JP3814197B2 - キャニスタ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、熱発生を伴う放射性物質を封入した密閉金属容器、いわゆるキャニスタに関する。
【0002】
【従来の技術】
原子炉の使用済燃料に代表される高放射性物質は、プルトニウム等の再度燃料として使用可能な有用物質を回収するため、再処理される。そして、これらの使用済燃料は、再処理を行うまでの間、密閉された状態で貯蔵されている。このような高放射性物質の貯蔵方法としては、キャスク等による乾式法が知られている。
【0003】
乾式法は、水に代わり空気によって自然冷却を行う貯蔵方法であり、湿式法に比較して運転コストが低いことから注目を集め、開発が進められている。また、乾式法に用いるキャスクには種々の構造のものがあるが、コンクリート構造物によって使用済燃料を遮蔽するコンクリートキャスクは、低コストであることから特に注目されている。コンクリートは、中性子遮蔽材として優れ、他の遮蔽材よりも安価であるとともに、構造体として必要な強度が得られる等の利点も備えている。
【0004】
このようなコンクリートキャスクは、上部および底部が閉塞された筒状のコンクリート容器を備え、このコンクリート容器内には、使用済燃料が封入された筒状の金属密閉容器、いわゆるキャニスタ、が収納されている。一般に、キャニスタは、底部が閉塞された筒状の容器本体と、容器本体に溶接され容器本体の上部を閉塞した蓋体と、を備えている。
【0005】
キャニスタは、使用済燃料から発生した崩壊熱により加熱され200℃程度の高温となるため、コンクリートキャスクには、崩壊熱を除熱するための除熱構造が設けられている。すなわち、コンクリート容器の内周面とキャニスタの外面との間には、冷却空気流路として機能する隙間が形成され、コンクリート容器の底部には吸気口が、また、容器の上部には排気口がそれぞれ設けられている。そして、吸気口からコンクリート容器内に導入された冷却空気としての外気を、冷却空気流路を流して自然循環させ排気口から排出することにより、キャニスタを除熱し冷却している。
【0006】
このように構成されたコンクリートキャスクでは、上述した除熱構造により使用済燃料の冷却、コンクリート層により放射線の遮蔽、キャニスタにより使用済燃料の密封を担保している。そして、コンクリートキャスクは、高放射性物質を長期間に亘って安全に、かつ、安定して保管する必要があり、長期間に亘って高い放射線遮蔽性能が要求される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、コンクリートキャスク内に収納されたキャニスタは、自然循環冷却により外気に接触するため、コンクリートキャスクを海岸付近に設置した場合、海塩粒子によりキャニスタの腐食、応力腐食割れを発生する恐れがある。特に、キャニスタの温度は、通常、下部に比較して上部が高くなる。そのため、長期間の貯蔵により使用済燃料の発熱量が低下しキャニスタ全体の温度が低下してくると、キャニスタ下部が露点温度以下に下がる可能性がある。この場合、冷却空気中の水分が結露しキャニスタ下部の外面に付着するため、一般的な耐食材料であるSUS304、316等を用いた場合には腐食および応力腐食割れの発生が懸念される。
【0008】
そして、上記のようなキャニスタの腐食、応力腐食割れ等が発生した場合、放射線の遮蔽、放射性物質の密閉を担保することができず、安全性および健全性を維持することが困難となる場合がある。
【0009】
上記のような腐食、応力腐食割れを防止するため、キャニスタ全体を耐食性の高い材料で形成することも考えられるが、この場合、キャニスタの製造コストが増加し現実的でない。また、蓋体の溶接性を考慮した場合、容器本体と蓋体との寸法公差を非常に厳しく設定する必要がある。そのため、蓋体の外周面だけでなく容器本体の内面を機械加工することにより寸法精度を上げる必要があるが、上記のような耐食性の高い材料を使用した場合、溶接性および加工性が低下し、必要な寸法公差を得ることが困難となる。
【0010】
この発明は以上の点に鑑みなされたもので、その目的は、放射性物質を長期間に亘って安全にかつ安定して貯蔵可能なキャニスタを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、この発明の一態様に係るキャニスタは、次の手段を提案するものである。
