各画素d0〜d3の各多値画像データを2値化して、2値データを各2値レジスタd0〜d3に書き込む(A32〜A35)。
【0176】
以上の「b0の処理」(7)を終えたとき、第1領域b0が非エッジ(エッジ領域でない)のときには、
平均値レジスタb0のデータb0:部分b0の画像データの平均値L
モードレジスタModeのデータMode:「0000」=0,
領域内最大値レジスタDmaxのデータDmax:0,
領域内最小値レジスタDminのデータDmin:255,
2値レジスタd0の2値データd0:「0」,
2値レジスタd1の2値データd1:「0」,
2値レジスタd2の2値データd2:「0」,
2値レジスタd3の2値データd3:「0」、
となっているが、第1領域b0がエッジ領域であつたときには、
平均値レジスタb0のデータb0:部分b0の画像データの平均値L
モードレジスタModeのデータMode:「0001」=1,
領域内最大値レジスタDmaxのデータDmax:b0内の最大値,
領域内最小値レジスタDminのデータDmin:b0内の最小値,
2値レジスタd0の2値データd0:「0/1」,
2値レジスタd1の2値データd1:「0/1」,
2値レジスタd2の2値データd2:「0/1」,
2値レジスタd3の2値データd3:「0/1」、
となっている。「0/1」は、「0」又は「1」を意味する。
【0177】
なお、「b3の処理」(10)まで終えたときには、最大値レジスタDmaxのデータDmaxは、領域(部分b0+b1+b2+b3)の中の、エッジと判定した全部分の中の画像データの最大値になっており、最小値レジスタDminのデータDminはエッジと判定した全部分の中の画像データの最小値となっている。
【0178】
「b3の処理」(10)を終えたとき、モードレジスタModeの4ビットデータは、領域(部分b0+b1+b2+b3)が図25に示す mode No.のいずれであるかを表すものになっており、平均値レジスタb0〜b3にはそれぞれ部分b0〜b3の濃度値をあらわすデータがある。
【0179】
2値レジスタd0〜d15には、画素d0〜d15のそれぞれがエッジとなる高濃度画素「1」か低濃度画素「0」かを示す2値データが格納されている。これらの中のエッジと判定した部分に属する画素宛ての2値データは圧縮フレームデータの生成に用いられる。非エッジと判定した部分に属する画素あての2値データはすべて「0」であって、圧縮フレームデータの生成には用いられない。
【0180】
図21に、図16に示す「1データフレームを生成」(11)の内容を示す。ここでは4ビットのモードレジスタModeのデータModeが表すmode No.にあてられたデータフレーム生成処理(プログラム)を選択して、4バイト構成の圧縮データフレーム(図26の(c))を生成して(40〜75)、生成したデータフレームをフレームデータバッファメモリ124iに書き込む(76)。この圧縮データフレームの生成の内容は、先に、図15の符号化124gの説明のところですでに説明したものである。
【0181】
図22に、「1データフレームを生成」(11)と対になる「1データフレームを復号」(ADP)の内容を示す。ここでは4バイト構成のデータフレームの先頭の4ビットのモードデータを読んでそれが表すmode No.にあてられた画像データ復元処理(プログラム)を選択して、PXa×PYa画素マトリスク(実施例では4×4画素)でなる1領域の画像データ(1バイトを16個)を生成して(80〜115)、多値データバッファメモリ124aに書き込む(116)。この復号処理の内容は、先に、図15の復号化124kおよび合成124nの説明のところですでに説明したものである。
【0182】
−第2実施例−
第1実施例では、「圧縮処理」CMPのステップ2の閾値設定により、「選択」が指定されている場合にはオペレータの入力により指定又は調整された任意の閾値群(例えばPTD1v)を選択し、「自動」が指定されている場合には圧縮/伸張器124は、キー60h,60i,60jによって指定された「文字」,「文字/写真」あるいは「写真」に宛てられている閾値群PTD1,PTD2あるいはPTD3を選択する。しかし第2実施例では、1領域毎に圧縮/伸張器124が「文字」,「文字/写真」あるいは「写真」を自動判定してそれに宛てられている閾値群PTD1,PTD2あるいはPTD3を選択する。
