JP3813796B2 - Insulating resin substrate and liquid crystal display device using the same - Google Patents

Insulating resin substrate and liquid crystal display device using the same Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、OA機器やパーソナルコンピュータ、携帯情報端末等に用いられる液晶表示装置、および該液晶表示装置の配線やアクティブ素子などに用いられる金属薄膜、並びにこれらの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、パーソナルコンピュータに代表される情報処理装置では、装置の小型化や軽量化が進展している。そこで、このような情報処理装置の部品の1つである表示装置に対し、軽量化および高密度表示化の要望が高まっている。こうした要望に答える表示装置として、液晶表示装置の開発が活発に行われている。
【0003】
液晶表示装置の軽量化としては、液晶表示装置のガラス基板をプラスチック基板へ転換するための技術開発が注目されている。また、液晶表示装置の高密度表示化としては、金属−絶縁膜−半導体(多結晶シリコン)−金属構造の薄膜トランジスタ(TFT:Thin Film Transistor)等が設けられたアクティブマトリクス型液晶表示装置の技術開発が注目されている。
【0004】
そこで、軽量化と高密度表示化とを同時に満たす技術として、プラスチック基板を用いたアクティブマトリクス型液晶表示装置が期待されている。しかし、アクティブマトリクス型液晶表示装置の製造工程において、アモルファスシリコンもしくは多結晶シリコンからなるTFTをアクティブ素子として形成する場合、プラスチック基板材料の許容温度以上で処理しなければならないという問題がある。それゆえ、直ちに、ガラス基板をプラスチック基板に転換することは困難である。
【0005】
これに対して、非線形抵抗素子である金属−絶縁膜−金属構造のMIM(Met-al Insulator Metal)をアクティブ素子として用いるアクティブマトリクス型液晶表示装置の場合、TFTを用いる場合と比較して、製造工程中の処理温度をプラスチック基板材料の許容温度以下にすることが可能である。しかし、後述のとおり、MIMを構成する金属膜の膜応力によって基板が変形してしまうという問題があり、やはり量産化には至っていないのが現状である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
一般的に、アクティブ素子としてMIMを用いたアクティブマトリクス型液晶表示装置では、その金属配線の陽極酸化膜がMIMの非線形抵抗膜として用いられており、金属配線としてはタンタル(Ta)膜が多く用いられている。このように、従来より液晶表示装置に用いられている上記MIM等の薄膜二端子素子においては、第1の電極としてTa膜が用いられ、非線形抵抗膜としてTaの陽極酸化膜が用いられる。
【0007】
以上のように、薄膜二端子素子の第1の電極として設けられる従来のTa膜は、配線を兼ねるために300〜500nm程度の膜厚が必要であった。
【0008】
次に、プラスチック基板に上記のような膜厚で形成されるTa膜が、プラスチック基板に与える全応力について説明する。この場合、Ta膜がポリエーテルスルフォン(PES)からなるプラスチック基板に与える全応力は、以下のような式で示される。
【0009】
全応力 S=σ・d[N/m] ……(1)
Ta膜応力 σ=σI +σT [N/m2 ] ……(2)
σT =Ef (αf −αs )ΔT[N/m2 ]……(3)
σI :Ta膜の内部応力[N/m2 ],σT :Ta膜の熱応力[N/m2 ],
d:Ta膜の膜厚[m],Ef :Ta膜のヤング率[N/m2 ],
αf :Ta膜の熱膨張率[K-1],αs :PES基板の熱膨張率[K-1],
ΔT:温度差[K]
ここで、Ta膜の内部応力σI は、膜厚100nmのときに1.8×109 [N/m2 ]である。また、Ta膜のヤング率Ef は1.86×1011[N/m2 ]、Ta膜の熱膨張率αf は6.5×10-6[K-1]、PES基板の熱膨張率αs は5.5×10-6[K-1]である。
【0010】
上式(1)ないし(3)を用いて、Ta膜厚が500nmで、且つ、ポリエーテルスルフォン(PES)からなるプラスチック基板を用いた場合、該プラスチック基板上のTa膜の全応力Sを計算すると、全応力Sは約1000[N/m]となる。
【0011】
以上のように、プラスチック基板上にTa膜にて金属配線を形成する場合、成膜されたTa膜の全応力は約1000[N/m]と大きい。プラスチック基板の剛性はガラス基板と比較して低いため、Ta膜の全応力により、プラスチック基板の反りや、金属薄膜(Ta膜)のプラスチック基板に対する剥離などが発生し、素子形成プロセスの継続が困難となるという問題が生じる。
【0012】
この問題に対し、Ta膜の全応力を緩和する方法として、上式(1)より、Ta膜の膜厚を薄くすることが考えられる。例えばTa膜の膜厚を100[nm]とする場合、プラスチック基板に与える応力(全応力S)は、上式(1)ないし(3)を用いて算出すると約200[N/m](圧縮応力)となり、プラスチック基板に対する応力を約1/5とすることができる。しかし、単純に考えれば、膜厚が1/5となれば抵抗値が約5倍となってしまう。つまり、金属配線としての観点からみると、配線抵抗が大きくなるため、表示信号の遅延等の問題により、ディスプレイ表示画面にコントラストむら等が発生して表示品位が劣化するという、表示画面の品質上の問題が発生する。
【0013】
そこで、Ta膜の膜厚を薄くして金属配線を形成する場合、膜抵抗を低くすることがTa膜形成時の重要技術となる。しかし、CVD(Chemical Vapor Depo-sition)法やスパッタリング等、真空雰囲気で膜形成する方法においては、プラスチック基板を用いる場合に基板内に吸収された水・酸素・窒素などが放出され、こうしたガス成分が膜形成時に膜中に混入してTa膜の膜特性を変化させる原因となることが、詳細な検討から判明した。また、こうした基板からのガス放出の状態は一定ではないので、膜形成ごとにTa膜の質を一定に保つことも難しく、Ta膜の膜抵抗を低く安定的に形成することは困難であることも解った。
【0014】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたもので、例えば液晶表示装置の配線として用いられた場合に、プラスチック基板を変形させない程度に薄い膜厚であっても、表示品位を低下させず、且つ、再現性の高い画像を提供できる金属薄膜が形成された絶縁性樹脂基板を提供することを課題とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、本発明に係る絶縁性樹脂基板は、Cu(Kα)線によるX線回折θ−2θ測定の結果、回折角(2θ)が35°以上40°以下の範囲で回折ピークが現れ、かつ、比抵抗が50μΩ・cm以下25μΩ・cm以上であるタンタルからなる金属薄膜が直接形成されたことを特徴としている。
【0016】
従来、例えば、Cu(Kα)線によるX線回折θ−2θ測定の結果、回折角(2θ)が30°以上35°以下の範囲で回折ピークが現れるタンタル薄膜は、比抵抗が200μΩ・cm程度であった。この従来のタンタル薄膜を、例えば液晶表示装置の金属配線として用いる場合、大画面の液晶表示装置では配線の抵抗により配線遅延が生じるなど、表示品位が良好ではなかった。また、従来のタンタル薄膜を、絶縁性の樹脂基板上に金属配線やスイッチング素子の電極として形成し、軽量の液晶表示装置を製造しようとする場合、絶縁性樹脂基板をタンタル薄膜の応力で変形させないためにタンタル膜厚を薄くすると、配線の抵抗値が増加して配線遅延が生じていた。
【0017】
これに対し、本発明に係る絶縁性樹脂基板上のタンタルからなる金属薄膜は、従来のものより比抵抗が4分の1以下であるため、大画面の液晶表示装置の配線として用いられる場合であっても、また、樹脂基板に変形を生じさせない程度まで膜厚を薄くしても、配線遅延が生じる虞れがない。
【0018】
