JP3819096B2 - ユーザインタフェース装置及び操作範囲呈示方法 - Google Patents

ユーザインタフェース装置及び操作範囲呈示方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像処理により入力を行なうユーザインタフェース装置及び画像処理の対象物体に対する操作範囲呈示方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
コンピュータの入力デバイスとして、マウスが圧倒的に使われている。しかし、マウスで操作できることは、カーソルの移動と、メニューの選択などであり、あくまでも2次元のポインティングデバイスとしての役目に過ぎない。マウスで扱えるのは、2次元の情報であり、3次元空間の中の物体など奥行きがあるものを選択することは難しい。また、アニメーションを作成する場合、キャラクタの動きをつけるのに、マウスのような入力デバイスでは、自然な動きをつけることが難しい。
【0003】
3次元空間でのポインティングの難点を補うために、ボールを所望の方向に押したり回したりして6軸方向の情報を入力する装置や、いわゆるデータグローブやデータスーツ、サイバーグローブといった手などにはめて使用する装置が開発されている。しかし、これら装置は操作性の悪さ等のために、当初の期待程、普及していないのが現実である。
【0004】
これに対し、最近、ユーザは特殊な装置を扱うことなく、手振りや身振りでユーザの意図する情報を入力できる直接指示型の入力装置が開発されている。
例えば、光を照射し、ユーザの手による反射光を受光し、これを画像化して特徴量抽出や形状認識処理を行ない、手の形状に応じた制御を実行したり、手の移動量に応じた分のカーソル移動や3次元モデルにおける視点の変更を行なったりするものがある。
【0005】
あるいは、ユーザの手の動きをビデオ撮影し、ビデオ映像を解析することにより、上記と同様の処理を行なうものがある。
このような装置によって、ユーザは特殊な装置を装着などすることなく、簡易にジェスチャで入力を行なうことができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、この種の装置では、物体検出のための受光装置は固定的に設置されるため、ユーザの手などを正常に検出可能な範囲が限定される。したがって、ユーザの手などの位置によっては、その形状や動きを正確に検出することができず、ユーザが所望する制御等を実現できない問題があった。また、ユーザは3次元空間中での上記検出可能範囲を直ちに認識することは困難であることから、経験によって上記検出可能範囲内での操作を体得せざるを得ず、ユーザに操作上の負担を強いる問題があった。
【0007】
本発明は、上記事情を考慮してなされたもので、画像処理により入力を行なうユーザインタフェース装置において、ユーザの操作上の負担を軽減したより使い易いユーザインタフェース装置及び操作範囲呈示方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、所定の画像入力装置を基準とした三次元空間に画像入力のための適正範囲が存在し、該画像入力装置により該適正範囲にある画像処理対象の物体に光を照射しその反射光を受光することによって画像入力し、該入力画像をもとに該画像入力装置から該画像処理対象の物体までの距離に関する情報の取得を含む画像処理を行ない、該画像処理の結果に基づいて特定される所定の入力がなされたものと認識するユーザインタフェース装置において、少なくとも前記画像入力装置を基準とした遠近方向について、画像処理対象の物体が適正範囲にあるか否かを、前記距離に関する情報に基づき判定する手段と、適正範囲にないと判定された場合、その旨を通知するための所定の視覚的情報および聴覚的情報の少なくとも一方を呈示する手段とを備えたことを特徴とする。
【0009】
本発明によれば、ユーザの手などの対象物体が適正範囲からはずれた場合、例えば表示装置や音声再生装置を用いてその旨を通知するので、ユーザは容易に3次元空間中での適正範囲を認識することができ、容易に適正範囲でジェスチャ等を行なって所望の指示等を入力することができる。
【0010】
