JP3820191B2 - 周波数変換回路 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、増幅回路に関し、特に、周波数変換回路に用いられる差動増幅回路の改善に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、テレビチューナなどに用いられるICには、周波数変換回路として増幅回路が用いられている。
【0003】
図4の符号101に、従来の増幅回路を示す。
この増幅回路101は、負荷回路102と、本体差動増幅回路103と、定電流回路104を有している。
【0004】
本体差動増幅回路103は、第1及び第2の差動増幅回路127、125を有している。
【0005】
このうち第2の差動増幅回路125は、NPNトランジスタからなる第1、第2の差動トランジスタ135a、135bと、抵抗素子143を有している。第1、第2の差動トランジスタ135a、135bの各エミッタ端子は、抵抗素子143を介して互いに接続され、エミッタ結合回路を構成している。
【0006】
第1、第2の差動トランジスタ135a、135bの各エミッタ端子は、それぞれが定電流源141a、141bに接続されている。各定電流源141a、141bは定電流回路104を構成し、互いに同じ大きさの定電流をシンクすることができる。
【0007】
第1、第2の差動トランジスタ135a、135bの各ベース端子は、それぞれ第1、第2の入力端子112a、112bに接続されている。これら第1、第2の入力端子112a、112bは、第2の差動入力端子112を構成している。
【0008】
第1、第2の差動トランジスタ135a、135bのドライブ能力は互いに等しく、第1、第2の入力端子112a、112b間に印加される電圧が0Vの場合には、第1、第2の差動トランジスタ135a、135bの各ベース端子には同じ電圧が印加されるので、第1、第2の差動トランジスタ135a、135bには電流値が等しい電流が流れ、それぞれのエミッタ端子から流れ出す。各エミッタ端子から流れ出す電流は互いに電流値が等しく、また各定電流源141a、141bがシンクする電流値も互いに等しいので、第1、第2の差動トランジスタ135a、135bの各エミッタ端子から流れ出す電流は各定電流源141a、141bによってそのままシンクされ、抵抗素子143には全く電流が流れない。
【0009】
これに対し、第1、第2の入力端子112a、112bの間に電位差が生じ、例えば第1の入力端子112aに高電圧が印加され、第2の入力端子112bに低電圧が印加された場合には、第1の差動トランジスタ135aのベース端子に高電圧が印加されるとともに第2の差動トランジスタ135bに低電圧が印加される。その結果、第1の差動トランジスタ135aには、第2の差動トランジスタ135bに流れる電流より大きい電流が流れ、第1、第2の差動トランジスタ135a、135bの各エミッタ端子からは、それぞれ大きい電流と小さい電流とが流れ出す。
【0010】
各エミッタ端子からそれぞれ流れ出す電流は、各定電流源141a、141bでそれぞれシンクされるが、各定電流源141a、141bでシンクされる電流の電流値は互いに等しく設定されているため、第1の差動トランジスタ135aのエミッタ端子から流れ出す電流の一部は、抵抗素子143を介して第2の差動トランジスタ135bのエミッタ端子側の定電流源141bへと流れる。このように抵抗素子143に電流が流れることにより、第1、第2の差動トランジスタ135a、135bにそれぞれ流れる電流の過不足分が調整される。第1、第2の差動トランジスタ135a、135bの各ベース端子間に電位差が生じ、第1、第2の差動トランジスタ135a、135bの一方のベース電圧が他方のベース電圧より高くなると、ベース電圧が高い側のトランジスタのコレクタ電流がベース電圧が低い側のトランジスタのコレクタ電流より大きくなる。
【0011】
かかる第2の差動増幅回路125のゲインGmは、上述した抵抗素子143の抵抗値に依存しており、次式、
Gm=gm/(1+R×gm)…(1)
で示される。
上式(1)で、gmは、第1、第2の差動トランジスタ135a、135bのトランスコンダクタンスを示しており、Rは抵抗素子143の抵抗値を示している。かかる構成の第2の差動増幅回路125は、一般にGmアンプと呼ばれている。
【0012】
上述の構成の第2の差動増幅回路125は、後述する第1の差動増幅回路127と接続されている。
【0013】
第1の差動増幅回路127は、第1、第2のトランジスタ回路123、124を有している。
【0014】
第1、第2のトランジスタ回路123、124は、NPNトランジスタからなる二個のトランジスタをそれぞれ有している。第1、第2のトランジスタ回路123、124の二個のトランジスタの各エミッタ端子は互いに接続されている。第1、第2のトランジスタ回路123、124において互いに接続された各エミッタ端子を、それぞれ第1、第2のトランジスタ回路の結合端子と称し、符号193、194にそれぞれ示す。
【0015】
上述した第1、第2のトランジスタ回路の結合端子193、194は、上述した第1、第2の差動トランジスタ135a、135bの各コレクタ端子にそれぞれ接続されいる。第1、第2の差動トランジスタ135a、135bの各コレクタ端子に電流が流れると、それぞれの電流が各結合端子193、194から第1、第2のトランジスタ回路123、124にそれぞれ供給される。