このように、本発明に係る絶縁性樹脂基板を用いることにより、抵抗の小さい配線等を実現することができる。
【0019】
尚、上記Cu(Kα)線の波長は、約7×10-2nmである。また、X線回折θ−2θ測定における回折ピークが上記のような回折角(2θ)35°以上40°以下の範囲で現れるタンタル薄膜は、一般的に、立方晶構造であるとされている
【0020】
た、上記の課題を解決するために、本発明に係る液晶表示装置は、金属薄膜が配線として設けられている上記の絶縁性樹脂基板を素子側基板として備え、上記素子側基板に対向配置される対向側基板と、上記素子側基板および対向側基板に挟持された液晶層とを備えたことを特徴としている。
【0021】
従来、大画面の液晶表示装置では、配線の抵抗により配線遅延が生じるなど、表示品位が良好ではなかった。また、従来では、絶縁性の樹脂基板上に金属配線やスイッチング素子の電極としてタンタル薄膜を形成して、軽量の液晶表示装置を製造しようとする場合、タンタル薄膜の応力によって絶縁性樹脂基板を変形させないためにタンタル膜厚を薄く形成すると、配線の抵抗値が増加して配線遅延が生じていた。
【0022】
これに対し、従来のものより比抵抗が低い、本発明の絶縁性樹脂基板上の金属薄膜を金属配線として用いると、大画面の液晶表示装置に適用する場合であっても、また、絶縁性樹脂基板に変形を生じさせない程度まで膜厚を薄くしても、配線遅延が生じる虞れはない。
【0023】
このように、大面積や軽量であって、かつ表示品位の良好な液晶表示装置を実現することができる。
【0024】
上述したように、絶縁性樹脂基板を用いることにより、液晶表示装置の軽量化を実現することができる
【0025】
【発明の実施の形態】
〔実施の形態1〕
本発明の第1の実施の形態について図1ないし図5に基づいて説明すれば、以下のとおりである。
【0026】
図2(a)は、本実施の形態に係る液晶表示装置の1画素当たりの構成を示す平面図であり、図2(b)は、図2(a)のA−A矢視断面図である。
【0027】
本実施の形態に係る液晶表示装置を構成している液晶表示素子1は、素子側基板2と、該素子側基板2に対向配置された対向側基板3と、これら両基板2,3に挟持された液晶層4とを備えている。
【0028】
上記素子側基板2は、絶縁性樹脂基板21上に、配線部22aおよび該配線部22aから1画素毎に分岐している下部電極部22bからなる電極配線22と、該電極配線22を覆う陽極酸化膜23と、上記下部電極部22b上に陽極酸化膜23を介してその一端部が配置された略L字形状の上部電極24と、該上部電極24の他端部上に一部が重畳するように設けられた画素電極25と、これら素子が形成された絶縁性樹脂基板21の略全面を覆うように設けられた配向膜26とを備えている。上記電極配線22、陽極酸化膜23、および上部電極24は、アクティブ素子として、薄膜二端子素子であるMIM(Metal Insulator Metal )を構成している。上記電極配線22は、液晶表示装置における配線とMIMの下部電極とを兼ねており、また、上記陽極酸化膜23は、配線上の絶縁膜とMIMの非線形抵抗膜とを兼ねている。
【0029】
上記対向側基板3は、透明絶縁性樹脂基板31上に、上記画素電極25に対向するように設けられた対向電極32と、対向電極32が形成された透明絶縁性樹脂基板31上の全面に設けられた配向膜33とを備えている。
【0030】
次に、図1(a)ないし(f)を用い、本実施の形態に係る液晶表示装置の素子側基板2の製造方法について説明する。
【0031】
(1) 絶縁性樹脂基板21上に、スパッタリング法によりTa膜22(後に電極配線22となる)を膜厚100nmに成膜する(図1(a)参照。)。
【0032】
この時の成膜条件は、基板温度150℃、RFパワー3.4W/cm2 で、さらに、アルゴン(Ar)ガスとヘリウム(He)ガスとの混合ガスで、Heガス混合比が60%のものをスパッタリングガスとして用い、全圧力は0.5Paであった。
【0033】
このようにして形成されたTa膜22は、比抵抗が47μΩ・cmであった。これに対し、通常、スパッタリングガスとしてアルゴンガス100%を用いた場合に形成されるTa膜は、その比抵抗が200μΩ・cmである。このことから、スパッタリングにおいて上記した本方法を用いることにより、低抵抗のTa膜22の成膜が可能であることが判明した。
【0034】
また、本実施の形態における方法にて形成されるTa膜22は、波長が約7×10-2nmのCu(Kα)線によるX線回折θ−2θ測定により、図3(b)に示すように、回折角(2θ)35°〜40°で回折シグナル(回折ピーク)が観察される。このように、回折角(2θ)35°〜40°の範囲に回折ピークが現れるタンタル薄膜の結晶構造は、一般的に立方晶構造であるとされている。また、これと比較するために、図3(a)には、従来の、Arガスのみを用いたスパッタリングによって形成されたTa膜の、X線回折θ−2θ測定の結果が示されている。尚、図中のY軸のCPSとはX線計数値であり、Count(s) Per Second の略である。
【0035】
また、詳細な検討により、ヘリウムガスの混合比を50%以上とすることで、比抵抗が50μΩ・cm以下で25μΩ・cm以上のTa膜が得られることが判明した。これより、ヘリウムガスの混合比は50%以上であることが好ましい。
【0036】
(2) 次に、上記のように成膜されたTa膜22を用い、金属配線と液晶電気光学素子であるMIMの下部電極とを兼ねる電極配線22を形成する。具体的には、Ta膜22をフォトエッチング法により選択的にエッチングして所定の形状にパターニングし、配線部22aと下部電極部22bとを備えた電極配線22を形成する。
【0037】
(3) 次に、MIMの非線形抵抗膜となる陽極酸化膜(Ta2 5 )23を形成する(図1(c)参照。)。
【0038】
本実施の形態における陽極酸化条件としては、陽極酸化溶液として1%のホウ酸アンモニウム溶液を用い、溶液温度を室温、化成電圧を35Vとした。この条件の下で、上記電極配線22が形成された絶縁性樹脂基板21を上記陽極酸化溶液に浸して、電極配線22の表面に、非線形抵抗膜となる陽極酸化膜23を形成する。
【0039】
上記した本実施の形態の陽極酸化プロセスにおいて、化成電圧および化成電流の、陽極酸化時間に対する変化が、図4に示されている。図4に示すように、本実施の形態では、低電流電圧電源を用いて、化成電流を3.2×10-2A一定として定電流化成を行った後、形成する非線形抵抗膜の膜厚に対応した電圧値(本実施の形態では35V)になった時点で、一定時間定電圧化成を行った。なお、本実施の形態において、定電流化成を行った時間は約54分、定電圧化成を行った時間は約25分であった。
【0040】
以上のような陽極酸化プロセスにより、電極配線22の表面から深さ方向に約26nmまでの部分が陽極酸化され、膜厚約60nmの陽極酸化膜23が形成される。
【0041】
なお、本実施の形態における陽極酸化条件では、陽極酸化溶液として1%のホウ酸アンモニウム溶液を用いているが、MIMの素子特性は酸化条件によって左右されるので、要求される素子特性を満足するような条件で行えばよい。陽極酸化溶液の代表的な他の例としては、酢酸、クエン酸などの有機酸や、硫酸、塩酸などの無機酸や、エチレングリコール、ジエチレングリコールなどのアルコール等である。また、それぞれの濃度は、0.0001重量%以上、より好ましくは0.001重量%以上で、且つ、5重量%以下、より好ましくは1重量%以下である。
【0042】
(4) 次に、MIMの上部電極24として機能するチタン(Ti)膜を、EB(Electron Beam )蒸着法により、膜厚100nmで形成する。本実施の形態においては、この時の成膜条件を、成膜温度が室温(基板加熱せず)、到達真空度が6.67×10-4Pa、加速電圧4kV、成膜電流120Aとした。
【0043】
続いて、このTi膜に対し、フォトリソグラフィーおよびエッチングを施して所定の形状に加工し、上部電極24を形成する(図1(d)参照。)。なお、上部電極24となる金属膜には、Ti以外に、クロム(Cr)、アルミニウム(Al)、モリブテン(Mo)、銅(Cu)等を用いることが可能である。
【0044】
