JPH07334088A - ラベルとその焼き付け方法 - Google Patents

ラベルとその焼き付け方法

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JPH07334088A
JPH07334088A JP6276008A JP27600894A JPH07334088A JP H07334088 A JPH07334088 A JP H07334088A JP 6276008 A JP6276008 A JP 6276008A JP 27600894 A JP27600894 A JP 27600894A JP H07334088 A JPH07334088 A JP H07334088A
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resin
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祥 小野寺
Shinji Nakamura
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YUSHI SEIHIN KK
Nippon Oil and Fats Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 柔軟性と耐熱性にすぐれ、とくに耐熱性材料
に高温で焼き付けることができ、そのために高温で脱落
しにくい耐熱性ラベルを提供する。 【構成】 A)シリコ―ン樹脂と、B)単結晶質無機繊
維との二成分か、これにさらにC)分解開始温度が35
0℃以下である樹脂を加えた三成分を必須としたフイル
ムに、D)シリコ―ン樹脂と、E)金属粉末との二成分
か、これにさらにF)ホウ酸化合物を加えた三成分を必
須とした粘着剤を付着させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ラベル、とくに200
〜700℃の高温処理工程で耐熱性材料に焼き付けるこ
とのできる耐熱性ラベルと、その焼き付け方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】食品、機械、化学などの広い工業分野に
おいて、生産物またはその包装に、記号、文字、パタ―
ンなどを印刷したラベル、つまりパタ―ン形成ラベルが
貼り付けられ、工程管理に利用されている。その代表的
な例がバ―コ―ドラベルを利用した管理システムであ
る。このバ―コ―ド管理システムでは、製品の製造状
況、価格などの情報をバ―コ―ドラベルから機械的に読
み取ることにより、製造、販売工程の管理を行うように
している。
【0003】しかし、耐熱性の低い樹脂や紙などでラベ
ル用フイルムを作製し、これにアクリル樹脂などからな
る粘着剤を付着させた通常のバ―コ―ドラベルは、ラベ
ル本体および粘着剤ともに300℃以上という過酷な温
度条件において分解および蒸発してしまうため、窯業、
製鉄業、ガラス工業などの高温処理工程を有する工業分
野、たとえば400〜600℃の封入、焼き鈍し工程を
有するテレビジヨン用ブラウン管製造工程などでは使用
できない。このため、300℃以上の高温に耐えられる
ラベル用フイルムと粘着剤が求められている。
【0004】一方、従来より、ガラス繊維、ロツクウ―
ルなどのような長繊維の非晶質無機繊維を織つた布状物
にシリコ―ン樹脂、ポリアミド樹脂などの耐熱性バイン
ダ―樹脂を含浸させて硬化させた耐熱性フイルムが知ら
れ、その中には300℃を超える温度に短時間なら耐え
られるものもある。
【0005】しかしながら、このような耐熱性フイルム
をラベルに加工して、上記のような用途に使用した場合
には、フイルムが剛直で柔軟性に乏しいために、平滑な
表面を持つ生産物のみにしか貼り付けができない。かり
に、貼り付けが可能である場合でも、ブラウン管や金属
板表面に貼り付けて高温にさらすと、変色を起こした
り、ブラウン管や金属板の熱膨脹に耐えられずラベルに
クラツクが生じ、剥離するため、300℃を超える高温
では使用が制限され、400℃を超える高温となると、
ほとんど使用できないのが現状である。
【0006】これを解決するため、たとえば、実開昭6
2−142083号公報には、セラミツク、ホ―ロ―、
金属などからなるラベル用フイルムに、融点の低いガラ
ス状無機化合物(ガラスフリツト)と無機顔料および溶
剤からなるインクによりバ―コ―ドを印刷したブラウン
管製造工程用耐熱性バ―コ―ドラベルが提案されてい
る。しかるに、この耐熱性バ―コ―ドラベルは、耐熱性
は十分であるものの、剛直であるため、曲面に貼り付け
できないという欠点を有しているうえに、実際に粘着剤
を付着させて400℃を超える高温にさらすと、粘着剤
の耐熱性がラベル自身の耐熱性よりもはるかに低いた
め、ラベル自身が熱劣化を起こす以前に、粘着剤の熱劣
化により生産物から脱落してしまう。
【0007】そこで、たとえば、特開平1−27268
2号公報、特開平4−335083号公報などには、シ
リコ―ン樹脂系の耐熱性粘着剤が提案されている。しか
し、これらの耐熱性粘着剤も400℃を超える高温には
短時間しか耐えられないため、上記耐熱性バ―コ―ドラ
ベルにこれらの耐熱性粘着剤を付着させて400℃を超
える高温にさらされる生産物へ貼り付けると、短時間で
脱落してしまう。このため、ラベル自身の耐熱性を十分
に生かした貼り付け方法としては、ビス止めやポケツト
への挿入などしかなく、実際の製造工程への適用には、
制限が非常に大きく、手間のかかるものであつた。
【0008】このような問題を解決し、高温でもラベル
が劣化,脱落を起こさず、かつラベルに柔軟性を付与し
て、自動貼り付け可能な耐熱性ラベルを実現する試みと
して、WO88/07937公報には、樹脂にガラスフ
リツトを多量に含有させたフイルムの上に、耐熱性イン
クでバ―コ―ドを印刷し、熱分解温度の低い粘着剤を塗
布したラベルが提案されている。このラベルに使用され
ているガラスフリツトは、高温にさらされると融解し、
粘着剤が劣化・分解したのちもバ―コ―ドパタ―ンを生
産物表面に融着させて残存させることができる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このガ
ラスフリツトを含有するラベルでは、使用されているガ
ラスフリツトが、常温では数μm〜数十μmという大き
な粒径を持つ溶剤不溶性の粉体であるため、多量にガラ
スフリツトを含有するフイルムは非常に脆いものとな
る。このため、ラベル貼り付け機で貼り付けることは可
能であつても、その際にしばしば破損し、最悪の場合に
は製造ラインの停止を引き起こす。
【0010】本発明は、上記の問題に鑑み、柔軟性と耐
熱性にすぐれ、とくに耐熱性材料に高温で焼き付けるこ
とができ、そのために高温で脱落しにくい耐熱性ラベル
と、上記焼き付け方法を提供することを目的としてい
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の目
的を達成するため、鋭意検討した結果、特定の樹脂成分
と特定の無機繊維を含むフイルムに、特定の樹脂成分と
