JP3817874B2 - 再循環排気ガス冷却装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、エンジン、特にトラック等に搭載されるディーゼルエンジン用の再循環排気ガス冷却装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、トラック等の車両用ディーゼルエンジンから排出される排気ガス中の有害成分である窒素酸化物(NOx)を低減するため、エンジンの排気ガスの一部を同エンジンの吸気に混入して燃焼温度及び圧力を抑制するようにした排気ガス再循環装置は公知である。(以下、場合により、この装置をEGR装置と称し、再循環される排気ガスをEGRガスという。)
【0003】
上記EGR装置付エンジンでは、高温の排気ガスをそのまま吸気に混入すると、吸気温度が上昇して体積効率が低下するため、エンジンの出力、燃費等の性能が悪化すると共に、場合により、燃焼が悪化して黒煙の増加等排気ガス中の他の有害成分の増加を招く、等の問題がある。
そこで、上記EGRガスを冷却することによって吸気温度を低下させ、体積効率の相対的な向上を図り、エンジンの出力、燃費及び排出ガス性能を改善するようにした種々の再循環排気ガス冷却装置(以下、場合により、EGRクーラという)が、既に提案され実用に供せられている。
【0004】
従来のEGRクーラには、エンジンの冷却水を冷却するラジエータと本質的に同様の構造を有するプレートフィン式及び多管式の冷却装置が広く使用されているが、排気ガスがEGRクーラを通過する際の圧力損失が大きく、所要量の冷却されたEGRガスをエンジンに供給するために必要なEGRクーラの容積及び重量が相対的に大きくなる不具合がある。
【0005】
また、排気ガス中のNOxを一層低減するために、EGRガスの還流量をさらに増大しようとする場合、特に、吸気圧力が高い過給機付エンジンにおいて、EGRガスを吸気通路内に流入させる場合、上記プレートフィン式及び多管式のEGRクーラを通過する排気ガスの圧力損失を低減してその流量を増加させるためには、熱交換体(コア部)の管路断面積を増大させる必要があるので、EGRクーラの容積が一層大きくなって車両への搭載性が悪化し、さらに重量が増大する不都合がある。加えて、上記プレートフィン式及び多管式のEGRクーラは、常時一方向のみにEGRガスが流れるため、燃料の未燃物等が管路壁に付着し、使用時間の経過と共に、管路断面積が小さくなり、圧力損失が増大すると共に、熱交換性能が悪化する不具合がある。
【0006】
一方、EGRクーラに関するものではないが、従来から、熱交換要素として、短円柱状又は円盤状の外形を備え、その内部に中心線に対し実質的に平行な多数の小断面積の通路を設けたセラミックス製のコア部材を有する熱交換装置が、例えば実開平2−14570号公報に開示されている。(以下場合により、この種熱交換装置を既提案の装置という)
【0007】
上記既提案の装置の概略構造を、図7の概念的構成図を参照して説明する。図中、符号010は総括的に熱交換装置を示し、同熱交換装置010は実質的に円筒状をなすハウジング012と、同ハウジング012内に軸線O−Oの回りに自在に回転することができるように収容されたセラミックス製のコア部材014とを備えている。
【0008】
上記コア部材014は、短円柱状又は円盤状の外形を備え、その内部には、上記回転軸線O−Oに平行な多数の小断面積の通路016が設けられている。コア部材014には、その外周に適宜の接着手段018を介してリングギヤ020が装着され、同リングギヤ020は、ピニオン022と噛合する。
【0009】
さらに、上記コア部材014は、ハウジング012の上記中心線O−Oに対し同軸的に配置された支持軸024(図中に2点鎖線で示されている)に回転自在に支持されるか、又は上記リングギヤ020の両側において、上記中心線O−Oに直交する二平面内に、夫々円周方向に通常各3個配置されたローラ026(図では各1個のみが示されている)により上記軸線O−Oの回りに自在に回転し得るように支持されている。上記ピニオン022は、電動モータ028の出力軸030に連結されて駆動される。
【0010】
上記ハウジング012の端板032は、直径方向に延びた橋架部034によって区分された半月形又はD型の開口036及び038を備え、一方の開口036には、相対的に低温流体(通常は空気)の通路040が連通し、他方の開口038には高温流体、例えばエンジンの排気ガス、或いは排気タービンの排出ガス等の高温ガス通路042が連通している。
【0011】