【0016】
負荷回路102は、第1、第2の負荷抵抗素子121、122を有しており、それぞれの高電位側の端子はともに電源電圧端子Vccに接続されている。
【0017】
第1、第2のトランジスタ回路123、124がそれぞれ有する二個のトランジスタのうち、一方のトランジスタのコレクタ端子は、第1の負荷抵抗素子121の低電位側の端子に接続されており、他方のトランジスタのコレクタ端子は、第2の負荷抵抗素子122の低電位側の端子に接続されている。第1、第2のトランジスタ回路123、124がそれぞれ有する二個のトランジスタのうち、コレクタ端子が第1の負荷抵抗素子121に接続された側のトランジスタを第1のトランジスタと称する。
【0018】
第1、第2のトランジスタ回路123、124の各第1のトランジスタを、符号133a、134aにそれぞれ示す。他方、コレクタ端子が第2の負荷抵抗素子22に接続された側のトランジスタを第2のトランジスタと称し、第1、第2のトランジスタ回路123、124が有する第2のトランジスタを、符号133b、134bにそれぞれ示す。
【0019】
第1のトランジスタ回路123の第1のトランジスタ133aのベース端子は、第2のトランジスタ回路124の第2のトランジスタ134bのベース端子と互いに接続されており、第1の入力端子111aに接続されている。他方、第1のトランジスタ回路123の第2のトランジスタ133bのベース端子は、第2のトランジスタ回路124の第1のトランジスタ134aのベース端子と互いに接続されており、第2の入力端子111bに接続されている。
【0020】
第1、第2のトランジスタ回路123、124は差動増幅回路を構成しており、第1、第2の入力端子111a、111bは第1の差動入力端子を構成している。
【0021】
かかる増幅回路101では、第2の差動入力端子を構成する第1、第2の入力端子112a、112bに電位差が生じ、例えば第1、第2の入力端子112a、12bにそれぞれ高電圧と低電圧が印加されると、上述したように第1の差動トランジスタ135aのコレクタ端子に流れる電流は、第2の差動トランジスタ135bのコレクタ端子に流れる電流より大きくなり、第1、第2のトランジスタ回路123,124には、それぞれの結合端子193、194から大電流と小電流とがそれぞれ供給される。
【0022】
この状態で、第1の差動入力端子111を構成する第1、第2の入力端子111a、111bに電位差が生じ、例えば高電圧が第1の入力端子111aに印加されるとともに低電圧が第2の入力端子111bに印加されると、第1のトランジスタ回路123の第1のトランジスタ133aと、第2のトランジスタ回路124の第2のトランジスタ134bとが導通し、これとは逆に第1のトランジスタ回路123の第2のトランジスタ133bと、第2のトランジスタ回路124の第1のトランジスタ134aとが遮断する。
【0023】
すると、導通した第1のトランジスタ回路123の第1のトランジスタ133aと、第2のトランジスタ回路124の第2のトランジスタ134bの各コレクタ端子にはそれぞれ電流が流れる。
【0024】
上述したように、第1のトランジスタ回路123には、第2のトランジスタ回路124よりも大きな電流が供給されており、第1のトランジスタ回路123の第1のトランジスタ133aのエミッタ電流は、第2のトランジスタ回路124の第2のトランジスタ134bのエミッタ電流よりも大きい。従って第1のトランジスタ回路123の第1のトランジスタ133aには、第2のトランジスタ回路124の第2のトランジスタ134bよりも大きなコレクタ電流が流れる。
【0025】
これらのコレクタ電流は、それぞれ第1、第2の負荷抵抗素子121、122に流れる。従って、第1の負荷抵抗素子121には、第2の負荷抵抗素子122よりも大きな電流が流れ、第1の負荷抵抗素子121の両端に生じる電圧降下は、第2の負荷抵抗素子122の両端に生じる電圧降下よりも大きくなる。
【0026】
第1の負荷抵抗素子121の低電位側端子と、第1のトランジスタ133a及び134aのコレクタ端子との接続部分は、第1の出力端子115aに接続されている。他方、第2の負荷抵抗素子122の低電位側端子と、第2のトランジスタ133b及び134bのコレクタ端子との接続部分は、第2の出力端子115bに接続されている。上述したように、第1の負荷抵抗素子121の両端に生じる電圧降下は、第2の負荷抵抗素子122の両端に生じる電圧降下よりも大きいので、第1の出力端子115aの電圧は第2の出力端子115bの電圧よりも低くなり、第1、第2の出力端子115a、115bからは、それぞれ、低電圧と高電圧が出力される。
【0027】
以上までは、第1の差動入力端子111を構成する第1、第2の入力端子111a、111bにそれぞれ高電圧と低電圧が印加された場合を示したが、これとは逆に、第1、第2の入力端子111a、111bにそれぞれ低電圧と高電圧が印加された場合には、第1、第2の出力端子115a、115bからは、高電圧と低電圧とがそれぞれ出力される。
【0028】