金属粉末またはこれとホウ酸化合物を含む粘着剤を付着
させてなるラベルを用いることにより、柔軟性と耐熱性
をともに満足し、高温で処理したのちも外観や耐擦傷性
にすぐれ、脱落しないラベルが得られることを見い出
し、本発明を完成するに至つた。
【0012】すなわち、本発明の第1は、A)シリコ―
ン樹脂と、B)単結晶質無機繊維とが、A,B両成分の
合計量中、A成分20〜95重量%、B成分80〜5重
量%の割合で含まれてなるフイルムに、D)シリコ―ン
樹脂と、E)金属粉末とが、D,E両成分の合計量中、
D成分10〜80重量%、E成分90〜20重量%の割
合で含まれてなる粘着剤を付着させてなるラベルに係る
ものである。
【0013】本発明の第2は、A)シリコ―ン樹脂と、
B)単結晶質無機繊維と、C)分解開始温度が350℃
以下である樹脂とが、A〜C三成分の合計量中、A成分
20〜90重量%、B成分60〜5重量%、C成分20
〜5重量%の割合で含まれてなるフイルムに、D)シリ
コ―ン樹脂と、E)金属粉末とが、D,E両成分の合計
量中、D成分10〜80重量%、E成分90〜20重量
%の割合で含まれてなる粘着剤を付着させてなるラベル
に係るものである。
【0014】本発明の第3は、A)シリコ―ン樹脂と、
B)単結晶質無機繊維とが、A,B両成分の合計量中、
A成分20〜95重量%、B成分80〜5重量%の割合
で含まれてなるフイルムに、D)シリコ―ン樹脂と、
E)金属粉末と、F)ホウ酸化合物とが、D〜F三成分
の合計量中、D成分10〜75重量%、E成分80〜2
4.9重量%、F成分10〜0.1重量%の割合で含ま
れてなる粘着剤を付着させてなるラベルに係るものであ
る。
【0015】本発明の第4は、A)シリコ―ン樹脂と、
B)単結晶質無機繊維と、C)分解開始温度が350℃
以下である樹脂とが、A〜C三成分の合計量中、A成分
20〜90重量%、B成分60〜5重量%、C成分20
〜5重量%の割合で含まれてなるフイルムに、D)シリ
コ―ン樹脂と、E)金属粉末と、F)ホウ酸化合物と
が、D〜F三成分の合計量中、D成分10〜75重量
%、E成分80〜24.9重量%、F成分10〜0.1
重量%の割合で含まれてなる粘着剤を付着させてなるラ
ベルに係るものである。
【0016】本発明の第5は、耐熱性材料に、上記第1
〜第4の発明に係るラベルを貼り付けたのち、200〜
700℃の温度で処理することにより、耐熱性材料にラ
ベルを焼き付けることを特徴とするラベルの焼き付け方
法に係るものである。
【0017】
【発明の構成・作用】本発明のラベルは、ラベル本体を
構成させるフイルムと、これに付着させる粘着剤とから
なり、前者のフイルムがA,B二成分またはA〜C三成
分を必須とし、後者の粘着剤がD,E二成分またはD〜
F三成分を必須としたもので、両材料の上記必須成分の
組み合わせにより、以下の四つのタイプが存在する。
【0018】その第1は、A,B二成分を必須としたフ
イルムとD,E二成分を必須とした粘着剤との組み合わ
せである。また、第2は、A〜C三成分を必須としたフ
イルムとD,E二成分を必須とした粘着剤との組み合わ
せである。さらに、第3は、A,B二成分を必須とした
フイルムとD〜F三成分を必須とした粘着剤との組み合
わせである。また、第4は、A〜C三成分を必須とした
フイルムとD〜F三成分を必須とした粘着剤との組み合
わせである。
【0019】ラベル本体を構成させるフイルムにおい
て、A成分のシリコ―ン樹脂は、オルガノポリシロキサ
ン構造を分子内に有する化合物であつて、ストレ―トシ
リコ―ン樹脂と変性シリコ―ン樹脂とがあり、その1種
または2種以上が用いられる。これらの樹脂は、100
℃未満の温度で硬化する、いわゆる常温硬化型のシリコ
―ン樹脂であるのがよい。また、これらの樹脂は、その
まま、あるいは溶剤に溶解した樹脂液として用いられる
が、ラベルを製造する際のフイルム化を容易にするた
め、溶剤に溶解した樹脂液として用いるのが望ましい。
【0020】このようなシリコ―ン樹脂の重量平均分子
量としては、200〜5,000,000、好ましくは
500〜2,000,000、さらに好ましくは1,0
00〜1,000,000であるのがよい。また、ラベ
ルの柔軟性をより向上させるため、重量平均分子量の異
なるものを2種以上混合して使用するのが好ましい。と
くに、A-L)重量平均分子量200〜500,000、
好ましくは500〜200,000、さらに好ましくは
1,000〜100,000である分子量の小さいシリ
コ―ン樹脂と、A-H)上記A-L成分の重量平均分子量の
10〜1,000倍、好ましくは50〜500倍の重量
平均分子量を持つ分子量の大きいシリコ―ン樹脂との混
合物からなり、その割合が、A-L成分5〜50重量%、
A-H成分95〜50重量%であるものが、好ましく用い
られる。
【0021】ストレ―トシリコ―ン樹脂とは、炭化水素
基を主たる有機基とするオルガノポリシロキサンであ
り、水酸基を有していてもよい。上記の炭化水素基に
は、脂肪族炭化水素基と芳香族炭化水素基があり、その
中でも、炭素数1〜5の脂肪族炭化水素基および炭素数
6〜12の芳香族炭化水素基が好ましい。これらの炭化
水素基は、1種であつても2種以上であつてもよい。
【0022】炭素数1〜5の脂肪族炭化水素基として
は、たとえば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチ
ル基、ペンチル基、ビニル基、アリル基、プロペニル
基、ブテニル基、ペンテニル基などがある。炭素数6〜
12の芳香族炭化水素基としては、たとえば、フエニル
基、メチルフエニル基、エチルフエニル基、ブチルフエ
ニル基、タ―シヤリ―ブチルフエニル基、ナフチル基、
スチリル基、アリルフエニル基、プロペニルフエニル基
などがある。
【0023】ストレ―トシリコ―ン樹脂は、たとえば、
上記の脂肪族炭化水素基または芳香族炭化水素基を含有
するクロロシラン化合物やアルコキシシラン化合物から
なる1種または2種以上のシラン化合物を加水分解して
縮合させるか、上記のシラン化合物にテトラクロロシラ
ンやテトラアルコキシシランを加えた混合物を加水分解
して共縮合させることにより、得られる。
【0024】上記のクロロシラン化合物としては、たと
えば、メチルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシラ
ン、トリメチルクロロシラン、メチルエチルジクロロシ
ラン、ビニルメチルジクロロシラン、ビニルトリクロロ
シラン、フエニルトリクロロシラン、ジフエニルジクロ
ロシラン、メチルフエニルジクロロシラン、ビニルフエ
ニルジクロロシランなどが挙げられる。
【0025】また、アルコキシシラン化合物としては、
メチルトリメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラ
ン、トリメチルメトキシシラン、ビニルメチルメトキシ
シラン、ビニルトリブトキシシラン、フエニルトリエト
キシシラン、ジフエニルジメトキシシラン、メチルフエ
ニルジプロポキシシラン、ビニルフエニルジメトキシシ
ランなどが挙げられる。
【0026】変性シリコ―ン樹脂とは、炭化水素基以外
