JP3819317B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、用紙表面に付着したトナー像を用紙に定着させる定着装置が備えられた画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、電子写真方式の複写機やプリンタ等の画像形成装置においては、ヒートローラ及び圧ローラからなる定着ローラのニップ部に用紙を挿通し、未定着トナー像を用紙に加熱加圧定着する定着装置が備えられている。この定着装置では、ウォームアップ時及び両ローラのニップ部に用紙がない時は、当該ニップ部においてヒートローラから圧ローラに熱が伝達されて圧ローラが暖められ、ニップ部に用紙が挿通された時にヒートローラ及び圧ローラの両側からトナー像及び用紙を加熱するようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のように、ウォームアップ時に両ローラのニップ部においてヒートローラから圧ローラに熱を付与して圧ローラを暖める場合、ヒートローラから圧ローラに大量の熱が奪われるのでウォームアップに長時間を要する。また、高速印刷用にニップ幅を大きく構成する場合、ニップ幅の拡大に伴って用紙への供給熱量が増加して消費電力が大きくなるため、一般的な電源容量(1500W)では不十分である。さらに、ニップ幅を拡大するためには両ローラの外形を大きくしなければならないため、定着装置が大型化するという問題も生じる。また、定着ベルトを用いて両ローラのニップ部に用紙が搬送される前にトナー像及び用紙を加熱する方式も提案されているが、用紙搬送状態が安定しないために画像乱れが生じ易く、また、ベルトと用紙との間の距離が大きいためにローラ方式で加熱する場合ほどの効果は得られない。
【0004】
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、ヒートローラ及び圧ローラのニップ幅を大きく構成しなくても確実にトナー像及び用紙に必要な加熱を行うことを可能としながら、消費電力を抑え、ウォームアップ時間も短縮することができる定着装置を備えた画像形成装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために請求項1に記載の発明は、ヒートローラ及び圧ローラからなる定着ローラ対を有し、用紙表面の未定着トナーを用紙に定着させる定着装置を用いた画像形成装置において、
前記ヒートローラには強磁性かつ導電性材料からなる薄膜状の発熱層が設けられ、前記ヒートローラに対向させて配設された昇温用コイルによって前記ヒートローラが誘導加熱方式で加熱され、
前記両ローラのニップ部の用紙搬送方向上流側には、前記ヒートローラに用紙を吸着させるためのバイアスが印加されるバイアス印加手段として、前記ヒートローラに当接して従動回転するバイアスローラが設けられ、このバイアスローラが、強磁性かつ導電性材料からなる薄膜状の発熱層を有し、前記昇温用コイルによって昇温されるものである。
【0006】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の画像形成装置であって、前記昇温用コイルが、前記ヒートローラ及び圧ローラのニップ部と前記バイアス印加手段との間に配設されているものである。
【0007】
これらの構成によれば、ヒートローラ及び圧ローラのニップ部の用紙搬送方向上流側に設けたバイアス印加手段によって用紙をヒートローラに吸着させるので、用紙が上記ニップ部に搬送される前から用紙をヒートローラで加熱することができる。これにより、用紙がヒートローラによって加熱される時間及び距離が長くなるので、両ローラのニップ幅を拡大しなくてもヒートローラから用紙に大量の熱が付与される。従って、上記ニップ部においては用紙に大量の熱を供給する必要がないので、高速印刷用の定着を行う場合でもニップ幅を拡大する必要がない。また、用紙に大量の熱を付与する場合でもニップ幅を拡大する必要がないので、当該ニップ部から圧ローラに熱量が奪われることがない。よって、ヒートローラを加熱するために要する消費電力を低減し、定着装置のウォームアップ時間を短縮することが可能になる。
【0008】
また、ヒートローラに加えてバイアスローラまでが昇温用コイルによって加熱されるので、当該バイアスローラは用紙をヒートローラに吸着させることに加えて、用紙を加熱する役割を果たす。これによって、更に多くの熱を用紙に付与することができ、用紙へのトナー定着性を更に向上させることができる。
【0009】
