JP3820944B2 - 電圧生成回路、表示装置および電子機器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、画素を駆動するための複数の走査電極を同時に選択するときに、画素の表示内容を規定するための信号電極に用いる電圧を生成する電圧生成回路、並びに、該電圧生成回路を含む表示装置および電子機器に関する。
【0002】
【従来の技術】
表示装置の一つとして、トランジスタおよびダイオードのようなスイッチング素子を用いることなく、画素を駆動するパッシブマトリクス型の液晶表示装置がある。該パッシブマトリクス型の液晶表示装置では、表示画像の画質を向上させる等のために、走査電極を複数本同時に選択し、該選択において信号電極に信号電圧を印加するという駆動方法が用いられる。該駆動方法では、信号電圧の変動により表示画像の品位が低下することから、該駆動方法を用いる液晶表示装置には、該変動を抑えて電圧を生成する電圧生成回路が設けられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の電圧生成回路は、電圧変動をより低減させると、回路規模が大型化してしまう、という問題があった。
上記問題を解決すべく、本発明の目的は、変動を低減して信号電圧を生成することと、回路規模を小型化することとの両立が可能な電圧生成回路、表示装置および電子機器を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明に係る表示装置は、互いに交差する走査電極と信号電極との交差に対応して設けられた画素と、予め定められたm行n列の要素を含む走査パターンにしたがって、前記走査電極のm本を1垂直走査期間につきn(m、nは2以上の整数)回選択するとともに、各選択では、前記走査パターンのうち、当該選択に対応する列のm個の各要素に対応した電圧を、選択したm本の走査電極の各々に印加する走査電極駆動回路と、一の信号電極に対し、当該信号電極と選択された走査電極との交差に対応するm個の画素の表示内容を示す要素と、前記走査パターンのうち、当該選択に対応する列のm個の要素とがそれぞれの一致するか否かを検出して、当該一致数(または不一致数)に対応した電圧を印加する信号電極駆動回路と、前記信号電極に印加され得る電圧を生成する電圧生成回路とを具備する表示装置であって、前記電圧生成回路は、第1の給電線の電圧および第2の給電線の電圧間の中間電圧をバッファリングして、当該バッファリング電圧を、前記一致数のうち最小値および最大値以外の値に対応する電圧のいずれかとして供給するための第3の給電線に出力するオペアンプと、一端と他端との間の電圧を保持する第1の保持素子と、前記第1の保持素子の一端を、前記第1の給電線から切り離して前記第3の給電線に接続するとともに、前記第1の保持素子の他端を、前記第3の給電線から切り離して前記第2の給電線に接続する第1の状態と、前記第1の保持素子の一端を前記第3の給電線から切り離して前記第1の給電線に接続するとともに、前記第1の保持素子の他端を前記第2の給電線から切り離す第2の状態とを、交互に切り替えるためのスイッチと、前記第2の状態のとき、前記第1の保持素子の他端における電圧を保持して、当該保持電圧を前記バッファリング電圧に対して並列となるように前記第3の給電線に出力する第2の保持素子とを有する構成を特徴としている。
この構成によれば、第1の状態において、第2および第3の給電線の線間電圧が第1の保持素子によって保持され、続く第2の状態において、該保持電圧が第2の保持素子によってバックアップされて、該バックアップ電圧が第3の給電線に出力される。第3の給電線には、該バックアップ電圧が、オペアンプによるバッファリング電圧と並列に出力されるので、第3の給電線では、電圧変動が生じにくい。
ここで、(第1の保持素子およびスイッチを用いた)第2の保持素子によるバックアップ電圧のみを第3の給電線に出力する参照構成とを比較すると、本発明では、上記並列化により、スイッチの抵抗が高くても良いので、スイッチに要する面積が小さくすることによって、空きスペースを設けることができる。バックアップ電圧との並列化を考慮すれば、オペアンプの能力は多少劣っても構わないので、オペアンプの素子サイズは比較的小さくて済む。したがって、参照構成にオペアンプを追加したことによる面積の増大は、上記空きスペースにオペアンプを配置することにより回避される。さらに、本件では、上記並列化によって、第1の保持素子の容量が少なくて済むので、当該第1の保持素子の実装に要する面積も小さくできる。
よって、本発明によれば、参照構成と比較して、信号電極に必要な電圧のうち、1つの電圧を生成するに必要な回路面積の縮小化とともに、生成した電圧の変動防止が可能となる。
【0005】
上記構成において、前記走査パターンを用いたとき、前記一致数が最小値または最大値をとる頻度よりも、前記一致数が最小値および最大値以外の値をとる頻度の方が高い態様が好ましい。この態様によれば、頻度の高い一致数に対応する電圧が、第3の給電線を介して供給されるので、高負荷による電圧変動が抑えられて、電圧変動に起因する表示品位の低下を防止することが可能となる。
【0006】
さらに、前記一致数が最小値および最大値以外の値をとる状態には、選択された走査電極との交差に対応するm個の画素がすべてオンまたはオフとなる状態が含まれる状態が含まれることが望ましい。これは、オンまたはオフ状態の画素を背景として、キャラクタを表示することを想定すると、m個の画素がすべてオンまたはオフとなる状態が支配的であり、該状態に対応する電圧に対する負荷が最も高いと考えられるからである。
【0007】
さらに、本発明に係る電子機器は、上記表示装置を有するので、回路規模の縮小化とともに、表示品位の低下を防止することが可能となる。なお、このような電子機器としては、携帯電話やディジタルスチルカメラなどが挙げられる。
【0008】
また、本発明に係る電圧生成回路は、第1の給電線の電圧および第2の給電線の電圧間の中間電圧をバッファリングして、当該バッファリング電圧を第3の給電線に出力するオペアンプと、一端と他端との間の電圧を保持する第1の保持素子と、前記第1の保持素子の一端を、前記第1の給電線から切り離して前記第3の給電線に接続するとともに、前記第1の保持素子の他端を、前記第3の給電線から切り離して前記第2の給電線に接続する第1の状態と、前記第1の保持素子の一端を前記第3の給電線から切り離して前記第1の給電線に接続するとともに、前記第1の保持素子の他端を前記第2の給電線から切り離す第2の状態とを、交互に切り替えるためのスイッチと、前記第2の状態のとき、前記第1の保持素子の他端における電圧を保持して、当該保持電圧を前記バッファリング電圧に対して並列となるように前記第3の給電線に出力する第2の保持素子とを具備する構成を特徴としている。
この構成によれば、信号電極に必要な電圧のうち、1つの電圧を生成するに必要な回路の規模の縮小化とともに、生成した電圧の変動防止が可能となる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0010】
<構成>
はじめに、本発明の実施形態に係る表示装置の構成について説明する。図1は、この表示装置の構成を示すブロック図である。
この図に示されるように、表示装置100には、帯状の走査電極(コモン電極)312が行(X)方向に沿って160本配置する一方、帯状の信号電極(セグメント電極)212が列(Y)方向に沿って120本配置するとともに、信号電極212と走査電極312との各交差に対応して画素130が形成されている。このため、表示装置100の解像度は、縦160×横120ドットになる。
【0011】
走査電圧生成回路460は、走査電極312が取り得る電圧+Vy、Vc、−Vyをそれぞれ生成する。本件の特徴部分である信号電圧生成回路450は、信号電極212が取り得る電圧+Vx2、+Vx1、Vc、−Vx1、−Vx2をそれぞれ生成する。
【0012】
タイミング信号生成回路106は、駆動に必要な各種の制御信号やクロック信号などを生成する。走査コード発生部108は、タイミング信号生成回路106により生成された信号にしたがって、後述する走査コードCY1〜CY4を生成する。
走査電極駆動回路350は、タイミング信号生成回路106により生成された各種信号と、走査コード発生部108により生成された走査コードCY1〜CY4にしたがって、走査電圧生成回路460により生成された電圧+Vy、Vc、−Vyのいずれかをセレクトし、当該セレクト電圧を走査信号Y1、Y2、Y3、…、Y160として、それぞれ対応する走査電極312に供給する。