の有機基を含むオルガノポリシロキサンであつて、たと
えば、メトキシ基含有シリコ―ン樹脂、エトキシ基含有
シリコ―ン樹脂、エポキシ基含有シリコ―ン樹脂、アル
キツド樹脂変性シリコ―ン樹脂、アクリル樹脂変性シリ
コ―ン樹脂、ポリエステル樹脂変性シリコ―ン樹脂、エ
ポキシ樹脂変性シリコ―ン樹脂などがある。
【0027】これらの変性シリコ―ン樹脂は、たとえ
ば、ストレ―トシリコ―ン樹脂中に含まれる水酸基と、
この水酸基と反応しうるカルボキシル基、酸無水物基、
水酸基、アルデヒド基、エポキシ基、クロリド基などの
官能基を有する有機化合物とを反応させる方法、ビニル
基などの不飽和炭化水素基を有するストレ―トシリコ―
ン樹脂と不飽和二重結合を有する化合物を共重合させる
方法、前記のシラン化合物と他の有機化合物とを反応さ
せて得た変性シラン化合物を加水分解により縮合または
共縮合させる方法などにより、得られる。なお、反応さ
せる有機化合物は、低分子化合物でも樹脂のような高分
子化合物でもよい。
【0028】ラベル本体を構成させるフイルムにおい
て、B成分の単結晶質無機繊維は、無機質の単結晶から
なる繊維であつて、印刷されるパタ―ンの鮮明さから、
平均繊維長が200μm以下であるものが好ましく、さ
らに好ましくは100μm以下であるものがよい。ま
た、フイルム強度の点から、平均繊維長が平均繊維径の
3倍以上であるのが好ましく、さらに好ましくは5倍以
上であるのがよい。
【0029】このような単結晶質無機繊維としては、た
とえば、炭化ケイ素ウイスカ―、窒化ケイ素ウイスカ
―、アルミナウイスカ―、チタン酸塩ウイスカ―、酸化
亜鉛ウイスカ―、マグネシアウイスカ―、ホウ酸アルミ
ニウムウイスカ―、ワラストナイトなどが挙げられる。
これらの無機繊維は、すべて、平均繊維長が平均繊維径
の5倍以上である。これらの無機繊維の中でも、チタン
酸塩ウイスカ―の1種であるチタン酸カリウムウイスカ
―が、とくに好ましく用いられる。
【0030】ラベル本体を構成させるフイルムにおい
て、C成分の樹脂は、大気雰囲気下での熱天秤による分
解開始温度が350℃以下となる樹脂、好ましくは32
0℃以下となる樹脂である。分解開始温度が350℃を
超える樹脂は、高温にさらされた際に炭化物が生成し、
ラベルの外観が損なわれる。具体的には、ポリ(メタ)
アクリル酸エステル、ポリビニルエステル、ポリアルフ
アメチルスチレン、ポリアルキレンオキシドなどが挙げ
られる。このような樹脂の平均分子量としては、通常
3,000以上、好ましくは1万以上であるのがよい。
分子量が小さすぎると、ラベルの柔軟性を向上させる効
果が小さくなる。
【0031】ポリ(メタ)アクリル酸エステルを構成す
る(メタ)アクリル酸エステルは、(メタ)アクリル酸
と炭素数1〜6の脂肪族アルコ―ルのエステルであり、
たとえば、アクリル酸メチル、アクリル酸ブチル、アク
リル酸ヘキシル、エチレングリコ―ルモノアクリル酸エ
ステル、グリセリンモノアクリル酸エステル、グリセリ
ンジアクリル酸エステル、メタクリル酸メチル、メタク
リル酸ブチル、メタクリル酸ヘキシル、エチレングリコ
―ルモノメタクリル酸エステル、エチレングリコ―ルジ
メタクリル酸エステル、グリセリンモノメタクリル酸エ
ステル、グリセリンジメタクリル酸エステルなどが挙げ
られる。
【0032】ポリ(メタ)アクリル酸エステルは、上記
の(メタ)アクリル酸エステルの1種または2種以上
を、塊状重合、溶液重合、懸濁重合、乳化重合などの通
常の方法で重合させることにより得られ、その分解開始
温度は約170〜320℃である。とくに好ましいの
は、ポリメタクリル酸メチルおよびポリアクリル酸メチ
ルであり、その分解開始温度は約200〜300℃であ
る。
【0033】ポリビニルエステルを構成するビニルエス
テルは、炭素数1〜6の脂肪酸ビニルエステルであり、
たとえば、ギ酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニ
ル、ヘキサン酸ビニルなどがある。ポリビニルエステル
は、これらの脂肪酸ビニルエステルの1種または2種以
上を、塊状重合、溶液重合、懸濁重合、乳化重合などの
通常の方法で重合させることにより得られ、その分解開
始温度は約180〜320℃である。とくに好ましいも
のは、ポリ酢酸ビニルであつて、その分解開始温度は約
250〜310℃である。
【0034】ポリアルフアメチルスチレンは、アルフア
メチルスチレンを、塊状重合、溶液重合、懸濁重合、乳
化重合などの通常の方法で重合させることにより得ら
れ、この樹脂の分解開始温度は約220〜280℃であ
る。
【0035】ポリアルキレンオキシドを構成するアルキ
レンオキシドは、炭素数1〜4のアルキレンオキシドで
あり、たとえば、エチレンオキシド、プロピレンオキシ
ド、ブチレンオキシドなどがある。ポリアルキレンオキ
シドは、これらのアルキレンオキシドの1種または2種
以上を、公知の方法で付加重合させることにより得ら
れ、この樹脂の分解開始温度は約150〜300℃であ
る。とくに好ましいのは、ポリメチレンオキシド、ポリ
エチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、エチレン
オキシドとプロピレンオキシドとのブロツク共重合体で
あり、その分解開始温度は約180〜280℃である。
【0036】本発明のラベルにおいて、ラベル本体を構
成させるフイルムのひとつは、上記A成分のシリコ―ン
樹脂とB成分の単結晶質無機繊維との二成分を必須とし
たものであり、各成分の使用量は、A,B両成分の合計
量中、A成分が20〜95重量%、好ましくは30〜9
0重量%で、B成分が80〜5重量%、好ましくは70
〜10重量%である。これらの範囲外となると、十分な
耐熱性が得られなかつたり、ラベルの柔軟性が低下する
問題がある。
【0037】ラベル本体を構成させるフイルムの他のひ
とつは、上記A成分のシリコ―ン樹脂と、B成分の単結
晶質無機繊維と、C成分の分解開始温度が350℃以下
である樹脂との三成分を必須とし、上記C成分の使用に
より、ラベルの柔軟性をより一層向上させるようにした
ものである。各成分の使用量は、A〜C三成分の合計量
中、A成分が20〜90重量%、好ましくは30〜85
重量%、B成分が60〜5重量%、好ましくは55〜8
重量%、C成分が20〜5重量%、好ましくは15〜7
重量%である。これらの範囲外では、前記同様の問題が
あり、またC成分が5重量%より少ないと、柔軟性の向
上効果が低減し、20重量%より多くなると、耐熱性が
低下する。
【0038】このようにA,B二成分またはA〜C三成
分を必須としたフイルムにおいて、その耐熱性をとくに
向上させるためには、A成分のシリコ―ン樹脂の一部ま
たは全部として、前記したストレ―トシリコ―ン樹脂を
用い、このストレ―トシリコ―ン樹脂の含有量が、A成
分中、50重量%以上、好ましくは60重量%以上の割
合となるようにするのが望ましい。
【0039】また、上記構成のフイルムを用いたラベル
を200〜700℃で処理すると、A成分のシリコ―ン
樹脂からオルガノシロキサンを主成分とする熱分解ガス
が発生し、炉内に存在するブラウン管などのラベルの被