以上、(1)〜(3)の工程により、本実施の形態に係る液晶表示素子1の薄膜二端子素子(MIM)を作製することができる。このようにして作製されたMIMの素子特性(電流−電圧特性)が、図5に示されている。該MIMの素子特性は、素子面積が5μmの正方形で、α=1.7×10-4、β=3.3であった。なお、αとは薄膜二端子素子の導電性を表すパラメータで、βとは薄膜二端子素子の急峻性(電圧に対する電流変化の大きさ)を表すパラメータであり、それぞれ、薄膜二端子素子の電流−電圧特性の伝導機構であるPool-Freckel伝導を表す下記の理論式の係数である。尚、次式(4)が、薄膜二端子素子の電流−電圧特性を示している。
【0045】
I=αVExp[β√v] ……(4)
α={nμqSExp[一φ/kT]}/d ……(5)
β={√q^3/πεrε0}/kT ……(6)
(n:キャリア濃度,μ:キャリア移動度,q:電子の電荷量,S:素子面積,φ:トラップ深さ,k:ボルツマン定数,T:温度,d:非線形抵抗膜の膜厚,εr:非線形抵抗膜の比誘電率,ε0:真空の誘電率)
引き続き、本実施の形態に係る液晶表示装置の製造工程について、図1を用いて説明する。
【0046】
(4) 上記のようにしてMIMが形成された絶縁性樹脂基板21上に、スパッタリングにより、ITO(Indium Tin Oxide)膜を膜厚40〜150nmで形成する。ここでは、膜厚100nmにてITO膜を成膜し、フォトリソグラフィーおよびエッチングにより、画素電極25を形成した(図1(e)参照。)。
【0047】
(5) 次に、絶縁性樹脂基板21の全面を覆うように、膜厚60nmのポリイミド膜を塗布し、150℃、2時間の焼成を行って、配向膜26を形成する(図1(f)参照。)。
【0048】
以上(1)〜(5)の工程により、素子側基板2が完成する。
【0049】
一方、対向側基板3の作製方法について説明する。まず、透明絶縁性樹脂基板31上に、スパッタリングにてITO膜を膜厚100nmで成膜し、フォトリソグラフィーおよびエッチングにより所定形状に加工して、対向電極32を形成する。次に、透明絶縁性樹脂基板31を覆うように、膜厚60nmのポリイミド膜を塗布し、150℃、2時間の焼成を行って、配向膜33を形成する。このようにして、対向側基板3が完成する。
【0050】
上記のように作製した、素子側基板2の配向膜26及び対向側基板3の配向膜33に対し、液晶層4を配向させるためのラビング処理を行う。その後、これら素子側基板2および対向側基板3上に、貼り合わせ用のシール材料(図示せず)の印刷とスペーサ(図示せず)散布とを行い、両基板2,3を貼り合わせる。その後、これら基板2,3間に液晶を注入して液晶層4を形成して、液晶表示素子1の作製が完了する。
【0051】
以上のように、本実施の形態によれば、配線および下層電極となるTa膜22を低抵抗となるように形成できるので、大画面の液晶表示装置であっても、配線遅延のない画面表示品位の高いものが得られる。さらに、素子側基板2の絶縁性基板が剛性の低い樹脂(プラスチック等)からなるもの(ここでは絶縁性樹脂基板21)でも、この絶縁性樹脂基板21上に直接形成するTa膜22を低抵抗に作製できるため、絶縁性樹脂基板21の剛性の低さを解決することができる。要するに、基板変形が生じないように絶縁性樹脂基板21の剛性の低さを考慮して、配線となるTa膜22を従来よりも薄く形成した場合であっても、表示信号の遅延が生じて表示画面の品質が低下する程度まで抵抗が大きくなることがない。従って、薄型・軽量かつ耐衝撃性に優れ、且つ表示品位も良好な液晶表示装置を実現することが可能となる。
【0052】
〔実施の形態2〕
本発明の第2の実施の形態について、図6および図7に基づき説明すれば、以下のとおりである。尚、説明の便宜上、前記した実施の形態1で説明した部材と同様の機能を有する部材については同一の参照番号を付記し、その説明を省略する。
【0053】
図6(a)は、本実施の形態に係る液晶表示装置を構成する液晶表示素子5の1画素当たりの構成を示す平面図であり、図6(b)は、図6(a)のB−B矢視断面図である。同図に示すように、上記液晶表示素子5は、素子側基板6と、対向側基板3と、これら両基板6,3に挟持される液晶層4とを備えている。本実施の形態に係る液晶表示素子5は、薄膜二端子素子のMIMの代わりに薄膜三端子素子のTFT(Thin Film Transistor)をアクティブ素子として用いた素子側基板6を備えているが、その他の構成は前記した実施の形態1の液晶表示装置と略同じである。
【0054】
図6(a),(b)を用いて、素子側基板6の構成について説明する。絶縁性樹脂基板61上に複数のゲート配線62が互いに平行に形成されており、該ゲート配線62からは、一画素毎にゲート電極62aが分岐している。また、ソース配線63は、後述するゲート絶縁膜65を介して上記ゲート配線62と交差するように配されている。また、該ソース配線63からは、一画素毎にソース電極63aが分岐している。尚、上記ゲート絶縁膜65とは、上記ゲート配線61およびゲート電極61aを覆うように設けられている層である。また、図中の64は、ゲート配線61を陽極酸化して得られる陽極酸化膜である。
【0055】
上記ソース電極63aは、上記ゲート絶縁膜65、後述する非ドープアモルファスSi膜(a−Si膜)66、およびコンタクト層であるn+ アモルファスSi膜(n+ a−Si膜)67aを介して上記ゲート電極62aの一方の側部に重畳形成されている。また、上記ゲート電極62aの他方の側部には、上記ゲート絶縁膜65、上記a−Si膜66、およびコンタクト層であるn+ a−Si膜67bを介してドレイン電極68が重畳形成されている。尚、上記a−Si膜66は、ゲート電極62aの上方にゲート絶縁膜65を介して形成されている層である。さらに、画素電極69が、上記ドレイン電極68に接続するように設けられている。
【0056】
尚、各画素を選択的に駆動するためのアクティブ素子であるTFTは、上記ゲート電極62a、ゲート絶縁膜65、a−Si膜66、n+ a−Si膜67a,67b、ソース電極63a、およびドレイン電極68から構成されている。
【0057】
以上のように素子形成された素子側基板6の全面に、配向膜70が設けられる。
【0058】
次に、図7(a)ないし(g)を用いて、上記素子側基板6の製造方法について説明する。
【0059】
(1) 絶縁性樹脂基板61上に、スパッタリングによりTa膜62(後にゲート配線62となる)(図7(a)参照。)。この時の成膜条件は、前記した実施の形態1においてTa膜22を作製した際と同様である。従って、本実施の形態に係るTa膜62は、実施の形態1におけるTa膜22と同様の特性を有している。すなわち、Ta膜62も比抵抗が47μΩ・cmの低抵抗金属薄膜となる。
【0060】
(2) 上記Ta膜62を、フォトリソグラフィの手法によりパターニングして、ゲート配線62を作製する(図7(b)参照。)。
【0061】
(3) 次に、上記ゲート配線62を、実施の形態1のTa膜22からなる電極配線の陽極酸化と同様の方法および条件で陽極酸化し、陽極酸化膜64を作製する(図7(c)参照。)。
【0062】
(4) さらに、窒化シリコン膜をプラズマCVD法によって成膜し、ゲート絶縁膜65の形状にパターニングする(図7(d)参照。)。
【0063】
(5) a−Si膜をプラズマCVD法によって成膜して島状にパターニングし、a−Si膜66を形成する(図7(e)参照。)。
【0064】
(6) n+ a−Si膜をプラズマCVD法によって成膜し、さらにTi膜をスパッタリング法により成膜して、n+ a−Si膜とTi膜とを共にパターニングし、n+ a−Si膜67a,67b、ソース配線63(ソース電極63a)およびドレイン電極68を形成する(図7(f)参照)。
【0065】
以上(1)〜(6)の工程により、薄膜三端子素子であるTFTが形成される。
【0066】
(7) 上記のようにしてTFTが形成された絶縁性樹脂基板61上に、スパッタリングによりITO膜を膜厚40〜150nmで成膜し、画素電極69を形成する。本実施の形態では膜厚100nmにてITO膜を成膜し、フォトリソグラフィーおよびエッチングにより、画素電極69を形成した。
【0067】
(8) 次に、絶縁性樹脂基板61を覆うように、膜厚60nmのポリイミド膜を塗布し、150℃,2時間の焼成を行って配向膜70を形成する。
【0068】
以上、(1)〜(8)の工程を経て、素子側基板6の作製が完了する。
【0069】
