JP3817004B2 - 使い捨てプリッカ - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、糖尿病等の検査の試料として血液を少量採取するために用いられる使い捨てプリッカに関する。
【0002】
【従来の技術】
通常は、ランセット先端が筐体内にあるようにスプリング付勢式ランセットを保持している細長い筐体と、スプリング手段に位置エネルギーが蓄勢される完全引き込み位置にランセットを保持し、且つランセット先端が筐体の前方端から突出する一時的な位置へ上記ランセットを解除駆動するトリガー機構と、初めはランセット先端に被さり、頭部が筐体外に突出したキャップとを具備してなり、該キャップは、ランセットを引き込めるための細長い手段であり、この引き込めた時、捩じってランセットから破断出来て上記先端が露出される使い捨て穿刺装置(特表平7−505307号、EPA0433050号公報等参照)が従来から知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、部品数が少なく且つ組み立てが簡単な使い捨て形式の穿刺装置を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するため、患者の皮膚を穿刺する針先とその先端を覆う分離可能なキャップとを含む、合成樹脂で一体成形された細長いランセットと、該ランセットを前後方向に、後退位置から休止位置を越えて前進位置まで、摺動自在に保持する筐体と、前記ランセットと筐体の間に介在し、通常、前記針先が前記筐体内の休止位置にあるように、前記ランセットを維持するバネ手段と、該バネ手段に抗して後退された後退位置に前記ランセットを係止し、この係止が解除されると、前記筐体の前端から一時的に針先が所定長さ突出する前進位置へとランセットがバネの作用で発射されることを許すトリガー手段とからなる使い捨てプリッカおいて、前記ランセットは、中間部に、自由端が押されると内側に弾性変形する可撓腕を一体に有し、前記筐体は、先端側が大径部で後端側が小径部の逆漏斗状をなすとともに、前記大径部と小径部の間の斜面に前記可撓腕の自由端が筐体の外側に突出するよう係止する係止開口を有し、かつ、前記ランセットの一部が、該ランセットが後退位置、休止位置及び前進位置のいずれにあっても、前記筐体の小径部内において摺動自在に保持されている構成としてある。
【0005】
また、本発明は、患者の皮膚を穿刺する針先とその先端を覆う分離可能なキャップとを含む、合成樹脂で一体成形された細長いランセットと、該ランセットを前後方向に、後退位置から休止位置を越えて前進位置まで、摺動自在に保持する筐体と、前記ランセットと筐体の間に介在し、通常、前記針先が前記筐体内の休止位置にあるように、前記ランセットを維持するバネ手段と、該バネ手段に抗して後退された後退位置に前記ランセットを係止し、この係止が解除されると、前記筐体の前端から一時的に針先が所定長さ突出する前進位置へとランセットがバネの作用で発射されることを許すトリガー手段とからなる使い捨てプリッカおいて、前記ランセットは、中間部に、自由端が内側に弾性変形する可撓腕を一体に有し、前記筐体は、内部に前記可撓腕の自由端を解除可能に係止する係止部を設け、前記バネ手段は、前記ランセットを発射させるための圧縮ばねと休止状態において前記針を前記筐体内に留め置くための補助ばねを有し、前記ランセットが後退位置にあるときにのみ、前記ランセットの後端が前記筐体の後端から突出するとともに、前記可撓腕の自由端が前記係止部に係止する構成としてある。
【0006】
次に、本発明の実施例について説明する。
図1ないし6に示す実施例において、1は患者の皮膚を穿刺する針先を備えた細長いランセットで、金属製の針1aと、その針先を保護するキャップ1bと、後述する可撓腕4aとを含み、それらは該金属製の針の外側を合成樹脂で覆うように一体にインサート成形されたもので、該金属製の針と保護キャップとの間には、そこから該キャップを捩じ切るための薄弱部1cが成形されている。
【0007】
2は先端側が広く(大径部)後端側が狭く(小径部)なった、逆漏斗状の筐体で、該ランセットを前進ないし後退位置の間で摺動自在に担持し、その小径部と大径部との間の斜面には係止開口4bが形成されている。
