JP3819704B2 - 画像形成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像形成装置に関し、さらに詳しくは、交換可能な部材の駆動制御機構に関する。
【0002】
【従来の技術】
複写機、ファクシミリ、プリンタ、印刷機等の画像形成装置には、紙などの記録媒体上に転写されて担持されている未定着画像を定着して複写物や印刷出力とすることがある。
定着に用いられる装置には、一対のローラを対峙させて配置し、一方のローラを加熱ローラとして用い、他方のローラを記録媒体の加圧ローラとして用いる構成がある。この構成では、加熱ローラと加圧ローラとの間のニップ部に記録媒体を挟持させて搬送しながら加熱ローラからの熱により未定着画像を融着させて定着する。
【0003】
定着に用いられる装置には、上述した構成とは別に、ローラとベルトとを組み合わせた構成がある。
この構成では、加熱ローラに代えて、一対のローラに掛け回されたベルトを用い、上記ローラの一つには加圧ローラを対峙させてある。
一対のローラのうちで、加圧ローラと対峙する側のローラと協働してベルトを駆動するローラにはベルトの裏面側から加熱するための熱源が設けられ、加圧ローラにもベルトの表面を加熱するための熱源が設けられている。ベルトは、ローラに比べて体積が小さく、熱容量が小さいので短時間での温度上昇が可能であり、上述した加熱ローラおよび加圧ローラのみを用いた構成に比べて始動時での温度立ち上がりが早いという利点がある。しかも、加圧ローラでの熱源を加えることによりベルトの表裏両面での温度立ち上がりが早められる。
【0004】
ベルトの構成としては、各ローラが熱伝導率の高いアルミニウムが用いられる場合、ステンレスをローラ表面に接触する基体とし、その表面にシリコンゴムあるいはフッ素系樹脂からなる離型層からなるベルト体を配置した2層構造がある。
【0005】
ベルトを用いた定着装置としては、ベルトおよびこれが捲装されるローラを纏めてユニット内に配置することにより定着ユニットとし、この定着ユニットを画像形成装置本体に対して着脱可能に設けた構成がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
画像形成装置には、寿命に応じて交換できる構成が設けられる場合があり、例えば、寿命によって作像条件が変化するベルトを用いた定着ユニットや異なる色の画像を重畳転写する対象となるフルカラー画像形成用の中間転写ベルトユニットなどがある。
これらベルトを用いた構成では、ベルトが捲装されているローラの外径が交換前と交換後とで変化するとベルトの線速が変化し、これによって、画像ずれや色ずれあるいは画像の一部がこすれてしまったりさらには不要な線が形成されるなどの弊害が発生する。
【0007】
例えば、定着ユニットでいうと、ベルトの寿命に応じた交換時に画像形成装置本体に対して新しいベルトを備えたものが装着されるが、装着された定着ユニット内に装備されている部材の機械的な精度の違いによりベルトの線速が変化することがある。このような変化が発生する原因はベルトが捲装されるローラの加工誤差にある。ローラの外形寸法は機械加工などにより所定の加工誤差範囲内で得られるが、交換前と交換後とで加工誤差が異なると交換前には画像形成処理部、つまり、定着装置に至るまでは適正であったベルトの線速が変化し、これによって、定着対象となる記録媒体の搬送速度に変化が生じることがある。
【0008】
記録紙の搬送速度が変化すると、画像形成処理部と定着装置との間での記録媒体の受け渡し状態が変化する。例えば、定着装置側での搬送速度が画像形成処理部側でのそれよりも遅くなると記録媒体に弛みが生じて画像が擦られてしまう現象が発生したり、ローラに記録媒体が突き当たった際の衝撃によるショックジッターによるライン状のノイズ画像が発生することがある。
特に、ベルトを用いた場合には、ローラ同士による場合と違って記録媒体への挟持圧力がそれほど高くないことから、交換後の加圧ローラに交換前のものとで外径寸法の変化が生じていると記録媒体における搬送速度の変化が顕著となり、上述した現象が発生しやすくなる。
【0009】
