JP3818039B2 - 水洗便器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、便所に設置する水洗便器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
便所に設置される水洗便器は、配管直結型もあるが、貯水タンク設置型では、給水管に接続された貯水タンクと、貯水タンクに接続管で接続され、下水管に排出管で接続された便器とで構成されている。前記の貯水タンクには給水管からの水が貯められ、排便後に接続管の開閉弁を開くと、貯水タンク内の水は便器に流れ、水は便器内の便と共に排出管より下水管へ流れる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来の水洗便器は、使用後の排水及び貯水タンクに水が貯められるときに相当の騒音が発生する。この結果、マンションやアパート等の集合住宅やホテル等では隣室の人に不快感を与え、特に夜間では安眠妨害となり、争いの基となることもある。
【0004】
本発明の目的は前記従来例の不都合を解消し、排水のときの騒音の発生を極力押さえることができる水洗便器を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は前記目的を達成するため、便器に流す水の流量を、排水スタート時点で比較的少量としその後徐々に増量させる水量制御機構として、貯水タンクの便器へ通じる接続管との接続部となる流出口に逆錐形の栓を配置し、この栓を引き上げる機構は、外面に露顕させてスイッチを設け、該スイッチにより回動制御される巻取モータを有する巻胴に一端を栓に係止したワイヤを巻回するとともに、スリットにワイヤからの係止突起を嵌合させたガイドを設けたことを要旨とするものである。
【0006】
請求項1記載の本発明によれば、排水時に貯水タンクからの水が便器内に一気に勢いよく押し寄せてくることがなく、騒音の発生を防ぐことができる。
【0007】
なお、便座と密着する蓋を便器に設けることとすれば、前記作用に加えて、便器内で発生する排水時の音が外へ漏れ難くなる。
【0008】
さらに、給水管を貯水タンクの下部に開口することとすれば、前記作用に加えて、貯水タンク内において給水時の水が上方から落下することがなく、ゆえに、水が滴り落ちることによる騒音が発生しない。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、図面にもとづいて本発明の実施の形態を詳細に説明する。図1は本発明の水洗便器の1実施形態を示す縦断側面図であり、図中1は水洗便器を示す。
【0010】
水洗便器1は、貯水タンク式のものとして、給水管2を接続した貯水タンク3と、貯水タンク3に接続管4を介して接続した便器7とから構成し、該便器7は排出管6を介して下水管5と接続している。
【0011】
本発明では給水管2は貯水タンク3の下部に設けた流入口3aに接続し、この流入口3aにボールタップ8の弁部分を配設する。
【0012】
また、便器7との接続を行う接続管4も貯水タンク3の下部に設けた流出口3bに接続し、便器7の流入口7aは、便器7の水溜まり部7b内に開口させた。
【0013】
排水管6は、一端が便器7の流出口7cに接続され、他端が下水管5に接続している。
【0014】
本発明は、貯水タンク3に、便器への排水の流量を排水スタート時点で比較的少量としその後徐々に増量させる制御機構14を設けるが、この制御機構14は一例として下記のごときものとした。
【0015】
貯水タンク3の便器7へ通じる接続管4との接続部となる流出口3bに逆錐形(円錐楔形)の栓18を配置し、この栓18を徐々に引き上げることで流出口3bの開口を徐々に広げ、その結果として便器7への排水の流量を排水スタート時点で比較的少量としその後徐々に増量させるものとする。
【0016】
栓18を引き上げる機構は、外面に露顕させてスイッチ15を設け、該スイッチ15により回動制御される巻取モータ16aを有する巻胴16に一端を栓18に係止したワイヤ17を巻回した。図中19はワイヤ17のガイドで、スリットにワイヤ17からの係止突起を嵌合させた。このガイドの長さ分だけワイヤ17の巻き上げ、繰り出しが行われ、栓18が開閉する。
【0017】
図3に巻取モータ16aの制御機構を示すと、制御装置20は計時手段20a(タイマー)を内蔵し、これにより巻取モータ16aの駆動を管理する。
【0018】
