JP3818992B2 - 窒化硼素組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、窒化硼素組成物に関する。詳しくは、アルミニウム蒸着において、蒸着室の内壁等に付着したアルミニウムを容易に除去するため、その内壁等にアルミニウム蒸着のダミー材を形成するのに有用な窒化硼素組成物に関する。
窒化硼素粉末(BN粉末)の一用途に離型材がある。これは、ガラス等の成型用金型に離型性を付与するために用いられており、溶媒(例えば水又は有機溶剤)にBN粉末を分散させてなるスラリーを基本成分とし、必要に応じてシリコーン樹脂、コロイダルシリカ、燐酸アルミニウム等の結合材や、釉薬、タルク等の無機粉末が配合さている(特許文献1)。
一方、BN粉末と導電性粉末(例えば硼化ジルコニウム)を含む混合粉末からなる焼結体を、ボート形状に加工してアルミニウム蒸着用ボートとなし、プラスチック等のフィルムにアルミニウムを蒸着することが行われている。蒸着は、蒸着室の底部に蒸着ボートを、またその上方にフィルムを配置し、高真空下、300〜400℃に加熱して蒸着ボートのキャビティに供給されたアルミニウムを蒸発させフィルムに蒸着させる(特許文献2)。この場合の課題は、蒸着室の天井・側面・底面等の内壁にもアルミニウムが蒸着することであり、これらの堆積が進みすぎた状態、特に電極部にアルミニウムが付着した状態で蒸着を行うと、ショート等の電気的トラブルが起こるので、ほぼ毎回の蒸着ごとに蒸着室を掃除し、付着したアルミニウムを除去する必要があった。この除去作業はかなり厄介であり、多くの人手と時間がかかり、フィルムへのアルミニウム蒸着の生産性が高まらなかった。
特開昭60−50731号公報 特開平1−131072号公報
本発明の課題は、上記に鑑み、蒸着室の内壁に配置され、良好な電気絶縁性と剥離除去性を有させたアルミニウム蒸着のダミー材を形成するのに好適な窒化硼素組成物(BN組成物)を提供することである。
すなわち、本発明は、BN粉末10〜40質量%、増粘剤1〜10質量%、シリコーンオイル0.5〜6質量%を含むスラリーからなり、粘度が10〜1,000Pa・sであることを特徴とするBN組成物である。このBN組成物は、アルミニウム蒸着のダミー形成材として好適である。
本発明のBN組成物によれば、蒸着室の内壁に塗布・固化させることによって、アルミニウム蒸着のダミー材を容易に形成させることができる。これによって、蒸着室の内壁にアルミニウムが堆積するのを著しく軽減させることができるので、蒸着装置の耐久性が増大する。また、アルミニウムが堆積したダミー材は、ハンマー等で軽く衝撃を加えることによって剥がれるので、蒸着室のアルミニウム除去作業を短縮することができ、蒸着フィルムの生産性が向上する。
本発明で用いられるBN粉末は、黒鉛化指数(GI)が1〜10、特に1〜3であることが望ましい。GIが10よりも高い、すなわち鱗片形状がほとんど発達していないBN粉末を用いると、BN粉末同士のファンデルワールス力による結合が弱くなり、BN組成物から形成された固化物が脆くなる。その結果、BN組成物を塗布・固化させダミー材を形成しても、ひび割れ、亀裂等が生じ易くなる。一方、GIが1よりも低い、すなわち鱗片形状が高発達したBN粉末であると、BN粉末形状がより平面的になり、BN粉末表面の水酸基(−N−B−O−H)と、BN組成物が塗布される基材表面の水酸基(−M−O−H、Mは基材中の金属元素)との結合が容易に起こり易くなる。その結果、BN組成物を塗布・固化させてダミー材を形成しても強固に付着してしまい、蒸着後にダミー材を除去することが容易でなくなる。
BN組成物中のBN粉末の含有率は10〜40質量%、好ましくは15〜25質量%である。BN粉末が10質量%未満であると、BN組成物を塗布・固化させても、固化物の電気絶縁性が小さくなるので、少ないアルミニウムの堆積量で電気的トラブルが発生し、アルミニウム蒸着の運転時間が短くなる。また、40質量%をこえると、固化物(ダミー材)にひび割れ、亀裂を生じ、アルミニウムの捕獲作用が劣り、ダミー材の機能が小さくなる。
増粘剤は、BN組成物の粘度を増加するために用いられる。すなわち、蒸着室の側壁や天井にBN組成物を塗布・固化させてダミー材を形成する際、BN組成物のタレを防止するためである。また、増粘剤には、ステンレス板等の水はじきの容易な基材にBN組成物を塗布した際の水はじき防止効果もある。増粘剤のBN組成物中の含有率は1〜10重量%、好ましくは2〜6質量%である。1質量%よりも少ないと増粘効果が小さくなり、また10質量%をこえると塗布作業性が悪化する。増粘剤としては、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ポリエチレングリコール、アルギン酸ナトリウム、デキストリン等の一種又は二種以上が使用される。
本発明のBN組成物の一用途が、アルミニウム蒸着のダミー形成材であることを考慮すると、ステンレス板等の水はじきの容易な基材に塗布・固化後、真空蒸着温度である100〜500℃の熱履歴を受けても、その固化物(ダミー材)に小さな衝撃を加えることによって容易に剥がれる性質を有することが好ましい。この性質を付与するために、本発明のBN組成物にはシリコーンオイルを存在させる。
