JP3814138B2 - 磁気エンコーダを内蔵した測量機 - Google Patents

磁気エンコーダを内蔵した測量機 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の技術分野】
本発明は、外部磁気対策を施した磁気エンコーダを搭載した測量機に関する。
【0002】
【従来技術およびその問題点】
従来のトータルステーション、セオドライトなどの測量機の中には、測角手段として、光学式エンコーダを搭載したものがある。周知の光学式エンコーダは、回転軸と一体に回転する円板に円周に沿って所定当ピッチで形成されたスケールと、該スケールの通過を検出するフォトセンサとを備えている。
【0003】
このような光学式エンコーダと同様の角度測定手段として、磁気式エンコーダがある。磁気式エンコーダは、通常、磁気ドラムの外周面には分割数N(Nは正の整数)にて等ピッチで着磁された多極着磁層が形成され、この多極着磁層に対向させて配置された磁気センサを備えている。磁気センサは、例えば多極着磁層のピッチよりも小さいピッチで配置された4個の磁気抵抗素子を備え、磁気ドラムの回転に従って変化する磁気を磁気抵抗素子の抵抗値の変化として検知し、その変化の周期に基づいて磁気ドラムの回転角を求める構成である。
【0004】
しかしながら、屋外、不特定場所で使用することを常とする測量機は、きわめて大きな外部磁界(磁気)の影響を受ける可能性がある。そのため磁気エンコーダを測量機に搭載する場合、通常は存在しない極めて大きな磁界対策が重要である。一方、測量機は携帯性が求められるので、軽量化のため、非磁性体であるアルミニウム、樹脂などの軽量素材によってカバーが形成されているので、測量機の近傍に極めて大きな磁界を発生する物体、装置が存在すると、その磁界の影響を受けて、磁気エンコーダの測定値に大きな誤差を生じてしまうおそれがある。
【0005】
【発明の目的】
本発明はかかる従来技術の問題に鑑みてなされたものであり、重量化することなく外部磁気の影響を除去できる磁気防止策を施した磁気エンコーダを搭載した測量機を提供することを目的とする。
【0006】
【発明の概要】
この問題を解決する本願発明は、軸および該軸を回動自在に軸支する軸受けとの相対回転角を測定する磁気エンコーダを内蔵した測量機であって、前記軸および軸受けは、互いに相対回動自在に嵌合された軸受け内輪および軸受け外輪からなり、該軸受け外輪は、透磁率の高い磁性材で形成された、前記軸受け内輪の外周面を周回して環状空間を形成する断面略コ字状の環状部を有し、前記磁性材で囲まれた環状空間内に前記磁気エンコーダを収容したことに特徴を有する。
軸および軸受けは、互いに相対回動自在に嵌合された軸受け内輪および軸受け外輪からなり、前記軸受け内輪の前記軸受け外輪から突出した一方の端部には、前記軸受け外輪よりも大径のフランジ部が一体に形成され、または別体として形成された、前記軸受け外輪よりも大径のフランジ部が別体として形成されて固定され、前記軸受け外輪には、該軸受け外輪の外周面と前記フランジ部との間に前記環状の空間を形成する磁気シールドカバーを嵌合してもよい。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下図面に基づいて本発明を説明する。図1は、本発明を適用する、磁気エンコーダを搭載したトータルステーションを、磁気エンコーダの要部が見えるように一部を切断して示す背面図、図2は同トータルステーションを、磁気エンコーダの要部が見えるように一部を切断して示す側面図である。
【0008】
このトータルステーション11は、周知の、三脚等に装着するための底板13、この底板13に3本の整準ねじ15で支持された整準台(台部)17、この整準台17に受け台18を介して固定された鉛直軸受け27、この鉛直軸受け27に対して回転自在に軸支され、一対の支柱部21aを有するU字形状の架台(本体)21、この架台21の2本の支柱部21a間に水平軸23を介して回動自在に軸支された視準望遠鏡25等を備えている。なお、水平軸23は、視準望遠鏡25の左右に固定され、架台21の2本の支柱部21aに対して回動自在に支持されているが、図1には左側の水平軸23のみを示した。
【0009】