対向側基板3の製造方法、素子側基板6と対向側基板3との貼り合わせ方法、および液晶層4の形成方法は、前記した実施の形態1の場合と同様であるので、ここでは省略する。
【0070】
尚、本実施の形態に係る液晶表示装置の説明、および図6、図7において、補助容量や補助容量電極線など、本発明の特徴部分に直接関係しない構成は、簡略化のため省略されている。
【0071】
以上のように、本実施の形態では、本方法にて形成された低抵抗のTa膜62を、ゲート配線62およびTFTのゲート電極62aとして用いている。従って、ゲート配線62の抵抗を低くすることができるので、大画面の液晶表示装置でも配線遅延のない、画面表示品位の高い装置を得ることができる。さらに、本実施の形態のように、素子側基板6を構成する絶縁性樹脂基板61が剛性の低いプラスチック等の樹脂からなる場合であっても、この絶縁性樹脂基板61上に直接形成するTa膜62を低抵抗に形成できるため、絶縁性樹脂基板61の剛性の低さを解決できる。要するに、基板変形が生じないように基板の剛性の低さを考慮して、配線となるTa膜の膜厚を従来より薄く形成した場合でも、表示信号の遅延が生じて表示画面の品質が低下する程度まで、配線抵抗が大きくなることがない。従って、薄型・軽量かつ耐衝撃性に優れ、且つ表示品位も良好な、TFTを備えた液晶表示装置を実現することができる。
【0072】
なお、実施の形態1および2においては、スパッタリングにおいて、ArガスにHeガスを添加した混合ガスをスパッタリンガスとする本発明に係る方法を用いて、低抵抗のタンタル薄膜を製造したが、本方法を他の金属の薄膜形成に適用することも可能である。
【0073】
また、実施の形態1および2においては、本発明に係る方法にて作製された低抵抗金属薄膜を液晶表示装置の金属配線やアクティブ素子電極として利用しているが、これに限るものではなく、液晶表示装置以外、例えば回路基板、イメージセンサ、半導体装置などに利用することも当然可能である。
【0074】
上述した金属薄膜の製造方法は、タンタルをターゲットとすると共に、絶縁性樹脂基板の温度を150℃、RFパワーを3.4W/cm 2 、ArガスとHeガスとの混合ガスでHeガス混合比が50%以上のものをスパッタリングガスとして用いるスパッタリングによって、上記絶縁性樹脂基板上に金属薄膜を形成することを特徴としている。
【0075】
上記の方法によれば、スパッタリングにおいて、従来はアルゴンガスのみを用いていたスパッタリングガスにヘリウムガスを添加することで、容易に低抵抗のタンタル薄膜を作製することが可能となる。
【0076】
また、添加するヘリウムガスの含有率を50%以上とすることにより、従来の方法にて作製したタンタル薄膜の場合は200μΩ・cmであった比抵抗を、50μΩ・cm程度にまで低下させることができる。
【0077】
このように、簡単な方法で、確実に比抵抗が低減されたタンタル薄膜を作製することが可能となる。
【0078】
また、上述した液晶表示装置の製造方法は、上記の金属薄膜の製造方法を用いて、絶縁性樹脂基板上に金属薄膜を形成する工程と、上記金属薄膜にて配線を形成する工程とを含むことを特徴としている。
【0079】
上記の方法により、従来よりも低抵抗の金属薄膜を液晶表示装置の配線として用いることができる。従って、該金属薄膜からなる配線を大画面の液晶表示装置に適用する場合であっても、また、軽量化のために絶縁性基板を樹脂とし、該樹脂基板に変形を生じさせない程度まで金属膜厚を薄く形成する場合であっても、配線遅延が生じる虞れはない。
【0080】
このように、本発明に係る液晶表示装置の製造方法によれば、大面積や軽量であって、かつ表示品位の良好な液晶表示装置を実現することができる。
【0081】
【発明の効果】
以上のように、本発明に係る絶縁性樹脂基板は、Cu(Kα)線によるX線回折θ−2θ測定の結果、回折角(2θ)が35°以上40°以下の範囲で回折ピークが現れ、かつ、比抵抗が50μΩ・cm以下25μΩ・cm以上であるタンタルからなる金属薄膜が直接形成された構成である。
【0082】
それゆえ、本発明に係る絶縁性樹脂基板上のタンタルからなる金属薄膜は、従来のものより比抵抗が4分の1以下となるため、大画面の液晶表示装置であっても、また、絶縁性樹脂基板に変形を生じさせない程度まで膜厚を薄くしても、配線遅延が生じる虞れがない。このように、本発明に係る絶縁性樹脂基板を用いることにより、抵抗の小さい配線等を実現して、軽量で、耐衝撃性に優れ、表示品位の良好な液晶表示装置を実現することができるという効果を奏する
【0083】
た、本発明に係る液晶表示装置は、金属薄膜が、配線として設けられている上記絶縁性樹脂基板を素子側基板として備え、上記素子側基板に対向配置される対向側基板と、上記素子側基板および対向側基板に挟持された液晶層とを備えた構成である。
【0084】
それゆえ、金属薄膜を、大画面の液晶表示装置の配線として適用する場合であっても、また、樹脂基板に変形を生じさせない程度まで膜厚を薄くする場合であっても、配線遅延が生じる虞れがない。このように、大面積や軽量であって、かつ表示品位の良好な液晶表示装置を実現することができるという効果を奏する。
【0085】
上述したように、絶縁性樹脂基板を用いることにより、液晶表示装置の軽量化を実現することができるという効果を奏する
【図面の簡単な説明】
【図1】 (a)ないし(f)は、本発明の第1の実施の形態に係る液晶表示装置の製造方法を示す工程図である。
【図2】 (a)は、上記製造工程にて作製される液晶表示装置の、一画素当たりの構成を示す平面図であり、(b)は、(a)のA−A矢視断面図である。
【図3】 (a)は、従来の成膜方法にて形成されたTa膜のX線回折データであり、(b)は、第1の実施の形態に係る成膜方法にて形成されたTa膜のX線回折データである。
【図4】 上記液晶表示装置の製造工程の、薄膜二端子素子の非線形抵抗膜を形成する陽極酸化工程において、化成電流および化成電圧と陽極酸化時間との関係を示すグラフである。
【図5】 上記液晶表示装置の製造方法にて形成される薄膜二端子素子の、電流−電圧特性を示すグラフである。
【図6】 (a)は、本発明の第2の実施の形態に係る液晶表示装置の、一画素当たりの構成を示す平面図であり、(b)は、(a)のB−B矢視断面図である。
【図7】 (a)ないし(g)は、第2の実施の形態に係る液晶表示装置の製造方法を示す工程図である。
【符号の説明】
1 液晶表示素子
2 素子側基板
3 対向側基板
6 素子側基板
21 絶縁性樹脂基板(絶縁性基板)
22 電極配線,Ta膜(金属薄膜)
31 透明絶縁性樹脂基板(透明絶縁性基板)
32 対向電極
61 絶縁性樹脂基板
62 ゲート配線,Ta膜(金属薄膜)
[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a liquid crystal display device used for office automation equipment, personal computers, portable information terminals, and the like, a metal thin film used for wiring, active elements, and the like of the liquid crystal display device, and a method for manufacturing the same.
[0002]
[Prior art]
In recent years, information processing apparatuses represented by personal computers have been reduced in size and weight. Therefore, there is an increasing demand for light weight and high density display for a display device which is one of the components of such an information processing device. As a display device that meets these demands, a liquid crystal display device has been actively developed.