3は該ランセットと筐体との間で作用する圧縮コイルバネ(バネ手段)で、その一端は該筐体の小径部に嵌合され、他端はランセットの中央部に嵌合され、自然状態において、該金属製の針先が筐体の中に留まる休止位置に該ランセットを保持している。
【0008】
4aは該ランセットの一部を構成する合成樹脂製の可撓腕で、該ランセットの軸線に対して横方向に弾性変形可能な自由端を左右に一対有し、該自由端は、該ランセットが休止位置から後退位置に後退される過程で、筐体の斜面に形成された前記係止開口4bに係合する。本実施例では、可撓腕4aと係止開口4bが、トリガー手段4を形成している。
【0009】
5は中央に前記キャップの挿通する透孔を有する蓋体で、該ランセットが組み込まれた後に該筐体の広口の先端開口に対して嵌合固定される。該蓋体は、該ランセットが発射されて前進位置に移動したときに、該係止片と当接し、それ以上の該ランセットの前進を阻止する。なお、筐体先端と皮膚との距離が一定となる構成であれば、該蓋体は必ずしも必要でなく、筐体に対して設けられた突起やピン等の障害物によっても置換することができる。また、前記可撓腕は左右対称でなく、その何れか片側だけでもよい。
【0010】
〔組立て〕
本実施例に係るプリッカを組み立てるには、まず、筐体2の小径部に圧縮コイルバネ3を押し込み、その先端を筐体に対して適当な嵌め合い手段で嵌合固定する。次に、この筐体に対して、キャップ1bを後ろにしてランセットを広口の先端開口から挿入する(図2)。その際、該ランセットは圧縮コイルバネに抗して位置エネルギーを蓄積しながら後退する。このとき、可撓腕4aの自由端は該筐体の次第に狭まる内壁面の斜面に摺接することで一旦横方向に弾性変形された後、該筐体の斜面に設けられた係止開口4bに到ると、該係止開口4bから該筐体の外側に突出する。
【0011】
ここで、さらにランセットを押し込むと、圧縮コイルバネの後端が可撓腕4aの付け根においてランセットに適当な嵌め合い手段で嵌合固定される。この結果、圧縮コイルバネは、その一端が該筐体の小径部に、他端がランセットに嵌合され、また、該ランセットは該圧縮コイルバネに抗して後退位置において筐体に係止されることとなる。最後に、該筐体の先端開口に蓋体5を嵌合固着することで該プリッカの組立てを終わる(図3)。
【0012】
〔操作〕
上記したようにして組み立てられた該プリッカは、該ランセットのキャップ1bが前記薄弱部1cから捩じ取られて、針先1aが露出される(図4)。その後、該筐体の係止開口4bから外側に突出しているランセットの可撓腕4aの自由端が、指等によって内側に押し込まれると、該筐体とランセットとの係合が解除され、該ランセットは蓋体5でその前進を阻止される前進位置まで該圧縮コイルバネの作用で急激に前進する(図5)。その後、圧縮コイルバネは元の長さに戻り、該ランセットは休止位置まで後退する(図6)。
【0013】
実施例2
図7ないし11に他の実施例を示す。なお、上記実施例1と同様な部材には同一の符号を付すことで、それらの説明を省略する。
本実施例のものは、図7ないし11に示すように、筐体1の内部に係止部4bを設けてある。この係止部4bは、蓋体5を筐体1に取り付けるための係止部を兼用している。
そして、ランセット1は、後退位置にあるときにのみ、後端が筐体2の後端から突出するとともに、可撓腕4aの自由端が係止部4bに係止する。
【0014】
実施例2が実施例1と異なる次の点は、バネ手段の装着方法である。
すなわち、前記実施例では、圧縮コイルバネ3が一つであったから、該圧縮コイルバネの一端を筐体側に、他端をランセット側にそれぞれ嵌合固着していた。しかし、本実施例では、ランセットを挟んで反対側にも弱い圧縮コイルバネを補助バネ32として設ける構成としたから、主圧縮コイルバネ31の端部は単に対応する部材に当接するだけで嵌合していない。該補助バネは、休止状態において、ランセットの針先を筐体内に留め置く機能を果たすためのものであり、シリコンゴム等の他のバネ材で置換することもできる。
なお、本実施例においては、ランセットの後端を押すことにより、可撓腕4aの自由端が係止部4bから外れて、圧縮コイルバネ31の力でランセットが発射される。