かかる増幅回路101では、第1の差動入力端子111を構成する第1、第2の入力端子111a、111bに、互いに逆極性で、数百MHz程度の矩形波が入力されるとともに、第2の差動入力端子112を構成する第1、第2の入力端子112a、112bに、互いに逆極性で50MHz程度の周波数の正弦波が入力されると、結果として、第1の出力端子115aからは、第1の差動入力端子111を構成する第1、第2の入力端子111a、111b間に印加された電圧と、第2の差動入力端子112を構成する第1、第2の入力端子112a、112b間に印加された電圧との周波数の和の信号が出力され、他方、第2の出力端子115bからは、上述の各電圧の周波数の差の信号が出力される。
【0029】
以上説明した増幅回路101では、第1の差動入力端子111を構成する第1、第2の入力端子111a、111bに、互いに逆極性の数百MHz程度の矩形波が入力され、ベース端子が共通のトランジスタ、すなわち第1のトランジスタ回路の第1のトランジスタ133aと第2のトランジスタ回路の第2のトランジスタ134bには、各ベース端子に同じ信号が入力されるので、両方とも一緒に導通し、一緒に遮断する。
【0030】
同様に、第1のトランジスタ回路の第2のトランジスタ133bと第2のトランジスタ回路の第1のトランジスタ134aとはベース端子が共通であって、共通のベース端子に同じ信号が入力されるので、両方とも一緒に導通し、一緒に遮断する。
【0031】
これらのトランジスタ133a、133b、134a、134bが導通又は遮断することによって、第1、第2のトランジスタ回路の結合端子193、194の電位が変動し、この電位変動が、第1、第2の差動トランジスタ135a、135bのベース−コレクタ間に寄生する寄生容量を介して、第2の差動入力端子112を構成する各入力端子112a、112bにノイズ成分として漏れだし、第2の差動入力端子112の前段に接続された装置等に悪影響を及ぼしてしまっていた。
【0032】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明の周波数変換回路は、第1の信号が入力される一対の第1の差動入力端子と、第2の信号が入力される一対の第2の差動入力端子と、上記第1の差動入力端子の一方の端子に制御端子が接続された第1のトランジスタと上記第1の差動入力端子の他方の端子に制御端子が接続された第2のトランジスタとを有し、上記第1のトランジスタの第2の端子と上記第2のトランジスタの第2の端子とが第1の接続中点に接続されている第1の差動回路と、上記第1の差動入力端子の他方の端子に制御端子が接続された第3のトランジスタと上記第1の差動入力端子の一方の端子に制御端子が接続された第4のトランジスタとを有し、上記第3のトランジスタの第2の端子と上記第4のトランジスタの第2の端子とが第2の接続中点に接続されている第2の差動回路とを有する第1の差動増幅回路と、上記第2の差動入力端子の一方の端子に制御端子が接続され、上記第1の接続中点に第1の端子が接続された第5のトランジスタと、上記第2の差動入力端子の他方の端子に制御端子が接続され、上記第2の接続中点に第1の端子が接続された第6のトランジスタとを有する第2の差動増幅回路と、上記第5のトランジスタの第2の端子と上記第6のトランジスタの第2の端子とに対して電流を供給する定電流回路と、上記第1のトランジスタの第1の端子と上記第3のトランジスタの第1の端子とが接続された第3の接続中点に接続された第1の負荷抵抗回路と、上記第2のトランジスタの第1の端子と上記第4のトランジスタの第1の端子とが接続された第4の接続中点に接続された第2の負荷抵抗回路とを有する負荷回路と、上記第1の差動入力端子の一方の端子に制御端子が接続され、第5の接続中点に第2の端子が接続され、第6の接続中点に第1の端子が接続された第7のトランジスタと、上記第1の差動入力端子の他方の端子に制御端子が接続され、第5の接続中点に第2の端子が接続され、第6の接続中点に第1の端子が接続された第8のトランジスタとを有する信号生成回路と、上記第5の接続中点に接続された電流設定回路と、上記第6の接続中点に接続された負荷抵抗回路と、上記第6の接続中点に現われる電圧信号を上記第2の差動入力端子の一方の端子と他方の端子とに印加する信号印加回路とを有する。
【0033】
上記構成により、一方の差動入力端子に入力される信号の2倍の周波数のスイッチングノイズが他方の差動入力端子に漏れだしても、信号生成回路が上記スイッチングノイズと逆方向に変化する電圧信号(補償信号)を生成し、信号印加回路がその補償信号を他方の差動入力端子に印加するので、上記ノイズをキャンセルすることができ、当該ノイズの悪影響を防止することができる。
【0034】
【発明の実施の形態】
以下で図面を参照し、本発明の実施形態について説明する。
図1の符号1に、本発明の一実施形態の増幅回路を示す。
この増幅回路1は、負荷回路2と、本体差動増幅回路3と、定電流回路4を有している。
本体差動増幅回路3は、第1及び第2の差動増幅回路27、25を有している。
【0035】
このうち第2の差動増幅回路25は、NPNトランジスタからなる第1、第2の差動トランジスタ35a、35bと、抵抗素子43を有している。第1、第2の差動トランジスタ35a、35bの各エミッタ端子は、抵抗素子43を介して互いに接続され、エミッタ結合回路を構成している。