また、本発明は、所定の画像入力装置を基準とした三次元空間に画像入力のための適正範囲が存在し、該画像入力装置により該適正範囲にある画像処理対象の物体に光を照射しその反射光を受光することによって画像入力し、該入力画像をもとに該画像入力装置から該画像処理対象の物体までの距離に関する情報及び該画像処理対象の物体の形状に関する情報の取得を含む画像処理を行ない、該画像処理の結果に基づいて特定される所定の入力がなされたものと認識するユーザインタフェース装置において、少なくとも前記画像入力装置を基準とした遠近方向及び左右方向について、画像処理対象の物体が適正範囲にあるか否かおよび適正範囲にない場合に画像処理対象の物体が適正範囲からどの方向にはずれているかを、前記距離に関する情報及び前記形状に関する情報に基づき判定する手段と、適正範囲にないと判定された場合、表示画面に表示するカーソルの表示状態を、適正範囲からどの方向にはずれているかに応じて定まる所定の状態に変化させて、画像処理対象の物体が適正範囲からどの方向にはずれているかを通知する手段とを備えたことを特徴とする。
【0011】
本発明によれば、ユーザの手などの対象物体が適正範囲からはずれた場合、表示画面に表示するカーソルの表示状態を所定の状態に変化させて、画像処理対象の物体が適正範囲からどの方向にはずれているかを通知するので、ユーザは視覚的に適正範囲から対象物体がはずれている方向を認識し、容易かつ即座に対象物体の位置を修正することができ、この結果、容易に3次元空間中での適正範囲を認識することができ、容易に適正範囲でジェスチャ等を行なって所望の指示等を入力することができる。
【0012】
好ましくは、画像処理対象の物体が適正範囲から遠方にはずれていると判定された場合、カーソルを小さくおよび/または薄く表示することを特徴とする。
好ましくは、画像処理対象の物体が適正範囲から近傍にずれていると判定された場合、カーソルを大きく表示することを特徴とする。
【0013】
好ましくは、画像処理対象の物体が適正範囲から左方にはずれていると判定された場合、カーソルの左方の端を歪ませて表示することを特徴とする。
好ましくは、画像処理対象の物体が適正範囲から右方にはずれていると判定された場合、カーソルの右方の端を歪ませて表示することを特徴とする。
【0014】
好ましくは、適正範囲にないと判定された場合、音声を用いて画像処理対象の物体が適正範囲からどの方向にはずれているかを通知する手段をさらに備えたことを特徴とする。
【0015】
また、本発明は、所定の画像入力装置を基準とした三次元空間に画像入力のための適正範囲が存在し、該画像入力装置により該適正範囲にある画像処理対象の物体に光を照射しその反射光を受光することによって画像入力し、該入力画像をもとに該画像入力装置から該画像処理対象の物体までの距離に関する情報及び該画像処理対象の物体の形状に関する情報の取得を含む画像処理を行ない、該画像処理の結果に基づいて特定される所定の入力がなされたものと認識するユーザインタフェース装置において、少なくとも前記画像入力装置を基準とした遠近方向及び左右方向について、画像処理対象の物体が適正範囲にあるか否かおよび適正範囲にない場合に画像処理対象の物体が適正範囲からどの方向にはずれているかを、前記距離に関する情報及び前記形状に関する情報に基づき判定する手段と、適正範囲にないと判定された場合、音声により画像処理対象の物体が適正範囲からどの方向にはずれているかを通知する手段とを備えたことを特徴とする。
【0016】
本発明によれば、ユーザの手などの対象物体が適正範囲からはずれた場合、音声を用いて画像処理対象の物体が適正範囲からどの方向にはずれているかを通知するので、ユーザは聴覚的に適正範囲から対象物体がはずれている方向を認識し、容易かつ即座に対象物体の位置を修正することができ、この結果、容易に3次元空間中での適正範囲を認識することができ、容易に適正範囲でジェスチャ等を行なって所望の指示等を入力することができる。
【0017】