鉛直軸19は、整準台17に固定された鉛直軸受け27に回動自在に支持されている。そして架台21は、その支柱部21aを連結する基部21bが鉛直軸19の上端部に固定され、鉛直軸19に一体として回動自在に支持されている。水平軸23は、架台21の一対の支柱部21aに固定された水平軸受け29に回動自在に軸支されている。このように視準望遠鏡25は、水平軸23を介して上下方向(垂直方向)回動自在に架台21に軸支され、さらに架台21および鉛直軸19を介して方位方向(水平方向)回転自在に整準台17に軸支されている。
【0010】
さらに、鉛直軸19には、整準台17に対する鉛直軸19(架台21、視準望遠鏡25)の回転角(水平角、方位角)を測定する水平分度として磁気エンコーダ41が装着され、水平軸23には、架台21に対する水平軸23(視準望遠鏡25)の回転角(高度角)を測定する高度分度として磁気エンコーダ51が装着されている。これらの磁気エンコーダ41、51はそれぞれ、鉛直軸受け27、水平軸23に固定された磁気ドラム43、53と、磁気ドラム43、53の外周面に形成された多極着磁層に対して所定間隔で近接対向配置された磁気センサユニット44、45、および54、55を備えている。
【0011】
また、詳細は図示しないが、各磁気センサユニット44、45、54、55の出力信号を検出して磁気エンコーダ41、51の回転角、つまり水平角、高度角を求める信号処理手段、演算手段を含む電子回路61(図4参照)が架台21の基部21bに搭載されている。そして、トータルステーション11を操作、制御するためのキーボードおよびキーボードによって入力された基礎データや測距結果などを表示するディスプレイを備えた操作パネル31、32が、架台21の前後両表面に設けられている(図2参照)。
【0012】
なお、図1、2において、符号33はトータルステーション11の持ち運びに利用するためのハンドグリップ、符号34は磁気エンコーダ41および不図示の電子回路、バッテリ等を保護するために架台21に装着された防塵カバー、符号35、36はそれぞれ、視準望遠鏡25の接眼レンズ、対物レンズである。
【0013】
さらに図3および図4を参照して、磁気エンコーダの構成についてより詳細に説明する。磁気エンコーダ41,51の基本構成は同一なので、一方の磁気エンコーダ51の構成について説明する。さらにこの磁気エンコーダ51は複数の磁気センサユニット54、55を備えているが、それぞれの磁気センサユニット54、55の構成は同一なので、一方の磁気センサユニット54の構成について説明する。図3は磁気エンコーダ51の磁気センサユニット54の各磁気抵抗素子と多極着磁層53aとの関係を説明するための拡大図、図4は磁気センサユニット54が備えた磁気抵抗素子の結線を示す配線図である。磁気センサユニット54は、アングル56に固定され、アングル56を介して架台21に固定されている。
【0014】
磁気ドラム53の外周面には、分割数N(Nは正の整数)にて等ピッチで着磁された多極着磁層53aが形成されている。多極着磁層53aの磁極ピッチ(極の境界の間隔)をλとする。この多極着磁層53aに対して所定長の隙間で対向させて磁気センサユニット54が配置されている。磁気センサユニット54は、平面基板54aと、多極着磁層53aと対向する平面基板54aの対向面に、λ/4ピッチ相当で設けられた8個の磁気抵抗素子4a1、4b1、4a2、4b2、4a3、4b3、4a4、4b4を備えている。そして磁気センサユニット54は、磁気抵抗素子4a1〜4a4、4b1〜4b4のほぼ中央に立てた垂線が磁気ドラム53の回転中心を通るように配置されている。つまり、磁気抵抗素子4a1〜4a4、4b1〜4b4は、磁気ドラム53の接線方向と平行に配置されている。なお、本明細書においてλピッチは、中心角に関する単位であり、N〜Sの1着磁ピッチを表す。
【0015】
この磁気エンコーダ51は、磁気ドラム53が回転すると、多極着磁層53aが発生する磁界(磁力線)3の変化に依存する磁気抵抗素子4a1〜4a4、4b1〜4b4の抵抗値の変化を検出して、抵抗値の変化から磁気ドラム53の回転角をλ/4ピッチで検出するインクリメンタル方式の磁気エンコーダである。なお、λ/4ピッチよりも小さい角度は、いわゆる内挿演算によって求められる。
【0016】
8個の磁気抵抗素子4a1、4b1、4a2、4b2、4a3、4b3、4a4、4b4は、図3に示すように、4個の磁気抵抗素子4a1〜4a4からなるA相と、4個の磁気抵抗素子4b1〜4b4からなるB相とに分けられる。A相の各磁気抵抗素子4a1、4a2、4a3、4a4とB相の各磁気抵抗素子4b1、4b2、4b3、4b4はそれぞれ交互に配置され、かつ同一相の磁気抵抗素子4a1〜4a4、4b1〜4b4の間隔はλ/2の等ピッチ、隣合う他の相の磁気抵抗素子との間隔はλ/4の等ピッチである。