【0036】
第1、第2の差動トランジスタ35a、35bの各エミッタ端子は、それぞれが定電流源41a、41bに接続されている。各定電流源41a、41bは定電流回路4を構成し、互いに同じ大きさの定電流をシンクすることができる。
【0037】
第1、第2の差動トランジスタ35a、35bの各ベース端子は、それぞれが第1、第2の入力端子12a、12bに接続されている。これら第1、第2の入力端子12a、12bは、第2の差動入力端子12を構成している。
【0038】
第1、第2の差動トランジスタ35a、35bのドライブ能力は互いに等しく、第1、第2の入力端子12a、12b間に印加される電圧が0Vの場合には、第1、第2の差動トランジスタ35a、35bの各ベース端子には同じ電圧が印加されるので、第1、第2の差動トランジスタ35a、35bには電流値が等しい電流が流れ、それぞれのエミッタ端子から流れ出す。各エミッタ端子から流れ出す電流は互いに電流値が等しく、また各定電流源41a、41bがシンクする電流値も互いに等しいので、第1、第2の差動トランジスタ35a、35bの各エミッタ端子から流れ出す電流は各定電流源41a、41bによってそのままシンクされ、抵抗素子43には全く電流が流れない。
【0039】
これに対し、第1、第2の入力端子12a、12bの間に電位差が生じ、例えば第1の入力端子12aに高電圧が印加され、第2の入力端子12bに低電圧が印加された場合には、第1の差動トランジスタ35aのベース端子に高電圧が印加されるとともに第2の差動トランジスタ35bのベース端子に低電圧が印加され、第1の差動トランジスタ35aには第2の差動トランジスタ35bに流れる電流より大きい電流が流れ、第1、第2の差動トランジスタ35a、35bの各エミッタ端子からは、それぞれ大きい電流と小さい電流とが流れ出す。
【0040】
各エミッタ端子からそれぞれ流れ出す電流は、各定電流源41a、41bでそれぞれシンクされるが、各定電流源41a、41bでシンクされる電流の電流値は互いに等しく設定されているため、第1の差動トランジスタ35aのエミッタ端子から流れ出す電流の一部は、抵抗素子43を介して第2の差動トランジスタ35bのエミッタ端子側の定電流源41bへと流れる。
【0041】
このように抵抗素子43に電流が流れることにより、第1、第2の差動トランジスタ35a、35bにそれぞれ流れる電流の過不足分が調整される。第1、第2の差動トランジスタ35a、35bの各ベース端子間に電位差が生じ、第1、第2の差動トランジスタ35a、35bの一方のベース電圧が他方のベース電圧より高くなると、
【0042】
ベース電圧が高い側のトランジスタのコレクタ電流がベース電圧が低い側のトランジスタのコレクタ電流より大きくなる。
【0043】
かかる第2の差動増幅回路25のゲインGmは、上述した抵抗素子43の抵抗値に依存しており、次式、
Gm=gm/(1+R×gm)…(2)
で示される。
上式(2)で、gmは第1、第2の差動トランジスタ35a、35bのトランスコンダクタンスを示しており、Rは抵抗素子43の抵抗値を示している。かかる構成の第2の差動増幅回路25は、一般にGmアンプと呼ばれている。
【0044】
上述の構成の第2の差動増幅回路25は、後述する第1の差動増幅回路27と接続されている。
【0045】
第1の差動増幅回路27は、第1、第2のトランジスタ回路23、24を有している。
【0046】
第1、第2のトランジスタ回路23、24は、NPNトランジスタからなる二個のトランジスタをそれぞれ有している。第1、第2のトランジスタ回路23、24の二個のトランジスタの各エミッタ端子は互いに接続されている。第1、第2のトランジスタ回路23、24において互いに接続された各エミッタ端子をそれぞれ第1、第2のトランジスタ回路の結合端子と称し、符号93、94にそれぞれ示す。
【0047】
上述した第1、第2のトランジスタ回路の結合端子93、94は、上述した第1、第2の差動トランジスタ35a、35bの各コレクタ端子にそれぞれ接続されており、第1、第2の差動トランジスタ35a、35bの各コレクタ端子に電流が流れると、それぞれの電流が各結合端子93、94から第1、第2のトランジスタ回路23、24にそれぞれ供給される。
【0048】
負荷回路2は、第1、第2の負荷抵抗素子21、22を有しており、それぞれの高電位側の端子はともに電源電圧端子Vccに接続されている。
【0049】
第1、第2のトランジスタ回路23、24がそれぞれ有する二個のトランジスタのうち、一方のトランジスタのコレクタ端子は、第1の負荷抵抗素子21の低電位側の端子に接続されており、他方のトランジスタのコレクタ端子は、第2の負荷抵抗素子22の低電位側の端子に接続されている。第1、第2のトランジスタ回路23、24がそれぞれ有する二個のトランジスタのうち、コレクタ端子が第1の負荷抵抗素子21に接続された側のトランジスタを第1のトランジスタと称する。第1、第2のトランジスタ回路23、24の各第1のトランジスタを符号33a、34aにそれぞれ示す。他方、コレクタ端子が第2の負荷抵抗素子22に接続された側のトランジスタを第2のトランジスタと称する。第1、第2のトランジスタ回路23、24が有する第2のトランジスタを符号33b、34bにそれぞれ示す。
【0050】