【0183】
図27に、第2実施例の圧縮/伸張器124の「圧縮処理」CMPの内容を示す。この第2実施例では、1領域の画像データを摘出すると、該領域の「画質判定」PCDを実行して、該領域が「文字」,「文字/写真」あるいは「写真」であるかを判定し、次の「閾値選択」TGSで判定に対応した閾値群PTD1,PTD2あるいはPTD3を選択する。したがって、第2実施例では、領域毎に、参照する閾値群が異なることもある。
【0184】
図28に、図27に示す「画質判定」PCDの内容を示す。多値データバッフアメモリ124aから1領域の画像データを摘出すると第2実施例の圧縮/伸張器124は、該1領域の画像データの最大値Amaxと最小値Aminを検索して(121,122)、それらの差Amax−Aminが40以上であると、該1領域は「文字」領域と判定し、判定レジスタに「00」を書き込む(123,124)。差Amax−Aminが40未満20以上であると、該1領域は「文字/写真」領域と判定し、判定レジスタに「01」を書き込む(125,126)。差Amax−Aminが20未満であると、該1領域は「写真」領域と判定し、判定レジスタに「10」を書き込む(125,127)。
【0185】
図29に、「閾値選択」TGSの内容を示す。ここでは、判定レジスタの判定データに基づいて、それが「文字」を表すものであるときには、これが先行1領域に関する判定と異なっていると、閾値テーブルTTbに、「文字」当ての閾値群PTD1を書き込み(131,132,133)、閾値群PTD1のx,y分布サイズのx値XbをxサイズレジスタTXeに、y値YbをyサイズレジスタTYeに、書き込む(134)。先行1領域に関する判定と同じ判定のときには、閾値テーブルTTbを更新せず、サイズレジスタTXe,TYeも更新しない(131,132−リターン)。
【0186】
今回着目した1領域の判定結果が「写真」を表すものであるときには、これが先行1領域に関する判定と異なっていると、閾値テーブルTTbに、「写真」当ての閾値群PTD3を書き込み(135,136,137)、閾値群PTD3のx,y分布サイズのx値XdをxサイズレジスタTXeに、y値YdをyサイズレジスタTYeに、書き込む(138)。
【0187】
今回着目した1領域の判定結果が「文字/写真」を表すものであるときには、これが先行1領域に関する判定と異なっていると、閾値テーブルTTbに、「文字/写真」当ての閾値群PTD2を書き込み(135,139,140)、閾値群PTD2のx,y分布サイズのx値XcをxサイズレジスタTXeに、y値YcをyサイズレジスタTYeに、書き込む(141)。
【0188】
そして、閾値テーブルTTbの閾値群を更新したときには、閾値アドレスレジスタTxi,Tyjをクリアする(142)。このクリアは、図16のステツプ3に対応するものである。その他の処理内容は、前述の第1実施例と同様である。
【0189】
第1実施例では、画像データ転送元が1頁又は任意サイズの画像領域の画像データの転送を開始してから終了するまで、エッジ判定に参照される閾値群は同一であるが、第2実施例では、1領域(PXa×PYa:4×4画素マトリクス)単位で閾値群が選択される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施例の外観を示す斜視図である。
【図2】 図1に示すカラープリンタPTRの画像形成機構の概要を示す拡大横断面図である。
【図3】 図1に示すカラープリンタPTRが組付けられた画像入出力システムを示すブロック図である。
【図4】 (a)は図3に示すプリンタコントローラ30の構成の概要を示すブロック図、(b)は(a)に示す画像メモリアクセス制御IMAC35の構成を示すブロック図である。