信号電極駆動回路250は、走査電極駆動回路350により選択された走査電極312との交差に対応する画素の表示内容に応じて、信号電圧生成回路450により生成された電圧+Vx2、+Vx1、Vc、−Vx1、−Vx2のいずれかをセレクトし、当該セレクト電圧をデータ信号X1、X2、X3、…、X120として、それぞれ対応する信号電極212に供給する。
なお、タイミング信号生成回路106により生成される各種の信号、走査コード発生部108により生成されるCY1〜CY4、走査電極駆動回路350および信号電極駆動回路250の詳細についてはそれぞれ後述する。
【0013】
<信号電圧生成回路>
次に、信号電圧生成回路450の詳述する。図2は、信号電圧生成回路450の構成を示す回路図である。
この図に示されるように、信号電圧生成回路450は、給電線4502、4506の線間電圧(Vcc−Gnd)から、3つの電圧+Vx2、+Vx1、−Vx1を生成するとともに、基準電位Gndを電圧−Vx2とし、電圧Vccを電圧Vcとして、これらの5電圧をそれぞれ信号電極駆動回路250に供給する。
【0014】
信号電圧生成回路450は、3つの電圧のうち、電圧+Vx2を生成するために、スイッチ4522、4524と、容量4512、4522とを備える。
スイッチ4522、4524では、クロック信号CK1にしたがった連動によって容量4512を充放電させるため、スイッチ4522の端子aが電圧の基準である電位Gndに保たれた給電線4502に接続される一方、その端子bが電圧Vccの印加された給電線4504に接続されており、また、スイッチ4524の端子aが給電線4504に接続される一方、その端子bが、電圧+Vx2の出力線たる給電線4506に接続されている。
容量4512は、給電線4502の電位Gndを基準として、給電線4504の電圧Vccを充電する一方、給電線4504の電圧Vccを基準として、当該充電電圧を給電線4506に上乗せして印加するため、その一端がスイッチ4522の端子cに接続され、その他端がスイッチ4524の端子cに接続されている。
また、容量4514は、容量4512により給電線4506に印加された電圧を保持するため、その一端が給電線4502に、その他端が給電線4508に、それぞれ接続されている。
【0015】
スイッチ4522、4524の各々は、それぞれ、クロック信号CK1がHレベルであるとき、図において実線にて示されるように端子aと端子cとの間にて閉成する一方、クロック信号CK1がLレベルであるとき、図において破線にて示されるように端子bと端子cとの間にて閉成する。
ここで、クロック信号CK1は、図3に示されるように、1水平走査期間(1H)を規定するためのクロック信号YCKを2分周した信号である。クロック信号CK1がHレベルであるとき、容量4512は、スイッチ4522、4524における端子a、c間の閉成によって充電される結果、電圧Vccを保持する。保持後、クロック信号CK1がLレベルに遷移すると、スイッチ4522、4524における端子b、c間の閉成によって、給電線4506は、給電線4504の電圧Vccに、さらに容量4512に保持された電圧Vccを上乗せした電圧2・Vccとなる。
クロック信号CK1が再びHレベルになっても、給電線4506は、容量4514によって電圧2・Vccに保持される。
したがって、クロック信号CK1によって、スイッチ4522、4524における端子a、c間の閉成および端子b、c間の閉成が繰り返されると、給電線4506は、電圧2・Vccを保持し続けて、該電圧2・Vccが、電圧+Vx2として給電線4506に供給される。
【0016】
信号電圧生成回路450は、上記3つの電圧のうち、電圧+Vx1を生成するため、抵抗4536、4538と、オペアンプ4544とを備える。抵抗4536、4538は、電圧2・Vcc(=+Vx2)と電圧Vcc(=Vc)との中間電圧を得るため、互いに同一抵抗値を有し、かつ、給電線4504、4506の間に直列に接続されている。抵抗4536、4538によって消費される電力を抑える観点から、抵抗値が極めて高く設定されている。
オペアンプ4544は、当該中間電圧をバッファリングして出力するため、その正入力端が抵抗4536、4538の接続点に接続される一方、その出力端が給電線4505に接続されるとともに、その負入力端に帰還されている。
このため、給電線4505の電圧は、給電線4504、4506の中間電圧、すなわち、電圧3・Vcc/2となり、該電圧3・Vcc/2が、電圧+Vx1として用いられる。なお、オペアンプ4544の電源電圧のうち低位側には、給電線4504の電位Vccが用いられ、高位側には、給電線4505の電圧2・Vccが用いられる。
【0017】
信号電圧生成回路450は、オペアンプ4544によるバッファリング電圧と並列化して電圧+Vx1を生成するため、スイッチ4566、4568と、容量4554、4574とについても備える。
スイッチ4566、4568では、互いの連動によって容量4554を充放電させるために、スイッチ4566の端子aが給電線4505に接続される一方、その端子bが給電線4504に接続されており、また、スイッチ4568の端子aが給電線4506に接続される一方、その端子bが給電線4505に接続されている。
容量4554は、給電線4505を基準として、給電線4506の電圧を充電する一方、給電線4504を基準として、当該充電電圧を給電線4505に印加するため、その一端がスイッチ4566の端子cに接続され、その他端がスイッチ4568の端子cに接続されている。
また、容量4574は、容量4554により給電線4505に印加された電圧を保持するため、その一端が給電線4504に、その他端が給電線4505に、それぞれ接続されている。
【0018】
スイッチ4566、4568の各々は、それぞれ、クロック信号CK2がHレベルであるとき、図において破線にて示されるように端子aと端子cとの間にて閉成する一方、クロック信号CK2がLレベルであるとき、図において実線にて示されるように端子bと端子cとの間にて閉成する。
クロック信号CK2は、図3に示されるように、1水平走査期間(1H)を規定するためのクロック信号YCKを2分周した信号である。クロック信号CK2がHレベルであるとき、スイッチ4566、4568における端子a、c間の閉成によって、容量4554は、給電線4505、4506の線間電圧、すなわち、電圧Vcc/2を保持する。クロック信号CK2がLレベルに遷移すると、スイッチ4566、4568では、端子b、c間が閉成するので、オペアンプ4544の出力を無視して考えると、給電線4505には、容量4554によって保持された電圧Vcc/2を、給電線4504の電圧Vccに上乗せした電圧3・Vcc/2が出力されることになる。クロック信号CK2が再びHレベルになっても、給電線4505は、容量4574によって電圧3・Vcc/2を保持し続ける。
給電線4505には、上述したようにオペアンプ4544によるバッファリング電圧も出力されているので、当該バッファリング電圧と容量4574による保持電圧とが並列化されて出力されることになる。
【0019】
なお、電圧−Vx1を生成するための構成は、電圧+Vx1を生成するための構成と同様である。すなわち、オペアンプ4542による出力電圧と、容量4572による保持電圧とが並列化されて、当該並列化電圧が、電圧−Vx1(=Vcc/2)として給電線4503に出力される。
ここで、オペアンプ4542による出力電圧は、給電線4502、4504を、互いに同一抵抗値を有する抵抗4532、4534によって分圧し、当該分圧電圧をバッファリングした電圧である。また、容量4572による保持電圧は、スイッチ4562、4564における端子a、c間の閉成によって容量4552に給電線4503、4504の線間電圧を保持させた後、スイッチ4562、4564における端子b、c間の閉成によって容量4552の保持電圧を、給電線4502に上乗せするとともに、容量4572によってバックアップした電圧である。
また、抵抗4532、4534の抵抗値が極めて高く設定されている点も、抵抗4536、4536と同様である。
【0020】
クロック信号CK2は、クロック信号CK1とは、図3に示されるように互いに論理反転しているので、容量4512が給電線4502、4504の線間電圧を充電(チャージ)する期間、容量4554(4552)は、給電線4504、4505(4502、4503)に、その保持電圧を供給(ポンプ)し、反対に、容量4512が給電線4504、4506に、その保持電圧を供給(ポンプ)する期間、容量4554は、給電線4505、4506の線間電圧を充電(チャージ)するという関係になる。
【0021】
信号電圧生成回路450における電圧の基準は、給電線4502における電位Gndであるが、信号電極駆動回路250(走査電極駆動回路350を含む)における電圧の極性基準はGndではなく、電圧Vc(=Vcc)である。すなわち、信号電極駆動回路250における電圧+Vx2、+Vx1、−Vx1、−Vx2の極性、および、走査電極駆動回路350における選択電圧+Vy、−Vyの極性は、すべて、電圧Vcよりも高位であるか低位であるかによって規定される。