また、ヒートローラを誘導加熱方式で加熱することでウォームアップ時間削減及び加熱効率向上を図ることができる他、特に、請求項2に記載の発明の場合は、ヒートローラに対向する位置に昇温用コイルを配設するので、ヒートローラ及び圧ローラのニップ部近傍に昇温用コイルを配置することが可能になり、当該ニップ部を効率良く加熱することが可能になる。
【0010】
また、請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の画像形成装置であって、前記未定着トナーの定着が行われる用紙の各サイズに応じた加熱性能を有する各々の前記昇温用コイルを設けておき、前記定着装置に搬送されてくる用紙サイズに応じて、当該用紙のサイズに応じた加熱性能を有する前記昇温用コイルに切り換えられるものである。
【0011】
この構成によれば、各サイズの用紙を加熱するために必要な熱量を的確にヒートローラに発生させることができる。
【0012】
また、請求項4に記載の発明は、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の画像形成装置であって、前記バイアス印加手段に交流バイアスを印加するものである。
【0013】
この構成によれば、バイアス印加手段に印加する交流バイアスによって用紙上のトナーが除電されるので、オフセットを防止することができる。
【0014】
また、請求項5に記載の発明は、請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の画像形成装置であって、前記バイアス印加手段にトナーと同極性のバイアスを印加するものである。
【0015】
この構成によれば、用紙がバイアス印加手段を通過するときに、用紙上のトナーがヒートローラ側に付勢されるので、ヒートローラからトナーに熱が供給され易くなる。これにより、トナーを溶け易くして用紙への定着性を向上させることができる。
【0016】
また、請求項6に記載の発明は、請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の画像形成装置であって、前記圧ローラにトナーと逆極性の電圧を印加するものである。
【0017】
この構成によれば、バイアス印加手段を通過した後にヒートローラ側に付勢された状態となっているトナーを、用紙が圧ローラを通過するときに再び用紙側に付勢することができる。これにより、トナーの用紙への定着性が更に向上する。
【0018】
また、請求項7に記載の発明は、請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の画像形成装置であって、強磁性かつ導電性材料からなる薄膜状の発熱層が前記圧ローラに設けられ、前記昇温コイルによって圧ローラが昇温されるように構成されているものである。
【0019】
この構成によれば、ヒートローラ及び圧ローラのニップ部に用紙が搬送されてきた時に圧ローラからも用紙を加熱することができるので、更に多くの熱を用紙に付与することができ、用紙へのトナー定着性を更に向上させることができる。
【0020】
また、請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の画像形成装置であって、前記バイアス印加手段又は前記圧ローラには、前記強磁性かつ導電性材料からなる薄膜状の発熱層に代えて、非磁性かつ導電性の金属からなる薄膜状の発熱層が設けられたものである。
【0021】
この構成によれば、強磁性かつ導電性の金属によって発熱層を形成する場合よりも、バイアスローラ及び圧ローラの発熱層の発熱量を抑制して消費電力量を抑えることができるので、昇温用コイルからの電力供給量のバランスを制御して、ヒートローラに集中的に効率よく供給することができる。
【0022】
また、請求項9に記載の発明は、請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の画像形成装置において、前記圧ローラが低熱容量の材質からなるものである。
【0023】