【0017】
これらA相、B相の磁気抵抗素子4a1〜4a4、4b1〜4b4はそれぞれ、図4に示すようにブリッジ結線されている。つまり、直列した磁気抵抗素子4a1、4a2と磁気抵抗素子4a3、4a4、磁気抵抗素子4b1、4b2と磁気抵抗素子4b3、4b4が並列接続され、各直列抵抗間からA相の端子e0、e1、およびB相の端子e0′、e1′が引き出されている。そして、電子回路61は、ブリッジ結線された磁気抵抗素子間に定電圧Vを印加し、A相の端子e0、e1、およびB相の端子e0′、e1′に現れる電圧の変化(位相)に基づいて磁界の変化を検出し、磁気ドラム53の回転角ωを測定する。
【0018】
この実施の形態によれば、A相の磁気抵抗素子4a1〜4a4の抵抗値a1、a2、a3、a4は、磁気ドラム53の回転により作用する磁界3の変化によって、下記式のように変化する。
1=R0+Rsin(Nω)
2=R0+Rsin(Nω+π)=R0−Rsin(Nω)
3=R0+Rsin(Nω+2π)=R0+Rsin(Nω)
4=R0+Rsin(Nω+3π)=R0−Rsin(Nω)
ただし、ωは磁気ドラム53の回転角、R0は無磁界のときの抵抗値、Rは係数(抵抗比)、Nは多極着磁層53aの分割数、である。
【0019】
したがって、端子e0と端子e1の出力を差動増幅すると、A相の出力Aoutは、
Aout=α×R×V/R0×sin(Nω)
となる(ただし、αは増幅率)。
【0020】
B相の磁気抵抗素子4b1〜4b4は、A相の磁気抵抗素子4a1〜4a4に対してλ/4ピッチずらして配置してあるので、端子e0′と端子e1′の出力を差動増幅すると、B相の出力Boutは、
Bout=α×R×V/R0×cos(Nω)
となる。
【0021】
このA相の出力AoutおよびB相の出力Boutのゼロクロス点を検出すれば、磁気ドラム53の回転角を、360/4N(゜)単位で検出できる。つまり、分割数Nの4倍まで検出ピッチが小さくなり、分解能が高くなる。本発明の実施の形態では、A、B相の出力Aout、Boutに基づいた下記の内挿計算によって、検出可能な検出ピッチを1/4Nよりもさらに小さくし、検出ピッチ数を増やして、分解能を高めている。
tan-1(Aout/Bout)
【0022】
また、偏心誤差を補正する場合は、前記の各磁気センサのほぼ180゜対向位置に、前記位相位置と同一の条件を満足する磁気センサユニットを配置すればよい。図示トータルステーションでは、180゜ずれた対向位置に配置された2個の各磁気センサユニット54、55、磁気センサユニット44、45の検出値を使用して偏心誤差を補正している。
【0023】
以上は、本発明の実施の形態を適用するトータルステーションの基本構成であり、磁気対策を施していない。次に、本発明の特徴である磁気対策を施した実施の形態について、さらに図5および図6を参照して説明する。なお、同一の機能を有する部材には同一の符号を付して説明を省略する。この実施の形態は、磁気エンコーダを、磁性材で形成した軸受け内輪および軸受け外輪とで閉鎖された磁気シールド空間内に封入したことに特徴を有する。
【0024】
この第1の実施の形態は、架台191と受け台271との間に、透磁率の高い磁性材によって形成した、軸受け内輪(軸)127および軸受け外輪(軸受け)119を介在させたことに特徴の一つがある。軸受け外輪119は軸受け内輪127に固定され、軸受け内輪127は受け台271に固定されている。磁気ドラム143は、軸受け内輪127の中径部127bに嵌合され、軸受け内輪127および受け台271と一体化されている。磁気ドラム143は、磁気ドラム41の多極着磁層43a同様の多極着磁層143aを備えている。
一方軸受け外輪119は、軸受け内輪127の外周面との間に断面コ字形状の環状空間を形成するように、外周壁の上縁部および下縁部から軸心方向に延びるフランジ部119a、119bを備えている。そしてこの軸受け外輪119は、上部のフランジ部119aが軸受け内輪127の外周面に形成された細径部127aに嵌合され、下方のフランジ部119bが軸受け内輪127の太径部127cに嵌合されている。そして、上部のフランジ部119aの下面が細径部127aと中径部127bとの段部に摺接し、フランジ部119a、119bの内周端面がそれぞれ細径部127a、太径部127cの外周面に摺接して、軸受け外輪119を軸受け内輪127に対して相対回転自在に支持している。これらの軸受け内輪127および軸受け外輪119の材質は、透磁率の高い磁性材の中から選択される。