便器7の上部開口7dには、便座11と蓋12を設け、これらは蝶番11a、12aを介して便器7に係止する。蓋12の内側の周囲にはシール材12bを設け、蓋12を閉じたときにシール材12bが便器7の上部の開口の縁7eに当接し、便器7内の音を外へ漏れ難くした。
【0019】
さらに、給水管2、貯水タンク3、接続管4、便器7、排出管6、及び下水管5はこれらを防音材13で被覆するようにしてもよい。
【0020】
次に動作を図2について説明する。便器7の排水をスタートすべく、スイッチ15を押圧すると(ステップイ)、栓18の小開の状態をもたらすので、巻胴16を回転させてワイヤ17を巻取る巻取モータ16aが正転しはじめ、この際、前記計時手段が巻取モータ16aの正転時間t1をカウントする(ステップロ)。
【0021】
巻胴16によりワイヤ17がゆっくりと巻取られ、逆錐形の栓18がゆっくりかつ少し上昇し、流出口3bから比較的少量での排水が開始される。かかる逆錐形の栓18は下部の突出部18aが便器へ通じる接続管4内に臨んでおり、排水スタート時点において、かかる逆錐形の栓18をわずかに上昇すると接続管4との間に隙間ができ、ここから貯水タンク3内の水が流出する。この際、逆錐形の栓18は下部の突出部18aが接続管4内に残っていることから流出する水量が制限され、排水時に貯水タンク3からの水が便器内に一気に勢いよく押し寄せるということを防止できる。
【0022】
巻取モータ16aが正転しはじめてからの時間Tが前記計時手段に予め設定されている時間t2に達すると(ステップハ)、引き続き巻取モータ16aの正転が継続され、巻取モータ16aの正転時間t3をカウントしはじめる(ステップニ)。
【0023】
この段階では巻胴16によりワイヤ17は急速に巻取られ、栓18は全開となる。時間t2に達してからの巻取モータ16aの正転の時間Tが前記計時手段に予め設定されている小開の時間t4に達すると(ステップホ)、巻取モータ16aがカウントされた巻取モータ16aの正転時間t1+t3の分だけ逆転して(ステップヘ)、動作がエンドとなる。
【0024】
そして、巻き上げられたワイヤ17が延ばされて逆錐形の栓18が下降し、流出口3bが塞がれて排水が停止となる。
【0025】
なお、給水管2との接続口を貯水タンク3の下部で開口していることから、貯水タンク3内において給水時の水が上方から落下することがなく、ゆえに、水が滴り落ちることによる騒音が発生しないことが第2の消音構造となり、便器7の流入口7aは、便器7の水溜まり部7b内に開口しているので、従来の水洗便器に比べて水の流し込まれる音が小さくなり、第3の消音構造となる。
【0026】
また、蓋12の内側の周囲にはシール材12bを設け、蓋12を閉じたときにシール材12bが便器7の上部の開口の縁7eに当接し、便器7内の音を外へ漏れ難くし、これが第4の消音構造となっている。
【0027】
さらに、給水管2、貯水タンク3、接続管4、便器7、排出管6、及び下水管5をこれらを防音材13で被覆した場合は第5の消音構造となる。
【0028】
【発明の効果】
以上述べたように本発明の水洗便器は、排水のときの騒音の発生を極力押さえることができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の水洗便器の1実施形態を示す縦断側面図である。
【図2】 動作を示すフローチャートである。
【図3】 制御機構の説明図である。
【符号の説明】
1…水洗便器 2…給水管
3…貯水タンク 3a…流入口
3b…流出口 4…接続管
5…下水管 6…排出管
7…便器 7a…流入口
7b…水溜まり部 7c…流出口
7d…上部開口 7e…縁
8…ボールタップ 11…便座
11a…蝶番 12…蓋
12a…蝶番 12b…シール材
13…防音材 14…制御機構
15…スイッチ 16…巻胴
16a…巻取モータ
17…ワイヤ 18…栓
18a…突出部 19…ガイド
20…制御装置 20a…計時手段
Claims (1)
- 便器に流す水の流量を、排水スタート時点で比較的少量としその後徐々に増量させる水量制御機構として、貯水タンクの便器へ通じる接続管との接続部となる流出口に逆錐形の栓を配置し、この栓を引き上げる機構は、外面に露顕させてスイッチを設け、該スイッチにより回動制御される巻取モータを有する巻胴に一端を栓に係止したワイヤを巻回するとともに、スリットにワイヤからの係止突起を嵌合させたガイドを設けたことを特徴とする水洗便器。
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