JP3820758B2 - 全自動材料試験装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、収納パレットなどに収納された試験片を自動的に材料試験する自動材料試験装置に関し、特にゴムなどの材料を連続して次々に引張試験し、試験後の試料を回収箱などに回収する全自動試験装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ゴムなどの材料を次々と連続して試験する全自動試験装置では、いくつかの試験片を収納パレットに並べて搬送し、試験片を試験機本体に取り付けるときにチャックや吸着装置を用いてひとつづつ収納パレットから取り出してそれを試験機本体に供給する。そして試験機本体によって試験片を引き延ばしたときの荷重と変位の関係などを記録し引張試験が行われる。引張試験などが終わった後の試験片は試験機本体に付属する試験片把持チャックに断片が残ることになるが、この試験済みの試験片を試験片回収装置に付属する回収チャックがつかみ直し、回収箱の上まで搬送して回収チャックを開くことによって試験片が回収箱内に落下させられる。このような工程で全自動試験装置は新たな試験片を搬入し、試験片の材料試験を行い、試験済み試験片を回収することを全自動的に行っている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
試験済み試験片を回収するための従来の回収チャックはエアシリンダ駆動などにより単に試験片を左右から挟む機構であるから、ゴムなどのように粘着性のある試験片の場合、回収チャックの把持面から試験片が離れにくいという問題があった。試験片が回収チャックの把持面にくっついていると試験片が回収チャックから落下しなかったり、回収チャックが左右に開く動きに引きずられて真下の回収箱の中に落下せず周囲に飛散してしまうことがあった。
【0004】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、試験片を試験機本体から回収する際に、試験済みの試験片が確実に回収箱の中に入り回収動作が確実となる全自動試験装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明が提供する試験片伸び計は、上記課題を解決するために、試験片を材料試験する材料試験機本体と、この材料試験機本体によって試験済みの試験片を把持して回収箱まで搬送する回収チャックを有する試験片回収装置を備えた全自動材料試験装置において、前記回収チャック自体の上側または下側に、前記回収チャックの開き幅より小さい幅の切れ込みを有し、その切れ込みの中に試験片を導入することで、試験片を前記回収チャック把持面からはがす役目とともに試験片の落下方向を誘導する役目を果たすガイド板を備えたことを特徴とする。
【0006】
本発明の全自動材料試験装置では、試験済みの試験片を把持して回収箱上まで搬送する回収チャックに試験片の落下方向を誘導するガイド板を備えている。回収チャックが開いて試験片を落下させる際に、固定されたガイド板は試験片の動きを規制するので、チャックから試験片を引き離す作用をするとともに試験片が重力によって落下するときに左右に振れることを防ぎ、ほぼ真下に試験片が落下するように案内する。したがって、試験済みの試験片は確実に回収箱内に落下し、回収箱の周囲に飛散することがない。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施の形態を、図面を参照しながら説明する。図1は本発明の全自動材料試験装置を示す図である。ゴム材料などの試験片は収納パレットなどに入れられ搬送機によって試験機本体の近くまで運ばれてくる。搬送されてきた試験片4は試験片供給装置1によって試験機本体2の試験片把持チャック5の位置まで供給される。試験片4が試験機本体2にセットされると、試験機本体2は公知の方法にしたがって試験片4を引っ張り、そのときの荷重と伸びをそれぞれ計測して材料試験する。材料試験が済むと破断した試験片4が上下のチャック5に残ることになるが、この試験片のきれはしは試験片回収装置3の回収チャックによって掴まれて回収箱6の中に廃棄される。なお、図1に記載されている矢印は試験片4が搬送される一連の流れを示すものである。
【0008】
図1では全自動材料試験装置の主要構成のみを示しているが、この他にも一枚の板からアレイ形の試験片を打ち抜いて作成する試験片作成装置や、板状試験片の厚みを測定する厚み測定装置などが付属する場合もあり、試験片を搬送するコンベアなども付属している。
【0009】
図2に本発明の主要部である試験片回収装置3の様子を示す。図2(a)は試験片回収装置3を上から見て回収箱6とともに示す図であり、試験片回収装置3の回収チャック11の動きも示している。図2(b)は試験片回収装置3を正面から見て、試験機本体のチャック5と、そこに残った試験片4とともに示す図である。
【0010】
試験片4を回収するための回収チャック11は回収アーム12を介して回転シリンダ16の軸15に接続され、回転シリンダ16の駆動によって軸15を中心にして矢印C方向に回転できるよう構成されている。回収チャック11が回転移動できる位置のうち、位置Aは試験済みの試験片を回収するための回収箱6の真上の位置であり、位置Bは試験機本体のチャック5に残った試験片を掴める位置である。そして、回収チャック11の下側には試験片4が入り込める切れ込み14を持つガイド板13が配設されている。回収チャック11は矢印Dのように開閉する動きをするが、ガイド板13は固定された板であるので、回収チャック11の矢印Dの動きとは無関係である。