中間転写ベルトを用いる場合でいうと、このベルトを用いる多色画像形成は、色分解された色毎の画像を中間転写体にそれぞれ重畳転写し、この重畳転写された画像を記録媒体に一括転写することによりフルカラー画像が得られるようになっている。特に、中間転写ベルトの展張方向に沿って各色の画像形成処理部を並設してフルカラー画像を得るようにした構成の場合には、ベルトの線速が変化すると、それまで適正であった画像転写タイミングに対してベルトの移動速度が変化していることで正規の転写位置と異なる位置に転写が開始されてしまい、結果として、色ずれが発生した不良画像が得られてしまうことになる。
【0010】
本発明の目的は、上記従来の画像形成装置、特に着脱可能なユニットを備えた構成における問題に鑑み、装着されるユニット毎に内部に装備されている部材の情報を識別してこの情報に応じた線速の設定を行えるようにして不良画像の発生を防止することが可能な画像形成装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、複数のローラに捲装されて移動可能なベルトを備えて着脱可能なユニットを装備している画像形成装置において、該ベルトは、
記録媒体に画像を転写する転写体であって、該ユニットには、内部に装備されている部材の固有情報を識別させるための識別部が設けられ、上記ユニットが装着される側には、該識別部と結合することで該固有情報を入力される制御部を備え、該制御部は、上記識別部からの情報に基づき上記ベルトの線速を変更することを特徴としている。
【0012】
請求項2記載の発明は、記ユニット内に装備されている部材の上記固有情報が上記ローラの実加工寸法または加工誤差であることを特徴としている。
【0013】
請求項3記載の発明は、請求項1記載の画像形成装置において、上記制御部は、予め、加工寸法に関する誤差から得られる線速差とこの線速差を打ち消すに必要な速度変更量とを登録したマップを備え、記ユニットの上記識別部から得た情報に基づく線速差を割り出してその線速差に応じた速度に変更することを特徴としている。
【0014】
請求項4記載の発明は、請求項3記載の画像形成装置において、上記速度変更量は、上記ベルトの駆動源での回転数を対象とすることを特徴としている。
【0015】
請求項5記載の発明は、請求項1乃至4のうちの一つに記載の画像形成装置において、 上記ユニットの上記識別部は、複数子から選択されるプッシュスイッチで構成されていることを特徴としている。
【0016】
請求項6記載の発明は、請求項1乃至4のうちの一つに記載の画像形成装置において、上記ユニットの上記識別部は、電気的な記憶媒体で構成されていることを特徴としている。
【0017】
請求項7記載の発明は、請求項1乃至4のうちの一つに記載の画像形成装置において、上記ユニットの上記識別部はジャンパースイッチで構成されていることを特徴としている。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、図示実施例により、本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本発明実施例による定着装置を適用した画像形成装置の一つを示す図であり、同図に示す画像形成装置は、フルカラー画像を形成可能な複写機あるいはプリンタとして用いられる。画像形成装置には、この他に、受信した画像信号に基づき上述した複写機およびプリンタと同様な画像形成処理が可能なファクシミリ装置がある。なお、画像形成装置には、上述したカラー画像を対象とするだけでなく、単一色の画像を対象とする装置も勿論含まれる。
図1に示す画像形成装置20は、色分解毎の画像を同一の中間転写体に順次転写し、紙などのシート状の記録媒体に対して中間転写体上に重畳された画像を一括転写する方式が用いられている。
【0020】
図1において、画像形成装置20は、次に挙げる各装置を備えている。
原稿画像に応じた各色毎の画像を形成する作像装置21C、21Y、21M、21BKと、各作像装置21C、21Y、21M、21BKに対向して配置された転写装置22と、各作像装置21C、21Y、21M、21BKと転写装置22とが対向する転写領域に各種シート状媒体を供給するシート状媒体供給手段としての手差しトレイ23、給紙カセット24、24と、手差しトレイ23、給紙カセット24、24から搬送されてきたシート状媒体を作像装置21C、21Y、21M、21BKによる作像のタイミングに合わせて供給するレジストローラ30と、転写領域において転写後のシート状媒体の定着を行う定着装置1とが備えられている。