また、本発明は、所定の画像入力装置を基準とした三次元空間に画像入力のための適正範囲が存在し、該画像入力装置により該適正範囲にある画像処理対象の物体に光を照射しその反射光を受光することによって画像入力し、該入力画像をもとに該画像入力装置から該画像処理対象の物体までの距離に関する情報の取得を含む画像処理を行ない、該画像処理の結果に基づいて特定される所定の入力がなされたものと認識するユーザインタフェース装置における対象物体の操作範囲呈示方法であって、少なくとも前記画像入力装置を基準とした遠近方向について、画像処理対象の物体が適正範囲にあるか否かを、前記距離に関する情報に基づき判定し、適正範囲にないと判定された場合、その旨を通知するための所定の視覚的情報および聴覚的情報の少なくとも一方を呈示することを特徴とする。
【0018】
また、本発明は、所定の画像入力装置を基準とした三次元空間に画像入力のための適正範囲が存在し、該画像入力装置により該適正範囲にある画像処理対象の物体に光を照射しその反射光を受光することによって画像入力し、該入力画像をもとに該画像入力装置から該画像処理対象の物体までの距離に関する情報及び該画像処理対象の物体の形状に関する情報の取得を含む画像処理を行ない、該画像処理の結果に基づいて特定される所定の入力がなされたものと認識するユーザインタフェース装置における対象物体の操作範囲呈示方法であって、少なくとも前記画像入力装置を基準とした遠近方向及び左右方向について、画像処理対象の物体が適正範囲にあるか否かおよび適正範囲にない場合に画像処理対象の物体が適正範囲からどの方向にはずれているかを、前記距離に関する情報及び前記形状に関する情報に基づき判定し、適正範囲にないと判定された場合、表示画面に表示するカーソルの表示状態を、適正範囲からどの方向にはずれているかに応じて定まる所定の状態に変化させて、画像処理対象の物体が適正範囲からどの方向にはずれているかを通知することを特徴とする。
【0019】
また、本発明は、所定の画像入力装置を基準とした三次元空間に画像入力のための適正範囲が存在し、該画像入力装置により該適正範囲にある画像処理対象の物体に光を照射しその反射光を受光することによって画像入力し、該入力画像をもとに該画像入力装置から該画像処理対象の物体までの距離に関する情報及び該画像処理対象の物体の形状に関する情報の取得を含む画像処理を行ない、該画像処理の結果に基づいて特定される所定の入力がなされたものと認識するユーザインタフェース装置における対象物体の操作範囲呈示方法であって、少なくとも前記画像入力装置を基準とした遠近方向及び左右方向について、画像処理対象の物体が適正範囲にあるか否かおよび適正範囲にない場合に画像処理対象の物体が適正範囲からどの方向にはずれているかを、前記距離に関する情報及び前記形状に関する情報に基づき判定し、適正範囲にないと判定された場合、音声により画像処理対象の物体が適正範囲からどの方向にはずれているかを通知することを特徴とする。
【0020】
なお、以上の各装置に係る発明は、方法に係る説明としても成立する。
また、上記の発明は、相当する手順あるいは手段をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録した機械読取り可能な媒体としても成立する。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら発明の実施の形態を説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係るユーザインタフェース装置の構成例を示す図である。また、図2に、本実施形態のユーザインタフェース装置の動作手順例を示す。
【0022】
本ユーザインタフェース装置は、例えば、グラフィックユーザインタフェースを持つ計算機に適用すると好適なものである。すなわち、表示画面上にカーソル、スライダーバー、スクロールバー、プルダウンメニュー、ボックス、リンク、アプリケーションなどのアイコンが表示され、ユーザが入力デバイスによりカーソルの移動、アイコンの選択、アプリケーションの起動などの指示を入力するようなシステムであって、入力デバイスがマウスのような専用器具を必要とせずユーザの手などの物体を画像処理することにより入力を受けるものであるシステムに適用するものである。
【0023】
本ユーザインタフェース装置は、入力機能部分と、フィードバック機能部分とに大別される。