上記既提案の装置において、エンジン等の運転中、電動モータ028が付勢されると、出力軸030及びピニオン022を介しリングギヤ020が緩速度で回転して、コア部材014が支持軸024の回りを回転し、又はローラ026に案内されて中心線O−Oの回りに回転する。コア部材014の回転に伴ない高温ガス通路042から略半月部のコア部分に高温ガスが流れて同コア部分が加熱され、一方、低温流体通路040から略半月部のコア部分に流れる低温流体、例えば空気が加熱される。
【0012】
上記熱交換装置010においては、これをEGRクーラとして使用した場合、セラミックス製コア部材014の外側に、金属製のリングギヤ020を接着手段018を介して弾性的に支持する必要があるため、リングギヤ020の接合に要するコストが著しく高い欠点がある。また、上記コア部材014を支持軸024で回転自在に支持する場合、及びローラ026により支持する場合の何れにおいても、コア部材を回転させる駆動系とは別個に、コア部材014を回転可能に支持する種々の部材が必要となり、容積が大きくなって車両又はエンジンに対する搭載性が悪くなると共に、製造コストが高くなる不具合がある。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記事情に鑑み創案されたもので、冷却性能が良く、通過する排気ガスの圧力損失が小さく、従って、所要の冷却されたEGRガス流量を容易に確保することができる小型軽量でかつ車両への搭載性が優れ、しかも安価で耐久性が優れたEGRクーラを提供することを目的とするものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明は、エンジンの排気ガスの一部を吸気と共に同エンジンのシリンダ内に還流させる排気還流通路と、冷却流体通路とにわたって介装されて回転し、上記冷却流体により冷却されたコア部分を排気ガスが通過することにより同排気ガスを冷却する熱交換コア部材と、同コア部材を回転自在に収容するハウジングとを備え、上記コア部材が、その回転軸線に対し実質的に平行に貫設された多数の小断面積の通路を有するセラミックス製の円柱状部材から構成されると共に、上記回転軸線に対し同軸的に配置された支持板を介し上記ハウジングに支持されかつ回転駆動されるように構成され、上記コア部材の回転軸線方向端面に対向する上記ハウジングの端板に、上記排気ガス及び冷却流体が通過する開口を備えたシール板が配設され、同シール板に上記支持板が回転自在に支持されていることを特徴とする再循環排気ガス冷却装置を提案するものである。
【0015】
本発明においては、上記コア部材内に、その回転軸線に平行な軸線を有する1個以上の筒状空所が設けられ、同筒状空所内に挿入された柱状部材の両端が上記支持板に夫々支持されることが望ましい。さらに、本発明においては、上記支持板が電動モータの出力軸に連結されて駆動され、同電動モータの回転数が、エンジンの運転状態に応じ制御されるように構成されることが好ましい。加えて、コア部材が回転するとにより、EGRガス通路と冷却流体通路が同一であり、かつ逆方向に通過することで、未燃物による通路の目詰まりを防止することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下本発明の好ましい実施形態を添付図面について具体的に説明する。
先ず、図1の概略構成図において、符号10は車両用の4サイクル多気筒ディーゼルエンジン(図示の場合は4気筒)を示し、同エンジン10は排気マニホールド12を含む排気通路14を備えると共に、吸気マニホールド16を含む吸気通路18を備えている。また、一端上流端が上記排気通路14の適所に連通すると共に、他端下流端が上記吸気通路18の適所に連通する排気ガス還流通路20(以下場合により、EGR通路という)が備えられ、同EGR通路20には、総括的に符号22で示したEGRクーラが介装され、また同EGR通路20のEGRクーラ22より上流側に再循環排気ガスの流量を制御する可変開度のEGR弁24が介装されている。
【0017】
上記EGR弁24は、エンジン10の回転数を検知する回転数センサ26の回転数信号Ne、エンジン10の冷却水温を検知する温度センサ28の水温信号Tw、エンジン10の負荷センサ30により検知される負荷信号Le、吸気通路18内の吸気圧力を検知する圧力センサ32の吸気圧信号Pi、その他エンジン10の運転状態を示す信号を受容して、エンジン10に供給される適量のEGRガス量を設定し、EGRガス量に応じた弁開度を設定するコントロールユニット34によって制御される。