【0022】
ここでは、信号電極駆動回路450における電圧の生成ついて詳述したが、走査電圧生成回路460における電圧+Vy、−Vyの生成について概略すると、信号電圧生成回路450におけるスイッチ4522、4524と容量4512、4514とを複数組用いて、電圧Vccを倍数化し、電圧+Vy、−Vyの一方を生成した後、この一方の電圧を、容量およびスイッチによって電圧Vcを中心に反転して、電圧+Vy、−Vyの他方を生成する、という構成である。
【0023】
このように生成されて信号電極に印加され得る電圧+Vx2、+Vx1、Vc、−Vx1、−Vx2、および、走査電圧生成回路460により生成されて走査電極に印加され得る電圧+Vy、Vc、−Vyの大小関係および極性を、信号電圧生成回路450、走査電極生成回路460において用いた基準電位Gndおよび電圧Vccとを対比させて示すと、図4に示される通りとなる。
【0024】
<駆動回路>
表示装置100の駆動は、複数本の走査電極を同時に選択するとともに、1垂直走査期間(1フレーム)内において走査電極の選択を複数回に分けて実行される。この駆動では、走査電極に対して選択信号を印加する際に、次のような走査パターンが用いられる。すなわち、この走査パターンは、同時に選択する走査電極の各々に印加すべき選択信号の極性を、選択毎に規定する一種の行列であり、走査パターンにおける行は、同時に選択される走査電極に相当し、列は、1フレームにおける選択に相当し、各要素は、選択電圧の極性を規定する。
例えば、走査パターンがM行N列(M、Nは2以上の整数)で示される場合、同時に選択する走査電極数がM本であり、1フレームにおいてN回の選択が行われて、m行n列(mは2≦m≦Mを満たす整数、nは2≦n≦Nを満たす整数)の要素は、同時に選択される走査電極のうちm行目の走査電極に、1フレームのうちn回目の選択にて印加すべき選択電圧の極性を規定する。
【0025】
この走査パターンに必要な条件は、正規性および直交性を満たすことである。この「正規性」とは、走査パターンにしたがって走査電極を選択して、選択電圧を印加した場合に、各走査電極に印加される選択電圧の実効値が1フレームを単位としてみて互いに等しくなる性質を言う。
また、「直交性」とは、走査パターンにしたがって走査電極を選択して、選択電圧を印加した場合に、ある走査電極に印加される電圧振幅と、他の任意の走査電極に印加される電圧振幅とを1フレーム分、積和した結果がいずれもゼロになる性質を言う。
【0026】
ここで、本実施形態では、同時に選択する走査電極数を「4」とするので、図5(b)に示される走査パターンが一例として用いられる。図示の走査パターンにおいて、例えば、1行3列の要素「−1」は、同時に選択される4本の走査電極のうち、1行目の走査電極に、3回目の選択において、負極性の選択電圧を印加すべきことを意味する。また例えば4行2列の要素「+1」は、同時に選択される4本の走査電極のうち、4行目の走査電極に、2回目の選択において、正極性の選択電圧を印加すべきことを意味する。なお、図示の走査パターンが、上記正規性および直交性を満たすことは、容易に判る。
また、走査電極の選択については、▲1▼1フレームにおいて時間的に分散して行う方法と、▲2▼1フレームにおいて時間的に集約して行う方法との2通りが存在する。本実施形態では▲1▼の方法を説明して、▲2▼の方法については後述する応用例において説明する。
【0027】
このような駆動を行うために、タイミング信号生成回路106は、必要となる制御信号やクロック信号などを生成する。詳細には、タイミング信号生成回路106は、本実施形態においては、フレーム開始パルスYD、フィールド開始パルスFP、フレーム信号FR、および、クロック信号YCKをそれぞれ生成する。
【0028】
これらの信号について簡単に説明すると、第1に、フレーム開始パルスYDは、図5(a)、図9または図10に示されるように、フレームの開始を、その立ち下がりにて規定する。
第2に、フィールド開始パルスFPは、図5(a)、図9または図10に示されるように、1フレーム(1F)を4つに等分割したフィールドf1、f2、f3、f4の開始を、その立ち下がりにて規定する。
第3に、フレーム信号FRは、図5(a)、図9または図10に示されるように、1フレーム(1F)毎にレベル反転する。
第4に、クロック信号YCKは、図7に示されるように、1水平走査期間(1H)の周期を有するクロック信号である。
なお、前述したクロック信号CK1、CK2は、クロック信号YCKと同期する必要があるので、実際には、このタイミング信号生成回路106において生成される。
【0029】
次に、走査コード発生部108は、フレーム開始パルスYD、フィールド開始パルスFPおよびフレーム信号FRに基づいて、走査コードCY1、CY2、CY3およびCY4を、図5(a)に示されるように出力する。
ここで、走査コードCY1、CY2、CY3およびCY4は、走査パターンにおける列の要素であり、フィールドf1、f2、f3およびf4の各々に時系列的に対応する。詳細には、フレーム信号FRがLレベルである期間の走査コードCY1は、それぞれ走査パターンの1行1列、1行2列、1行3列、1行4列の要素の各々に対応して、それぞれフィールドf1、f2、f3、f4にて出力される。
同様に、フレーム信号FRがLレベルである期間の走査コードCY2、CY3、CY4は、それぞれ走査パターンの2行1列〜2行4列、3行1列〜3行4列、4行1列〜4行4列の要素の各々に対応して、それぞれフィールドf1、f2、f3、f4にて出力される。
なお、フレーム信号FRがHレベルである期間に生成される走査コードCY1、CY2、CY3およびCY4では、同図で示されるように、フレーム信号FRがLレベルである期間のコードが極性反転されている。
【0030】
<走査電極駆動回路>
次に、走査電極駆動回路350の詳細について説明する。図6は、走査電極駆動回路350の構成を示すブロック図である。
この図において、シフトレジスタ3520は、40ビットシフトレジスタであり、上述したフィールド開始パルスFPを、1水平走査期間毎にシフトして、転送信号Ys1〜Ys40として順次出力する(図7参照)。ここで、転送信号Ys1は、図1において上から数えて第1行目〜第4行目の走査電極312についての選択・非選択(詳細には、Hレベルであれば選択を、Lレベルであれば非選択)をそれぞれ指示する。同様に、転送信号Ys2は、第5行目〜第8行目の走査電極312についての選択・非選択を指示する。
一般的に、1フレームにおける水平走査期間の序数p(pは、1〜40を満たす整数)を用いると、転送信号Yspは、上から数えて第{4(p−1)+1}行目、第{4(p−1)+2}行目、第{4(p−1)+3}行目および第{4(p−1)+4}行目の走査電極312の選択・非選択を示すことになる。
【0031】
次に、デコーダ群3540は、シフトレジスタ3520による転送信号Ys1〜Ys40と、走査コード発生部108(図1参照)による走査コードCY1、CY2、CY3およびCY4とから、電圧+Vy、Vc、−Vyのいずれかを選択すべきかを示す選択信号a、b、cを、160本の走査電極312の各々に対応して出力する。
このため、デコーダ群4404は、次のようなデコーダを、走査電極312と1対1に対応して備える。
すなわち一般的に、第{4(p−1)+i}行目の走査電極312に対応するデコーダは、転送信号Yspと走査コードCYiとの論理積信号を選択信号aとして出力するAND回路3542と、転送信号Yspの反転信号を選択信号bとして出力するインバータ回路3544と、転送信号Yspと走査コードCYiの反転信号との論理積信号を選択信号cとして出力するAND回路3546とから構成されている。ここで、iは、1、2、3または4のいずれかの整数であり、選択された4本の走査電極312を区別するため、または、走査コードCY1、CY2、CY3またはCY4を一般的に説明するために用いる。
【0032】
なお、第{4(p−1)+i}行目の走査電極312に対応する選択信号a、b、cは、それぞれ次のようなレベル状態となる。すなわち、転送信号YspがHレベルとなる場合において、走査コードCYiがHレベルであれば、選択信号aのみがHレベルとなり、走査コードCYiがLレベルであれば、選択信号cのみがHレベルとなる一方、転送信号YspがLレベルである場合には、走査コードCYiにかかわらず、選択信号bのみがHレベルとなる。このように、1本の走査電極312に対応する選択信号a、b、cは、互いに排他的にHレベルとなる。
【0033】