この構成によれば、圧ローラが短時間で昇温し、かつ、ヒートローラ及び圧ローラのニップ部においてヒートローラから圧ローラに移動する熱量を抑制することができるので、ヒートローラの加熱に要する消費電力が低減され、定着装置のウォームアップ時間も短縮される。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の第1の実施形態に係る画像形成装置について図面を参照して説明する。図1は本発明に係る画像形成装置の概略構成の1例を模式的に示す図、図2は各色の画像形成部を模式的に示す図である。なお、図1では現像装置3及びクリーニング装置20は内部構成の図示を省略している。図1に示すように、プリンタ1(画像形成装置の1例)はタンデム方式のフルカラー画像形成装置であってプリンタ本体ハウジング2の内部において用紙搬送ベルト8の上方にはその搬送方向の上流から下流方向に向かって(図1では右方から左方にかけて)、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの各色画像形成部が用紙搬送ベルト8の上方に設けられている。外部PC装置からの出力画像の色情報に応じてフルカラー画像出力とモノクロ画像出力の何れかが選択され、画像出力速度はフルカラー画像出力とモノクロ画像出力の何れもA4サイズにおいて約20枚/分である。各々の画像形成部には、アモルファスシリコン感光体ドラム4と、その周囲には主帯電器5と、LED露光部6と、現像装置3と、転写ローラ9と、クリーニング装置20が備えられている。クリーニング機構20は、感光体ドラム4の表面を清掃するためのクリーニングローラ21及びクリーニングブレード22、これらクリーニングローラ21及びクリーニングブレード22によってドラム表面から除去されたトナーを一箇所に集めるためのスパイラル23を有している。
【0025】
図2に示すように、現像装置3には内部に図示しない固定磁石を配した現像スリーブ3aが設けられている。コールターカウンタによるメジアン径(体積基準)が約9μmのブラック、イエロー、シアン、マゼンタの各色トナー5重量部と平均粒径約70μmのフェライトキャリア95重量部とを混合してなされる各色現像剤が現像装置3内に収納されており、現像スリーブ3a表面には各色現像剤による磁気ブラシが形成されている。ここで、トナーはキャリアとの摩擦帯電によって正に帯電する。各色画像形成部の各々のアモルファスシリコン感光体ドラム4と現像スリーブ3aとは互いが対向した現像領域において、図示する同じ方向に回転しており、感光体ドラム4の周速度は約100mm/sec、現像スリーブ3aの周速度は約200mm/secである。感光体ドラム4と現像スリーブ3aとの隙間と、図示しない穂切板と現像スリーブ3aとの隙間は何れも約0.5mmである。現像スリーブ3aには約+300Vの現像バイアス電圧が印加されている。
【0026】
図1、図2において最初に感光体ドラム4が帯電部5によって一様に約+400Vに帯電され、外部PC等から入力された原稿画像データに基づくLED光がLEDプリントヘッドユニット6からドラム表面上に照射される。光照射された露光部分が約+25Vにまで光減衰し、非露光部分の約+400Vの部分とで静電潜像が形成される。現像スリーブに印加された約+300Vの現像バイアス電圧によって現像剤中の正帯電トナーが感光体表面の露光部分に反転現像される。画像形成を繰り返して現像剤中のトナーが消費されてもトナー濃度を一定値に維持する為に、トナー供給容器7B、7Y、7C、7Mから図示しない搬送手段によって各色現像装置3に対してトナー補給がそれぞれ行われる。
【0027】
用紙搬送ベルト8は転写ローラ9によって各感光体ドラム4に押し付けられた状態とされ、不図示のモータ等によって回転駆動される駆動ローラ10と、この駆動ローラ10によって無端回転される用紙搬送ベルト8に従って回転する従動ローラ11とによって、搬送速度が感光体ドラム4と等速の約100mm/secとなる様に、転写領域において感光体4と同方向に駆動される。転写ローラ9には約-1.5kVの電圧が印加されている。
【0028】
給紙機構12から用紙搬送路13を経由して用紙搬送ベルト8側に用紙が搬送されると、レジストローラ17によって各感光体ドラム4及び転写ローラ9等による画像転写動作と給紙動作のタイミングが調整される。当該タイミングの調整後、レジストローラ17が回転駆動されて用紙が感光体ドラム4と用紙搬送ベルト8との間に搬送される。
【0029】
そして感光体ドラム4と用紙搬送ベルト8との間に、給紙機構12から用紙搬送路13を経由して用紙が搬送され、用紙が各感光体ドラム4と用紙搬送ベルト8との間を搬送されていく間に、約-1.5kVが印加された転写ローラ9によって各感光体ドラム4表面の正帯電の各色のトナー像が次々に用紙側に転写される。
【0030】
全ての感光体ドラム4からトナー像が転写された用紙は、本発明に係る定着装置14に搬送されてトナー像が定着され、カラー画像が形成される。この定着装置14の定着ローラ対を通過した用紙は用紙搬送路15に送られ、排出部16から排出される。
