JP3817273B2 - 免疫抑制治療、抗ガン治療および抗ウイルス治療用の薬学的組成物 - Google Patents
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Description
1.発明の属する技術分野
本発明は、免疫抑制剤に用いられる化合物、および移植治療におけるその使用に関する。特に、本発明は、免疫抑制、炎症、移植片拒絶、対宿主性移植片病(GVHD)、皮膚疾患、および関節炎、全身性エリテマトーデス、甲状腺炎、多発性硬化症、糸球体腎炎、糖尿病、およびアレルギーのようなT細胞介在性自己免疫疾患に対する、特にハイポエストキシド(hypoestoxides)、その誘導体およびアゴニストのようなジテルペン化合物の使用に関する。さらに本発明は、ガン細胞の生育を阻害するため、並びにレンチウイルスまたはヘルペトウイルス科のウイルスの生育を阻害するために、係る化合物を使用することにも関する。さらに、本発明は、ガン細胞の生育を阻害する化合物の使用にも関する。
2.背景技術
免疫抑制剤。多くのヒトの疾患は、過剰または不適切な免疫反応によって特徴付けされる。移植において、免疫システムは、移植片拒絶を引き起こす主要組織適合遺伝子複合体(MHC)−非対応ドナー組織を攻撃する。アレルギーまたは炎症において、免疫系は無害の周囲の抗原に対して過剰に反応する。自己免疫疾患においては、免疫系は、正常な自己組織を攻撃する。HIV感染およびAIDSのような免疫不全疾患では、感染成分が宿主の免疫系を攻撃する。現在、免疫抑制治療はこれらの疾患の治療に適切であると認識されている(Blood Reviews 1995;9:117-133)。免疫抑制薬としてシクロスポリンA(CsA)、FK506およびラパマイシンの天然に生じる二次性代謝産物の開発が、移植片拒絶(TIBS 1993;18:334-338)およびGVHD(Ann Hematol 1995;71:301-306)の予防におけるそれらの使用を介して器官移植に革命を起こした。しかしながら、腎毒性、神経毒性、肝毒性、内分泌合併症および骨組織への影響のような、これらの薬剤の使用に伴った深刻な副作用がある(New Engl J Med(1989)321:1725-1738;Kahan BDらSurgery(1985)97:125)。それゆえ、これらの副作用のない有効な免疫抑制のための新規化合物を提供する臨床的必要性がある。
抗ガン剤。腫瘍生物学における研究の何十年にもわたる強い原動力は、ガンの予防と治療に用いられる、効果的な治療剤が、腫瘍細胞に対して細胞毒性であることが見出されるという期待であった。
悪性黒色腫は、発生率が増加し続けている。現在、悪性黒色腫は、米国において5番目に多く生じるガンである。初期の黒色腫は、多くの場合、外科的手段によって治療できるが、より進んだ病変および/または転移を有する患者の予後は、低いままである(Bezwoda,WR;Cancer Treat Rev 1997;23(1):17-34)。単一の薬剤活性を用いた慣例的な化学療法は、低頻度および短期間の反応を有する(Cancer Treat Rev 1997;23(1):17-34);Mayo Clin Proc 1997;72:367-371)。
転移性腎細胞癌(RCC)は、よく研究された多くの全身性治療に高度に耐性である(Motzer RJらCurrent Problems in Cancer,1997;21(4):185-232)。RCCは、男性においては女性の約2倍の頻度で発生する。超音波検査およびコンピュータ連動断層撮影(CT)スキャン(Franklin JRらSeminars in Urologic Oncology 1996;14(2):208-215)のような改良され、高度に洗練された診断方法の有効性の増加は、RCCの確実に高まる発病率を示した。頸部のガンは、発展途上国の女性に最も一般的な悪性腫瘍であり(Morrow CPらJ Cell Biochem 1995;上掲23:61-70)、および米国における女性の生殖管の3番目に一般的な悪性腫瘍である(Miller BAらNational Cancer Institute;NIH publication 93-2789,1993)。
高投与率療法、治療計画、新規アイソトープ、新規イメージング技術および新規の機械を含むその後の技術的進歩の全てが、頸部のガンの治癒に対しては臨床的に顕著な効果を示さなかった(Morrow CPらJ Cell Biochem 1995;上掲23:61-70)。
神経毒性および化学療法薬剤耐性は、ヒトのガンの治療における欠陥と関連した主な臨床的問題の一部を残したままであることから(Anticancer Drugs 1995;6(3):369-383;Curr Opin Oncol 1997;9(1):79-87)、より少ない副作用と最大効率を有する新規薬剤の研究の必要性がある。
抗ウイルス剤。ウイルスと宿主免疫システムとの間の相互作用は、複雑かつ魅惑的なだけでなく、感染の結果およびその予防方法を調べる際に重要である。抗ウイルス化学療法のゴールは、細胞のDNAに影響を与えることなくウイルス性ゲノムの複製を阻害することである。
ヘルペスウイルス感染[単純疱疹ウイルスタイプ1および2(HSV−1およびHSV−2)、水痘-帯状疱疹ウイルス(VZV)、サイトメガロウイルス(CMV)、エプスタイン-バーウイルス(EBV)]の治療に関して開発中の多数の薬剤の内、10種のみが明確に臨床的開発段階に達した(Alrabiah FAとSacks,SL;Drugs 1996:52(1):17-32)。アシクロビル(aciclovir)は、単純ヘルペス脳炎(HSV−1)における特別な治療であるが、死亡率および罹病率は疑問を含んだままである(Skoldenberg B;Scand.J.Infect Dis Suppl 100:8-13,1996)。これと同じことは、インターフェロン−アルファ(IFN−α)およびインターフェロン−ベータ(IFN−β)について言うことができる。両方のIFNが顕著な抗ウイルス性および免疫調節性の効果を有するが、ヒトにおける抗ウイルス剤としての成功は、投与量を制限する副作用によって覆い隠されている(Balkwill,FR.Interferons;Lancet 1989;1:1060-1063)。HSV−2は、先進国において生殖器の潰瘍の最も一般的な感染原因である。現在、米国における5人に一人(20%)の10代の成人が、生殖器のヘルペスに感染している。疾患の深刻さを低減することができる種々の抗ウイルス剤を1980年代初頭から入手できるようになったが、HSV感染は寿命が長く、一度確立してしまうと、それを排除する治療法がない(Brugha,R.らInt.J.Epidemiol 1997;26:698-709)。それゆえ、HSV感染を除去するための新しいアプローチおよび薬剤を開発する大きな必要性がある。
ヒト免疫不全ウイルスタイプ1(HIV−1)感染患者の総数は、現在のところ米国に1−2百万人、世界的な発病者は約2千万人と推定されている。2000年までに、3百万人以上のアメリカ人がHIV−1に感染すると推定されている。
最近まで、HIV−1感染の治療は、ウイルス性の酵素である逆転写酵素のヌクレオシドインヒビター(RTI)の使用に限定されていた。これらの薬剤は、最初に約束を提示したので、控えめな抗ウイルス活性のみしか持たず、治療の利点は、薬剤耐性と投与量を制限する毒性効果の出現によって制限されてしまう(McDonald CKらArch Intern Med 1997;157(9):951-959)。ヌクレオシドアナログRTIとプロテアーゼインヒビターを用いたHIVの治療は抗HIV治療のバックボーンを形成するが、非ヌクレオシドRTI、免疫調節剤、および現存するクラスの新規薬剤が、将来有望である(Hartman AF,Prim Care 1997;24(3):531-560)。二つ、三つまたはそれ以上の薬剤を用いた組み合わせ療法が治療の標準となったので、加法的な毒性が重要な問題となった。
発明の開示
免疫抑制。本願出願人の発明は、ハイポエストキシドアナログの選択群が、免疫抑制剤として予期しない効果を有することを見出したことによる。
従って、本発明の一つの態様は、以下の式の化合物:
[式中、Rは、
(i)H、PO3 =、置換または未置換の、直鎖状または分枝状の、0から6の二重結合を備えた1ないし12の炭素原子のアルキル、(CH2)nモルホリン(n=1−4)、モルホリノメチルフェニル、オルトアミノフェニル、オルトヒドロキシフェニル、(CH2)nCOOR2(n=1−4)
(式中、R2はH、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、NH4 +、N+(R3)4であって、R3はHおよび1ないし4の炭素原子のアルキルからなる群から独立に選択される)、または
(ii)COR1であって、R1は、H、(CH2)nCH3(n=1−6)、(CH2)nCOOR2(n=1−4、並びにR2は上記の通り)、(CH2)nN+(R3)4(n=1−4)、かつ、(CH2)nSO3 -(n=1−4)からなる群から選択される、
である]
および、その薬学的に許容できる塩に向けられる。
関係のある態様は、治療に有効な免疫抑制量の式IVの化合物を含む薬学的組成物に向けられる。
本発明の別の態様は、免疫抑制治療を必要とする動物において免疫抑制を促進する方法に向けられる。この方法は、治療に有効な免疫抑制量のハイポエストキシド(ここではJO−4と称され、式Iに説明される)または式IVの一つ以上の化合物を含む薬学的組成物を動物に投与することを含む。
抗ガン剤。本願出願人の発明は、ハイポエストキシドアナログの選択群が、抗ガン剤として予期せぬ効果を有することを見出したことによる。特に、本願発明は、ガン細胞またはガン性の腫瘍の生育を阻害する方法を含む。この方法は、抗ガン剤または抗ガン治療を必要とする患者に、治療に有効な量の式IVの化合物を含む薬学的組成物を投与することを含む。
[式中、Rは、
(i)H、PO3 =、置換または未置換の、直鎖状または分枝状の、0から6の二重結合を備えた1ないし12の炭素原子のアルキル、(CH2)nモルホリン(n=1−4)、モルホリノメチルフェニル、オルトアミノフェニル、オルトヒドロキシフェニル、(CH2)nCOOR2(n=1−4)
(式中、R2はH、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、NH4 +、N+(R3)4であって、R3はHおよび1ないし4の炭素原子のアルキルからなる群から独立に選択される)、または
(ii)COR1であって、R1は、H、(CH2)nCH3(n=0−6)、(CH2)nCOOR2(n=1−4、並びにR2は上記の通り)、(CH2)nN+(R3)4(n=1−4)、かつ、(CH2)nSO3 -(n=1−4)からなる群から選択される、
である]
および、その薬学的に許容できる塩。
本発明の方法の一つの態様は、以下の式:
を有するハイポエストキシド(ここではJO−4Aと称する)の投与を含む。
抗ウイルス剤。本願出願人の発明は、ハイポエストキシドアナログの選択群が、それぞれ、HIV−1並びにHSV−1およびHSV−2を含むレンチウイルスおよびヘルペトウイルス科のウイルスに対する生育阻害剤として予期せぬ効果を有することを見出したことによる。特に、本願発明は、患者におけるこれらのウイルスの生育を阻害する方法を含む。この方法は、抗ウイルス治療を必要とする患者に、治療に有効な量の以下の式の化合物:
[式中、Rは、
(i)H、PO3 =、置換または未置換の、直鎖状または分枝状の、0から6の二重結合を備えた1ないし12の炭素原子のアルキル、(CH2)nモルホリン(n=1−4)、モルホリノメチルフェニル、オルトアミノフェニル、オルトヒドロキシフェニル、(CH2)nCOOR2(n=1−4)
(式中、R2はH、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、NH4 +、N+(R3)4であって、R3はHおよび1ないし4の炭素原子のアルキルからなる群から独立に選択される)、または
(ii)COR1であって、R1は、H、(CH2)nCH3(n=0−6)、(CH2)nCOOR2(n=1−4、並びにR2は上記の通り)、(CH2)nN+(R3)4(n=1−4)、かつ、(CH2)nSO3 -(n=1−4)からなる群から選択される、
である]
および、その薬学的に許容できる塩を含む薬学的組成物を投与することを含む。
別の態様では、本発明は、患者における、レンチウイルス科(例えばHIV−1)およびヘルペトウイルス科(例えば、HSV−1およびHSV−2)のウイルスの生育の病理学上の影響を緩和するために患者を治療する方法を提供する。この方法は、患者に、少なくとも一つの式IVを有するハイポエストキシドを投与することを含む。ハイポエストキシドは、前記影響を阻害するために、前記患者におけるこれらのウイルスの生育を阻害するのに十分な量で患者に投与される。
本発明の上記特徴および変更、並びに本発明に付随する利点は、添付図面と併せて以下の本発明の詳細な説明を参照することによって、より詳しく理解されるだろう。
【図面の簡単な説明】
図1は、ヒトの双方向混合リンパ球反応に対するJO−4の阻害効果を示す。二人の個人のPBMCは、5日間、種々の濃度のJO−4の存在下で共培養された。増殖は、3H−チミジンの取り込みによって測定され、CPM並びにJO−4を用いないコントロールの%阻害として示された。
図2は、一方向MLR生成ヒトTリンパ球媒介細胞溶解におけるJO−4の阻害効果を示す。細胞毒性Tリンパ球(CTL)は、5−7日間、JO−4の存在または不在下における一方向MLRから生成された。培養の最後に、CTLが回収され、一方向MLRにおける刺激因子として用いられる活性化リンパ球に対する4時間の51Cr放出アッセイにおいて試験された。結果は、溶解単位(LU)および%阻害として示されている。
図3は、前炎症性サイトカイン合成におけるJO−4の阻害効果を示す。ヒトPBMCは、24時間、24ウェルミクロタイタープレートにおいて1.0μg/mlのJO−4の存在または不在下において5μg/mlのLPSを用いて培養された。培養の最後に、上清が回収され、IL−1β、TNF−αおよびIL−6の存在についてEIAによって試験された。この結果は、薬剤を含まないコントロールウェルの%阻害として、並びに、上清に存在するサイトカインのpg/mlで示されている。