続いて、レベルシフタ群3560は、選択信号a、b、cの電圧振幅をそれぞれ拡大し、選択信号a’、b’、c’として出力する。
次に、セレクタ群3580は、選択信号a’、b’、c’に応じて、電圧+Vy、Vc、−Vyのいずれかを実際に選択して、走査電極312に印加する。このため、セレクタ群3580では、1本の走査電極312に対して、選択信号a’がHレベルであれば電圧+Vyを選択するスイッチ、選択信号b’がHレベルであれば電圧Vcを選択するスイッチ、および、選択信号c’がHレベルであれば電圧−Vyを選択するスイッチが設けらている。なお、1本の走査電極312に対応する選択信号a、b、cは、互いに排他的にHレベルとなるから、1本の走査電極312において複数の電圧が同時に選択されることはない。
【0034】
<信号電極駆動回路>
上述したように、本実施形態では、複数本の走査電極を同時に選択するとともに、1フレームにおいて走査電極の選択を複数回に分けて行う駆動方法を採用する。この駆動方法では、j(jは、1≦j≦120を満たす整数)列目の信号電極212に印加すべき電圧は、詳細については数学的論証が必要なために省略するが概略すると、次のようにして定められる。
すなわち、j列目の信号電極212に印加すべき電圧は、走査パターンのうちの選択に対応する列の要素と、j列目の信号電極212と同時に選択される走査電極312との交点に位置する画素の要素と、を対応するもの同士乗算し、それらの和を求めて(積和して)、該和に適当な係数を乗じた値である。
本実施形態において用いられる走査パターンの要素は「+1」または「−1」であり、また、j列目の信号電極212と同時に選択される走査電極312との交点に位置する画素の要素を、当該画素をオンとすべき場合には「+1」とし、オンとすべき場合には「−1」とすると、4要素同士の積和値は、「4」、「2」、「0」、「−2」、「−4」の5値のいずれかとなる。そこで、積和値の「4」、「2」、「0」、「−2」、「−4」の各々に対応する電圧を、それぞれ+Vx2(=+2・Vx1)、+Vx1、Vc(=0)、−Vx1、−Vx2(=−2・Vx1)とする。
【0035】
なお、本実施形態においては演算の負担を減らすために、積和値を求める構成とはしていない。すなわち、本実施形態では、当該走査パターンにおいて、選択に対応する列の4要素は、走査コードCY1、CY2、CY3、CY4に対応する一方、j列目の信号電極212と同時に選択される走査電極312との交点に位置する画素の4要素は、後述するようにラインAj、Bj、Cj、Djの論理レベルで示されるので、第1に、走査コードCY1、CY2、CY3、CY4の論理レベルと、ラインAj、Bj、Cj、Djの論理レベルとをそれぞれ比較し、第2に、その比較におけるレベルの一致数(または不一致数)に応じて信号電極に印加すべき電圧を決定する。
詳細には、上述した積和値が「4」、「2」、「0」、「−2」、「−4」であるということは、レベルの一致数がそれぞれ「4」、「3」、「2」、「1」、「0」であることに等しいので、本実施形態では、レベルの一致数がそれぞれ「4」、「3」、「2」、「1」、「0」(不一致数がそれぞれ「0」、「1」、「2」、「3」、「4」)であれば、それぞれ電圧+Vx2、+Vx1、Vc、−Vx1、−Vx2を信号電極212に印加する構成となっている。
【0036】
次に、このような構成の信号電極駆動回路250の詳細について説明する。図8は、この信号電極駆動回路250の構成を示すブロック図である。
この図において、行アドレス生成部2510は、画素のオンオフを示すオンオフビットを4行分だけ読み出すための行アドレスRadを、1水平走査期間毎に生成する。
このため、行アドレス生成部2510は、行アドレスRadを、フィールドf1、f2、f3、f4の最初に供給されるフィールド開始パルスFP(図5(a)参照)によりリセットするとともに、1水平走査期間の周期を有するクロック信号YCKにより歩進する構成となっている。
すなわち、行アドレス生成部2510は、一般的に、第p番目(pは、上述したように、1、2、3、…、40)の水平走査期間において、上から数えて第{4(p−1)+1}行目、第{4(p−1)+2}行目、第{4(p−1)+3}行目および第{4(p−1)+4}行目に位置する画素4行分のオンオフビットDを読み出すための行アドレスRadを生成することとなる。
【0037】
続いて、表示メモリ2520は、160行×120列の領域を有し、書き込み側では、画素のオンオフビットDが、書込アドレスWadにて指定される番地に書き込まれる一方、読み出し側では、行アドレスRadで指定された4行分のオンオフビットが、120列分一括して読み出される。
なお、画素のオンオフビットDは、当該画素をオンとすべき場合(ノーマリーブラックモードであれば白色表示とすべき場合)にはHレベルであり、当該画素をオフとすべき場合(ノーマリーブラックモードであれば黒色表示とすべき場合)にはLレベルであるとする。
【0038】
また、表示メモリ2520においては、一般的に、第j列目の信号電極212と第{4(p−1)+1}行目の走査電極312との交差に対応する画素のオンオフビットがラインAjに出力される。同様に、第j列目の信号電極212と第{4(p−1)+2}行目、第{4(p−1)+3}行目、第{4(p−1)+4}の走査電極312との交差にそれぞれ対応する画素のオンオフビットは、それぞれラインBj、Cj、Djに出力される。
【0039】
なお、行アドレスRadは、1水平走査期間の周期を有するクロック信号YCKにより歩進されるので、図9に示されるように、ラインAjに供給されるオンオフビットは、1水平走査期間(1H)毎に4行ずつされて、1、5、9、13、…、157行であってj列に位置する画素に対応したものとなる。同様に、ラインBjに供給されるオンオフビットも、1水平走査期間(1H)毎に4行ずつされて、2、6、10、14、…、158行であってj列に位置する画素に対応したものとなり、ラインCj、Djについても図示の通りとなる。
【0040】
次に、図8において、デコーダ群2530は、電圧+Vx2、+Vx1、Vc、−Vx1、−Vx2のいずれかを選択すべきかを指示する選択信号d、e、f、g、hを、120本の信号電極212の各々に対応して出力する。
詳細には、デコーダ群2530は、信号電極212と1対1に対応したデコーダ2540を備える。ここで、第j列目の信号電極212に対応するデコーダ2540は、第1に、ラインAjの論理レベルと走査コードCY1の論理レベルとの排他的論理和を求めるEX−OR回路2552と、第2に、ラインBjの論理レベルと走査コードCY2の論理レベルとの排他的論理和を求めるEX−OR回路2554と、第3に、ラインCjの論理レベルと走査コードCY3の論理レベルとの排他的論理和を求めるEX−OR回路2556と、第4に、ラインDjの論理レベルと走査コードCY4の論理レベルとの排他的論理和を求めるEX−OR回路2558と、第5に、各排他的論理和において、Lレベルとなっている数(すなわち一致数)をカウントし、そのカウント結果に応じて選択信号d、e、f、g、hのいずれかを出力する変換器2560とから構成されている。このうち、変換器2560は、当該カウント結果が「0」であれば選択信号dのみをHレベルとし、当該カウント結果が「1」であれば選択信号eのみをHレベルとし、当該カウント結果が「2」であれば選択信号fのみをHレベルとし、当該カウント結果が「3」であれば選択信号gのみをHレベルとし、当該カウント結果が「4」であれば選択信号hのみをHレベルとする。
【0041】
続いて、レベルシフタ群2570は、選択信号d、e、f、g、hの電圧振幅をそれぞれ拡大し、選択信号d’、e’、f’、g’、h’として出力する。
次に、セレクタ群2580は、選択信号d’、e’、f’、g’、h’に応じて、電圧+Vx2、+Vx1、Vc、−Vx1、−Vx2のいずれかを実際に選択して、信号電極212に印加する。このため、セレクタ群2580では、1本の信号電極212に対して、選択信号d’、e’、f’、g’、h’に応じて、それぞれ電圧+Vx2、+Vx1、Vc、−Vx1、−Vx2を選択する5個のスイッチが設けられる。
【0042】
<表示装置の動作>
次に、上述した表示装置100の動作について説明する。
【0043】
<走査信号の電圧波形>
はじめに、走査電極駆動回路350により出力される走査信号Y1、Y2、Y3、…、Y160の電圧波形について、フレーム信号FRがLレベルとなるフレームに着目して検討する。
当該フレームのフィールドf1において、走査コード発生部108は、走査パターンでの1列目の要素である「+1」、「−1」、「+1」、「+1」に対応して、走査コードCY1、CY2、CY3、CY4を、それぞれH、L、H、Hレベルにして出力する(図5(a)参照)。