添付物や他の部品にこのガスが付着して汚染される場合
がある。この場合、汚染されたブラウン管などの表面の
水に対する接触角が大きくなり、以後の工程で洗浄水を
はじき、洗浄が十分に行われなかつたり、その後の塗装
などでムラが発生するなどの不良を引き起こしやすい。
これを解決するためには、A成分のシリコ―ン樹脂10
0重量部に対して、シリコ―ン樹脂の架橋剤を0.1〜
100重量部、好ましくは0.2〜50重量部加えるこ
とが好ましい。添加量がこの範囲より少ないと、上記シ
リコ―ン樹脂由来の汚染を十分に減少させることができ
ず、またこの範囲より多いと、架橋が密になりすぎてラ
ベルが脆くなるおそれがある。
【0040】上記のシリコ―ン樹脂の架橋剤としては、
ホウ酸化合物、有機金属化合物などがある。このうち、
ホウ酸化合物としては、分子内にホウ酸残基を含む化合
物であり、たとえば、ホウ酸、ホウ酸塩、ホウ酸エステ
ルなどがある。ホウ酸としては、オルトホウ酸、メタホ
ウ酸、無水ホウ酸などがあり、ホウ酸塩としては、ホウ
酸ナトリウム、ホウ酸カリウム、ホウ酸マグネシウム、
ホウ酸カルシウム、ホウ酸亜鉛、ホウ酸アルミニウムな
どがあり、ホウ酸エステルとしては、ホウ酸メチル、ホ
ウ酸エチル、ホウ酸ブチル、ホウ酸オクチル、ホウ酸ド
デシルなどがある。これらのホウ酸化合物の中でも、オ
ルトホウ酸がとくに好ましい。
【0041】また、有機金属化合物としては、有機錫化
合物、有機鉛化合物、有機亜鉛化合物、有機アルミニウ
ム化合物、有機チタン化合物などがあるが、この中で
も、有機チタン化合物がとくに好ましい。有機チタン化
合物としては、炭素数1〜32のアルコキシ基を持つア
ルコキシチタン、炭素数1〜32のアシル基を持つチタ
ンアシレ―ト、炭素数1〜32の配位子を持つチタンキ
レ―ト化合物があり、たとえば、テトライソプロポキシ
チタン、テトラブトキシチタン、テトラキス−2−エチ
ルヘキソキシチタン、チタンテトラアセテ―ト、ジ−イ
ソ−プロポキシ・ビス(アセチルアセトナト)チタンな
どがあり、この中でも、とくにテトラブトキシチタンが
好ましい。
【0042】本発明においては、上記のA,B二成分ま
たはA〜C三成分を必須とし、これに上記の架橋剤を適
宜加えてなるフイルムの柔軟性、印刷特性、耐熱性、引
張強度などの物性をさらに向上させる目的で、添加剤を
加えることができる。この添加剤としては、可塑剤、無
機顔料、耐熱性向上剤などが挙げられる。
【0043】可塑剤としては、脂肪族エステル、芳香族
エステル、リン酸エステルなどがある。脂肪族エステル
には、ラウリン酸メチル、オレイン酸ブチル、ジエチレ
ングリコ―ルジラウリン酸エステル、アジピン酸ジ(2
−エチルブトキシエチル)などがあり、芳香族エステル
としては、フタル酸ジメチル、フタル酸ジオクチル、フ
タル酸ジ(2−エチルヘキシル)、フタル酸ジラウリ
ル、安息香酸オレイル、オレイン酸フエニルなどがあ
り、リン酸エステルとしては、リン酸トリクレジル、リ
ン酸トリオクチルなどがある。
【0044】これら可塑剤の添加により、ラベルの柔軟
性をさらに向上できる。添加量は、A,B二成分または
A〜C三成分100重量部に対して、20重量部以下、
好ましくは10重量部以下とするのがよい。多すぎる
と、ラベルの柔軟性が大きくなりすぎて、ラベルが台紙
として用いる離型紙から剥離しにくくなる。
【0045】無機顔料としては、300℃以上の高温で
変色を起こさない顔料が用いられ、たとえば、酸化亜
鉛、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、リトポ
ン、酸化チタン、酸化クロム、酸化マンガン、ニツケル
チタンエロ―、クロムチタンエロ―、ベンガラ、ラスタ
―顔料などが挙げられる。これらの着色顔料以外に、体
質顔料として、マイクロシリカ、炭酸カルシウムを用い
てもよい。これらの顔料の添加により、印刷のコントラ
ストを高めたり、印刷インクの密着性を向上させること
ができる。添加量は、A,B二成分またはA〜C三成分
100重量部に対して、200重量部以下、好ましくは
100重量部以下とするのがよい。多すぎると、ラベル
の柔軟性が低下する。
【0046】耐熱性向上剤としては、シリコ―ン樹脂の
耐熱性を向上させる公知の無機粉体がいずれも使用で
き、たとえば、アルミニウム粉末、亜鉛粉末、酸化アル
ミニウム粉末、酸化亜鉛粉末、硫酸亜鉛粉末などがあ
る。これら耐熱性向上剤の添加により、ラベルの耐熱性
を向上できる。添加量は、A,B二成分またはA〜C三
成分100重量部に対して、100重量部以下、好まし
くは50重量部以下とするのがよい。多すぎると、ラベ
ルの柔軟性が低下する。
【0047】本発明において、A成分のシリコ―ン樹脂
は、溶剤を含む樹脂液として市販されている場合が多い
が、フイルムの作製を容易にするため、溶剤をさらに添
加してもよい。この希釈分散用の溶剤は、沸点が0〜3
00℃、好ましくは25〜200℃の溶剤である。添加
量は、A,B二成分またはA〜C三成分100重量部に
対して、500重量部以下、好ましくは200重量部以
下とするのがよい。多すぎると、フイルムを作製する際
の乾燥に時間がかかるだけで、それ以上の効果は認めら
れず、経済的に不利である。
【0048】このような希釈分散用の溶剤としては、た
とえば、ヘキサン、オクタン、デカン、シクロヘキサン
などの脂肪族炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレ
ン、クメン、ナフタリンなどの芳香族炭化水素、アセト
ン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノンなどのケト
ン、メタノ―ル、エタノ―ル、2−エチルヘキサノ―ル
などのアルコ―ル、エチレングリコ―ルモノメチルエ―
テル、ジエチレングリコ―ルジブチルエ―テルなどのエ
―テル、酢酸メチル、蟻酸エチル、アセト酢酸エチルな
どのエステル、ガソリン、灯油、軽油などの石油蒸留成
分、水などが挙げられる。これらの中でも、とくにシリ
コ―ン樹脂との相溶性にすぐれる芳香族炭化水素やアル
コ―ルが好ましい。
【0049】本発明において、ラベル本体を構成させる
フイルムの作製に際しては、まず、上記のA,B二成分
またはA〜C三成分を、これら単独で、または必要によ
り上記のA成分の架橋剤やその他の添加剤および溶剤と
ともに、常温または加温下で混合する。この際、デイス
パ―、ボ―ルミル、サンドミル、ロ―ルミル、ホモジナ
イザ―などの分散機を用いて混合してもよい。この混合
物を、離型紙または離型剤を塗布したモ―ルドに、公知
の塗布方式や印刷方式にて塗布または印刷し、常温また
は加熱下で乾燥してフイルム化すればよい。フイルムの
厚さは、とくに限定されないが、通常は1〜1,000
μmであるのがよい。
【0050】このようなラベル本体を構成させるフイル
ム上に付着させる粘着剤において、D成分のシリコ―ン
樹脂としては、前記A成分のシリコ―ン樹脂と同様のも
のを使用できる。この樹脂の重量平均分子量は、200
〜5,000,000の範囲にあるのがよい。また、粘
着剤の耐熱性を向上させるために、このシリコ―ン樹脂