【0031】
定着装置14について説明する。図3は定着装置14の概略構成を示す側面図である。定着装置14は、ヒートローラ141,圧ローラ142及びバイアスローラ143を備え、これら全てのローラが誘導加熱方式(IH方式)で加熱される。定着装置14は、用紙はヒートローラ141及び圧ローラ142のニップ部に搬送される前にバイアスローラ143を通過するようになっている。バイアスローラ143には、用紙をヒートローラ141に吸着させるためのバイアスが印加されている。このバイアスローラ143によって、用紙がバイアスローラ143を通過した地点から用紙をヒートローラ141に吸着させておき、用紙がヒートローラ141及び圧ローラ142のニップ部に差し掛かる前から用紙がヒートローラ141で加熱されるようにする。そして、ヒートローラ141及び圧ローラ142のニップ部で用紙を加熱加圧してトナー層を用紙に定着させる。これら各ローラは、図3に示す矢印方向に回転して用紙を搬送するようになっている。
【0032】
ヒートローラ141は外径が約20mmであって、表面に強磁性かつ導電性の金属(例えば、鉄,SUS等)からなる肉厚約1.5mmの発熱層141aが形成されている。この発熱層141aの外面側には、フッ素樹脂等からなる離形層141bが設けられている。
【0033】
圧ローラ142は外径が約10mmであって、ヒートローラ141に圧接された状態で設けられている。この圧ローラ142は、強磁性かつ導電性の金属(例えば、鉄,SUS等)からなる肉厚約1mmの発熱層142aを下層、カーボンブラックを分散させた肉厚約1.55mmの弾性ゴム層142bを上層とした2層構造となっており、ヒートローラ141との間に所望のニップを形成することが可能である。さらに、圧ローラ142には、用紙上の正帯電トナーとは逆極性の負の直流バイアス電圧約-2kVが印加されており、約-20μAの電流が流れるように調整されている。圧ローラ142は図示しない付勢手段によってヒートローラ141に付勢されており、ヒートローラ141の駆動に合わせて従動回転するようになっている。
【0034】
バイアスローラ143は、ヒートローラ141及び圧ローラ142のニップ部よりも用紙搬送方向上流側に配設されている。このバイアスローラ143は外径が約5mmであって、強磁性かつ導電性の金属(例えば、鉄,SUS等)からなる肉厚約1mmの発熱層143aを下層、カーボンブラックを分散させた肉厚約1mmのフッ素ゴム層143bを上層とした2層構造となっている。
【0035】
さらに、バイアスローラ143には、用紙上の正帯電トナーと同極性の正の直流電圧約1.5kVに、周波数約1KHzであってピークツーピーク電圧が約1.1kVの交流電圧が重畳印加されており、約+20μAの電流が流れるように調整されている。バイアスローラ143は、図示しない付勢手段によってヒートローラ141に付勢されており、ヒートローラ141の駆動に合わせて従動回転するようになっている。
【0036】
ヒートローラ141及び圧ローラ142のニップ部とバイアスローラ143との間には、ヒートローラ141,圧ローラ142及びバイアスローラ143を誘導加熱方式によって発熱させるためのIHコイル(昇温用コイル)145が設けられている。IHコイル145は、ヒートローラ141の回転軸方向に螺旋状に巻かれたコイルからなり、ヒートローラ141の表面に対向させて設けられている。IHコイル145は、ヒートローラ141及び圧ローラ142のニップ部の近傍であって、かつ、バイアスローラ143をも加熱し得る位置に配設される。IHコイル145に高周波電流が流れると、それによって生じた高周波磁界によって、ヒートローラ141,圧ローラ142及びバイアスローラ143の各発熱層141a,142a,143aに誘導渦電流が発生し、ジュール熱により各ローラ自体(各発熱層)が昇温するようになっている。
【0037】
上記構成でなる定着装置14によるトナー定着について説明する。図4は定着装置14によるトナー定着を模式的に示す図である。各色のトナー転写が終了した用紙がヒートローラ141及びバイアスローラ143のニップ部まで搬送されてくると、IHコイル145によって発熱されたバイアスローラ143によってトナー及び用紙が加熱される。そして、バイアスローラ143に印加されているバイアスによって(図4(1)バイアス印加)、用紙はヒートローラ141に静電吸着する。さらに、このバイアスローラ143に印加されている正のバイアスは用紙上の正帯電トナーと同極性であるから、用紙上のトナーはヒートローラ141側に付勢される(図4(2)ヒートローラ側にトナー付勢)。ヒートローラ141の表面に付勢されたトナーは、ヒートローラ141からの熱で溶融する(図4(3)トナー溶融)。