入力機能部分は、公知のものを利用することが可能で、光を発光し、ユーザの手などの対象物体による反射光を画像として捉えることにより(あるいは背景の光の対象物体による反射光を画像として捉えることにより)、その形状、動き、距離情報などを検出し、その形状等に応じた所定の制御(例えば入出力装置に関する制御あるいはアプリケーションソフトの起動など)を行なうもので、ユーザは手のモーションなどにより意図する入力を行なうことができる機能を提供するものである。本実施形態では、画像記憶部11、形状解釈部12、解釈規則記憶部13、呈示部14からなるものとする。
【0024】
フィードバック機能部分は、本発明に係る部分で、ユーザの手などの画像検出対象物体が適正な検出範囲にあるか否かを評価し、評価結果をユーザに呈示するものである。本実施形態では、画像記憶部11、適性範囲評価部15、評価結果反映部16からなるものとする。
【0025】
まず、両機能部分に共通の画像記憶部11と図示しない画像入力装置について説明する。
画像記憶部11は、図示しない画像入力装置から所定時間毎(例えば1/30秒毎、1/60秒毎、1/100秒毎など)に出力される画像検出対象物体の2次元画像を逐次記憶する(ステップS1)。
【0026】
図示しない画像入力装置は、例えば、LEDなどの発光素子により近赤外線などの光を対象物体に照射する発光部と、対象物体からの反射光を2次元アレイ状に配列された受光素子で受光する受光部とを有するものである。なお、通常、発光部が発光しているときに受光した光の量と、発光部が発光していないときに受光した光の量の差をとることによって、バックグラウンドの補正を行ない、発光部からの光の対象物体による反射光の成分だけを取り出す。なお、画像入力装置は、発光部を持たず、CCDカメラなどの受光部のみ持つものであっても良い。
【0027】
例えば、画像入力装置の前にユーザの手を持ってきた場合、その手からの反射光画像が得られる。このとき、反射光画像の各画素値は、物体の性質(光を鏡面反射する、散乱する、吸収する、など)、物体面の向き、物体の距離、などに影響されるが、物体全体が一様に光を散乱する物体である場合、その反射光量は物体までの距離と密接な関係を持つ。手などはこのような性質を持つため、手を差し出した場合の反射光画面は、手の距離、手の傾き(部分的に距離が異なる)、などを反映する。したがって、これらの情報を抽出することによって、様々な情報の入力・生成が可能になる。
【0028】
次に、入力機能部分について説明する。
形状解釈部12は、画像記憶部11に記憶された2次元画像を、N×N(例えば64×64)のドットマトリクスとして逐次取込む(ステップS2)。各画素は階調(例えば8ビット=256階調)を持つものとする。図3(a)に、対象物体を手としたドットマトリクスの一例を示す。
【0029】
次に、形状解釈部12は、ドットマトリクスから所定の特徴量を抽出し、解釈規則記憶部13に記憶された解釈規則をもとに、形状解釈する(ステップS3)。そして、適合する解釈規則に応じた指示を解釈結果として出力する(ステップS4,S5)。もし適合する解釈規則がなければ、必要に応じてドットマトリクスからの所定の特徴量の抽出の仕方を変更して(例えばドットマトリクスのしきい値処理を行なう場合、そのしきい値を変更する)、再度マッチング処理をやり直すようにしても良い。最終的に適合する解釈規則がなければ(ステップS4)、入力はなかったものとする。
【0030】
解釈規則記憶部13は、形状解釈のための解釈規則を記憶する。例えば、ユーザの手の形状などの特徴量に応じた指示内容が解釈規則として記憶されている。指示内容には、アイコンの選択、アプリケーションの起動、カーソル移動等がある。カーソル移動の場合には、手の移動方向・距離に応じたカーソルの移動量も指示される。例えば、人差し指のみを立てた状態をカーソル移動に対応させ(この場合、例えば人差し指の先端の移動距離・方向がカーソルの移動距離・方向に対応づけられる)、人差し指のみを立てた状態で、親指を動かした動作を、カーソルの位置するアイコンの選択に対応させ、人差し指のみを立てた状態で、手のひらを反転させる動作を、カーソルの位置するアイコンに対応するアプリケーションの起動に対応させるなどの規則が考えられる。