図4は、ヒト双方向MLRにおけるJO−4Aの阻害効果を示す。二人の個人からのPBMCは、5日間、種々の濃度のJO−4Aの存在下または不在下で共培養された。増殖は、3H−チミジンの取り込みによって測定され、平均CPMとして示された。
図5は、インビトロにおけるLPS−誘導マウスリンパ球増殖に対するJO−4の阻害効果を示す。マウス脾臓細胞は、LPS(5μg/ml)を用いて48時間、種々の濃度のJO−4の存在下または不在下で培養された。増殖は、3H−チミジンの取り込みによって測定され、ΔCPMとして示されている。
図6は、ヒトPBMCのPHA−誘導増殖に対するJO−4の阻害効果を示す。ヒトPBMCは、4日間、種々の濃度のJO−4の存在または不在下で、PHA(15μg/ml)を用いて培養された。増殖は、3H−チミジンの取り込みによって測定され、ΔCPMおよび薬剤を含まないコントロールウェルの%阻害として示されている。
図7は、ヒトPBMCに対するJO−4の毒性を示す。ヒトPBMCは、種々の濃度のJO−4の存在下または不在下で培養された。種々の時間間隔を置いて、生育能力をトリパンブルー色素排除試験によって調べ、計測された細胞の全体数の%生存能力として示された。
図8は、インビボにおけるNK活性に対するJO−4Aの効果を示す。マウスは、静脈(A)または経口(B)投与のいずれかによって、種々の濃度のJO−4Aを用いて処理された。脾臓細胞は、4時間の51Cr放出アッセイにおいてYAC−1ターゲットを用いてNK機能について試験された。
図9は、種々のヒトガン細胞に対するJO−4Aの投与量依存細胞毒性効果を示す。ヒト頸部上皮ガン、腎細胞ガンおよび悪性黒色腫細胞系は、種々の濃度のJO−4Aの存在下または不在下で72時間培養された。細胞毒性は、比色定量(MTT)アッセイによって調べられた。
図10は、種々の組織由来のヒト正常細胞に対するJO−4Aの投与量依存細胞毒性効果を示す。正常なヒト頸部上皮細胞、末梢血液単核細胞、乳房上皮細胞および臍静脈内皮細胞は、72時間、種々の濃度のJO−4Aの存在下または不在下で培養された。細胞毒性は、比色定量(MTT)アッセイによって調べられた。
図11は、マウス悪性黒色腫(B16−F1)細胞系に対するJO−4Aの投与量依存細胞毒性効果を示す。B16−F1細胞は、72時間、種々の濃度のJO−4Aの存在下または不在下で培養された。細胞毒性は、比色定量(MTT)アッセイによって調べられた。
図12Aは、C57BL/6(B6)マウスにおけるマウス悪性黒色腫(B16−F1)量に対するJO−4Aの経口投与の効果を示す。B6マウスは、皮下(s.c.)に50000個のB16−F1の生存能力のある細胞を投与された。この実験群のマウスは、腫瘍移植後4日目から毎日、種々の濃度のJO−4Aを経口的に投与された。腫瘍の量は、マイクロキャリパーを用いて12日目に測定された。
図12Bは、悪性黒色腫(B16−F1)を有するB6マウスの生存に対するJO−4Aの経口投与の効果を示す。B6マウスは、皮下(s.c.)に50000個のB16−F1の生存能力のある細胞を投与された。この実験群のマウスは、腫瘍移植後4日目から20日目まで毎日、種々の濃度のJO−4Aを経口的に投与された。この実験群におけるマウスの生存率は、未処理のコントロール群の全てのマウスが死亡したとき(28日目)に計算された。
図13は、B16−F1黒色腫を有するB6マウスの生存に対するJO−4Aの経口投与の効果を示す。B6マウスは、皮下(s.c.)に50000個のB16−F1の生存能力のある細胞を投与された。この実験群のマウスは、4日目から20日目まで毎日、JO−4A(2mg/Kg)を経口的に投与された。
図14は、インビトロにおけるヒト悪性黒色腫の生育におけるIFN−αと組み合わせたJO−4Aの効果を示す。
図15Aは、培養されたヒト末梢血液単核細胞(PBMC)におけるHIV−1の複製に対するJO−4Aの阻害効果を示す。ヒトPBMCは、PHAを用いて活性化され、患者から単離されたHIV−1を用いて感染させられた。感染したPBMCは、種々の濃度のJO−4A(0.0001μM−0.5μM)の存在下または不在下において7日間培養された。培養の最後に、上清を回収し、ELISAでp24抗原の存在について測定された。
図15Bは、3日間、PHAを用いて活性化された培養された正常なヒトPBMCに対するJO−4Aの毒性試験を示す。活性化されたPBMCは、種々の濃度のJO−4A(0.0001μM−0.5μM)の存在下または不在下において7日間3%IL−2と共に培養された。培養の最後に、PBMCの生存能力が、トリパンブルー色素排除試験によって調べられた。
図16Aは、単純疱疹−1(HSV−1)複製に対するJO−4の抗ウイルス効果を示す。HSV−1に対するJO−4の抗ウイルス効果は、Hybriwix Probe Systems:Diagnostic Hybrids,Inc.(Athens,OH)のHSV抗ウイルス感受性試験キットを用いて調べられた。
図16Bは、HSV−2複製に対するJO−4の抗ウイルス効果を示す。HSV−2に対するJO−4の抗ウイルス効果は、図16Aに記載されているようにして測定された。
図16Cは、HSV−2複製に対するJO−4Aの抗ウイルス効果を示す。HSV−2に対するJO−4Aの抗ウイルス効果は、図16Aに記載されているようにして測定された。
図17Aおよび17Bは、正常であって未感染のアフリカミドリザル腎臓細胞(CV−1)に対する、JO−4およびJO−4Aの毒性試験の結果をそれぞれ示す。CV−1細胞は、72時間、種々の濃度の薬剤の存在下または不在下でそれぞれ培養された。細胞毒性は、比色定量(MTT)アッセイによって調べられた。
発明を実施する形態
概略的記述および定義
本発明の実施には、特に記載がなければ、当該技術常識の範囲の、慣例的な分子的または細胞性免疫学、細胞生物学、生化学、並びに有機的かつ薬化学的合成を用いる。係る技術は、刊行物に完全に説明されている。例えば、Abbas,A.K.,ら,eds,1994,2nd ed.Cellular and Molecular Immunology,W.B.Saunders Co.,USA;Harlow,E.とD.Lane,Antibodies,A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Laboratory,1988;Auchinclos,Jr.,HとSachs,D.H.Transplantation and Graft Rejection in:Fundamental Immunology,Paul,W.E.ed.,1993,Raven Press;Silverman,Richard B.,The Organic Chemistry of Drug Design and Drug Action,Academic Press,Inc.NY(1992);Smith,Michael B.,Organic Synthesis,McGraw Hill,Inc.,NY,(1994)を参照。また、Cancer Chemotherapy:Principles and Practice, ed.B.A.Chabner,J.M.COllins,Phil.,Lippincott Publ.,1990;Mechanisms of Interferon Actions,Vol.II,ed.L.M.Pfeffer,CRC Press,Boca Raton,FL 1987;Interferons:Principles and Medical Applications,ed.S.Baron,D.Coppenhauer,F.Dianzani,ら,The University of Texas Medical Branch,Galveston,1992;Robins,R.K.,Ojo-Amaize,E.A.,Cottam,H.B,らNucleoside and nucleotide modulation of genetic expression:A new approach to chemotherapy.In:Advances in Enzyme Regulation,1989,Vol.29;Cancer:Principles and Practie of Oncology;ed de Vita,Jr.,V.T.,Hellman,S.,とRosenberg,S.A.,Lippincott Co.,Philadelphia,1993;The Chemotherapy Source Book,ed.Perry,M.C.,WilliamsとWilkins Publ.,Baltimore,1991).Silverman,Richard B.,The organic Chemistry of Drug Design and Drug Action,Academic Press,Inc.NY(1992);Smith,Michael B.,Organi Synthesis,McGraw Hill,Inc.,NY,(1994)も参照。さらに、Bauer,D.J.,The Specific Treatment of Virus Diseases,University Park Press,Baltimore,MD,1977;Gawler,H.,Nucleic Acid Hybridization for Measurement of Antiviral Compounds on Human Cytomegalvirus DNA Replication,Antimicrobial Agents Chemotherap,1983,24:370-374;Collier,L.H.とOxford,J.,eds.,Developments in Antiviral Therapy,Academic Press,London,1980;Coligan,J.E.ら,eds.,Current Protocols in Immunology,1993;Robert B.Belshe,ed.,Textbook of Human Virology,2nd.ed.,1991;Silverman,Richard B.,The Organic Chemistry of Drug Design and Drug Action,Academic Press,Inc.NY(1992);Smith,Michael B.,Organic Synthesis,McGraw Hill,Inc.,NY,(1994)を参照。
免疫抑制。本発明を記載するにあたり、以下の用語は、以下の定義に従って用いられる。
本発明の目的として、用語“免疫抑制治療”は、リンパ球および免疫担当細胞の抑制治療を必要とする疾患および症候群の予防および治療のアプローチを指す。かかる疾患および症候群は、これらに限定されないが、対宿主性移植片病(GVHD)、糖尿病、慢性関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、甲状腺炎、多発性硬化症、糸球体腎炎およびアレルギーのような自己免疫疾患を含む。一般的に用いられる免疫抑制の方法は、T細胞活性またはT細胞反応を阻害するために、係る治療を必要とする動物に、治療に有効な量の免疫抑制剤(例えば、シクロスポリンA、FK506、またはここに記載およびクレームされた組成物および方法)を投与することを含むと解する。
用語“リンパ球および免疫担当細胞”とは、免疫反応の特異性を媒介する細胞を指す。ここで用いられているように、この用語は、Abbasらに詳細に記載されているTリンパ球を指す。
“ナチュラルキラー細胞”または“NK細胞”とは、通常、顆粒形態を有するTまたはBでないリンパ球である。NK細胞は、ウイルスおよび別の細胞内病原に対する先天免疫、並びに抗体依存性細胞媒介性細胞傷害(ADCC)において重要である。NK細胞は、対宿主性移植片病(GVHD)の主な原因である(Ferrara,J.L.M.,ら(1989)Transplantation 47:50-54;Ghayur,T.ら(1987)Transplantation 44:261-267l;Ghayur,T.ら(1988)Transplantation 45:586-590)。以下の実施例に説明されているように、本発明の化合物および方法がインビボにおいてNK細胞活性を抑制することが見出され、係る治療を必要とする動物においてGVHDを予防または克服することに使用できることが見出された。
用語“移植”とは、ある個体から移植片と呼ばれる細胞、組織、または器官を取り出し、かつ、通常は、異なった、遺伝学的に同一でない受容者にそれらを配置する操作を指す。移植片を提供する個体はドナーと称され、移植片を受ける個体は受容者または宿主と称される。移植は、移植片を破壊する、拒絶と呼ばれる特異的な免疫反応を引き起こす。移植組織は、肝臓、心臓および腎臓のような固体器官、並びに皮膚および骨髄のようなその他の組織を含む。インビボにおける拒絶はT細胞によって媒介される。拒絶は、治療に有効な量のシクロスポリンAまたはFK506のような化合物を宿主に投与すること、並びに、ここに記載された化合物を投与することによって受容者(宿主)を免疫抑制することによって予防または治療される。殆どの免疫抑制が、本発明の組成物と同様に、特定の免疫抑制剤を用いてT細胞反応に向けられる。さらに、ドナーにおけるNK細胞機能の免疫抑制は、対宿主性移植片病(GVHD)のような症状の治療において重要な治療的役割を演じる。従って、移植ドナーは、受容者の対宿主性移植片病の予防のために、移植片を提供する前に、治療的に有効な量の免疫抑制剤を投与することによる準備的な免疫抑制を必要とする。
用語“動物”とは、ヒトおよびその他の動物を意味すると解する。
ここで用いるように、用語“JO−4”とは、ビシクロ[9,3,1]ペンタデカンジテルペン化合物を意味し、Z.Naturforse 37c:558-561(1982)およびHerocycles 20:2125-2128(1983)に記載され、この参照文献中で“ハイポエストキシド”と称されている。JO−4の化学構造は、式Iに記載されている。
式IVに記載されている化合物は、JO−4Aのプロドラッグを含むと解する。式IVに関して、JO−4AはRがHである場合にJO−4から誘導される。JO−4Aの構造は、式IIに記載されている。