【図5】 図3に示すメインコントローラ50の構成を示すブロック図である。
【図6】 図3に示す画像処理装置IPU70の構成を示すブロック図である。
【図7】 図3に示すプリンタ90の構成を示すブロック図である。
【図8】 図3に示すファクシミリユニット110の構成を示すブロック図である。
【図9】 図3に示す画像メモリ120の構成を示すブロック図である。
【図10】 図3に示すメインコントローラ50の機能項目を示すフローチャートである。
【図11】 図1に示す操作ボード58の拡大平面図である。
【図12】 図11に示す液晶パネル59の表示を示す平面図であり、(a)は「複写」が選択されている時のもの、(b)はプリントが指示されている時のものである。
【図13】 図11に示す液晶パネル59の表示を示す平面図であり、(a)はメモリに蓄積している画像情報をプリントアウトする時の画像ファイル選択画面を示し、(b)は印刷が指示された時の印刷モード入力画面を示す。
【図14】 図11に示す液晶パネル59の表示を示す平面図であり、(a)はスキャナからの画像デ−タを蓄積するためのオペレ−タ入力画面であり、(b)はその表示上の「選択」にオペレータがタッチしたときの画質判定閾値の入力画面を示す。
【図15】 図9に示す圧縮/伸張器124の機能構成を示すブロック図である。
【図16】 図15に示す圧縮/伸張器124に含まれその主要素であるコンピュータMPUの、第1実施例での「圧縮処理」CMPの処理の流れを示すフローチャートである。
【図17】 図16に示す「b0の処理」(7)の内容を示すフローチャートである。
【図18】 図16に示す「b1の処理」(8)の内容を示すフローチャートである。
【図19】 図16に示す「b2の処理」(9)の内容を示すフローチャートである。
【図20】 図16に示す「b3の処理」(10)の内容を示すフローチャートである。
【図21】 図16に示す「1データフレームを生成」(11)の内容を示すフローチャートである。
【図22】 図21に示す「1データフレームを生成」(11)と対となる「1データフレームを復号」の内容を示すフローチャートである。
【図23】 原画像データが表す画像上の領域区分および部分区分を示す画素分布OPD,画質が「文字」のときに選択されるエッジ判定用閾値群PTD1,オペレータが調整又は生成するエッジ判定用閾値群PTD1v,画質が「文字/写真」のときに選択されるエッジ判定用閾値群PTD2、および、画質が「写真」のときに選択されるエッジ判定用閾値群PTD3を示す平面図である。
【図24】 (a)は原画像データが表す画像上の領域区分および部分区分を示す画素分布OPDと、その上の各部分宛ての閾値分布PTD1との対応を示す平面図、(b)は画素分布OPD上の各部分の処理順PD11,PD21とそれに対応した閾値の読み出し順RD1,RD2を示す平面図である。
【図25】 原画像データが表す画像上の領域区分の中の1/4部分のそれぞれがエッジか否かを示す、エッジ分布モードを示す平面図である。
【図26】 (a)は圧縮符号化対象の1領域内の部分区分を示す平面図、(b)は該1領域内の画素区分を示す平面図、(c)は、エッジ分布モード区分の圧縮データフレーム内のデータ分布を示す平面図である。
【図27】 図15に示す圧縮/伸張器124に含まれその主要素であるコンピュータMPUの、第2実施例での「圧縮処理」CMPの処理の流れを示すフローチャートである。
【図28】 図27に示す「画質判定」PCDの内容を示すフローチャートである。
【図29】 図27に示す「閾値選択」TGSの内容を示すフローチャートである。
【符号の説明】
PCa〜PCc:パソコン PTR:カラープリンタ
PBX:構内交換器 1:感光体
2:メインチャージャ 3:レーザ走査器
4:現像装置 5:転写チャージャ
6:転写ベルト 7:レジストローラ
8:転写分離チャージャ 9:搬送ベルト
10:定着器 11:ソータ
12:クリーニング装置 13:クリーニングブレード
14:光センサ 15:光センサ
16:温度センサ Pb:共通バス