[0003]
In order to reduce the weight of the liquid crystal display device, attention has been paid to technological development for converting the glass substrate of the liquid crystal display device into a plastic substrate. For high-density display of liquid crystal display devices, technical development of active matrix liquid crystal display devices provided with metal-insulating film-semiconductor (polycrystalline silicon) -thin film transistor (TFT), etc. Is attracting attention.
[0004]
Therefore, an active matrix liquid crystal display device using a plastic substrate is expected as a technology that satisfies both weight reduction and high density display at the same time. However, in the manufacturing process of an active matrix liquid crystal display device, when a TFT made of amorphous silicon or polycrystalline silicon is formed as an active element, there is a problem that the processing must be performed at a temperature higher than the allowable temperature of the plastic substrate material. Therefore, it is difficult to immediately convert a glass substrate to a plastic substrate.
[0005]
On the other hand, in the case of an active matrix liquid crystal display device using MIM (Met-al Insulator Metal) having a metal-insulating film-metal structure as a non-linear resistance element as an active element, it is manufactured as compared with the case of using TFT It is possible to set the processing temperature in the process to be lower than the allowable temperature of the plastic substrate material. However, as will be described later, there is a problem that the substrate is deformed by the film stress of the metal film constituting the MIM, and the present situation is that mass production has not been achieved.
[0006]
[Problems to be solved by the invention]
In general, in an active matrix liquid crystal display device using an MIM as an active element, an anodic oxide film of the metal wiring is used as a non-linear resistance film of the MIM, and a tantalum (Ta) film is often used as the metal wiring. It has been. As described above, in the thin film two-terminal element such as the MIM conventionally used in the liquid crystal display device, the Ta film is used as the first electrode and the Ta anodic oxide film is used as the nonlinear resistance film.
[0007]
As described above, the conventional Ta film provided as the first electrode of the thin film two-terminal element needs to have a film thickness of about 300 to 500 nm in order to serve as a wiring.
[0008]
Next, the total stress applied to the plastic substrate by the Ta film formed on the plastic substrate with the above film thickness will be described. In this case, the total stress applied by the Ta film to the plastic substrate made of polyethersulfone (PES) is expressed by the following equation.
[0009]
Total stress S = σ · d [N / m] (1)
Ta film stress σ = σ I + σ T [N / m 2 ] (2)
σ T = E ff −α s ) ΔT [N / m 2 ] (3)
σ I : Ta film internal stress [N / m 2 ], σ T : Ta film thermal stress [N / m 2 ],
d: Ta film thickness [m], E f : Ta film Young's modulus [N / m 2 ],
α f : thermal expansion coefficient of Ta film [K −1 ], α s : thermal expansion coefficient of PES substrate [K −1 ],
ΔT: temperature difference [K]
Here, the internal stress σ I of the Ta film is 1.8 × 10 9 [N / m 2 ] when the film thickness is 100 nm. Further, the Young's modulus E f of the Ta film is 1.86 × 10 11 [N / m 2 ], the thermal expansion coefficient α f of the Ta film is 6.5 × 10 −6 [K −1 ], and the thermal expansion of the PES substrate. The rate α s is 5.5 × 10 −6 [K −1 ].
[0010]
Using the above formulas (1) to (3), when using a plastic substrate made of polyethersulfone (PES) with a Ta film thickness of 500 nm, the total stress S of the Ta film on the plastic substrate is calculated. Then, the total stress S is about 1000 [N / m].
[0011]
As described above, when a metal wiring is formed with a Ta film on a plastic substrate, the total stress of the formed Ta film is as large as about 1000 [N / m]. Since the rigidity of the plastic substrate is lower than that of the glass substrate, the total stress of the Ta film causes warping of the plastic substrate and peeling of the metal thin film (Ta film) from the plastic substrate, making it difficult to continue the element formation process Problem arises.
[0012]
As a method for relieving the total stress of the Ta film, it is conceivable to reduce the thickness of the Ta film from the above equation (1). For example, when the thickness of the Ta film is set to 100 [nm], the stress (total stress S) applied to the plastic substrate is about 200 [N / m] (compressed) when calculated using the above equations (1) to (3). Stress), and the stress on the plastic substrate can be reduced to about 1/5. However, simply thinking, if the film thickness is 1/5, the resistance value will be about 5 times. In other words, from the point of view of metal wiring, the wiring resistance increases, so the display quality deteriorates due to the display signal delay due to problems such as delay in the display signal and the display quality deteriorates. Problems occur.
[0013]
Therefore, when forming the metal wiring by reducing the thickness of the Ta film, reducing the film resistance is an important technique when forming the Ta film. However, in a method of forming a film in a vacuum atmosphere, such as CVD (Chemical Vapor Depo-sition) or sputtering, water, oxygen, nitrogen, etc. absorbed in the substrate are released when a plastic substrate is used. It has been clarified from a detailed examination that is mixed into the film during film formation and causes the film characteristics of the Ta film to change. In addition, since the state of gas emission from such a substrate is not constant, it is difficult to keep the quality of the Ta film constant at every film formation, and it is difficult to stably form the film resistance of the Ta film. I also understood.
[0014]
The present invention has been made in view of the above-described problems. For example, when used as a wiring of a liquid crystal display device, the display quality is not deteriorated even if the film thickness is thin enough not to deform the plastic substrate. An object of the present invention is to provide an insulating resin substrate on which a metal thin film capable of providing an image with high reproducibility is formed .
[0015]
[Means for Solving the Problems]
In order to solve the above problems, the insulating resin substrate according to the present invention has a diffraction angle (2θ) of 35 ° or more and 40 ° or less as a result of X-ray diffraction θ-2θ measurement using Cu (Kα) rays. A metal thin film made of tantalum having a diffraction peak and a specific resistance of 50 μΩ · cm or less and 25 μΩ · cm or more is directly formed.
[0016]
Conventionally, for example, as a result of X-ray diffraction θ-2θ measurement with Cu (Kα) ray, a tantalum thin film in which a diffraction peak (Dθ) has a diffraction angle (2θ) of 30 ° to 35 ° has a specific resistance of about 200 μΩ · cm. Met. When this conventional tantalum thin film is used as, for example, a metal wiring of a liquid crystal display device, the display quality of the large-screen liquid crystal display device is not good because a wiring delay occurs due to the resistance of the wiring. In addition, when a conventional tantalum thin film is formed as an electrode of a metal wiring or a switching element on an insulating resin substrate to produce a lightweight liquid crystal display device, the insulating resin substrate is not deformed by the stress of the tantalum thin film. For this reason, when the tantalum film thickness is reduced, the resistance value of the wiring increases and wiring delay occurs.
[0017]
On the other hand, the metal thin film made of tantalum on the insulating resin substrate according to the present invention has a specific resistance of 1/4 or less than that of the conventional one, so that it is used as a wiring for a large-screen liquid crystal display device. Even if the thickness of the resin substrate is reduced to such an extent that the resin substrate is not deformed, there is no possibility of causing a wiring delay.
[0018]
Thus, by using the insulating resin substrate according to the present invention, it is possible to realize a wiring having a low resistance.
[0019]
The wavelength of the Cu (Kα) ray is about 7 × 10 −2 nm. In addition, a tantalum thin film in which a diffraction peak in X-ray diffraction θ-2θ measurement appears in a range of the diffraction angle (2θ) of 35 ° or more and 40 ° or less is generally considered to have a cubic structure .
[0020]
Also, in order to solve the above problems, a liquid crystal display device according to the present invention comprises the above-mentioned insulating resin substrate metal thin film is provided as a wiring as an element-side substrate, disposed opposite to the element-side substrate And a liquid crystal layer sandwiched between the element side substrate and the counter side substrate.
[0021]
Conventionally, in a large-screen liquid crystal display device, the display quality is not good, for example, a wiring delay is caused by a wiring resistance. Conventionally, when a tantalum thin film is formed on an insulating resin substrate as an electrode of a metal wiring or a switching element to produce a lightweight liquid crystal display device, the insulating resin substrate is deformed by the stress of the tantalum thin film. If the tantalum film thickness is reduced to avoid this, the wiring resistance value increases and wiring delay occurs.