ここで用いられているように、用語“プロドラッグ”とは、代謝変換により活性な薬剤に変換される薬学的に不活性な化合物を指す。(Silverman,Richard B.The Organic Chemistry of Drug Disign,Acad.Press,1992)。薬剤設計にプロドラッグ法が用いられる多くの理由があるが、その最も一般的なものは、可溶性、吸収性および分散性、部位特異性、不安定性、遅延放出性、毒性、弱い患者耐性、および製剤性のような、化合物に関する問題を克服することである。薬学的組成物中の化合物を作用位置まで到達させる方法を決めるための、過度の実験を必要としない手引き、並びに、作用位置に免疫抑制治療に有効な量を得る方法の手引きに関する文献を利用できる(Harnden,M.R.ら,J.Med.Chem.32:1738-1743(1989);Lake-Bakaar,D.M.,ら,Antimicrobial Agents and Chemotherapy 33:110-112(1989);Baker,D.C.,らJ.Medicinal Chemistry 21:1218-1221(1978);Hussain,M.A.ら,J.Pharmaceutical Sciences,76:356-358(1987);Varia,S.A.ら,J.Pharmaceutical Sciences 73:1068-1073(1984))。
アルコールまたはカルボン酸の官能基を含む薬剤の最も一般的なプロドラッグ形態はエステルである。当該技術分野において周知の技術を用いて、その薬力学的特性を改良するために化合物の構造を変更することができ、それによって、動物またはヒトに対する治療的投与に使用できる薬剤へと変形することができる。従って、JO−4Aのクレームされたプロドラッグの薬剤活性(すなわち、免疫抑制を含む)の根拠は、JO−4自身、天然産物が、強い免疫抑制剤であるということである。また、JO−4は、インビボ環境において、並びにもし培養培地が付加された血清を含むのであれば(殆どの場合)インビトロ環境において、血清エステラーゼの存在下でJO−4Aのプロドラッグである。免疫抑制剤の好ましい実施態様は、JO−4のフリーアルコール誘導体である代謝産物JO−4Aである。JO−4は、細胞または動物にJO−4を投与した後に経時的に形成されるJO−4Aの輸送のためのエステルプロドラッグ形態として作用する。同様に、JO−4Aの他の多くのエステルプロドラッグがJO−4Aの輸送を提供する。このようなプロドラッグ形態およびその製造方法は、上述したように当該技術分野において周知である。これらのプロドラッグは、動物およびヒトの血清に一般に見出されるエステラーゼに曝した際に関心の向けられた親薬剤を生じることが知られている。ここにクレームされたJO−4Aのプロドラッグは、JO−4Aを生じ、天然産物JO−4よりも、免疫抑制を促進することに関して活性またはより活性であると解する。
ここで用いられる用語“アゴニスト”とは、式IVに示された化合物と同じ反応(すなわち、係る治療を必要とする動物における免疫抑制の誘導)を引き出す物質を指す。式IVの化合物のアゴニストは、式IVに記載されているJO−4Aのプロドラッグを含むが、これに限定されない。
クレームされた化合物、すなわちクレームされた化合物のプロドラッグおよび/またはアゴニストの修飾された形態を、動物における免疫抑制を誘導する能力または動物におけるガンの生育を阻害する能力、あるいは係る治療を必要とする動物におけるレンチウイルスまたはヘルペトウイルスの生育を阻害する能力について測定または選別する方法は、当該技術分野において周知である。
本発明の方法は、式IVの化合物、並びに、式Iの化合物(JO−4、すなわちハイポエストキシド)を用いた免疫抑制治療に向けられる。特に、本発明の方法は、治療に有効な量の式IまたはIVの化合物を係る治療を必要とする動物に投与することを含む。この方法の実施態様は、動物に投与するための薬学的なキャリアまたは希釈剤と式IまたはIVの化合物を組み合わせることを含む。
本発明の方法は、下記一方向および双方向MLR試験における細胞性免疫に付するJO−4またはJO−4Aの効果によって例証されるような、動物における移植片の拒絶を抑制することに使用を見出す。かくして、本発明の方法は、免疫担当細胞またはリンパ球の形成または増殖の抑制において使用することができ、自己免疫疾患の治療、並びに例えば皮膚、骨髄、腎臓、肝臓および心臓の移植組織のような器官移植組織の移植拒絶の抑制に使用することができる。JO−4またはJO−4Aの効果は以下に記載された試験において確認される。
図1−8に記載されているように、本発明の化合物および方法は、動物における自己免疫疾患を治療することに使用を見出すことができる。シクロスポリンA(Forsell,Tら,J.Urol,1996,5:1591-3;Yocum,D.E.,ら,Rheum.Dis.Clin.North.Am.,1995,3:835-44)またはタクロリムス(tacrolimus)(Ketel,B.L.ら,Transplant.Proc.,1996,2:899)のようなT細胞の免疫抑制剤は、免疫反応を抑制し、自己免疫疾患の阻害または改善をもたらすと解される。T細胞およびその産物(サイトカイン)は、インビボにおける自己免疫反応の発生に関することが知られている。
上記使用の全てについて、治療に有効な量または投与量は、用いられた化合物、投与形式および所望の治療に依存して当然に変化する。しかしながら、一般的に、経口的に、動物の体重kg当たり約1mgから約600mgの毎日の投与量で、都合良く一日に1から4回に分けて、もしくは持続的放出形態で投与された場合に、満足できる結果が得られる。注射により投与される場合には、一般的に、動物の体重kg当たり約1mgから約200mgの毎日の投与量で、都合良く一日に1から4回に分けて、もしくは持続的放出形態で投与された場合に、満足できる結果が得られる。より大きな哺乳動物では、一日の全投与量は、約5から500mgの範囲であって、経口投与に適した投与形態は、固形状または液体状の薬学的キャリアまたは希釈剤と混合または共同して約5mgから約500mgの化合物を含む。本発明の化合物の治療に有効な量を調べる方法は、当該技術分野において周知である。係る方法は、免疫抑制を促進するため、リンパ球および免疫担当細胞の形成を抑制するため、自己免疫疾患を治療するため、および動物における移植片の拒絶を抑制するための、免疫抑制治療における薬学的/薬物速度論的パラメーターまたはその他の指標の分析を含む(Recent Developments in Transplantation Medicine,Vol.1:New Immunosuppressive Drugs:eds.D.PrzepiorkaとH.Sollinger,Physicians and Scientists Pub.Co.,Glenview,IL,1994)。
本発明の方法は、純粋な形態、もしくは、薬学的キャリアまたは希釈剤と共同した薬学的に許容できる粗製の濃縮物として、式I、IIまたはIVの化合物の有効量を含む薬学的組成物を投与することを含む。上記組成物は、1重量%以上の式I、IIまたはIVの化合物を都合良く含み、慣例的な技術により、例えば、経腸的または非経口的投与用のカプセル、錠剤、坐剤、分散性粉末、シロップ剤、エリキシル剤、懸濁液または溶液のような慣例的な形態に調製されてもよい。適切な薬学的希釈剤またはキャリアは、上品かつ口に合う薬学的調製物を提供するために、例えば、水、アルコール、天然または硬化油およびロウ、炭酸カルシウムおよびナトリウム、リン酸カルシウム、カオリン、タルクおよびラクトース、並びにエチル−p−ヒドロキシベンゾアートのような適切な防腐剤、メチルセルロース、トラガカントおよびアルギン酸ナトリウムのような沈殿防止剤、レシチン、ポリオキシエチレンステアラートおよびポリオキシエチレンソルビタンモノオレアートのような湿潤剤、デンプンおよびアルギン酸のような造粒および粉末化剤、デンプン、ゼラチンおよびアカシアのような結合剤、並びにマグネシウムステアラート、ステアリン酸およびタルクのような潤滑剤を含む。錠剤状の組成物は、錠剤の分解および胃腸管における活性成分の吸収を遅延させ、それによって長期間にわたる持続作用を提供するために、慣例的な技術によって被覆されてもよい。活性成分の遅延分解または時間遅延型または時間測定型の輸送のために、当該技術分野において知られた別の化合物および方法は、本発明の方法において用いられる活性成分の製剤化に使用することができる。例えば、式I、IIまたはIVの化合物は、ターゲットに到達するまで化合物を分解から保護するため、および/または組織のバリアを通過する化合物の移動を容易にするために、リポソームまたは他の遅延放出キャリア手段と組み合わされてもよい。
投与容易性の観点から好ましい化合物は、固体状組成物、特に固体充填ゼラチンカプセルまたは錠剤である。
また、本発明の方法のさらなる実施態様は、予防を含む種々のプロトコルにおいて一つ以上の薬剤を、式I、IIまたはIVの化合物を含む薬学的組成物を免疫抑制治療を必要とする動物に投与するための本発明の方法と組み合わせることを含むと解することもできる。治療薬剤モニタリングを含む、効力を調べるための組み合わせプロトコルおよび方法は、当該技術分野において周知である。(Lazarus,H.M.らBlood Reviews,1995,9:117-133;Aggarwal,B.B.,ら,eds.,1995,Human Cytokines:Their role in Disease and Therapy,Blackwell Science,Inc.,Cambridge,MA;Ambrus,J.L.ら,1993,Surgery,Gynecology & Obstetrics,176:588)。本発明の方法における式I、IIまたはIVの化合物を投与することと組み合わせられてもよい免疫抑制治療に使用できる免疫抑制剤の例は、コルチコステロイド、メトトレキサート、シクロスポリン、ラパマイシン、FK506(Prograftm)、アンチチモサイト(antithymocyte)グロブリン、モノクローナル抗体調製物、ポリクローナル抗体調製物、インターロイキン1アンタゴニスト、インターロイキン2アンタゴニスト、TNFアンタゴニスト、イムノトキシン、サリドマイド、インターフェロン、酸化窒素、ミゾリビン(mizoribine)、デオキシスペルグアリン(deoxyspergualin)、レフルノマイド(leflunomide)および抗付着分子を含むが、これらに限定されない。
さらに、本発明は、コルチコステロイド、メトトレキサート、シクロスポリン、ラパマイシン、FK506(Prograftm)、アンチチモサイトグロブリン、モノクローナル抗体調製物、ポリクローナル抗体調製物、インターロイキン1アンタゴニスト、インターロイキン2アンタゴニスト、TNFアンタゴニスト、イムノトキシン、サリドマイド、インターフェロン、酸化窒素、ミゾリビン、デオキシスペルグアリン、レフルノマイドおよび抗付着分子からなる免疫抑制治療に使用できる免疫抑制剤の群から選択された一つ以上の薬剤と組み合わせて、治療に有効な量の式I、IIまたはIVの一つ以上の化合物を含む薬学的組成物を含むと解する。本発明の薬学的組成物における、式I、IIまたはIVの化合物、および式I、IIまたはIVの化合物と共同して免疫抑制治療に使用できる免疫抑制剤の群から選択された薬剤の、治療に有効な量を調べるための方法は、当該技術分野において周知である(Lazarus,H.M.らBlood Reviews,1995,9:117-133;Aggarwal,B.B.,ら,eds.,1995,Human Cytokines:Their role in Disease and Therapy,Blackwell Science,Inc.,Cambridge,MA;Ambrus,J.L.ら,1993,Surgery,Gynecology & Obstetrics,176:588)。
抗ガン剤。以下の用語が、本願明細書中の以下に記載された定義に従って用いられる。
“腫瘍”とは単に“腫脹”を意味するが、この用語は通常、“新生物(neoplasm)”と同等であり、文字通り“新成長(new growth)”を意味する。新生物とは、その出現を開始した発癌物質の除去後でも、生存および増殖する組織の異常な塊である。両性と悪性の二つのタイプの新生物または腫瘍がある。全悪性腫瘍に対する一般的な用語は“ガン”である。ほぼ全ての良性腫瘍は、被包性である。対照的に、ガン性腫瘍は、殆ど被包性でないが、浸潤性の破壊的成長によって隣接する組織に侵入する。侵襲性の成長の後、通常、ガン細胞のリンパおよび/または血液拡散を介して、腫瘍細胞は、ほとの腫瘍とは不連続な部位へと移動する。この行程は“転移”と呼ばれ、大抵のガン細胞が転移するのに対して、良性腫瘍は決して転移しないことから、腫瘍を悪性であると明確に区別できる(Pathologic basis of disease,4th ed.Philadelphia:WB Saunders,1989;239-305)。ガン細胞またはガン性腫瘍の生育を阻害する当該方法は、ガン細胞の侵襲性の成長を阻害し、かつ、転移したガン細胞から腫瘍の転移性の成長を阻害することを含むと解する。
用語“患者”とは、ヒトおよびその他の動物を意味すると解する。
ここで用いられているように、用語“JO−4”とは、ビシクロ[9,3,1]ペンタデカンジテルペン化合物を意味し、Z.Naturforse 37c:558-561(1982)およびHeterocycles 20:2125-2128(1983)に記載され、この参照文献中で“ハイポエストキシド”と称されている。JO−4の化学構造は、式Iに記載されている。
式IVに記載されている化合物は、JO−4Aのプロドラッグを含むと解する。式IVに関して、JO−4Aは、RがHである場合にJO−4から誘導される。JO−4Aの構造は、式IIに記載されている。