【0011】
材料試験が終わると試験片4のきれはしが試験機本体のチャック5に残される。この試験片4を回収するために、試験片回収装置3の回収チャック11が開いた状態で位置Bに回転移動されると、図2(a)に示すように回収チャック11とガイド板13が試験片4を挟んだ状態になる。この状態で回収チャック11を矢印Dのように動かして閉じると試験片4は回収チャック11に掴まれる。次に、試験機本体のチャック5を開き、回収アーム12を位置Aまで回転すると、試験片4は回収箱6の真上まで運ばれることになり、ここで回収チャック11を開くと試験片4が回収箱6内に落下する。
【0012】
試験片4を回収箱6の上で落下させるとき、ガイド板13は次のような働きをする。試験片4がゴム材料のような粘着性の強い試料である場合に、回収チャック11の把持面に試験片が粘着する場合がある。このような場合に回収チャック11を開いただけでは試験片4が下に落ちない。本発明装置ではガイド板13の切れ込み14の幅は、試験片4の厚さよりは十分に大きいけれども回収チャック11の開き幅よりは小さいので、回収チャック11が開くことによって試験片4はガイド板13の切れ込み14の一端に当たって回収チャック11の把持面から試験片4がはがれることになり、試験片4を確実に下に落とすことができる。また、ガイド板13の切れ込み14は試験片4が下に配置されている回収箱6に落下するときに落ちる方向を誘導する役目も果たすので、試験片4が回収チャック11の直下以外の周囲に飛散することが少なくなる。
【0013】
図2に示された実施例ではガイド板13は回収チャック11の下側に配置されているが、この配置を逆にして、回収チャックの上側にガイド板を配置しても同様な作用効果が得られることは明らかである。また、図2では試験機本体の下側のチャックに残っている試験片を回収するための回収チャックを示しているが、試験機本体の上側のチャックに残っている試験片を回収するための回収チャックの上側または下側に同様なガイド板を配設することが効果的である。
【0014】
【発明の効果】
本発明の全自動試験装置では、試験片を回収する回収装置の回収チャックに試験片が入り込める切れ込みを持つガイド板を配置したので、回収チャックから試験片を離れやすくするとともに、試験片が下方に配置された回収箱に落下する際のガイドの役目も果たし、試験済み試験片の回収動作が確実になった。ひいては、全自動試験装置の確実性や信頼性を向上することが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の全自動試験装置の主要構成を示す図である。
【図2】本発明の主要部である試験片回収装置を示す図である。
【符号の説明】
1…試験片供給装置 2…試験機本体
3…試験片回収装置 4…試験片
5…チャック 6…回収箱
11…回収チャック 12…回収アーム
13…ガイド板 14…切れ込み
15…軸 16…回転シリンダ
Claims (1)
- 試験片を材料試験する材料試験機本体と、この材料試験機本体によって試験済みの試験片を把持して回収箱まで搬送する回収チャックを有する試験片回収装置を備えた全自動材料試験装置において、前記回収チャック自体の上側または下側に、前記回収チャックの開き幅より小さい幅の切れ込みを有し、その切れ込みの中に試験片を導入することで、試験片を前記回収チャック把持面からはがす役目とともに試験片の落下方向を誘導する役目を果たすガイド板を備えたことを特徴とする全自動材料試験装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20800498A JP3820758B2 (ja) | 1998-07-23 | 1998-07-23 | 全自動材料試験装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20800498A JP3820758B2 (ja) | 1998-07-23 | 1998-07-23 | 全自動材料試験装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000039386A JP2000039386A (ja) | 2000-02-08 |
JP3820758B2 true JP3820758B2 (ja) | 2006-09-13 |
Family
ID=16549086
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP20800498A Expired - Lifetime JP3820758B2 (ja) | 1998-07-23 | 1998-07-23 | 全自動材料試験装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3820758B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP7501325B2 (ja) * | 2020-11-26 | 2024-06-18 | 株式会社島津製作所 | 試験機、および、試験片回収装置 |
-
1998
- 1998-07-23 JP JP20800498A patent/JP3820758B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2000039386A (ja) | 2000-02-08 |
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