Claims (30)
- 2次元の広がりがある1領域の画像をあらわす画像データ群の中の、前記領域を複数に分割した各部分の画像データに基づいて、各部分の画像の特徴指標を導出し、該特徴指標、および、特徴指標を導出する部分の切換りの1回又は複数回毎に更新される閾値、に基づいて各部分の特徴を決定し、該特徴に対応した圧縮データを該部分に割り当てて、前記画像データ群を圧縮した固定長圧縮データを生成する、画像データの圧縮方法。
- 異なった値の閾値を含む複数個の閾値でなる閾値群から、特徴指標を導出する部分の切換りの1回又は複数回毎に、順番に閾値を特定して前記特徴の決定に参照する、請求項1記載の、画像データの圧縮方法。
- 閾値群は、閾値の個数が異なる複数組であり、「文字」,「写真」情報に対応して、「文字」情報のときには閾値の個数が少ない閾値群から閾値を特定し、「写真」情報のときには閾値の個数が多い閾値群から閾値を特定する、請求項2記載の、画像データの圧縮方法。
- 閾値群は、それに含まれる閾値の最大値と最小値との差が異なる複数組であり、「文字」,「写真」情報に対応して、「文字」情報のときには該差が小さい閾値群から閾値を特定し、「写真」情報のときには該差が大きい閾値群から閾値を特定する、請求項2記載の、画像データの圧縮方法。
- 閾値群は、それに含まれる閾値の個数が多くしかも閾値の最大値と最小値との差が大きい組、および閾値の個数が少なくしかも該差が小さい組、を含む複数組であり、「文字」,「写真」情報に対応して、「文字」情報のときには閾値の個数が少ない閾値群から閾値を特定し、「写真」情報のときには閾値の個数が多い閾値群から閾値を特定する、請求項2記載の、画像データの圧縮方法。
- 「文字」,「写真」情報はオペレータが定める、請求項3,請求項4または請求項5記載の、画像データの圧縮方法。
- 前記画像データ群もしくはそれが含まれる広域画像データ群又はその一部に基づいて「文字」,「写真」情報を自動生成する、請求項3,請求項4または請求項5記載の、画像データの圧縮方法。
- 2次元の広がりがある1領域の画像をあらわす画像データ群の中の、前記領域を複数に分割した各部分の画像データに基づいて各部分内の濃度差を演算し、
異なった値の閾値を含む複数個の閾値でなる閾値群より、前記部分の切換えの1回又は複数回毎に読み出しアドレスを変更して、各部分宛ての閾値を読み出し、
各部分内の前記濃度差および読み出した閾値に基づいて各部分がエッジか非エッジか判定し、
非エッジと判定した部分の画像データを部分の全体濃度を保存して圧縮し、エッジと判定した部分の画像データを部分内濃度高低差を保存して圧縮し、各部分の圧縮データを固定長フレームに合成する、
画像データの圧縮方法。 - 請求項8に記載の画像データの圧縮方法;ならびに、
かって該圧縮方法にて生成された固定長フレームの圧縮データのなかの全体濃度を保存した圧縮データを部分領域内全画素につき同一の画像データに復号伸張し、部分内濃度高低差を保存した圧縮データを部分領域内の一部の画素には高値の、残りの画素には低値の画像データに復号伸張して、これらの画像データを、1フレームの圧縮データを宛てる2次元領域宛ての画像データ群に合成する復号伸張;
を行う画像データの圧縮/伸張方法。 - 前記画像データの圧縮においては、前記領域を複数に分割した各部分が非エッジかエッジかの、領域内非エッジ/エッジ分布をモードコードに変換し、固定長フレームに、前記非エッジ/エッジ対応の各部分あての圧縮データと共に書込む、請求項8又は請求項9記載の方法。
- 前記画像データの復号伸張においては、固定長フレームの前記モードコードに対応した区分けで、該フレームの各部分宛ての圧縮データを摘出してそれぞれを部分内画像データに復号伸張する、請求項10記載の方法。
- 前記画像データの圧縮においては、
少なくとも非エッジと判定した部分の濃度を表す部分濃度データを該部分の画像データに基づいて生成し、
エッジと判定した部分内の画像データの最小値および最大値を検索し、
エッジと判定した部分内の画像データを2値データに変換して、