ここで用いられているように、用語“プロドラッグ”とは、代謝変換により活性な薬剤に変換される薬学的に不活性な化合物を指す。(Silverman,Richard B.The Organic Chemistry of Drug Disign,Acad.Press,1992)。薬剤設計にプロドラッグ法が用いられる多くの理由があるが、その最も一般的なものは、可溶性、吸収性および分散性、部位特異性、不安定性、遅延放出性、毒性、弱い患者耐性、および製剤性のような、化合物に関する問題を克服することである。薬学的組成物中の化合物を作用位置まで到達させる方法を決めるための、過度の実験を必要としない手引き、並びに、作用位置におけるガン性腫瘍の生育を阻害するための治療に有効な量を得る方法の手引きに関する文献を利用できる(Brunda,M.J.,Wright,R.B.,Luistro,L.ら,Enhanced Antitumor Efficacy in Mice by Combination Treatment with Interleukin-1α and Interferon-α,J.Immunother.,(1994)15:233-241;Bezwoda,W.R.,The Treatment of Disseminated Melanoma with Special Reference to the Role of Interferons,Vinca Alkaloids,and Tamoxifen,Cancer Treatment Review,(1997)23:17-34;Wedge,S.R.,Porteous,J.K.,Newlands,E.S.,Effect of Single and Multiple Administration of an O6-benzylguanine/temozolomide Combination:An evaluation in a Human Melanoma Xenograft Model,Cancer Chemother.Pharmaocol.(1997)40:266-272)。
アルコールまたはカルボン酸の官能基を含む薬剤の最も一般的なプロドラッグ形態はエステルである。当該技術分野において周知の技術を用いて、その薬力学的特性を改良するために化合物の構造を変更することができ、それによって、動物またはヒトに対する治療的投与に使用できる薬剤へと変形することができる。JO−4は、インビボ環境において、並びにもし培養培地が付加された血清を含むのであれば(殆どの場合)インビトロ環境において、血清エステラーゼの存在下でJO−4Aのプロドラッグである。ガン性腫瘍の生育を阻害する方法において用いられるハイポエストキシド化合物の好ましい実施態様は、JO−4のフリーアルコール誘導体である代謝産物JO−4Aである。JO−4は、細胞または動物にJO−4を投与した後に経時的に形成されるJO−4Aの輸送のためのエステルプロドラッグ形態として作用する。同様に、JO−4Aの他の多くのエステルプロドラッグがJO−4Aの輸送を提供する。このようなプロドラッグ形態およびその製造方法は、上述したように当該技術分野において周知である。これらのプロドラッグは、動物およびヒトの結成に一般に見出されるエステラーゼに曝した際に関心の向けられた親薬剤を生じることが知られている。クレームされた方法において用いられるJO−4Aのプロドラッグは、JO−4Aを生じ、ガン性腫瘍の生育を阻害することに関して活性であると解する。
ここで用いられる用語“アゴニスト”とは、式IVに示された化合物と同じ反応(すなわち、係る治療を必要とする患者のガン性腫瘍の生育の阻害)を引き出す物質を指す。式IVの化合物のアゴニストは、式IVに記載されているJO−4Aのプロドラッグを含むが、これに限定されない。
ハイポエストキシド化合物、すなわちクレームされた化合物のプロドラッグおよび/またはアゴニストの修飾された形態を、係る治療を必要とする患者におけるガン性腫瘍の生育を阻害する能力について測定または選別する方法は、当該技術分野において周知である(Stinson,S.,Alley,M.C.,Kopp,W.C.ら,Morphological and Immunocytochemical Characteristics of Human Tumor Cell Lines for Use in a Disease-Oriented Anticancer Drug Screen,Anticancer Research(1992)12:1035-1054)。
本発明の方法は、式IVの化合物、そして特に式IIの化合物(JO−4A、すなわちハイポエストキシド)を用いた、抗ガンまたは抗腫瘍治療、すなわち、ガン細胞の生育を阻害すること、並びに、それによってガン細胞の生育が一つ以上の腫瘍の発達を引き起こす場合には、ガン性腫瘍の生育を阻害することに向けられる。特に、本発明の方法は、治療に有効な量の少なくとも一つの式IVのハイポエストキシド化合物、そして特に式IIの化合物(JO−4A)を、係る治療を必要とする患者に投与することを含む。この方法の実施態様は、患者に投与するための薬学的なキャリアまたは希釈剤と式IVまたは特に式IIの化合物を組み合わせることを含む。
本発明の方法は、図9に示すように、インビトロでガン性細胞の生育を阻害すること、並びに、図12および13に示したように、マウスにおいてガン細胞またはガン性腫瘍の生育を阻害することに使用を見出すことができる。かくして、本発明の方法は、ガン細胞またはガン性腫瘍に対して細胞障害性、成長阻害効果を有することに、並びに、同じ投与レベルで、正常細胞に対して比較的無毒性の効果を有する(図10)ことにおいて使用を見出すことができ、その特異的な毒性効果は、ガン性腫瘍の生育を阻害するらしく、それゆえ、少なくとも図9に記載された種々のガンのタイプに対して抗腫瘍治療に使用できる。JO−4Aの効果は、図9−13に記載されているように、本発明の方法が抗ガン治療を必要とする患者を治療するために効果的であることを示す、以下に記載された試験において確認された。
上記使用について、治療に有効な量または投与量は、用いられた化合物、投与形式および所望の治療に依存して当然に変化する。しかしながら、一般的に、経口的に、動物の体重kg当たり約0.01mgから約1000mgの毎日の投与量で、都合良く一日に1から4回に分けて、もしくは持続的放出形態で投与された場合に、満足できる結果が得られる。静脈内注射により投与される場合には、一般的に、動物の体重kg当たり約0.01mgから約200mgの毎日の投与量で、都合良く一日に1から4回に分けて、もしくは持続的放出形態で投与された場合に、満足できる結果が得られる。より大きな哺乳動物では、一日の全投与量は、約1から1000mgの範囲であって、経口投与に適した投与形態は、固形状または液体状の薬学的キャリアまたは希釈剤と混合または共同して約1mgから約1000mgの化合物を含む。本発明の方法において用いられる化合物の治療に有効な量を調べる方法は、当該技術分野において周知である。係る方法は、抗ガンまたは抗腫瘍治療、すなわちガン性腫瘍の生育阻害のための薬学的/薬物速度論的パラメーターの分析を含む(Wedge.S.R.,Porteus,J.K.,Newlands,E.S.,Cancer Chemother.Pharmacol.(1997)40:266-272;Legha,S.S.,Seminar in Oncology,(1997)24:S4-24-31;Motzer,R.J.,Vogelzang,N.J.,Chemotherapy for Renal Cell Carcinoma.In:Raghaven,D.,Scher,H.I.,Leibel,S.A.,ら:eds.Principles and Practice of Genitourinary Oncology,Lippincott-Raven Publ.Philadelphia,pp.885-96,1997;Bloom,H.J.,Medroxyprogesterone acetate(Provera)in the treatment of metastatic renal cencer,Br.J.Cancer(1971)25:250-65)。
本発明の方法は、純粋な形態、もしくは、薬学的キャリアまたは希釈剤と共同した薬学的に許容できる粗製の濃縮物として、一つ以上の式IVの化合物、そして特に式IIの化合物(JO−4A)の有効量を含む薬学的組成物を投与することを含む。上記組成物は、1重量%未満、好ましくは約0.2重量%の式IVまたは特に式IIの化合物を都合良く含み、慣例的な技術により、例えば、経腸的または非経口的投与用のカプセル、錠剤、坐剤、分散性粉末、シロップ剤、エリキシル剤、懸濁液または溶剤のような慣例的な形態に調製されてもよい。適切な薬学的希釈剤またはキャリアは、上品かつ口に合う薬学的調製物を提供するために、例えば、水、アルコール、天然または硬化油およびロウ、炭酸カルシウムおよびナトリウム、リン酸カルシウム、カオリン、タルクおよびラクトース、並びにエチル−p−ヒドロキシベンゾアートのような適切な防腐剤、メチルセルロース、トラガカントおよびアルギン酸ナトリウムのような沈殿防止剤、レシチン、ポリオキシエチレンステアラートおよびポリオキシエチレンソルビタンモノオレアートのような湿潤剤、デンプンおよびアルギン酸のような造粒および粉末化剤、デンプン、ゼラチンおよびアカシアのような結合剤、並びにマグネシウムステアラート、ステアリン酸およびタルクのような潤滑剤を含む。錠剤状の組成物は、錠剤の分解および胃腸管における活性成分の吸収を遅延させ、それによって長期間にわたる持続作用を提供するために、慣例的な技術によって被覆されてもよい。活性成分の遅延分解または時間遅延型または時間測定型の輸送のために、当該技術分野において知られた別の化合物および方法は、本発明の方法において用いられる活性成分の製剤化に使用することができる。例えば、式IVまたは特にIIの化合物は、ターゲットに到達するまで化合物を分解から保護するため、および/または組織のバリアを通過する化合物の移動を容易にするために、リポソームまたは他の遅延放出キャリア手段と組み合わされてもよい。
投与容易性の観点から好ましい化合物は、固体状組成物、特に固体充填ゼラチンカプセルまたは錠剤である。
また、本発明の方法のさらなる実施態様は、予防を含む種々のプロトコルにおいて一つ以上の薬剤を、式IVまたは特にIIの化合物を含む薬学的組成物をガン性腫瘍の生育を阻害するための治療を必要とする患者に投与するための本発明の方法と組み合わせることを含むと解することもできる。治療薬剤モニタリングを含む、効力を調べるための組み合わせプロトコルおよび方法は、当該技術分野において周知である。本発明の方法における式IVまたは特にIIの化合物を投与することと組み合わせられてもよいガン性腫瘍の生育を阻害するための治療において必要とされる抗ガン剤およびその他の薬剤の例は、放射性物質、インターフェロン−α、インターロイキン−1,−2、ビンカアルカロイド、タモキシフェン、タキソール(Taxol)、デカルバジン、生物学的反応修正剤、プラチナ化合物、ビンブラチン(vinvlatine)、ブレオマイシン、デクスベラパイミル(dexverapaimil)、ニフェジオイン(nifedioine)、ジピリダモール、カルムスチン、シスプラチンを含むが、これらに限定されない。
さらに、本発明は、放射性物質、インターフェロン−α、インターロイキン−1,−2、ビンカアルカロイド、タモキシフェン、タキソール、デカルバジン、生物学的反応修正剤、プラチナ化合物、ビンブラチン、ブレオマイシン、デクスベラパイミル、ニフェジオイン、ジピリダモール、カルムスチン、シスプラチンからなるガン性腫瘍の生育を阻害または妨げることに使用できる抗ガン剤の群から選択された一つ以上の薬剤と組み合わせて、治療に有効な量の式IVおよび/またはII(JO−4A)の一つ以上の化合物を含む薬学的組成物を、抗ガン治療を必要とする患者に投与することを含むガン性腫瘍の生育を阻害するための方法を含むと解する。本発明の方法の薬学的組成物における、式IVまたはIIの化合物、および式IVまたはIIの化合物を共同して抗ガン治療に使用できる抗ガン剤の群から選択された薬剤の治療に有効な量を調べるための方法は、当該技術分野において周知である(William,S.D.,ed.,Current Problems Cancer,Vol.21,No.4,1997;pp.186-221,;Bezwoda,W.R.,Cancer Treatment Reviews,1997,Vol.23:17-34)。
抗ウイルス剤。以下の用語が、本願明細書中の以下に記載された定義に従って用いられる。
用語“生育の阻害”とは、ヒトまたはその他の動物に対して病理学的なレンチウイルスおよびヘルペトウイルス科のウイルスについて用いられる。例えば、レンチウイルスHIVに関して、“生育の阻害”とは、ウイルス培養物において減少したHIVp24レベルによって決定されるようなウイルス産生の阻害を意味する。HIVの生育阻害は、ウイルス負荷(load)の低減を招き、次にHIV感染の病理的硬化を緩和する。ここで用いられるように、“生育の刺激”とは、関心の向けられたDNAまたはRNAウイルスについてウイルス負荷を効果的に低減し、次いで、DNAまたはRNAウイルスによる感染の病理学的影響を緩和すると解する。
ここで用いられる用語“病理学的影響”とは、レンチウイルスHIVのライフサイクルと宿主におけるその影響を理解することによって説明される。レンチウイルスは、HIV−1、HIV−2、およびHTLVを含み、本発明の方法は、患者におけるHIV−1、HIV−2、およびHTLVの生育を刺激することに向けられると解する。ヒト免疫不全ウイルスタイプ1(HIV−1)、レトロウイルスは、一本鎖RNAゲノムであり、タンパクコア粒子内に収容され外被膜(膜)タンパクgp120が含まれた脂質膜に覆われている。T−ヘルパー(CD4+)リンパ球および単核細胞の感染は、細胞表面のCD4分子とウイルス膜タンパクの特異的相互作用によって媒介された細胞表面に対するビリオンの吸着から始まる。ウイルスが侵入した後、ウイルスの被膜が除かれ、荷重の、一本鎖RNAゲノムが、ウイルスの酵素逆転写酵素(RT)を介して二本鎖DNAゲノムへと逆転写される。宿主DNAへの組み込み後、HIV−1遺伝子の転写および翻訳が行われる(Arch.Intern.Med.,1997,157:951-959)。
HIVの病理学的/細胞障害的影響は、一部、シンシチウムの形成を伴う細胞融合およびその後の細胞死からなり(Belshe,R.B.,ed.,Textbook of Human Virology,2nd ed.,1991)、免疫不全の進展を引き起こす。AIDS(後天性免疫不全症候群)プレステージ(prestage)は、リンパ節症症候群および全身症状の出現(エイズ関連複合体すなわちARC)を含む。リンパ節症症候群は、HIV感染以外の別の認識可能な原因を伴うリンパ節の肥大として定義される。日和見性の感染は、免疫応答性のヒトでは無害であるが、免疫不全がある場合にのみ病原性を獲得する、ほぼ至る所に存在する寄生生物を伴った疾患を含む。高いパーセントのHIV感染患者は、日和見感染または腫瘍によっては説明されない神経系の変化を示す。皮膚化学的な症状発現がしばしば観察される。帯状疱疹は初期の臨床的兆候である。