【0031】
形状解釈部12による形状解釈におけるドットマトリクスから特徴量の抽出の代表例は、距離情報の抽出と、領域抽出である。物体が一様で均質な散乱面を持つ物体であれば、反射光画像は距離画像とみなすことができる。したがって、受光部から見込んだ物体の立体形状を抽出することができる。物体が手であれば、手のひらの傾きなどが検出できる。手のひらの傾きは部分的な距離の違いとして現れる。また、手を移動させたときに画素値が変われば、距離が移動したと見ることができる。また、背景のように遠い物体からの反射光はほとんどないため、反射光画像からあるしきい値以上の領域を切り出すという処理で、物体の形状を簡単に切り出すことができる。例えば、物体が手であれば、そのシルエット像を切り出すのは極めて容易である。距離画像を用いる場合でも、一度しきい値によって領域抽出をしておいてから、その領域内の距離情報を用いる、という場合が多い。
【0032】
ドットマトリクスから抽出した特徴量と解釈規則とのマッチングの手法には種々のものがある。例えば、画像からベクトルを抽出するベクトル化、形状モデルにもとづいた形状の変形状態の抽出、走査線上の距離値にもとづいたスペクトル解析などである。
【0033】
もし適合する形状がなければ、例えばしきい値を変更するなどして、再度マッチング処理をやり直すようにしても良い。最終的に適合する形状がなければ、入力はなかったものと見なす。
【0034】
呈示部14は、形状解釈部12による解釈結果がユーザに視覚的な情報の呈示を指示するものである場合、表示装置にて形状解釈部12による解釈結果を反映した呈示を行なう。例えば、カーソルを移動させ、カーソルの形状を変更させ、あるいは必要に応じてメッセージを呈示する。なお、メッセージの呈示には、音声再生装置が使用または併用されることもある。
【0035】
次に、フィードバック機能部分について説明する。
適性範囲評価部15は、画像記憶部11に記憶された2次元画像を、図3(a)のようなドットマトリックスとして取込み(ステップS2)、対象物体が適性範囲にあるか否かを評価し、評価結果に応じたフィードバック情報を生成する(ステップS6〜S16)。
【0036】
評価結果反映部16は、フィードバック情報をもとに、評価結果を反映した呈示を表示装置および/または音声再生装置にて行なうよう指示を出す(ステップS17)。
【0037】
まず、適性範囲評価部15について詳しく説明する。
対象物体が適性範囲にある場合には、例えば図3(a)のような適当なドットマトリックスが得られ、ユーザの手などによる所望の入力が可能である。しかし、対象物体が適性範囲にある場合、より具体的には、対象物体が受光部に対して近すぎる場合、遠すぎる場合、左からはみ出している場合、右からはみ出している場合には、ユーザが所望する指示等は入力できない。
【0038】
そこで、適性範囲評価部15は、ドットマトリックスを解析して、対象物体が適性範囲にあるか(ステップS6)、あるいは近すぎるか(ステップS8)、遠すぎるか(ステップS10)、左からはみ出しているか(ステップS12)、右からはみ出しているか(ステップS14)を評価する。そして、対象物体が適性範囲にある場合、ユーザフィードバック情報=NULL(またはNULLを示すコード;例えば0)とし(ステップS7)、近すぎる場合、ユーザフィードバック情報=近(または近を示すコード;例えば1)とし(ステップS9)、遠すぎる場合、ユーザフィードバック情報=遠(または遠を示すコード;例えば2)とし(ステップS11)、左からはみ出している場合、ユーザフィードバック情報=左(または左を示すコード;例えば3)とし(ステップS13)、右からはみ出している場合、ユーザフィードバック情報=右(または右を示すコード;例えば4)とし(ステップS15)、それ以外の場合、ユーザフィードバック情報=不適とする(ステップS16)。
【0039】
図4に、この評価手順の一例を示す。また、図3(a)、図7(a)、図8(a)、図9(a)、図10(a)にそれぞれ、対象物体が適性範囲にある場合のドットマトリックス例、近すぎる場合のドットマトリックス例、遠すぎる場合のドットマトリックス例、左からはみ出している場合のドットマトリックス例、右からはみ出している場合のドットマトリックス例を示す。