前記領域のモードコード,非エッジ部分の部分濃度データ,エッジ部分の最小値および最大値ならびに2値データ、を固定長フレームに合成する、請求項10記載の方法。 - 前記画像データの復号伸張においては、固定長フレームのモードコードに基づいて領域内各部分の非エッジ/エッジを判定しかつ各部分あての圧縮データを摘出し、非エッジの部分の全画素には、部分濃度データを復号伸張した画像データを与え、エッジ部分の、2値データが高濃度レベルであることを示すものである画素には、最大値を復号伸張した画像データを与え、低濃度レベルであることを示すものである画素には、最小値を復号伸張した画像データを与える、請求項12に記載の方法。
- 請求項8,請求項9,請求項10,請求項11,請求項12又は請求項13に記載の方法をコンピュータに実行させるプログラムを格納した記録媒体。
- 異なった値の閾値を含む複数個の閾値でなる閾値群を記憶する閾値メモリ;
2次元の広がりがある1領域の画像をあらわす画像データ群の中の、前記領域を複数に分割した各部分の画像データに基づいて各部分内の濃度差を演算する手段;
前記部分の切換えの1回又は複数回毎に読み出しアドレスを変更して前記閾値メモリより閾値を読み出す閾値更新手段;
各部分内の前記濃度差および読み出した閾値に基づいて各部分がエッジか非エッジか判定する手段;および、
非エッジと判定した部分の画像データを部分の全体濃度を保存して圧縮し、エッジと判定した部分の画像データを部分内濃度高低差を保存して圧縮し、各部分の圧縮データを固定長フォーマットに合成する圧縮データ生成手段;
を備える、画像データの圧縮器。 - 前記閾値群は、2次元分布の前記部分の各1個に各1個が宛てられる2次元マトリクス分布で読み出し可能に前記閾値メモリに記憶され、前記閾値更新手段は、前記濃度差演算手段の演算対象の2次元の位置変えと同じく前記閾値メモリより閾値を読み出すアドレスを変える、請求項15記載の画像データの圧縮器。
- 前記圧縮データ生成手段は、非エッジと判定した部分にはその濃度を表す部分濃度データを、エッジと判定した部分には該部分内の画像データの、最小値および最大値ならびに2値データを割り当てて、領域内の各部分がエッジか非エッジかの分布であるエッジ部分分布モードに対応する固定長フォーマットに合成する;請求項15又は請求項16記載の、画像データの圧縮器。
- 前記圧縮データ生成手段は、
少なくとも非エッジと判定した部分の濃度を表す部分濃度データを該部分の画像データに基づいて生成する手段;
エッジと判定した部分内の画像データの最小値および最大値を検索する手段;エッジと判定した部分内の画像データを2値データに変換する手段;および、前記領域内の、各部分がエッジか非エッジかの分布であるエッジ部分分布モード,非エッジ部分の部分濃度データ,エッジ部分の最小値および最大値ならびに2値データ、を固定長圧縮データに合成する手段;
を含む、請求項17記載の、画像データの圧縮器。 - 前記閾値メモリには、閾値の個数が異なる複数組の閾値群があり;前記閾値更新手段は、「文字」,「写真」情報に対応して、「文字」情報のときには閾値の個数が少ない閾値群から閾値を読み出し、「写真」情報のときには閾値の個数が多い閾値群から閾値を読み出す、請求項15,請求項16,請求項17又は請求項18記載の、画像データの圧縮器。
- 前記閾値メモリには、閾値の最大値と最小値との差が異なる複数組の閾値群があり;前記閾値更新手段は、「文字」,「写真」情報に対応して、「文字」情報のときには該差が小さい閾値群から閾値を読み出し、「写真」情報のときには該差が大きい閾値群から閾値を読出す、請求項15,請求項16,請求項17又は請求項18記載の、画像データの圧縮器。
- 前記閾値メモリには、閾値の個数が多くしかも閾値の最大値と最小値との差が大きい組、および閾値の個数が少なくしかも該差が小さい組、を含む複数組の閾値群があり;前記閾値更新手段は、「文字」,「写真」情報に対応して、「文字」情報のときには閾値の個数が少ない閾値群から閾値を読み出し、「写真」情報のときには閾値の個数が多い閾値群から閾値を読み出す、請求項15,請求項16,請求項17又は請求項18記載の、画像データの圧縮器。