【0018】
上記EGRクーラ22は、可変速の電動モータMによって回転中心線O−Oの回りを緩速度で回転駆動される熱交換コア部材36(以下単にコア部材という)と、同コア部材36を収容するハウジング38とを備え、同ハウジング38には、上記EGR通路20が連通すると共に、冷却流体通路40が連通している。同冷却流体通路40は、好ましくは空気等の冷却気体が図中に矢印で示すように流通され、同冷却空気には、別設された空気圧縮機又は送風機の吐出空気或いはエンジン10の冷却水を冷却するラジエータ(図示せず)を通る走行風等を適宜に用いることができる。上記可変速電動モータMは、後に詳細に説明するように、エンジン10の回転数センサ26の回転数信号Ne及び上記コア部材36の回転に対する負荷トルクを検知するトルクセンサ42の出力信号Tcに基づいて上記コントロールユニット34内で適切な回転速度が演算され、その駆動出力により回転数を制御される。
【0019】
上記EGRクーラ22の詳細な構造が、図2の断面図、図3の正面図及び図4の部分的拡大図に示されている。(なお、図2は図3のII−II線に沿う断面図であり、図3はEGRガス入口側から視た正面図である。)
上記コア部材36は、中心線O−Oの回りに回転する円柱状部材から形成されており、好ましくは、コージェライト、β−スポジューメン等のセラミックス材により、従来車両用エンジンの排気ガス浄化用に広く使用されている触媒コンバータの担体と同様に、例えば押出し成形法によって製造される。
【0020】
コア部材36の内部には、図4の部分的拡大図に示されているように、上記回転軸線O−Oに対して実質的に平行な多数の小断面積の貫通した通路44が形成されている。通路44は、図示の場合、一辺の長さhの正方形の断面形状を備え、各通路44を区分する仕切壁46の厚さtは、加工技術上及びコア部材36の強度上許容される範囲内でなるべく薄く形成され、一例としてt=0.1mmに形成される。
【0021】
上記仕切壁46の厚さtをなるべく小さく設定することによって、コア部材36の開口率即ち、同コア部材36の外径によって囲まれる円の断面積に対する上記通路44の全断面積の比を十分大きくすることができ、後述するように、コア部材36を通るEGRガス及び冷却流体の圧力損失を小さくし、流量を増加させることができる。
【0022】
上記コア部材36は、上記軸線O−O方向の両端面にEGR通路20及び冷却通路40を限界する管路又はダクト20′及び40′が接続される円筒状のハウジング38内に収容されている。
上記ハウジング38は、円筒状をなす外周壁48と、軸線方向両端の端板又はエンドプレート50及び52とからなり、図3に示されているように、EGR通路下流側の端板52は円環状外枠部52aと直径方向の橋架部52bとからなる正面形状(以下θ型形状という)を備え、外枠部52aは、多数のボルト54によって上記外周壁48の端部に形成されたフランジ48aに着脱自在に固着される。一方、EGR通路上流側の端板50は、上記端板52と同様のθ型形状を有し、溶接等により外周壁48の他端開口部に固着される。
【0023】
上記θ型形状をなす端板50及び52の一方の半月形開口にはEGR通路20が接続され、他方の半月形通路には冷却流体通路40が接続される。EGR通路上流側の端板50とコア部材36の対向する端面との間に、銅系、炭素系、フッ化物系及び酸化物系等の固体潤滑材製、好ましくはアルミニウム青銅製のθ型形状のシール板又は摺動部材56が介装され、同シール板56は耐熱性ステンレス、インコネル等の薄板材で作られたシールダイヤフラム58によって、コア部材36の上流端面に圧接されている。同シールダイヤフラム58は、ハウジング38の外周壁48とコア部材36の外周面との間の環状空間60とEGR通路20との連通を遮断する。
【0024】
EGR通路20の下流側の端板52とコア部材36の対向する端面との間に、上記同様に、銅系、炭素系、フッ化物系及び酸化物系等の固体潤滑材好ましくはアルミニウム青銅製のθ型もしくは半月形又はD型形状の摺動部材62が介装され、EGR通路側に介装された正面形状がD字状をなすステンレス又はインコネル等の薄板材で作られた耐熱性ステンレス、インコネル等の薄板材で作られたシールダイヤフラム64によってコア部材36の下流端に圧接されている。同シールダイヤフラム64は、上記環状空間60とEGR通路20との連通を遮断する。なお、上記外周壁48には適数の通気孔66が穿設されていて環状空間60が大気に連通され、同空間の温度上昇が防止されるように構成されている。
【0025】