【0025】
軸受け内輪127と軸受け外輪119との間には、軸受け内輪127および軸受け外輪119によって閉塞された環状の空間101が形成されている。本発明の第1の実施の形態では、この環状の空間101内に磁気ドラム143および磁気センサユニット144、145を収容してある。磁気センサユニット144、145は、軸受け外輪119の軸心を挟んで180度対向し、かつ磁気ドラム143の多極着磁層143aに対して所定間隔、所定方向を保つように環状の空間101内に配置し、軸受け外輪119に固定してある。
【0026】
図6には、図5における一方の磁気センサユニット145およびその周辺を拡大して断面図で示してある。磁気センサユニット145は、透磁率の高い磁性材から形成された基板145aに装着されている。一方軸受け外輪119には、基板145aに装着された磁気センサユニット145を、空間101内において所定の検出位置に保持するための取り付け窓119cが形成されている。磁気センサユニット145は、この取り付け窓119cから空間101内に挿入され、基板145aが取り付け窓119cを囲む周縁部119dに当接した状態で、ねじなどによって軸受け外輪119に固定され、これによって多極着磁層143aに対して所定間隔、所定の方向で保持されている。
また、磁気センサユニット145の出力端子に接続されたリード145bは、基板145aに穿たれた孔から空間101外に引き出され、電子回路61に接続されている。
【0027】
この第1の実施の形態の軸受け内輪127、軸受け外輪119および基板145aは、透磁率の高い磁性材料で形成されている。したがって、このトータルステーションが強い外部磁界103が存在する場所に置かれたとしても、この外部磁界103は軸受け内輪127、軸受け外輪119および基板145a内を通過して空間101内にはほとんど漏れない。すなわち、磁気センサユニット145は外部磁界103の影響は殆ど受けず、着磁層143aの磁界のみを検出するので、正確な測定値を得ることができる。
【0028】
また、図示第1の実施の形態では、軸受け外輪119、軸受け内輪127は架台191、受け台271とは別体として形成したが、それぞれ一体に形成することもできる。
なお、他方の磁気センサユニット144も磁気センサユニット145と同様に磁性材で形成された基板上に固定され、この基板を介して、軸受け外輪119に取り付け窓119cと同様に形成された取り付け窓に装着されている。
【0029】
以上は、トータルステーションの軸、軸受けを磁性材からなる軸受け内輪および軸受け外輪で構成し、軸受け内輪および外輪で閉塞された環状空間内に磁気エンコーダを配置した第1の実施の形態である。次に、磁気エンコーダをシールドカバーによって磁気遮閉した本発明の第2の実施の形態について、図7を参照して説明する。図7は、図2、図6同様に、本発明を適用したトータルステーションの水平磁気エンコーダおよびその周辺の構造が見えるように一部切断した背面図である。この第2の実施の形態は、水平分度としての磁気エンコーダ241を、軸受け内輪219に一体に形成または固定した、透磁率の高い磁性材からなるフランジ部219aと、透磁率の高い磁性材で形成したシールドカバー221とによって環状の空間内に遮閉したことに特徴を有する。
【0030】
軸受け内輪219は、フランジ部219aを有しない端部から、筒状の軸受け外輪227に挿入され、フランジ部219aが軸受け外輪227の上端面に当接した状態で、軸線Oを軸心として相対回動自在に支持されている。フランジ部219aは、軸受け外輪227の外径よりも大きく形成されていて、フランジ部219aは、軸受け内輪219の抜け止めとしての作用も果たしている。
軸受け外輪227は、下端部が受け台18の軸穴に嵌合され、下部のフランジ部227aが受け台18の上端面に当接した状態で受け台18に固定されている。軸受け内輪219の上端部、つまりフランジ部219aの上面に、架台21が固定されている。したがって架台21は、軸受け内輪219、軸受け外輪227を介して整準台17に軸支され、軸心Oを中心として回動する。つまり、軸受け内輪219と軸受け外輪227とは相対回転する。
【0031】
