JP3817220B2 - 保冷梱包体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、氷詰めした野菜等の輸送に使用する保冷梱包体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、ブロッコリー等の高温に弱い野菜を輸送する際には、野菜を段ボール箱に氷詰めし、その段ボール箱を発泡スチロール製の身と蓋とから成る保冷ケースに入れ、この保冷ケースにより段ボール箱内の野菜を低温に保つと共に、氷が溶けて段ボール箱から滴り落ちる水を受け止めるようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のように発泡スチロール製の保冷ケースを使用した梱包では、保冷ケースの保管に大きなスペースを要し、使用後の保冷ケースを廃棄すると、環境に悪影響を及ぼす恐れがある。
【0004】
そこで、この発明は、扁平なシート材から組み立てられ、解体が容易で焼却処分が可能な厚紙を主材料として、保冷性及び耐水性に優れた保冷梱包体を構成しようとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、この発明に係る保冷梱包体は、厚紙製の外箱、トレー及び内箱と桁材とから成り、トレーを上広がりの形状として外箱の底部に挿入し、トレーの底壁上に桁材を置き、桁材の上に氷詰め野菜等の物品を収納した内箱を載せ、内箱をトレーから浮き上がらせると共に、内箱と外箱の周壁間に空間が形成されるようにしたのである。
【0006】
このような梱包体では、内箱と外箱の周壁間に確保された空気層により優れた保冷性が得られ、氷が溶けて内箱から滴り落ちる水がトレーで受け止められるので、外箱の底部が濡れることがなく、内箱が浮き上がるように支持されるので、内箱の底部がトレーに溜まった水に漬かることもない。
【0007】
また、内箱を外箱へ挿入する際、内箱がトレーの周壁で位置決めされるので、梱包作業を容易に行うことができる。
【0008】
さらに、外箱の内フラップと外フラップの側縁基部の間隔を詰めて、外箱の角部に隙間ができないようにしたので、保冷性が向上する。
【0009】
なお、上記トレーは、底壁の周囲に立設した端壁と側壁の側縁同士をコーナー片で繋ぎ、コーナー片を外側で二つ折りにして端壁の外面に沿わせ、端壁の上縁から延びる外端板をコーナー片に被さるように折り返し、外端板の先端両側部に切込により形成した差込片を端壁の外面とコーナー片の間に差し込み、外端板の端部と差込片とでコーナー片を挟み込むように構成したので、扁平な状態から簡単に組み立てられ、その組立形状が保持される。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
【0011】
この保冷梱包体は、図1及び図2に示すように、段ボール製の外箱1、トレー2及び内箱3と、発泡スチロール製の桁材4とから成り、外箱1の底部に上広がりのトレー2を挿入し、トレー2の底壁上に桁材4を置き、桁材4の上に氷詰め野菜等の物品を収納した内箱3を載せ、内箱3をトレー2から浮き上がらせると共に、内箱2と外箱1の周壁間に空間を形成したものとされている。
【0012】
前記外箱1は、各一対の端壁11及び側壁12から周壁を形成し、端壁11の下縁及び上縁から内フラップ13を、側壁12の下縁及び上縁から外フラップ14をそれぞれ延出し、内フラップ13に外フラップ14を重ね合わせて底面及び天面を閉止する構成となっている。
【0013】
ここで、図3に示すように、外箱1のブランク状態において、隣接する内フラップ13と外フラップ14の側縁には、スロット部15の基端側に切目だけを入れて突出部16が形成されている。このため、外箱1を封緘すると、図4に示すように、その角部に隙間ができず、外箱1の内部から冷気の放散が防止される。
【0014】
また、前記トレー2は、防水樹脂ライナーを用いた段ボールを材料として、図5に示すようなブランクから組み立てられる。このブランクでは、底壁21の周囲に各一対の端壁22及び側壁23が連設され、端壁22と側壁23の側縁同士が中央に折目を有するコーナー片24で繋がれている。