上記シール板56及び62の中央部分には、コア部材36に対し同軸的に円板状をなす支持板68及び70が相対回転自在に嵌装され、同支持板68及び70には、コア部材36内に予め形成された1個以上複数個(図示の場合は2個)の偏心配置されかつ軸線方向に貫通した筒状空所72内に嵌装された駆動補助用の好ましくはパイプ材からなる柱状部材74の両端部に突設された支持軸76が夫々嵌装されている。
また、何れか一方の支持板、図示の場合、EGR通路下流側の支持板70には、駆動軸78の一端が螺合して固定され、同駆動軸78の他端は、キー80によって上記可変速電動モータMの出力軸82に連結されている。なお、図2及び図3において符号84は、コア部材36の回転に伴ない上記シール板56及び62が連れ回りすることを禁止するため、端板50及び52とシール板56及び62との間に夫々介装された回り止めピンである。
【0026】
上記構成において、エンジン10の運転中、排気通路14に排出された排気ガスの一部が、エンジン10の運転状態に応じコントロールユニット34によって開度を制御されるEGR弁24により流量を制御されてEGR通路20内を流れる。
一方、上記電動モータMの出力軸82が後述する制御された速度で回転し、キー80、駆動軸78を介して支持板70が同一の速度で回転する。支持板70の回転が柱状部材74及び支持板68を介してコア部材36に伝達され、同コア部材36が緩やかに回転する。このとき上記円板状の支持板68及び70は、夫々の外周面68′及び70′を摺動面としてシール板56及び62により軸受されることとなり、銅系、炭素系、フッ化物系及び酸化物系等の固体潤滑材、特にアルミニウム青銅製のシール板56及び62は軸受性能が良い利点がある。
【0027】
コア部材36の回転により、図示の場合、多数の小さい断面積を有する軸線方向に貫通した通路44の略半数に冷却流体通路40からの冷却流体が流れ、仕切壁46を冷却する。一方、残りの略半数の通路44には、上記EGR通路20からのEGRガスが流れるので、高温のEGRガスが仕切壁46に接して冷却されたのち、エンジン10の吸気通路18に供給され、吸気に混合してエンジン10の燃焼室に供給される。
冷却されたEGRガスが吸気と共にエンジンの燃焼室に供給されるので、体積効率が増大し、エンジンの出力、燃費が改善され、またNOx等排出ガス性能が向上する。
【0028】
上記のように、セラミックス製のコア部材36が支持板70,68及び柱状部材74を介して中心部で駆動されるので、セラミックス材が有する本質的な脆性にも拘わらず、コア部材36を駆動トルクの負荷に耐えて安全かつ確実に回転させることができ、前記既提案の装置のように、コア部材36の外周にリングギヤを装着する必要がなく、また同コア部材36を回転自在に支持するために、ローラ装置や、コア部材36をその中心線に沿って貫通する支持軸や付帯する種々の部品を必要とせず、駆動系の駆動軸78及び支持板68及び70が、駆動装置と支持装置とを兼ねていて、コア部材36の中心線又は回転軸線O−O上に配置されるので、構造簡単で、ハウジング38の容積も従来の同種装置と較べて著しく小さく、かつ軽量であるから、車両又はエンジンへの搭載性が良く、しかも安価な利点がある。
【0029】
さらに、コア部材36の回転運動に伴ないその軸線方向両端面に摺接するシール板56及び62が銅系、炭素系、フッ化物系及び酸化物系等の固体潤滑材、特に好ましくは、アルミニウム青銅により作られているので、高温下の摩擦係数が十分小さく、摺動相手のコア部材36の端面を傷めることがない利点があり、さらに、鋳造が可能であるので複雑な形状の成形が容易な利点がある。
【0030】
次に、コア部材36をセラミックス材、特にコージェライト、β−スポジューメンで作り、その気孔率を10〜30%とすることによって、従来から車両用エンジンの排気浄化用触媒コンバータとして広く使用され、多量に生産されている触媒担体の製造技術を適用して、多数の小断面積の通路44と筒状空所72とを備えたコア部材36を、押出し成形により容易かつ安価に製造し得る利点がある。なお、勿論、多数の通路44を有するコア部材36を上記押出し成形により形成したのち、機械加工により筒状空所72を設けることも可能である。
【0031】
次に、コア部材36を回転的に駆動する可変速電動モータMの回転数制御に関する前記コントロールユニット34の作動態様を、図5のフローチャートについて説明する。プログラムがスタートすると、ステップS1でエンジン10の回転数Neが読み込まれ、ステップS2に進む。ステップS2では、エンジン回転数Neに最適なコア部材36の回転数Ncが、コントロールユニット34に内蔵されたマップから検出され、その回転数Ncに対応する加減算回転数が電圧Veとして出力され、ステップはS3に進む。