【0038】
用紙がヒートローラ141及び圧ローラ142のニップ部に搬送されてくると、このニップ部ではヒートローラ141及び圧ローラ142の両方によってトナー及び用紙が加圧加熱され、圧ローラ142には用紙上の正帯電トナーと逆極性の負のバイアスが印加されている(図4(4)加圧・加熱・バイアス印加)。これにより、トナーがヒートローラ141の表面から用紙側に付勢されると共に、加熱によりトナーが更に溶融し、加圧によりトナーが用紙に押し付けられ、トナーが用紙に定着する(図4(5)定着)。
【0039】
このように、第1の実施形態に係る定着装置14によって上記トナー定着を行うと、用紙はバイアスローラ143及びヒートローラ141のニップ部を通過後にヒートローラ141表面に吸着し、ヒートローラ141によって加熱されるので、用紙はヒートローラ141及び圧ローラ142のニップ部に搬送される前からヒートローラ141によって加熱される。これにより、用紙がヒートローラ141によって加熱される時間及び距離が長くなるので、ヒートローラ141及び圧ローラ142のニップ幅を拡大しなくても、ヒートローラ141から用紙に多くの熱を付与することができる。従って、ヒートローラ141及び圧ローラ142のニップ部においてヒートローラ141から圧ローラ142に多くの熱が奪われないようにすることができるので、ヒートローラ141を加熱するために要する消費電力を低減し、定着装置14のウォームアップ時間を短縮することが可能になる。
【0040】
また、バイアスローラ143にトナーと同極性のバイアスを印加しているので、用紙上のトナーはヒートローラ141側に付勢され、ヒートローラ141からトナーに熱が供給され易くなり、トナーが溶け易くなって用紙への定着性が向上する。さらに、バイアスローラ143には交流バイアスが重畳されており、用紙上のトナーが除電されるので、オフセットを防止することができる。
【0041】
また、圧ローラ142にトナーと逆極性のバイアスを印加しており、圧ローラ142側(用紙側)にトナーが付勢されるので、更に用紙に対するトナー定着性が向上する。更に、かかる圧ローラ142へのバイアス印加の条件によっては、ヒートローラ141から用紙を分離させることも可能である。
【0042】
次に、定着装置14の第2の実施形態を説明する。図5は定着装置14の第2の実施形態の概略を示す側面図である。上記第1の実施形態では、バイアスローラ143及び圧ローラ142の発熱層143a,142aが強磁性かつ導電性の金属から形成されているが、この発熱層143a,142aを、非磁性かつ導電性の金属(例えば、銅,アルミニウム,SUS304等)で形成してもよい。この構成によれば、強磁性かつ導電性の金属によって発熱層を形成する場合よりも、バイアスローラ143及び圧ローラ142の発熱層143a,142aの発熱量を抑制して消費電力量を抑えることができるので、IHコイル145からの電力供給量のバランスを制御して、ヒートローラ141に集中的に効率よく供給することができる。
【0043】
次に、本発明に係る定着装置14の第3の実施形態を説明する。図6は定着装置14の第3の実施形態の概略を示す側面図である。上記第1及び第2の実施形態では、バイアスローラ143によって、ヒートローラ141及び圧ローラ142のニップ部よりも上流側において用紙にバイアスを印加するようにしているが、図6に示すように、針電極143’によってバイアスを印加するようにしてもよい。また、特に図示しないが、バイアスローラ143や針電極143’に代えて、チャージャ又は除電ブラシ等を用いてバイアスを印加するようにしてもよい。
【0044】
なお、本発明は上記実施の形態の構成に限られず、更に種々の変形が可能である。例えば、バイアスローラ143及び圧ローラ142に印加するバイアス値等は上記実施形態で示した値に限られず、適宜変更が可能である。
【0045】
また、上記第1の実施形態では、バイアスローラ143にトナーと同極性のバイアスを印加するようにしているが、トナーと逆極性のバイアスを印加して用紙をヒートローラ141に吸着させることも可能である。
【0046】