ヘルペトウイルス科は、広く散在したヒトの病原であるいくつかのメンバーを有する。これらは、単純疱疹ウイルス(HSV)、エプスタイン-バーウイルス(EBV)、サイトメガロウイルス(CMV)および水痘-帯状疱疹ウイルスを含む。本発明の方法は、HSV−1または−2、EBV、CMVおよび水痘-帯状疱疹ウイルスを含むヘルペトウイルス科ウイルスの生育を阻害することに向けられると解する。HSVタイプ1および2は、速い複製サイクルと組織培養における高い収量から、分子レベルで詳細に調査されている(Belshe,R.B.,ed.,Textbook of Human Virology,2nd ed.,1991)。HSVに関して、用語“生育の刺激”とは、複製サイクルの阻害、高収量またはウイルスの産生の低減を意味する。複製サイクルは、付着、浸入、脱被膜、早期転写、DNA複製、後期転写およびウイルス組立を含む。病理学的影響は、宿主細胞が感染された際の複製から生じる。HSV感染は、二つのレベル、すなわち、細胞内構造および細胞間相互作用の変化において、細胞の機構を変更する。細胞タンパクおよびDNA合成はウイルス性タンパクによって阻害される。感染時の染色体フラグメントおよびレムナントは、核膜の内部表面に再び移動し、それによってウイルス複製のために核の中心を追い出す。別のレベルでは、ウイルス株または細胞型、あるいはこれらの両方に影響された方式でHSV感染の結果として細胞間の相互作用が変更される。これは、丸い細胞の凝集および細胞融合物の程度を変更することによって示される。HSVの変異体に感染した培養細胞は、シンシチウム形成の凝集の増大を伴って、しばしば細胞−細胞間結合を変更する。
HSVタイプ1の病理学的な効果は、生存者に高い致死率と大きな罹病率を備えた命を脅かす症状とされる単純ヘルペス脳炎(HSE)を引き起こす。より大きな出血に至る点状出血を伴った脳組織の炎症および腫脹を含む急性焦点(focal)、壊死性脳炎は、HSEの病理学の一貫した特徴である(Scand.J.Infect.Dis Suppl.100:8-13,1996)。HSV2の病理学的な影響は、先進国において生殖器の潰瘍形成を引き起こす。全てのヒト集団において特定の地方に特有のヘルペスウイルスは、単純ヘルペスウイルス、水痘−帯状疱疹ウイルス、EBV、CMV、およびヒトヘルペスウイルス−6、7および8を含む。
ここで用いるように、用語“緩和する”は、小さくすること、低減すること、より我慢できるものとすることを意味する。
用語“患者”とは、ヒトおよびその他の動物を意味すると解する。
ここで用いられているように、用語“プロドラッグ”とは、代謝変換により活性な薬剤に変換される薬学的に不活性な化合物を指す。(Silverman,Richard B.The Organic Chemistry of Drug Disign,Acad.Press,1992)。薬剤設計にプロドラッグ法が用いられる多くの理由があるが、その最も一般的なものは、可溶性、吸収性および分散性、部位特異性、不安定性、遅延放出性、毒性、弱い患者耐性、および製剤性のような、化合物に関する問題を克服することである。薬学的組成物中の化合物を作用位置まで到達させる方法を決めるための、過度の実験を必要としない手引き、並びに、作用位置におけるHIVまたはHSVを含むがこれらに限定されない病理学のRNAまたはDNAウイルスの生育を阻害するための治療に有効な量を得る方法の手引きに関する文献を利用できる(McDonald,C.K.,Kuritzkes,D.R.,Human Immunodeficiency Virus Type 1 Protease Inhibitors,Arch.Intern.Med.,1997,157:951-959);Klagstaff,A.J.,Faulds,D.,Goa,K.L.,Aciclovir:A Reappraisal of its Antiviral Activity,Pharmacokinetic Properties,and Therapeutic Efficacy,Drugs,1994,47(1):153-205;Hayashi,K.,ら,Characterization of Antiviral Activity of Sesquiterpene,triptofordin,J.Antimicrob.Chemother.,1996,37:759-768)。
アルコールまたはカルボン酸の官能基を含む薬剤の最も一般的なプロドラッグ形態はエステルである。当該技術分野において周知の技術を用いて、その薬力学的特性を改良するために化合物の構造を変更することができ、それによって、動物またはヒトに対する治療的投与に使用できる薬剤へと変形することができる。JO−4は、インビボ環境において、並びにもし培養培地が付加された血清を含むのであれば(殆どの場合)インビトロ環境において、血清エステラーゼの存在下でJO−4Aのプロドラッグである。患者におけるHIVまたはHSVの生育の病理学的な影響を緩和するために患者のHIVまたはHSVの生育を阻害する方法において用いられるハイポエストキシド化合物の好ましい実施態様は、JO−4のフリーアルコール誘導体である代謝産物JO−4Aである。JO−4は、細胞または動物にJO−4を投与した後に経時的に形成されるJO−4Aの輸送のためのエステルプロドラッグ形態として作用する。同様に、JO−4Aの他の多くのエステルプロドラッグがJO−4Aの輸送を提供する。このようなプロドラッグ形態およびその製造方法は、上述したように当該技術分野において周知である。これらのプロドラッグは、動物およびヒトの血清に一般に見出されるエステラーゼに曝した際に関心の向けられた親薬剤を生じることが知られている。クレームされた方法において用いられるJO−4Aのプロドラッグは、JO−4Aを生じ、HIVまたはHSVの生育を阻害することに関して活性であると解する。
ここで用いられる用語“アゴニスト”とは、式IVに示された化合物と同じ反応(すなわち、係る治療を必要とする患者のHIVまたはHSVの生育の阻害)を引き出す物質を指す。式IVの化合物のアゴニストは、式IVに記載されているJO−4Aのプロドラッグを含むが、これに限定されない。
ハイポエストキシド化合物、すなわちクレームされた化合物のプロドラッグおよび/またはアゴニストの修飾された形態を、係る治療を必要とする患者におけるHIVまたはHSVの生育を阻害する能力について測定または選別する方法は、当該技術分野において周知である(Belshe,R.B.,ed.,Textbook of Human Virology,2nd ed.,1991)。
本発明の方法は、式IVの化合物、そして特に式IIの化合物(JO−4A)を用いた、抗ウイルス治療、すなわち患者におけるレンチウイルスまたはヘルペトウイルス科ウイルスの生育を阻害することに向けられる。本発明の方法は、治療に有効な量の少なくとも一つの式IVのハイポエストキシド化合物を、係る治療を必要とする患者に投与することを含む。この方法で用いられる好ましいハイポエストキシドは、JO−4(式I)およびJO−4A(式II)である。本発明の別の態様は、患者において、HIVまたはHSVのようなレンチウイルスまたはヘルペトウイルスの生育の病理的影響を緩和するために患者を治療することを含む。HIVおよびHSVの病理学的影響は当該技術分野において周知であり、ここにも記載されている。また、刊行物(Belshe,R.B.,ed.,Textbook of Human Virology,2nd ed.,1991)に記載されているように、患者においてHIVまたはHSVの生育を阻害することが、これらの感染と関係する病状を緩和することもよくわかっている。
この方法の実施態様は、患者に投与するための薬学的なキャリアまたは希釈剤と式IVの化合物を組み合わせることを含む。
以下の実施例に記載されているように、図15Aおよび15Bに記載されているように、JO−4AをHIV−1が感染したPBMCに投与することにより、HIV−1の生育がインビトロで阻害された。同じ投与量レベルで、JO−4AはPBMCに対して毒性でなかった(図15B)。HSV−2に対するJO−4Aの生育阻害効果は、図16Cに記載されている。
例えばHIVまたはHSVのようなレンチウイルスまたはヘルペトウイルスに感染した患者における上記使用について、治療に有効な量または投与量は、用いられた化合物、投与形態および所望の治療に依存して当然に変化する。しかしながら、一般的に、経口的または静脈内に、動物の体重kg当たり約0.001mgから約1000mgの毎日の投与量で、都合良く一日に1から4回に分けて、もしくは持続的放出形態で投与された場合に、満足できる結果が得られる。注射により投与される場合には、一般的に、動物の体重kg当たり約0.001mgから約200mg、好ましくは約50mgから約200mgの毎日の投与量で、都合良く一日に1から4回に分けて、もしくは持続的放出形態で投与された場合に、満足できる結果が得られる。より大きな哺乳動物では、一日の全投与量は、約0.00aから200mgの範囲であって、経口投与に適した投与形態は、固形状または液体状の薬学的キャリアまたは希釈剤と混合または共同して約0.001mgから約1000mgの化合物を含む。本発明の方法において用いられる化合物の治療に有効な量を調べる方法は、当該技術分野において周知である。係る方法は、抗ウイルス治療、すなわち患者において、例えばHIVまたはHSVを含むがこれらに限定されないレンチウイルスまたはヘルペトウイルスの生育阻害のための薬学的/薬物速度論的パラメーターの分析を含む(Elion,G.B.,Acyclovir:Discovery,Mechanism of Action,and Selectivity,J.Med.Virol.Suppl.1:2-6,1997;Wagstaff,A.J.,ら,Drugs 1994,47(1):153-205)。
本発明の方法は、一つ以上の式IVの化合物の有効量を含む薬学的組成物を投与することを含む。好ましい実施態様は、HIVまたはHSV−2の感染については、純粋な形態、もしくは、薬学的キャリアまたは希釈剤と共同した薬学的に許容できる粗製の濃縮物としてのJO−4A、また、HSV−1またはHSV−2の感染に対しては、JO−4とされる。上記組成物は、1重量%未満、好ましくは約0.2重量%の式Iの化合物を都合良く含み、慣例的な技術により、例えば、経腸的または非経口的投与用のカプセル、錠剤、坐剤、分散性粉末、シロップ剤、エリキシル剤、懸濁液または溶液のような慣例的な形態に調製されてもよい。適切な薬学的希釈剤またはキャリアは、上品かつ口に合う薬学的調製物を提供するために、例えば、水、アルコール、天然または硬化油およびロウ、炭酸カルシウムおよびナトリウム、リン酸カルシウム、カオリン、タルクおよびラクトース、並びにエチル−p−ヒドロキシベンゾアートのような適切な防腐剤、メチルセルロース、トラガカントおよびアルギン酸ナトリウムのような沈殿防止剤、レシチン、ポリオキシエチレンステアラートおよびポリオキシエチレンソルビタンモノオレアートのような湿潤剤、デンプンおよびアルギン酸のような造粒および粉末化剤、デンプン、ゼラチンおよびアカシアのような結合剤、並びにマグネシウムステアラート、ステアリン酸およびタルクのような潤滑剤を含む。錠剤状の組成物は、錠剤の分解および胃腸管における活性成分の吸収を遅延させ、それによって長期間にわたる持続作用を提供するために、慣例的な技術によって被覆されてもよい。活性成分の遅延分解または時間遅延型または時間測定型の輸送のために、当該技術分野において知られた別の化合物および方法は、本発明の方法において用いられる活性成分の製剤化に使用することができる。例えば、式IVの化合物は、ターゲットに到達するまで化合物を分解から保護するため、および/または組織のバリアを通過する化合物の移動を容易にするために、リポソームまたは他の遅延放出キャリア手段と組み合わされてもよい。
投与容易性の観点から好ましい化合物は、固体状組成物、特に固体充填ゼラチンカプセルまたは錠剤である。
また、本発明の方法のさらなる実施態様は、予防を含む種々のプロトコルにおいて一つ以上の薬剤を、式IVの化合物を含む薬学的組成物を患者におけるレンチウイルスまたはヘルペトウイルスの生育を阻害するため、もしくは、これらのウイルスの生育の病理学的影響を緩和するための治療を必要とする患者に投与するために本発明の方法と組み合わせることを含むと解することもできる。治療薬剤モニタリングを含む、効力を調べるための組み合わせプロトコルおよび方法は、当該技術分野において周知である(Belshe,R.B.,ed.,Textbook of Human Virology,2nd ed.,1991)。本発明の方法における式IVの化合物を投与することと組み合わせられてもよいHIVまたはHSVの生育を阻害するための治療において使用できる抗ウイルス剤およびその他の薬剤の例は、ファムシクロビル(famciclovir)、アシクロビル、バルアシクロビル(valaciclovir)、ソリブジン(sorivudine)(BV-arall)、BW882C87、ガンシクロビル、ブリブジン(brivudine)、シドフォビル(cidofovir)(HPMPC)、ロブカビル(lobucavir)、ISIS−2922、サクナビル(saqunavir)、リトナビル(ritonavir)、インジナビル(indinavir)、ネルフィナビル(nelfinavir)(プロテアーゼインヒビター);インターフェロンα/β、アジドチミジン(AZT、レトロビル(Retrovir)、ジドブジン)、ジデオキシシチジン(DDC)、ジデオキシアデノシン、ジデオキシイノシン(DDI)、リバビリン、ペプチドT、可溶性組換えCD4レセプターを含むが、これらに限定されない。本発明の方法の薬学的組成物における、式IVの化合物、および式IVの化合物と共同して抗ウイルス治療に使用できる抗ウイルス剤の群から選択された薬剤の治療に有効な量を調べるための方法は、当該技術分野において周知である。
実施例
以下の材料および方法を、以下に記載された非限定的な実施例において用いた。
免疫抑制
血液ドナー:ヘパリン化された血液(30cc)を、志願者から静脈穿刺によって得た。異なる遺伝的背景の二人のドナーが、リンパ球混合培養(MLC)を開始するために常に必要とされる。
培養培地:RPMI−1640培地(Fisher Scientific Co.,Santa Clara,CA)は、20%熱不活性化ヒトAB血清と1%ペニシリン/ストレプトマイシン混合物が補足された。
単核白血球の単離:単核白血球は、フィコール-ハイパーク勾配においてハンクスバランス塩液(H−BSS)中に適切に希釈された血液を積層し、遠心することによって血液から単離された。回収された細胞は、培養培地中で3回洗浄され、生育能力をトリパンブルー色素排除試験によって調べた。細胞濃度は、完全培養培地中に2x106/mlとなるように調節された。