(1)底壁により下端開口が閉塞されているとともに、放射性物質を収納したほぼ筒状の金属製の容器本体と、上記容器本体の上端開口に溶接され、この上端開口を閉塞した蓋体と、を備え、上記容器本体は、上記底壁を含む下部と、下部に続く中間部と、上記蓋体が溶接された上部と、を有し、上記下部は中間部および上部よりも耐食性の高い材料により形成され、上記上部は所定の寸法に機械加工された内周面を有しているとともに上記中間部に溶接されており、上記蓋体は、上記上部の内周面に溶接された一次蓋および二次蓋とよりなり、同二次蓋の内面には、複数の凹所が形成され、二次蓋の内面は、同凹所を除き、一次蓋の上面に密着している。
【0012】
(2)底壁により下端開口が閉塞されているとともに、放射性物質を収納したほぼ筒状の金属製の容器本体と、上記容器本体の上端開口に溶接され、この上端開口を閉塞した蓋体と、を備え、上記容器本体は、上記底壁を含む下部と、下部に続く中間部と、上記蓋体が溶接された上部と、を有し、上記下部の外面は、上記下部および中間部よりも耐食性の高い材料からなるライナにより覆われ、上記上部は所定の寸法に機械加工された内周面を有しているとともに上記中間部に溶接されており、上記蓋体は、上記上部の内周面に溶接された一次蓋および二次蓋とよりなり、同二次蓋の内面には、複数の凹所が形成され、二次蓋の内面は、同凹所を除き、一次蓋の上面に密着していることを特徴としている。
(3)上記(1)又は(2)のキャニスタにおいて、上記耐食性の高い材料は、オーステナイト2相ステンレス鋼、スーパーステンレス鋼、インコネル625、ハステロイのいずれかを含んでいることを特徴とする。
【0013】
(4)底壁により下端開口が閉塞されているとともに、放射性物質を収納したほぼ筒状の金属製の容器本体と、上記容器本体の上端開口に溶接され、この上端開口を閉塞した蓋体と、を備え、上記容器本体は、上記底壁を含む下部と、下部に続く中間部と、上記蓋体が溶接された上部と、を有し、上記下部の外面は、上記下部および中間部よりも耐食性の高い材料によりコーティングされ、上記上部は所定の寸法に機械加工された内周面を有しているとともに上記中間部に溶接されており、上記蓋体は、上記上部の内周面に溶接された一次蓋および二次蓋とよりなり、同二次蓋の内面には、複数の凹所が形成され、二次蓋の内面は、同凹所を除き、一次蓋の上面に密着していることを特徴としている。
(5)上記(4)のキャニスタにおいて、上記コーティングは、セラミックあるいはアルミ系材料を溶射して形成されていることを特徴とする。
(6)上記(1)ないし(5)のいずれかのキャニスタにおいて、上記容器本体の下部および中間部は、一体に形成されていることを特徴とする。
【0014】
上記のように構成されたキャニスタによれば、腐食や応力腐食割れの発生し易い容器本体の下部を耐食性の高い材料で形成、被覆、あるいはコーティングすることにより、キャニスタの下部外面において、海塩粒子等を含んだ水分が結露した場合でもキャニスタの腐食および応力腐食割れの発生を確実に防止することができる。それにより、放射性物質を長期間に亘って安全にかつ安定して貯蔵可能なキャニスタを提供することができる。
【0015】
また、容器本体の上部は、所定の寸法に機械加工された内周面を有しているとともに上記中間部に溶接された構成とすることにより、容器本体と蓋体との寸法公差を非常に厳しく設定することが可能となる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下図面を参照しながら、この発明の第1の実施の形態に係るキャニスタを備えたコンクリートキャスクについて詳細に説明する。
【0017】
図1ないし図3に示すように、コンクリート製貯蔵容器としてのコンクリートキャスク10は、コンクリートにより形成され遮蔽構造体として機能するコンクリート容器12を備え、このコンクリート容器内には、キャニスタ14が収納されている。キャニスタ14は、金属によって形成されているとともに両端が閉塞した円筒形状の密閉容器15を有し、この密閉容器内には、バスケット16により支持された状態で、使用済燃料集合体18が複数体封入されている。これらの使用済燃料集合体18は、崩壊熱に伴う発熱と放射線の発生を伴う放射性物質を含んでいる。そして、密閉容器15は、封入された内部の放射性物質が外部に漏洩しないよう、溶接密閉構造を有している。
【0018】
コンクリートキャスク10のコンクリート容器12は、図1および図2に示すように、底部の閉塞された円筒形状を有し、例えば、高さ約6m、直径約4m程度に形成され、また、コンクリートの壁厚は、約0.9〜1.0m程度に形成されている。コンクリート容器12の上端開口は、外面が炭素鋼板によって覆われたコンクリート製の蓋20により閉塞されている。この蓋20は、複数のボルト21によりコンクリート容器12の上端にボルト止めされている。なお、コンクリート容器12のコンクリート壁内には、図示しない配筋が施されている。