一方、フィールド開始パルスFPが供給されると、シフトレジスタ3520は、図7に示されるように、当該フィールド開始パルスFPをクロック信号YCKの立ち上がりにおいて順次ラッチして、転送信号Ys1、Ys2、Ys3、…、Ys40として出力する。このため、シフトレジスタ3520は、第1番目の水平走査期間(p=1)では、転送信号Ys1のみをHレベルとする。これにより、第1行目、第2行目、第3行目および第4行目の走査電極312の選択が指示される。
【0044】
したがって、デコーダ群3540において、第1行目、第3行目および第4行目に対応する選択信号aと、第2行目に対応する選択信号cとがそれぞれHレベルになり、それ以外の第5行目〜第160行目については、転送信号Ys2〜Ys40がLレベルであるから、選択信号bがそれぞれHレベルとなる。このため、図10に示されるように、フィールドf1における第1番目の水平走査期間(1H)において、走査信号Y1、Y2、Y3およびY4は、それぞれ電圧+Vy、−Vy、+Vyおよび+Vyとなる一方、他の走査信号は電圧Vcとなる。
【0045】
クロック信号YCKの1周期が経過すると、シフトレジスタ3520は、図7に示されるように、第2番目の水平走査期間(p=2)において、転送信号Ys2のみをHレベルとする。これにより、第5行目、第6行目、第7行目および第8行目の走査電極312の選択が指示される。したがって、デコーダ群3540において、第5行目、第7行目および第8行目に対応する選択信号aと、第6行目に対応する選択信号cとがそれぞれHレベルになり、それ以外の第1行目〜第4行目および第9行目〜第160行目については、転送信号Ys1およびYs3〜Ys40がLレベルであるから、選択信号bがそれぞれHレベルとなる。このため、図10に示されるように、フィールドf1における第2番目の水平走査期間(1H)において、走査信号Y5、Y6、Y7およびY8は、それぞれ電圧+Vy、−Vy、+Vyおよび+Vyとなる一方、他の走査信号は電圧Vcとなる。
以下、フィールドf1では同様な動作が第40番目の水平走査期間(p=40)まで繰り返されることとなる。
【0046】
次に、フィールドf2において、走査コード発生部108は、走査パターンでの2列目の要素である「+1」、「+1」、「−1」、「+1」に対応して、走査コードCY1、CY2、CY3、CY4を、それぞれH、H、L、Hレベルにして出力する(図5(a)参照)。
したがってまず、転送信号Ys1のみがHレベルとなる第1番目の水平走査期間(p=1)では、デコーダ群3540において、第1行目、第2行目および第4行目に対応する選択信号aと、第3行目に対応する選択信号cとがそれぞれHレベルになり、それ以外の第5行目〜第160行目に対応する選択信号bがそれぞれHレベルとなるため、図10に示されるように、フィールドf2における第1番目の水平走査期間(1H)では、走査信号Y1、Y2、Y3およびY4は、それぞれ電圧+Vy、+Vy、−Vyおよび+Vyとなる一方、他の走査信号は電圧Vcとなる。続いて、転送信号Ys2のみがHレベルとなる第2番目の水平走査期間(p=2)では、走査信号Y5、Y6、Y7およびY8は、それぞれ電圧+Vy、+Vy、−Vyおよび+Vyとなる一方、他の走査信号は電圧Vcとなる。
以下、フィールドf2では同様な動作が第40番目の水平走査期間(p=40)まで繰り返されることとなる。
【0047】
さらに、フィールドf3において、走査コード発生部108は、走査パターンでの3列目の要素である「−1」、「+1」、「+1」、「+1」に対応して、走査コードCY1、CY2、CY3、CY4を、それぞれL、H、H、Hレベルにして出力する(図5(a)参照)。
したがってまず、フィールドf3において、転送信号Ys1のみがHレベルとなる第1番目の水平走査期間(p=1)では、図10に示されるように、走査信号Y1、Y2、Y3およびY4は、それぞれ電圧−Vy、+Vy、+Vyおよび+Vyとなる一方、他の走査信号は電圧Vcとなる。続いて、転送信号Ys2のみがHレベルとなる第2番目の水平走査期間(p=2)では、走査信号Y5、Y6、Y7およびY8は、それぞれ電圧−Vy、+Vy、+Vyおよび+Vyとなる一方、他の走査信号は電圧Vcとなる。
以下、フィールドf3では同様な動作が第40番目の水平走査期間(p=40)まで繰り返されることとなる。
【0048】
そして、フィールドf4において、走査コード発生部108は、走査パターンでの3列目の要素である「+1」、「+1」、「+1」、「−1」に対応して、走査コードCY1、CY2、CY3、CY4を、それぞれH、H、H、Lレベルにして出力する(図5(a)参照)。
したがってまず、フィールドf4において、転送信号Ys1のみがHレベルとなる第1番目の水平走査期間(p=1)では、図10に示されるように、走査信号Y1、Y2、Y3およびY4は、それぞれ電圧+Vy、+Vy、+Vyおよび−Vyとなる一方、他の走査信号は電圧Vcとなる。続いて、転送信号Ys2のみがHレベルとなる第2番目の水平走査期間(p=2)では、走査信号Y5、Y6、Y7およびY8は、それぞれ電圧+Vy、+Vy、+Vyおよび−Vyとなる一方、他の走査信号は電圧Vcとなる。
以下、フィールドf4では同様な動作が第40番目の水平走査期間(p=40)まで繰り返されることとなる。
【0049】
なお、フレーム信号FRがHレベルとなる次のフレームにおいて、走査コード発生部108は、フレーム信号FRがLレベルである期間の走査コードCY1、CY2、CY3、CY4を極性反転して出力する(図5(a)参照)。このため、フレーム信号FRがHレベルとなる期間において出力される走査信号Y1、Y2、Y3、…、Y160は、フレーム信号FRがLレベルとなる期間において出力される走査信号を極性反転したものとなる。
【0050】
<データ信号の電圧波形>
次に、信号電極駆動回路250により出力されるデータ信号X1、X2、X3、…、X120の電圧波形について、画素の表示内容を例示して検討する。ここでは、第1行目〜第8行目に位置する画素のうち、第1列目および第2列目に位置する画素が、図10に示されるような表示内容である場合に、データ信号X1およびX2が、それぞれどのような電圧となるかについてを中心にして説明する。
【0051】
フレーム信号FRがLレベルとなるフレームのフィールドf1において、走査コードCY1、CY2、CY3、CY4は、上述したように、それぞれH、L、H、Hレベルとなる。
一方、フィールドf1における第1番目の1水平走査期間(p=1)では、表示メモリ2520から第1行目〜第4行目の画素に対応したオンオフビットが読み出される。ここで、図10を参照すると、1行1列、2行1列、3行1列、4行1列の画素の表示内容は、すべてオンであるので、表示メモリ2520から当該画素に対応して読み出されるオンオフビットもHレベルとなる。
このオンオフビットがそれぞれラインA1、B1、C1、D1に出力されて、それぞれ1列目に対応するEX−OR回路2552、2554、2556、2558によって、それぞれ走査コードCY1、CY2、CY3、CY4と比較されると、1列目に対応する変換器2560における一致数のカウント結果は「3」になるので、当該水平走査期間においてデータ信号X1の電圧は−Vx1となる。
また、1行2列、2行2列、3行2列、4行2列の画素の表示内容は、それぞれオン、オフ、オン、オンであるので、表示メモリ2520から当該画素に対応して読み出されるオンオフビットも、それぞれH、L、H、Hとなる。このため、2列目に対応する変換器2560における一致数のカウント結果は「4」になる結果、当該水平走査期間においてデータ信号X2の電圧は−Vx2となる。
なお、3列目以降についても同様に、第1番目の1水平走査期間にて、画素の表示内容に応じたデータ電圧に規定される。
【0052】
次に、第2番目の1水平走査期間(p=2)では、表示メモリ2520から第5行目〜第8行目の画素に対応したオンオフビットが読み出される。ここで、図10を参照すると、5行1列、6行1列、7行1列、8行1列の画素の表示内容は、それぞれオン、オフ、オフ、オフであるので、表示メモリ2520から当該画素に対応して読み出されるオンオフビットも、それぞれH、L、L、Lとなる。このため、1列目に対応する変換器2560における一致数のカウント結果は「2」になる結果、当該水平走査期間においてデータ信号X1の電圧はVcとなる。
また、5行2列、6行2列、7行2列、8行2列の画素の表示内容は、すべてオフであるので、表示メモリ2520から当該画素に対応して読み出されるオンオフビットも、すべてLとなる。このため、2列目に対応する変換器2560における一致数のカウント結果は「1」になる結果、当該水平走査期間においてデータ信号X2の電圧は+Vx1となる。
なお、9行目以降についても、同様にしてデータ電圧が規定される。
【0053】