第1のトランジスタ回路23の第1のトランジスタ33aのベース端子は、第2のトランジスタ回路24の第2のトランジスタ34bのベース端子と互いに接続されており、第1の入力端子11aに接続されている。他方、第1のトランジスタ回路23の第2のトランジスタ33bのベース端子は、第2のトランジスタ回路24の第1のトランジスタ34aのベース端子と互いに接続されており、第2の入力端子11bに接続されている。
【0051】
第1、第2のトランジスタ回路23、24は差動増幅回路を構成しており、第1、第2の入力端子11a、11bは第1の差動入力端子11を構成している。
【0052】
かかる増幅回路1では、第2の差動入力端子を構成する第1、第2の入力端子12a、12bに電位差が生じ、例えば第1、第2の入力端子12a、12bにそれぞれ高電圧と低電圧が印加されると、上述したように第1の差動トランジスタ35aのコレクタ端子に流れる電流は、第2の差動トランジスタ35bのコレクタ端子に流れる電流より大きくなり、第1、第2のトランジスタ回路23,24には、それぞれの結合端子93、94から大電流と小電流とがそれぞれ供給される。
【0053】
この状態で、第1の差動入力端子11を構成する第1、第2の入力端子11a、11bに電位差が生じ、例えば高電圧が第1の入力端子11aに印加されるとともに低電圧が第2の入力端子11bに印加されると、第1のトランジスタ回路23の第1のトランジスタ33aと、第2のトランジスタ回路24の第2のトランジスタ34bとが導通し、これとは逆に第1のトランジスタ回路23の第2のトランジスタ33bと、第2のトランジスタ回路24の第1のトランジスタ34aとが遮断する。
【0054】
すると、導通した第1のトランジスタ回路23の第1のトランジスタ33aと第2のトランジスタ回路24の第2のトランジスタ34bの各コレクタ端子にそれぞれ電流が流れる。
【0055】
上述したように、第1のトランジスタ回路23には第2のトランジスタ回路24よりも大きな電流が供給されるので、第1のトランジスタ回路23の第1のトランジスタ33aのエミッタ電流は第2のトランジスタ回路24の第2のトランジスタ34bのエミッタ電流よりも大きい。従って第1のトランジスタ回路23の第1のトランジスタ33aには、第2のトランジスタ回路24の第2のトランジスタ34bよりも大きなコレクタ電流が流れる。
【0056】
これらコレクタ電流は、それぞれ第1、第2の負荷抵抗素子21、22に流れる。従って、第1の負荷抵抗素子21には第2の負荷抵抗素子22よりも大きな電流が流れ、第1の負荷抵抗素子21の両端に生じる電圧降下は第2の負荷抵抗素子22の両端に生じる電圧降下よりも大きくなる。
【0057】
第1の負荷抵抗素子21の低電位側端子と、第1のトランジスタ33a及び34aのコレクタ端子との接続部分は、第1の出力端子15aに接続されている。他方、第2の負荷抵抗素子22の低電位側端子と、第2のトランジスタ33b及び34bのコレクタ端子との接続部分は、第2の出力端子15bに接続されている。上述したように、第1の負荷抵抗素子21の両端に生じる電圧降下は第2の負荷抵抗素子22の両端に生じる電圧降下よりも大きいので、第1の出力端子15aの電圧は第2の出力端子15bの電圧よりも低くなり、第1、第2の出力端子15a、15bからは、それぞれ低電圧と高電圧が出力される。
【0058】
以上までは、第1の差動入力端子11を構成する第1、第2の入力端子11a、11bにそれぞれ高電圧と低電圧が印加された場合を示したが、これとは逆に、第1、第2の入力端子11a、11bにそれぞれ低電圧と高電圧とが印加された場合には、第1、第2の出力端子15a、15bからは高電圧と低電圧とがそれぞれ出力される。
【0059】
かかる増幅回路1では、第1の差動入力端子11を構成する第1、第2の入力端子11a、11bに、互いに逆極性で、数百MHz程度の矩形波が入力されるとともに、第2の差動入力端子12を構成する第1、第2の入力端子12a、12bに、互いに逆極性で50MHz程度の周波数の正弦波が入力されると、結果として、第1の出力端子15aからは、第1の差動入力端子11を構成する第1、第2の入力端子11a、11b間に印加された電圧と、第2の差動入力端子12を構成する第1、第2の入力端子12a、12b間に印加された電圧との周波数の和の信号が出力され、他方、第2の出力端子15bからは、上述の各電圧の周波数の差の信号が出力される。
【0060】
以上説明した増幅回路1では、第1の差動入力端子11を構成する第1、第2の入力端子11a、11bに、互いに逆極性の数百MHz程度の矩形波が入力され、ベース端子が共通のトランジスタ、すなわち第1のトランジスタ回路の第1のトランジスタ33aと第2のトランジスタ回路の第2のトランジスタ34bの各ベース端子に同じ信号が入力されるので、トランジスタ33a、34bは一緒に導通し、一緒に遮断する。
【0061】
同様に、第1のトランジスタ回路の第2のトランジスタ33bと第2のトランジスタ回路の第1のトランジスタ34aとはベース端子が共通であって、共通のベース端子に同じ信号が入力されるので、トランジスタ33b、34aは一緒に導通し、一緒に遮断する。
【0062】