の一部または全部として、ストレ―トシリコ―ン樹脂を
使用し、このストレ―トシリコ―ン樹脂の含有量が、D
成分中、50重量%以上、好ましくは60重量%以上で
あるのがよい。ただし、このD成分のシリコ―ン樹脂
は、前記A成分のシリコ―ン樹脂とは異なり、100℃
以上の温度で硬化する、いわゆる加熱硬化型のシリコ―
ン樹脂が好ましい。
【0051】E成分の金属粉末は、金属を粉末化したも
のであり、形状は、破片状、球状、ブロツク状、顆粒
状、フレ―ク状、針状、鱗片状などのいずれでもよい。
粒径は、良好な耐熱性を得るために、0.01〜1,0
00μm、好ましくは0.1〜500μmであるのがよ
い。金属の種類はとくに限定されないが、大気下で比較
的安定な金属が好ましく、たとえば、亜鉛、ニツケル、
アルミニウム、錫、鉄、ステンレス鋼、金、銀、白金、
鉛、銅、金属珪素、チタンまたはこれらの合金などがあ
り、その中でも、亜鉛、アルミニウム、ステンレス鋼が
とくに好ましく、これらを用いた場合には、耐熱性がさ
らに向上する。
【0052】F成分のホウ酸化合物は、分子内にホウ酸
残基を含む化合物であり、たとえば、ホウ酸、ホウ酸
塩、ホウ酸エステルなどがある。ホウ酸としては、オル
トホウ酸、メタホウ酸、無水ホウ酸などがあり、ホウ酸
塩としては、ホウ酸ナトリウム、ホウ酸カリウム、ホウ
酸マグネシウム、ホウ酸カルシウム、ホウ酸亜鉛、ホウ
酸アルミニウムなどがあり、ホウ酸エステルとしては、
ホウ酸メチル、ホウ酸エチル、ホウ酸ブチル、ホウ酸オ
クチル、ホウ酸ドデシルなどがある。これらのホウ酸化
合物の中でも、オルトホウ酸がとくに好ましい。
【0053】本発明における粘着剤のひとつは、上記の
D成分としてのシリコ―ン樹脂とE成分としての金属粉
末を必須としたものであつて、各成分の使用量は、D,
E両成分の合計量中、D成分が10〜80重量%、好ま
しくは20〜70重量%、E成分が90〜20重量%、
好ましくは80〜30重量%である。これらの範囲外で
は、十分な耐熱性が得られない。
【0054】粘着剤の他のひとつは、上記のD,E成分
に加えて、さらにF成分のホウ酸化合物を必須としたも
のであり、このF成分の添加により、粘着剤の耐熱性を
より一層向上させることができる。各成分の使用量は、
D〜F三成分の合計量中、D成分が10〜75重量%、
好ましくは20〜70重量%、E成分が80〜24.9
重量%、好ましくは75〜29.5重量%、F成分が1
0〜0.1重量%、好ましくは5〜0.5重量%であ
る。これらの範囲外では、十分な耐熱性が得られない。
また、F成分が0.1重量%より少ないと、耐熱性の向
上効果が低減し、10重量%より多くなると、粘着剤と
しての粘着力が低下する。
【0055】このようなD,E二成分またはD〜F三成
分を必須としたふたつの粘着剤において、粘着性、取り
扱い性などの物性をさらに向上させる目的で、必要によ
り、適宜の添加剤を加えることができる。たとえば、粘
着性を向上させるための可塑剤、流動特性や取り扱い性
を向上させるための無機顔料、同じく取り扱い性を向上
させるための溶剤などが用いられる。
【0056】可塑剤としては、脂肪族エステル、芳香族
エステル、リン酸エステルなどがある。脂肪族エステル
には、ラウリン酸メチル、オレイン酸ブチル、ジエチレ
ングリコ―ルジラウリン酸エステル、アジピン酸ジ(2
−エチルブトキシエチル)などがあり、芳香族エステル
としては、フタル酸ジメチル、フタル酸ジオクチル、フ
タル酸ジ(2−エチルヘキシル)、フタル酸ジラウリ
ル、安息香酸オレイル、オレイン酸フエニルなどがあ
る。また、リン酸エステルとしては、リン酸トリクレジ
ル、リン酸トリオクチルなどがある。
【0057】無機顔料としては、300℃以上の高温で
変色を起こさない顔料が用いられ、たとえば、酸化亜
鉛、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、リトポ
ン、酸化チタン、酸化クロム、酸化マンガン、ニツケル
チタンエロ―、クロムチタンエロ―、ベンガラ、ラスタ
―顔料などが挙げられる。これらの着色顔料以外に、体
質顔料として、マイクロシリカ、炭酸カルシウムなどを
用いてもよい。
【0058】これらの可塑剤および無機顔料の使用量
は、D,E二成分またはD〜F三成分100重量部に対
し、可塑剤で20重量部以下、好ましくは10重量部以
下、無機顔料で100重量部以下、好ましくは50重量
部以下とするのがよい。可塑剤が多すぎると、粘着性が
大きくなりすぎて、ラベルが離型紙から剥離しにくくな
り、無機顔料が多すぎると、粘着性が低下する。
【0059】上記ふたつの粘着剤は、D,E二成分また
はD〜F三成分を、これら単独で、または必要により上
記の添加剤とともに、常温または加温下で、混合して調
製する。この際、デイスパ―、ボ―ルミル、サンドミ
ル、ロ―ルミル、ホモジナイザ―などの分散機を用いて
混合してもよい。
【0060】本発明において、このように調製される粘
着剤を、ラベル本体を構成する前記のフイルムに付着さ
せるには、たとえば、前記の方法で作製したフイルムの
上に上記の粘着剤を塗布,乾燥すればよい。また、これ
とは逆に、離型紙または離型剤を塗布したモ―ルドに、
公知の塗布方式や印刷方式にて、上記の粘着剤を塗布ま
たは印刷し、常温または加熱下で乾燥させたのちに、こ
の上にあらかじめ作製したラベル本体を構成させるフイ
ルムを圧着すればよい。粘着剤の付着量は、とくに限定
されないが、通常は、粘着剤層としての厚さが0.5〜
500μm程度となるようにすればよい。このように粘
着剤を付着させたのち、適宜の大きさに裁断することに
より、本発明のラベルが作製される。
【0061】このようにして作製される本発明のラベル
は、使用に際し、これをそのまま粘着剤付き無地ラベル
として用いてもよいが、通常は公知の耐熱性インクによ
り、文字やバ―コ―ドなどの記号をはじめとするパタ―
ンを印刷し、バ―コ―ドラベルに代表されるような粘着
剤付きラベルとして使用される。
【0062】耐熱性インクとしては、高温処理工程を行
う温度、すなわち、200℃以上の温度に2時間以上耐
えられるインクが用いられるが、とくに好適なものは着
色顔料として金属酸化物を使用した耐熱性インクであ
る。この耐熱性インクに使用される金属酸化物として
は、鉄、コバルト、ニツケル、クロム、銅、マンガン、
チタン、アルミニウムなどの金属の酸化物を1種または
2種以上混合したものであり、これらの金属酸化物は粉
末として供給され、その粒径は0.01〜50μm、好
ましくは0.1〜10μmである。
【0063】この金属酸化物を使用した耐熱性インク
は、たとえば、金属酸化物100重量部に対して、バイ
ンダ―1〜1,000重量部、好ましくは10〜200
重量部を混合して、必要により溶剤を加え、デイスパ
―、ボ―ルミル、ロ―ルミル、サンドミルなどの分散機
により分散または混練りして、液状またはペ―スト状と
する方法により、製造することができる。この際、用い
られるバインダ―には、樹脂、ワツクス、油脂、低融点
ガラスなどが挙げられる。
【0064】樹脂としては、シリコ―ン樹脂、炭化水素
樹脂、ビニル樹脂、アセタ―ル樹脂、イミド樹脂、アミ