- 前記閾値更新手段は、前記画像データ群に基づいて「文字」,「写真」情報を自動生成する、請求項19,請求項20または請求項21記載の、画像データの圧縮器。
- データバスを介して画像データを受,送給するための画像データバッフアメモリ,異なった値の閾値を含む複数個の閾値でなる閾値群を記憶する閾値メモリ,前記画像データバッフアメモリから、2次元の広がりがある1領域の画像をあらわす画像データ群の中の、前記領域を複数に分割した各部分の画像データを読み出して各部分内の濃度差を演算し、部分の切換えの1回又は複数回毎に前記閾値群より順番に閾値を読み出して、各部分内の濃度差および読み出した閾値に基づいて各部分がエッジか非エッジか判定する手段,非エッジと判定した部分の画像データを部分の全体濃度を保存して圧縮し、エッジと判定した部分の画像データを部分内濃度高低差を保存して圧縮し、各部分の圧縮データを、固定長フォーマットに合成する圧縮データ生成手段,固定長フォーマットの圧縮データを送,受給するための圧縮データバッファメモリ、および、圧縮データバッファメモリの固定長フォーマットの圧縮データを画像データに復号化伸張して前記画像データバッフアメモリに書き込む手段、を含む圧縮/伸張器;および、
前記圧縮/伸張器が送出する圧縮データを書き込み、また、書き込んでいる圧縮データを読み出して圧縮/伸張器に送出する記憶手段;
を備える画像記憶装置。 - 請求項23記載の画像記憶装置;
原稿画像を読み取って画像データを生成するスキャナ;および、
該画像データを補正してデータバスを介して前記画像記憶装置に送給する画像処理装置;
を備える画像読取装置。 - 請求項23記載の画像記憶装置;および、
該画像記憶装置の圧縮/伸張器が送出する、復号化伸張した画像データを用紙上にプリントアウトするプリンタ;
を備える画像形成装置。 - 請求項23記載の画像記憶装置;
原稿画像を読み取って画像データを生成するスキャナ;
該画像データを補正してデータバスを介して前記画像記憶装置に送給する画像処理装置;および、
前記画像記憶装置の圧縮/伸張器が送出する、復号化伸張した画像データを用紙上にプリントアウトするプリンタ;
を備える画像形成装置。 - 外部からのプリント指示コマンドを解析して外部からの画像情報を画像データに変換して前記画像記憶装置の圧縮/伸張器に与えるプリンタコントローラ;を更に備える、請求項25又は請求項26記載の画像形成装置。
- それぞれが請求項23に記載の構成の第1および第2の画像記憶装置;
原稿画像を読み取って画像データを生成するスキャナ;
該画像データを補正して第1又は第2の画像記憶装置に送給する画像処理装置;
第1又は第2の画像記憶装置の圧縮/伸張器が送出する、復号化伸張した画像データを用紙上にプリントアウトするプリンタ;
外部からのプリント指示コマンドを解析して外部からの画像情報を画像データに変換して第1又は第2の画像記憶装置の圧縮/伸張器に与えるプリンタコントローラ;
を備える画像形成装置。 - 前記閾値メモリには、閾値の個数が異なる複数組の閾値群があり;装置の操作ボードにはオペレータが「文字」,「写真」を選択指定する手段があり;前記判定する手段は、「文字」指定のときには閾値の個数が少ない閾値群から閾値を特定し、「写真」指定のときには閾値の個数が多い閾値群から閾値を特定する;請求項25,請求項26又は請求項27記載の画像形成装置。
- 前記閾値メモリには、閾値の個数が異なる複数組の閾値群があり;装置は画像データに基づいて「文字」,「写真」情報を自動生成する画質検出手段を含み;前記判定する手段は、「文字」情報のときには閾値の個数が少ない閾値群から閾値を特定し、「写真」情報のときには閾値の個数が多い閾値群から閾値を特定する;請求項25,請求項26又は請求項27記載の画像形成装置。
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