[0022]
On the other hand, when the metal thin film on the insulating resin substrate of the present invention having a specific resistance lower than that of the conventional one is used as the metal wiring, even when it is applied to a large screen liquid crystal display device, the insulating property Even if the film thickness is reduced to such an extent that the resin substrate is not deformed, there is no possibility of causing a wiring delay.
[0023]
As described above, a liquid crystal display device having a large area, a light weight, and good display quality can be realized.
[0024]
As described above, by using an insulating resin substrate, it is possible to reduce the weight of the liquid crystal display device .
[0025]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
[Embodiment 1]
The following describes the first embodiment of the present invention with reference to FIGS.
[0026]
FIG. 2A is a plan view showing a configuration per pixel of the liquid crystal display device according to the present embodiment, and FIG. 2B is a cross-sectional view taken along the line AA in FIG. is there.
[0027]
The liquid crystal display element 1 constituting the liquid crystal display device according to the present embodiment includes an element-side substrate 2, an opposite-side substrate 3 disposed so as to face the element-side substrate 2, and both the substrates 2 and 3. The liquid crystal layer 4 is provided.
[0028]
The element side substrate 2 includes an electrode wiring 22 comprising a wiring portion 22a and a lower electrode portion 22b branched from the wiring portion 22a for each pixel on an insulating resin substrate 21, and an anode covering the electrode wiring 22. An oxide film 23, a substantially L-shaped upper electrode 24 having one end portion disposed on the lower electrode portion 22b via the anodic oxide film 23, and a part of the upper electrode 24 overlap the other end portion. The pixel electrode 25 is provided, and the alignment film 26 is provided so as to cover substantially the entire surface of the insulating resin substrate 21 on which these elements are formed. The electrode wiring 22, the anodic oxide film 23, and the upper electrode 24 constitute an MIM (Metal Insulator Metal) that is a thin film two-terminal element as an active element. The electrode wiring 22 serves as a wiring in the liquid crystal display device and the lower electrode of the MIM, and the anodic oxide film 23 serves as an insulating film on the wiring and a non-linear resistance film of the MIM.
[0029]
The counter substrate 3 is disposed on the transparent insulating resin substrate 31 on the entire surface of the transparent insulating resin substrate 31 on which the counter electrode 32 provided so as to oppose the pixel electrode 25 and the counter electrode 32 are formed. And an alignment film 33 provided.
[0030]
Next, a method for manufacturing the element side substrate 2 of the liquid crystal display device according to the present embodiment will be described with reference to FIGS.
[0031]
(1) On the insulating resin substrate 21, a Ta film 22 (which will later become the electrode wiring 22) is formed with a film thickness of 100 nm by a sputtering method (see FIG. 1A).
[0032]
The film formation conditions at this time were a substrate temperature of 150 ° C., an RF power of 3.4 W / cm 2 , and a mixed gas of argon (Ar) gas and helium (He) gas, with a He gas mixture ratio of 60%. One was used as the sputtering gas and the total pressure was 0.5 Pa.
[0033]
The Ta film 22 thus formed had a specific resistance of 47 μΩ · cm. On the other hand, a Ta film formed when argon gas 100% is usually used as a sputtering gas has a specific resistance of 200 μΩ · cm. From this, it was found that the low resistance Ta film 22 can be formed by using the above-described method in sputtering.
[0034]
Further, the Ta film 22 formed by the method according to the present embodiment is shown in FIG. 3B by X-ray diffraction θ-2θ measurement using a Cu (Kα) ray having a wavelength of about 7 × 10 −2 nm. Thus, a diffraction signal (diffraction peak) is observed at a diffraction angle (2θ) of 35 ° to 40 °. Thus, the crystal structure of a tantalum thin film in which a diffraction peak appears in the diffraction angle (2θ) range of 35 ° to 40 ° is generally considered to be a cubic structure. For comparison, FIG. 3A shows the result of X-ray diffraction θ-2θ measurement of a conventional Ta film formed by sputtering using only Ar gas. The Y-axis CPS in the figure is an X-ray count value, which is an abbreviation for Count (s) Per Second.
[0035]
Further, it has been found through detailed examination that a Ta film having a specific resistance of 50 μΩ · cm or less and 25 μΩ · cm or more can be obtained by setting the mixing ratio of helium gas to 50% or more. Accordingly, the mixing ratio of helium gas is preferably 50% or more.
[0036]
(2) Next, using the Ta film 22 formed as described above, an electrode wiring 22 serving as a metal wiring and a lower electrode of the MIM that is a liquid crystal electro-optical element is formed. Specifically, the Ta film 22 is selectively etched by a photo-etching method and patterned into a predetermined shape to form an electrode wiring 22 including a wiring part 22a and a lower electrode part 22b.
[0037]
(3) Next, an anodic oxide film (Ta 2 O 5 ) 23 to be a non-linear resistance film of the MIM is formed (see FIG. 1C).
[0038]
As anodizing conditions in the present embodiment, a 1% ammonium borate solution was used as the anodizing solution, the solution temperature was room temperature, and the formation voltage was 35V. Under this condition, the insulating resin substrate 21 on which the electrode wiring 22 is formed is immersed in the anodic oxidation solution to form an anodic oxide film 23 serving as a nonlinear resistance film on the surface of the electrode wiring 22.
[0039]
FIG. 4 shows changes in the formation voltage and the formation current with respect to the anodization time in the anodization process of the present embodiment described above. As shown in FIG. 4, in the present embodiment, the film thickness of the non-linear resistance film to be formed after performing constant current formation with a constant current of 3.2 × 10 −2 A using a low current voltage power supply. When the voltage value corresponding to (35 V in this embodiment) was reached, constant voltage formation was performed for a certain time. In the present embodiment, the constant current formation time is about 54 minutes, and the constant voltage formation time is about 25 minutes.
[0040]
By the anodic oxidation process as described above, a portion from the surface of the electrode wiring 22 to about 26 nm in the depth direction is anodized, and an anodic oxide film 23 having a film thickness of about 60 nm is formed.
[0041]
In this embodiment, the 1% ammonium borate solution is used as the anodic oxidation solution in the anodic oxidation conditions. However, the element characteristics of MIM depend on the oxidation conditions, so that the required element characteristics are satisfied. It may be performed under such conditions. Other typical examples of the anodizing solution include organic acids such as acetic acid and citric acid, inorganic acids such as sulfuric acid and hydrochloric acid, alcohols such as ethylene glycol and diethylene glycol, and the like. Each concentration is 0.0001% by weight or more, more preferably 0.001% by weight or more, and 5% by weight or less, more preferably 1% by weight or less.
[0042]
(4) Next, a titanium (Ti) film functioning as the upper electrode 24 of the MIM is formed with a film thickness of 100 nm by EB (Electron Beam) vapor deposition. In the present embodiment, the film formation conditions at this time are as follows: the film formation temperature is room temperature (no substrate heating), the ultimate vacuum is 6.67 × 10 −4 Pa, the acceleration voltage is 4 kV, and the film formation current is 120 A. .
[0043]
Subsequently, the Ti film is processed into a predetermined shape by photolithography and etching to form the upper electrode 24 (see FIG. 1D). In addition to Ti, chromium (Cr), aluminum (Al), molybdenum (Mo), copper (Cu), or the like can be used for the metal film to be the upper electrode 24.
[0044]
As described above, the thin film two-terminal element (MIM) of the liquid crystal display element 1 according to the present embodiment can be manufactured by the steps (1) to (3). FIG. 5 shows the element characteristics (current-voltage characteristics) of the MIM fabricated as described above. The element characteristics of the MIM were a square having an element area of 5 μm, α = 1.7 × 10 −4 , and β = 3.3. Α is a parameter representing the conductivity of the thin film two-terminal element, and β is a parameter representing the steepness of the thin film two-terminal element (the magnitude of current change with respect to voltage). -It is a coefficient of the following theoretical formula showing Pool-Freckel conduction which is a conduction mechanism of voltage characteristics. In addition, following Formula (4) has shown the current-voltage characteristic of the thin film two terminal element.