また、用紙の各サイズ毎に各々のIHコイル145を設けておき、定着装置14に搬送されてくる用紙サイズに応じた加熱性能を有する各IHコイル145を使い分けるようにしてもよい。これにより、各サイズの用紙を加熱するために必要な熱量を的確にヒートローラ141に発生させることができる。例えば、ヒートローラ141の回転軸方向を基準とした用紙幅が大きい用紙に対して定着動作を行なった後に、それまでよりも用紙幅が小さい用紙に定着動作を行なうときは、ヒートローラ141に発生させる熱量が少ないIHコイル145に切り替えて使用することによって、ヒートローラ141が高温になり過ぎることを防止することができる。
【0047】
また、上記実施形態では、ヒートローラ141,圧ローラ142及びバイアスローラ143のすべてに発熱層141a,142a,143aが設けられているが、ヒートローラ141のみに発熱層141aを形成する構成であってもよいし、ヒートローラ141に発熱層141aを設けると共に、圧ローラ142又はバイアスローラ143のいずれか一方に発熱層を設けるようにしてもよい。
【0048】
また、圧ローラ142を低熱容量の材質で形成してもよい。この場合は、圧ローラ142が短時間で昇温すると共に、ヒートローラ141及び圧ローラ142のニップ部においてヒートローラ141から圧ローラ142に移動する熱量を抑制することができ、ヒートローラ141の加熱に要する消費電力が低減され、定着装置14のウォームアップ時間も短縮される。
【0049】
また、上記実施形態では、誘導加熱方式によってヒートローラ141を加熱するようにしているが、ハロゲン加熱方式によってヒートローラ141を加熱することも可能である。
【0050】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、ヒートローラ及び圧ローラのニップ部の用紙搬送方向上流側に設けたバイアス印加手段によって用紙をヒートローラに吸着させるので、用紙が上記ニップ部に搬送される前から用紙がヒートローラによって加熱することができる。これにより、用紙がヒートローラによって加熱される時間及び距離が長くなるので、両ローラのニップ幅を拡大しなくてもヒートローラから用紙に大量の熱が付与される。また、上記ニップ部においては用紙に大量の熱を供給する必要がないので、高速印刷用の定着を行う場合でもニップ幅を拡大する必要がない。これにより、当該ニップ部から圧ローラに大量の熱量が奪われないようにすることができるので、ヒートローラを加熱するために要する消費電力を低減し、定着装置のウォームアップ時間を短縮することが可能になる。
【0051】
また、ヒートローラに加えてバイアスローラまでが昇温用コイルによって加熱されるので、当該バイアスローラは用紙をヒートローラに吸着させることに加え、用紙を加熱する役割まで果たすことになる。これによって、更に多くの熱を用紙に付与することができ、用紙へのトナー定着性を更に向上させることができる。
【0052】
また、ヒートローラに強磁性かつ導電性材料からなる薄膜状の発熱層を設け、ヒートローラに対向させて配設された昇温用コイルによってヒートローラを誘導加熱方式で加熱するので、ウォームアップ時間削減及び加熱効率向上を図ることができる他、ヒートローラ及び圧ローラのニップ部近傍に昇温用コイルを配置することが可能になり、当該ニップ部を効率良く加熱することが可能になる。
【0053】
また、未定着トナーの定着が行われる用紙の各サイズに応じた加熱性能を有する各々の昇温用コイルを設けておき、定着装置に搬送されてくる用紙サイズに応じて、当該用紙のサイズに応じた加熱性能を有する前記昇温用コイルに切り換えられる構成とした場合は、各サイズの用紙を加熱するために必要な熱量を的確にヒートローラに発生させることができる。
【0054】
また、バイアス印加手段に交流バイアスを印加するようにすれば、用紙上のトナーが除電されるので、オフセットを防止することができる。
【0055】
また、バイアス印加手段にトナーと同極性のバイアスを印加するようにすれば、用紙がバイアス印加手段を通過するときに、用紙上のトナーがヒートローラ側に付勢されるので、ヒートローラからトナーに熱が供給され易くなる。これにより、トナーを溶け易くして用紙への定着性を向上させることができる。
【0056】
また、圧ローラにトナーと逆極性の電圧を印加するようにすれば、バイアス印加手段を通過した後にヒートローラ側に付勢された状態となっているトナーを、用紙が圧ローラを通過する時点で再び用紙側に付勢することができる。これにより、トナーの用紙への定着性が更に向上する。
【0057】
また、強磁性かつ導電性材料からなる薄膜状の発熱層を圧ローラに設け、昇温コイルによって当該圧ローラが昇温される構成とした場合は、ヒートローラ及び圧ローラのニップ部に用紙が搬送されてきた時に圧ローラからも用紙を加熱することができるので、更に多くの熱を用紙に付与することができ、用紙へのトナー定着性を更に向上させることができる。