次に、フィールドf2において、走査コードCY1、CY2、CY3、CY4は、上述したように、それぞれH、H、L、Hレベルとなる。一方、フィールドf2における第1番目の1水平走査期間(p=1)では、表示メモリ2520から第1行目〜第4行目の画素に対応したオンオフビットが再び読み出される。
このため、1列目に対応する変換器2560における一致数のカウント結果は「3」になるので、当該水平走査期間においてデータ信号X1の電圧は−Vx1となる。また、2列目に対応する変換器2560における一致数のカウント結果は「1」になるので、当該水平走査期間においてデータ信号X2の電圧は+Vx1となる。
続く、第2番目の1水平走査期間(p=2)では、表示メモリ2520から第5行目〜第8行目の画素に対応したオンオフビットが再び読み出されると、1列目、2列目に対応する変換器2560における一致数のカウント結果はそれぞれ「2」、「1」になる結果、当該水平走査期間においてデータ信号X1、X2は、それぞれ電圧Vc、+Vx1となる。
【0054】
次に、フィールドf3において、走査コードCY1、CY2、CY3、CY4は、上述したように、それぞれL、H、H、Hレベルとなる。一方、フィールドf3における第1番目の1水平走査期間(p=1)では、表示メモリ2520から第1行目〜第4行目の画素に対応したオンオフビットが再々度読み出される。このため、1列目、2列目に対応する変換器2560における一致数のカウント結果はそれぞれ「3」、「2」になる結果、当該水平走査期間においてデータ信号X1、X2は、それぞれ電圧−Vx1、Vcとなる。
続く、第2番目の1水平走査期間(p=2)では、表示メモリ2520から第5行目〜第8行目の画素に対応したオンオフビットが再々度読み出されると、1列目、2列目に対応する変換器2560における一致数のカウント結果はそれぞれ「0」、「1」になる結果、当該水平走査期間においてデータ信号X1、X2は、それぞれ電圧+Vx2、+Vx1となる。
【0055】
そして、フィールドf4において、走査コードCY1、CY2、CY3、CY4は、上述したように、それぞれH、H、H、Lレベルとなる。一方、フィールドf4における第1番目の1水平走査期間(p=1)では、表示メモリ2520から第1行目〜第4行目の画素に対応したオンオフビットが4たび読み出される。
このため、1列目、2列目に対応する変換器2560における一致数のカウント結果はそれぞれ「3」、「2」になる結果、当該水平走査期間においてデータ信号X1、X2は、それぞれ電圧−Vx1、Vcとなる。
続く、第2番目の1水平走査期間(p=2)では、表示メモリ2520から第5行目〜第8行目の画素に対応したオンオフビットが4たび読み出されると、1列目、2列目に対応する変換器2560における一致数のカウント結果はそれぞれ「2」、「1」になる結果、当該水平走査期間においてデータ信号X1、X2は、それぞれ電圧Vc、+Vx1となる。
【0056】
なお、フレーム信号FRがHレベルとなるフレームにおいて、表示メモリ2520から読み出されるオンオフビットは、表示内容が同一である限り、フレーム信号FRがLレベルとなるフレームのオンオフビットと同一である。ただし、走査コードCY1、CY2、CY3、CY4は、フレーム信号FRがLレベルとなるフレームから極性反転するので(図5(a)参照)、フレーム信号FRがHレベルであるフレームにおけるデータ信号X1、X2、X3、…、X120の電圧波形は、図10に示されるように、フレーム信号FRがLレベルであるフレームの電圧を、電圧Vcを基準として反転したものとなる。
【0057】
このように本実施形態では、4本の走査電極312が同時に選択されるとともに、選択走査電極312に印加された走査信号の極性(を示す論理信号)と、当該選択走査電極に位置する4つの画素のオンオフ(を示す論理信号)との一致数にしたがって、信号電極212に印加される電圧が規定されることになる。
本実施形態では、走査信号Y1、Y2、Y3、…、Y160およびデータ信号X1、X2、X3、…、X120は、それぞれ1フレーム毎に電圧Vcを基準として極性反転されるので、液晶160に直流成分が残留しない。このため、直流成分の印加による液晶160の劣化が防止されることとなる。なお、1フレーム毎ではなく、フレーム信号FRの周期を延長して、2以上のフレーム毎に極性反転する構成としても良い。
また、本実施形態によれば、1フレームにおける選択が時間的に4回に分散しているので、図13(a)に示されるように、非選択の期間が短くなる。このため、特にオン画素の輝度変動が小さくなるので、コントラスト比の低下が防止されることとなる。
【0058】
<選択画素の内容と信号電圧との関係>
上述した動作では、選択された走査電極312に位置する画素のオンオフ状態を図10に示される内容に限定して説明したが、本実施形態において、画素のオンオフ状態の組み合わせは、同時に選択する走査電極数が「4」であるので、16(=24)通り存在する。
そこで、図11に、これらすべての組み合わせにおいて、信号電極がいかなる電圧に規定されるかを、フィールドf1、f2、f3、f4毎に示す。なお、この図表は、フレーム信号FRがLレベルであるフレームについて示している。
【0059】
この図に示されるように、16通りのオンオフ状態が同一確率で出現するのであれば、信号電極がとる電圧のうち、最も選ばれる可能性が大きい電圧はVcであり(24回)、次いで±Vx1(各16回)、±Vx2(各4回)の順である。
ここで、16通りのオンオフ状態がほぼ同一確率で出現する場合とは、フレームレートコントロール法を用いた階調表示を、全画素にて行う場合であって、隣接画素間の階調の相関性が低い場合(例えば写真イメージ等を表示する場合)である。
【0060】
しかしながら、パッシブマトリクス型の表示装置の用途を考えると、写真イメージ等を全面表示する場合は稀であり、むしろ、白色または黒色を背景にして、キャラクタや線画などを表示する場合の方が一般的である。
このキャラクタ等の表示では、背景色となる画素が支配的となるので、16通りのオンオフ状態のうち、4画素のすべてがオンまたはオフとなる状態(図11における矢印参照)が圧倒的な確率にて出現する。すなわち、本実施形態では、信号電極がとる電圧のうち、選ばれる可能性が最も高い電圧は、実際には−Vx1または+Vx1のいずれかである。
本実施形態において、信号電極駆動回路250では、1水平走査期間にて120本の信号電極212に対し一斉に電圧が供給するので、電圧−Vx1および電圧+Vx1に対する負荷はいずれかも高い、と考える。
これに対して、電圧+Vx2、−Vx2の出現確率は、表示画像の内容を考慮するまでもなく極めて低い。このため、電圧+Vx2、−Vx2に対する負荷は低いと考える。
【0061】
電圧+Vx2は、スイッチ4522、4524と、コンデンサ4512、4514とからなる回路によって、電圧Vccを2倍化して生成される。クロック信号CK1がHレベルであるとき、容量4514が放電するので、実際には、電圧Vx2は、図3に示されるように設定値よりも若干低下する。
従来において、電圧+Vx1は、スイッチ4566、4568と、コンデンサ4554、4574とからなる回路(従来構成)によってのみ生成されていたので、理想的には、同図に示されるように、電圧+Vx2と電圧Vc(=Vcc)との中間電圧になるはずである。
しかしながら、実際には、電圧+Vx2と比較して電圧+Vx1に対する負荷が高いので、従来構成では、容量4574の放電がより進行し、この分だけ、同図において符号Bに示されるように低下してしまう。
【0062】
これに対して、本実施形態では、当該中間電圧をオペアンプ4544によってバッファリングした電圧が、容量4574による保持電圧とともに並列化されて電圧+Vx1として出力される。このため、容量4574の放電に起因する電圧低下分は、オペアンプ4544によるバッファリング電圧によって持ち上げられるので、本実施形態において電圧+Vx1は、同図において符号Cに示されるように電圧低下が生じにくく、ほぼ理想的な中間電圧となる。
なお、電圧低下などの変動が発生すると、同一内容の画素同士において、印加される電圧実効値が異なる結果、通過光量に差が生じるので、いわゆる表示ムラが発生する。本実施形態では、この電圧変動が防止されるので、表示ムラが未然に防止されることになる。
【0063】
スイッチ4566、4568の各々は、実際にはトランジスタを複数組み合わせて構成される。例えばスイッチ4566について簡易的に言えば、クロック信号CK2をゲートとするNチャネル型トランジスタが、容量4554の一端と給電線4505との間に介挿される一方、クロック信号CK2をゲートとするPチャネル型トランジスタが、容量4554の一端と給電線4504との間に介挿された構成である。本実施形態では、オペアンプ4544との並列化によって、スイッチ4566、4568を構成するトランジスタ(のオン抵抗)が従来と比較して高抵抗化しても問題がない。このため、当該トランジスタの形成に要する面積を縮小することができる。