【0021】
画像形成装置20は、一般にコピー等に用いられる普通紙(以下単に普通紙という)と、OHPシートや、カード、ハガキといった90K紙、坪量約100g/m2相当以上の厚紙や、封筒等の、用紙よりも熱容量が大きないわゆる特殊シート(以下単に特殊シートという)との何れをもシート状媒体として用いることが可能である。
【0022】
各作像装置21C、21Y、21M、21BKは、それぞれシアン、イエロー、マゼンタ、ブラックの各色の現像を行うものであり、用いるトナーの色が異なるが、その構成が同様であるから、作像装置21Cの構成を各作像像装置21C、21Y、21M、21BKの代表として説明する。
作像装置21Cは、静電潜像担持体としての感光体ドラム25C、感光体ドラム25Cの回転方向である、図中、時計方向の回転に沿って順に配置されている帯電装置27C、現像装置26C、クリーニング装置28Cを有し、帯電装置27Cと現像装置26Cとの間で書き込み装置29からの露光光を受ける周知の構成が用いられる。静電潜像担持体としては、ドラム状の他に、ベルト状とする場合もある。
【0023】
図2において定着装置1は、トナーを定着されるシート状媒体を搬送するための無端状の定着ベルト2と、定着ベルト2を張架され定着ベルト2を駆動する加熱ローラ3及び定着ローラ4と、定着ベルト2を介して定着ローラ4に対向して配置される加圧ローラ5と、加熱ローラ3、加圧ローラ5の内部に備えられたヒータ6、7と、定着ベルト2を介して加熱ローラ3に対向して配置され定着ベルト2の温度を検知する温度検知手段としてのサーミスタ8とを有している。
【0024】
加熱ローラ3は、バネなどの図示しない弾性体により、定着ローラ4から離間させる向きに付勢されることにより、定着ベルト2に所定の張力を与えるようになっている。
定着ローラ4は、芯金9と、この芯金9を被覆する耐熱多孔質の弾性体層10とを有し、芯金9が、その端軸11により、図示しない駆動手段により回転駆動されることで、定着ローラ4が回転駆動され、加熱ローラ3の従動回転により定着ベルト2が駆動される。
【0025】
加圧ローラ5は、バネなどの図示しない弾性体により、定着ローラ4に圧接する向きに付勢されている。加圧ローラ5は、定着ローラ4の軸心を頂点とし定着ローラ4の軸心と加熱ローラ3の軸心、加熱ローラ3の軸心と加圧ローラ5の軸心をそれぞれ結ぶ2本の直線によって挟まれる角が鋭角をなすように定着ローラ4に当接されている。これにより、加圧ローラ5が定着ローラ4に対向しない部位で定着ベルト2のみに当接する第1の定着部Aと、加圧ローラ5が定着ベルト2を介して定着ローラ4に当接する第2の定着部Bとが形成され、シート状媒体を挟持すると共に加熱する範囲が構成されるようになっている。符号12は定着されるシート状媒体を第1の定着部Aに向けて案内するガイドを示している。なお、図2において符号32は定着ローラ4に対してオフセット防止用オイルを塗布するためのローラであり、符号32は余剰オイルを回収するクリーニングローラを示している。
【0026】
図2に示す定着ベルト2は、ニッケル製あるいはステンレス製などの金属体を用いて厚さが50〜100μmの基体13と、基体13上に積層された200μmのシリコンゴム製等の弾性体からなる離型層14とを備えて構成されており、熱容量が小さく、熱応答性を良好にされている。
【0027】
基体13は上述した金属製に代えてポリイミド製等の樹脂製であってもよく、可撓性を考慮すると厚さは30〜150μm程度であればよい。離型層14は、シリコンゴムを用いる場合は厚さ50〜300程度が望ましく、フッ素樹脂系を用いる場合は厚さ10〜50μm程度が望ましい。また離型層14はシリコンゴムの上にフッ素樹脂系を重ねた構成でもよい。定着ベルト2は瞬時に加熱され、かつ、ホットオフセットを生じない程度に、定着領域でベルト表面が自己冷却される特性が望まれるが、他方では、定着領域において、トナーを十分に溶かして定着させるのに必要な熱容量を有していなければならない。定着ベルト2の上記材質及びその厚さはこの条件を満たすものである。この場合の自己冷却とは、定着領域におけるシート状媒体の未定着画像側に、加熱源がないことにより、定着工程においてベルトが冷える現象をいう。