この軸受け外輪227に対する軸受け内輪219の相対回転角を検出する磁気エンコーダ241は、軸受け外輪227に嵌合固定された磁気ドラム243と、軸心Oを挟んでほぼ180度対向する位置に、磁気ドラム243の多極着磁層243aに対して所定間隔で配置された磁気センサユニット244、245を備えている。この磁気センサユニット244、245は、軸受け内輪219のフランジ部219aに固定されている。さらに軸受け外輪227には、半径部分の断面形状が略L字型の磁気シールドカバー221が相対回転自在に嵌合され、外輪227を周回する略L字型の底部221aおよび周回部221bと、フランジ部219aとによって環状空間を形成している。磁気シールドカバー221は透磁率の高い磁性材で形成され、この磁気シールドカバー221、フランジ部219aとで閉鎖された環状空間内に磁気エンコーダ241が収容されている。
この第2の実施の形態では、磁気シールドカバー221は、フランジ部219a、すなわち、軸受け内輪219と一体に回転するが、磁気シールドカバー221は軸受け外輪227に固定し、フランジ部219aに対して相対回動自在としてもよい。
【0032】
このように本発明の第2の実施の形態の磁気エンコーダ241の少なくとも磁気センサユニット244、245は、磁性材からなるフランジ部219aおよび磁気シールドカバー221によって閉鎖された空間201に閉じこめられている。すなわち、このトータルステーションが設定される環境に外部磁界103が存在しても、その磁気は磁性材からなるフランジ部219a、磁気シールドカバー221内を通過するので、空間内201に漏れることがほとんどない。したがって、磁気センサユニット244、245は外部磁界103の影響を受けることが無く、着磁層243aの磁気のみを検知するので、正確な角度測定ができる。
【0033】
なお、図示第2の実施の形態では垂直分度としての磁気エンコーダ241の磁気シールド構造について説明したが、水平軸周りの磁気エンコーダの磁気シールド構造にも同様の構造を適用できる。
【0034】
次に、本発明の第3の実施の形態について、図8および図9を参照して説明する。この第3の実施の形態は、図1、2に示したトータルステーションにおいて、磁気エンコーダ51の磁気センサ54、55、磁気エンコーダ41の磁気センサ44、45の外周を覆うように磁気シールド板301、303を、架台21の内面に貼ったことに特徴を有する。この構成によれば、磁気エンコーダ51、41の軸とほぼ直交する方向の外部磁界が磁気シールド板301、303によって遮断されるので、磁気センサユニット54、55および44、45は外部磁界の影響が小さくなり、測定値に誤差を生じない。
【0035】
この第3の実施の形態では、磁気センサユニット54、55、または44、45のセンサ感度方向の外部磁界を遮閉すれば磁気シールド効果が得られる。したがって、磁気ドラム23の表面と対向する防塵カバー34の内面まで磁気シールド板を貼らなくてもよいが、防塵カバー34の内面に磁気シールド板を貼れば磁気シールド効果はより確実になる。
【0036】
なお、この第3の実施の形態では磁気シールド板を架台21の内面に接着剤で貼ることができるが、架台21自体または架台21の該当する一部分を透磁率の高い磁性材で形成してもよい。ようするに、磁気エンコーダ51のセンサを覆う部材に磁気シールド板を貼るか、磁性材を塗布すればよい。
【0037】
以上、本発明についてトータルステーションに適用した実施の形態について説明したが、本発明は測角用の磁気エンコーダを搭載した測量機全般に適用することができる。
【0038】
【発明の効果】
以上の説明から明らかな通り本発明は、測量機に搭載され、相対回転する軸受けまたは軸の相対回転角を測定する磁気エンコーダを、軸または軸受けの周囲に形成された磁性材で囲まれた環状空間内に収容したので、収容外部磁界があっても、その磁気は環状の空間を形成する磁性材内を通過するので、磁気エンコーダは外部磁界の影響を受けることがなく、正確な測角が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明を適用する磁気エンコーダを搭載したトータルステーションを、磁気エンコーダの要部が見えるように一部を切断して示す背面図である。
【図2】 同トータルステーションを、磁気エンコーダの要部が見えるように一部を切断して示す側面図である。
【図3】 同磁気エンコーダの磁気ドラムと磁気センサとの関係を説明する拡大図である。
【図4】 同磁気エンコーダの磁気抵抗素子の結線の一例を示す回路図である。
【図5】 図1、2に示すトータルステーションに本発明の磁気シールド構造を適用した第1の実施の形態の磁気シールド構造の要部および磁気エンコーダの要部が見えるように一部を切断して示す側面図である。