【0015】
前記端壁22の先端縁には、頂板25を介して外端板26が連設され、この外端板26の先端両側部には、切込により差込片27が形成されている。また、側壁23の先端縁には外側板28が連設されている。
【0016】
このブランクは、図6及び図7に示すように、コーナー片24を外側で二つ折りにして端壁22の外面に沿わせ、頂板25を外方へ折り曲げて、外端板26をコーナー片24に被さるように折り返し、差込片27を端壁22の外面とコーナー片24の間に差し込み、外端板26の端部と差込片27とでコーナー片24を挟み込むと共に、外側板28を外側へ折り返して組み立てる。
【0017】
また、前記内箱3は、図1に示すように、各一対の端壁31及び側壁32から周壁を形成し、端壁31の下縁及び上縁から内フラップ33を、側壁32の下縁及び上縁から外フラップ34をそれぞれ延出して重ね合わせ、その全面に耐水性を高めるためワックスを塗布したものとされている。
【0018】
上記のような梱包体では、図2に示すように、内箱3と外箱1の周壁間に確保された空気層により優れた保冷性が得られ、氷が溶けて内箱3から滴り落ちる水がトレー2で受け止められるので、外箱1の底部が濡れることがなく、トレー2から内箱3が浮き上がっているので、内箱3の底部がトレー2に溜まった水に漬かることもない。
【0019】
また、トレー2は、扁平な状態から簡単に組み立てられ、その組立形状が保持されるので、外箱1へ容易に挿入でき、内箱3を外箱1へ挿入する際、内箱3がトレー2の周壁で位置決めされるので、梱包作業を容易に行うことができる。
【0020】
【発明の効果】
以上のように、この発明に係る梱包体では、内箱と外箱の周壁間に確保された空気層により優れた保冷性が得られると共に、氷が溶けて内箱から滴り落ちる水がトレーで受け止められるので、外箱の底部が濡れることがなく、外箱の強度が維持され、内箱が浮き上がるように支持されるので、内箱の底部がトレーに溜まった水に漬かることもなく、野菜等の傷みが防止される。
【0021】
また、トレーは、扁平な状態から簡単に組み立てられ、その組立形状が保持されるので、外箱へ容易に挿入でき、内箱を外箱へ挿入する際、内箱がトレーの周壁で位置決めされるので、梱包作業を容易に行うことができる。
【0022】
さらに、外箱の内フラップと外フラップの側縁基部の間隔を詰めて、外箱の角部に隙間ができないようにしたので、保冷性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る保冷梱包体の分解斜視図
【図2】同上の保冷梱包体の縦断側面図
【図3】同上の外箱のブランクの部分拡大図
【図4】同上の外箱の封緘状態の部分拡大斜視図
【図5】同上のトレーのブランクを示す図
【図6】同上のトレーの組立過程の部分拡大斜視図
【図7】同上のトレーの組立状態の部分拡大斜視図
【符号の説明】
1 外箱
2 トレー
3 内箱
4 桁材
13 内フラップ
14 外フラップ
21 底壁
22 端壁
23 側壁
24 コーナー片
26 外端板
27 差込片
Claims (1)
- 厚紙製の外箱1、トレー2及び内箱3と桁材4とから成り、トレー2を上広がりの形状として外箱1の底部に挿入し、トレー2の底壁上に桁材4を置き、桁材4の上に物品を収納した内箱3を載せ、内箱3をトレー2から浮き上がらせると共に、内箱3と外箱1の周壁間に空間が形成されるようにし、外箱1として、内フラップ13と外フラップ14の側縁基部の間隔を詰めて、外箱1の角部に隙間ができないようにしたものを用い、トレー2として、底壁21の周囲に各一対の端壁22及び側壁23を立設し、隣接する端壁22と側壁23の側縁同士をコーナー片24で繋ぎ、このコーナー片24を外側で二つ折りにして端壁22の外面に沿わせ、端壁22の上縁から延びる外端板26をコーナー片24に被さるように折り返し、外端板26の先端両側部に切込により形成した差込片27を端壁22の外面とコーナー片24の間に差し込み、外端板26の端部と差込片27とでコーナー片24を挟み込むものを用いた保冷梱包体。
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