【0028】
定着ベルト2は、加熱ローラ3が定着ロ−ラ4から離れる向きに付勢されていることにより、3kgf/片側の張力を与えられている。この張力は、上記付勢力を調整することにより設定でき、1kgf(9.8N)〜3kgf(29.4N)の範囲で設定することが、良好な定着を行う上で好ましい。
【0029】
加熱ローラ3と加圧ローラ5とは、それぞれ薄肉円筒状の芯金からなり低熱容量化が図られている。加熱ローラ3の芯金の径は20mm以上30mm以下、かつ同芯金の肉厚は0.3mm以上2.0mm以下であり、加圧ローラ5の芯金の径は30mm以上50mm以下、かつ同芯金の肉厚は0.3mm以上1.5mm以下である。これにより、加熱ローラ3の熱容量は26cal/°C以下、加圧ローラ5の熱容量は36cal/°C以下とされている。
【0030】
本実施例において、加熱ローラ3の芯金は、鉄製であり、径を20mm、肉厚を0.7mmとされている。材質は、比熱が小さく、熱伝導率が大きいものが好ましく、他にもアルミニウム、銅、ステンレス等の金属を使用することができる。他にも、鉄製でローラ径が20mmのときは肉厚を0.7mm〜1.4mmの範囲、鉄製でローラ径が30mmのときは肉厚を0.3mm〜0.9mmの範囲、アルミニウム製でローラ径が30mmのときは肉厚を0.6mm〜1.4mmの範囲で設定することができる。径が大きいほど肉厚を薄くするのは、ローラの軸方向の曲がりを考慮したものである。
【0031】
定着装置1は、内部に上述したベルトおよびローラを装備することができる空間を備えたケーシング1Aに纏めて収容されたユニットとして構成されており、画像形成装置20に対して着脱できるようになっている。着脱操作はベルトやその他の部材の寿命あるいは不具合にが発生した際の交換時に行われる。このため、定着装置1のケーシング1Aには、上面に起倒可能な把手1B(図2参照)が設けられており、把手1Bを持つことにより画像形成装置20に対して出し入れすることができるようになっている。
【0032】
ケーシング1Aには、内部に収容されている部材の固有情報を識別するための構成が設けられている。この構成は、図3および図4に示されているように、ケーシング1Aの底部に設けられている識別部1C(図4では符号1C’で示す)およびケーシング1Aが画像形成装置20側に装着された際にケーシング1Aの底部に対向する画像形成装置20側に設けられた情報読み取り部20A(図4では、符号20A’で示す)とで構成されている。
図3に示す識別構成は、画像形成装置20側の情報読み取り部20Aに並設された複数のスイッチ20A1(図3(B)参照)と、ケーシング1A側に設けられていてこれらスイッチ20A1に対して押圧動作が選択可能なロッド部材で構成された識別部1Cが用いられている。
【0033】
図3に示す構成では、スイッチ20A1に対するロッド部材1Cの位置に応じてスイッチ20A1の少なくとも一つが作動される状態、あるいはいずれも作動されない状態がそれぞれ選択されることでケーシング1A内に装備されている部材の固有情報が識別できるようになっている。この場合の固有情報とは、ケーシング1A内に装備されている部材であるローラの加工寸法あるいは加工誤差が該当しており、スイッチ20A1の作動位置に応じてコード化された信号が後述する制御部100に取り込まれるようになっている。
【0034】
図4に示す識別構成は、図3に示したスイッチ20A1に代えて、画像形成装置20の情報読み取り部20Aに設けられた複数のジャンパーピン(便宜上、符号20A1’で示す)と、これに対して嵌合位置を選択可能なレセプタクル(便宜上、符号1C’で示す)が用いられる。
図4に示す構成では、ジャンパーピン20A1’に対するレセプタクル1C’の嵌合位置を選択することにより図3に示した構成と同様に、ケーシング1A内に装備されている部材の固有情報を識別できる。
【0035】
図3および図4に示した識別構成に対し、ケーシング1A側には電気的な記憶素子の一つである半導体メモリを、そして画像形成装置20側には半導体メモリと接続可能な端子を設けて半導体メモリに記憶されている固有情報を画像形成装置20側で読み取るようにすることも可能である。