ド樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタ
ン樹脂、アルキド樹脂、タンパク樹脂、セルロ―ス樹脂
などが挙げられ、たとえば、オルガノポリシロキサン、
ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ酢
酸ビニル、ポリビニルブチラ―ル、ポリビニルホルマ―
ル、ポリイミド、ポリアミド、ポリ(メタ)アクリル酸
エステル、ゼラチン、セルロ―ス誘導体、ポリビニルア
ルコ―ル、ポリビニルピロリドンなどの1種または2種
以上の混合物または共重合物が挙げられる。
【0065】ワツクスとしては、パラフインワツクス、
天然ワツクス、高級アルコ―ルワツクス、高級アミドワ
ツクス、高級脂肪酸、エステルワツクスなどが挙げら
れ、たとえば、パラフインワツクス、ポリエチレンワツ
クス、蜜蝋、カルナバワツクス、ステアリルアルコ―
ル、パルミチルアルコ―ル、オレイルアルコ―ル、ステ
アロアミド、オレオアミド、パルミチロアミド、エチレ
ンビスステアロアミド、ステアリン酸、オレイン酸、パ
ルミチン酸、ミリスチン酸、エチルステアレ―ト、ブチ
ルパルミテ―ト、パルミチルステアレ―ト、ステアリル
ステアレ―トなどが挙げられる。
【0066】油脂としては、たとえば、ヒマシ油、大豆
油、アマニ油、オリ―ブ油、牛脂、ラ―ド、鉱油などが
挙げられる。また、低融点ガラスとしては、融点70℃
以下のガラスまたは溶剤に可溶なガラスがあり、たとえ
ば、融点700℃以下のガラスフリツトで粒径0.1〜
100μm、好ましくは0.2〜50μmのものや、水
ガラスなどが挙げられる。
【0067】分散または混練りの際に使用される溶剤と
しては、たとえば、ヘキサン、オクタン、デカン、シク
ロヘキサンなどの脂肪族炭化水素、ベンゼン、トルエ
ン、キシレン、クメン、ナフタリンなどの芳香族炭化水
素、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン
などのケトン、メタノ―ル、エタノ―ル、2−エチルヘ
キサノ―ルなどのアルコ―ル、エチレングリコ―ルモノ
メチルエ―テル、ジエチレングリコ―ルジブチルエ―テ
ルなどのエ―テル、酢酸メチル、蟻酸エチル、アセト酢
酸エチルなどのエステル、ガソリン、灯油、軽油などの
石油蒸留成分、水などがある。これらの希釈用に使用さ
れる溶剤は、金属酸化物とバインダ―との合計量100
重量部に対し、500重量部以下、好ましくは200重
量部以下で用いるのがよい。多すぎると、耐熱性インク
の分散安定性が悪くなる。
【0068】本発明のラベルに、このような構成材料か
らなる耐熱性インクを用いて、印刷するには、公知の印
刷方法、たとえば、グラビアオフセツト印刷、平板オフ
セツト印刷、凸版印刷、凹版印刷、シルクスクリ―ン印
刷、インクジエツト印刷、リボン印刷などの各種の印刷
方法により、文字やバ―コ―ドなどの記号をはじめとす
る任意のパタ―ンを印刷すればよい。
【0069】本発明のラベルは、常温はもちろん、高温
処理工程を含む生産物の製造工程管理用のパタ―ン形成
ラベルとして使用でき、とくに200〜700℃の高温
処理工程を持つ各種工業の製造管理用として有用であ
る。この場合、耐熱性材料に対して、本発明のラベルを
貼り付けたのち、200〜700℃の温度で処理するこ
とにより、耐熱性材料に上記ラベルを一体的に焼き付け
ることができ、この焼き付け効果により製造工程中での
脱落がみられず、また上記温度下での外観の劣化や耐擦
傷性の劣化などの不都合をきたすこともない。
【0070】
【発明の効果】以上のように、本発明のラベルは、柔軟
性および耐熱性にともにすぐれ、耐熱性材料への高温下
での焼き付けによつて外観や耐擦傷性にすぐれて、脱落
を起こさない耐熱剥離性にすぐれたものとなるため、常
温はもちろん、高温処理工程を持つ生産物の製造工程管
理用のパタ―ン形成ラベルとして有用である。とくに、
200〜700℃の高温処理工程を持つ各種工業の製造
工程管理、さらに具体的には、焼成→封着→ガス抜き→
組立の各工程からなるテレビジヨン用ブラウン管の製造
工程に使用することができる。
【0071】
【実施例】つぎに、実施例および比較例を記載して、本
発明をさらに具体的に説明する。なお、実施例で用いた
ラベル本体を構成させるフイルムと粘着剤は、下記の製
造例1〜27により製造したものである。また、比較例
で用いたラベル本体を構成させるフイルムは、下記の比
較製造例1〜8により製造したものである。
【0072】製造例1 A成分のシリコ―ン樹脂として、ストレ―トシリコ―ン
樹脂A1〔信越化学工業(株)製の商品名「KR−25
5」〕と、ストレ―トシリコ―ン樹脂A2〔信越化学工
業(株)製の商品名「KR−271」〕とを使用し、ま
た、B成分の単結晶質無機繊維として、チタン酸カリウ
ムウイスカ―〔大塚化学(株)製の商品名「TISMO
TYPE D」〕を用いて、下記の方法で、フイルム
用シリコ―ン樹脂液を調製した。
【0073】ストレ―トシリコ―ン樹脂A1:152g
(シリコ―ン樹脂として76g、残部キシレン)と、ス
トレ―トシリコ―ン樹脂A2:14g(シリコ―ン樹脂
として7g、残部キシレン)と、チタン酸カリウムウイ
スカ―17g、フタル酸ジ(2−エチルヘキシル)3
g、キシレン17gを、500ミリリツトルの四つ口フ
ラスコに入れ、20℃でタ―ビン羽根付き撹拌機により
400rpmで2時間撹拌混合したのち、特殊機化
(株)製のオ―トホモミキサ―にて3,000rpmで
10分間混合した。その後、100メツシユのふるいで
ろ過し、減圧脱泡を行つて、フイルム用シリコ―ン樹脂
液を調製した。
【0074】つぎに、このように調製したシリコ―ン樹
脂液を、バ―コ―タ―にて離型紙上に80μmの厚さに
塗布し、80℃の送風乾燥により2時間乾燥させたの
ち、冷却し、ラベル本体を構成させるフイルムを作製し
た。
【0075】製造例2〜21 製造例1と同様にして、後記の表1〜表7に示される配
合組成により、20種のフイルム用シリコ―ン樹脂液を
調製し、これを用いて製造例1と同様にして、ラベル本
体を構成させるフイルムを作製した。なお、表1〜表7
において、A成分のシリコ―ン樹脂の重量部は、溶剤を
除いた樹脂分の重量部を示した。あらかじめシリコ―ン
樹脂の製品の安定化のために加えられている溶剤のキシ
レンが含まれている場合には、その他の成分のキシレン
の項目に希釈用溶剤として用いたキシレンとの合計量と
して記載した。また、表1には、参考のため、製造例1
のフイルム用シリコ―ン樹脂液の配合組成を合わせて記
載した。
【0076】製造例22 D成分のシリコ―ン樹脂として、ストレ―トシリコ―ン
樹脂A2〔信越化学工業(株)製の商品名「KR−27
1」〕と、低分子量ストレ―トシリコ―ン樹脂A3〔信
越化学工業(株)製の商品名「KR−212」〕とを使
用し、また、E成分の金属粉末として、アルミニウム粉
末(鱗片状アルミニウム粉末、100メツシユパス10
0%、平均粒子径20μm)を用いて、下記の方法で、
粘着剤の希釈液を調製した。
【0077】ストレ―トシリコ―ン樹脂A2:90g
(シリコ―ン樹脂として45g、粘着剤固形分中48.