混合白血球反応(MLR)
MLRとは、インビボ免疫抑制活性のインビトロにおける予測法として当業者に認識されているアッセイである。MLRは、外部の主要組織適合遺伝子複合体(MHC)遺伝子産物のT細胞認識のインビトロモデルであり、細胞媒介性移植片拒絶反応の予想試験として用いられた(Abbas,A.K.,ら,eds,1994,2nd ed.Cellular and Molecular Immunology,W.B.Saunders Co.,USA)。移植片拒絶反応は、MHC分子を認識し、かつ移植片を破壊するT細胞によって行われる。この行程はインビボで研究することができるが、特にヒトにおける、徹底的な分析は、移植片拒絶反応のインビトロにおける相関として、MLRのような試験の発達を必要とした(Janeway,Chas.とTravers,Paul,Immunobiology,2nd Ed.,Garland Publishing,Inc,New York(1996))。ある個体の単核白血球を、別の個体から誘導された単核白血球と共培養することによってMLRが誘導されることが当該技術分野において周知である。二つの個体間にMHC遺伝子の対立遺伝子における差異がある場合には、大部分の単核細胞は4−7日以上の期間増殖し、同種異系のMLRと称される。増殖反応のレベルは、細胞複製中におけるDNAへの3H−チミジンの取り込みによって測定される。各ドナーの細胞は、他に対して反応および増殖することから、結果的な反応は、“双方向MLR”として知られている。JO−4は、MLRにおいて、“免疫抑制”能力について試験された。
ミクロタイタープレートに設定された“双方向MLR”
各ドナーの単核細胞(2x106/ml)は、最初に1:1の体積比で50mlチューブ中で完全に混合された。この混合物を、ウェル当たり100μlの量で、96ウェルのU底ミクロタイタープレートのウェルに分配した。化合物または疑わしい免疫抑制剤を、それぞれ、1.0、0.5、または0.25μg/mlμMの種々の濃度で、ウェル当たり100μlの分量で培養培地中に添加した。100μlの培養培地を、薬剤を含まないコントロールウェルに添加した。培養物を、5日間、5%CO2の大気中、37℃で湿潤インキュベーター中に維持した。採収の4時間前に、各ウェルの培養物を、1μCiのトリチウム標識チミジン(比活性719.5mCi/mg;Dupont,Wilmington,DE)を用いてパルスした。96ウェル自動細胞採収器(TOMTEC,Hamden,CT)を用いて、ガラスファイバーフィルター(Packard,Downers Grove,IL)に細胞を回収し、Matrix 9600ベータカウンター(Packard)で直接カウントした。結果は図1に示されている。
データは以下の式に従うパーセント阻害(%阻害)として現された。
“一方向ヒトMLR”培養におけるMHC制限細胞溶解性CD8+Tリンパ球の生成
“一方向MLR”は、上記“双方向MLR”におけるように二人の異なるドナーからの単核細胞を用いて組織培養フラスコ中に設定された。しかしながら、“一方向MLR”では、二つの単核白血球集団の一方が、マイトマイシンC、抗有糸分裂薬を用いて培養前に処理することによって増殖不能にされた。この“一方向MLR”において、処理された方の細胞は、刺激細胞として用いられ、かつ、未処理の細胞は、未だ増殖可能であり、反応細胞として用いられる。反応細胞は、5−7日間の培養期間中、CD4+ではなく、CD8+表現型を示した。これらのCD8+細胞は、もとの刺激細胞集団と同じ個体に由来する標的細胞を溶解する、細胞毒性Tリンパ球(CTL)として用いられる。移植において、これらのMHC−制限細胞毒性CD8+T細胞は、MHC非対応ドナー組織標的を溶解し、移植片拒絶反応を引き起こす(Abbas,A.K.,eds.,1994,2nd ed.,Cellular and Molecular Immunology,W.B.Saunders Co.,USA;Imagawa,D.K.,ら,in Aggarwal,B.B.,ら,eds.,1995,Human Cytokines:Their role in Disease and Therapy,Blackwell Science,Inc.,Cambridge,MA)。この結果は、図2に示されている。
組織培養フラスコに設定された“一方向”MLR
あるドナーの単核細胞は、アルミニウムホイルに覆われた15mLのチューブにおいてマイトマイシンC(Sigma Chem.Co.,St.Louis,MO)(50μg/50x106細胞)で最初に処理され、37℃の水槽で1時間インキュベートされた。インキュベーションの最後に、細胞を、細胞培養培地で3回洗浄し、2x106/mLとなるように調節し、刺激細胞として用いた。マイトマイシンCで処理されていない別のドナーからの単核細胞は、2x106/mLとなるように調節され、反応細胞として用いられた。反応細胞および刺激細胞を、1:1の体積比で混合し、1.0μg/mLのJO−4または培地のみの存在下で5−7日間、組織培養フラスコ中でインキュベートした。マイトマイシンCで処理されていない一部の刺激細胞は、PHAで活性化され、次いで、CTLアッセイにおいて5または7日間の最後に、ターゲットとして使用するためにIL−2条件培地中で培養した。
ナチュラルキラー(NK)細胞活性におけるJO−4Aの阻害効果−細胞毒性アッセイ
マウスを、種々の期間、種々の投与量のJO−4Aを用いて静脈内または経口的に処置した。この処置期間の最後に、YAC−1腫瘍細胞、マウスNK感受性細胞系(Ojo-Amaize,E.ら.,Scand.J.Immunol.(1978)7:297-306)に対する脾臓のNK活性についてテストするために、脾臓が除去された。4時間−51Cr−放出アッセイが、ex vivoマウスCTLアッセイについて記載されているように用いられた。結果は、%溶解/LU、および溶解の%阻害として示された(Ojo-Amaize,Eら(1994)Clin.Infectious Diseases 18(Suppl 1):S157-9)。
CTLアッセイ
培養期間の最後に、ターゲット細胞を、51Na2CrO4(51Cr)でラベルし、0.5x106/mLに調節した。エフェクター細胞(すなわち、反応細胞)を回収し、培地で2回洗浄し、生存細胞を2.5x106/mLとなるように調節した。エフェクターおよびターゲット細胞を、96ウェルのU底ミクロタイタープレートにおいて25:1のエフェクター:ターゲット(E:T)細胞比で混合し、37℃/5%CO2インキュベーターにおいて、4時間インキュベートした。本質的に先に51Cr放出アッセイについて記載したように、インキュベーションの最後に、ターゲット細胞の溶解が評価され(Ojo-Amaize,E.A.,ら,1994,Clin.Infect.Dis.18(Suppl.):S154-159)、結果が%特異的溶解として示された。
前炎症サイトカイン合成の誘導に対するJO−4の阻害効果
ヒト末梢血液単核細胞(PBMC)を、48時間、1μg/mLのJO−4または培地のいずれかの存在下で、24ウェルプレートにおいて、1.0mLの体積、2x106/mLで、B細胞マイトジェンLPS(Gibco BRL,Grand Island,NY)3μg/mL)と共に5%CO2を有する37℃のインキュベーターにおいて培養した。培養上清を、インキュベーション期間の最後に回収し、サイトカイン:すなわち、インターロイキン−1β、−6およびTNF−αの存在について酵素イムノアッセイによってアッセイした。この結果は、サイトカイン産生の阻害として示される。この結果は図3に示されている。
ヒトMLRに対するJO−4Aの阻害効果
双方向MLRが、種々の濃度のJO−4A(0.1、1.0,10および100μM)の不在または存在下で設定された。この結果は図4に記載されている。
インビトロにおけるLPS誘導マウスリンパ球増殖に対するJO−4の阻害効果
LPSは、マウスにおけるB細胞マイトジェンであり、マウスとヒトの両方の単核細胞におけるTNF−α、IL−6およびIL−1βのような前炎症サイトカインを誘導することが知られている(Cunningham,A.J.,ed;Understanding Immunology 1978;Academic Press,Inc,New York,USA)。マウスリンパ球は、種々の濃度のJO−4(1.5、2.5、5.0、10.0および50.0μg/mL)の存在または不在下でインビトロにおいてLPSを用いて刺激された。
インビトロにおけるヒト末梢血液単核細胞のPHA誘導増殖に対するJO−4の阻害効果
ヒトPBMCは、種々の濃度のJO−4(1.25、2.5、5.0、10.0および50.0μg/mL)の存在または不在下で4日間培養された。この結果は図6に示されている。PHAは、強力なT細胞マイトジェンであり、IL−2を産生するためにT細胞を刺激する。
ヒトPBMCに対するJO−4の毒性の欠如
JO−4がインビトロにおいてヒト細胞に対して毒性であるかどうかを調べるために、ヒトPBMCを、種々の日数(2、5および7日)で種々の濃度のJO−4(1.25、2.5および5μg/mL)の存在または不在下で培養した。各インキュベーション期間の最後に、種々の細胞は、トリパンブルー色素排除試験によって調べられた。得られた結果は、図7に示されている。
本発明の化合物
本発明の方法においてテストされた化合物は、JO−4A(式II)、JO−4AのエステルであるJO−4(式I)、並びにJO−4B(式V)を含んでいた。
化合物の調製
JO−4Aの調製。JO−4結晶(82mg、0.22mmol)を、温めながらメタノール(3mL)およびジオキサン(3mL)の混合物に溶解し、次いで室温まで冷却した。新鮮なメトキシドナトリウムパウダーは、“pH10”まで添加された。この混合物を室温で一晩攪拌し、明らかなオレンジ−黄色反応混合物を、Dowex-50H+樹脂を用いて中和し、濾過し、一晩、フリーザーでゆっくりと結晶化する薄黄色のシロップを得るために真空内で蒸発させた。収量は65mg、90%だった。
JO−4Bの調製。(Method of E.J.CoreyとG.Schmidt,Tetrahedron Letters,399-402,1979)。JO−4A(50mg、0.15mmol)がジクロロメタン(1mL)中に溶解され、0℃に冷却され、ピリジニウムジクロマートの1.5モル濃度等量が効率的に攪拌しながら添加された。反応混合物を、室温で6時間攪拌し、次いで、エーテルで希釈し、濾過し、蒸発させてオフホワイトの固体を得た(30mg、60%)。
JO−4のエステル。式IVに示されているように、本発明の化合物は、JO−4Aのエステルを含むが、ハイポエストキシド(JO−4)を除き、これはHeterocycles 20:212502128(1983)およびZ.Naturoorsch 37c:558-561(1982)に開示されている。しかしながら、免疫抑制を誘導する本発明の方法は、ハイポエストキシドを含む式IIの化合物を投与することを含むことに注意すべきである。
従って、本発明の一つの態様は、以下の式IVの化合物:
[式中、Rは、
H、PO3 =、置換または未置換の、直鎖状または分枝状の、0から6の二重結合を備えた1ないし12の炭素原子のアルキル、(CH2)nモルホリン(n=1−4)、モルホリノメチルフェニル、オルトアミノフェニル、オルトヒドロキシフェニル、(CH2)nCOOR2(n=1−4)
(式中、R2はH、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、NH4 +、N+(R3)4であって、R3はHおよび1ないし4の炭素原子のアルキルからなる群から独立に選択される)、または
COR1であって、R1は、H、(CH2)nCH3(n=1−6)、(CH2)nCOOR2(n=1−4、並びにR2は上記の通り)、(CH2)nN+(R3)4(n=1−4)、かつ、(CH2)nSO3 -(n=1−4)からなる群から選択される、である]および、その薬学的に許容できる塩に向けられている。本発明の関連する態様は、治療に有効な免疫抑制量の式IVの化合物を含む薬学的組成物である。
動物における免疫抑制を誘導するための本発明の方法は、治療を必要とする動物に、治療に有効な量の式IVの化合物、並びに薬学的に許容できるその塩を含む薬学的組成物を投与することを含む。
Hypoestes rosea由来のJO−4の単離
乾燥したHypoestes rosea植物材料から純粋なJO−4(式I)を単離するための一般的な方法は、大きなソックスレー装置中で沸騰ヘキサンを用いた固体/液体抽出を含む。Hypoestes roseaは、Acantheceae科の低木である(Okugun,J.I.ら,Z.Naturforsch 37c:558-561(1982))。蒸発によってヘキサンから得られた粗製の抽出物を、石油エーテル(30−60bp)から始まり、5%酢酸エチル、次いで10%、さらに20%と進む段階的勾配溶媒システムを用いたフラッシュシリカゲルカラムクロマトグラフィーに処した。30%酢酸エチルにおけるJO−4をカラムから溶出した。適切な画分が組み合わされ、乾燥するまで濃縮され、石油エーテルまたはヘキサンが、結晶質のJO−4を得るために添加された。係る方法の一つは、葉の10gの粗製抽出物から240mgの純粋なJO−4を与えた。
重要な注意事項:粗製の抽出物は、まず最小量の酢酸エチルに溶解され、シリカゲルに吸収され、乾燥粉末になるまで蒸発された後に、カラムに添加され、石油エーテルにプレパックされる。植物の特定部位の抽出は、葉が幹とは対照的に大部分のJO−4を含んだ構造であることを示している。
結果
上述したように、式IVの化合物は、ヒトまたはその他の動物においてインビボにおける化合物の免疫抑制活性を予測する標準的なインビトロおよびインビボテストにおいて示されているように、細胞性免疫に対する効果から明らかなように、免疫抑制および抗炎症剤として予期せぬ効果を有することが見出された。
ここに示されているように、特にJO−4AおよびJO−4のような式IVおよびIIの化合物は、免疫担当細胞またはリンパ球の形成、増殖または機能を免疫抑制し、それゆえ、例えば皮膚、骨髄、腎臓、心臓および肺のような器官移植組織のような移植組織の拒絶を抑制することにおいて有益であり、かつ、対宿主性移植片病(GVHD)および、多発性硬化症(MS)、自己免疫性甲状腺炎、自己免疫性心筋炎、全身性エリテマトーデス(SLD)、慢性関節リウマチ(RA)、アルツハイマー疾患(AD)、糖尿病および糸球体腎炎のようなT細胞媒介自己免疫疾患において有益である。