【0036】
画像形成装置20側に位置する情報読み取り部20A、20A’は、図5に示す制御部100に接続されている。
図5において制御部100は、マイクロコンピュータにより主要部が構成されており、図示しないI/Oインターフェースを介して入力側には情報読み取り部(便宜上、図3に用いた符号20Aで示す)が接続され、出力側には、定着ベルト2の駆動側ローラに相当する定着ローラ4の駆動モータMの駆動部101が接続されている。
【0037】
制御部100は、情報読み取り部20Aによって取り込まれたケーシング1A側の固有情報、この場合は、ローラの実加工寸法あるいは加工誤差に応じて定着ベルト2の線速を変更する制御を行うようになっている。このため、制御部100では、定着ベルト2に対して予め設定されている線速に対して固有情報に基づいて得られる線速差を割り出し、線速差を打ち消すように定着ベルト2の線速を変更するようになっている。
上記線速(Va)は、
Va=(ローラ外径*円周率*回転数(rpm))/60(sec)
で求められるので、加工誤差、換言すれば、公差が固有情報として識別されると、その情報に応じた線速が求められ、予め設定されている定着ベルト2の線速との差が割り出されることで、その線速差を打ち消すに必要な定着ベルト2の線速、換言すれば、定着ベルト2の駆動源での回転速度を変更する。
【0038】
図6は、加工誤差に基づく線速差を横軸にとり、定着ベルト2の線速(速度)変更量を縦軸にとって関係づけた制御用マップを表す線図であり、同図において、線速差の大きさに比例して速度の変更量を設定することにより常に一定した定着ベルト2の線速を維持することができる。本実施例では、定着ベルト2の線速を変更するパラメータとして、定着ローラ4の駆動モータMの回転数が用いられ、この回転数を変更できるように駆動部101からの出力電流値が設定される。なお,図6における縦軸は線速差に対する速度の変更程度を表しているものであり,速度そのものをあらわすものではない。従って、制御部100では、加工誤差が大きくなるのに応じて発生する線速の誤差発生傾向に応じて、速度を増速あるいは減速することで線速度差をなくすための速度管理が行われる。
【0039】
本実施例は、以上のような構成であるから、定着装置1は、予め出荷時に固有情報を登録されている。つまり、ケーシング1Aの内部に装備されている部材である定着ベルト2の線速に影響するローラの外径寸法あるいは、所定の外形寸法に対する実寸法による加工誤差が固有情報として登録されている。固有情報を識別させるためにケーシング1A側の識別部1Cあるいは1C’は、予め規則化されているコード化に順じた位置関係で配置され、定着装置1のケーシング1Aが画像形成装置20側に装着された際に情報読み取り部20A、20A’における作動状態が設定され、この作動状態に応じたコード化信号が制御部100に取り込まれる。
【0040】
制御部100では、取り込まれた固有情報に基づき定着ベルト2における実際の線速が求められ、予め設定されている線速との差を割り出したうえで、その線速差を打ち消すに必要な線速変更を実行し、定着ベルト2の線速を一定化する。
【0041】
本実施例によれば、出荷時に設定されている固有情報を用いるだけで定着装置1毎での定着ベルト2の線速差をなくして定着装置1に至る前と定着装置1内を通過する過程とで記録媒体の搬送速度を一定化することができる。これにより、搬送速度の違いによって定着装置1に搬送された時点で発生しやすい弛みやショックジッターを防止することができる。
【0042】
上記実施例では、ベルトを用いる装置の一つである定着装置1を対象として固有情報に応じて線速差をなくす制御の例を示したが、画像形成装置20に用いられるベルトの他の一つである中間転写ベルトを用いる転写装置22を対象として定着装置1との間で、あるいは各色の作像部との間で記録媒体の搬送速度の変化をなくすようにすることも可能である。
【0043】
【発明の効果】
請求項1および2記載の発明によれば、ユニットに有する固有情報の識別部からの情報によりユニット内に装備されている部材の加工寸法あるいは加工誤差に応じたベルトの線速を変更できるので、ベルトを画像が直接転写される対象として用いた場合にその線速を一定化することができる。これにより、ベルトの線速が変化することによる色ずれなどの不良画像の発生を防止することが可能となる。