【0040】
対象物体が適性範囲にあるか否かの判定には、種々の方法が考えられるが、この例では、対象物体の画像の面積s、対象物体の画像中の至近点の距離d、対象物体の画像形状における垂直線の長さlを使用するものとする。対象物体の画像の面積sは、ドットマトリックスにおける対象物体に対応する画素の個数またはその全画素に占める割合により表すことができる。また、対象物体の画像中の至近点の距離dは、ドットマトリックスにおける対象物体に対応する画素の濃度の最大値の逆数または画素の取り得る最高濃度−該濃度の最大値で表すことができる。対象物体の画像形状のにおける垂直線の長さlは、図5に示すようにドットマトリックスにおける対象物体の画像の外形において画素が垂直に連続する最大個数により表すことができる。
【0041】
そして、面積sの下限値rと上限値α、画像中の至近点の距離dの下限値βと上限値δ、画像形状における垂直線の長さlの上限値εを設定しておく。
もし、r≦面積s≦α かつ β≦至近点の距離d≦δ かつ 垂直線の長さl≦εならば(ステップS21)、範囲は適正とする(ステップS22)。
【0042】
もし、面積s>α かつ 至近点の距離d<βならば(ステップS23)、近すぎるとする(ステップS24)。
もし、面積s<r かつ至近点の距離d>δならば(ステップS25)、遠すぎるとする(ステップS26)。
【0043】
もし、垂直線の長さl>ε かつ垂直線位置は右ならば(ステップS27)、右からはみ出しているとする(ステップS28)。
もし、垂直線の長さl>ε かつ 垂直線位置は左ならば(ステップS29)、左からはみ出しているとする(ステップS30)。
【0044】
それ以外の場合には、範囲が不適とする(ステップS31)。
次に、評価結果反映部16について詳しく説明する。
図6に、この処理手順の一例を示す。この処理では、評価結果反映部16は、適性範囲評価部15から評価結果として与えられるユーザフィードバック情報にもとづいて、表示画面上に表示されているカーソルの形状を変形させることにより、評価結果を通知する。
【0045】
もし、ユーザフィードバック情報=NULLならば(ステップS41)、カーソルの形状は変更しない(ステップS42)。この状態の一例を図3(b)に示す。
【0046】
もし、ユーザフィードバック情報=近ならば(ステップS43)、例えば図7(a)に示すようにカーソルを大きくさせる(ステップS44)。
もし、ユーザフィードバック情報=遠ならば(ステップS45)、例えば図8(a)に示すようにカーソルを小さく薄くさせる(ステップS46)。
【0047】
もし、ユーザフィードバック情報=左ならば(ステップS47)、例えば図9(a)に示すようにカーソルの左端を変形させる(ステップS48)。
もし、ユーザフィードバック情報=右ならば(ステップS49)、例えば図10(a)に示すようにカーソルの左端を変形させる(ステップS50)。
【0048】
もし、ユーザフィードバック情報=不適ならば、エラーメッセージを表示する(ステップS51)。
図11に、この処理手順の他の例を示す。この処理では、評価結果反映部16は、適性範囲評価部15から評価結果として与えられるユーザフィードバック情報にもとづいて、音声再生装置にて評価結果を音声で通知する。
【0049】
もし、ユーザフィードバック情報=NULLならば(ステップS61)、なにも呈示しない、あるいはカーソルが移動する音を呈示する(ステップS62)。
もし、ユーザフィードバック情報=近ならば(ステップS63)、例えば「近すぎるよ」などの音声を出力させる(ステップS64)。
【0050】
もし、ユーザフィードバック情報=遠ならば(ステップS65)、例えば「遠すぎるよ」などの音声を出力させる(ステップS66)。
もし、ユーザフィードバック情報=左ならば(ステップS67)、例えば「左にはみ出しているよ」などの音声を出力させる(ステップS68)。
【0051】
もし、ユーザフィードバック情報=右ならば(ステップS69)、例えば「右にはみ出しているよ」などの音声を出力させる(ステップS70)。
もし、ユーザフィードバック情報=不適ならば、エラーメッセージを音声で呈示する(ステップS71)。