9重量%、残部キシレン)、ストレ―トシリコ―ン樹脂
A3:10g(シリコ―ン樹脂として7g、粘着剤固形
分中7.6重量%、残部キシレン)、アルミニウム粉末
40g(粘着剤固形分中43.5重量%)、キシレン1
7gを、200ミリリツトルの四つ口フラスコに入れ、
20℃でタ―ビン羽根付き撹拌機により400rpmで
2時間撹拌混合したのち、特殊機化(株)製のオ―トホ
モミキサ―にて3,000rpmで10分間混合した。
その後、100メツシユのふるいでろ過し、減圧脱泡を
行い、粘着剤の希釈液を調製した。
【0078】つぎに、このように調製した粘着剤の希釈
液を、バ―コ―タ―にて離型紙上に50μmの厚さに塗
布し、80℃の送風乾燥により2時間乾燥させたのち、
冷却し、離型紙上に粘着剤の層を形成した。
【0079】製造例23〜27 製造例22と同様にして、後記の表8,表9に示される
配合組成により、5種の粘着剤の希釈液を調製し、これ
を用いて製造例22と同様にして、離型紙上に粘着剤の
層を形成した。なお、表8,表9において、D成分のシ
リコ―ン樹脂の重量部は、溶剤を除いた樹脂分の重量部
を示した。あらかじめシリコ―ン樹脂の製品の安定化の
ために加えられている溶剤のキシレンが含まれている場
合には、その他の成分のキシレンの項目に希釈用溶剤と
して用いたキシレンとの合計量として記載した。また、
表8には、参考のため、製造例22の粘着剤の希釈液の
配合組成を合わせて記載した。
【0080】以下の表1〜表9において、A,D成分の
シリコ―ン樹脂、B成分の単結晶質無機繊維、C成分の
分解開始温度が300℃以下の樹脂、E成分の金属粉末
およびF成分のホウ酸化合物は、下記のとおりである。
【0081】 <A,D成分> ストレ―トシリコ―ン樹脂A1 : 信越化学工業(株)製の商品名 「KR−255」 (重量平均分子量3×105 ) ストレ―トシリコ―ン樹脂A2 : 信越化学工業(株)製の商品名 「KR−271」 (重量平均分子量6×105 ) ストレ―トシリコ―ン樹脂A3 : 信越化学工業(株)製の商品名 (低分子量体) 「KR−212」 (重量平均分子量1.5×103 ) 変性シリコ―ン樹脂A4 : 信越化学工業(株)製の商品名 (アクリル樹脂変性シリコ―ン樹脂) 「KR−9706」 (重量平均分子量1×104 ) 変性シリコ―ン樹脂A5 : 信越化学工業(株)製の商品名 (アルキツド樹脂変性シリコ―ン樹脂) 「SA−4」 (重量平均分子量3×104 ) 変性シリコ―ン樹脂A6 : 信越化学工業(株)製の商品名 (エポキシ樹脂変性シリコ―ン樹脂) 「ES−1004」 (重量平均分子量5×104 ) 変性シリコ―ン樹脂A7 : 信越化学工業(株)製の商品名 (ポリエステル樹脂変性シリコ―ン樹脂) 「KR−5203」 (重量平均分子量1×104
【0082】 <B成分> チタン酸カリウムウイスカ― : 大塚化学(株)製の商品名 「TISMO TYPE D」 (平均繊維長17μm、平均繊維径 0.5μm) 窒化ケイ素ウイスカ― : 平均繊維長50μm、平均繊維径1μm
【0083】 <C成分> ポリメタクリル酸メチル : 分解開始温度289℃、平均分子量9万 ポリ酢酸ビニル : 分解開始温度270℃、平均分子量2万
【0084】 <E成分> アルミニウム粉末 : 鱗片状粉末、100メツシユパス100%、 平均粒子径20μm ステンレス粉末 : 東西化学(株)製の商品名「ステンレスフレ―ク SPエ―ス #FK05」 亜鉛粉末 : 破片状粉末、100メツシユパス100%、 平均粒子径30μm
【0085】 <F成分> オルトホウ酸 : 三栄化工(株)製、純度99.5% ホウ酸メチル : 東京化成工業(株)製
【0086】
【表1】
【0087】
【表2】
【0088】
【表3】
【0089】
【表4】
【0090】
【表5】
【0091】
【表6】
【0092】
【表7】
【0093】
【表8】
【0094】
【表9】
【0095】比較製造例1〜8 製造例1と同様にして、つぎの表10,表11に示され
る配合組成により、8種のフイルム用シリコ―ン樹脂液
を調製し、これを用いて製造例1と同様にして、ラベル
本体を構成させるフイルムを作製した。なお、両表にお
いて、樹脂の重量部は、溶剤を除いた樹脂分の重量部を
示した。あらかじめシリコ―ン樹脂またはポリイミド樹
脂の製品の安定化のために加えられている溶剤が含まれ
ている場合には、その他の成分の溶剤の項目に希釈用と
して用いたキシレンまたはジメチルホルムアミドとの合
計量として記載した。
【0096】表10,表11において、樹脂成分として
の「ポリメタクリル酸メチル」、「ストレ―トシリコ―
ン樹脂A1」および「ストレ―トシリコ―ン樹脂A
2」、その他の成分としての「チタン酸カリウムウイス
カ―」は、それぞれ、前記の表1〜表7に記載のものと
同じであり、他は下記のとおりである。
【0097】<樹脂成分> ポリイミド樹脂:分解開始温度405℃ <その他の成分> ガラスフリツト:旭硝子(株)製の商品名「ASF−1
307F」 ガラス繊維:旭フアイバ―ガラス(株)製の商品名「G
F−C 150A」 (平均繊維長70μm、平均繊維径11μm)
【0098】
【表10】
【0099】
【表11】
【0100】実施例1 製造例1で作製したラベル本体を構成させるフイルム
を、製造例22で形成した粘着剤の層を有する離型紙に
重ね合わせ、20Kg/cm2 の圧力下、常温で60分間冷
間プレスを行つて、十分に圧着させたのち、10mm×5
0mmの大きさに切断して、無地ラベルを作製した。
【0101】実施例2〜22 ラベル本体を構成させるフイルムと、これを重ね合わせ
る粘着剤の層を有する離型紙として、後記の表12に示
される製造例にて得られたものを、組み合わせ使用し、
実施例1と同様にして、21種の無地ラベルを作製し
た。なお、同表には、参考のため、実施例1の上記組み
合わせも記載した。
【0102】比較例1〜11 ラベル本体を構成させるフイルムとして、比較製造例1
〜8で作製したものを用い、これを重ね合わせる粘着剤
の層を有する離型紙として、後記の表13に示される製
造例にて得られたものを、組み合わせ使用し、実施例1
と同様にして、11種の無地ラベルを作製した。
【0103】比較例12,13 ラベル本体を構成させるフイルムとして、製造例17,
18で作製したものを用い、これを重ね合わせる粘着剤
の層を有する離型紙として、後記の表13に示される市
販耐熱性粘着剤G1〔ト―レ・シリコ―ン(株)製の商
品名「SD4560」〕、G2〔信越化学工業(株)製
の商品名「X−40−3111」〕を、それぞれの標準
的な使用方法によつて離型紙上に粘着剤の層を形成した
ものを、組み合わせ使用するようにした以外は、実施例
1と同様にして、2種の無地ラベルを作製した。
【0104】
【表12】
【0105】
【表13】
【0106】比較例14 市販のテフロンシ―ト(厚さ100μm、分解開始温度
460℃)を用い、これを、製造例22で形成した粘着
剤の層を有する離型紙の上に重ね合わせ、よく圧着した
のち、10mm×50mmに切断して、無地ラベルを作製し
た。
【0107】以上の実施例1〜22および比較例1〜1
4の各無地ラベルを用いて、下記の要領で、柔軟性試
験、耐熱性試験、耐擦傷性試験、耐熱剥離試験およびガ
ス汚染試験を行つた。これらの試験結果は、後記の表1
4および表15に示されるとおりであつた。なお、表1
5には、市販の耐熱性セラミツクラベル〔(株)シグマ
ツクス製の商品名「セララベル―グリ―ン450」〕を
用いた結果を、参考例として、併記した。
【0108】<柔軟性試験>実施例および比較例の各々
について、無地ラベル23枚ずつを離型紙から剥離し、
直径1cmの23本のガラス管の側面に、ガラス管の長軸
方向とラベルの長辺が平行になるように、各々1枚ずつ
貼り付けた。柔軟性に乏しく脆いラベルは、ガラス管の
曲率に追従できず、割れが発生する。この割れの発生数
で貼り付け性能を評価した。評価の基準は、以下のとお
りである。 ◎ : 23枚すべて貼り付けが可能であつた ○ : 23枚中1〜4枚にひび割れが発生した △ : 23枚中5〜11枚にひび割れが発生した × : 23枚中12枚以上にひび割れが発生したか、