【0044】
請求項3および4記載の発明によれば、加工誤差によって発生する線速差とこの線速差を打ち消すのに必要な速度変更量とが予め関係づけられているので、ユニット交換後にユーザあるいはサービスマンによる修正作業が不要となり、ユニット装着後の手間を省いて不良画像の発生を防止することが可能となる。
【0045】
請求項5乃至7記載の発明によれば、推知や記憶媒体を用いることでユニットの出荷時にユニット内の部材の加工寸法や加工誤差を識別できる状態に設定できる。これにより、ユーザやサービスマンにとって何ら手数をかけることなく安定したベルトの線速が設定でき、不良画像の発生を殆ど自動的に防止することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態による画像形成装置の一例を説明するための模式図である。
【図2】図1に示した画像形成装置に用いられる定着装置の全体構成を説明するための模式図である。
【図3】図2に示した定着装置が図1に示した画像形成装置に装着される箇所の構成の一例を示す部分的な斜視図である。
【図4】図3に示した定着装置における装着箇所の構成に関する他の例を示す部分的な斜視図である。
【図5】図1に示した画像形成装置に用いられる制御部の構成を説明するためのブロック図である。
【図6】 図5に示した制御部に用いられる制御マップを示す線図である。
【符号の説明】
1 定着装置
1A 定着装置のケーシング
1C1 識別部の一例をなすロッド部
1C1’ 識別部の他の例をなすレセプタクル
2 定着ベルト
3 加熱ローラ
4 定着ローラ
5 加圧ローラ
20 画像形成装置
20A、20A’ 情報読み取り部
20A1 スイッチ
20A1’ ジャンパーピン
100 制御部
101 駆動源の駆動部
M 定着ベルトの駆動源となるモータ
Claims (7)
- 複数のローラに捲装されて移動可能なベルトを備えて着脱可能なユニットを装備している画像形成装置において、
該ベルトは、
記録媒体に画像を転写する転写体であって、
該ユニットには、内部に装備されている部材の固有情報を識別させるための識別部が設けられ、
上記ユニットが装着される側には、上記識別部と結合することで上記固有情報を入力される制御部を備え、
該制御部は、上記ユニットの上記識別部からの情報に基づき上記ベルトの線速を変更することを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1記載の画像形成装置において、
上記ユニット内に装備されている部材の上記固有情報が上記ローラの実加工寸法または加工誤差であることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1記載の画像形成装置において、
上記制御部は、予め、加工寸法に関する誤差から得られる線速差とこの線速差を打ち消すに必要な速度変更量とを登録したマップを備え、
上記ユニットの上記識別部から得た情報に基づく線速差を割り出してその線速差に応じた速度に変更することを特徴とする画像形成装置。 - 請求項3記載の画像形成装置において、
上記速度変更量は、上記ベルトの駆動源での回転数を対象とすることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1乃至4のうちの一つに記載の画像形成装置において、
上記ユニットの上記識別部は、複数子から選択されるプッシュスイッチで構成されていることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1乃至4のうちの一つに記載の画像形成装置において、
上記ユニットの上記識別部は、電気的な記憶媒体で構成されていることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1乃至4のうちの一つに記載の画像形成装置において、
上記ユニットの上記識別部はジャンパースイッチで構成されていることを特徴とする画像形成装置。
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