一方、本実施形態では、電圧+Vx1を生成するために、上記従来構成と比較すると、オペアンプ4544が別途必要となるが、画素(容量)に対して過渡的に流れる電流の多くは容量4574によって供給されるので、オペアンプ4544に高い能力は要求されない。このため、オペアンプ4544の形成に必要な領域については、スイッチ4566、4568(を構成するトランジスタ)の縮小化によって生じた空きスペースに配置可能となる程度にまで小さくすることができる。なお、抵抗4536、4538は、上述したように非常に高抵抗であるので、形成に必要な面積を、ほぼ無視することができる。
【0064】
このため、本実施形態では、オペアンプ4544の追加に起因する回路面積の増大は回避される。さらに、本実施形態では、オペアンプ4544との並列化によって、容量4554に要するサイズは上記従来構成と比較して小さくて済む。したがって、本実施形態では、電圧+Vx1を生成するための回路に要する面積が上記従来構成と比較して縮小化される上、電圧+Vx1の変動が防止されて、該変動に起因する表示ムラが防止されることになる。
同様なことが、電圧−Vx1を生成する回路、すなわち、スイッチ4562、4564と、コンデンサ4552、4572とにオペアンプ4542を加えた回路についても言える。
【0065】
<第1実施形態の応用例>
次に、第1実施形態の応用例について説明する。上述した第1実施形態では、1フレームを4つのフィールドf1〜f4に等分割して、選択を時間的に分散させた構成としたが、本発明は、これに限られない。例えば、図12に示されるように、各選択を時間的に集約しても良い。すなわち、4本の走査電極312を4水平走査期間毎にまとめて選択するとともに、当該4水平走査期間において、走査パターンにおける列方向成分の要素に対応する選択電圧を1水平走査期間(1H)毎に順次印加する構成としても良い。
【0066】
このように選択を時間的に集約するためには、シフレジスタ3520(図6参照)が、フィールド開始パルスFPではなく、フレーム開始パルスYDを、4水平走査期間毎に順次シフトして、転送信号Ys1、Ys2、Ys3、…、Ys40として出力する構成に変更するとともに、走査コード発生部108が、走査コードCY1、CY2、CY3、CY4を、当該4水平走査期間において1水平走査期間毎に順番に出力する構成とすれば良い。
【0067】
ただし、この構成では、図13(b)に示されるように、上述した実施形態と比較して非選択の期間が長くなる。このため、オン画素の輝度変動が大きくなるので、コントラスト比が低下するので、表示品位の面では、実施形態と比較して不利となる。
しかしながら、この応用例では、シフトレジスタ3520の駆動周波数が低下するので、消費電力の面では実施形態と比較して有利となる。
【0068】
実施形態のように選択を時間的に分散させるか、あるいは、応用例のように選択を時間的に集約させるかについては、優先させるべき事項によって決定されるべきである。よって、実施形態および応用例の駆動をいずれも可能とし、種々の条件によって、いずれか一方を選択するような構成とするのが望ましい、と考える。
【0069】
<信号電圧生成回路の応用>
信号電圧生成回路450については、図2に示した構成に限られず、種々の構成が考えられる。
例えば、図2において、容量4512は、給電線4504の電圧を、給電線4502、4504の線間電圧だけ持ち上げる構成であったが、逆に、給電線4502の電圧を、給電線4502、4504の線間電圧だけ持ち下げる構成としても良い。この構成では、持ち下げられた電圧が−Vx2として、電圧Vccがそのまま+Vx2として、それぞれ用いられることになる。
【0070】
また例えば、図14に示されるように、さらに、抵抗4582、4588とオペアンプ4593とを設けても良い。詳細には、給電線4502、4506の間に互いに同一抵抗値を有する2つの抵抗4582、4588を直列に接続するとともに、その分圧点をオペアンプ4593の正入力端に接続し、さらに、該オペアンプ4593の出力を、給電線4504に供給して、自身の負入力端に帰還する構成としても良い。
この構成では、例えば、給電線4506の電圧+Vx2に変動や歪み等が生じても、給電線4504の電圧Vcが、当該電圧+Vx2と給電線4502の電圧−Vx2の中間値となるように矯正される。電圧+Vx1は、電圧+Vx2と電圧Vcとの中間値となるように生成され、また、電圧−Vx1は、電圧Vcと電圧−Vx2との中間値となるように生成されるので、図14に示される構成によれば、電圧+Vx2、+Vx1、Vc、−Vx1、−Vx2のいずれかに変動や歪み等が生じても、隣接する給電線同士の線間電圧を定常的に揃えることができる。
【0071】
<その他>
なお、上述した実施形態では、クロック信号CK1、CK2を、クロック信号YCKを2分周した信号とした。しかしながら、この構成では、図3において、奇数番目の水平走査期間と偶数番目の水平走査期間とにおける電圧+Vx2、+Vx1に差が生じて、表示ムラの原因となる。
このため、実際には、図15に示されるように、クロック信号CK1、CK2の周波数を2倍(すなわち、クロック信号YCKと同一)として、奇数番目の水平走査期間と偶数番目の水平走査期間とにおける電圧+Vx2、+Vx1に差が生じない構成が採用される。
【0072】
また、上述した第1実施形態やその応用例では、図5(b)に示される走査パターンを用いたために、同時に選択する走査電極312の数を「4」とするとともに、1フレームにおいて、同一の走査電極312を選択する回数を「4」としたが、本発明は、これに限られない。すなわち、上記正規性および直交性を満たす限りにおいて、いかなる走査パターンを用いても良い。したがって、走査パターンは正方行列に限られないので、同時に選択する走査電極数と、1フレームにおいて同一の走査電極312を選択する回数とが一致しない場合も、当然あり得る。
【0073】
上述した第1実施形態やその応用例に対し、同時に選択する走査電極のうち何本かを仮想電極に設定し、信号電極に印加され得る電圧数を削減する技術を適用しても良い。概略すると、仮想電極に位置する画素のオンオフビットと、走査電極に印加される電圧を示す要素との一致数を制御し、全体の一致数または不一致数が取り得る値を一定の範囲内に抑えることによって、信号電極に印加する電圧数を削減する、という技術である。
【0074】
さらに、上述した第1実施形態やその応用例では、液晶としてTN型やSTN型とした場合について説明したが、BTN(Bi-stable Twisted Nematic)型・強誘電型などのメモリ性を有する双安定型、高分子分散型、さらには、分子の長軸方向と短軸方向とで可視光の吸収に異方性を有する染料(ゲスト)を一定の分子配列の液晶(ホスト)に溶解して、染料分子を液晶分子と平行に配列させたゲストホスト型などの液晶を用いても良い。
また、電圧無印加時には液晶分子が両基板に対して垂直方向に配列する一方、電圧印加時には液晶分子が両基板に対して水平方向に配列する、という垂直配向(ホメオトロピック配向)の構成としても良いし、電圧無印加時には液晶分子が両基板に対して水平方向に配列する一方、電圧印加時には液晶分子が両基板に対して垂直方向に配列する、という平行(水平)配向(ホモジニアス配向)の構成としても良い。
【0075】
このように、本発明の駆動方法に適合するものであれば、液晶や配向方式として、種々のものを用いることが可能である。さらに、これらの液晶装置では、透過型、反射型、両者を併用する半透過型半反射型のいずれにも適用可能である。加えて、本発明は、これらの液晶装置のほかに、複数の画素をマトリクス状に配置してそれを発光させるエレクトロルミネッセンスや、蛍光表示管、プラズマディスプレイなどの自発光パッシブマトリクス型装置にも適用可能である。すなわち、本発明は、複数の走査電極を同時に複数本選択する表示装置のすべてに適用可能である。
【0076】
<電子機器>
次に、上述した実施形態に係る表示装置を用いた電子機器のいくつかについて説明する。
【0077】
<その1:携帯電話>
まず、上述した表示装置100を、携帯電話の表示部に適用した例について説明する。図16は、この携帯電話の構成を示す斜視図である。図において、携帯電話2100は、複数の操作ボタン2102のほか、受話口2104、送話口2106とともに、上述した表示装置100を備える。
表示装置100が液晶装置である場合、暗所での視認性を確保するため、透過型や半透過半反射型であれば、バックライトが、反射型であればフロントライト(いずれも図示省略)が、それぞれ設けられる。
【0078】