【0058】
また、バイアス印加手段又は圧ローラに、強磁性かつ導電性材料からなる薄膜状の発熱層に代えて、非磁性かつ導電性の金属からなる薄膜状の発熱層を設けた場合には、強磁性かつ導電性の金属によって発熱層を形成する場合よりも、バイアスローラ及び圧ローラの発熱層の発熱量を抑制して消費電力量を抑えることができるので、昇温用コイルからの電力供給量のバランスを制御して、ヒートローラに集中的に効率よく供給することができる。
【0059】
また、圧ローラを低熱容量の材質で形成した場合は、圧ローラが短時間で昇温すると共に、ヒートローラ及び圧ローラのニップ部においてヒートローラから圧ローラに移動する熱量を抑制することができ、ヒートローラの加熱に要する消費電力が低減され、定着装置のウォームアップ時間も短縮される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る画像形成装置の概略構成を示す模式図である。
【図2】 本発明に係る画像形成装置に備えられる画像形成部を模式的に示す図である。
【図3】 本発明に係る画像形成装置に備えられる定着装置の概略構成を示す断面図である。
【図4】 定着装置によるトナー定着を模式的に示す図である。
【図5】 定着装置の第2の実施形態の概略を示す側面図である。
【図6】 定着装置の第3の実施形態の概略を示す側面図である。
【符号の説明】
14 定着装置
141 ヒートローラ
141a 発熱層
141b 離形層
142 圧ローラ 142a 発熱層
142b 離形層
143 バイアスローラ
143a 発熱層
143b 離形層
143’ 針電極
145 IHコイル

Claims (9)

  1. ヒートローラ及び圧ローラからなる定着ローラ対を有し、用紙表面の未定着トナーを用紙に定着させる定着装置を用いた画像形成装置において、
    前記ヒートローラには強磁性かつ導電性材料からなる薄膜状の発熱層が設けられ、前記ヒートローラに対向させて配設された昇温用コイルによって前記ヒートローラが誘導加熱方式で加熱され、
    前記両ローラのニップ部の用紙搬送方向上流側には、前記ヒートローラに用紙を吸着させるためのバイアスが印加されるバイアス印加手段として、前記ヒートローラに当接して従動回転するバイアスローラが設けられ、このバイアスローラが、強磁性かつ導電性材料からなる薄膜状の発熱層を有し、前記昇温用コイルによって昇温される画像形成装置。
  2. 前記昇温用コイルが、前記ヒートローラ及び圧ローラのニップ部と前記バイアス印加手段との間に配設されている請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記未定着トナーの定着が行われる用紙の各サイズに応じた加熱性能を有する各々の前記昇温用コイルを設けておき、前記定着装置に搬送されてくる用紙サイズに応じて、当該用紙のサイズに応じた加熱性能を有する前記昇温用コイルに切り換えられる請求項1又は請求項2に記載の画像形成装置。
  4. 前記バイアス印加手段に交流バイアスを印加する請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の画像形成装置。
  5. 前記バイアス印加手段にトナーと同極性のバイアスを印加する請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の画像形成装置。
  6. 前記圧ローラにトナーと逆極性の電圧を印加する請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の画像形成装置。
  7. 強磁性かつ導電性材料からなる薄膜状の発熱層が前記圧ローラに設けられ、前記昇温コイルによって圧ローラが昇温されるように構成されている請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の画像形成装置。
  8. 前記バイアス印加手段又は前記圧ローラには、前記強磁性かつ導電性材料からなる薄膜状の発熱層に代えて、非磁性かつ導電性の金属からなる薄膜状の発熱層が設けられている請求項7に記載の画像形成装置。
  9. 前記圧ローラが低熱容量の材質からなる請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の画像形成装置。
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