本発明の化合物は、前炎症性サイトカイン(IL−1β、TNF−α、IL−6)の合成を抑制したので、この化合物は、アレルギー反応、ぜん息、接触皮膚炎および乾癬のような皮膚疾患に使用を見出す。
本発明の化合物の免疫抑制効果は、上記試験において調べられ、その結果を以下に記載する。インビトロおよびマウスのインビボ試験におけるクレームされた化合物の免疫抑制薬剤活性は、クレームされた化合物およびそれらを含む薬剤組成物が、動物またはヒトを宿主とする免疫システムの阻害においてインビボにおける効果を有するという、本願発明者の結論の基礎を成していることが見出された。
図1は、各実験について、種々の組み合わせのドナーを用いた、いくつかの実験結果を示す。この結果は、JO−4が双方向MLRを阻害したことを示した。結論として、阻害濃度50(IC50)、すなわち50%阻害を引き起こす薬剤濃度は、0.25μg/mLから0.5μg/mLの間であった。
図2は、MHC非対応刺激ターゲット細胞のMHCクラスI制限細胞毒性Tリンパ球媒介溶解に対するJO−4の阻害効果を示す。組織拒絶反応において、MHC制限細胞毒性CD8+T細胞がMHC非対応ドナー組織を溶解し、移植片拒絶反応を引き起こすことが知られている(Abbasら;Cellular and Molecular Immunology,1994,W.B.Saunders Co.,USA;Imagawa D.K.,らIn Aggarwal,B.B.,ら;eds.Human cytokines:Their Role in Disease and Therapy,Blackwell Science,inc.,Cambridge,MA,1995)。この実験において、JO−4が、“一方向ヒトMLR”培養から生じた細胞毒性T細胞の溶解能力を顕著に(82%)阻害したことが証明され、動物またはヒトの宿主の免疫システムの阻害において、クレームされた化合物の免疫抑制活性のインビトロおよび期待されるインビボ効果を示したことを見出した。
図3は、前炎症サイトカイン合成(IL−1α、TNF−β、IL−6)に対するJO−4の阻害または免疫抑制効果を示す3つの実験の結果を示す。これらのサイトカインは、炎症およびエンドトキシンショック症候群に関連することが知られている(Watkinsら;Pain,1995,63:289-302:Immune activation:the role of pro-inflammatory cytokines in inflammation,illness responses and pathological pain states)。
図4は、ヒトの双方向MLRに対するJO−4Aの阻害効果を示す。JO−4AのIC50は、5.0μMから10.0μMの間と思われる。10.0μMにおいて、JO−4Aは、双方向MLRの64%阻害を誘導した。
図5は、インビトロにおけるマウスリンパ球のLPS誘導増殖に対するJO−4の阻害効果を示す。増殖は、試験された全濃度(1.5μg/mL−50μg/mL)において50%以上阻害された。LPSは、強いマウスBリンパ球マイトジェンであり、Bリンパ球は抗体を分泌するプラスマ細胞の生産者であることから(Cunningham,A.J.,ed.1978;Academic Press,Inc;:Understanding Immunology)、JO−4および本発明の化合物は、全身性エリテマトーデス、慢性関節リウマチを含むが、これらに限定されない、自己免疫疾患における自己抗体の産生を妨げるために使用することができる。
図6は、インビトロにおけるヒトリンパ球のPHA誘導増殖に対するJO−4の阻害効果を示す。リンパ球のPHA活性化は、MLR反応を維持または開始するために必要なIL−2産生を導く。かくして、説明であって限定するものではないが、PHA誘導リンパ球増殖に対するJO−4の阻害効果は、MLRに対する阻害効果を説明できる。
図7は、JO−4は、リンパ球増殖を阻害するために示された濃度においてリンパ球に対して毒性がないことを示す。かくして、リンパ球増殖に対するJO−4の阻害効果は、毒性のない、DNA合成を阻害する能力によるものである。
図8は、JO−4Aが、静脈内または経口投与により、インビボでNK活性を阻害したことを示す。この知見は、本発明の化合物が、全身性急性対宿主性移植片病において、移植された際に重要なエフェクター細胞である、ドナーにおけるNK細胞の活性をインビボで抑制することにより、対宿主性移植片病を抑制することに使用できることを示した。従って、本発明の化合物、並びにJO−4は、移植組織の受容者におけるGVHDを予防する方法に使用でき、この方法は、治療に有効な量の前記化合物を含む薬学的組成物を、移植組織ドナーに投与することを含む。治療に有効な量の化合物は、NK細胞が受容者に移植されたときにGVHDを避け、予防し、あるいは和らげるためにドナーにおいてNK細胞機能を抑制するのに十分である。移植受容者におけるGVHDを和らげ、妨げ、もしくは予防するために、ドナーに対する当該化合物の最適な投与量および投与のタイミングを調べることは、当業者の常套手段である。
抗ガン
以下の材料および方法は、以下に記載された非限定的な例において用いられた。
腫瘍細胞:ヒト頸部上皮(epitheloid)癌腫(HeLa)、ヒト腎臓明細胞癌腫(CAKI−1)、ヒト悪性黒色腫(RPMI−7951)およびマウス悪性黒色腫(B16−F1)は、ATCC(Rockville,MD)から産生され、10%熱不活性化胎児性ウシ血清(American Qualex,San Clemente,CA)、10mMグルタミン、100U/mlペニシリンおよび100μg/mlのストレプトマイシン(Sigma Chemicals,Saint Louis,MO)が補足されたMEM培地(Mediatech,Inc.,Herndon,VA)(完全培地)を用いてインビトロで維持された。
正常細胞:正常なヒト頸部上皮表面(ectoepithelial)細胞(CrEc−Ec)、正常なヒト乳房上皮細胞(HMEC)および正常なヒト臍静脈内皮細胞(HUVEC)をClonetics(San Diego,CA)から入手し、Cloneticsから入手されたそれぞれ推薦された組織培養培地を用いて培養された。
末梢血液単核細胞(PBMC):ヘパリン化された静脈血を、健康な成人志願者から入手し、PBMCをFicoll-Hypaque(Pharmacia Biotech,Piscataway,NJ)で遠心することによって分離した。この細胞を、HBSS(ハンクスバランス塩溶液)を用いて3回洗浄し、最後に完全培地中に再懸濁した。細胞の生存能力は、トリパンブルー色素排除試験によって調べ、細胞数を必要な濃度に調節した。
比色定量MTTアッセイ:式IおよびII(JO−4A)のハイポエストキシド化合物の細胞毒性効果を、比色定量アッセイによってインビトロで測定した(Mosmann,T.,J.Immunol.Methods,65:55-63,1983)。簡単に言えば、96ウェル平底プレートのウェル(100μl)当たり1000個の細胞を、37℃、5%CO2−95%空気加湿インキュベーター中で、72時間、培養培地のみ、あるいは種々の濃度の薬剤と共に培養した。培養の最後に、PBS中の3−(4,5−ジメチルチアゾール−2イル)−2,5−ジフェニルテトラゾリウムブロミド(MTT)(Sigma Chemicals,Saint Louis,MO)の5mg/mlの無菌溶液の10μlをウェルごとに添加し、インキュベーションをさらに4時間行った。酸−イソプロパノール(イソプロパノール中に0.04NのHClを100μl)を全てのウェルに添加し、30分間室温に維持した。マルチチャンネルピペッターを用いて混合して紺青色の結晶を溶解させ、ELISAプレートリーダーを用いて545−650nmにおいて吸収を測定した。
マウス:8週令のメスのC57BL/6(B6)マウスを、Charles River Laboratories(Wilmington,MA)から購入した。
マウスにおける腫瘍量の測定:インビトロで指数関数的に増殖するB16−F1黒色腫細胞を、0.25%のトリプシン−EDTA溶液(Irvin Scientific,Irvine,CA)を用いて15分間インキュベーションすることによって回収した。マウスの右側に50000個の生存可能な細胞を皮下(s.c.)注入した(Fidler,I.J.Cancer Research 35:218-224,1975)。注入から4日後に、実験群のマウスを、0.2ml水中の種々の濃度のJO−4Aを用いて経口的に補給させ、対照群は水のみを与えた。腫瘍は、ミクロキャリパー(microcaliper)を用いて測定され、腫瘍量は、以下の式:長さx幅x高さx0.5236に従って算出された(Jungwirth,A.ら,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,94:5810-5813,1997)。
統計学的分析:有意水準を計算するために、スチューデントのt−検定を用いた。
従って、本発明の方法は、治療に有効な量の式IVの少なくとも一つのハイポエストキシド化合物と薬学的に許容できるその塩を投与することを含む。
本発明の好ましい実施態様は、ガン性腫瘍の生育を阻害するための、治療に有効な量の式II(JO−4A)の化合物を含む薬学的組成物を含む。
以下の実施例に示されているように、ヒトまたはその他の動物におけるインビボにおける化合物の抗腫瘍活性を予測する標準的なインビトロおよびインビボテストにおいて示唆されているような、ガン性腫瘍細胞の生育に与える影響によって示されるように、式IVの化合物および特に式II(JO−4A)は、ガン性腫瘍の生育を阻害するための薬剤として予期せぬ効果を有することが見出された。
式IVの化合物、特にここで証明されているように式II(JO−4A)の化合物は、ガン性腫瘍細胞の生育、形成、増殖または機能を阻害し、それゆえ、抗ガン治療を必要とする患者におけるガン性腫瘍の生育を阻害するための方法において使用できる。
式IVの化合物の効果は、上記試験において測定され、この結果は以下に記載されている。インビトロおよびマウスのインビボテストにおけるガン性腫瘍の生育を阻害するための式IVの化合物の薬学的活性は、クレームされた化合物およびそれらを含む薬学的組成物が、動物またはヒトの宿主におけるガン性腫瘍の生育阻害においてインビボで効力を有するという本願発明者らの結論の基礎を形成することが見出された。
実施例1
インビトロにおけるガン細胞に対するJO−4Aの細胞毒性効果
図9は、インビトロにおける種々のヒトガン細胞に対するJO−4Aの細胞毒性効果に関するいくつかの実験結果を示す。この結果は、JO−4Aがヒト頸部上皮癌腫(HeLa)細胞に対する投与量依存細胞毒性効果を有することを示す。阻害濃度50(IC50)、すなわち50%の細胞毒性を誘発し得る薬剤濃度は、10μMから12.5μMの間であった。
同様に、JO−4Aは、腎臓癌腫(CAKI−1)細胞に対して20μMから40μMの間、リンパ節に転移した悪性黒色腫(RPMI−7951)に対して10μMから12.5μMの間のIC50を備えている。
図10は、正常なヒト細胞に対するJO−4Aの細胞毒性効果を示す。正常なヒト頸部上皮外面細胞、ヒト頸部上皮癌腫(HeLa)のコントロール細胞系を比色定量アッセイにおいて用いた場合、JO−4Aは>100μMのIC50を有した。HeLaのIC50投与量(10μMから12.5μMの間)は、正常の対照に対して6%の細胞毒性しか示さなかった。さらに、JO−4Aは、正常なヒトの末梢血液単核細胞に対して全く毒性を示さなかった。正常なヒト乳房上皮細胞および正常なヒト臍静脈内皮細胞に対するJO−4AのIC50濃度は類似していた(25μMから50μMの間)。
図11は、インビトロにおけるマウス悪性黒色腫細胞(B16−F1)に対するJO−4Aの細胞毒性効果に関するいくつかの実験の結果を示す。この結果は、JO−4Aが、B16−F1細胞に対して投与量依存細胞毒性効果を有することを示す。IC50濃度は、6.25μMから12.5μMの間であった。
実施例2
黒色腫腫瘍生育におけるJO−4Aのインビボにおける効果
図12は、C57BL/6(B6)マウスにおけるB16−F1黒色腫腫瘍に対するJO−4Aのインビボでの効果を示す。腫瘍移植後4日目からB6マウスにおいて毎日JO−4Aを経口投与することにより、試験された全部で4種の濃度のJO−4Aで顕著に腫瘍量が低減した(図12A)。さらに、JO−4Aの経口投与は、実験群におけるB6マウスの生存率も増大させた。未処理群における全てのマウス(n=6)が28日までに死亡してしまったのに対し、2mg/KgのJO−4Aで処理されたマウスの84%(5/6)が生存していた。さらに、1mg/Kgで処理された群の67%(4/6)、0.5mg/Kgで処理された群の60%(3/5)、並びに0.1mg/Kgで処理された群の17%(1/6)が生き延びた(図12B)。
図13は、2mg/KgのJO−4Aを処理した群のマウスと未処理群のマウスとの生存率の比較を示す。2mg/KgのJO−4Aで処理されたマウス群は、処理を20日目に停止したにもかかわらず、未処理群よりも長く生き延びた。
実施例3
インターフェロン−αと組み合わせたJO−4Aのインビトロにおける効果
図14は、インターフェロン−α(IFN−α)と組み合わせて用いられたJO−4Aが、インビトロで、ヒトの悪性黒色腫に対して加成的な生育阻害効果を生じることを示す。この結果は、JO−4Aと組み合わせた場合、IFN−αの効力を阻害することなく、IFN−αの投与量が8倍低減されることも示した。IFN−αの高い投与量は非常に有害であることから(Seminars in Oncology,Vol.24,No.1,Suppl.4,1997)、この結果はIFN−α治療を受けている患者に有用性を見出す。従って、本発明は、IFN−α治療の毒性を和らげる方法を含み、この方法は、IFN−αの投与量を低減するためにIFN−αを受けている患者に十分な量のJO−4Aを共投与することを含み、それによって患者に対するIFN−αの毒性の危険性を和らげる。
抗ウイルス
以下の材料および方法は、以下に記載された非限定的な実施例において用いられた。