【0019】
コンクリート容器12内には、コンクリート容器の内周面および蓋20により、円柱形状の収納部22が規定されている。そして、この収納部22内にキャニスタ14が収納されている。キャニスタ14は、収納部22の底面に形成された複数のリブ31上に載置されているとともに、コンクリート容器12と同軸的に配置されている。また、キャニスタ14は、その外周面がコンクリート容器12の内周面との間に所定の隙間、例えば、10cm程度の隙間を持った状態で、収納部22内に収納されている。
【0020】
そして、キャニスタ14の外周面とコンクリート容器12の内周面との間の隙間により、冷却空気が流れる冷却空気流路24が形成されている。この冷却空気流路24は、キャニスタ14の外周面の全周に亘って、かつ、外周面の軸方向全長に亘って形成されている。
【0021】
コンクリート容器12の底部には複数、例えば、4つの吸気口26が形成され、また、コンクリート容器12の上端部には、例えば、4つの排気口28が形成され、それぞれ冷却空気流路24に連通している。4つの吸気口26は、コンクリート容器12の円周方向に沿って互いに等間隔離間して設けられ、コンクリート容器12の底部外周面に開口している。また、排気口28は、コンクリート容器12の円周方向に沿って互いに等間隔離間して設けられ、コンクリート容器12の上端部外周面に開口している。
【0022】
これらの吸気口26、排気口28、および冷却空気流路24は、空気の自然循環冷却によりコンクリートキャスク10を除熱する除熱部を構成している。すなわち、吸気口26からコンクリート容器12内に導入された冷却空気としての外気は、冷却空気流路24を通ってキャニスタ14の周囲を流れ、その間、キャニスタ14およびコンクリート容器12を除熱し冷却する。そして、キャニスタ14からの熱によって加熱され昇温した冷却空気は、排気口28からコンクリート容器12の外部に排出される。
【0023】
一方、コンクリート容器12の内周面には、炭素鋼等の金属からなる円筒状のライナ30が設けられている。金属からなるライナ30は、コンクリートに比較して伝熱性が高く、使用済燃料集合体18から発生した熱の伝熱を促進するとともに、使用済燃料集合体18からの放射線、主としてγ線、を遮蔽する機能を有している。
【0024】
次に、キャニスタ14の構成について詳細に説明する。
図4に示すように、キャニスタ14の密閉容器15は、底壁41によって下端が閉塞された筒状の容器本体40と、容器本体の上端開口に溶接されこの上端開口を閉塞した蓋体と、を備えている。容器本体40は、底壁41を含む下部40aと、下部に続く中間部40bと、蓋体が溶接された上部40cと、を有している。
【0025】
容器本体40の中間部40bは、SUS304、SUS316等の耐食性を有した金属により形成され、また、容器本体の下部40aは、中間部40bおよび上部40cを構成する材料よりも耐食性の高い金属により形成され、中間部40bに溶接されている。下部40aを構成する材料としては、SUS329J4Lのようなオーステナイト2相ステンレス鋼、インコネル625、ハステロイ、クロム+3Moを約37%以上含有したスーパーステンレス鋼、等が用いられている。
【0026】
更に、上部40cは、加工性、溶接性に優れているとともにある程度の耐食性を備えた金属、例えば、SUS304、SUS316等により形成されている。上部40cの内周面43は、予め所定の寸法および径dに機械加工された機械加工領域42を有している。そして、この上部40cは、中間部40bの上端に溶接されている。
なお、容器本体40の軸方向の長さをLとした場合、下部40aの軸方向長さは約L/4、中間部40bの軸方向長さは約5L/8程度に形成されている。
【0027】
中間部40bの上端部内周面には複数、例えば4つの支持台44が固定され、円周方向に沿って互いに等間隔離間して設けられている。この支持台44上には、円環状の支持板45を介して、円盤状の遮蔽板46が載置され、容器本体40の上端開口部を閉塞している。なお、支持板45と遮蔽板46との間は、図示しない金属Oリングにより遮蔽されている。
【0028】
また、容器本体40の上端開口部内には、遮蔽板46に重ねて円盤状の一次蓋48および円盤状の二次蓋50が順に装着され、容器本体の上端開口を閉塞している。一次蓋48および二次蓋50は外周部は、全周に亘って、上部40cの内周面43に溶接されている。特に、一次および二次蓋48、50は、上部40cの内周面43の内、機械加工された機械加工領域42に溶接されている。