【0052】
なお、図6の処理と図11の処理を併用し、画像と音声で通知するようにしても良い。あるいは、画像で通知する機能と音声で通知する機能を容易しておき、ユーザーが個別に機能のオン/オフを設定できるようにしても良い。
【0053】
以上のように、本実施形態によれば、ユーザの手などの対象物体が適正範囲からはずれた場合、その旨を通知するので、ユーザは容易に3次元空間中での適正範囲を認識することができ、容易に適正範囲でジェスチャ等を行なって所望の指示等を入力することができる。
【0054】
なお、図2の手順では、入力機能部分の処理とフィードバック機能部分の処理は独立的に実行するものであったが、手順を修正して、入力機能部分の処理に先だってフィードバック機能部分の処理を行ない、対象物体が適正範囲にあると判定された場合にのみ入力機能部分の処理を実行するようにしても良い。
【0055】
また、以上の各機能は、ソフトウェアとしても実現可能である。また、上記した各手順あるいは手段をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録した機械読取り可能な媒体として実施することもできる。
本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、その技術的範囲において種々変形して実施することができる。
【0056】
【発明の効果】
本発明によれば、ユーザの手などの対象物体が適正範囲からはずれた場合、その旨を通知するので、ユーザは容易に3次元空間中での適正範囲を認識することができ、容易に適正範囲でジェスチャ等を行なって所望の指示等を入力することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るユーザインタフェース装置の構成例を示す図
【図2】本実施形態の処理手順の一例を示すフローチャート
【図3】対象物体が適性範囲にある場合のドットマトリクスの一例とその場合の画面表示例を示す図
【図4】対象物体が適性範囲にあるかどうかの評価手順の一例を示すフローチャート
【図5】対象物体の画像形状における垂直線の長さlを説明するための図
【図6】評価結果反映手順の一例を示すフローチャート
【図7】対象物体が近すぎる場合のドットマトリクスの一例とその場合の画面表示例を示す図
【図8】対象物体が遠すぎる場合の適性範囲にあるドットマトリクスの一例とその場合の画面表示例を示す図
【図9】対象物体が左からはみ出している場合のドットマトリクスの一例とその場合の画面表示例を示す図
【図10】対象物体が右からはみ出している場合のドットマトリクスの一例とその場合の画面表示例を示す図
【図11】評価結果反映手順の他の例を示すフローチャート
【符号の説明】
11…画像記憶部
12…形状解釈部
13…解釈規則記憶部
14…呈示部
15…適性範囲評価部
16…評価結果反映部

Claims (9)

  1. 所定の画像入力装置を基準とした三次元空間に画像入力のための適正範囲が存在し、該画像入力装置により該適正範囲にある画像処理対象の物体に光を照射しその反射光を受光することによって画像入力し、該入力画像をもとに該画像入力装置から該画像処理対象の物体までの距離に関する情報及び該画像処理対象の物体の形状に関する情報の取得を含む画像処理を行ない、該画像処理の結果に基づいて特定される所定の入力がなされたものと認識するユーザインタフェース装置において、
    少なくとも前記画像入力装置を基準とした遠近方向及び左右方向について、画像処理対象の物体が適正範囲にあるか否かおよび適正範囲にない場合に画像処理対象の物体が適正範囲からどの方向にはずれているかを、前記距離に関する情報及び前記形状に関する情報に基づき判定する手段と、
    適正範囲にないと判定された場合、表示画面に表示するカーソルの表示状態を、適正範囲からどの方向にはずれているかに応じて定まる所定の状態に変化させて、画像処理対象の物体が適正範囲からどの方向にはずれているかを通知する手段とを備えたことを特徴とするユーザインタフェース装置。
  2. 画像処理対象の物体が適正範囲から遠方にはずれていると判定された場合、カーソルを小さくおよび/または薄く表示することを特徴とする請求項に記載のユーザインタフェース装置。