または剛直で貼り付け自体できなかつた
【0109】<耐熱性試験>柔軟性試験の場合と同様に
して、各無地ラベル1枚を貼り付けたガラス管を3本ず
つ、250℃、300℃、350℃、400℃、450
℃、500℃の各温度で1時間加熱したのちに、常温ま
で冷却し、外観を観察して、3本とも黄変、剥離、ひび
割れなどの外観異常が生じない最高温度を、耐熱温度と
した。なお、柔軟性試験で×の評価となつたものについ
ては、耐熱性試験は行わなかつた。
【0110】<耐擦傷性試験>耐熱性試験後の無地ラベ
ルを黒の木綿布で軽く擦ることにより、つぎの3段階で
評価を行つた。 ○ : 布は全く汚れない △ : 布に顔料の付着が認められるが、ラベルは保持
されている × : ラベルが擦りとられるか、または完全に剥離す
【0111】<耐熱剥離試験>各無地ラベル1枚を45
0℃の温度で1時間加熱したのちに常温まで冷却し、そ
の後ラベルに粘着テ―プ〔住友スリ―エム(株)製の商
品名「ScotchRクリア―テ―プ」〕を貼り付け、
強く指で圧着したのちに引き剥がした。高温にさらされ
たのち、接着力の弱いラベルは、粘着テ―プに付着して
ガラス管から剥離する。この剥離の状態で耐熱接着強度
を評価した。評価の基準は、以下のとおりである。 ◎ : 全く剥離がみられない ○ : ラベル全表面の10%未満が剥離した △ : ラベル全表面の10%以上50%未満が剥離し
た × : ラベル全表面の50%以上が剥離した
【0112】<ガス汚染試験>各無地ラベル1枚を、1
00mm×100mm×2mmのガラス板の中央に添付し、こ
れを、天井部分の中央に直径2cmの空気孔を開けた内容
量4.5リツトル(内寸法150mm×150mm×200
mm)のステンレス製容器に入れ、30℃から450℃ま
で30分間かけて昇温し、その後450℃で30分間保
持したのち、1時間かけて30℃まで冷却し、取り出し
た。取り出し後、直ちにガラス板上のラベルから1cm離
れた地点の水に対する接触角を測定した。この測定は、
1試料につき5点行い、その平均値を求めた。分解ガス
によりガラス表面が汚染されている場合は、接触角が大
きくなる。なお、なにも添付しないガラス板の同条件で
の接触角は8度であつた。
【0113】
【表14】
【0114】
【表15】
【0115】上記の結果から明らかなように、本発明の
実施例1〜22のラベルは、参考例の市販耐熱性セラミ
ツクラベルの柔軟性を大きく向上できるとともに、すぐ
れた耐熱性を示し、また耐熱試験後の耐擦傷性および耐
熱剥離性にもすぐれていることがわかる。また、とくに
ラベル本体を構成させるフイルムにシリコ―ン樹脂の架
橋剤を加えた実施例20〜22のラベルは、添付したガ
ラス板の接触角が小さく、ガス汚染がみられないことが
わかる。
【0116】これに対し、ラベル本体を構成させるフイ
ルムとして、シリコ―ン樹脂以外の樹脂を用いた比較例
1〜3および9のラベル、単結晶質無機繊維に代えて非
晶質無機繊維であるガラス繊維を用いた比較例4のラベ
ル、ガラスフリツトを用いた比較例5〜7および10の
ラベルは、いずれも柔軟性をあまり向上できず、また耐
熱性が不十分である。また、シリコ―ン樹脂は用いるも
のの、単結晶質無機繊維に代えて酸化チタン粉末を用い
た比較例8,11のラベルは、柔軟性は有しているもの
の、耐熱性が悪く、耐擦傷性、耐熱剥離性ともに悪い。
【0117】また、本発明で用いるラベル本体を構成さ
せるフイルム上に市販の耐熱性粘着剤を付着させてなる
比較例12,13のラベルは、耐熱剥離性に著しく劣つ
ている。さらに、市販のテフロンシ―トを用いた比較例
14のラベルは、柔軟性は向上できるが、耐熱性に著し
く劣つている。

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 A)シリコ―ン樹脂と、B)単結晶質無
    機繊維とが、A,B両成分の合計量中、A成分20〜9
    5重量%、B成分80〜5重量%の割合で含まれてなる
    フイルムに、D)シリコ―ン樹脂と、E)金属粉末と
    が、D,E両成分の合計量中、D成分10〜80重量
    %、E成分90〜20重量%の割合で含まれてなる粘着
    剤を付着させてなるラベル。
  2. 【請求項2】 A)シリコ―ン樹脂と、B)単結晶質無
    機繊維と、C)分解開始温度が350℃以下である樹脂
    とが、A〜C三成分の合計量中、A成分20〜90重量
    %、B成分60〜5重量%、C成分20〜5重量%の割
    合で含まれてなるフイルムに、D)シリコ―ン樹脂と、
    E)金属粉末とが、D,E両成分の合計量中、D成分1
    0〜80重量%、E成分90〜20重量%の割合で含ま
    れてなる粘着剤を付着させてなるラベル。
  3. 【請求項3】 A)シリコ―ン樹脂と、B)単結晶質無
    機繊維とが、A,B両成分の合計量中、A成分20〜9
    5重量%、B成分80〜5重量%の割合で含まれてなる
    フイルムに、D)シリコ―ン樹脂と、E)金属粉末と、
    F)ホウ酸化合物とが、D〜F三成分の合計量中、D成
    分10〜75重量%、E成分80〜24.9重量%、F
    成分10〜0.1重量%の割合で含まれてなる粘着剤を
    付着させてなるラベル。
  4. 【請求項4】 A)シリコ―ン樹脂と、B)単結晶質無
    機繊維と、C)分解開始温度が350℃以下である樹脂
    とが、A〜C三成分の合計量中、A成分20〜90重量
    %、B成分60〜5重量%、C成分20〜5重量%の割
    合で含まれてなるフイルムに、D)シリコ―ン樹脂と、
    E)金属粉末と、F)ホウ酸化合物とが、D〜F三成分
    の合計量中、D成分10〜75重量%、E成分80〜2
    4.9重量%、F成分10〜0.1重量%の割合で含ま
    れてなる粘着剤を付着させてなるラベル。
  5. 【請求項5】 A成分およびD成分のシリコ―ン樹脂の
    重量平均分子量が200〜5,000,000である請
    求項1〜4のいずれかに記載のラベル。
  6. 【請求項6】 A成分のシリコ―ン樹脂が、A-L)重量
    平均分子量200〜500,000である分子量の小さ
    いシリコ―ン樹脂と、A-H)上記A-L成分の重量平均分
    子量の10〜1,000倍の重量平均分子量を持つ分子
    量の大きいシリコ―ン樹脂との混合物からなり、その割
    合が、A-L成分5〜50重量%、A-H成分95〜50重
    量%である請求項1〜5のいずれかに記載のラベル。
  7. 【請求項7】 A成分のシリコ―ン樹脂が100℃未満
    の温度で硬化するシリコ―樹脂である請求項1〜6のい
    ずれかに記載のラベル。
  8. 【請求項8】 D成分のシリコ―ン樹脂が100℃以上
    の温度で硬化するシリコ―樹脂である請求項1〜7のい
    ずれかに記載のラベル。
  9. 【請求項9】 A成分およびD成分のシリコ―ン樹脂が
    ストレ―トシリコ―ン樹脂を50重量%以上含む請求項
    1〜8のいずれかに記載のラベル。
  10. 【請求項10】 フイルムがA成分のシリコ―ン樹脂1
    00重量部に対して架橋剤0.1〜100重量部含む請
    求項1〜9のいずれかに記載のラベル。
  11. 【請求項11】 架橋剤がホウ酸化合物、有機金属化合
    物の中から選ばれた少なくとも1種である請求項10に
    記載のラベル。
  12. 【請求項12】 E成分の金属粉末がアルミニウム粉
    末、亜鉛粉末、ステンレス鋼粉末の中から選ばれた少な
    くとも1種である請求項1〜11のいずれかに記載のラ
    ベル。
  13. 【請求項13】 耐熱性材料に、請求項1〜12のいず
    れかに記載のラベルを貼り付けたのち、200〜700
    ℃の温度で処理することにより、耐熱性材料にラベルを
    焼き付けることを特徴とするラベルの焼き付け方法。
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