【0029】
なお、一次および二次蓋48、50はキャニスタ14の蓋体として機能し、これら一次および二次蓋の外周面は予め所定の寸法に加工されている。また、二次蓋50の内面には、複数の凹所52が形成されている。そして、二次蓋50の内面は、これらの凹所52を除き、一次蓋48の上面に密着している。これら複数の凹所52によって一次蓋48と二次蓋50との間には、モニタリングの検査空間として機能する密閉空間が形成され、この密閉空間内は負圧あるいは正圧に維持されている。これにより、キャニスタ14内部と外部との間に圧力障壁が形成され、モニタリングが可能となる。
【0030】
上記のように構成されたコンクリートキャスク10によれば、コンクリート容器12内に収納されたキャニスタ14の容器本体40は、使用済燃料集合体18からの熱により加熱されて温度上昇し、その際、容器本体の中間部40bおよび上部40cは下部40aに比較して高温となる。長期間の貯蔵により使用済燃料集合体18の発熱量が低下し容器本体40全体の温度が低下してくると、下部40aが露点温度以下に下がる可能性がある。そして、容器本体40の外面は冷却空気流路24を流れる外気に晒されているため、冷却空気中の水分が容器本体40の下部表面上に結露する恐れがある。
【0031】
しかしながら、容器本体40の下部40aは、耐食性の高い材料により形成されていることから、海塩粒子等を含んだ水分が結露した場合でも容器本体下部40aにおける腐食および応力腐食割れの発生を確実に防止することができる。一方、容器本体40の中間部40bおよび上部40cは比較的高温に維持されるため、冷却空気中に海塩粒子が含まれている場合でも、水分は完全に蒸発してしまうため、腐食および応力腐食割れが生じることはない。従って、上記キャニスタ14およびこれを備えたコンクリートキャスク10によれば、放射性物質を長期間に亘って安全にかつ安定して貯蔵することが可能となる。同時に、容器本体の中間部および上部を比較的安価な材料を用いて形成していることから、キャニスタの製造コスト低減を図ることが可能となる。
【0032】
また、容器本体40の上部40cは、予め所定の寸法に機械加工された内周面を有しているとともに中間部40bに溶接された構成とすることにより、容器本体と蓋体との寸法公差を非常に厳しく設定することが可能となる。更に、上部40cとして、溶接性および加工性に優れた材料を選択することができ、その結果、容器本体40と蓋体とを高い精度で欠陥なく溶接することが可能となる。
【0033】
図5に示すこの発明の第2の実施の形態に係るキャニスタ14によれば、容器本体40の下部40aおよび中間部40bは、SUS304、SUS316等の耐食性を有した金属により一体に形成され、また、下部40aは、容器本体を構成する材料よりも耐食性の高い金属からなる筒状のライナ54によって覆われている。ライナ54を構成する材料としては、オーステナイト2相ステンレス鋼、インコネル625、ハステロイ、スーパーステンレス鋼、等が用いられている。
【0034】
図6に示すこの発明の第3の実施の形態に係るキャニスタ14によれば、容器本体40の下部40aおよび中間部40bは、SUS304、SUS316等の耐食性を有した金属により一体に形成され、また、下部40aの外面は、容器本体を構成する材料よりも耐食性の高い金属によりコーティングされている。このコーティング層56は、セラミックあるいはアルミ系材料を溶射して形成されている。
【0035】
上記のように構成された第2および第3の実施の形態に係るキャニスタ14においても、耐食性の高い材料からなるライナ54あるいはコーティング層56を設けることにより、前述した第1の実施の形態と同様に、容器本体の下部40aにおける腐食および応力腐食割れの発生を確実に防止することができる。従って、上記キャニスタ14およびこれを備えたコンクリートキャスク10によれば、放射性物質を長期間に亘って安全にかつ安定して貯蔵することが可能となる。同時に、第1の実施の形態に比較して、キャニスタ14の製造コスト低減を図ることができる。
【0036】
第2および第3の実施の形態において、他の構成は第1の実施の形態と同一であり、同一の部分には同一の参照符号を付してその詳細な説明を省略する。
【0037】
なお、この発明は上述した実施の形態に限定されることなく、この発明の範囲内で種々変形可能である。例えば、キャニスタに使用する各材料は、上述した実施の形態に限定されることなく必要に応じて種々選択可能である。また、キャニスタの容器本体の下部、中間部、上部の軸方向長さは上述した実施の形態に限定されることなく、使用状況に応じて種々変更可能である。