これらのトランジスタ33a、33b、34a、34bが導通又は遮断するとともに、第1、第2のトランジスタ回路の結合端子93、94の電位が変動する。この電位変動が、第1、第2の差動トランジスタ35a、35bのベース−コレクタ間に寄生する寄生容量を介して、第2の差動入力端子12を構成する各入力端子12a、12bにノイズ成分として漏れだし、第2の差動入力端子12の前段に接続された装置等に悪影響を及ぼすことがある。
【0063】
そこで、本実施形態の増幅回路1には、かかるノイズ成分の影響を除去すべく、信号生成回路6と電圧印加回路7と負荷抵抗8と電流設定抵抗9が設けられている。
【0064】
信号生成回路6は、NPNトランジスタからなる第1、第2のスイッチトランジスタ45a、45bを有している。第1、第2のスイッチトランジスタ45a、45bの各エミッタ端子は互いに接続されている。互いに接続された各エミッタ端子は、電流設定抵抗9を介して接地されている。第1、第2のスイッチトランジスタ45a、45bの各ベース端子は、第1の差動入力端子11を構成する第1、第2の入力端子11a、11bに接続されており、第1の差動入力端子を構成する第1、第2の入力端子11a、11bに電圧が印加されて第1、第2のスイッチトランジスタ45a、45bのいずれか一方又は両方が導通すると、導通しているスイッチトランジスタを介して電流設定抵抗9へと電流が流れる。
【0065】
信号生成回路6において、第1、第2のスイッチトランジスタ45a、45bに流れる電流は第1の差動入力端子11を構成する第1、第2の入力端子11a、11bに印加される電圧によって制御される。第1、第2の入力端子11a、11bに印加される電圧が小さいときには、第1、第2のスイッチトランジスタ45a、45bに流れる電流は小さく、第1、第2の入力端子11a、11bに印加される電圧が大きいときには、第1、第2のスイッチトランジスタ45a、45bに流れる電流は大きくなる。
【0066】
第1、第2のスイッチトランジスタ45a、45bのコレクタ端子は互いに接続され、負荷抵抗8を介して電源電圧端子Vccに接続されている。第1、第2のスイッチトランジスタ45a、45bが導通し、第1、第2のスイッチトランジスタ45a、45bに電流が流れると、その電流は負荷抵抗8に流れる。
【0067】
他方、第1の差動入力端子を構成する第1、第2の入力端子11a、11bの一方に高電圧が印加され、他方に低電圧が印加されると、第1、第2のスイッチトランジスタ45a、45bのうち、高電圧がベース端子に印加された側のスイッチトランジスタが導通し、低電圧がベース端子に印加された側のスイッチトランジスタが遮断する。
【0068】
このとき第1、第2のスイッチトランジスタ45a、45bのうちの導通しているトランジスタを介して負荷抵抗8に大電流が流れる。負荷抵抗8に大電流が流れると、負荷抵抗8と、各スイッチトランジスタ45a、45bのコレクタ端子との接続部分90の電圧(以下でコレクタ電圧と称する。)が大きく低下する。他方、負荷抵抗8に小電流が流れるときには、コレクタ電圧の低下は小さく、大電流が負荷抵抗8に流れる場合に比してコレクタ電圧が高くなる。
【0069】
第1の差動入力端子11を構成する第1、第2の入力端子11a、11bには、図2に示すように互いに位相の異なる矩形波が入力されるが、その矩形波の変動とともに、コレクタ電圧がどのように変動するかについて、図2を参照しながら以下で説明する。
【0070】
図2のタイミングチャートに、第1の差動入力端子を構成する第1、第2の入力端子11a、11bに入力される矩形波と、コレクタ電圧との関係を示す。
【0071】
図2の符号11a、11bは、第1の差動入力端子を構成する第1、第2の入力端子11a、11bに入力される矩形波の波形をそれぞれ示している。図2に示すように、第1、第2の入力端子11a、11bに入力される矩形波は互いに逆位相である。
【0072】
入力端子11aに入力される信号が高電圧のとき、スイッチトランジスタ45aは導通状態となって負荷抵抗8に大きな電流を供給する。このとき、入力端子11bに入力される信号は低電圧であるから、スイッチトランジスタ45bは遮断状態にある。負荷抵抗8に大きな電流が流れるので、コレクタ電圧90は低電圧レベルになる。
【0073】
入力端子11aに入力される信号が高電圧から低電圧に遷移すると、それに伴ない、入力端子11bに入力される信号が低電圧から高電圧に遷移する。この信号の遷移に応じて、スイッチトランジスタ45aは導通状態から遮断状態に変化し、スイッチトランジスタ45bは遮断状態から導通状態に変化する。このスイッチトランジスタ45a、45bの状態の変化に応じて、負荷抵抗8に流れる電流が徐々に小さくなり、コレクタ電圧90が上昇する。このコレクタ電圧90の上昇は、入力端子11a、11bに入力される信号が互いにクロスする時点まで続く。
【0074】
このクロス点以降においては、スイッチトランジスタ45bに流れる電流が増加することによって、負荷抵抗8に流れる電流が増加し、コレクタ電圧90は徐々に降下する。
【0075】
入力端子11a、11bに入力される信号がそれぞれ低電圧と高電圧に完全に遷移すると、スイッチトランジスタ45aは遮断状態となり、スイッチトランジスタ45bは導通状態となる。このとき、スイッチトランジスタ45bが負荷抵抗8に大きな電流を供給するので、コレクタ電圧90は低電圧レベルとなる。