[0045]
I = αVExp [β√v] (4)
α = {nμqSExp [one φ / kT]} / d (5)
β = {√q ^ 3 / πεrε0} / kT (6)
(N: carrier concentration, μ: carrier mobility, q: electron charge, S: device area, φ: trap depth, k: Boltzmann constant, T: temperature, d: film thickness of nonlinear resistance film, εr: Relative permittivity of nonlinear resistance film, ε0: Dielectric constant of vacuum)
Subsequently, a manufacturing process of the liquid crystal display device according to the present embodiment will be described with reference to FIG.
[0046]
(4) An ITO (Indium Tin Oxide) film with a film thickness of 40 to 150 nm is formed by sputtering on the insulating resin substrate 21 on which the MIM is formed as described above. Here, an ITO film was formed to a thickness of 100 nm, and the pixel electrode 25 was formed by photolithography and etching (see FIG. 1E).
[0047]
(5) Next, a polyimide film having a film thickness of 60 nm is applied so as to cover the entire surface of the insulating resin substrate 21, and baking is performed at 150 ° C. for 2 hours to form the alignment film 26 (FIG. 1F). )reference.).
[0048]
The element side substrate 2 is completed through the steps (1) to (5).
[0049]
On the other hand, a manufacturing method of the opposite substrate 3 will be described. First, an ITO film is formed with a film thickness of 100 nm on the transparent insulating resin substrate 31 and processed into a predetermined shape by photolithography and etching, thereby forming the counter electrode 32. Next, a polyimide film having a film thickness of 60 nm is applied so as to cover the transparent insulating resin substrate 31 and baked at 150 ° C. for 2 hours to form the alignment film 33. In this way, the opposite substrate 3 is completed.
[0050]
The rubbing process for aligning the liquid crystal layer 4 is performed on the alignment film 26 of the element side substrate 2 and the alignment film 33 of the counter side substrate 3 manufactured as described above. After that, on the element side substrate 2 and the counter side substrate 3, a bonding seal material (not shown) is printed and spacers (not shown) are sprayed to bond the substrates 2 and 3 together. Thereafter, liquid crystal is injected between the substrates 2 and 3 to form the liquid crystal layer 4, thereby completing the production of the liquid crystal display element 1.
[0051]
As described above, according to the present embodiment, the Ta film 22 serving as the wiring and the lower layer electrode can be formed to have a low resistance. Therefore, even in a large-screen liquid crystal display device, screen display without wiring delay is possible. High quality can be obtained. Further, even if the insulating substrate of the element side substrate 2 is made of a resin (plastic or the like) having low rigidity (here, the insulating resin substrate 21), the Ta film 22 directly formed on the insulating resin substrate 21 is formed with a low resistance. Therefore, the low rigidity of the insulating resin substrate 21 can be solved. In short, in consideration of the low rigidity of the insulating resin substrate 21 so that the substrate does not deform, even if the Ta film 22 serving as the wiring is formed thinner than the conventional case, the display signal is delayed. Resistance does not increase to the extent that the quality of the display screen is degraded. Accordingly, it is possible to realize a liquid crystal display device that is thin, lightweight, excellent in impact resistance, and excellent in display quality.
[0052]
[Embodiment 2]
The following describes the second embodiment of the present invention with reference to FIG. 6 and FIG. For convenience of explanation, members having the same functions as those described in the first embodiment are denoted by the same reference numerals, and description thereof is omitted.
[0053]
FIG. 6A is a plan view showing a configuration per pixel of the liquid crystal display element 5 constituting the liquid crystal display device according to the present embodiment, and FIG. 6B is a diagram of B in FIG. It is -B arrow sectional drawing. As shown in the figure, the liquid crystal display element 5 includes an element side substrate 6, a counter side substrate 3, and a liquid crystal layer 4 sandwiched between the substrates 6 and 3. The liquid crystal display element 5 according to the present embodiment includes an element-side substrate 6 using a thin film three-terminal element TFT (Thin Film Transistor) as an active element instead of the thin film two-terminal element MIM. The configuration is substantially the same as that of the liquid crystal display device of the first embodiment described above.
[0054]
The configuration of the element-side substrate 6 will be described with reference to FIGS. 6 (a) and 6 (b). A plurality of gate wirings 62 are formed in parallel to each other on the insulating resin substrate 61, and a gate electrode 62a is branched from the gate wiring 62 for each pixel. The source wiring 63 is arranged so as to intersect with the gate wiring 62 through a gate insulating film 65 described later. A source electrode 63a branches from the source line 63 for each pixel. The gate insulating film 65 is a layer provided to cover the gate wiring 61 and the gate electrode 61a. Reference numeral 64 in the figure denotes an anodic oxide film obtained by anodizing the gate wiring 61.
[0055]
The source electrode 63a is formed through the gate insulating film 65, an undoped amorphous Si film (a-Si film) 66 described later, and an n + amorphous Si film (n + a-Si film) 67a as a contact layer. Overlaid on one side of the gate electrode 62a. A drain electrode 68 is formed on the other side portion of the gate electrode 62a so as to overlap with the gate insulating film 65, the a-Si film 66, and the n + a-Si film 67b as a contact layer. Yes. The a-Si film 66 is a layer formed above the gate electrode 62a via a gate insulating film 65. Further, a pixel electrode 69 is provided so as to be connected to the drain electrode 68.
[0056]
The TFT, which is an active element for selectively driving each pixel, includes the gate electrode 62a, the gate insulating film 65, the a-Si film 66, the n + a-Si films 67a and 67b, the source electrode 63a, and A drain electrode 68 is used.
[0057]
The alignment film 70 is provided on the entire surface of the element-side substrate 6 on which elements are formed as described above.
[0058]
Next, the manufacturing method of the element side substrate 6 will be described with reference to FIGS.
[0059]
(1) On the insulating resin substrate 61, a Ta film 62 (which will later become the gate wiring 62) is formed by sputtering (see FIG. 7A). The film formation conditions at this time are the same as those when the Ta film 22 is formed in the first embodiment. Therefore, the Ta film 62 according to the present embodiment has the same characteristics as the Ta film 22 in the first embodiment. That is, the Ta film 62 is also a low-resistance metal thin film having a specific resistance of 47 μΩ · cm.
[0060]
(2) The Ta film 62 is patterned by a photolithography technique to produce the gate wiring 62 (see FIG. 7B).
[0061]
(3) Next, the gate wiring 62 is anodized by the same method and conditions as the anodic oxidation of the electrode wiring made of the Ta film 22 of the first embodiment, and the anodic oxide film 64 is produced (FIG. 7C). )reference.).
[0062]
(4) Further, a silicon nitride film is formed by a plasma CVD method and patterned into the shape of the gate insulating film 65 (see FIG. 7D).
[0063]
(5) An a-Si film is formed by plasma CVD and patterned into an island shape to form an a-Si film 66 (see FIG. 7E).
[0064]
(6) n + a-Si film is formed by a plasma CVD method, and further formed by sputtering a Ti film, together patterning the n + a-Si film and the Ti film, n + a-Si Films 67a and 67b, source wiring 63 (source electrode 63a), and drain electrode 68 are formed (see FIG. 7F).
[0065]
Through the steps (1) to (6), a TFT which is a thin film three-terminal element is formed.
[0066]
(7) On the insulating resin substrate 61 on which the TFT is formed as described above, an ITO film is formed with a film thickness of 40 to 150 nm by sputtering to form a pixel electrode 69. In this embodiment, an ITO film is formed with a thickness of 100 nm, and the pixel electrode 69 is formed by photolithography and etching.
[0067]
(8) Next, a polyimide film having a film thickness of 60 nm is applied so as to cover the insulating resin substrate 61 and baked at 150 ° C. for 2 hours to form the alignment film 70.
[0068]
As described above, the production of the element side substrate 6 is completed through the steps (1) to (8).