【0038】
【発明の効果】
以上詳述したように、この発明によれば、腐食や応力腐食割れの発生し易い容器本体の下部を耐食性の高い材料で形成、被覆、あるいはコーティングすることにより、キャニスタの下部外面において、海塩粒子等を含んだ水分が結露した場合でもキャニスタの腐食および応力腐食割れの発生を確実に防止することができる。それにより、放射性物質を長期間に亘って安全にかつ安定して貯蔵可能なキャニスタを提供することができる。
【0039】
また、容器本体の上部は、所定の寸法に機械加工された内周面を有しているとともに上記中間部に溶接された構成とすることにより、容器本体と蓋体との寸法公差を非常に厳しく設定することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施の形態に係るコンクリートキャスクを一部破断して示す斜視図。
【図2】上記コンクリートキャスクの縦断面図。
【図3】図2の線A−Aに沿った断面図。
【図4】上記コンクリートキャスクに収納されたキャニスタの断面図。
【図5】この発明の第2の実施の形態に係るキャニスタの斜視図。
【図6】この発明の第3の実施の形態に係るキャニスタを示す斜視図。
【符号の説明】
10…コンクリートキャスク
12…コンクリート容器
14…キャニスタ
15…密閉容器
16…バスケット
18…使用済燃料集合体
22…収納部
24…冷却空気流路
40…容器本体
40a…下部
40b…中間部
40c…上部
54…ライナ
56…コーティング層
Claims (6)
- 底壁により下端開口が閉塞されているとともに、放射性物質を収納したほぼ筒状の金属製の容器本体と、上記容器本体の上端開口に溶接され、この上端開口を閉塞した蓋体と、を備え、上記容器本体は、上記底壁を含む下部と、下部に続く中間部と、上記蓋体が溶接された上部と、を有し、上記下部は中間部および上部よりも耐食性の高い材料により形成され、上記上部は所定の寸法に機械加工された内周面を有しているとともに上記中間部に溶接されており、上記蓋体は、上記上部の内周面に溶接された一次蓋および二次蓋とよりなり、同二次蓋の内面には、複数の凹所が形成され、二次蓋の内面は、同凹所を除き、一次蓋の上面に密着していることを特徴とするキャニスタ。
- 底壁により下端開口が閉塞されているとともに、放射性物質を収納したほぼ筒状の金属製の容器本体と、上記容器本体の上端開口に溶接され、この上端開口を閉塞した蓋体と、を備え、上記容器本体は、上記底壁を含む下部と、下部に続く中間部と、上記蓋体が溶接された上部と、を有し、上記下部の外面は、上記下部および中間部よりも耐食性の高い材料からなるライナにより覆われ、上記上部は所定の寸法に機械加工された内周面を有しているとともに上記中間部に溶接されており、上記蓋体は、上記上部の内周面に溶接された一次蓋および二次蓋とよりなり、同二次蓋の内面には、複数の凹所が形成され、二次蓋の内面は、同凹所を除き、一次蓋の上面に密着していることを特徴とするキャニスタ。
- 上記耐食性の高い材料は、オーステナイト2相ステンレス鋼、スーパーステンレス鋼、インコネル625、ハステロイのいずれかを含んでいることを特徴とする請求項1又は2に記載のキャニスタ。
- 底壁により下端開口が閉塞されているとともに、放射性物質を収納したほぼ筒状の金属製の容器本体と、上記容器本体の上端開口に溶接され、この上端開口を閉塞した蓋体と、を備え、上記容器本体は、上記底壁を含む下部と、下部に続く中間部と、上記蓋体が溶接された上部と、を有し、上記下部の外面は、上記下部および中間部よりも耐食性の高い材料によりコーティングされ、上記上部は所定の寸法に機械加工された内周面を有しているとともに上記中間部に溶接されており、上記蓋体は、上記上部の内周面に溶接された一次蓋および二次蓋とよりなり、同二次蓋の内面には、複数の凹所が形成され、二次蓋の内面は、同凹所を除き、一次蓋の上面に密着していることを特徴とするキャニスタ。
- 上記コーティングは、セラミックあるいはアルミ系材料を溶射して形成されていることを特徴とする請求項4に記載のキャニスタ。
- 上記容器本体の下部および中間部は、一体に形成されていることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載のキャニスタ。
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