【0076】
このように、コレクタ電圧90は、入力端子11a、11bに入力される信号に応じて変化し、入力端子11a、11bに入力される信号の電圧の変化に応じた三角波となる。また、この三角波は、入力端子11a、11bに入力される信号の2倍の周波数を有する。
【0077】
尚、第1のトランジスタ回路23のトランジスタ33a、33bと第2のトランジスタ回路24のトランジスタ34a、34bとはスイッチトランジスタ45a、45bと同様に動作するので、結合端子93、94の電圧は、図2に示すように、コレクタ電圧90と逆の三角波となる。
【0078】
かかるコレクタ電圧が生じる第1、第2のスイッチトランジスタ45a、45bのコレクタ端子と負荷抵抗8との接続部分90には、電圧印加回路7が接続されている。この電圧印加回路7は、二個のコンデンサ47a、47bを有している。各コンデンサ47a、47bの一端は、ともに第1、第2のスイッチトランジスタ45a、45bのコレクタ端子に接続されており、各スイッチトランジスタ45a、45bに電流が流れ、各コレクタ端子に上述したコレクタ電圧が生じると、そのコレクタ電圧の直流成分をカットした後、直流成分がカットされたコレクタ電圧を補償信号として、第2の差動入力端子12を構成する第1、第2の入力端子12a、12bに印加する。
【0079】
こうして第1、第2の入力端子12a、12bに印加される補償信号は、コレクタ電圧と同様に、第1の差動入力端子に印加される矩形波の二倍の周波数で変動する。
【0080】
上述したように、従来では第2の差動入力端子12を構成する第1、第2の入力端子12a、12bに、第1、第2のトランジスタ回路の結合端子93、94の電位変動がノイズ成分として漏れだしていたが、そのノイズ成分と矩形波との関係を以下で説明する。
【0081】
第1の差動入力端子を構成する第1、第2の入力端子11a、11bのいずれか一方に高電圧が印加されると、第1のトランジスタ回路23では、ベース端子に高電圧が印加された側のトランジスタが導通する。例えば第1の入力端子11aと第2の入力端子11bとに高電圧と低電圧とが印加されると、第1のトランジスタ回路23では、第1のトランジスタ33aが導通するとともに第2のトランジスタ33bが遮断する。
【0082】
第1のトランジスタ回路23の結合端子93の電位は、第1のトランジスタ33aのベース端子に印加された高電圧からトランジスタ33aのVBE分だけ低い電位となる。このとき、第2のトランジスタ33bは遮断しており、第1のトランジスタ回路の結合端子93の電位変動には影響を与えない。このため、第1のトランジスタ回路の結合端子93の電位は、導通した第1のトランジスタ33aのベース端子の電圧の上昇分だけ上昇する。
【0083】
このように、第1のトランジスタ回路の結合端子93の電位は、第1、第2の入力端子11a、に印加される信号に応じて変化し、信号生成回路6のコレクタ電圧90と逆の電圧変化となる。第2のトランジスタ回路の結合端子94の電位についても、同様に信号生成回路6のコレクタ電圧90と逆の電圧変化となる。
【0084】
また、各結合端子93、94の電位変動の周波数が、第1の差動入力端子に印加される矩形波の周波数の何倍であるかについて説明する。第1のトランジスタ回路23に設けられた第1、第2のトランジスタ33a、33bは、それぞれ矩形波の周波数でスイッチング動作しており、第1、第2のトランジスタ33a、33bは結果として矩形波の半周期ごとに、いずれか一方が導通するので、第1、第2のトランジスタ33a、33bが導通する際に生じる第1の結合端子93の電位変動の周波数は、上述した矩形波の二倍の周波数になる。同様に、第2のトランジスタ回路24の結合端子94の電位変動についても、矩形波の二倍の周波数である。
【0085】
上述した第1、第2のトランジスタ回路の結合端子93、94の電位変動が、第1、第2の差動トランジスタ35a、35bのベース−コレクタ間に生じる寄生容量を介して第2の差動入力端子を構成する第1、第2の入力端子12a、12bにノイズ成分として漏れだすので、そのスイッチングノイズ成分は、その周波数が矩形波の二倍の周波数である。
【0086】
上述したように、第1、第2の入力端子12a、12bには、電圧印加回路7から補償信号が印加されており、その周波数は上記ノイズ成分と同じであり、上記ノイズ成分と逆の向きに電圧変化する。このため、第1、第2のトランジスタ回路の結合端子93、94の電位変動は補償信号によってキャンセルされる。従って、第2の差動入力端子を構成する第1、第2の入力端子12a、12bの前段の回路に、ノイズ成分による悪影響が生じない。
【0087】
実際に、本発明の発明者等がシミュレーションした結果、従来、27℃、電源電圧Vcc=5.0Vの条件で、第2の差動入力端子12に、60.71dB程度現れていたノイズ成分が、42.88dB程度まで小さくなった。
【0088】
上述した図1の増幅回路1では、負荷抵抗8の抵抗値を、電流設定抵抗9の抵抗値に比して大きくすることで、交流的なゲインを大きくし、高周波領域でも、大きな補償信号を第1、第2の入力端子11a、11bに印加させたいという要求があったが、直流的には負荷抵抗8の抵抗値は電流設定抵抗9の抵抗値に比して小さい方がよい。
【0089】