【図6】 図5に示した磁気シールド構造の要部を拡大して示す断面図である。
【図7】 図1、2に示すトータルステーションに本発明を適用した第2の実施の形態の要部を、磁気エンコーダおよび磁気シールド構造の要部が見えるように一部を切断して示す側面図である。
【図8】 図1、2に示すトータルステーションに本発明を適用した第3の実施の形態の磁気エンコーダおよび磁気シールド構造の要部が見えるように図2同様に一部を切断して示す側面図である。
【図9】 図8に示した第3の実施の形態の磁気エンコーダおよび磁気シールド構造の要部が見えるように図1同様に一部を切断して示す背面図である。
【符号の説明】
11 トータルステーション(測量機)
13 底板
15 整準ねじ
17 整準台
18 受け台
19 鉛直軸
21 架台
23 水平軸
25 視準望遠鏡
27 鉛直軸受け
29 水平軸受け
31 32 ディスプレイを備えた操作パネル
41 51 磁気エンコーダ
43 53 磁気ドラム(回転部、分度板)
53a 多極着磁層
44 54 第1の磁気センサユニット(検出手段)
45 55 第2の磁気センサユニット(検出手段)
4a1 4a2 4a3 4a4 A相の磁気抵抗素子
4b1 4b2 4b3 4b4 B相の磁気抵抗素子
61 制御回路(磁界制御手段)
101 空間
119 軸受け外輪
119c 取り付け窓
127 軸受け内輪
144 145 磁気センサユニット
145a 基板
191 架台
219 軸受け内輪
219a フランジ部
227 軸受け外輪
241 磁気エンコーダ
243 磁気ドラム
244 245 磁気センサユニット

Claims (7)

  1. 軸および該軸を回動自在に軸支する軸受けとの相対回転角を測定する磁気エンコーダを内蔵した測量機であって、
    前記軸および軸受けは、互いに相対回動自在に嵌合された軸受け内輪および軸受け外輪からなり、該軸受け外輪は、透磁率の高い磁性材で形成された、前記軸受け内輪の外周面を周回して環状空間を形成する断面略コ字状の環状部を有し、
    前記磁性材で囲まれた環状空間内に前記磁気エンコーダを収容したこと、を特徴とする磁気エンコーダを内蔵した測量機。
  2. 請求項記載の磁気エンコーダを内蔵した測量機において、前記軸受け外輪から突出した軸受け内輪の一方の端部には、前記軸受け外輪よりも大径のフランジ部が一体にまたは別体として形成され、前記軸受け外輪には、該軸受け外輪の外周面と前記フランジ部との間に前記環状の空間を形成する磁気シールドカバーが嵌合されている磁気エンコーダを内蔵した測量機。
  3. 請求項記載の磁気エンコーダを内蔵した測量機において、前記磁気シールドカバーは前記フランジ部および軸受け内輪と一体に回転するように装着されている磁気エンコーダを内蔵した測量機。
  4. 請求項記載の磁気エンコーダを内蔵した測量機において、前記磁気シールドカバーは前記軸受け外輪に固定されている磁気エンコーダを内蔵した測量機。
  5. 請求項記載の磁気エンコーダを内蔵した測量機において、前記磁気エンコーダは、外周面に周回方向に等ピッチで着された多極着磁層を有する環状の磁気ドラムおよび該磁気ドラムの多極着磁層と対向し、該磁気ドラムの回転によって変化する磁気を検出する磁気センサとを備え、前記磁気ドラムが前記軸受け内輪に一体として回転するように嵌合され、前記磁気センサは、前記軸受け外輪の環状部の内面に固定されている磁気エンコーダを内蔵した測量機。
  6. 請求項記載の磁気エンコーダを内蔵した測量機において、前記軸受け外輪の環状部には、前記磁気センサを外部から前記空間内に挿入する窓を備え、前記磁気センサは透磁率の高い磁性材で形成された基板に固定され、前記窓から前記環状空間内に挿入された状態で、前記基板を介して前記環状部に固定されている磁気エンコーダを内蔵した測量機。
  7. 請求項2乃至4のいずれか一項記載の磁気エンコーダを内蔵した測量機において、前記磁気エンコーダは、外周面に周回方向に等ピッチで着された多極着磁層を有する環状の磁気ドラムおよび該磁気ドラムの多極着磁層と対向し、該磁気ドラムの回転によって変化する磁気を検出する磁気センサとを備え、前記磁気ドラムは前記軸受け内輪に一体として回転するように嵌合されている磁気エンコーダを内蔵した測量機。
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