シリコーンオイルは、通常品で十分であるが、好ましくは、ジメチルポリシロキサンの側鎖メチル基の一部をポリエーテル基に置換した構造を有し、分子量4,000〜10,000のものである。分子量が4,000未満であると、ダミー材に小さな衝撃を加えても容易に剥がれない。また、分子量が10,000をこえると、シリコーンオイルの親水性が悪くなり、BN組成物中に均一に分散し難くなる。その結果、分子量が4,000未満である場合と同様にして、ダミー材が容易に剥がれなくなる。一方、ジメチルポリシロキサン自身は水溶性が低いため、親水性官能基を導入する必要があるが、シリコーンオイルの化学的安定性を考慮すると、親水基としてはポリエーテル基が望ましい。水酸基、カルビノール基、カルボキシル基等を導入したシリコーンオイルは、親水性はあるが化学的安定性が低くなるため、100℃以上に放置した場合、ダミー材の除去が容易でなくなる恐れがある。
BN組成物中のシリコーンオイルの含有率は0.5〜6質量%、好ましくは1〜3質量%である。0.5質量%未満であるとダミー材の剥離性が不十分となり、6質量%をこえると、はじきが生じ塗布が困難となる。
BN組成物の粘度は、10〜1,000Pa・s、好ましくは100〜500Pa・sである。粘度が10Pa・s未満であると、蒸着室の側面、天井面にBN組成物を塗布したときタレが生じる。粘度が1,000Pa・sをこえると、温度50℃以下の基材に15〜20秒/mの素早さで塗布することができない。BN組成物の粘度は、上記成分の配合割合によって調整することができる。
スラリー化するための溶剤としては、水、アルコール、直鎖炭化水素、芳香族炭化水素等が用いられるが、高温化、密閉装置での使用を考慮すると水が望ましい。アルコール等の有機溶剤を使用するときは、防爆装置で行うことの配慮が必要である。
本発明のBN組成物の塗布には、はけ、へら等が使用される。スプレー塗布する場合は、本発明のBN組成物を溶剤で1〜10倍に希釈するのが望ましい。塗布後の固化は、自然乾燥、200℃以下の熱風をあてる強制乾燥によって行われる。
本発明のBN組成物は、上記成分を混合することによって製造することができ、その混合装置としては、スリーワンモーター、ボールミル、振動ミル、アトライターミル等が使用される。
実施例1、2 比較例1〜5
市販のBN粉末(電気化学工業社製「GP」、平均粒径8μm、GI値1.2)、メチルセルロース(ユケン工業社製「セランダー YB−111A」)、シリコーンオイル(信越化学社製「KF−353」)と、蒸留水とを種々の割合とし、ボールミルにより10時間混合して表1示される粘度を有するBN組成物を製造した。これの塗布性、タレ性及び剥離性を以下に従い評価した。それらの結果を表1に示す。
(1)塗布性
アルミニウム真空蒸着室の内壁の側壁に約10mmの厚さにBN組成物を塗布し、塗布面積あたりの塗布量(塗布速度)を測定した。
(2)タレ性
アルミニウム真空蒸着室内面の天井面に5kg/mのBN組成物を塗布し1分間放置する。その間に、BN組成物の天井面からのタレの有無を目視観察した。「○」:タレが認められない。「×」:タレが認められた。
(3)離型性
アルミニウム真空蒸着室内面の側壁と天井面にBN組成物を塗布・固化してダミー材(厚み10mm)を形成させた後、0.01Paに真空排気し、5g/分の速度で5分間、アルミニウムを蒸着させた。この時、蒸着室の側壁と天井面の温度は80〜200℃となった。アルミニウム蒸着終了後、蒸着室を冷却し、大気放置してからダミー材にハンマーで1〜2kg・m/sの衝撃力を与え、ダミー材の側面への残存割合を、式、(残存割合)=(ダミー材残存面積)/(真空蒸着室内面の面積)、を用いて算出した。
Figure 0003818992
メチルセルロースのかわりに、カルボキシメチルセルロース、ポリエチレングリコール、アルギン酸ナトリウム、デキストリンを用い実施例1と同様に試験したところ、実施例1とほぼ同等の好結果が得られた。
本発明のBN組成物は、アルミニウム真空蒸着室内にアルミニウム蒸着のダミー材を形成させるのに使用される。

Claims (3)

  1. 窒化硼素粉末10〜40質量%、増粘剤1〜10質量%、シリコーンオイル0.5〜6質量%を含むスラリーからなり、粘度が10〜1,000Pa・sあることを特徴とする窒化硼素組成物。
  2. 増粘剤が、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ポリエチレングリコール、アルギン酸ナトリウム、デキストリンから選ばれた一種又は二種以上であること特徴とする請求項1記載の窒化硼素組成物。
  3. アルミニウム蒸着のダミー形成材であることを特徴とする請求項1又は2記載の窒化硼素組成物。
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