【0032】
ステップS3では、上記出力電圧Veに応じて電動モータMの駆動電流が増減制御され、続いてステップS4で、電動モータMは増減制御された駆動電流に相応した回転数で駆動される。ステップS5では、電動モータMの回転数NMが検知され、ステップS6で電動モータMの回転数NMが適切な回転数であるかどうかが判断され、もしYESの場合は、プログラムはステップS1にリターンする。一方、ステップS6で電動モータMの回転数NMが不適切であると判断されたNOの場合、プログラムはステップS7に進む。
【0033】
電動モータMの回転数NMは、上記出力電圧Veに応じた駆動電流によって一義的に定まらず、負荷即ちコア部材36の回転に対する負荷トルクによって影響を受けるので、前記トルクセンサ42により検知されてコントロールユニット34に供給された負荷トルク信号Tcに基づき、同コントロールユニット34内で電動モータM、従ってコア部材36の回転数を補正する電圧vが演算され、その補正電圧vはステップS2に供給され、上記加減算回転数の出力Veが修正される。上記プロセスは、ステップS6において、電動モータMの回転数NMが適切であると判断されるまで繰返し行なわれる。なお、図5に示したフローチャートにおいて、電動モータは簡単のためモータと記載されている。
【0034】
上記フローチャートにおける最適なコア部材36の回転数、従って電動モータMの回転数NMと、エンジン10の回転数Neとの関係は、図6に示す通りであって、或るエンジン回転数Neにおいて、負荷トルクTcが基準値のときのコア部材36の最適回転数NMoに対し、負荷トルクTcが増大すると、コア部材36の最適回転数がNM1に増大し、逆に負荷トルクTcが小さくなるとコア部材36の最適回転数がNM2に減少する。
【0035】
上記フローチャートに従い、コア部材36を駆動する電動モータMの回転数をエンジン10の運転状態に応じ、適切に制御することによって、エンジン10に供給されるEGRガスの温度を適切に制御することができ、EGR弁24による流量制御と相俟って、エンジン出力、燃費、排出ガス性能等を一層効果的に改善することができる。なお、上記図5のフローチャートでは、電動モータM、従ってコア部材36の回転数の制御が、エンジン10の回転数Neを主制御ファクタとして行なわれているが、必要に応じ、エンジン負荷Le、エンジン冷却水温Tw等を加味した制御を行なうこともできる。
【0036】
なお、上記実施形態では、コア部材36内に多数設けられる通路42が、コア部材軸線O−Oに対し直角な平面内で正方形の断面形状を有するように形成されているが、縦横辺の長さが異る長方形の断面形状、または正五角形や正六角形等任意形状の多角形断面とすることができ、さらに同心円状に配置され、任意数の半径方向仕切壁46で区画された扇形断面の通路とすることもできる。なおまた、上記実施形態では、EGRガスと冷却流体とが夫々略半円内の通路44群を対向方向に流れるように形成されているが、両者が流れる通路44群の断面積を異る面積とすることができ、また流れ方向を同一方向としてもよい。さらに、図1におけるEGRクーラ22により冷却されたEGRガスの一部又は全部を、図示の吸気通路18を経由することなく、エンジン10のシリンダヘッド内に形成された独立のポートを経て直接燃焼室内に供給することもできる。
【0037】
【発明の効果】
叙上のように、本発明に係る再循環排気ガス冷却装置は、エンジンの排気ガスの一部を吸気と共に同エンジンのシリンダ内に還流させる排気還流通路と、冷却流体通路とにわたって介装されて回転し、上記冷却流体により冷却されたコア部分を排気ガスが通過することにより同排気ガスを冷却する熱交換コア部材と、同コア部材を回転自在に収容するハウジングとを備え、上記コア部材が、その回転軸線に対し実質的に平行に貫設された多数の小断面積の通路を有するセラミックス製の円柱状部材から構成されると共に、上記回転軸線に対し同軸的に配置された支持板を介し上記ハウジングに支持されかつ回転駆動されるように構成され、上記コア部材の回転軸線方向端面に対向する上記ハウジングの端板に、上記排気ガス及び冷却流体が通過する開口を備えたシール板が配設され、同シール板に上記支持板が回転自在に支持されたことを特徴とし、EGRガスを効果的に冷却してエンジンの体積効率を向上して出力、燃費、排出ガス性能等を改善することができる構造簡単かつ小型軽量で耐久性が優れ、さらに車両への搭載性が秀れたEGRクーラを安価に提供し得る利点がある。又、セラミックス製のコア部材を、ガスシールのために設けられているシール板を利用して上記支持板外周面からなる広い軸受面積で安定的に支持することができる利点がある。