末梢血液単核細胞(PBMC):ヘパリン化された静脈血を、健康な成人から入手し、PBMCをFicoll-Hypaque(Pharmacia Biotech,Piscataway,NJ)で遠心することによって分離した。この細胞をHBSS(ハンクスバランス塩溶液)で3回洗浄し、最後に20%胎児ウシ血清(American Qualex,San Clemente,CA)、10mMのグルタミン、100U/mlのペニシリンおよび100μg/mlのストレプトマイシン(Sigma Chemicals,Saint Louis,MO)を補足したRPMI−1640培地(Mediatech,Inc.,Herndon,VA)(完全培地)に再懸濁した。細胞の生存能力を、トリパンブルー色素排除試験によって調べ、細胞数を必要な濃度に調節した。
正常なアフリカミドリザルの腎細胞(CV−1):HybriwixTM Probe Systems由来のCV−1細胞:Herpes Antiviral Susceptibility Test kit(Diagnostic Hybrids,Inc.,Athens,OH)を、MTTアッセイによって、JO−4Aの毒性試験のために用いた。
インビトロHIV−1複製アッセイ:臨床的なヒトHIV−1単離物の薬剤感受性を調べるための標準化末梢血液単核細胞培養アッセイを利用した(Japour AJらAntimicro Agents Chemother 1993;37:1095-1101)。末梢血液単核細胞(2x106細胞/ml)を、37℃、5%CO2−95%空気加湿インキュベーター中で、72時間、完全培地中においてPHA(5μg/ml)で刺激した。3日目のPHA刺激PBMCを、20−24℃で10分間、400gで沈殿させた。上清を除去した。細胞を、3%のIL−2を補足した完全培養培地中に再懸濁した。細胞の生存能力を、0.4%のトリパンブルーを用いて測定した。生存能力は85%以上であった。細胞濃度を4x106/mlに調節した。細胞を、50μlの完全培養培地を含む96ウェルのミクロタイタープレートに、50μl量(2x105/ウェル)となるように分配した。HIV−1感染培養を、それぞれ、0.05と0.1の感染多重度(MOI)で、患者のHIV−1単離物(50μl/ウェル)を用いて開始した。JO−4Aを種々の濃度(0.0001μM−0.5μM)で50μl量となるようにウェルに添加した。このプレートを37℃、5%CO2、加湿チャンバー中で、7日間インキュベートした。4日目に、用いた半分の培地(100μl)を捨て、50μlの新鮮な完全培地と50μlの新鮮なJO−4A(上記の種々の濃度)を、用いられたJO−4Aを含むウェルに添加した。100μlの新鮮な培地を、薬剤を含まないウェルに添加した。7日目に、培養を終了させ、上清を製造者の推奨に従って酵素イムノアッセイ(EIA)キットによってHIVp 24抗原について試験した(CoulterTM HIV p24 Antigen Assay:Immunotech,Inc.,Westbrook,Maine)。
インビトロでの単純疱疹ウイルス(HSV)(タイプ1および2)複製アッセイ:薬剤の抗ウイルス活性は、HybriwixTM Probe Systems(Herpes Antiviral Susceptibility Test kit:Diagnostic Hybrids,Inc.,Athens,OH)を用いて測定された。簡単に言うと、HSV−1またはHSV−2単離物(ATCC,Rockville,MD)を、24ウェル平底プレートにおいて、アフリカミドリザル腎細胞に対して、60分間、加湿インキュベーター中で、37℃、5%CO2で予備吸着させた。予備吸着後、ウイルスの接種材料が除去され、種々の濃度の適切な薬剤を含む生育培地が適切なウェルに添加された。この培養を、ウイルスの増殖のために48時間続けた。各ウェルに存在するHSV DNAの定量は、核酸ハイブリダイゼーション法によって調べられた。細胞および/またはウイルスをDNAウィッキング剤を用いて溶解し、一本鎖DNAをウィッキング剤/DNA溶液の垂直毛細管吸着によりHybriwixTMフィルターに固定化した。各ウェルのHSVターゲットDNAの量は、HSV−1またはHSV−2配列に相同な、放射性(I125)−HSV DNAプローブ含有遺伝子配列を用いて測定された。HybriwixTMに存在する放射能の量は、培養後に存在するHSV DNAの量に依存し、ガンマカウンターで測定された(Packard Instrument Co.,Meriden,CT)。
比色定量MTTアッセイ:薬剤の細胞毒性効果を、比色定量アッセイによりインビトロで測定した(Mosmann.T.,J.Immunmol.Methods,65:55-63,1983)。簡単に言うと、96ウェル平底プレートのウェル(100μl)当たり1000個の細胞を、37℃、5%CO2−95%空気加湿インキュベーター中で、72時間、培養培地のみ、あるいは種々の濃度の薬剤と共に培養した。培養の最後に、PBS中の3−(4,5−ジメチルチアゾール−2イル)−2,5−ジフェニルテトラゾリウムブロミド(MTT)(Sigma Chemicals,Saint Louis,MO)の5mg/mlの無菌溶液の10μlをウェルごとに添加し、インキュベーションをさらに4時間行った。酸−イソプロパノール(イソプロパノール中に0.04NのHClを100μl)を全てのウェルに添加し、30分間室温に維持した。マルチチャンネルピペッターを用いて混合して紺青色の結晶を溶解させ、ELISAプレートリーダーを用いて545−650nmにおいて吸収を測定した。
当該方法で用いられた化合物
本発明の方法において試験されたハイポエストキシド化合物(式IV)は、JO−4A(式II)および、JO−4AのエステルであるJO−4(式I)を含む。
従って、本発明の方法は、治療に有効な量の式IVの少なくとも一つのハイポエストキシド化合物と薬学的に許容できるその塩を患者に投与することを含む。本発明の方法の好ましい実施態様は、HIVおよびHSV−2の生育を阻害するために、治療に有効な量の式IIの化合物(JO−4A)を含む薬学的組成物を投与する。本発明の方法の他の好ましい態様は、HSV−1またはIVおよびHSV−2の生育を阻害するために、治療に有効な量の式Iの化合物(JO−4)を含む薬学的組成物を投与する。
以下の実施例に示されているように、ヒトまたはその他の動物におけるインビボでの化合物の抗ウイルス活性を予測するインビトロでの標準に示されるようなウイルスの生育に対する影響によって示されるように、式IV(JO−4)およびII(JO−4A)の化合物は、それぞれ、HSV1とHSV2、およびHIVとHSV−2の生育を阻害するための薬剤として予期せぬ効果を有することが見出された。
ここで示される式I(JO−4)の化合物は、アフリカミドリザル腎細胞におけるHSV−1およびHSV−2の複製および生育を阻害し、患者における抗HSV−1または抗HSV−2活性を予測するために当該技術分野において周知の選別試験から、当業者は、JO−4が、抗ウイルス治療を必要とする患者においてHSV−1またはHSV−2の生育を阻害する方法に使用でき、それによってHSV−1またはHSV−2感染の病理学的影響を緩和すると考えるだろう。
ここで示されるように式IIの化合物(JO−4A)は、ヒトPBMCにおけるHIVおよびアフリカミドリザル腎細胞におけるHSV−2の複製および生育を阻害し、患者における抗HIVまたは抗HSV−2活性を予測するために当該技術分野において周知の選別試験から、当業者は、JO−4Aが、抗ウイルス治療を必要とする患者においてHIVまたはHSV−2の生育を阻害する方法に使用でき、それによってHIVまたはHSV−2感染の病理学的影響を緩和すると考えるだろう。
以下に記載された、インビトロ試験におけるHIVまたはHSVの生育を阻害する、式IVの化合物−特にJO−4およびJO−4Aの薬剤活性は、化合物およびそれらを含む薬学的組成物が、動物またはヒトの宿主においてHIVまたはHSVの生育を阻害することにおいてインビボで効力を有するという本願発明者等の結論の基礎を成すことが見出された。
実施例
実施例1
PBMCにおけるHIV生育に対するJO−4Aの抗ウイルス効果
図15Aは、患者から単離されたHIV−1に対するJO−4Aの阻害効果に関するいくつかの実験結果を示す。この結果は、JO−4AがHIV−1複製に関して投与量依存阻害効果を有することを示し、阻害濃度50(IC50)、すなわち50%阻害可能な薬剤濃度は、0.0001μMから0.01μMの間とされることが結論付けられた。
図15Bは、トリパンブルー色素排除試験による、培養されたヒトPBMCに対するJO−4Aの毒性試験結果を示す。JO−4Aは、試験されたいずれかの濃度において毒性効果を全く持たない。それゆえ、JO−4AによるHIV−1複製に対する阻害効果は、PBMCに対するJO−4Aの細胞毒性によるものではない。
実施例2
HSV−1およびHSV−2生育に対するJO−4の抗ウイルス効果
図16Aは、HSV−1複製に対するJO−4の抗ウイルス効果を示す。種々の濃度のJO−4を用いた培養の二日後、アフリカミドリザル腎細胞におけるHSV−1複製は12.5μMで60%阻害され、3.125μMで53%阻害された。かくして、HSV−1阻害に対するJO−4のIC50投与量は、〜3.125μMと測定された。
図16Bは、HSV−2複製に対するJO−4の抗ウイルス効果を示す。種々の濃度のJO−4を用いた培養の二日後、アフリカミドリザル腎細胞におけるHSV−2複製は12.5μMで65%阻害され、3.125μMで58%阻害された。HSV−1阻害に対するJO−4のIC50投与量は、<3.125μMと測定された。
図16Cは、HSV−2複製に対するJO−4Aの抗ウイルス効果を示す。種々の濃度のJO−4Aを用いた培養の二日後、アフリカミドリザル腎細胞におけるHSV−2複製は12.5μMで61%阻害され、3.125μMで51%阻害され、0.75μMで20%阻害された。HSV−2阻害に対するJO−4AのIC50投与量は、〜3.125μMと測定された。
実施例3
培養された細胞に対するJO−4およびJO−4Aの毒性の研究
図17Aおよび17Bは、正常な、未感染のアフリカミドリザル腎細胞(CV−1)に対するJO−4およびJO−4Aの毒性試験の結果を示す。CV−1細胞を、種々の濃度のJO−4およびJO−4Aの存在または不在下で72時間培養したとき、50%より大きい細胞毒性が高濃度の化合物(JO−4では>50μM;JO−4Aでは〜25μM)においてのみ得られた。それゆえ、JO−4およびJO−4AのHSV−1およびHSV−2複製に対する阻害効果は、CV−1細胞に対する薬剤の細胞毒性によるものではなかった。
添付されたクレームの精神および範囲は、ここに記載された好ましい形態の記載に限定されるべきでない。種々の他の選択、調節および変形を、本発明の範囲内で行うことができる。
Claims (8)
- 以下の式:
[式中、Rは、
H、PO3 =、置換または未置換の、直鎖状または分枝状の、0から6の二重結合を備えた1ないし12の炭素原子のアルキル、(CH2)nモルホリン(n=1−4)、モルホリノメチルフェニル、オルトアミノフェニル、オルトヒドロキシフェニル、(CH2)nCOOR2(n=1−4)
(式中、R2はH、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、NH4 +、N+(R3)4であって、R3はHおよび1ないし4の炭素原子のアルキルからなる群から独立に選択される)、または
COR1であって、R1は、H、(CH2)nCH3(n=0−6)、(CH2)nCOOR2(n=1−4、並びにR2は上記の通り)、(CH2)nN+(R3)4(n=1−4)、かつ、(CH2)nSO3 -(n=1−4)からなる群から選択される、
である]
を有する化合物を含む免疫抑制組成物。 - RがHである、請求項1記載の組成物。
- 前記R1が(CH2)nCH3(n=1−6)である、請求項1記載の組成物。
- 以下の式:
[式中、Rは、
H、PO 3 = 、置換または未置換の、直鎖状または分枝状の、0から6の二重結合を備えた1ないし12の炭素原子のアルキル、(CH 2 ) n モルホリン(n=1−4)、モルホリノメチルフェニル、オルトアミノフェニル、オルトヒドロキシフェニル、(CH 2 ) n COOR 2 (n=1−4)
(式中、R 2 はH、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、NH 4 + 、N + (R 3 ) 4 であって、R 3 はHおよび1ないし4の炭素原子のアルキルからなる群から独立に選択される)、または
COR 1 であって、R 1 は、H、(CH 2 ) n CH 3 (n=0−6)、(CH 2 ) n COOR 2 (n=1−4、並びにR 2 は上記の通り)、(CH 2 ) n N + (R 3 ) 4 (n=1−4)、かつ、(CH 2 ) n SO 3 - (n=1−4)からなる群から選択される、
である]
を有する化合物を含む、ガン細胞の生育阻害組成物。 - ガン細胞が、頸部癌腫、転移性黒色腫、腎細胞癌、精巣胎生期癌および結腸癌腫からなるガン細胞の群から選択される、請求項4記載の組成物。
- 以下の式:
[式中、Rは、
H、PO 3 = 、置換または未置換の、直鎖状または分枝状の、0から6の二重結合を備えた1ないし12の炭素原子のアルキル、(CH 2 ) n モルホリン(n=1−4)、モルホリノメチルフェニル、オルトアミノフェニル、オルトヒドロキシフェニル、(CH 2 ) n COOR 2 (n=1−4)
(式中、R 2 はH、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、NH 4 + 、N + (R 3 ) 4 であって、R 3 はHおよび1ないし4の炭素原子のアルキルからなる群から独立に選択される)、または
COR 1 であって、R 1 は、H、(CH 2 ) n CH 3 (n=0−6)、(CH 2 ) n COOR 2 (n=1−4、並びにR 2 は上記の通り)、(CH 2 ) n N + (R 3 ) 4 (n=1−4)、かつ、(CH 2 ) n SO 3 - (n=1−4)からなる群から選択される、
である]
を有する化合物を含む、レンチウイルスまたはヘルペトウイルス科のウイルスの生育阻害組成物。 - レンチウイルスが、HIV−1、HIV−2およびHTLVからなる群から選択される請求項6記載の組成物。
- ヘルペトウイルス科のウイルスが、単純疱疹ウイルス、エプスタイン-バーウイルス、サイトメガロウイルスおよび水痘-帯状疱疹ウイルスからなる群から選択される請求項6記載の組成物。
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