[0069]
The manufacturing method of the counter substrate 3, the bonding method of the element substrate 6 and the counter substrate 3, and the method of forming the liquid crystal layer 4 are the same as those in the first embodiment, and are omitted here. .
[0070]
Note that in the description of the liquid crystal display device according to this embodiment, and in FIGS. 6 and 7, configurations that are not directly related to the characteristic portions of the present invention, such as an auxiliary capacitor and an auxiliary capacitor electrode line, are omitted for the sake of brevity. Yes.
[0071]
As described above, in this embodiment, the low-resistance Ta film 62 formed by this method is used as the gate wiring 62 and the TFT gate electrode 62a. Accordingly, since the resistance of the gate wiring 62 can be reduced, it is possible to obtain a device with high screen display quality without wiring delay even in a large-screen liquid crystal display device. Further, even if the insulating resin substrate 61 constituting the element side substrate 6 is made of a resin such as plastic having low rigidity as in the present embodiment, Ta formed directly on the insulating resin substrate 61 is used. Since the film 62 can be formed with low resistance, the low rigidity of the insulating resin substrate 61 can be solved. In short, considering the low rigidity of the substrate so that the substrate does not deform, even if the Ta film that forms the wiring is made thinner than before, the display signal is delayed and the quality of the display screen is degraded. The wiring resistance does not increase to such an extent. Therefore, it is possible to realize a liquid crystal display device including a TFT that is thin, lightweight, excellent in impact resistance, and has a good display quality.
[0072]
In the first and second embodiments, a low-resistance tantalum thin film is manufactured using the method according to the present invention in which sputtering uses a mixed gas obtained by adding He gas to Ar gas in sputtering. It is also possible to apply the method to thin film formation of other metals.
[0073]
In the first and second embodiments, the low-resistance metal thin film produced by the method according to the present invention is used as a metal wiring or an active element electrode of a liquid crystal display device. However, the present invention is not limited to this. Other than the liquid crystal display device, for example, it can be used for a circuit board, an image sensor, a semiconductor device, and the like.
[0074]
The metal thin film manufacturing method described above uses tantalum as a target, the temperature of the insulating resin substrate is 150 ° C., the RF power is 3.4 W / cm 2 , and the mixed gas of Ar gas and He gas is a He gas mixture ratio. Is characterized in that a metal thin film is formed on the insulating resin substrate by sputtering using 50% or more as a sputtering gas.
[0075]
According to the above method, a low-resistance tantalum thin film can be easily produced by adding helium gas to a sputtering gas that conventionally uses only argon gas.
[0076]
In addition, by setting the content of helium gas to be added to 50% or more, the specific resistance of 200 μΩ · cm in the case of a tantalum thin film manufactured by a conventional method can be reduced to about 50 μΩ · cm. it can.
[0077]
Thus, it becomes possible to produce a tantalum thin film with reduced specific resistance with a simple method.
[0078]
Moreover, the manufacturing method of the liquid crystal display device mentioned above includes the process of forming a metal thin film on an insulating resin substrate using the manufacturing method of said metal thin film, and the process of forming wiring in the said metal thin film. It is characterized by that.
[0079]
By the above method, a metal thin film having a resistance lower than that of the conventional one can be used as the wiring of the liquid crystal display device. Accordingly, even when the wiring made of the metal thin film is applied to a large-screen liquid crystal display device, the metal film is made to the extent that the insulating substrate is made of resin for weight reduction and the resin substrate is not deformed. Even when the thickness is reduced, there is no possibility that wiring delay will occur.
[0080]
Thus, according to the method for manufacturing a liquid crystal display device according to the present invention, it is possible to realize a liquid crystal display device having a large area, a light weight, and a good display quality.
[0081]
【The invention's effect】
As described above, in the insulating resin substrate according to the present invention, as a result of X-ray diffraction θ-2θ measurement using Cu (Kα) rays, a diffraction peak appears in a diffraction angle (2θ) range of 35 ° to 40 °. In addition, a metal thin film made of tantalum having a specific resistance of 50 μΩ · cm or less and 25 μΩ · cm or more is directly formed.
[0082]
Therefore, the metal thin film made of tantalum on the insulating resin substrate according to the present invention has a specific resistance of 1/4 or less than that of the conventional one. Even if the film thickness is reduced to such an extent that deformation of the conductive resin substrate does not occur, there is no possibility of causing a wiring delay. As described above, by using the insulating resin substrate according to the present invention, it is possible to realize a liquid crystal display device having a light resistance, excellent impact resistance, and good display quality by realizing wiring with low resistance. There is an effect .
[0083]
Also, a liquid crystal display device according to the present invention, the metal thin film, comprising the insulating resin substrate provided as a wiring as an element-side substrate, a counter substrate disposed to face the element substrate, the element The liquid crystal layer is sandwiched between the side substrate and the opposite side substrate.
[0084]
Therefore, even when the metal thin film is applied as a wiring of a large-screen liquid crystal display device or when the film thickness is reduced to such an extent that the resin substrate is not deformed, a wiring delay occurs. There is no fear. As described above, there is an effect that it is possible to realize a liquid crystal display device having a large area and a light weight and good display quality.
[0085]
As described above, the use of the insulating resin substrate produces an effect that the liquid crystal display device can be reduced in weight .
[Brief description of the drawings]
FIGS. 1A to 1F are process diagrams showing a method for manufacturing a liquid crystal display device according to a first embodiment of the present invention.
2A is a plan view showing a configuration per pixel of a liquid crystal display device manufactured by the above manufacturing process, and FIG. 2B is a cross-sectional view taken along line AA in FIG. It is.
3A is X-ray diffraction data of a Ta film formed by a conventional film forming method, and FIG. 3B is a film formed by the film forming method according to the first embodiment. It is X-ray diffraction data of Ta film.
FIG. 4 is a graph showing the relationship between the formation current and the formation voltage and the anodic oxidation time in the anodizing step of forming the nonlinear resistance film of the thin film two-terminal element in the manufacturing process of the liquid crystal display device.
FIG. 5 is a graph showing current-voltage characteristics of a thin film two-terminal element formed by the liquid crystal display device manufacturing method.
6A is a plan view showing a configuration per pixel of a liquid crystal display device according to a second embodiment of the present invention, and FIG. 6B is a BB arrow in FIG. FIG.
7A to 7G are process diagrams illustrating a method for manufacturing a liquid crystal display device according to a second embodiment.
[Explanation of symbols]
DESCRIPTION OF SYMBOLS 1 Liquid crystal display element 2 Element side substrate 3 Opposite side substrate 6 Element side substrate 21 Insulating resin substrate (insulating substrate)
22 Electrode wiring, Ta film (metal thin film)
31 Transparent insulating resin substrate (transparent insulating substrate)
32 Counter electrode 61 Insulating resin substrate 62 Gate wiring, Ta film (metal thin film)

Claims (2)

Cu(Kα)線によるX線回折θ−2θ測定の結果、回折角(2θ)が35°以上40°以下の範囲で回折ピークが現れ、
かつ、比抵抗が50μΩ・cm以下25μΩ・cm以上であるタンタルからなる金属薄膜が直接形成されたことを特徴とする絶縁性樹脂基板。
As a result of X-ray diffraction θ-2θ measurement with Cu (Kα) ray, a diffraction peak appears in the range of diffraction angle (2θ) of 35 ° or more and 40 ° or less,
An insulating resin substrate characterized in that a metal thin film made of tantalum having a specific resistance of 50 μΩ · cm or less and 25 μΩ · cm or more is directly formed.
金属薄膜が配線として設けられている請求項1に記載の絶縁性樹脂基板を素子側基板として備え、  The insulating resin substrate according to claim 1, wherein a metal thin film is provided as a wiring,
上記素子側基板に対向配置される対向側基板と、  A counter-side substrate disposed to face the element-side substrate;
上記素子側基板および対向側基板に挟持された液晶層とを備えたことを特徴とする液晶表示装置。  A liquid crystal display device comprising: a liquid crystal layer sandwiched between the element side substrate and the opposite side substrate.
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