  3. 画像処理対象の物体が適正範囲から近傍にずれていると判定された場合、カーソルを大きく表示することを特徴とする請求項に記載のユーザインタフェース装置。
  4. 画像処理対象の物体が適正範囲から左方にはずれていると判定された場合、カーソルの左方の端を歪ませて表示することを特徴とする請求項に記載のユーザインタフェース装置。
  5. 画像処理対象の物体が適正範囲から右方にはずれていると判定された場合、カーソルの右方の端を歪ませて表示することを特徴とする請求項に記載のユーザインタフェース装置。
  6. 画像処理対象の物体が適正範囲にないと判定された場合、音声を用いて画像処理対象の物体が適正範囲からどの方向にはずれているかを通知する手段をさらに備えたことを特徴とする請求項ないしのいずれか1項に記載のユーザインタフェース装置。
  7. 所定の画像入力装置を基準とした三次元空間に画像入力のための適正範囲が存在し、該画像入力装置により該適正範囲にある画像処理対象の物体に光を照射しその反射光を受光することによって画像入力し、該入力画像をもとに該画像入力装置から該画像処理対象の物体までの距離に関する情報及び該画像処理対象の物体の形状に関する情報の取得を含む画像処理を行ない、該画像処理の結果に基づいて特定される所定の入力がなされたものと認識するユーザインタフェース装置において、
    少なくとも前記画像入力装置を基準とした遠近方向及び左右方向について、画像処理対象の物体が適正範囲にあるか否かおよび適正範囲にない場合に画像処理対象の物体が適正範囲からどの方向にはずれているかを、前記距離に関する情報及び前記形状に関する情報に基づき判定する手段と、
    適正範囲にないと判定された場合、音声により画像処理対象の物体が適正範囲からどの方向にはずれているかを通知する手段とを備えたことを特徴とするユーザインタフェース装置。
  8. 所定の画像入力装置を基準とした三次元空間に画像入力のための適正範囲が存在し、該画像入力装置により該適正範囲にある画像処理対象の物体に光を照射しその反射光を受光することによって画像入力し、該入力画像をもとに該画像入力装置から該画像処理対象の物体までの距離に関する情報及び該画像処理対象の物体の形状に関する情報の取得を含む画像処理を行ない、該画像処理の結果に基づいて特定される所定の入力がなされたものと認識するユーザインタフェース装置における対象物体の操作範囲呈示方法であって、
    少なくとも前記画像入力装置を基準とした遠近方向及び左右方向について、画像処理対象の物体が適正範囲にあるか否かおよび適正範囲にない場合に画像処理対象の物体が適正範囲からどの方向にはずれているかを、前記距離に関する情報及び前記形状に関する情報に基づき判定し、
    適正範囲にないと判定された場合、表示画面に表示するカーソルの表示状態を、適正範囲からどの方向にはずれているかに応じて定まる所定の状態に変化させて、画像処理対象の物体が適正範囲からどの方向にはずれているかを通知することを特徴とする操作範囲呈示方法。
  9. 所定の画像入力装置を基準とした三次元空間に画像入力のための適正範囲が存在し、該画像入力装置により該適正範囲にある画像処理対象の物体に光を照射しその反射光を受光することによって画像入力し、該入力画像をもとに該画像入力装置から該画像処理対象の物体までの距離に関する情報及び該画像処理対象の物体の形状に関する情報の取得を含む画像処理を行ない、該画像処理の結果に基づいて特定される所定の入力がなされたものと認識するユーザインタフェース装置における対象物体の操作範囲呈示方法であって、
    少なくとも前記画像入力装置を基準とした遠近方向及び左右方向について、画像処理対象の物体が適正範囲にあるか否かおよび適正範囲にない場合に画像処理対象の物体が適正範囲からどの方向にはずれているかを、前記距離に関する情報及び前記形状に関する情報に基づき判定し、
    適正範囲にないと判定された場合、音声により画像処理対象の物体が適正範囲からどの方向にはずれているかを通知することを特徴とする操作範囲呈示方法。
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