【0038】
また、上記再循環排気ガス冷却装置において、上記コア部材内に、その回転軸線に平行な軸線を有する1個以上の筒状空所が設けられ、同筒状空所内に挿入された柱状部材の両端が上記支持板に夫々支持された構成により、本質的に脆いセラミックス材からなるコア部材を、上記シール板との摺動抵抗に打克って回転させる駆動トルクを広く分散してコア部材に担持させることができるので、同コア部材の破損を防止し耐久性を確保し得る効果がある。
なおまた、上記支持板が電動モータの出力軸に連結されて駆動され、同電動モータの回転数が、エンジンの運転状態に応じ制御されるように構成したことにより、上記コア部材をその中心部で駆動する駆動系の構造を簡単かつ小型軽量で、しかも安価なものとすることができ、またコア部材の回転速度をエンジンの運転状態に応じ変化させることにより、適正な冷却温度のEGRガスがエンジンに対し供給されることとなり、エンジンの出力、燃費、排出ガス性能等を向上し得る利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る再循環排気ガス冷却装置を含むエンジン全体の概念的構成図である。
【図2】図1におけるEGRクーラ22の拡大断面図(図3のII−II線に沿う断面)である。
【図3】図2に示したEGRクーラ22の正面図である。
【図4】図3におけるコア部材36の部分的拡大正面図である。
【図5】図1におけるコア部材駆動用可変速電動モータMの速度制御を行なうフローチャートである。
【図6】エンジン回転数とコア部材36の最適回転数との関係を示した線図である。
【図7】既提案の装置を示す概略構成図である。
【符号の説明】
10…エンジン、14…排気通路、18…吸気通路、20…排気ガス還流通路(EGR通路)、22…再循環排気ガス冷却装置(EGRクーラ)、24…EGR弁、34…コントロールユニット、36…熱交換コア部材、38…ハウジング、40…冷却流体通路、44…通路、46…通路の仕切壁、48…ハウジングの外周壁、50及び52…端板、56及び62…シール板、58…シールダイヤフラム、68及び70…支持板、72…筒状空所、74…柱状部材、78…駆動軸、82…電動モータMの出力軸。
Claims (3)
- エンジンの排気ガスの一部を吸気と共に同エンジンのシリンダ内に還流させる排気還流通路と、冷却流体通路とにわたって介装されて回転し、上記冷却流体により冷却されたコア部分を排気ガスが通過することにより同排気ガスを冷却する熱交換コア部材と、同コア部材を回転自在に収容するハウジングとを備え、
上記コア部材が、その回転軸線に対し実質的に平行に貫設された多数の小断面積の通路を有するセラミックス製の円柱状部材から構成されると共に、上記回転軸線に対し同軸的に配置された支持板を介し上記ハウジングに支持されかつ回転駆動されるように構成され、
上記コア部材の回転軸線方向端面に対向する上記ハウジングの端板に、上記排気ガス及び冷却流体が通過する開口を備えたシール板が配設され、同シール板に上記支持板が回転自在に支持されていることを特徴とする再循環排気ガス冷却装置。 - 上記コア部材内に、その回転軸線に平行な軸線を有する1個以上の筒状空所が設けられ、同筒状空所内に挿入された柱状部材の両端が上記支持板に夫々支持されたことを特徴とする請求項1記載の再循環排気ガス冷却装置。
- 上記支持板が電動モータの出力軸に連結されて駆動され、同電動モータの回転数が、エンジンの運転状態に応じ制御されるように構成されたことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の再循環排気ガス冷却装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33474197A JP3817874B2 (ja) | 1997-10-29 | 1997-10-29 | 再循環排気ガス冷却装置 |
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1997
- 1997-10-29 JP JP33474197A patent/JP3817874B2/ja not_active Expired - Lifetime
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