<その2:ディジタルスチルカメラ>
次に、上述した表示装置100を、ファインダに用いたディジタルスチルカメラについて説明する。図17は、このディジタルスチルカメラの背面を示す斜視図である。通常の銀塩カメラは、被写体の光像によってフィルムを感光させるのに対し、ディジタルスチルカメラ2200は、被写体の光像をCCD(Charge Coupled Device)などの撮像素子により光電変換して撮像信号を生成する。
【0079】
ここで、ディジタルスチルカメラ2200におけるケース2202の背面には、上述した表示装置100が設けられ、CCDによる撮像信号に基づいて、表示を行う構成となっている。このため、表示装置100は、被写体を表示するファインダとして機能することになる。
また、ケース2202の前面側(図17においては裏面側)には、光学レンズやCCDなどを含んだ受光ユニット2204が設けられている。ここで、撮影者が表示装置100に表示された被写体像を確認して、シャッタボタン2206を押下すると、その時点におけるCCDの撮像信号が、回路基板2208のメモリに転送・格納される。
【0080】
なお、このディジタルスチルカメラ2200においても、表示装置100として液晶装置が用いられる場合、暗所での視認性を確保するため、背面にバックライトが設けられる(図示省略)。また、このディジタルスチルカメラ2200にあっては、ケース2202の側面に、外部表示を行うためのビデオ信号出力端子2212と、データ通信用の入出力端子2214とが設けられている。
【0081】
<電子機器のまとめ>
なお、電子機器としては、図16の携帯電話や、図17のディジタルスチルカメラの他にも、テレビや、ビューファインダ型、モニタ直視型のビデオテープレコーダ、カーナビゲーション装置、ページャ、電子手帳、電卓、ワードプロセッサ、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、タッチパネルを備えた機器等などが挙げられる。そして、これらの各種電子機器の表示部として、上述した表示装置100が適用可能なのは言うまでもない。
【0082】
【発明の効果】
以上説明したように本発明では、第2の保持素子による保持電圧とともに、オペアンプによる出力電圧が並列化されて第3の給電線に出力されるので、電圧変動が抑えられ、また、オペアンプの追加による面積の増大が回避されるとともに、並列化によって、第1の保持素子の容量が少なくて済むので、第3の給電線に出力電圧を生成するに必要な回路面積も縮小化される。したがって、本発明によれば、変動を低減して信号電圧を生成することと、回路規模を小型化することとの両立が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態に係る表示装置の電気的な構成を示すブロック図である。
【図2】 同表示装置における信号電圧生成回路の構成を示す回路図である。
【図3】 同信号電圧生成回路に供給されるクロック信号CK1、CK2、の波形、および、生成される電圧波形を示す図である。
【図4】 同表示装置において、走査電圧生成回路および信号電圧生成回路によりそれぞれ生成される電圧の関係を示す図である。
【図5】 (a)は、同表示装置において、走査パターン発生部による走査コードの出力状態を示すタイミングチャートであり、(b)は、同表示装置において用いられる走査パターンを示す図である。
【図6】 同表示装置における走査電極駆動回路の構成を示すブロック図である。
【図7】 同走査電極駆動回路におけるシフトレジスタの動作を示すタイミングチャートである。
【図8】 同表示装置における信号電極駆動回路の構成を示すブロック図である。
【図9】 同信号電極駆動回路の動作を説明するためのタイミングチャートである。
【図10】 同表示装置において走査電極および信号電極に印加される電圧波形を、両者電極の交差に対応する画素の表示内容との関連で示すタイミングチャートである。
【図11】 同表示装置において、走査電極および信号電極の交差に対応する画素の表示内容と、各選択において信号電極がとる電圧との関係を示す図表である。
【図12】 本発明の応用例に係る表示装置において走査電極および信号電極に印加される電圧波形を、それら両者電極の交差に対応する画素の表示内容との関連で示すタイミングチャートである。
【図13】 (a)および(b)は、それぞれ実施形態および応用例における光学応答を示す図である。
【図14】 同表示装置における信号電圧生成回路の応用構成を示す回路図である。
【図15】 信号電圧生成回路に供給されるクロック信号CK1、CK2、の波形、および、生成される電圧波形を示す図である。
【図16】 同表示装置を適用した電子機器の一例たる携帯電話の構成を示す斜視図である。
【図17】 同表示装置を適用した電子機器の一例たるディジタルスチルカメラの構成を示す斜視図である。
【符号の説明】
100…表示装置
108…走査コード発生部
212…信号電極
250…信号電極駆動回路
312…走査電極
350…走査電極駆動回路
450…信号電圧生成回路
4502〜4506…給電線
4542、4544…オペアンプ
4552、4554…容量(第1の保持素子)
4562、4564、4566、4568…スイッチ
4572、4574…容量(第2の保持素子)
2100…携帯電話
2200…ディジタルスチルカメラ
Claims (5)
- 互いに交差する走査電極と信号電極との交差に対応して設けられた画素と、
予め定められたm行n列の要素を含む走査パターンにしたがって、前記走査電極のm本を1垂直走査期間につきn(m、nは2以上の整数)回選択するとともに、
各選択では、
前記走査パターンのうち、当該選択に対応する列のm個の各要素に対応した電圧を、選択したm本の走査電極の各々に印加する走査電極駆動回路と、
一の信号電極に対し、当該信号電極と選択された走査電極との交差に対応するm個の画素の表示内容を示す要素と、前記走査パターンのうち、当該選択に対応する列のm個の要素とがそれぞれの一致するか否かを検出して、当該一致数(または不一致数)に対応した電圧を印加する信号電極駆動回路と、
前記信号電極に印加され得る電圧を生成する電圧生成回路と
を具備する表示装置であって、
前記電圧生成回路は、
第1の給電線の電圧および第2の給電線の電圧間の中間電圧をバッファリングして、当該バッファリング電圧を、前記一致数のうち最小値および最大値以外の値に対応する電圧のいずれかとして供給するための第3の給電線に出力するオペアンプと、
一端と他端との間の電圧を保持する第1の保持素子と、
前記第1の保持素子の一端を、前記第1の給電線から切り離して前記第3の給電線に接続するとともに、前記第1の保持素子の他端を、前記第3の給電線から切り離して前記第2の給電線に接続する第1の状態と、前記第1の保持素子の一端を前記第3の給電線から切り離して前記第1の給電線に接続するとともに、前記第1の保持素子の他端を前記第2の給電線から切り離す第2の状態とを、交互に切り替えるためのスイッチと、
前記第2の状態のとき、前記第1の保持素子の他端における電圧を保持して、当該保持電圧を前記バッファリング電圧に対して並列となるように前記第3の給電線に出力する第2の保持素子と
を有することを特徴とする表示装置。 - 前記走査パターンを用いたとき、前記一致数が最小値または最大値をとる頻度よりも、前記一致数が最小値および最大値以外の値をとる頻度の方が高い
ことを特徴とする請求項1に記載の表示装置。 - 前記一致数が最小値および最大値以外の値をとる状態には、選択された走査電極との交差に対応するm個の画素がすべてオンまたはオフとなる状態が含まれる
ことを特徴とする請求項2に記載の表示装置。 - 請求項1に記載の表示装置を備える
ことを特徴とする電子機器。 - 第1の給電線の電圧および第2の給電線の電圧間の中間電圧をバッファリングして、当該バッファリング電圧を第3の給電線に出力するオペアンプと、
一端と他端との間の電圧を保持する第1の保持素子と、
前記第1の保持素子の一端を、前記第1の給電線から切り離して前記第3の給電線に接続するとともに、前記第1の保持素子の他端を、前記第3の給電線から切り離して前記第2の給電線に接続する第1の状態と、前記第1の保持素子の一端を前記第3の給電線から切り離して前記第1の給電線に接続するとともに、前記第1の保持素子の他端を前記第2の給電線から切り離す第2の状態とを、交互に切り替えるためのスイッチと、
前記第2の状態のとき、前記第1の保持素子の他端における電圧を保持して、当該保持電圧を前記バッファリング電圧に対して並列となるように前記第3の給電線に出力する第2の保持素子と
を具備することを特徴とする電圧生成回路。
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