そこで、本発明の増幅回路として、図3の符号10に示す増幅回路のように、図1の電流設定抵抗9に代えて、二個直列接続された電流設定抵抗9a、9bを設け、そのうち低電位側の電流設定抵抗9bに、コンデンサ19を並列接続するように構成してもよい。
【0090】
かかる構成の増幅回路10では、直流的には、信号生成回路6の第1、第2のスイッチトランジスタ45a、45bのエミッタ端子側の全抵抗は、直列接続された電流設定抵抗9a、9bの抵抗値の和となり、負荷抵抗8より大きいが、コンデンサ19が低電位側の電流設定抵抗9bに並列接続されているので、低電位側の電流設定抵抗9bの両端は交流的には短絡している。このため、信号生成回路6の第1、第2のスイッチトランジスタ45a、45bのエミッタ端子側の全抵抗は、交流的には高電位側の電流設定抵抗9aの抵抗値のみとなる。
【0091】
従って、高電位側の電流設定抵抗9aの抵抗値を予め負荷抵抗8の抵抗値より小さくすることで、交流的な負荷抵抗8の抵抗値を高電位側の電流設定抵抗9aの抵抗値に比して大きくすることで、ゲインを大きくし、高周波領域でも大振幅の電圧であるコレクタ電圧を第2の差動入力端子12に印加させることができる。
【0092】
【発明の効果】
スイッチングノイズの影響を低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の増幅回路の一例を示す回路図
【図2】本発明の増幅回路の動作を説明するタイミングチャート
【図3】本発明の増幅回路の他の例を示す回路図
【図4】従来の増幅回路の構成を説明する回路図
【符号の説明】
1……増幅回路 2……負荷回路 3……本体差動増幅回路 4……定電流回路 6……信号生成回路 7……電圧印加回路 11……第1の差動入力端子
12……第2の差動入力端子 15……出力端子
Claims (5)
- 第1の信号が入力される一対の第1の差動入力端子と、
第2の信号が入力される一対の第2の差動入力端子と、
上記第1の差動入力端子の一方の端子に制御端子が接続された第1のトランジスタと上記第1の差動入力端子の他方の端子に制御端子が接続された第2のトランジスタとを有し、上記第1のトランジスタの第2の端子と上記第2のトランジスタの第2の端子とが第1の接続中点に接続されている第1の差動回路と、上記第1の差動入力端子の他方の端子に制御端子が接続された第3のトランジスタと上記第1の差動入力端子の一方の端子に制御端子が接続された第4のトランジスタとを有し、上記第3のトランジスタの第2の端子と上記第4のトランジスタの第2の端子とが第2の接続中点に接続されている第2の差動回路とを有する第1の差動増幅回路と、
上記第2の差動入力端子の一方の端子に制御端子が接続され、上記第1の接続中点に第1の端子が接続された第5のトランジスタと、上記第2の差動入力端子の他方の端子に制御端子が接続され、上記第2の接続中点に第1の端子が接続された第6のトランジスタとを有する第2の差動増幅回路と、
上記第5のトランジスタの第2の端子と上記第6のトランジスタの第2の端子とに対して電流を供給する定電流回路と、
上記第1のトランジスタの第1の端子と上記第3のトランジスタの第1の端子とが接続された第3の接続中点に接続された第1の負荷抵抗回路と、上記第2のトランジスタの第1の端子と上記第4のトランジスタの第1の端子とが接続された第4の接続中点に接続された第2の負荷抵抗回路とを有する負荷回路と、
上記第1の差動入力端子の一方の端子に制御端子が接続され、第5の接続中点に第2の端子が接続され、第6の接続中点に第1の端子が接続された第7のトランジスタと、上記第1の差動入力端子の他方の端子に制御端子が接続され、第5の接続中点に第2の端子が接続され、第6の接続中点に第1の端子が接続された第8のトランジスタとを有する信号生成回路と、
上記第5の接続中点に接続された電流設定回路と、
上記第6の接続中点に接続された負荷抵抗回路と、
上記第6の接続中点に現われる電圧信号を上記第2の差動入力端子の一方の端子と他方の端子とに印加する信号印加回路と、
を有する周波数変換回路。 - 上記信号印加回路が、上記6の接続中点と上記第2の差動入力端子の一方の端子との間に接続された第1の容量回路と、上記第6の接続中点と上記第2の差動入力端子の他方の端子との間に接続された第2の容量回路とを有する請求項1に記載の周波数変換回路。
- 上記電流設定回路が、直列に接続された第1及び第2の抵抗素子と、上記第2の抵抗素子に並列に接続された容量素子とを有する請求項1又は2に記載の周波数変換回路。
- 上記第2の差動増幅回路が、上記第5のトランジスタの第2の端子と上記第6のトランジスタの第2の端子との間に接続された第4の抵抗回路を有し、上記定電流回路が、上記第5のトランジスタの第2の端子と上記第4の抵抗回路との接続中点に接続された第1の定電流源と上記第6のトランジスタの第2の端子と上記第4の抵抗回路との接続中点に接続された第2の定電流源とを有する請求項1、2又は3に記載の周波数変換回路。
- 上記第1、第2、第3、第4、第5、第6、第7及び第8のトランジスタがnpnバイポーラトランジスタである請求項1、2、3又は4に記載の周波数変換回路。
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