【0009】
【発明の効果】
本発明は以上のように構成されているから、構造が簡単で、筐体に対してランセットを挿入するだけでそれらが組み立てられるから、自動組立てが容易である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 は本発明に係るプリッカの一実施例の分解組立図。
【図2】 は同じくその組立て完了前の断面図。
【図3】 は同じくランセットが後退位置にある組立て完了後の断面図。
【図4】 は同じくその位置でキャップが捩じ取られた状態の断面図。
【図5】 は同じくランセットが前進位置まで発射された状態の断面図。
【図6】 は同じくランセットがバネ手段の自由長に対応して休止位置にある状態の断面図。
【図7】 は他の実施例を示す分解組立て図。
【図8】 は同じく図3に対応する断面図。
【図9】 は同じく図4に対応する断面図。
【図10】 は同じく図5に対応する断面図。
【図11】 は同じく図6に対応する断面図。
【符号の説明】
1......ランセット
2......筐体
3、31...バネ手段
4......トリガー手段
Claims (2)
- 患者の皮膚を穿刺する針先とその先端を覆う分離可能なキャップとを含む、合成樹脂で一体成形された細長いランセットと、
該ランセットを前後方向に、後退位置から休止位置を越えて前進位置まで、摺動自在に保持する筐体と、
前記ランセットと筐体の間に介在し、通常、前記針先が前記筐体内の休止位置にあるように、前記ランセットを維持するバネ手段と、
該バネ手段に抗して後退された後退位置に前記ランセットを係止し、この係止が解除されると、前記筐体の前端から一時的に針先が所定長さ突出する前進位置へとランセットがバネの作用で発射されることを許すトリガー手段とからなる使い捨てプリッカおいて、
前記ランセットは、中間部に、自由端が押されると内側に弾性変形する可撓腕を一体に有し、
前記筐体は、先端側が大径部で後端側が小径部の逆漏斗状をなすとともに、前記大径部と小径部の間の斜面に前記可撓腕の自由端が筐体の外側に突出するよう係止する係止開口を有し、
かつ、前記ランセットの一部が、該ランセットが後退位置、休止位置及び前進位置のいずれにあっても、前記筐体の小径部内において摺動自在に保持されている
ことを特徴とする使い捨てプリッカ。 - 患者の皮膚を穿刺する針先とその先端を覆う分離可能なキャップとを含む、合成樹脂で一体成形された細長いランセットと、
該ランセットを前後方向に、後退位置から休止位置を越えて前進位置まで、摺動自在に保持する筐体と、
前記ランセットと筐体の間に介在し、通常、前記針先が前記筐体内の休止位置にあるように、前記ランセットを維持するバネ手段と、
該バネ手段に抗して後退された後退位置に前記ランセットを係止し、この係止が解除されると、前記筐体の前端から一時的に針先が所定長さ突出する前進位置へとランセットがバネの作用で発射されることを許すトリガー手段とからなる使い捨てプリッカおいて、
前記ランセットは、中間部に、自由端が内側に弾性変形する可撓腕を一体に有し、
前記筐体は、内部に前記可撓腕の自由端を解除可能に係止する係止部を設け、
前記バネ手段は、前記ランセットを発射させるための圧縮ばねと休止状態において前記針を前記筐体内に留め置くための補助ばねを有し、
前記ランセットが後退位置にあるときにのみ、前記ランセットの後端が前記筐体の後端から突出するとともに、前記可撓腕の自由端が前記係止部に係止する
ことを特徴とする使い捨てプリッカ。
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JP35755196A JP3817004B2 (ja) | 1996-12-29 | 1996-12-29 | 使い捨てプリッカ |
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JP35755196A Expired - Fee Related JP3817004B2 (ja) | 1996-12-29 | 1996-12-29 | 使い捨てプリッカ |
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